JPH026708B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フアンを使用する強制通風によら
ず、自然空気流により適当な換気が行える船積み
コンテナ用の風通しの良い側壁構造体に関する。

コーヒーやココアの産出国から、コーヒーやコ
コアを出荷するのに通気性の貨物用コンテナの需
要が特に高まつている。貨物を積み込む産出国は
温度や湿度が高いことが多く、仕向地が低温のこ
とが多く、また輸送中きわめて低温になるような
ことがある。経験によれば、通気を良くして積荷
から生ずる水蒸気を除く一方、同時に積荷の過冷
を避けることが必要である。

本発明の目的は、空気流と“煙突”効果とを利
用しかつ、複雑で高価なフアンやダクトを必要と
せず、貨物が輸送中に絶えずゆつくりと冷却でき
る船積みコンテナ（の側壁）を提供することにあ
る。コンテナの従来の構造は主として“煙突”効
果に依存し、空気流は貨物内の蓄えられた熱によ
り生ずるが、屋根への水蒸気の凝縮をなくすこと
はできなかつた。さらにまた、従来の構造では、
コンテナ内外の間に良好な空気流を維持し同時に
貨物置場への外部からの水の進入を防ぐことはで
きなかつた。

本発明の態様によれば、直方体箱形形状の船積
みコンテナ用の通気性側壁構造体であつて、コン
テナの上部及び下部側枠部材（上けた及び下け
た）及び前及び後支柱（隔柱）で囲まれた方形の
輪郭、上部側枠部材（上けた）の下に密接して配
置された上方通気箱、下部側枠部材（下けた）の
上に密接して配置された下方通気箱及び上下通気
箱間の側壁面を覆う不浸透性板材を有し、各通気
箱が外側下方に設けられている外側通気みぞ穴の
斜め上方に設けた内側通気みぞ穴と、通気箱の内
外通気みぞ穴の間の中間位置に設けたじやま板を
有しており、外側通気みぞ穴に進入する水を下方
に偏向させて通気箱の底部に導き、外方に排出
し、じやま板の両面の空気通路が充填物を有する
ことなく内外通気みぞ穴に連通していることを特
徴とする側壁構造体を提供する。

以下、本発明の実施例を例示として、図面を参
照して説明する。

第１図から第３図において、コンテナ枠は、
ISO隅注型部１８を用いて、上下側枠部材１０〜
１３と、上下前方はり部材１４，１５と、上下後
方はり部材１６，１７とにより形成される。主側
壁構造体は、場合により枠部材１０，１１または
１２，１３間に均等間隔で固定された側柱２０
と、夫々上部、下部側枠部材から一定間隔をおい
た中間のけた部材２１，２２，２３，２４とより
成り、コンテナの各側壁に、側壁の長手にわたり
実質的に連続的に延長する一連の上方通気口２５
と下方通気口２６を形成する。長手方向部材２
１，２２，２３，２４間の空間に鋼等の水不浸透
性部材よりなる波形板部材２８が充填される。

下方通気口２６各々に、第５図に明らかな構造
を有する取りはずし可能な通気箱が取り付けられ
ている。通気箱の外面は、下端に内向山形線縁３
１を有する薄板上方パネル３０と、外側格子３２
とによつて形成される。薄板下方皿形部材３４の
下向台フランジ３３は格子３２の下縁に固定さ
れ、さらに内側格子パネル３６に固定した上向上
フランジ３５を有する。格子パネル３６の上縁３
７は外方にわん曲されて、上縁に近接するパネル
３０の内面上の水平リブ３８に一致する。パネル
３０と格子３２とにより形成された通気箱の外壁
は、皿形部材３４の格子パネル３６とフランジ３
５とにより形成される内壁にたいし間隔をおいて
平行にされ、格子３６は格子３２の斜め上方にあ
る。垂直な中心部分４１と外向きの上下縁４２，
４３とを有するじやま板４０は、通気箱の内外壁
間のほぼ中央位置において通気箱内に固定され、
上縁４２はパネル３０の内向山形縁３１の上方に
位置させる。じやま板４０により、格子３２と３
６間を凝縮し易い気体または液体が直接通らない
ようにするが、矢印で示すように、空気をじやま
板４０の上方または下方に流す。しかし、使用
時、格子３２に打ち当たつた水は、じやま板４０
によりまた皿形部材の上フランジ３５により引き
留められて、皿形部材３４に流入した後、通気箱
の外側に戻る。従つて、コンテナが雨等に当たつ
ているとき通風口を密閉しなくてよく、水を効果
的に排出する。通気箱内にはじやま板以外に充填
物等は無い。下方通気箱は比較的浅く、寸法が標
準コンテナの全外寸法内にあり側壁に組み込まれ
ているから、貨物置場所を占有しない。さらに、
通気箱の内壁の主要部分を構成する格子３６は第
３図に明示するようにコンテナ床に近接して組立
コンテナに設けられ、それで空気の流れは床近く
の貨物置場所区域に入来する。内側フランジまた
は縁３５により、じやま板４１により止められた
水が貨物置場所に流入せずに外部に排出されるよ
うにする。このフランジの高さは最小限でかつそ
の上縁はじやま板４１の上縁のかなり下方に設け
られる。通気口構造のもう１つの利益として、格
子３２と３６間の空気流路には、障害やうず巻は
なく、従つて通気口は空気流にたいする抵抗はほ
とんどない。

第６図にその構造が示される上方通気箱は大
体、下方通気箱の構造と同じであるが、中央水平
仕切部材５０により通気箱を上下室５１，５２に
分割する。通気箱の外壁は、内向き面とり下縁５
４を有する板５３と、板５３と仕切り５０の外側
向きフランジ５６との間に固定された上方外側格
子５５と、フランジ５６と底皿形部材５８の下向
きフランジ５９との間に固定された下外側格子５
７とにより構成される。内面は、皿形部材５８の
上向き内側フランジ６０と、フランジ６０と仕切
部材の上向き内側フランジ６２との間に固定され
る下方内側格子６１と、フランジ６２と板５３の
内面上の水平リブ６４との間に固定される上方内
側格子６３とにより形成される。下方通気室５２
において、内側格子６１は下方格子５７の上方に
斜めにされ、位置決めと構成とが大体、じやま板
４１の位置決めと構成と同じじやま部材６５の、
気体流れにたいする抵抗はほとんどなく、充填物
なしでじやま板だけで湿気の進入を防止する。上
方通気室において、内方格子６３は外側格子５５
の上方に斜めにされ、じやま板６６によつて湿気
の進入を防止している。考えうる、室５１におけ
る空気流入パターンは矢印で示され、下室５２で
も同様な流れパターンが得られる。上方内側格子
６３は通気口の上縁に設けられているため、通気
口がコンテナの頂部に設けられるので、両側壁を
貫通する空気の流れはコンテナの屋根に近接して
通る。縁またはフランジ６０と６２の上縁は夫々
じやま板部材６５と６６の上縁の下方にある。図
示の二重通気構造は下方通気箱と同様な方法で作
動するが、格子区域は最大となり、内外開口間の
高さの差は最小であるという利益がある。

コンテナに引き入れられる空気流のパターンは
第４図から明らかで、この第４図はコーヒーやコ
コア豆の袋８０を積み込んだコンテナを示す。コ
ンテナの横方向に正味空気流がない状態におい
て、貨物の熱気により煙突効果を生じ、空気は下
方通気箱８１を通りさらに貨物間を上方に流れ
る。コンテナの外側に横方向の空気流がある場
合、上方通気箱間に空気流が生ずる。使用される
通気箱の空気流にたいする抵抗が低いことにより
可能となる、“煙突効果”通風と“貫通空気”通
風との組合せにより、コンテナ内の水分の凝縮従
つて貨物の湿気で誘発される劣化を大幅に小さく
する。コンテナの屋根８３に沿つて流れる“空気
流”があると、凝縮が生じやすい場合でも、空気
流は屋根のライニング近くを通り、コンテナの外
部へ出るのに関係する通気箱の格子６３に入る迄
にほんのわずか下向きになるだけであり、水分の
凝縮を起こさない。

通気箱には図示のように少なくともその上下縁
に沿う突出フランジを有し、これらフランジに
は、ハツクボルト等固定用ボルトを入れる（図示
せざる）通し穴を備えている。破損の場合容易に
交換したりまたは容器の通風を必要としない場合
に平板をとりつけるために、各通気箱は完全に取
りはずしできるようになつている。同じように交
換を容易にするため側壁パネルと柱も取りはずし
可能にする。

通気箱は格子パネルと共に示されているが、所
望により省略してもよく、それに代えて平スロツ
トを設ける。

下方通気箱について、その内側格子が積み込み
貨物により一部または完全に閉そくされやすいと
いう問題がある。内側格子をコンテナ床上方の適
当な高さに位置決めすることによつてこの傾向は
ある程度減少される。不注意による格子閉そくの
悪影響を少なくする好ましい構造が第７図と第８
図に示されている。板３０の上端を固定したけた
部材２２は第８図において山形断面で示されてい
る。側壁パネル２８は、各々半六角形の交互内向
対面・外向対面形状部２８ａ，２８ｂによつて形
成される。内向対面形状部２８ａのけた部材２２
の水平フランジ２２ａ部分には通し孔９０が形成
され、この孔を介し、通気格子３７の上端から出
る空気が流れる。貨物が側壁２８に接近しまたは
これに接触して積み込まれると、内側に対面する
みぞ２８ａは、下方通気箱からの上向き煙突効果
空気流が維持されるみぞを形成する。

【図面の簡単な説明】

第１図は通気箱を取りはずしたコンテナの側面
図、第２図はコンテナの前方下側斜視図、第３図
は左側ドアを開けたコンテナの後方上部斜視図、
第４図は主な空気流の存在を示す、積み荷を含め
たコンテナの横断面の略図、第５図は下方通気箱
組立体の垂直断面図、第６図は上方通気箱組立体
の垂直断面図、第７図は矢印方向よりみた第１図
のＡ−Ａ線についての側壁の部分断面図、第８図
は下方通気箱組立体の上部と側壁構造体の隣接部
分との垂直断面図である。 １０，１１，１２，１３……上部、下部側枠部
材（上けた、下けた）、１４，１５……上下の前
方はり部材、１６，１７……上下の後方はり部
材、２０……側柱、２１，２２，２３，２４……
中間けた部材、２５，２６……通気口、２８……
波形板部材、３１……内向山形縁、３７……上
縁、４０，４１，６５，６６……じやま板、５０
……仕切部材、５１，５２……通気室、８１，８
２……通気箱。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 直方体箱形形状の船積みコンテナ用の通気性
   側壁構造体であつて、コンテナの上部及び下部側
   枠部材及び前及び後支柱で囲まれた方形の輪郭、
   上部側枠部材の下に密接して配置された上方通気
   箱、下部側枠部材の上に密接して配置された下方
   通気箱及び上下通気箱間の側壁面を覆う不浸透性
   板材を有し、各通気箱が外側下方に設けられてい
   る外側通気みぞ穴の斜め上方に設けた内側通気み
   ぞ穴と、通気箱の内外通気みぞ穴の間の中間位置
   に設けたじやま板を有しており、外側通気みぞ穴
   に進入する水を下方に偏向させて通気箱の底部に
   導き、外方に排出し、じやま板の両面の空気通路
   が充填物を有することなく内外通気みぞ穴に連通
   していることを特徴とする側壁構造体。 ２ 上部、下部の側枠部材間に固定され壁部分を
   形成する柱と、上部側枠部材と、不浸透性板材壁
   パネルの上端部を固定した上方中けた部材との間
   に固定される上方通気箱と、柱と、壁パネルの底
   端部を固定した下方中けた部材と下部側枠部材と
   の間に固定される下方通気箱とを有する、特許請
   求の範囲第１項に記載の側壁構造体。 ３ 各上方通気箱が重ねた２つの独立した通気箱
   を有する、特許請求の範囲第２項に記載の側壁構
   造体。 ４ 各通気箱のじやま板はその頂部及び底部縁に
   沿い外方山形縁を形成する、特許請求の範囲第１
   項乃至第３項のいずれか１項に記載の側壁構造
   体。 ５ ボルトにより各通気箱を所定個所に固定す
   る、特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれか
   １項に記載の側壁構造体。 ６ 各通気箱の外、内面がそれぞれ実質的に側壁
   の外、内面上にある、特許請求の範囲第１項乃至
   第５項のいずれか１項に記載の側壁構造体。 ７ 不浸透板材に波形が形成され、下方通気箱の
   内側通気みぞ穴の上縁と内向き対面波形部との間
   に空気が流れ内側通気みぞ穴の主要部分とは別に
   内向き空気流路を形成する特許請求の範囲第１項
   乃至第６項のいずれか１項に記載の側壁構造体。