JP7499635B2 - 扇状に開閉する遮蔽物 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 タカノ株式会社は、令和元年10月21日に、タカノ株式会社の展示場・ルビーの里にて、長橋辰男が発明した扇状に開閉する遮蔽物を公開した。
本発明は、人目や光線(陽射しを含む)から遮る遮蔽物に関するものである。さらに詳述すると、本発明は、生地(遮蔽幕)を取り付けた複数の骨格フレームを扇状に開閉させる機構に関する。
従来、扇状に開閉可能な骨組みに生地を張った日除けや窓の目隠しなどがある。例えば、日除けとしては、1本の軸を中心に複数本の骨を日除けカバーが扇のように開くようにしたものがある(特許文献1)。
特開2002-201777号公報
しかしながら、骨・フレームを回転中心軸周りに旋回させて扇状に開閉可能にしている構造では、設置状況によっては例えば高所などへの設置などでは、開閉操作が困難となる問題がある。しかも、屋外用途の日除けの場合、日除けシートを支持する日除けフレームには、曲げ強度を高めるために高さのある断面形状にして断面二次モーメントを大きくする必要がある。このため、日除けフレームそのものを掴んで回転中心軸周りに旋回させようとすると、扇の要と部分でのがたつきや干渉などでこじれて動かし難い問題を伴う。
本発明は、簡易な開閉構造の扇状に開閉する遮蔽物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するための扇状に開閉する遮蔽物は、主アームと、主アームに沿って摺動する開閉用スライダと、主アームの先端に取り付けられた回転中心機構を中心に扇状に開閉される骨格フレームと該骨格フレームで支持される遮蔽幕とで構成される遮蔽物と、遮蔽物の最外側の骨格フレームと開閉用スライダとを連結して開閉用スライダの摺動によって最外側の骨格フレームを押し拡げるリンクとを備え、回転中心機構は複数本の骨格フレームの各基端部側を支える複数本の連結プレートと、連結プレートを回転自在に連結して扇状に開閉するように束ねる1つの共通の回転中心軸と、主アームに取り付けられ共通の回転中心軸を支持する基板とを有し、かつ連結プレートが各骨格フレーム毎に異なる折れ角度を成すと共に共通の回転中心軸からそれぞれ異なる半径位置に個別の回転ガイド軸を備え、基板には共通の回転中心軸からそれぞれ異なる半径でかつ異なる角度位置に円弧状のガイド孔が設けられ、個別回転ガイド軸をガイド孔内を移動させることによって各骨格フレーム毎に揺動範囲が規制され、遮蔽物が閉じられた時に骨格フレームが互いに並行に配置されると共に遮蔽物が拡げられた時に骨格フレームが放射状に配置されるように扇形に開閉する構造とされ、開閉用スライダを摺動させることで、リンクと連結される最外側の骨格フレームを側方へ突き出し遮蔽幕を拡げながら各ガイド孔による移動規制の範囲内で各骨格フレームを扇状に開き、あるいはリンクと連結される最外側の骨格フレームを引き込み遮蔽幕を折り畳みながら各骨格フレームを扇状に閉じようにしている。
ここで、本発明の扇状に開閉する遮蔽物は、骨格フレームが主アームの先端の回転中心機構によってそれぞれ独自に回転自在に支持され、最外側の骨格フレームの動きに引っ張られてその他の骨格フレーム並びにそれらの間に取り付けられた遮蔽幕も追従する構造とされていることが好ましい。
請求項1記載の装置によれば、開閉用スライダを摺動させることで、リンクと連結される最外側の骨格フレームを側方へ突き出し遮蔽幕を拡げながら左右方向に扇状に開き、あるいはリンクと連結される最外側の骨格フレームを引き込み遮蔽幕を折り畳みながら左右方向に扇状に閉じることを可能とする簡易な開閉構造が実現できる。
本発明にかかる扇状に開閉する遮蔽物を日除けに適用した実施形態の一例を示す平面図であり、日除けを開いた状態で示す。 同日除けを閉じた状態で示す平面図である。 同日除けの開閉機構の一実施形態を示す横断面図である。 同日除けの開閉機構の回転中心機構の一実施形態を示す側面図である。 同日除けの開閉機構の回転中心機構の平面図である。 本発明にかかる扇状に開閉する遮蔽物を日除けに適用して2基連接した実施形態の一例を示す平面図であり、日除けを開いた状態で示す。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
(日除けの開閉機構(ワンタッチで開く))
図1~図2に本発明の扇状に開閉する遮蔽物を日除けに適用した一実施形態を示す。この実施形態にかかる遮蔽物は、例えば建物の壁面から水平方向に飛び出す庇状の日除け(所謂、壁付け型日除け)を構成するものであり、水平面内で左右方向に扇状に開閉するものである。尚、本発明にかかる遮蔽物とは、人目や光線(陽射しを含む)から遮るもの全般を意味するものであり、特定の用途への適用に限られるものではないが、日除けに適用する本実施形態では生地・遮蔽幕(以下、日除けシートと呼ぶ)を取り付けた複数の骨格フレーム(以下、日除けフレームと呼ぶ)を扇状に開閉させる構造物をいう。
本実施形態にかかる日除け28は、図1及び図2に示すように、主アーム1の先端の回転中心機構35によって開閉可能に支持された複数本の骨格フレームいわゆる可動の日除けフレーム5,6,7,8および固定日除けフレーム9とのそれぞれの間に遮蔽幕たる日除けシート21を取り付け、最も外側の日除けフレーム5を主アーム1に沿って動く開閉用スライダ3と連動させて主アーム1から離れるように開閉させ、主アーム1の左右方向に扇を広げるように開閉可能としたものである。ここで、他の日除けフレーム6,7,8は日除けシート21を介して相互に連結されるため、最も外側の日除けフレーム5が回転中心機構35を中心に広がる動きをすると、日除けシート21が張り詰めることで次の日除けフレーム6が引き出され、さらに次の日除けシート21が張り詰めることでさらに次の日除けフレーム7が引き出される、といった動きで日除けシート21が次々に拡げられて全開させられるように構成されている。
即ち、この日除け28は、具体的には、主アーム1と、主アーム1に沿って摺動する開閉用スライダ3と、主アーム1の先端に取り付けられた回転中心機構35を中心に主アーム1に沿って左右方向に扇状に開閉される日除けフレーム5,6,7,8,9と該日除けフレーム5,6,7,8,9で支持される日除けシート21とで構成される日除け28と、両側の最も外側の日除けフレーム5と開閉用スライダ3とを連結するリンク4とを備え、主アーム1に沿った開閉用スライダ3の1つの開閉操作アクションによって収納状態から展開状態へあるいはその逆に展開状態から収納状態へと扇状に開閉する構造とされている。
主アーム1は日除け28を支持し得る強度を有するものであればどのような形状・構造でも良いが、できるだけ軽量でかつ強度に優れる材質や形状であることが好ましいことは言うまでもない。そこで、本実施形態では、例えば断面矩形状のアルミパイプ材が採用されている。
主アーム1は、図示していないが、その基端部が建物躯体などに取り付けられたり、スタンドを備えて自立したり、あるいは地盤などに埋め込まれたりして固定される。例えば、壁付け型日除けとする場合には、基端部に取付プレートが備えられ、この取付プレート部分を建物の壁面などにボルトなどで固定することによって任意の場所に据え付け可能とされている。しかしながら、必ずしも取付プレートは備えられずとも良く、直接主アーム1を建物基礎中に埋設するようにして固定設置するようにしても良い。また、屋外での目隠しなどに用いる場合において、遮蔽物が大型化したり、強い風が予測されるような使用用途では、深い基礎を掘って主アーム1を埋設することが好ましいが、場合によっては主アーム受け台(図示省略)の上に錘を載置して固定するようにしても良い。さらには、建物駆体の壁面などに取り付けて水平方向に飛び出させても良い。
本実施形態の場合、主アーム1には、図3に示すように、開閉用スライダ3を摺動させるガイドレール2を備える。ガイドレール2としては、開閉用スライダ3を内部で滑らせかつ離脱不能に保持するように収容する構造部材例えばチャネル材の使用が好ましく、型鋼やアルミ合金製の押し出し材や引き抜き材などの型材などが用いられている。例えば、ガイドレール2は、図3に示すような溝形断面を成す押し出し成形材によって構成されている。具体的には、両側に開閉用スライダ3のローラ23を抱持する折り返し部22が形成されると共に底辺の中程が開口された溝形を成し、開閉用スライダ3の本体24が走行する開口部が長手方向に貫通するように形成されている。折り返し部22は開閉用スライダ3のローラ23を転動可能にかつ脱落しないように支持するように設けられている。尚、本実施形態では、主アーム1とガイドレール2とを別部材で構成しているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては主アーム1とガイドレール2とを一体成形した(つまり、主アーム1がガイドレール2を兼ねる)ものにしても良い。また、ガイドレール2は、少なくとも開閉用スライダ3のストローク範囲において備えられていれば足りるが、本実施形態の場合には主レール1とほぼ同等の長さに設定されている。
ここで、開閉用スライダ3は、回動可能なリンク4を備え、該リンク4を介して最も外側の日除けフレーム5と連結されている。本実施形態の場合には、例えば開閉用スライダ3の本体24の底辺に対してコ形の受け金具25がリベット止めや溶接などで取り付けられており、その両側壁にリンク4を回転自在に取り付けるための軸受け部例えばコ形のブラケット26が溶接付けされている。このブラケット26にリンク4の基部の円筒形の軸受け部が装入されて締結具27で回転自在に取り付けられて対偶が構成されている。本実施形態の場合、ブラケット26と開閉用スライダ3の本体24並びにタイヤ23とがほぼ一直線上で左右対称に配置されることによって左右にバランス良く安定的に支持されている。
尚、開閉用スライダ3は、主アーム1に沿って移動し且つ最外側の日除けフレーム5を駆動するリンク4が回転自在に連結され得るものであればどのような構造・形状・材質でも良く、特定の構造に限定されるものではない。即ち、開閉用スライダ3の本体24の構造は、ガイドレール2内を摺動可能なものであればその形態や材質などには特に限定されるものではなく、例えば板材をハット(hat)形に折り曲げて成るものにローラ23を備えたものでも、摺動性に優れる単なる樹脂製ブロックでも実施可能であるが、本実施形態の場合には角パイプが採用されている。
また、開閉用スライダ3に回転自在に連結されたリンク4の先端側は、日除け28の最外側の日除けフレーム5の中程に回転自在に連結されている。本実施形態の場合、日除けフレーム5に溶接付けあるいはリベット止めなどで固定された略コ形のブラケット20と締結具29とによって日除けフレーム5の上に回転自在に連結されている。したがって、開閉用スライダ3が主アーム1の先端側へ移動することによって最外側の日除けフレーム5を押し拡げ、主アーム1の基端部側へ移動することで折り畳むように力を付勢する。
(日除けの開閉機構)
本実施形態にかかる日除け28の開閉機構は、図5に示すように、主アーム1の先端において該主アーム1に沿って左右方向に扇状に広げるように開閉可能としたものであり、主アーム1の先端の回転中心機構35によって開閉可能に支持された複数本の可動の日除けフレーム5,6,7,8および固定日除けフレーム9と、これら日除けフレーム5,6,7,8および固定日除けフレーム9の間および固定日除けフレーム9との間に取り付けられた日除けシート21とで構成され、最も外側の日除けフレーム5を主アーム1の動きと連動させて開閉させる(つまり、主アーム1に対して角度をとるように離れる)ものである。尚、場合によっては、左方向あるいは右方向に片側だけを扇状に広げるように開閉可能としても良い。
具体的には、本実施形態では、可動の日除けフレーム5,6,7,8は主アーム1の先端の回転中心機構35によってそれぞれ独自に回転自在に支持され、最外側の日除けフレーム5の動きに引っ張られてその他の日除けフレーム6,7,8並びにそれらの間に取り付けられた日除けシート21も追従する構造とされている。即ち、日除けフレーム5,6,7,8は日除けシート21を介して相互に連結され、最も外側の日除けフレーム5が回転中心機構35を中心に広がる動きをすると、日除けシート21が張り詰めることで次の日除けフレーム6が引き出され、さらに次の日除けシート21が張り詰めることでさらに次の日除けフレーム7が引き出される、といった動きで日除けシート21が次々に拡げられて全開させられるように構成されている。尚、左右の日除け28の境界には、主アーム1に沿って固定日除けフレーム9が基板10に対して回転不能に固定されており、日除けフレーム8に取り付けられた日除けシート21の反対側を固定するように設けられている。この固定日除けフレーム9は、左右の日除け28の終端を兼ねる。
日除け28は、例えば、回転中心機構35を中心に放射状に配置される複数本の日除けフレーム5,6,7,8の基端部側を1つの回転中心軸11で回転自在に連結することで束ねて回転中心軸11を中心に扇状に開閉するように構成されている。本実施形態の日除け28は、主アーム1に対して直交する方向に回転中心軸11を配置して該回転中心軸11と直交する面内(即ち、主アーム1と平行な平面上)で開閉可能に備えられている。
つまり、回転中心機構35は、本実施形態の場合、例えば図3に示すように、扇形に開閉する日除けシート21の要となる主回転軸11を上下一対の基板10の間に配置して軸承するように設けられている。この回転中心機構35は、一対のL形鋼19を介して上側の基板10が主アーム1の先端に取り付けられることによって、主アーム1の先端に備えられている。上下一対の基板10は、略コ形のスペーサ38を介在させてボルト締めあるいは溶接付けなどで相互に連結されている。
また、上述の実施形態では、日除けフレーム5,6,7,8,9の基端部の連結プレートを1本の共通の回転中心軸11に軸方向にずらして嵌合させて連結すると共に各日除けフレーム5,6,7,8,9の連結プレートの曲げ角度を1枚毎に異ならせることで、日除け28を閉じた時に複数の日除けフレーム5,6,7,8,9が相互に平行に並べられて干渉しないように設けられている。即ち、共通の回転中心軸11と各日除けフレーム5,6,7,8毎に異なる折れ角度の連結プレート31,32,33,34とを設け、各日除けフレーム5,6,7,8は、連結プレート31,32,33,34を介して共通の回転中心軸11と各々連結され、同一平面上に放射状に配置されて扇状に開閉するように備えられ、日除け28を閉じた時に各日除けフレーム5,6,7,8,9が互いに並行に配置されると共に拡げられた時に放射状に広げられるように設けられている。
日除けシート21は、特に生地に限定を受けるものではなく、キャンバス地などの一般に使用されているシート材の中から、あるいはそれ以外の新規のシート材の中から適宜選択される。尚、日除けシート21の形状には特定の形状であることは求められないが、本実施形態の場合には略三角形状の日除けシート21が用いられている。
(日除けの回転中心機構)
通常、屋外用途の日除け28の場合、日除けシート21を支持する日除けフレーム5,6,7,8,9には、曲げ強度を高めるために高さのある断面形状にして断面二次モーメントを大きくする必要がある。このため、日除けフレーム5,6,7,8の基端部を1本の回転軸で連結して扇状に開閉させようとすると、扇の要となる部分ではがたつき易く嵩張って大型化してしまう問題を伴う。そこで、各日除けフレーム5,6,7,8の基端部に薄板状の連結プレートをそれぞれ取り付けて、共通回転中心軸11で連結する部分の厚みを薄形化することも考えられるが、連結プレートを長尺なものとしない限り回転中心部分の機構に近づいたところでは日除けフレーム5,6,7,8,9同士の干渉が起こり、それ以上に扇の角度を狭くすることができないという問題、即ち外側に向かうほど日除けフレーム5,6,7,8,9の間の間隔が開いてしまいコンパクトな折り畳み構造とすることが難しいばかりか、風の影響を受け易くなる収納状況となる問題がある。
他方、日除けフレーム5,6,7,8ごとに別々の回転中心を設定して、閉じた時に各日除けフレーム5,6,7,8を互いに平行に配置して日除けフレーム5,6,7,8が重ならないように収納されるようにする場合には、コンパクトな折り畳み構造とすることが期待できる。しかしながら、各日除けフレーム5,6,7,8毎に回転中心が異なるので、日除け28を開いた時と閉じた時とでは、各日除けフレーム5,6,7,8の各回転中心から日除けシート21が各日除けフレーム5,6,7,8,9に止め付けられている取付箇所までの距離が各日除けフレーム5,6,7,8,9毎に変わってくるので、日除け28を閉じている間中、日除けシート21を無理矢理引き延ばしている状態となってしまう問題がある。
そこで、本実施形態の回転中心機構35は、共通の回転中心軸11と各日除けフレーム5,6,7,8,9毎に異なる折れ角度の連結プレート31,32,33,34並びに個別の回転ガイド軸13,14,15とを設けるようにしている。即ち、各日除けフレーム5,6,7,8は、例えば図5に示すように、共通の回転中心軸11と各日除けフレーム5,6,7,8毎の個別回転ガイド軸13,14,15とを有し、各個別回転ガイド軸13,14,15はそれぞれの円弧状のガイド孔16,17,18内を移動することによって揺動範囲が規制されるように設けられている。つまり、各日除けフレーム6,7,8は、共通回転中心軸11を要として個別回転ガイド軸13,14,15をプレートの円弧状の長孔16,17,18に沿って一定範囲内で移動させることで、扇形に開閉する構造とされている(図5参照)。本実施形態の場合、片側4本ずつの日除けフレーム5,6,7,8が左右にそれぞれ備えられ、合計8本の日除けフレーム5,6,7,8によって、例えば180°の角度まで拡げられるように設けられている。尚、中央の日除けフレーム9は、基板10に2本のボルトで連結されて固定されている。そして、最も内側の端の日除けシート21の一端を固定している。他方、日除けフレーム5は、リンク4を介して開閉用スライダ3と連結され連動するため、揺動範囲を規制するためのガイドは必要とされず、回転ガイド軸12を案内するガイド孔は設けられていない。
4本の可動の日除けフレーム5,6,7,8は、図5に示すように、日除け28を閉じた時に互いに一定間隔を開けて並列設置されると共に拡げられた時に等角度で放射状に広がるように、連結プレート31,32,33,34で支持されている。最外側の日除けフレーム5は、例えば90°に屈曲する連結プレート31で回転中心軸11から最も離れ且つ展開状態で主アーム1に対してほぼ直角を成すように変位が与えられる。外から2番目の日除けフレーム6は、例えば100°程度に屈曲する連結プレート32で回転中心軸11から2番目に離れ且つ展開状態でほぼ67.5°程度傾いた変位が与えられる。外から3番目の日除けフレーム7は、例えば150°程度に屈曲する連結プレート33で回転中心軸11から3番目に離れ且つ展開状態でほぼ45°程度傾いた変位が与えられる。外から4番目の日除けフレーム8は、例えばストレートな連結プレート34で回転中心軸から4番目に離れ且つ展開状態でほぼ主アーム1と22.5°程度となるように変位が与えられる。
これによって、日除け28を閉じるときには、図5に示すように、日除けフレーム5,6,7,8は、互いに平行に並べられる。このとき、日除けフレーム5,6,7,8の基端部の位置は共通回転中心軸11の下、図5に示すように互いに等間隔で4列に並べられるが、個別回転ガイド軸の位置は共通回転中心軸11からそれぞれ異なる半径の位置と異なる角度となる。これにより、4本の連結プレート31,32,33,34が一定間隔で共通回転中心軸11に離間させて嵌合される一方、日除けフレーム5,6,7,8の基端部は同じ高さ位置に並べられる。
本実施形態では、各日除けフレーム5,6,7,8の基端側には、各々異なる曲げ角度(異なるオフセット量)の連結プレート31,32,33,34が例えばビス止めによって固着され、各連結プレート31,32,33,34を共通回転中心軸11にそれぞれ軸方向にずらして嵌合されることによって、各日除けフレーム5,6,7,8は、同じ高さに並べられて配置されることとなる(図5参照)。また、各日除けフレーム5,6,7,8は閉じた位置では、互いに平行に並べられるように連結プレート31,32,33,34によって支持される。このため、本実施形態の日除け28は複数本の日除けフレーム5,6,7,8,9を互いに平行に束ねた状態でコンパクトに収納できる。しかも、日除けシート21の日除けフレーム5,6,7,8,9への止め付け位置は、展開時よりも閉じた時に相互に接近するので、日除け28の収納時に生地が弛み無用のテンションがかかることがない。
連結プレート31,32,33,34は、回転中心軸11上で互いに干渉しないように軸方向に適宜ずらして配置され、適宜スペーサを介在させて回転自在に締結されている。つまり、日除けフレーム5,6,7,8は同じ高さでありながら回転中心軸11の位置では異なる高さになるように設けられている。本実施形態の場合、特に機構上の要求ではないが強度上の問題から最外側並びに外から3番目の日除けフレーム5,7は、上と下からの双方を2枚の連結プレートで挟持されており、外から2番目と4番目(一番内側)の日除けフレーム6,8は1枚の連結プレートで支持されている。尚、各個別回転ガイド軸12,13,14,15においても同様に、適宜スペーサを介在させて回転自在に締結されている。
連結プレート31,32,33,34並びに日除けフレーム5,6,7,8には、図示していないが補強のためのリブプレート例えば三角形のプレートがそれぞれ基端部に設けられることがある。
以上のように構成された図1から図5に示す構造の日除けによると、主アーム1に沿って開閉用スライダ3を主アーム1の先端即ち回転中心機構35に向けて摺動させれば扇状に開かれる。主アーム1に沿って主アーム1の先端に向けて開閉用スライダ3が移動することによって、リンク4の基端を主アーム1の先端即ち回転中心機構35に向けて接近させる。この結果、リンク4に連結された最も外側の日除けフレーム5が回転中心機構35を中心として主アーム1に対する角度を広げるように押し拡げられ、該日除けフレーム5に取り付けられている日除けシート21→日除けフレーム6→日除けシート21→日除けフレーム7→日除けシート21→日除けフレーム8→日除けシート21の順に引っ張り出すようにして、日除け28を扇状に開く。つまり、開閉用スライダ3を主アーム1の前方へ移動させてリンク4を介して最外側の日除けフレーム5を押し拡げることで日除けシート21並びに他の日除けフレーム6,7,8を順次引き出して日除け28を扇状に開かせる。このため、主アーム1の向きが水平であろうと、上向きに鉛直あるいは傾斜状態に設置されていようとも、日除け28を開くときの各日除けフレームと日除けシートとの動きは同じである。
他方、主アーム1の基端側即ち回転中心機構35から離れる方向に向けて開閉用スライダ3を摺動させれば日除け28が閉じられる。日除け28が水平に設置されている本実施形態の場合には、開閉用スライダ3の回転中心機構35から離れる方向への水平移動に伴ってリンク4が引っ張られるので、日除けフレーム5が回転中心機構35を中心に閉じる方向に回動する。そして、日除けシート21を自重により弛ませ(折り畳み)ながら順次他の日除けフレームを、日除けフレーム6→日除けフレーム7→日除けフレーム8→固定日除けフレーム9へと順次押し戻すようにして、日除け28が扇状に閉じられる。
また、日除け28が鉛直あるいは傾斜状態に設置されている場合には、各日除けフレーム5,6,7,8及び日除けシート21には自重が作用するので、開閉用スライダ3の押し下げ(回転中心機構35から離れる方向に向けての移動)によって、日除け28は、リンク4の支えを失って自重によって自動的に折り畳まれる。即ち、リンク4を介して開閉用スライダ3に支えられていた日除けフレーム5は、リンク4の支えを失って自重で閉じる方向(鉛直線に沿う方向)に回動することから、その他の日除けフレーム及び日除けシート21は、固定日除けフレーム9に取り付けられている日除けシート21→日除けフレーム8→日除けシート21→日除けフレーム7→日除けシート21→日除けフレーム6→日除けシート21→と日除けフレーム5と順次引き戻されるようにして、日除け28が扇状に閉じられる。
ここで、本実施形態の日除けの開閉の際には、各ガイド孔16,17,18による移動規制若しくは日除けシート21の張りによる規制で、各日除けフレーム6,7,8,9は並行に配置されて閉じられると共に任意の角度例えば等角度で放射状に広げられる。勿論、主アーム1が鉛直上向きあるいは傾斜して設置される用途の場合には、各日除けフレーム6,7,8並びに日除けシート21の自重によっても各日除けフレーム6,7,8,9並びに日除けシート21の開閉の動きは規制される。
このようにして、本実施形態の日除け28はワンタッチで開閉される。尚、開閉用スライダ3にはロック機構を備えることが好ましいが、ロック機構がなくとも開閉方向によっては日除け28の自重で閉状態及び/または開状態が維持されることもある。さらには、図示していないが、日除けフレーム5と回転中心機構35との間にロック機構を備えることによって、日除けフレーム5そのものの動きを必要に応じて拘束するようにしても良い。
上述の実施形態によれば、開閉用スライダ3の主アーム1に沿った直線的な往復動(前後動)によって日除け28を左右方向に扇状に開閉させるという、従来にない動きの日除けを提供できる。しかも、この動きをワンアクションで実現できる。また、日除け28としての形状や図柄などについては特に限定を受けるものではないが、例えば蝶類や鳥類の翼を連想させるような形態・図柄とすれば、恰も蝶や鳥が羽ばたくような動きを彷彿させるため、今までの日除けの動きにない、面白みのある目新しい動きとなる。その上、主アーム1に沿って開閉用スライダ3を摺動させるだけの軽い操作力で簡単に開閉させることができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では、壁付型日除けとして構成した例を挙げて説明したが、特定の用途への適用に限られるものではなく、独立型あるいは自立型の日除けとして構成しても良いし、日除けに限らず窓の目隠しやスクリーン、さらには屋外あるいは屋内でのパーテーション、目隠しなどにも適用できることは言うまでも無い。特に、主アームの基端部にスタンドを備えたスタンド形式のパーテーション・衝立・スクリーンとすれば、必要とされる場所に置いて開閉用スライダ3を上げ下げするだけで、簡単に周囲の視線を遮りプライバシーを確保できるので、避難所などでの使用に好適である。しかも、簡単に折り畳んで撤収できる。また、生地(遮蔽幕)として難燃性・防炎性生地を用いることによって、簡易防災用パーテーションとして使用することもできる。さらには、建物の壁面や屋上などに設置される宣伝広告用ディスプレイ(表示、展示、陳列)として用いることも可能である。いずれの用途においても、自立でも、壁支持式でも、開閉用スライドをスライドさせると二次元的に骨が開いて平面的な遮蔽が構築される。しかも、水平設置でも垂直設置でもあるいはそれ以外の任意の角度での設置でも可能である。
また、上述の実施形態では、左右対称形状の日除け28を構成する例を挙げて主に説明したが、これに特に限られるものではなく、左右非対称形状の日除け28を構成するようにしても良い。例えば、図6に示すように、主アーム1を中心に左右の日除けフレーム5,6,7,8の長さと日除けシート21の長さを異ならせることによって、左右非対称の日除け28を構成しても良いし、1本の共通の支柱36に対して180度置きに2本の主アーム1を配置し、それぞれの主アーム1に左右対称あるいは左右非対称の日除け28を装備することで、図6に示すような展開状態の日除け28を構成するようにしても良い。また、上述の実施形態では、蝶類や鳥類の翼を連想させるような矩形状の日除け28を構成する例を挙げているが、これに特に限定されるものではなく、半円状あるいは半円以上で360°未満の扇形の日除けとして構成するようにしても良い。
さらに、上述の実施形態では、1つの開閉用スライダ3の動きで左右の日除け28を同時に開閉させる操作機構としているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては各区画の日除け28毎に開閉用スライダ3を設けることによって各区画毎に独立させてそれぞれ日除け28を開閉させるようにしても良い。例えば、2系統の開閉用スライダ3を備え、左右の日除け28の開閉タイミングをずらすなどして日除け28の開閉アクションに工夫を凝らすようにしても良い。
また、上述の実施形態にかかる日除け28は、日除けフレームを展開したときに日除けシート21が張り詰められるように設けられているが、これに特に限定されるものではなく、日除けシート21が弛みを以て展開されるようにしても良い。例えば、図示していないが、日除けシート21の幅よりも短いテープ状連結部材で隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9同士を直接連結することで、日除けシート21が張り詰める前に次の日除けフレーム6が引き出される構造として、図示していないテープ状連結部材で隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9同士が引っ張られて展開されて行くようにしても良い。この場合、隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9と日除けフレーム5,6,7,8,9との間の間隔は日除けシート21が張り詰める前にテープ状連結部材が張り詰めることで一定間隔に保たれるので、隣合う日除けフレーム5,6,7,8,9の間で日除けシート21が垂るみをもった襞を形成させることができる。
また、上述の実施形態では、日除けフレーム5,6,7,8,9の基端部の連結プレートを1本の共通の回転中心軸11に軸方向にずらして嵌合させて連結すると共に各日除けフレーム5,6,7,8,9の連結プレートの曲げ角度を1枚毎に異ならせることで、日除け28を閉じた時に複数の日除けフレーム5,6,7,8,9が相互に平行に並べられて干渉しないように設けられているが、これに特に限定されるものではなく、各日除けフレーム5,6,7,8毎の回転中心軸をそれぞれ設けることによって各日除けフレーム5,6,7,8を互いに干渉しないように旋回(展開)させたり、あるいは複数の日除けフレームの間で1本の共通の回転中心軸11に対する取り付け位置を各フレーム毎に異なる高さに設定するようにしても良い。この場合でも、日除け28の共通回転中心軸11の近くでの日除けフレーム5,6,7,8,9の互いの干渉をなくして日除け28としての収納をコンパクトなものとすることができる。勿論、共通回転中心軸11の付近で日除けフレーム5,6,7,8,9が干渉する状況となっても、日除け28の閉じる角度が最小とならないだけであって、そのことが許容される使用環境下においては特に問題とはならない。
1 主アーム
2 ガイドレール
3 開閉用スライダ
4 開閉用スライダと最外側の日除けフレーム(骨格フレーム)とを繋ぐリンク
5 最外側の日除けフレーム(骨格フレーム)
6,7,8 その他の可動の日除けフレーム(骨格フレーム)
9 固定の日除けフレーム(骨格フレーム)
11 共通の回転中心軸
12,13,14,15 個別回転ガイド軸
16,17,18 ガイド孔
21 日除けシート(遮蔽幕)
28 日除け(遮蔽物)
35 回転中心機構

Claims (2)

  1. 主アームと、前記主アームに沿って摺動する開閉用スライダと、前記主アームの先端に取り付けられた回転中心機構を中心に扇状に開閉される骨格フレームと該骨格フレームで支持される遮蔽幕とで構成される遮蔽物と、前記遮蔽物の最外側の前記骨格フレームと前記開閉用スライダとを連結して前記開閉用スライダの摺動によって最外側の前記骨格フレームを押し拡げるリンクとを備え、
    前記回転中心機構は複数本の前記骨格フレームの各基端部側を支える複数本の連結プレートと、前記連結プレートを回転自在に連結して扇状に開閉するように束ねる1つの共通の回転中心軸と、前記主アームに取り付けられ前記共通の回転中心軸を支持する基板とを有し、かつ前記連結プレートが各骨格フレーム毎に異なる折れ角度を成すと共に前記共通の回転中心軸からそれぞれ異なる半径位置に個別の回転ガイド軸を備え、前記基板には前記共通の回転中心軸からそれぞれ異なる半径でかつ異なる角度位置に円弧状のガイド孔が設けられ、前記個別回転ガイド軸を前記ガイド孔内を移動させることによって前記各骨格フレーム毎に揺動範囲が規制され、前記遮蔽物が閉じられた時に前記骨格フレームが互いに並行に配置されると共に前記遮蔽物が拡げられた時に前記骨格フレームが放射状に配置されるように扇形に開閉する構造とされ、
    前記開閉用スライダを摺動させることで、前記リンクと連結される最外側の前記骨格フレームを側方へ突き出し前記遮蔽幕を拡げながら前記各ガイド孔による移動規制の範囲内で前記各骨格フレームを扇状に開き、あるいは前記リンクと連結される最外側の前記骨格フレームを引き込み前記遮蔽幕を折り畳みながら各骨格フレームを扇状に閉じ
    ことを特徴とする扇状に開閉する遮蔽物。
  2. 前記骨格フレームが前記主アームの先端の前記回転中心機構によってそれぞれ独自に回転自在に支持され、最外側の前記骨格フレームの動きに引っ張られてその他の前記骨格フレーム並びにそれらの間に取り付けられた前記遮蔽幕も追従する構造とされていることを特徴とする請求項1記載の扇状に開閉する遮蔽物。
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