JP7508915B2 - 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた接着性フィルム付き金属端子の製造方法、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた接着性フィルム付き金属端子の製造方法、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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本開示は、金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた接着性フィルム付き金属端子の製造方法、金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法に関する。
従来、様々なタイプの蓄電デバイスが開発されているが、あらゆる蓄電デバイスにおいて電極や電解質等の蓄電デバイス素子を封止するために蓄電デバイス用外装材が不可欠な部材になっている。従来、蓄電デバイス用外装材として金属製の蓄電デバイス用外装材が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、蓄電デバイスには、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の蓄電デバイス用外装材では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る蓄電デバイス用外装材として、基材層/接着層/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層された積層シートが提案されている。このようなフィルム状の蓄電デバイス用外装材を用いる場合、蓄電デバイス用外装材の最内層に位置する熱融着性樹脂層同士を対向させた状態で、蓄電デバイス用外装材の周縁部をヒートシールにて熱融着させることにより、蓄電デバイス用外装材によって蓄電デバイス素子が封止される。
蓄電デバイス用外装材のヒートシール部分からは、金属端子が突出しており、蓄電デバイス用外装材によって封止された蓄電デバイス素子は、蓄電デバイス素子の電極に電気的に接続された金属端子によって外部と電気的に接続される。すなわち、蓄電デバイス用外装材がヒートシールされた部分のうち、金属端子が存在する部分は、金属端子が熱融着性樹脂層に挟持された状態でヒートシールされている。金属端子と熱融着性樹脂層とは、互いに異種材料により構成されているため、金属端子と熱融着性樹脂層との界面において、密着性が低下しやすい。
このため、金属端子と熱融着性樹脂層との間には、これらの密着性を高めることなどを目的として、接着性フィルムが配されることがある。このような接着性フィルムとしては、例えば特許文献1に記載されたものが挙げられる。
特開2015-79638号公報
金属端子と熱融着性樹脂層との間に配される接着性フィルムは、蓄電デバイス用外装材と金属端子との間において、高温・高圧でヒートシールされるため、優れた耐熱性及びシール性が要求される。
接着性フィルムが使用される蓄電デバイスとしては、リチウムイオン電池などの電解液を含むものが一般的であるが、電解質が固体電解質である全固体電池も知られている。全固体電池は、電解質が固体であるため、電解液を使用した蓄電デバイスと比較して、高温での高速充電が可能であり、リチウムイオン電池などと比較して、より高温環境での使用が想定されている。
また、全固体電池は、固体電解質のイオン伝導度を高めることなどを目的として、その製造過程において、セルに金属端子が取り付けられた状態で高温高圧(例えば温度120℃から150℃、圧力100MPa程度)でプレスされることがある為、金属端子部が高温に達する恐れがある。また、急速充電時には金属端子の温度が150℃程度にまで到達する恐れがある。したがって、前述した接着性フィルムを全固体電池に適用する場合には、特に優れた耐熱性と高いシール性が要求される。
このような状況下、本開示は、優れた耐熱性とシール性を備える、金属端子用接着性フィルムを提供することを主な目的とする。さらに、本開示は、当該金属端子用接着性フィルムを利用した金属端子用接着性フィルム付き金属端子、接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス及び当該蓄電デバイスの製造方法を提供することも目的とする。
本開示の発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、融点が150℃以上270℃以下の樹脂層を少なくとも1層と、接着層とを含んでおり、接着層が、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されていることにより、優れた耐熱性とシール性を発揮することを見出した。本開示は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
蓄電デバイス素子の電極に電気的に接続された金属端子と、前記蓄電デバイス素子を封止する蓄電デバイス用外装材との間に介在される、金属端子用接着性フィルムであって、
前記金属端子用接着性フィルムは、少なくとも1層の樹脂層と、接着層とを含んでおり、
前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されている、金属端子用接着性フィルム。
本開示によれば、金属端子に対して、優れた耐熱性とシール性を有する金属端子用接着性フィルムを提供することができる。さらに、本開示は、当該金属端子用接着性フィルムを利用した金属端子用接着性フィルム付き金属端子、接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス及び当該蓄電デバイスの製造方法を提供することも目的とする。
本開示の蓄電デバイスの略図的平面図である。 図1の線A-A’における略図的断面図である。 図1の線B-B’における略図的断面図である。 本開示の金属端子用接着性フィルムの略図的断面図である。 本開示の金属端子用接着性フィルムの略図的断面図である。 本開示の金属端子用接着性フィルムの略図的断面図である。 本開示の金属端子用接着性フィルムの略図的断面図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材の略図的断面図である。
本開示の金属端子用接着性フィルムは、蓄電デバイス素子の電極に電気的に接続された金属端子と、前記蓄電デバイス素子を封止する蓄電デバイス用外装材との間に介在される、金属端子用接着性フィルムであって、前記金属端子用接着性フィルムは、少なくとも1層の樹脂層と、接着層とを含んでおり、前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。本開示の金属端子用接着性フィルムは、このような構成を備えていることにより、優れた耐熱性とシール性とを発揮する。
また、本開示の蓄電デバイスは、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子と、当該蓄電デバイス素子を封止する蓄電デバイス用外装材と、前記正極及び前記負極のそれぞれに電気的に接続され、前記蓄電デバイス用外装材の外側に突出した金属端子とを備える蓄電デバイスであって、金属端子と蓄電デバイス用外装材との間に、本開示の金属端子用接着性フィルムが介在されてなることを特徴とする。以下、本開示の金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法について詳述する。
なお、本明細書において、数値範囲については、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.金属端子用接着性フィルム
本開示の金属端子用接着性フィルムは、蓄電デバイス素子の電極に電気的に接続された金属端子と、蓄電デバイス素子を封止する蓄電デバイス用外装材との間に介在されるものである。具体的には、例えば図1から図3に示されるように、本開示の金属端子用接着性フィルム1は、蓄電デバイス素子4の電極に電気的に接続されている金属端子2と、蓄電デバイス素子4を封止する蓄電デバイス用外装材3との間に介在されている。また、金属端子2は、蓄電デバイス用外装材3の外側に突出しており、ヒートシールされた蓄電デバイス用外装材3の周縁部3aにおいて、金属端子用接着性フィルム1を介して、蓄電デバイス用外装材3に挟持されている。
前述したように、例えば全固体電池の製造工程での加熱プレス工程や、急速充電時などに150℃程度の高温となることが想定され、耐用温度として150℃程度が求められる。このため、蓄電デバイス用外装材3には、融点が150℃以上の熱融着性樹脂層を使用する必要があり、蓄電デバイス用外装材同士からなる辺をヒートシールする際の加熱温度としては、通常160~250℃程度の範囲、圧力としては、通常0.5~2.0MPa程度の範囲で、平板状の金属製のシールバーを用いてシールする。金属端子用接着性フィルムを介して金属端子と蓄電デバイス用外装材とをヒートシールする辺については、同様に、通常160~250℃程度の範囲、圧力としては、通常0.5~2.0MPa程度の範囲で、必要に応じてシールヘッドの該当部分に金属端子や金属端子用接着性フィルムの厚みによる差分を調整する段差を設けた、段差付きの金属性のシールヘッドを用いてシールする。また、接着性フィルムはあらかじめ金属端子の所定の位置に接着しておくことが望ましく、例えば、熱溶着により接着する場合においては、金属端子への仮接着工程及び本接着工程というように、複数回の加熱及び加圧が行われることが一般的である。仮接着工程は、金属端子への金属端子用接着性フィルムへの仮止めや気泡抜きを行う工程であり、本接着工程は、仮接着工程よりも高温条件で1回又は複数回の加熱・加圧を行って金属端子用接着性フィルムを金属端子に接着させる工程である。金属端子用接着性フィルムの金属端子への仮接着工程は、例えば、温度160~230℃程度、圧力0.1~0.5MPa程度、時間10~20秒間程度、硬度20~50程度、厚さ2~5mm程度の耐熱ゴムで被覆した金属製のシールヘッドで1~2回程度の条件で行われ、本接着工程は、金属端子用接着性フィルムと金属端子と間の熱融着を目的とし、例えば、温度180~250℃程度、圧力0.2~1.0MPa程度、時間10~20秒間程度、硬度20~50程度、厚さ2~5mm程度の耐熱ゴムで被覆した金属製のシールヘッドで1~2回程度の条件で行われる。また、必要に応じて、シールヘッドの該当部分に金属端子や金属端子用接着性フィルムの厚みによる差分を調整する段差を設けることで、効率的に溶着することが可能である。また、金属端子用接着性フィルムの金属端子側の表面に接着層を設けることで、比較的低温で金属端子と金属端子用接着性フィルムを接着することが可能である。例えば、接着層として金属接着可能な熱硬化性樹脂を硬化が未完全の状態で積層した後、金属端子と金属端子用接着性フィルムを熱シールした後、エージング(熟成)により硬化させて耐熱性を持たせる事が可能である。この場合の金属端子と金属端子用接着性フィルムのシール条件は、例えば、100℃~200℃程度、圧力0.2~3.0MPa程度であり、エージング条件は40~150℃程度、1分間~5日程度である。なお、本開示の金属端子用接着性フィルムが適用される蓄電デバイスが、全固体電池である場合には、金属端子用接着性フィルムに対して特に高温・高圧が加えられることになる。ここに例示した金属端子用接着性フィルムの取付け方法は一例であって、特定方法に限定されるものではなく、例えば金属端子用接着性フィルムの厚み等によって加圧時間等を適宜調整する。
本開示の金属端子用接着性フィルム1は、金属端子2と蓄電デバイス用外装材3との密着性を高めるために設けられている。金属端子2と蓄電デバイス用外装材3との密着性が高められることにより、蓄電デバイス素子4の密封性が向上する。上述のとおり、蓄電デバイス素子4をヒートシールする際には、蓄電デバイス素子4の電極に電気的に接続された金属端子2が蓄電デバイス用外装材3の外側に突出するようにして、蓄電デバイス素子が封止される。このとき、金属端子用接着性フィルム1と、蓄電デバイス用外装材3の最内層に位置する熱融着性樹脂層35は共に150℃程度の耐用性が求められるが、これらが異種材料により形成されている場合は、熱融着性樹脂層35との界面において、蓄電デバイス素子の密封性が低くなりやすい。
本開示の金属端子用接着性フィルム1は、融点が150℃以上270℃以下である樹脂層11を少なくとも1層と、接着層12とを含んでいる。図4に示すように、本開示の金属端子用接着性フィルム1は2層の積層構成であってもよいし、図5~7に示すように3層以上の積層構成であってよい。
本開示の金属端子用接着性フィルム1において、接着層12が金属端子側の表面を構成していることが好ましい。また、蓄電デバイス用外装材側の表面は、樹脂層11又は接着層12のいずれが構成していてもよい。
図4に示すように、本開示の金属端子用接着性フィルム1が2層構造である場合、金属端子用接着性フィルム1は、樹脂層11と接着層12の積層体である。
また、本開示の金属端子用接着性フィルム1が3層構造である場合、例えば図5に示すように、金属端子用接着性フィルム1は、樹脂層11と他の樹脂層11aと接着層12とがこの順に積層された積層体とすることができる。また、例えば図6に示すように、金属端子用接着性フィルム1は、他の樹脂層11aと樹脂層11と接着層12とがこの順に積層された積層体とすることもできる。また、図示を省略するが、接着層12と樹脂層11と接着層12とがこの順に積層された積層体とすることも好ましい。
本開示の金属端子用接着性フィルム1は、4層以上により構成されていてもよい。例えば、図7に示されるように、樹脂層11と他の樹脂層11aとの間、他の樹脂層11aと接着層12との間などには、それぞれ、接着促進剤層13が積層されていてもよい。
本開示の金属端子用接着性フィルム1に少なくとも1層含まれる樹脂層11は、融点が150~270℃である。本開示の効果をより好適に発揮する観点から、樹脂層11の融点は、好ましくは180~270℃、より好ましくは200~270℃、さらに好ましくは200~250℃である。なお、樹脂層11の融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定される吸熱ピークである。
樹脂層11に含まれる樹脂としては、特に制限されないが、本開示の効果をより好適に発揮する観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテンやそのα-オレフィンとの共重合体、6ナイロン、66ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、アセチルセルロース、ETFE、PCTFE、PFA、FEPなどのフッ素系樹脂、および、これらの樹脂の変性物が挙げられる。これらの樹脂を変性する酸としては、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸やこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられるが、変性のし易さや汎用性などの点から無水マレイン酸が最も好ましい。樹脂の変性物の具体例としては、無水マレイン酸やアクリル酸で変性した樹脂などが挙げられる。樹脂層11に含まれる樹脂としては、これらの中でもブロックポリプロピレンの無水マレイン酸変性樹脂、ポリメチルペンテンやそのαオレフィンとの共重合体の無水マレイン酸変性樹脂、環状ポリオレフィンの無水マレイン酸変性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、さらにはポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。樹脂層11に含まれる樹脂は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。樹脂層11は、エラストマーを含むことが好ましく、エラストマーを含むポリブチレンテレフタレートフィルムにより形成されていることがより好ましい。
樹脂層11に含まれるエラストマーは、樹脂層11の優れた耐熱性及びシール性を担保しつつ、その柔軟性を高める役割を果たすものであればよい。好ましいエラストマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、アクリル系から選ばれる少なくとも1種以上の熱可塑性エラストマー、または、これらの共重合体である熱可塑性エラストマーが挙げられる。さらに好ましくは、ポリブチレンテレフタレートとポリエーテルのブロック共重合体からなる熱可塑性エラストマー、ポリメチルペンテンのα-オレフィン共重合体からなる熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。樹脂層11において、エラストマーの含有量としては、樹脂層11の優れた耐熱性及びシール性を担保しつつ、その柔軟性を高められる程度であれば、特に制限はなく、例えば約0.1質量%以上、好ましくは約0.5質量%以上、より好ましくは約1.0質量%以上、さらに好ましくは約3.0質量%以上である。また、当該含有量は、例えば約10.0質量%以下、約8.0質量%以下、約5.0質量%以下などである。当該含有量の好ましい範囲としては、0.1~10.0質量%程度、0.1~8.0質量%程度、0.1~5.0質量%程度、0.5~10.0質量%程度、0.5~8.0質量%程度、0.5~5.0質量%程度、1.0~10.0質量%程度、1.0~8.0質量%程度、1.0~5.0質量%程度、3.0~10.0質量%程度、3.0~8.0質量%程度、3.0~5.0質量%程度などが挙げられる。
樹脂層11の厚みは、本開示の効果を好適に発揮する観点から、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約50μm以上、好ましくは約80μm以上である。また、同様の観点から、当該厚みは、好ましくは約500μm以下、より好ましくは約200μm以下、好ましくは約150μm以下である。また、当該厚みの好ましい範囲は、20~300μm程度、20~200μm程度、20~150μm程度、50~300μm程度、50~200μm程度、50~150μm程度、80~300μm程度、20~200μm程度、80~150μm程度である。
本開示の金属端子用接着性フィルム1は、接着層12を含む。接着層12は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されている。本開示の金属端子用接着性フィルム1は、前記の樹脂層11と共に、接着層12を備えていることから、優れた耐熱性とシール性を発揮することができる。接着層12は、金属端子を構成する金属に対する密着性に優れていることから、金属端子用接着性フィルム1において、接着層12が金属端子側の表面を構成していることが好ましい。
ポリエステルは、ポリエステルポリオールであることが好ましい。ポリエステルポリオールは、ポリマー主鎖にエステル結合を有し、かつ末端または側鎖に水酸基を複数有するものであれば特に制限されない。また、ポリカーボネートは、ポリカーボネートポリオールであることが好ましい。ポリカーボネートポリオールは、ポリマー主鎖にカーボーネート結合を有し、かつ末端または側鎖に水酸基を複数有するものであれば特に制限されない。ポリエステルは、例えば、ポリエステルポリオールを予めポリイソシアネート(例えばジイソシアネートなど)と反応させてウレタン鎖伸長したポリエステル、ポリカーボネートはポリカーボネートポリオールを予めポリイソシアネート(例えばジイソシアネートなど)と反応させてウレタン鎖伸長したポリカーボネートなどであることも好ましい。接着層12を形成する樹脂組成物に含まれるポリエステル及びポリカーボネートは、それぞれ、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
脂環式イソシアネート化合物は、脂環構造とイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限されない。脂環式イソシアネート化合物は、2以上のイソシアネート基を有することが好ましい。脂環式イソシアネート化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(4-イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、メチレンビス(4,1-シクロへキシレン)ジイソシアネート、など、これらをヌレート化、ビウレット化したものやアダクト体(例えばTMP:トリメチロールプロパンへのアダクト体)、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。また、脂環式イソシアネート化合物は、脂環式イソシアネートに予めポリオール(例えばポリエステルポリオ―ルなど)と反応させた、ポリオール変性ポリイソシアネートであることも好ましい。接着層12を形成する樹脂組成物に含まれる脂環式イソシアネート化合物は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、芳香族イソシアネート化合物は、芳香環とイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限されない。芳香族イソシアネート化合物は、2以上のイソシアネート基を有することが好ましい。芳香族イソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをヌレート化、ビウレット化したものやアダクト体(例えばTMP:トリメチロールプロパンへのアダクト体)、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。また、芳香族イソシアネート化合物は、芳香族イソシアネートに予めポリオール(例えばポリエステルポリオ―ルなど)と反応させた、ポリオール変性ポリイソシアネートであることも好ましい。接着層12を形成する樹脂組成物に含まれる芳香族イソシアネート化合物は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
接着層12を形成する樹脂組成物は、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方を含めばよく、例えば、脂環式イソシアネート化合物が含まれ、芳香族イソシアネート化合物が含まれなくてもよいし、例えば、芳香族イソシアネート化合物が含まれ、脂環式イソシアネート化合物が含まれなくてもよいし、例えば、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の両者が含まれていてもよい。接着層12を形成する樹脂組成物は、芳香族イソシアネート化合物を含むことが好ましい。
接着層12における、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の含有量としては、それぞれ、接着層12を形成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。また、接着層12が脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の両者を含む場合には、これらの合計含有量が接着層12を形成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。
また、接着層12を形成する樹脂組成物には、シランカップリング剤などの接着性を向上させるための成分を添加してもよい。
接着層12を形成する樹脂組成物に添加するシランカップリング剤としては、接着剤との相溶性および反応性、また金属端子との密着性の観点から、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが好適に使用できる。また、反応性の調整の為、適宜これらのトリメトキシシランやトリエトキシシランを、ジメトキシシランやジエトキシシランに置き換えたシランカップリング剤を選択することも可能である。
シランカップリング剤の接着層12への添加量としては、金属端子との密着性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3%質量以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、過剰添加による接着層の強度低下防止やシランカップリング剤のブリード等の防止の観点から、当該添加量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。また、当該添加量の好ましい範囲は、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.3~3質量%、0.5~2質量%である。
接着層12の厚さは、好ましくは、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下が挙げられ、また、好ましくは、約1μm以上、約3μm以上、約5μm以上が挙げられ、当該厚さの範囲としては、好ましくは、1~50μm程度、1~40μm程度、1~30μm程度、1~20μm程度、1~15μm程度、1~10μm程度、3~50μm程度、3~40μm程度、3~30μm程度、3~20μm程度、3~15μm程度、3~10μm程度、5~50μm程度、5~40μm程度、5~30μm程度、5~20μm程度、5~15μm程度、5~10μm程度が挙げられる。
本開示の金属端子用接着性フィルム1が樹脂層11とは異なる、他の樹脂層11aを少なくとも1層含むことができる。ただし、本開示の金属端子用接着性フィルム1の優れた耐熱性を担保する観点から、他の樹脂層11aは、融点が150℃以上であることが好ましい。他の樹脂層11aの融点は、好ましくは150~300℃程度、より好ましくは180~280℃程度である。また、本開示の金属端子用接着性フィルム1が、少なくとも、樹脂層11、他の樹脂層11a、及び接着層12をこの順に備える積層体から構成する場合には、他の樹脂層11aとして特に耐熱性に優れたものを使用することが好ましく、他の樹脂層11aの融点は、好ましくは250℃以上であり、撚り好ましくは250~300℃である。他の樹脂層11aの融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定される吸熱ピークである。
なお、他の樹脂層11aが2層以上含まれる場合、それぞれの他の樹脂層11aの組成は同一であってもよいし、異なっていてもよい。樹脂層11が2層以上含まれる場合も、それぞれの樹脂層11の組成は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
他の樹脂層の厚みとしては、本開示の効果を好適に発揮する観点から、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約50μm以上、好ましくは約80μm以上である。また、同様の観点から、当該厚みは、好ましくは約300μm以下、より好ましくは約200μm以下、好ましくは約150μm以下である。また、当該厚みの好ましい範囲は、20~300μm程度、20~200μm程度、20~150μm程度、50~300μm程度、50~200μm程度、50~150μm程度、80~300μm程度、20~200μm程度、80~150μm程度である。
本開示の金属端子用接着性フィルム1の積層構成としては、例えば、樹脂層11と接着層12の積層体(図4);樹脂層11と他の樹脂層11aと接着層12とがこの順に積層された積層体(図5);他の樹脂層11aと樹脂層11と接着層12とがこの順に積層された積層体(図6);接着層12と樹脂層11と接着層12とがこの順に積層された積層体;樹脂層11と接着促進剤層13と他の樹脂層11aと接着促進剤層13と接着層12とがこの順に積層された積層体(図7);樹脂層11と接着促進剤層13と他の樹脂層11aと接着層12とがこの順に積層された積層体;他の樹脂層11aと接着促進剤層13と樹脂層11と接着層12とがこの順に積層された積層体などが挙げられる。本開示の金属端子用接着性フィルム1の積層構成の中でも、耐熱性の観点からは、樹脂層11と接着層12の積層体(図4);樹脂層11と他の樹脂層11aと接着層12とがこの順に積層された積層体(図5);樹脂層11と接着促進剤層13と他の樹脂層11aがこの順に積層された積層体;樹脂層11と接着促進剤層13と他の樹脂層11aと接着層12とがこの順に積層された積層体などが好ましい。
他の樹脂層11aを構成する樹脂としては、特に制限されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられ、耐熱性に優れることから、特に好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなどである。
樹脂層11及び他の樹脂層11aは、それぞれ、必要に応じて充填剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。充填剤を含むことにより、充填剤がスペーサー(Spacer)として機能するために、金属端子2と蓄電デバイス用外装材3のバリア層33との間の短絡を効果的に抑制することが可能となる。充填剤の粒径としては、0.1~35μm程度、好ましくは5.0~30μm程度、さらに好ましくは10~25μm程度の範囲が挙げられる。また、充填剤の含有量としては、樹脂層11及び他の樹脂層11aを形成する樹脂成分100質量部に対して、それぞれ、5~30質量部程度、より好ましくは10~20質量部程度が挙げられる。
充填剤としては、無機系、有機系のいずれも用いることができる。無機系充填剤としては、例えば、炭素(カーボン、グラファイト)、シリカ、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、シリコンカーバイド、酸化ジルコニウム、珪酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、有機系充填剤としては、例えば、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリル酸メチル架橋物、ポリエチレン架橋物等が挙げられる。形状の安定性、剛性、内容物耐性の点から、酸化アルミニウム、シリカ、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物が好ましく、特にこの中でも球状の酸化アルミニウム、シリカがより好ましい。樹脂層11及び他の樹脂層11aを形成する樹脂成分への充填剤の混合方法としては、予めバンバリーミキサー等で両者をメルトブレンドし、マスターバッチ化したものを所定の混合比にする方法、樹脂成分との直接混合方法などを採用することができる。
また、樹脂層11及び他の樹脂層11aは、それぞれ、必要に応じて顔料を含んでいてもよい。顔料としては、無機系の各種顔料を用いることができる。顔料の具体例としては、上記充填剤で例示した炭素(カーボン、グラファイト)が好ましく例示できる。炭素(カーボン、グラファイト)は、一般に蓄電デバイスの内部に使用されている材料であり、電解液に対する溶出の虞がない。また、着色効果が大きく接着性を阻害しない程度の添加量で充分な着色効果を得られると共に、熱で溶融することがなく、添加した樹脂の見かけの溶融粘度を高くすることができる。さらに、熱接着時(ヒートシール時)に加圧部が薄肉となることを防止して、蓄電デバイス用外装材と金属端子の間における優れた密封性を付与できる。
樹脂層11及び他の樹脂層11aに顔料を添加する場合、その添加量としては、たとえば、粒径が約0.03μmのカーボンブラックを使用した場合、樹脂層11及び他の樹脂層11aを形成する樹脂成分100質量部に対して、それぞれ、0.05~0.3質量部程度、好ましくは0.1~0.2質量部程度が挙げられる。樹脂層11又は他の樹脂層11aに顔料を添加することにより、金属端子用接着性フィルム1の有無をセンサーで検知可能なもの、または目視で検査可能なものとすることができる。
接着促進剤層13は、樹脂層11と他の樹脂層11a、樹脂層11と接着層12、又は他の樹脂層11aと接着層12とを強固に接着することを目的として、必要に応じて設けられる層である(図7を参照)。
接着促進剤層13は、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリブタジエン系等の公知の接着促進剤を用いて形成することができる。耐電解液性をより向上する観点からは、これらの中でも、イソシアネート系の接着促進剤により形成されていることが好ましい。イソシアネート系の接着促進剤としては、トリイソシアネートモノマー、ポリメリックMDIから選ばれたイソシアネート成分からなるものが、ラミネート強度に優れ、かつ、電解液浸漬後のラミネート強度の低下が少ない。特に、トリイソシアネートモノマーであるトリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネートやポリメリックMDIであるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(NCO含有率が約30%、粘度が200~700mPa・s)からなる接着促進剤によって形成することが特に好ましい。また、トリイソシアネートモノマーであるトリス(p-イソシアネートフェニル)チオホスフェートや、ポリエチレンイミン系を主剤とし、ポリカルボジイミドを架橋剤とした2液硬化型の接着促進剤により形成することも好ましい。
接着促進剤層13は、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法等の公知の塗布法で塗布・乾燥することにより形成することができる。接着促進剤の塗布量としては、トリイソシアネートからなる接着促進剤の場合は、20~100mg/m2程度、好ましくは40~60mg/m2程度であり、ポリメリックMDIからなる接着促進剤の場合は、40~150mg/m2程度、好ましくは60~100mg/m2程度であり、ポリエチレンイミン系を主剤とし、ポリカルボジイミドを架橋剤とした2液硬化型の接着促進剤の場合は、5~50mg/m2程度、好ましくは10~30mg/m2程度である。なお、トリイソシアネートモノマーは、1分子中にイソシアネート基を3個持つモノマーであり、ポリメリックMDIは、MDIおよびMDIが重合したMDIオリゴマーの混合物であり、下記式で示されるものである。
Figure 0007508915000001
本開示の金属端子用接着性フィルム1の総厚みとしては、本開示の効果を好適に発揮する観点から、好ましくは約50μm以上、より好ましくは約80μm以上、さらに好ましくは約100μm以上である。また、同様の観点から、当該厚みは、好ましくは約500μm以下、より好ましくは約300μm以下、好ましくは約200μm以下である。また、当該厚みの好ましい範囲は、50~500μm程度、50~300μm程度、50~200μm程度、80~500μm程度、80~300μm程度、80~200μm程度、100~500μm程度、100~300μm程度、100~200μm程度である。
本開示の金属端子用接着性フィルム1は、樹脂層11を形成する樹脂を用いて、押出ラミネート法、Tダイ法、インフレーション法、サーマルラミネート法などの公知の方法によりフィルム状に成形する(複層の場合には、各層を積層する)ことで製造することができる。樹脂層11と他の樹脂層11aを、接着促進剤層13を介して積層する場合には、例えば、接着促進剤層13を構成する接着促進剤を上記の方法で樹脂層11の上に塗布・乾燥し、接着促進剤層13の上から他の樹脂層11aを積層すればよい。
金属端子用接着性フィルム1を金属端子2と蓄電デバイス用外装材3との間に介在させる方法としては、特に制限されず、例えば、図1~3に示すように、金属端子2が蓄電デバイス用外装材3によって挟持される部分において、金属端子2に金属端子用接着性フィルム1を巻き付けてもよい。また、図示を省略するが、金属端子2が蓄電デバイス用外装材3によって挟持される部分において、金属端子用接着性フィルム1が2つの金属端子2を横断するようにして、金属端子2の両面側に配置してもよい。
また、本開示の金属端子用接着性フィルム1(接着性フィルム)を金属端子に取り付けた、接着性フィルム付き金属端子の製造において、接着性フィルムの接着層12の樹脂組成物が未硬化部を有する状態で、接着性フィルムの接着層12と金属端子2とを接着した後、加熱により接着層12を熟成して樹脂組成物を硬化させる方法が好適に採用することができる。この場合の接着性フィルムの接着層12と金属端子2のシール条件は、例えば、100℃~200℃程度、圧力0.2~3.0MPa程度であり、熟成は、例えば40~150℃で1分間~5日の条件で行うことができる。
[金属端子2]
本開示の金属端子用接着性フィルム1は、金属端子2と蓄電デバイス用外装材3との間に介在させて使用される。金属端子2(タブ)は、蓄電デバイス素子4の電極(正極または負極)に電気的に接続される導電部材であり、金属材料により構成されている。金属端子2を構成する金属材料としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅などが挙げられる。例えば、リチウムイオン蓄電デバイスの正極に接続される金属端子2は、通常、アルミニウムなどにより構成されている。また、リチウムイオン蓄電デバイスの負極に接続される金属端子2は、通常、銅、ニッケルなどにより構成されており、低抵抗と表面劣化防止を観点からはニッケルメッキ施した銅や、ニッケルと銅のクラッド材などが好適に使用できる
金属端子2の表面は、耐電解液性を高める観点から、化成処理が施されていることが好ましい。例えば、金属端子2がアルミニウムにより形成されている場合、化成処理の具体例としては、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物、アクリル酸塩などの耐食性皮膜を形成する公知の方法が挙げられる。耐食性皮膜を形成する方法の中でも、フェノール樹脂、フッ化クロム(III)化合物、リン酸の3成分から構成されたものや、アクリル酸塩、硝酸クロム(III)化合物、リン酸の3成分から構成されたものなどを用いるリン酸クロメート処理が好適である。
本開示において、少なくとも、金属端子2と、接着層12と、樹脂層11とがこの順に積層された積層構成を有する、接着性フィルム付き金属端子とすればよい。当該接着性フィルム付き金属端子は、少なくとも接着層12と樹脂層11がこの順に積層された積層構成を有する金属端子用接着性フィルムを作製後、金属端子2に接着しても良く、金属端子2と接着層12とを積層後、積層体の接着層12に樹脂層11を積層することもできる。
金属端子2の大きさは、使用される蓄電デバイスの大きさなどに応じて適宜設定すればよい。金属端子2の厚さとしては、好ましくは50~1000μm程度、より好ましくは70~800μm程度が挙げられる。また、金属端子2の長さとしては、好ましくは1~200mm程度、より好ましくは3~150mm程度が挙げられる。また、金属端子2の幅としては、好ましくは1~200mm程度、より好ましくは3~150mm程度が挙げられる。
[蓄電デバイス用外装材3]
蓄電デバイス用外装材3としては、少なくとも、基材層31、バリア層33、及び熱融着性樹脂層35をこの順に有する積層体からなる積層構造を有するものが挙げられる。図8に、蓄電デバイス用外装材3の断面構造の一例として、基材層31、必要に応じて設けられる接着剤層32、バリア層33、必要に応じて設けられる接着層34、及び熱融着性樹脂層35がこの順に積層されている態様について示す。蓄電デバイス用外装材3においては、基材層31が外層側になり、熱融着性樹脂層35が最内層になる。蓄電デバイスの組み立て時に、蓄電デバイス素子4の周縁に位置する熱融着性樹脂層35同士を接面させて熱融着することにより蓄電デバイス素子4が密封され、蓄電デバイス素子4が封止される。なお、図1から図3には、エンボス成形などによって成形されたエンボスタイプの蓄電デバイス用外装材3を用いた場合の蓄電デバイス10を図示しているが、蓄電デバイス用外装材3は成形されていないパウチタイプであってもよい。なお、パウチタイプには、三方シール、四方シール、ピロータイプなどが存在するが、何れのタイプであってもよい。
蓄電デバイス用外装材3を構成する積層体の厚みとしては、特に制限されないが、上限については、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、好ましくは約180μm以下、約160μm以下、約155μm以下、約140μm以下、約130μm以下、約120μm以下が挙げられ、下限については、蓄電デバイス素子4を保護するという蓄電デバイス用外装材3の機能を維持する観点からは、好ましくは約35μm以上、約45μm以上、約60μm以上、約80μm以上が挙げられ、好ましい範囲については、例えば、35~180μm程度、35~160μm程度、35~155μm程度、35~140μm程度、35~130μm程度、35~120μm程度、45~180μm程度、45~160μm程度、45~155μm程度、45~140μm程度、45~130μm程度、45~120μm程度、60~180μm程度、60~160μm程度、60~155μm程度、60~140μm程度、60~130μm程度、60~120μm程度、80~180μm程度、80~160μm程度、80~155μm程度、80~140μm程度、80~130μm程度、80~120μm程度が挙げられる。
また、本開示の金属端子用接着性フィルム1は、全固体電池用外装材に対して好適に適用することができ、全固体電池用外装材を構成する積層体の厚みとしては、特に制限されないが、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、好ましくは約10000μm以下、約8000μm以下、約5000μm以下が挙げられ、電池素子を保護するという全固体電池用外装材の機能を維持する観点からは、好ましくは約100μm以上、約150μm以上、約200μm以上が挙げられ、好ましい範囲については、例えば、100~10000μm程度、100~8000μm程度、100~5000μm程度、150~10000μm程度、150~8000μm程度、150~5000μm程度、200~10000μm程度、200~8000μm程度、200~5000μm程度が挙げられ、特に100~500μm程度が好ましい。
(基材層31)
蓄電デバイス用外装材3において、基材層31は、蓄電デバイス用外装材の基材として機能する層であり、最外層側を形成する層である。
基材層31を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層31を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層31の形成素材として好適に使用される。また、ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層31の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層31の形成素材として好適に使用される。
基材層31は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層31として好適に使用される。
これらの中でも、基材層31を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステルが挙げられる。また、全固体電池は150℃以上の耐用温度にする為、200℃以上の高温でシールする場合が多く、2軸延伸ポリエステルが最も適している。
基材層31は、耐ピンホール性及び蓄電デバイスの包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層31を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミネート法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。上記、高温シールの為、少なくとも最外層は2軸延伸ポリエステルであることが望ましい。
また、基材層31は、成形性を向上させるために低摩擦化させておいてもよい。基材層31を低摩擦化させる場合、その表面の摩擦係数については特に制限されないが、例えば1.0以下が挙げられる。基材層31を低摩擦化するには、例えば、マット処理、スリップ剤の薄膜層の形成、これらの組み合わせ等が挙げられる。
基材層31の厚さについては、例えば、10~50μm程度、好ましくは15~30μm程度が挙げられる。
(接着剤層32)
蓄電デバイス用外装材3において、接着剤層32は、基材層31に密着性を付与させるために、必要に応じて、基材層31上に配置される層である。即ち、接着剤層32は、基材層31とバリア層33の間に設けられる。
接着剤層32は、基材層31とバリア層33とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層32の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着剤層32の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着剤層32の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、展延性、高湿度条件下における耐久性や黄変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用等が優れ、基材層31とバリア層33との間のラミネート強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着剤層32は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着剤層32を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層31とバリア層33とのラミネート強度を向上させるという観点から、基材層31側に配される接着剤成分として基材層31との接着性に優れる樹脂を選択し、バリア層33側に配される接着剤成分としてバリア層33との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着剤層32は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、バリア層33側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂等が挙げられる。
接着剤層32の厚さについては、例えば、2~50μm程度、好ましくは3~25μm程度が挙げられる。
(バリア層33)
蓄電デバイス用外装材において、バリア層33は、蓄電デバイス用外装材の強度向上の他、蓄電デバイス内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止する機能を有する層である。バリア層33は、金属層、すなわち、金属で形成されている層であることが好ましい。バリア層33を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。バリア層33は、例えば、金属箔や金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、これらの蒸着膜を設けたフィルムなどにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。蓄電デバイス用外装材の製造時に、バリア層33にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、バリア層は、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS H4160:1994 A8021H-O、JIS H4160:1994 A8079H-O、JIS H4000:2014 A8021P-O、JIS H4000:2014 A8079P-O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
バリア層33の厚さについては、蓄電デバイス用外装材を薄型化しつつ、成形によってもピンホールの発生し難いものとする観点から、好ましくは10~200μm程度、より好ましくは20~100μm程度が挙げられる。
また、バリア層33は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、バリア層の表面に耐食性皮膜を形成する処理をいう。
(接着層34)
蓄電デバイス用外装材3において、接着層34は、熱融着性樹脂層35を強固に接着させるために、バリア層33と熱融着性樹脂層35の間に、必要に応じて設けられる層である。
接着層34は、バリア層33と熱融着性樹脂層35を接着可能である接着剤によって形成される。接着層の形成に使用される接着剤の組成については、特に制限されないが、例えば、ポリエステルポリオール化合物と脂環式イソシアネート化合物からなる接着剤が挙げられる。
接着層34の厚さについては、例えば、1~40μm程度、好ましくは2~30μm程度が挙げられる。
(熱融着性樹脂層35)
蓄電デバイス用外装材3において、熱融着性樹脂層35は、最内層に該当し、蓄電デバイスの組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する層である。
熱融着性樹脂層35に使用される樹脂成分については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、蓄電デバイス用外装材においては、一般には、ポリオレフィン、環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。構成モノマーとしては、スチレンも挙げられる。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくは結晶性又は非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種以上のブレンドポリマーが挙げられる。
熱融着性樹脂層35は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層35は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
また、熱融着性樹脂層35の厚さとしては、特に制限されないが、2~2000μm程度、好ましくは5~1000μm程度、さらに好ましくは10~500μm程度が挙げられる。
また、本開示の金属端子用接着性フィルム1は、全固体電池用外装材に対して特に好適に適用することができ、全固体電池用外装材の熱融着性樹脂層35の融点は、好ましくは150~250℃であり、より好ましくは180~270℃、さらに好ましくは200~270℃、さらに好ましくは200~250℃である。
また、全固体電池用外装材の熱融着性樹脂層35に含まれる樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレンなどの酸変性ポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリブチレンテレフタレートは耐熱性に優れているため、全固体電池用外装材において、熱融着性樹脂層35は、好ましくはポリブチレンテレフタレートフィルムにより形成されている。また、熱融着性樹脂層35がポリブチレンテレフタレートフィルムにより形成されることにより、本開示の金属端子用接着性フィルムの樹脂層11との密着性も優れている。なお、熱融着性樹脂層35を形成するポリブチレンテレフタレートフィルムは、予め用意したポリブチレンテレフタレートフィルムを接着層34と積層して熱融着性樹脂層35としてもよいし、ポリブチレンテレフタレートフィルムを形成する樹脂を溶融押出しするなどしてフィルムとすると共に、接着層34と積層してもよい。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムであってもよいし、未延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムであってもよく、未延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、ポリブチレンテレフタレートに加えて、さらに、エラストマーを含むことが好ましい。エラストマーは、ポリブチレンテレフタレートフィルムの高温環境における耐久性を担保しつつ、その柔軟性を高める役割を果たすものである。エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエーテル系の熱可塑性エラストマーやこれらを混合したものを適宜使用可能であるが、中でもポリブチレンテレフタレートとポリエーテルのブロック共重合体、ポリメチルペンテンのα-オレフィン共重合体、などが挙げられる。ポリブチレンテレフタレートフィルムにおいて、エラストマーの含有量としては、ポリブチレンテレフタレートフィルムの高温環境における耐久性を担保しつつ、その柔軟性を高められる程度であれば、特に制限はなく、例えば約0.1質量%以上、好ましくは約0.5質量%以上、より好ましくは約1.0質量%以上、さらに好ましくは約3.0質量%以上である。また、当該含有量は、例えば約10.0質量%以下、約8.0質量%以下、約5.0質量%以下などである。当該含有量の好ましい範囲としては、0.1~10.0質量%程度、0.1~8.0質量%程度、0.1~5.0質量%程度、0.5~10.0質量%程度、0.5~8.0質量%程度、0.5~5.0質量%程度、1.0~10.0質量%程度、1.0~8.0質量%程度、1.0~5.0質量%程度、3.0~10.0質量%程度、3.0~8.0質量%程度、3.0~5.0質量%程度などが挙げられる。
熱融着性樹脂層35は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されていてもよい。熱融着性樹脂層35が2層以上で形成されている場合、少なくとも1層が、ポリブチレンテレフタレートフィルムにより形成されており、ポリブチレンテレフタレートフィルムは、全固体電池用外装材の最内層であることが好ましい。また、接着層34と接着する層は、ポリブチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。熱融着性樹脂層35が2層以上で形成されている場合、ポリブチレンテレフタレートフィルムにより形成されていない層については、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレンなどの酸変性ポリオレフィンなどにより形成された層であってもよい。ただし、ポリオレフィンや酸変性ポリオレフィンは、ポリブチレンテレフタレートと比較すると、高温環境下における耐久性が低いため、熱融着性樹脂層35は、ポリブチレンテレフタレートフィルムのみによって構成されていることが好ましい。
2.蓄電デバイス
本開示の蓄電デバイス10は、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子4と、当該蓄電デバイス素子4を封止する蓄電デバイス用外装材3と、正極及び負極のそれぞれに電気的に接続され、蓄電デバイス用外装材3の外側に突出した金属端子2とを備えている。本開示の蓄電デバイス10においては、金属端子2と蓄電デバイス用外装材3との間に、本開示の金属端子用接着性フィルム1が介在されてなることを特徴とする。すなわち、本開示の蓄電デバイス10は、金属端子2と蓄電デバイス用外装材3との間に、本開示の金属端子用接着性フィルム1が介在する工程を備える方法により製造することができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子4を、蓄電デバイス用外装材3で、正極及び負極の各々に接続された金属端子2を外側に突出させた状態で、本開示の金属端子用接着性フィルム1を金属端子2と熱融着性樹脂層35との間に介在させ、蓄電デバイス素子4の周縁に蓄電デバイス用外装材のフランジ部(熱融着性樹脂層35同士が接触する領域であり、蓄電デバイス用外装材の周縁部3a)が形成できるようにして被覆し、フランジ部の熱融着性樹脂層35同士をヒートシールして密封させることによって、蓄電デバイス用外装材3を使用した蓄電デバイス10が提供される。なお、蓄電デバイス用外装材3を用いて蓄電デバイス素子4を収容する場合、蓄電デバイス用外装材3の熱融着性樹脂層35が内側(蓄電デバイス素子4と接する面)になるようにして用いられる。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、電池(コンデンサー、キャパシター等を含む)などの蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、本開示の蓄電デバイス用外装材は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本開示の蓄電デバイス用外装材が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、全固体電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本開示の蓄電デバイス用外装材の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
これらの中でも、本開示の金属端子用接着性フィルム1は、全固体電池に対して好適に適用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本開示を詳細に説明する。但し、本開示は実施例に限定されるものではない。
<金属端子用接着性フィルムの調製>
実施例1
ポリブチレンテレフタレートフィルム(融点225℃、厚さ90μm)を用意した。また、ポリエステルポリオール化合物(加水分解抑制剤を添加したもの)と脂環式イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用意した。ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面にコロナ放電処理を施した後、厚さ10μmとなるようにして、樹脂組成物を塗布し、接着層を形成して、金属端子用接着性フィルムを得た。
実施例2
接着層を形成する樹脂組成物として、ポリカーボネートポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物(トルエンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、金属端子用接着性フィルムを得た。
実施例3
エラストマー(ポリブチレンテレフタレートとポリエーテルのブロック共重合体)を7質量%含むポリブチレンテレフタレートフィルム(融点215℃、厚さ90μm)を用意した。また、ポリエステルポリオール化合物(加水分解抑制剤を添加したもの)と脂環式イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用意した。ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面にコロナ放電処理を施した後、厚さ10μmとなるようにして、樹脂組成物を塗布し、接着層を形成して、金属端子用接着性フィルムを得た。
実施例4
接着層を形成する樹脂組成物として、ポリカーボネートポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物(トルエンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、金属端子用接着性フィルムを得た。
実施例5
ポリブチレンテレフタレート(融点225℃、厚さ50μm)と、ポリエチレンテレフタレート(融点258℃、厚さ40μm)の積層フィルムを共押出成形により製造した。また、ポリエステルポリオール化合物(加水分解抑制剤を添加したもの)と脂環式イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用意した。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にコロナ放電処理を施した後、厚さ10μmとなるようにして、樹脂組成物を塗布し、接着層を形成して、金属端子用接着性フィルムを得た。
実施例6
接着層を形成する樹脂組成物として、ポリカーボネートポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物(トルエンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、金属端子用接着性フィルムを得た。
比較例1
ポリブチレンテレフタレートフィルム(融点225℃、厚さ100μm、単層)を金属端子用接着性フィルムとした。
比較例2
ポリエチレンテレフタレートフィルム(融点258℃、厚さ100μm、単層)を金属端子用接着性フィルムとした。
比較例3
ポリブチレンテレフタレートフィルム(融点225℃、厚さ90μm)を用意した。また、酸変性ポリプロピレンと脂環式イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネートを含む)を含む樹脂組成物を用意した。ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面にコロナ放電処理を施した後、厚さ10μmとなるようにして、樹脂組成物を塗布し、接着層を形成して、金属端子用接着性フィルムを得た。
比較例4
接着層を形成する樹脂組成物として、ポリエステルポリオール化合物(加水分解抑制剤を添加したもの)と脂肪族イソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート)を含む樹脂組成物を用いたこと以外は、比較例3と同様にして、金属端子用接着性フィルムを得た。
比較例5
無水マレイン酸変性ブロックポリプロピレンフィルム(厚さ100μm 融点160℃、単層)を金属端子用接着性フィルムとした。
(全固体電池用外装材の調製)
まず、全固体電池用外装材を準備した。基材層として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)の貼り合わせ面側にコロナ処理を施したものを用意した。また、バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ40μm)を用意した。また、熱融着性樹脂層として、エラストマー(ポリブチレンテレフタレートとポリエーテルのブロック共重合体)を7質量%含む未延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)の貼り合わせ面側にコロナ処理を施したものを用意した。2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)を用い、ドライラミネート法により、基材層とバリア層とを接着し、基材層(25μm)/接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)の積層体を作製した。次に、ポリエステルポリオール化合物(加水分解抑制剤を添加したもの)と脂環式イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネートのヌレート体)を含む樹脂組成物を用い、ドライラミネート法により、得られた積層体のバリア層側と、熱融着性樹脂層とを接着し、バリア層の上に接着層(3μm)/熱融着性樹脂層(50μm)を積層させた。次に、得られた積層体を80℃で72時間エージングし、加熱することにより、基材層(ポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm))/接着剤層(2液硬化型ウレタン接着剤の硬化物(3μm))/バリア層(アルミニウム合金箔(40μm))/接着層(ポリエステルポリオール化合物と脂環式イソシアネート化合物を含む樹脂組成物の硬化物(3μm))/熱融着性樹脂層(エラストマーを含むポリブチレンテレフタレートフィルム(50μm))がこの順に積層された積層体からなる外装材を得た。
(金属端子用接着性フィルムの調製)
実施例及び比較例で得られた各金属端子用接着性フィルムについて、実施例1~6、および比較例3、4については接着層側の面を金属端子とシールする面として、後述の評価に供した。また、比較例1、2については片面にコロナ放電処理を施し金属端子とシールする面として後述の評価に供した。比較例3については任意の面を金属端子とシールする面として後述の評価に供した。
(金属端子用接着性フィルム付き金属端子の調製)
厚さ400μm×幅45mm×長さ60mmのアルミニウム合金箔を金属端子し、これを、フェノール樹脂、フッ化クロム(III)化合物、リン酸の3成分からなる処理剤で処理層が約100nmの厚さとなるように焼き付けた表面処理金属端子を作製した。次に10×55mmのサイズにカットした金属端子用接着性フィルムを2枚用意し、この表面処理金属端子の端から10mmの位置の両面に、上記金属端子とシールする面を金属端子側に配し、上下とも厚さ3.0mm、硬度40のシリコンゴムを貼った金属ヘッドの平板プレス機で190℃×0.25MPa(シリコンゴムにかかる面圧)×16秒の条件で熱シールし金属端子用接着性フィルム付き金属端子を調製した。次に、上記金属端子用接着性フィルム付き金属端子を80℃で72時間加熱(熟成)して接着層を硬化させた。
<シール後の金属端子用接着性フィルムの厚みの残存率の測定(絶縁性の評価)>
上記金属端子用接着性フィルム付き金属端子の金属端子用接着性フィルム中央部をカットし、光学顕微鏡での断面観察により金属端子用接着性フィルムの厚さを測定し、シール前厚さとした。次に、外装材を60×150mmのサイズにカットした後、熱融着性樹脂層を内側にして二つ折りにし、その間に別に用意した金属端子用接着性フィルム付き金属端子を金属端子用接着性フィルムに近い辺を折り目に当てて挟み、7mm幅の上下金属ヘッドのシール機で240℃×1.0MPa×5秒の条件でヒートシールした。このシール部の中央部をカットし、シール前厚さと同様に金属端子用接着性フィルムの厚さを測定しシール後厚さとした。シール後厚さ/シール前厚さから、金属端子用接着性フィルム付き金属端子の残存率(%)を計算し、絶縁性の評価とした。
<150℃でのシール強度の測定(耐熱性の評価)>
全固体電池用外装材を60×150mmのサイズにカットした後、熱融着性樹脂層を内側にして二つ折りにし、その間に金属端子用接着性フィルム付き金属端子を金属端子用接着性フィルムに近い辺を折り目に突き充てて挟み、7mm幅の上下金属ヘッドのシール機で240℃×1.0MPa×5秒の条件でヒートシールした。その中央より15mmの短冊状のサンプルを裁断し、恒温槽付きの引張試験機で150℃環境下で300mm/minの速度で片方の外装材と対面の外装材をチャックして引っ張り、150℃でのシール強度を測定した。
Figure 0007508915000002
実施例1-6の金属端子用接着性フィルムは、少なくとも外装材側の層がPBTで構成され、金属端子側の層はポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む接着層により形成されている。実施例1-6の金属端子用接着性フィルムは、PBT単層からなる比較例1と比べ150℃でのシール強度が高い値であった。また、実施例1-6の金属端子用接着性フィルムは、比較例5と比べてシール後の厚さ残存率が大きく、金属端子と外装材バリア層との電気的短絡の危険性が低いと言える。また、実施例5、6はPETを含む多層構成であり、実施例1-4よりもさらにシール後の厚さ残存率が大きく、上記、電気的短絡の危険性がさらに低いと言える。比較例2はPET単層である為、シール後の厚さ残存率は大きいものの150℃でのシール強度は低い値であった。比較例3は無水マレイン酸変性ブロックタイプPP単層であり、150℃でのシール強度、シール後の金属端子用接着性フィルムの厚さ残存率ともに低い値であった。
以上のとおり、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 蓄電デバイス素子の電極に電気的に接続された金属端子と、前記蓄電デバイス素子を封止する蓄電デバイス用外装材との間に介在される、金属端子用接着性フィルムであって、
前記金属端子用接着性フィルムは、少なくとも1層の樹脂層と、接着層とを含んでおり、
前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されている、金属端子用接着性フィルム。
項2. 前記樹脂層が、ポリブチレンテレフタレート、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン及びこれらの酸変性物からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、項1に記載の金属端子用接着性フィルム。
項3. 前記金属端子側の表面が、前記接着層により形成されている、項1又は2に記載の金属端子用接着性フィルム。
項4. 前記接着層を形成する樹脂組成物が、シランカップリング剤をさらに含む、項1~3のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
項5. 少なくとも、前記樹脂層、他の樹脂層、及び前記接着層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記他の樹脂層の融点が250℃以上である、項1~4のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
項6. 前記金属端子用接着性フィルムの総厚みが、50μm以上500μm以下である、項1~5のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
項7. 前記蓄電デバイス用外装材が、少なくとも、外側から、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記熱融着性樹脂層の融点が150℃以上250℃以下である、項1~6のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
項8. 前記蓄電デバイス用外装材が、少なくとも、外側から、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記熱融着性樹脂層がポリブチレンテレフタレートを含む、項1~7のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
項9. 前記蓄電デバイス用外装材が、全固体電池用外装材である、項1~8のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
項10. 金属端子に、項1~9のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルムが取り付けられてなる、金属端子用接着性フィルム付き金属端子。
項11. 少なくとも、金属端子と、接着層と、樹脂層とがこの順に積層された積層構成を有する、接着性フィルム付き金属端子であって、
前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されている、接着性フィルム付き金属端子。
項12. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた前記蓄電デバイス素子と、当該蓄電デバイス素子を封止する前記蓄電デバイス用外装材と、前記正極及び前記負極のそれぞれに電気的に接続され、前記蓄電デバイス用外装材の外側に突出した前記金属端子とを備える蓄電デバイスであって、
前記金属端子と前記蓄電デバイス用外装材との間に、項1~9のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルムが介在されてなる、蓄電デバイス。
項13. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた前記蓄電デバイス素子と、当該蓄電デバイス素子を封止する前記蓄電デバイス用外装材と、前記正極及び前記負極のそれぞれに電気的に接続され、前記蓄電デバイス用外装材の外側に突出した前記金属端子とを備える蓄電デバイスの製造方法であって、
前記金属端子と前記蓄電デバイス用外装材との間に、項1~9のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルムを介在させて、前記蓄電デバイス素子を前記蓄電デバイス用外装材で封止する工程を備える、蓄電デバイスの製造方法。
項14. 少なくとも、接着性フィルムが金属端子に取り付けられた、接着性フィルム付き金属端子の製造方法であって、
接着性フィルムは、少なくとも1層の樹脂層と、接着層とを含んでおり、
前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されており、
前記接着性フィルムの前記接着層の前記樹脂組成物が未硬化部を有する状態で、前記接着性フィルムの前記接着層と金属端子とを接着した後、前記接着層を加熱により熟成して前記樹脂組成物を硬化させる、接着性フィルム付き金属端子の製造方法。
1 金属端子用接着性フィルム
2 金属端子
3 蓄電デバイス用外装材
3a 蓄電デバイス用外装材の周縁部
4 蓄電デバイス素子
10 蓄電デバイス
11 樹脂層
11a 他の樹脂層
12 接着層
13 接着促進剤層
31 基材層
32 接着剤層
33 バリア層
34 接着層
35 熱融着性樹脂層

Claims (14)

  1. 蓄電デバイス素子の電極に電気的に接続された金属端子と、前記蓄電デバイス素子を封止する蓄電デバイス用外装材との間に介在される、金属端子用接着性フィルムであって、
    前記金属端子用接着性フィルムは、少なくとも1層の樹脂層と、接着層とを含んでおり、
    前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
    前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されている、金属端子用接着性フィルム。
  2. 前記樹脂層が、ポリブチレンテレフタレート、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン及びこれらの酸変性物からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1に記載の金属端子用接着性フィルム。
  3. 前記金属端子側の表面が、前記接着層により形成されている、請求項1又は2に記載の金属端子用接着性フィルム。
  4. 前記接着層を形成する樹脂組成物が、シランカップリング剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
  5. 少なくとも、前記樹脂層、他の樹脂層、及び前記接着層をこの順に備える積層体から構成されており、
    前記他の樹脂層の融点が250℃以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
  6. 前記金属端子用接着性フィルムの総厚みが、50μm以上500μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
  7. 前記蓄電デバイス用外装材が、少なくとも、外側から、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
    前記熱融着性樹脂層の融点が150℃以上250℃以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
  8. 前記蓄電デバイス用外装材が、少なくとも、外側から、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
    前記熱融着性樹脂層がポリブチレンテレフタレートを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
  9. 前記蓄電デバイス用外装材が、全固体電池用外装材である、請求項1~8のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルム。
  10. 金属端子に、請求項1~9のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルムが取り付けられてなる、金属端子用接着性フィルム付き金属端子。
  11. 少なくとも、金属端子と、接着層と、樹脂層とがこの順に積層された積層構成を有する、接着性フィルム付き金属端子であって、
    前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
    前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されている、接着性フィルム付き金属端子。
  12. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた前記蓄電デバイス素子と、当該蓄電デバイス素子を封止する前記蓄電デバイス用外装材と、前記正極及び前記負極のそれぞれに電気的に接続され、前記蓄電デバイス用外装材の外側に突出した前記金属端子とを備える蓄電デバイスであって、
    前記金属端子と前記蓄電デバイス用外装材との間に、請求項1~9のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルムが介在されてなる、蓄電デバイス。
  13. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた前記蓄電デバイス素子と、当該蓄電デバイス素子を封止する前記蓄電デバイス用外装材と、前記正極及び前記負極のそれぞれに電気的に接続され、前記蓄電デバイス用外装材の外側に突出した前記金属端子とを備える蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記金属端子と前記蓄電デバイス用外装材との間に、請求項1~9のいずれか1項に記載の金属端子用接着性フィルムを介在させて、前記蓄電デバイス素子を前記蓄電デバイス用外装材で封止する工程を備える、蓄電デバイスの製造方法。
  14. 少なくとも、接着性フィルムが金属端子に取り付けられた、接着性フィルム付き金属端子の製造方法であって、
    接着性フィルムは、少なくとも1層の樹脂層と、接着層とを含んでおり、
    前記樹脂層は、融点が150℃以上270℃以下であり、
    前記接着層は、ポリエステル及びポリカーボネートの少なくとも一方と、脂環式イソシアネート化合物及び芳香族イソシアネート化合物の少なくとも一方とを含む樹脂組成物により形成されており、
    前記接着性フィルムの前記接着層の前記樹脂組成物が未硬化部を有する状態で、前記接着性フィルムの前記接着層と金属端子とを接着した後、前記接着層を加熱により熟成して前記樹脂組成物を硬化させる、接着性フィルム付き金属端子の製造方法。
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