以下、本発明の一実施形態にかかる乾燥コンテナ1について説明する。なお、説明の都合上、上下、左右、及び前後の表現は、図1及び図2に示す方向とする。また、内側及び外側とは、コンテナ本体5を基準にした内側及び外側を指す。
乾燥コンテナ1について説明する。図1に乾燥コンテナ1を含む乾燥コンテナシステムSが記載されている。乾燥コンテナシステムSは、乾燥コンテナ1に収容される多数の被乾燥物(粒状体)である木材チップ(以下「チップ」)を乾燥させるためのシステムである。乾燥コンテナシステムSは主に、乾燥コンテナ1、気流供給機構2、連結管3から構成されている。乾燥コンテナ1は、図示していない車両に搭載可能に構成されている。具体的には、図示していない車両に設けたフックアームのフックを、乾燥コンテナ1に備えるフック係合部41(図1、図2参照)に係止した状態で持ち上げて車両側に移動させることで乾燥コンテナ1を車両に搭載させることができる。乾燥コンテナ1内に収容された多数のチップは気流供給機構2からの送風により、外面に付着した水分及び木材組織内に含まれた水分が蒸発することで乾燥させられる。乾燥したチップは、例えば木質バイオマス発電に用いられる。乾燥により、発電時の燃焼がしやすくなり、かつ、水分が抜けた分軽量化されるため、例えば運搬時において有利である。
気流供給機構2は、例えば熱風を発生できる機構であって、図示していないが、送風機とヒーターとを備えている。なお、気流を加熱するための熱源は、例えば、他の装置の排熱を利用して加熱を行う場合、気流供給機構2の外部に設けることもできる。気流の加熱温度及び加熱時間は、乾燥コンテナ1に収容されたチップの乾燥度合や収容量に応じて適宜設定することになる。また、状況によっては加熱を行わず、送風だけを行うこともできる。連結管3は、気流供給機構2で生じた気流(熱風)を乾燥コンテナ1に送るため、乾燥コンテナ1と気流供給機構2とを連結する管であって、パイプやホースを用いることができる。本実施形態では、断面形状が円形のホース(ダクトホース)が用いられている。
乾燥コンテナ1は、一般的な車載コンテナと同様の略直方体形状であって、図1及び図2に示す乾燥コンテナシステムSとしての使用状態において上面が開口した箱状に構成され、外部からの送風を内部に供給する送風口5Kを有するコンテナ本体5と、コンテナ本体5の底壁51の上面から一定高さを空けて設けられるデッキ6(図2参照)と、を備えている。チップは、乾燥コンテナ1の上面から内部に投入される。
乾燥コンテナ1は、気流供給機構2から連結管3を経由して送られた気流(熱風)が送風口5Kを介して底壁51の上面とデッキ6の下面との間に形成される気流滞留空間50(図6及び図7参照)に供給される。前記供給された気流は、デッキ6に形成されている多数の貫通孔6A(図2参照)からデッキ6上に収容された多数のチップに気流を当てることでチップを乾燥させる。
本実施形態にかかる乾燥コンテナ1は、図3に示すように、箱状の乾燥コンテナ1本体の底側に複数のデッキ単板61から構成されるデッキ6が設けられている。具体的に乾燥コンテナ1は、箱状のコンテナ本体5と、コンテナ本体5の内部に設けられるデッキ6と、デッキ6を支持する支持体7と、を備える。
図3、図6及び図7に示すように、コンテナ本体5は、矩形状の底壁51と、底壁51の前後の端部に対向配置される前側壁52及び後側壁54と底壁51の左右の端部に対向配置される左側壁53L及び右側壁53Rを有する箱状に形成されている。また、コンテナ本体5には、内外を連通する送風口5Kが形成される送風口部56が設けられる。さらに図1及び図5に示すように、コンテナ本体5の後方には、上下方向に延びる支柱55が左右に1本ずつ備えられている。本実施形態において、コンテナ本体5の上方は開放されている。また、本実施形態において、コンテナ本体5は、直方体形状であり、具体的には、左右方向に短く、前後方向に長い形状である。
底壁51は、コンテナ本体5の下方に設けられる壁である。底壁51の下面には、底壁51の後端部の左右隅部に設けられる一対のローラ10及び、底壁51の前端部の左右隅部に設けられる一対の脚部11が設けられている。また、底壁51の上方には、後述する支持体7が設けられている。さらに、後述するように、底壁51の外縁部分51aは、それぞれ前側壁52、左側壁53L及び右側壁53Rと連結している。また、図1及び図5に示すように、底壁51の後方の外縁部分51aに、上方に向かって立ち上がるように一対の支柱55が連結されている。さらに、図10に示すように、底壁51の後端には、底壁51よりも上に向かって伸び、上側の先端が内側に折れ曲がり内方へと延設される、L字形状の外縁閉鎖部713が設けられる。外縁閉鎖部713は、コンテナ本体5の後端の下部を閉鎖し、気流滞留空間50の後側を画定する。
図3、図7及び図9に示すように、前側壁52は、底壁51の前側の外縁部分51aに立設されている壁体であり、コンテナ本体5の前側に設けられる側壁である。前側壁52は、前側壁本体521と、前側壁本体521の内側に設けられる複数の補強リブ522と、を備える。具体的に、前側壁本体521は、底壁51から略垂直に立ち上がる壁体である。また、補強リブ522は、上下方向に延びる上下リブ5221と左右方向に延びる左右リブ5222とを備え、前側壁本体521を補強している。本実施形態において、左右リブ5222は、上下リブ5221よりも内側まで出ている。また、本実施形態において、前側壁52は、内側が左右対称の形状である。図1及び図2に示すように、前側壁52の外側には、フック係合部41及び梯子42が設けられている。
図1及び図6に示すように左側壁53Lは、底壁51の左側の外縁部分51aに立設されている壁体であり、前方で前側壁52と連結し、後方で支柱55と連結している板状の部材である。具体的に、左側壁53Lは、底壁51側に配置される下側部531と、上側に配置される上側部532と、下側部531と上側部532とを連結する折曲部533と、を備え、折曲部533は、下側部531が上側部532よりも外側に位置するように構成される。本実施形態で、折曲部533は左側壁53Lの内面及び外面を折り曲げるように形成される。左側壁53Lの下側内面531aは、上側内面532aよりも左側壁53Lにおける外面側(コンテナ本体5の外側)に位置するように構成されている。本実施形態において、下側部531は、底壁51と連結している連結部5313(図8参照)と、連結部の上側に連結されるストレート部5311と、ストレート部5311の上側に設けられ、ストレート部5311及び折曲部533を連結する段差部5312と、を備えている。また、図5に示すように、下側部531の後側には、支柱55と連結しており、外側から内側へ向かって傾斜する傾斜部534が設けられている。傾斜部534が設けられるので、チップの取り出しを行う際に、チップが支柱55に引っかかることを防止でき、スムーズにチップを取り出すことができる。
図6に示すように、右側壁53Rは、左側壁53Lと左右対称の形状の板状の部材である。即ち、右側壁53Rは、底壁51の右側の外縁部分51aに立設されている壁体であり、底壁51側に配置される下側部531と、上側に配置される上側部532と、下側部531と上側部532とを連結する折曲部533と、を備え、折曲部533は、下側部531が上側部532よりも外側に位置するように構成される。そのため、右側壁53Rの下側内面531aは、上側内面532aよりも右側壁53Rにおける外面側(コンテナ本体5の外側)に位置するように構成されている。そのため、右側壁53Rの下側内面531aは、上側内面532aよりも右側壁53Rにおける外面側(コンテナ本体5の外側)に位置するように構成されている。本実施形態において、下側部531は、底壁51と連結している連結部5313(図8参照)と、連結部の上側に連結されるストレート部5311と、ストレート部5311の上側に設けられ、ストレート部5311及び折曲部533を連結する段差部5312と、を備えている。また、図5に示すように、下側部531の後側には、支柱55と連結しており、外側から内側へ向かって傾斜する傾斜部534が設けられている。傾斜部534が設けられるので、チップの取り出しを行う際に、チップが支柱55に引っかかることを防止でき、スムーズにチップを取り出すことができる。
図4及び図7に示すように、後側壁54は、コンテナ本体5の後ろ側に設けられる側壁である。後側壁54は、底壁51から立設する支柱55と連結されている。また、後側壁54は開閉可能に構成されており、具体的には左右一対の扉で中央から左右両側へ開くように構成されて、左側に設けられる左扉54Lと右側に設けられる右扉54Rとを備える。右扉54R及び左扉54Lは、ヒンジ541を介して支柱55と連結されており、支柱55を軸心に回動可能である。扉を開放することで排出部分が形成され、排出部分を通して例えばチップの取り出しを行う、又はコンテナ本体5の内部を清掃することができる。なお、右扉54Rと左扉54Lは両扉をロックする操作をするためのロック部544が左扉54Lにのみあることを除いて左右対称に構成されているため、左扉54Lについてのみ説明する。
図4に示すように、左扉54Lは、上下方向に長い縦長の長方形状で、かつ、左右方向内側の下側部分が角型に切り欠かれた形状の板状の金属製の板状部材542と、板状部材542の高さ方向の長さと略同等の長さを有する枠部材543と、を備えている。枠部材543は、左扉54Lの左右の縁部に設けられる枠であり、左側の枠部材543にはヒンジ541が接続されている。板状部材542は左右の枠部材543の間に設けられており、水平方向に沿って折り曲げられている。また、図7に示すように、板状部材542は、扉上部5421と扉中途部5422と扉下部5423とを備えており、扉上部5421、扉中途部5422、及び扉下部5423は、それぞれ傾斜平面部5424によって連結されている。具体的に扉上部5421と扉中途部5422とは下側に向かうにつれて外側に向かうよう傾斜する傾斜平面部5424によって連結されており、扉中途部5422と扉下部5423とは下側に向かうにつれて内側に向かうよう傾斜する傾斜平面部5424によって連結されている。本実施形態で扉上部5421及び扉下部5423の内面は略面一となるように構成されている。また、図10に示すように、扉下部5423の外側には、扉をロックするためのロック機構を収容するロック機構収容部5425が設けられている。
上記のような側壁は、底壁51に直接的に又は間接的に連結されている。図8に示すように、右側壁53Rは、下側部531のストレート部5311の下に略円弧状に形成される連結部5313を備え、連結部5313は、一部が底壁51の外縁部分51aと重なるように設けられる。連結部5313と外縁部分51aの重なり部分を溶接されることで右側壁53Rは底壁51に連結されている。また、図6に示すように、L字形状の外縁支持体71の一端が連結部5313と底壁51との重なる部分に連結され、他端がストレート部5311に連結されているので、連結部5313が補強され、右側壁53Rの重さを円弧形状の連結部5313と外縁支持体71とで支えることができる。なお、左側壁53Lも、右側壁53Rと同様に底壁51に連結されている。
後側壁54は、底壁51に立設される支柱55にヒンジ541を介して取り付けられることで、間接的に底壁51に連結されている。また、図10に示すように、後側壁54は、両扉54L,54Rを閉じた状態で、外縁閉鎖部713と扉下部5423とが対向するように構成されている。
図9に示すように、前側壁52は、前側壁本体521の下側部分521aが、底壁51の外縁部分51aに溶接されることで、底壁51と連結されている。また、図7に示すように、L字形状の外縁支持体71の一端が、底壁51に連結され、他端が前側壁本体521に連結されているので、前側壁52と底壁51との連結を補強できる。
図2に示すように、送風口部56には、コンテナ内外を連通している送風口5Kが形成されている。また、送風口部56は、送風口5Kから取り入れた風をガイドする送風ガイド部561を備える。送風ガイド部561は、底壁51及び後述するデッキ6の間に形成される空間である気流滞留空間50に風をガイドする。送風口部56は、コンテナ本体5の後側から風を供給するので、気流滞留空間50では、主に前後方向に(後側から前側に)風が流れる。
このようなコンテナ本体5の内部には、図6に示すように、対向する側壁までの幅L1が狭い幅狭領域5Nと、対向する側壁までの幅L2が幅狭領域5Nにおける幅L1よりも広い幅広領域5Wと、が形成される。また、幅狭領域5Nは、側壁に形成される折り曲げのうち、一番上に形成される折り曲げよりも上の領域を指し、幅広領域5Wは、側壁に形成される折り曲げのうち、一番上に形成される折り曲げよりも下側の領域を指す。具体的に、幅狭領域5Nは、左側壁53L及び右側壁53Rに備えられる折曲部533よりも上側の領域であり、幅広領域5Wは、折曲部533よりも下側の領域である。即ち、幅狭領域5Nは、上側内面532aと対向する側壁の内面との距離が、下側内面531aと対向する側壁の内面の距離よりも短い領域であり、幅広領域5Wは、下側内面531aと対向する側壁の内面との距離が、上側内面532aと対向する側壁の内面の距離よりも長い領域である。本実施形態において、対向する側壁が左右対称の形状であり、対向する側壁のいずれにも折曲部533が備えられるため、コンテナ本体5は、下側が広く上側が狭い形状に形成されている。また、本実施形態における左右方向の最小内寸法は、幅狭領域5Nにおける上側内面532a同士の左右方向の幅L1である。
また、図6及び図7に示すように、コンテナ本体5の内部には、外方に向かって窪む、くぼみ部57が形成されている。具体的に、くぼみ部57は、前後左右のそれぞれの側壁のデッキ6よりも上側の位置に形成されている。また、各側壁52、53L、53R、54には、デッキ6の外縁部に沿ってくぼみ部57が形成されている。本実施形態では、前後左右の側壁にくぼみ部57が形成されていることで、デッキ6の周囲略全周に亘ってくぼみ部57が形成されている。左右の側壁53L、53Rにおけるくぼみ部57は、図6に示すように、下側部531に形成されており、具体的には、ストレート部5311、段差部5312、及び外縁支持体71によって画定される空間である。前側壁52におけるくぼみ部57は、左右リブ5222、前側壁本体521、及び外縁支持体71によって画定される空間である。後側壁54におけるくぼみ部57は、傾斜平面部5424及び扉中途部5422によって画定される空間である。また、このようなくぼみ部57は、左右の側壁53L、53Rに形成される折曲部533よりも下側の領域を含むように形成されている。
コンテナ本体5に上記のようなくぼみ部57が形成されるため、デッキ6から上方へ向かう風が、くぼみ部57にも回り込むので、コンテナ内部での空気の流動を促すことができる。具体的に、デッキ6から上方へ向かう風の一部は、くぼみ部57に沿って移動するため、くぼみ部57の下側において、外方に向かう気流となり、くぼみ部57の上側において内方へと向かう気流となる。本実施形態では、くぼみ部57の上部を画定する左右リブ5222、段差部5312、又は傾斜平面部5424によって風が内方へと向かうように案内される。このように、くぼみ部57によって、風が単に上方に向かって流れるだけでなく、内方又は外方へと向かう気流とすることができ、コンテナ内部での空気の流動を促すことができる。
図7に示すように、前側壁52は、内側に設けられる左右リブ5222を備えるので、左右リブ5222を備える部分は前後方向において幅狭となっている。また、本実施形態における前後方向の最小内寸法は、左右リブ5222と後側壁54との間の前後方向の幅L3である。
図2に示すように、デッキ6は、複数枚のデッキ単板61によって構成され、コンテナ本体5の内部に底壁51から上側に離隔して設けられる。具体的に、デッキ6は、図6及び図7に示すように、コンテナ本体5の折曲部533よりも下側に設けられている。また、デッキ6は、底壁51を平面視した時のコンテナ本体5の前後方向及び左右方向の最小内寸法(幅狭領域5Nにおける左右方向の幅L1)よりも大きい又は同じ寸法で形成されており、本実施形態で、左右は、コンテナ本体5の最小内寸法(幅狭領域5Nにおける左右方向の幅L1)と同じに、前後はコンテナ本体5の最小内寸法(幅狭領域5Nにおける前後方向の幅L3)よりも大きく形成されている。即ち、デッキ6は、前後方向において、前側は、前側壁本体521から内側に向かって設けられている左右リブ5222よりも外側まで設けられており、左右方向において、左右の端部は、左右の上側内面532aの真下の位置まで設けられている。本実施形態で、デッキ6を前後方向及び左右方向に分割してデッキ単板61が形成されている。本実施形態でデッキ6は、4枚のデッキ単板61を備える。また、このようなデッキ6の外縁部分は、後述する外縁支持体71によって支持される。即ち、デッキ6は、外縁部分が外縁支持体71と重なる程度の大きさであり、具体的には、底壁51における外縁部分51aに相当する位置に外縁がある程度の大きさである。
デッキ単板61は、貫通孔6Aが形成された板である。具体的にデッキ単板61は、厚さ方向(上下方向)に貫通した複数の円形状(楕円形状や多角形状等、どのような形状であってもよい)の貫通孔6A…を有する板状に形成されている。また、デッキ単板61は、前後方向の寸法がコンテナ本体5の前後方向の内寸よりも小さく、左右方向の寸法がコンテナ本体5の左右方向の内寸よりも小さい。具体的に、デッキ単板61は、前後方向の寸法がコンテナ本体5における幅狭領域5Nの前後方向の内寸よりも小さく、左右方向の寸法がコンテナ本体5における幅狭領域5Nの左右方向の左右方向の内寸よりも小さい。本実施形態で、デッキ単板61の左右方向の長さは、幅狭領域5Nにおける左右方向の幅L1の略半分であり、前後方向の長さは、幅狭領域における前後方向の幅L3の略半分である。また、デッキ単板61には、ボルト挿通孔6Bが形成されており、ボルト挿通孔6B及び支持体7のボルト取付穴7Bにボルトを挿通し、ナットを螺合して締付けることで、デッキ単板61が支持体7に取り付けられる。本実施形態において、デッキ単板61は、前後方向が左右方向よりも長い略長方形状である。また、本実施形態において、デッキ単板61として、パンチングプレートが用いられている。ただしデッキ単板61は、パンチングプレートに限らず、例えば、金網と開口率を調整するための部材(スリットを設けた板状体等)との組み合わせを用いてもよく、構成は種々に選択できる。
デッキ6は、同じ形状のデッキ単板61を2枚以上含んで構成されている。本実施形態で、デッキ6は、同じ形状のデッキ単板61を左右に並べて構成されている。具体的に、図2及び図5に示すように、デッキ6は、デッキ6の前側を構成する一対の前側デッキ単板611と、デッキ6の後側を構成する一対の後側デッキ単板612と、を備え、前側デッキ単板611及び後側デッキ単板612は、それぞれ左右に並べて配置される。即ち、デッキ6の前側の左側及び右側には、前側デッキ単板611が配置され、デッキ6の後側の左側及び右側には、後側デッキ単板612が配置されている。本実施形態では、前側デッキ単板611及び後側デッキ単板612は、左側に表向きに配置され、右側に裏向きに配置される。
前側デッキ単板611は、コンテナ本体5の前側に設けられるデッキ単板61である。具体的に、前側デッキ単板611は、略長方形状の板であり、前側に、前側壁52の内部に設けられる上下リブ5221を避けるためのリブ切り欠き611Aが形成されている。具体的に、前側デッキ単板611には、上下リブ5221の周方向に沿ってリブ切り欠き611Aが形成されている。本実施形態では、前側デッキ単板611の前側の左右の隅に略四角形のリブ切り欠き611Aが形成されている。リブ切り欠き611Aによって、上下リブ5221を避けて前側デッキ単板611をコンテナ本体5の内部に配置することができるので、前側デッキ単板611の大きさ(面積)を大きく確保することができる。
後側デッキ単板612は、コンテナ本体5の後ろ側に設けられるデッキ単板61である。具体的に、後側デッキ単板612は、略長方形状のデッキ単板61であり、後側に、左右の側壁に設けられる傾斜部534及び支柱55、並びにコンテナ本体5の後側に設けられる送風ガイド部561を避けるための切り欠きが形成されている。具体的に、後側デッキ単板612には、傾斜部534の内面と支柱55の内面に沿って伸びる傾斜部切り欠き612Bと、送風ガイド部561に沿って伸びる送風ガイド部切り欠き612Cと、が形成されている。本実施形態で、傾斜部切り欠き612Bは、後側デッキ単板612の左右の一方に形成される台形状の切り欠きであり、送風ガイド部切り欠き612Cは、後側デッキ単板612の左右の他方に形成される三角形状の切り欠きである。傾斜部切り欠き612B及び送風ガイド部切り欠き612Cによって傾斜部534及び支柱55、並びに送風ガイド部561を避けて後側デッキ単板612をコンテナ本体5の内部に配置することができるので、後側デッキ単板612の大きさ(面積)を大きく確保することができる。
図5、図6及び図7に示すように、支持体7は、コンテナ本体5の内部に設けられ、デッキ単板61を支持する。また、支持体7はコンテナ本体5の内部に複数設けられている。具体的に、支持体7は、底壁51における外縁部分51aに一周にわたって設けられ、デッキ6の外縁部分を構成するデッキ単板61の外縁部を支持する外縁支持体71と、底壁51における前後方向の中途部分に設けられ、デッキ6の前後方向の中途部分を構成するデッキ単板61を支持する前後支持体72と、底壁51における左右方向の中途部分に設けられ、デッキ6の左右方向の中途部分を構成するデッキ単板61を支持する左右支持体73と、を備える。本実施形態において、前後支持体72及び左右支持体73は、前後及び左右方向に並ぶ両方のデッキ単板61の隣接部分を支持している兼用支持体である。具体的に、左右支持体73は、左右に隣りあって並ぶ右側に配置される前側デッキ単板611及び左側に配置される前側デッキ単板611の各々の隣接部分と、右側に配置される後側デッキ単板612及び左側に配置される後側デッキ単板612の各々の隣接部分と、を支持する。また、前後支持体72は、前後に隣りあって並ぶ右側に配置される前側デッキ単板611及び右側に配置される後側デッキ単板612の各々の隣接部分と、左側に配置される前側デッキ単板611及び左側に配置される後側デッキ単板612の各々の隣接部分と、を支持する。さらに、支持体7は、デッキ単板61の中央部分を支持する補助支持体74を備えている。また、支持体7には、ボルト取付穴7Bが形成されている。
外縁支持体71は、断面L字状であり、図5に示すように、底壁51の外縁に前側壁52、右側壁53R、後側壁54、及び左側壁53Lに沿って設けられる。具体的に、図8から図10に示すように、外縁支持体71は、底壁51の外縁部分51aにおいて上向きに立設される足部711と、底壁51と平行に延設される支持板712と、を備え、足部711と支持板712とは、垂直になるように連結されている。本実施形態で、図8に示すように左側壁53L及び右側壁53Rに沿って設けられる外縁支持体71は、左側壁53L及び右側壁53Rにおける連結部5313の底壁51の外縁部分51aと重なる位置から上向きに立設される足部711と、該足部711の先端から外方へと延設され、ストレート部5311に連結される支持板712と、を備える。後側壁54に沿って設けられる外縁支持体71は、底壁51から立設される一対の足部711と、該足部711の上部に連結される左右方向に長い板状の支持板712aとを備える。具体的に、後側壁54に沿って設けられる外縁支持体71は、図11(a)に示すような構成であり、底壁51の外縁部分51aに配置される足連結部711aと、足連結部711aの左右方向の両端部から上向きに立設される一対の足部711と、一対の足部711によって支持される支持板712aと、を備える。本実施形態で後側壁54に沿って設けられる外縁支持体71は、送風口部56を挟んで右側と左側に設けられる。さらに、図9に示すように、前側壁52に沿って設けられる外縁支持体71は、底壁51の外縁部分51aに立設される足部711と、該足部711の先端から外方へと延設され、前側壁本体521に連結される支持板712と、を備える。このような外縁支持体71は、前側壁52に沿って設けられる外縁支持体71を除いて、底壁51を平面視したときに、幅狭領域5Nに重なって見えるよう配置されており、上方から視認することができる。
図5に示すように、前後支持体72は、底壁51の前後方向の中途部に設けられており、左右方向に伸びる支持体7である。本実施形態で、前後支持体72は一対設けられており、左右支持体73を挟んで左右に設けられている。具体的に、前後支持体72は、図11(b)に示すように、底壁51の前後方向の中途部分に配置される足連結部721aと、足連結部721aの左右方向の両端部から上向きに立設される一対の足部721と、一対の足部721によって支持される支持板722と、を備える。また、足連結部721a、一対の足部721、及び支持板722によって前後方向に通風可能な通風領域72Kが画定される。このような前後支持体72は、支持板722の長さ方向が左右方向を向くようにしてデッキ6と底壁51との間に設けられる。このように、支持板722は、足部721によって、底壁51から上側に離隔して設けられるため、支持板722と底壁51との間の空間は前後方向に通風可能であり、また、足部721には、通風領域72Kが形成されるので、足部711の間も前後方向に通風可能である。よって、前後支持体72が左右方向に伸びていても気流滞留空間50における前後方向への気流を阻害しづらい。このような前後支持体72は、底壁51を平面視したときに、幅狭領域5Nに重なって見えるよう配置されており、上方から視認することができる。
図5に示すように、左右支持体73は、底壁51の左右方向の中途部に設けられており、前後方向に伸びる支持体7である。具体的に、左右支持体73は、底壁51の前後方向に亘って延びるよう立設される一対の足部731と、該一対の足部の731の先端部分に一対の足部731の間に亘って設けられる板状の支持板732と、を備え、底壁51、一対の足部731、及び支持板732に囲まれる空間に通風可能な通風領域73Kが形成される。本実施形態において、左右支持体73の前端と前側壁52とが間隔をあけて設けられているので、左右支持体73の前側の気流滞留空間50において、左右支持体73の右側から左側又は左側から右側へ送風することができる。また、左右支持体73には、複数の支持体貫通孔7Aが形成されており、具体的には、後述するように支持体7にデッキ単板61を取り付けた際に、デッキ単板61に形成される貫通孔6Aと重なるように支持体貫通孔7Aが形成されている。さらに、左右支持体73は、底壁51を平面視したときに幅狭領域5Nに重なって見えるよう配置される。即ち、左右支持体73は、左右方向において、左側壁53L及び右側壁53Rの上側内面532a同士の間に配置される。このように、左右支持体73には通風領域73K及び支持体貫通孔7Aが形成されるので、左右支持体73とデッキ単板61とが重なる部分にも送風することができ、内容物の乾燥効率を高めることができる。このような左右支持体73は、底壁51を平面視したときに、幅狭領域5Nに重なって見えるよう配置されており、上方から視認することができる。
図5に示すように、補助支持体74は、支持体7に取り付けられたデッキ単板61の中央部分を支持する。具体的に、補助支持体74は、底壁51に設けられており、前側壁52と前後支持体72の中央部分かつ左側壁53Lと左右支持体73の中央部分、前側壁52と前後支持体72の中央部分かつ右側壁53Rと左右支持体73の中央部分、後側壁54と前後支持体72の中央部分かつ左側壁53Lと左右支持体73の中央部分、及び、後側壁54と前後支持体72の中央部分かつ右側壁53Rと左右支持体73の中央部分、の4か所に設けられている。また、図11(c)に示すように、補助支持体74は、底壁51に立設される一対の足部741と、該一対の足部の741の先端部分に一対の足部741の間に亘って設けられる板状の支持板742と、を備え、底壁51、一対の足部741、及び支持板742に囲まれる空間に前後方向に通風可能な通風領域74Kが形成される。また、補助支持体74には、複数の支持体貫通孔7Aが形成されており、具体的に、後述するように支持体7にデッキ単板61を取り付けた際に、デッキ単板61に形成される貫通孔6Aと重なるように支持体貫通孔7Aが形成されている。このように、補助支持体74には通風領域74K及び支持体貫通孔7Aが形成されるので、補助支持体74とデッキ単板61とが重なる部分にも送風することができ、内容物の乾燥効率を高めることができる。また、補助支持体74と底壁51によって、通風領域74Kが形成されるため、前後方向への気流を阻害しづらい。このような補助支持体74は、底壁51を平面視したときに、幅狭領域5Nに重なって見えるよう配置されており、上方から視認することができる。
外縁支持体71、前後支持体72、左右支持体73、及び補助支持体74における、支持板712、722、732、742の底壁51からの高さはすべて略同一である。また、支持板712、722、732、742は、底壁51と略平行に底壁51から間隔をあけて配置される。そのため、デッキ6を底壁51から離隔した状態で配置することができる。複数の支持体7によって支持されるデッキ単板61を安定した状態で取り付けることができる。また、複数のデッキ単板61によって構成されるデッキ6の高さを均一にすることができる。
デッキ単板61は、上記のような支持体7に載置され、取り付けられる。具体的に、デッキ単板61は、デッキ単板61の外縁部分が支持体7によって支持されるように支持体7に載置され、デッキ単板61のボルト挿通孔6Bと支持体7のボルト取付穴7Bとを重ねてボルトで取り付けられる。本実施形態で、デッキ単板61は、それぞれ、外縁支持体71、前後支持体72、及び左右支持体73によって外縁部分を支持され、中央部分を補助支持体74によって支持されている。
上記のような構成の乾燥コンテナ1によれば、デッキ6を構成するデッキ単板61が、コンテナ本体5の内寸よりも前後方向又は左右方向で小さくなるので、デッキ6をコンテナ本体5の内部に挿入する際に、デッキ単板61とコンテナ本体5の前後の側壁又は左右の側壁との間に隙間が形成されるため、デッキ6をコンテナ本体5に配置しやすくなる。
また、底壁51を平面視したときに幅狭領域5Nに重なって見えるように支持体7が設けられるので、上方から支持体7を視認することができるため、上側が幅狭のコンテナ本体5であっても、デッキ単板61をコンテナ本体5に配置しやすい。
さらに、デッキ6は、同じ形状のデッキ単板61を2枚以上含んで構成されるので、デッキ6を構成するデッキ単板61を共通化することができるため、デッキ単板61をコンテナ内部に配置する際の作業性が向上する。
また、兼用支持体である前後支持体72及び左右支持体73は、兼用支持体の前後又は左右に設けられるデッキ単板61の隣接部分を支持する。具体的には、前後支持体72は、前後支持体72の前側に設けられるデッキ単板61の後側及び、前後支持体72の後側に設けられるデッキ単板61の前側を支持し、左右支持体73は、左右支持体73の右側に設けられるデッキ単板61の左側及び左右支持体73の左側に設けられるデッキ単板61の右側を支持する。そのため、1つの兼用支持体で前後又は左右のデッキ単板61を支持する支持体7を兼用できる。
さらに、デッキ6は、デッキ単板61を複数枚並べて構成されるので、デッキ単板61をコンテナ本体5の内寸よりも小さくしたとしてもデッキ6の面積を確保できるため、内容物の乾燥効率を高めることができる。
また、デッキ6が前後方向及び左右方向で分割されているので、デッキ6をコンテナ本体5に挿入する際にコンテナ本体5の縁や内面にデッキ単板61が当接することを防止でき、かつ、コンテナ本体5の最小内寸法以上の寸法のデッキ6とすることができるため、デッキ6を挿入しやすく、内容物の乾燥効率が良い乾燥コンテナ1を得ることができる。
さらに、デッキ6は、前後方向及び左右方向で分割されて複数枚のデッキ単板61で構成されており、コンテナ本体5は、上側が幅狭で下側が幅広に形成されるため、デッキ6をコンテナ本体5に挿入しやすく、上側の幅狭によってデッキ6から供給される熱風のコンテナ本体5の内部での流動を促すことができる。
また、コンテナ内部における幅広領域5Wは左右対称の形状であるため、コンテナ本体5の左右の一方に配置したデッキ単板61と同一の形状のデッキ単板61を裏返すことで左右の他方に配置することができ、デッキ単板61を共通化することができるため、作業効率が向上する。
さらに、支持体7には、支持体貫通孔7Aが形成されており、支持体貫通孔7Aは、デッキ単板61が支持体7に取り付けられた際に、デッキ単板61に形成された貫通孔6Aと重なる位置、又は、隣接するデッキ単板61同士の間に形成される隙間と重なる位置に形成されるので、支持体7とデッキ単板61とが重なる位置においても、貫通孔6Aから内容物に送風することができるので、乾燥効率を高めることができる。
また、前後左右の側壁には、外方に向かって窪むくぼみ部57が形成されているため、デッキ6から上方に向かう風の一部が、くぼみ部57によって下側では外方に向かって流れ、くぼみ部57の上側では内側へと向かって流れる気流ができ、風が単に上方に向かって流れるだけでなく、外側に広がってから内側に集まるというような気流を作ることができるので、コンテナ内部での風の流動を促すことができる。
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
例えば、デッキ6は、複数枚のデッキ単板61によって構成されるとして説明したが、1枚のデッキ単板61でデッキ6を構成してもよい。
また、デッキ6の左右方向の幅は幅狭領域5Nにおける対向する側壁との距離と同じ幅であるとして説明したが、これに限らず、幅狭領域5Nにおける対向する側壁との距離よりも小さい幅としてもよいし、大きい幅としてもよい。
さらに、デッキ単板61は、コンテナ内部を前後方向に2分割及び左右方向に2分割の略4等分に分割して、4枚配置されるとして説明したが、これに限らず、前後又は左右に分割して2等分としてもよいし、6等分以上としてもよいし、前若しくは後及び/又は右若しくは左に偏って配置されていてもよい。
また、デッキ単板61は、送風ガイド部561を避けるような形状として説明したが、これに限らず、送風口5Kの上部にデッキ単板61を配置することとしてもよい。
さらに、コンテナ本体5には、フック係合部41や、ローラ10が設けられるとして説明したが、これに限らず、フック係合部41やローラ10が設けられないコンテナに本発明を適用してもよい。
また、幅広領域5W及び幅狭領域5Nは、側壁を二段階折り曲げて形成されるとして説明したが、これに限らず、三段階以上の折り曲げによって段階的に下側が幅広とされてもよい。具体的には、左側壁53L又は右側壁53Rの下側部531に段差部5312が複数設けられていてもよい。
さらに、下側部531がストレート部5311と段差部5312を備えるとして説明したが、ストレート部5311を備えず、段差部5312が底壁51に連結する構成としてもよい。即ち、側壁に形成される折り曲げが一段階で下側が幅広とされてもよい。
さらに、左側壁53L及び右側壁53Rは、折曲部533が側壁の内面及び外面を折り曲げるように形成されるとして説明したが、これに限らず、内面が外側に折り曲げられていればよい。
また、コンテナ本体5には、幅広領域5W及び幅狭領域5Nが形成されるとして説明したが、幅広領域5W及び幅狭領域5Nが形成されていないコンテナ本体5に本発明を適用してもよい。
さらに、支持体7は、前後方向又は左右方向に伸びるように設けられるとして説明したが、これに限らず、例えば平面視略正方形状の支持体7によってデッキ単板61を支持してもよい。
また、前後支持体72及び左右支持体73は、前後方向の中央部分及び左右方向の中央部分に設けられるとして説明したが、これに限らず、前後方向の前側若しくは後側に寄った位置、又は、左右方向の左側若しくは右側に寄った位置に設けられていてもよい。
さらに、支持体7は、デッキ単板61の前後の両端部及び左右の両端部を支持するとして説明したが、これに限らず、前後のうちの一方又は左右のうちの一方を支持する構成としてもよいし、前後左右のうち一か所のみを支持する構成としてもよい。
また、デッキ単板61は、それぞれが独立した板であるとして説明したが、例えば、蝶番で2枚の板が接続されており、コンテナ本体5の内部に折り畳んで挿入後に、折り畳んだ2枚のデッキ単板61を展開可能な構成としてもよい。
さらに、コンテナ本体5は直方体形状であるとして説明したが、これに限らず、立方体形状や、平面視で台形の形状など、直方体でなくともよい。
また、デッキ単板61は、略四角形の板状であるとして説明したが、これに限らず、三角形や、多角形、円形、楕円形、長円形など、四角形以外の形状としてもよい。
さらに、支持体7は、底壁51に設けられるとして説明したが、これに限らず、前後左右のいずれかの側壁に内側に向かって突出するように設けられる突起であってもよい。
また、幅広領域5W及び幅狭領域5Nは、左右方向において幅広又は幅狭に形成されていたが、これに限らず、前後方向において幅広又は幅狭となるように形成されてもよいし、前後方向及び左右方向のいずれにも幅広又は幅狭となるように形成されていてもよい。
さらに、コンテナ本体5の上部は、開放されているとして説明したが、蓋体やシートなどで閉じられていてもよい。
また、デッキ単板61には、貫通孔6Aとボルト挿通孔6Bとが形成され、支持体7には、支持体貫通孔7Aとボルト取付穴7Bとが形成されるとして説明したが、貫通孔6Aとボルト挿通孔6Bまたは支持体貫通孔7Aとボルト取付穴7Bは共用できることとしてもよい。
さらに、支持体7には気流滞留空間50における風の流れを確保する手段として通風領域72K、73K、74Kが形成されるとして説明したが、これに限らず、例えば、足部を設けず、側壁から対向する側壁まで支持板をかけ渡すように構成されてもよい。