JP7511695B2 - 低粘度硬化剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化剤の製造方法に関し、特に、低粘度硬化剤の製造方法に関する。
メチルテトラヒドロフタル酸無水物は、良好な耐熱性及び安定性を有し、高温環境でも良好な物理的特性及び電気特性を維持することができるため、有機酸無水物硬化エポキシ樹脂の硬化剤として広く用いられている。
一般的に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物を合成するための反応物は、ピペリレン、イソプレン及び酸無水物を含む。従来の技術において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法では、計量された反応物を一挙に反応装置に添加して、反応物をディールス・アルダー反応(Diels-Alder reaction,共役ジエンへの付加反応とも称す)にかけることによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物を製造する。次に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物と酸性触媒(例えば、硫酸、p-トルエンスルホン酸)とを異性化反応にかけることによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の特性を向上させる。
しかしながら、従来の技術で製造されたメチルテトラヒドロフタル酸無水物の粘度が高いため、加工しにくい問題がある。故に、工程の改良により、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の粘度を低減して、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の加工性を向上することは、本事業にとって重要な課題の1つである。
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の不足に対し、低粘度硬化剤の製造方法を提供することである。
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段によって、低粘度硬化剤の製造方法を提供する。低粘度硬化剤の製造方法は、粗製硬化剤を提供し、粗製硬化剤とアルカリ触媒とを異性化反応にかけることによって、低粘度硬化剤を得ることを含む。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含み、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7である。低粘度硬化剤の粘度は30cps~50cpsである。
一つの実施形態において、異性化反応は130℃~160℃の温度で行う。
一つの実施形態において、アルカリ触媒は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される。
一つの実施形態において、低粘度硬化剤に含まれた、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1である。
一つの実施形態において、粗製硬化剤に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:4~1:7である。
一つの実施形態において、低粘度硬化剤の製造方法は、反応タンクに無水マレイン酸を供給することと、反応タンクにピペリレンを添加して、ピペリレンと無水マレイン酸との第1の付加反応を行うことと、反応タンクにイソプレンを添加して、イソプレンと無水マレイン酸との第2の付加反応を行うことによって、粗製硬化剤を得ることと、を更に含む。
一つの実施形態において、無水マレイン酸の転化率が25%以上に至った時に、第1の付加反応を終了させて、反応タンクにイソプレンを添加する。
一つの実施形態において、第1の付加反応は80℃~120℃の温度で行い、第2の付加反応は80℃~120℃の温度で行う。
一つの実施形態において、無水マレイン酸の含有量が100ppm未満となった時に、第2の付加反応を終了させる。
一つの実施形態において、ピペリレンの純度は65%~75%であり、イソプレンの純度が99%以上である。
本発明の有利な効果として、本発明に係る低粘度硬化剤の製造方法は、「粗製硬化剤に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量を制御する」及び「アルカリ触媒を添加して異性化反応を行う」といった技術特徴によって、硬化剤の粘度が低減され、低粘度硬化剤により広い応用性がもたらされる。
本発明の実施形態に係る低粘度硬化剤の製造方法のフローチャートである。 本発明の低粘度硬化剤を製造するための装置の模式図である。
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照されたい。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明の実施形態に係る「低粘度硬化剤の製造方法」を説明する。当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用することができ、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲が制限されることはない。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つまたは複数の組み合わせを含むことがある。
従来の硬化剤の製造方法と異なり、本発明では、粗製硬化剤の成分(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)の含有量を制御すると共に、アルカリ触媒を添加して異性化反応を行わせることによって、硬化剤の粘度を低減する効果が得られる。このように、本発明の低粘度硬化剤は良好な加工性及びより広い応用性を有する。
本発明では、メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む粗製硬化剤を提供する。具体的に説明すると、粗製硬化剤は3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。具体的に説明すると、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7である。例えば、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比は、6:4、5:5又は4:6であってもよい。好ましくは、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量の同等以上である。
3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の融点は、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の融点より低いため、粗製硬化剤における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量が低い場合、粗製硬化剤が比較的に高い粘度を有する。粗製硬化剤における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量が高い場合、粗製硬化剤が比較的に低い粘度を有する。故に、本発明は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比を制御することによって、硬化剤の粘度を調整することができる。
次に、粗製硬化剤とアルカリ触媒とを130℃~160℃の温度で異性化反応(isomerization reaction)にかけることで、低粘度硬化剤を得る。詳しく説明すると、異性化反応では、粗製硬化剤における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に対して異性化反応を行って、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸をトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に変化させることによって、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を調整する。
異性化反応を行う前に、粗製硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より少ない。異性化反応を行った後に、低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より多い。低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比は、ガスクロマトグラフ(ブランド:Agilent,品番:8860GC)によりモニターすることができる。一つの例示態様において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1(例えば、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1又は4.5:1)である。
低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量を向上させることによって、低粘度硬化剤の粘度を低くすることができるため、最終の製品がより広く応用可能になる。具体的に説明すると、低粘度硬化剤の粘度は、30cps~50cpsであってもよい。例えば、35cps、40cps又は45cpsである。
異性化反応で用いるアルカリ触媒は、有機塩基又は無機塩基であってもよい。有機塩基は、アルカノールアミンであってもよく、特に、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択されてもよい。無機塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選択されてもよい。
本発明の硬化剤の製造方法を説明するために、後述の実施例1~4を用いて説明する。実施例1~4の反応パラメータを、表1に示す。
[実施例1]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投入した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含んでいた。
水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、140℃の温度で異性化反応を24時間行わせることによって、低粘度硬化剤を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.03:1であり、低粘度硬化剤の粘度は34cpsであった。
[実施例2]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投入した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含んでいた。
ジエタノールアミン(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、140℃の温度で異性化反応を24時間行わせることによって、低粘度硬化剤を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3.64:1であり、低粘度硬化剤の粘度は37cpsであった。
[実施例3]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投入した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含んでいた。
水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、150℃の温度で異性化反応を24時間行わせることによって、低粘度硬化剤を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.31:1であり、低粘度硬化剤の粘度は33cpsであった。
[実施例4]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投入した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含んでいた。
トリエタノールアミン(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、140℃の温度で異性化反応を24時間行わせることによって、低粘度硬化剤を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、低粘度硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3.75:1であり、低粘度硬化剤の粘度は36cpsであった。
実施例1~4の内容によれば、粗製硬化剤の成分の含有量を制御すると共に、アルカリ触媒を用いて、一部のシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸をトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に変化させることによって、硬化剤の粘度を低減する効果が得られた。具体的に説明すると、低粘度硬化剤の粘度は、32cps~38cpsであった。更に、アルカリ触媒の触媒効果を比較すると、無機塩基が有機塩基より優れた反応効果を有する。
上述したように、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比は、硬化剤の粘度に影響を及ぼす。よって、本発明に係る低粘度硬化剤の製造方法は、ピペリレン、イソプレン及び酸無水物からメチルテトラヒドロフタル酸無水物(粗製硬化剤)を合成する工程を更に含んでもよい。
図1及び図2を参酌しながら説明する。図1は本発明に係る低粘度硬化剤の製造方法のフローチャートである。図2は本発明の低粘度硬化剤を製造するための装置の模式図である。なお、図2で示した装置は本発明を実施することができるが、本発明の工程はこれに制限されるものではない。
工程S1~S3において、反応タンク1に反応物R(無水マレイン酸、ピペリレン及びイソプレン)を添加し、二回の付加反応(第1の付加反応及び第2の付加反応)を経た後に、結晶性固体(Crystalline solid)であるメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物(粗製硬化剤)が生成する。また、反応物Rに含まれた不純物G(特にピペリレンに含まれた不純物)は、無水マレイン酸と反応することがないため、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を生成させた後に、不純物Gを、気体として反応装置1から排出させて、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物と分離することができる。
工程S1において、反応タンク1に無水マレイン酸を添加する。反応タンク1が60℃~75℃に加熱されることによって、無水マレイン酸が液体になることで、反応の進行にとって有利となる。
工程S2において、反応タンク1にピペリレンを添加する。詳しく説明すると、ピペリレンが気体として反応タンク1に導入される。反応タンク1が80℃~120℃に加熱されて、第1の付加反応が行われる。第1の付加反応において、無水マレイン酸とピペリレンとの反応によって3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸が生成する。
三次元構造の相違によって、第1の付加反応で生成された3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸は光学異性体(optical isomer)を有する。具体的に説明すると、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より少ない。一つの例示態様において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は1:4~1:7(例えば、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6又は1:6.5)である。トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との比率を更に調整する場合、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(粗製硬化剤)に対して異性化反応を行わせる(工程S4)ことができる。異性化反応の具体的なステップについて、後に説明する。
第1の付加反応を行う時間を調整することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有比を調整する効果が得られる。本発明において、無水マレイン酸の転化率が25%以上に達した時に、第1の付加反応を終了させる。即ち、本発明において、予め生成されたメチルテトラヒドロフタル酸無水物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、少なくとも25%以上である。具体的に説明すると、第1の付加反応は、無水マレイン酸の転化率が30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%又は80%に至った時に中止することが可能である。
工程S3において、反応タンク1にイソプレンを添加する。詳しく説明すると、イソプレンが気体として反応タンク1に導入される。反応タンク1が80℃~120℃に加熱されて、第2の付加反応が行われる。第2の付加反応において、無水マレイン酸とイソプレンとの反応によって4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸が生成する。生産コストを低減するために、無水マレイン酸の含有量が100ppm未満となった時に、第2の付加反応を終了させるが、本発明はこれに制限されるものではない。
前記第1の付加反応及び前記第2の付加反応(工程S1~S3)を経た後に、結晶性固体のメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物(粗製硬化剤)が得られる。メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。また、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有比は、第1の付加反応の反応時間によって調整することができる。一つの例示態様において、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7である。例えば、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比は、6:4、5:5又は4:6であってもよい。
本発明において、無水マレイン酸が過剰試薬であり、ピペリレン及びイソプレンが限定試薬である。第1の付加反応において、無水マレイン酸とピペリレンとを先に反応させて、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成させる。第2の付加反応において、残った無水マレイン酸とイソプレンとを反応させて、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成させる。二回の付加反応(第1の付加反応及び第2の付加反応)を経た後に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。このように、ピペリレンとイソプレンとの間の競争反応の発生を回避できるため、反応物の反応効率が向上する効果が得られる。
また、反応物を段階的に添加する技術手段によって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を制御することができ、必要に応じて所望の特性を有するメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を製造することもできる。
また、反応物の純度も反応の反応速度に影響する。現在、市販のピペリレンの純度がイソプレンの純度より低いことが多いため、本発明において、ピペリレンを先に添加して、イソプレンを次に添加する。第1の付加反応では、無水マレイン酸が未だ反応を行っていなく、高い濃度を有するため、ピペリレンの純度が低いことによる反応速度が低い問題が補足される。第2の付加反応では、無水マレイン酸とピペリレンとが反応して3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成しているため、無水マレイン酸の濃度が低い。よって、純度が高いイソプレンによって、無水マレイン酸の濃度が低いことによる反応速度が低い問題が補足される。このように、本発明に係るメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、反応効率が向上する効果が得られる。
本発明の実施形態において、ピペリレンの純度が80%以下(65%~75%)である場合、イソプレンの純度が99%以上であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を製造した後に、必要に応じて、工程S4~工程S6でメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物の特性を調整することができる。
工程S4において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物(粗製硬化剤)を異性化タンク2に送り込み、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物とアルカリ触媒Cとを130℃~160℃の温度で異性化反応にかけることで、異性化産物(低粘度硬化剤)を得る。詳しく説明すると、工程S4では、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に対して異性化反応を行わせて、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸をトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に変化させることによって、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を調整する。
異性化反応を行う前に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より少ない。異性化反応を行った後に、異性化産物に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より多い。異性化産物(低粘度硬化剤)に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比は、ガスクロマトグラフによりモニターすることができる。一つの例示態様において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1(例えば、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1又は4.5:1)である。
工程S5において、異性化産物(低粘度硬化剤)を蒸留塔3に導入することによって、アルカリ触媒Cを分離して精製を行う。工程S6において、異性化産物(低粘度硬化剤)を蒸留塔3から配合タンク4に導入すると共に、安定剤S(例えば、2,6-ジブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene,BHT))を任意選択により添加して、産物の保存性を向上することができるが、本発明はこれに制限されるものではない。工程S7において、安定剤Sを添加した産物を、配合タンク4から完成品貯蔵タンク5に送り込むことによって、製品の包装を行う。
本発明のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法を説明するために、後述の実施例5~7を用いて説明する。実施例5~7の反応パラメータを、表2に示す。
[実施例5]
反応タンクに無水マレイン酸6000kgを添加すると共に、無水マレイン酸を加熱・溶融した。反応タンクの温度が70℃に加熱された時に、反応タンクに気化されたピペリレンを導入して、第1の付加反応を行った。第1の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の転化率をモニターした。無水マレイン酸の転化率が70%(12時間かかる)に至った時に、ピペリレンの導入を停止し、第1の付加反応を終了させた。
反応タンクに気化されたイソプレンを導入して、第2の付加反応を行った。第2の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の含有量をモニターした。無水マレイン酸の含有量が100ppm未満(4時間かかる)となった時に、イソプレンの導入を停止し、第2の付加反応を終了させた。反応タンクにおける残留の気体を排除することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物(粗製硬化剤)を得た。
実施例5において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3であった。トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:5.6であった。
次に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を、異性化タンクに導入して、水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)を添加すると共に、150℃の温度で異性化反応を24時間行わせることによって、異性化産物(低粘度硬化剤)を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、異性化産物に含まれたるランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.31:1であり、異性化産物の粘度は33cpsであった。次に、異性化産物を、前記工程S5~工程S7にかけて最終製品を得た。
[実施例6]
反応タンクに無水マレイン酸6000kgを添加すると共に、無水マレイン酸を加熱・溶融した。反応タンクの温度が100℃に加熱された時に、反応タンクに気化されたピペリレンを導入して、第1の付加反応を行った。第1の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の転化率をモニターした。無水マレイン酸の転化率が50%(8.5時間かかる)に至った時に、ピペリレンの導入を停止し、第1の付加反応を終了させた。
反応タンクに気化されたイソプレンを導入して、第2の付加反応を行った。第2の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の含有量をモニターした。無水マレイン酸の含有量が100ppm未満(6時間かかる)となった時に、イソプレンの導入を停止し、第2の付加反応を終了させた。反応タンクにおける残留の気体を排除することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物(粗製硬化剤)を得た。
実施例6において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:1であった。トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:5.2であった。
次に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を、異性化タンクに導入して、水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)を添加すると共に、150℃の温度で異性化反応を20時間わせることによって、異性化産物(低粘度硬化剤)を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、異性化産物に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3.5:1であり、異性化産物の粘度は36cpsであった。次に、異性化産物を、前記工程S5~工程S7にかけて最終製品を得た。
[実施例7]
反応タンクに無水マレイン酸6000kgを添加すると共に、無水マレイン酸を加熱・溶融した。反応タンクの温度が100℃に加熱された時に、反応タンクに気化されたピペリレンを導入して、第1の付加反応を行った。第1の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の転化率をモニターした。無水マレイン酸の転化率が30%(4時間かかる)に至った時に、ピペリレンの導入を停止し、第1の付加反応を終了させた。
反応タンクに気化されたイソプレンを導入して、第2の付加反応を行った。第2の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の含有量をモニターした。無水マレイン酸の含有量が100ppm未満(8時間かかる)となった時に、イソプレンの導入を停止し、第2の付加反応を終了させた。反応タンクにおける残留の気体を排除することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物(粗製硬化剤)を得た。
実施例7において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3:7であった。トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:5.5であった。
メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を、異性化タンクに導入して、水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)を添加すると共に、150℃の温度で異性化反応を16時間行わせることによって、異性化産物(低粘度硬化剤)を得た。ガスクロマトグラフでモニターした結果、異性化産物に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.1:1であり、異性化産物の粘度は40cpsであった。次に、異性化産物を、前記工程S5~工程S7にかけて最終製品を得た。
実施例5~7の内容によれば、本発明の段階的に反応物を添加する技術手段によって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を調整することができる。また、本発明の段階的に反応物を添加する技術手段では、反応物の反応効率を向上させて、比較的に低い温度で二回の付加反応を行うことができる。なお、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比、及び異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を制御することによって、産物の粘度を制御する効果が得られる。具体的に説明すると、異性化産物の粘度は32cps~42cpsであった。
[実施形態による有利な効果]
本発明の有利な効果として、本発明に係る低粘度硬化剤の製造方法では、「粗製硬化剤に含まれる3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量を制御する」及び「アルカリ触媒を添加して異性化反応を行う」といった技術特徴によって、硬化剤の粘度が低減され、低粘度硬化剤により広い応用性がもたらされる。
更に説明すると、本発明は、「反応タンクにピペリレンを添加して第1の付加反応を行う」及び「反応タンクにイソプレンを添加して第2の付加反応を行う」といった技術特徴によって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物を製造する反応効率を向上させることができる。このように、本発明は、80℃~120℃の温度で付加反応を行うことが可能であり、生産コストを低くすることができる。
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。
1・・・反応タンク
2・・・異性化タンク
3・・・蒸留塔
4・・・配合タンク
5・・・完成品貯蔵タンク

Claims (9)

  1. 3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む、粗製硬化剤を提供することと、
    前記粗製硬化剤とアルカリ触媒とを異性化反応にかけることによって、低粘度硬化剤を得ることと、
    を含み、
    前記3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と前記4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(前記3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:前記4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7であり、
    前記粗製硬化剤に含まれるトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:4~1:7であり、
    前記低粘度硬化剤の粘度は30cps~50cpsであることを特徴とする、低粘度硬化剤の製造方法。
  2. 前記異性化反応は130℃~160℃の温度で行う、請求項1に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  3. 前記アルカリ触媒は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  4. 前記低粘度硬化剤において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1である、請求項1に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  5. 反応タンクに無水マレイン酸を供給することと、
    前記反応タンクにピペリレンを添加して、前記ピペリレンと前記無水マレイン酸との第1の付加反応を行うことと、
    前記反応タンクにイソプレンを添加して、前記イソプレンと前記無水マレイン酸との第2の付加反応を行うことによって、前記粗製硬化剤を得ることと、
    を更に含む、請求項1に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  6. 前記無水マレイン酸の転化率が25%以上に至った時に、前記第1の付加反応を終了させて、前記反応タンクにイソプレンを添加する、請求項に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  7. 前記第1の付加反応は80℃~120℃の温度で行い、前記第2の付加反応は80℃~120℃の温度で行う、請求項に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  8. 前記無水マレイン酸の含有量が100ppm未満となった時に、前記第2の付加反応を終了させる、請求項に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
  9. 前記ピペリレンの純度は65%~75%であり、前記イソプレンの純度が99%以上である、請求項に記載の低粘度硬化剤の製造方法。
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