JP4614914B2 - 貯蔵庫の機械室構造 - Google Patents
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しかしながら、間口の大きい冷蔵庫となると、それだけ補強材も長くなるため、一端側をねじで止めた場合、しかも上下2箇所で止めたとしても、自重によってどうしても他端側が下がるように傾く。そうすると、他端側をねじ止めする場合は、挿通孔とねじ孔とが整合するように、他端側を持ち上げて位置合わせしながらねじ止め作業をしなければならない煩わしさがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、補強材の取り付けをより簡単に行えるようにするところにある。
補強材を支持板に組み付けるときには、初めに延出した底板の端縁を支持板の一面に当てたのち、同底板の端縁を上下にずらして互いの切込溝同士を整合させ、引き続いて補強材の端部を対応する支持板側に水平方向に移動させて、両切込溝同士を嵌合する。両切込溝同士の嵌合作業が簡単に行える。両切込溝同士を嵌合すると、補強材の底板の端部が支持板の一面に当てられつつ、補強材が、底板の板厚方向に振れること並びに上下方向に傾くことが規制され、それに加え、凹部と突部が嵌合することによって、補強材の支持板に対する長さ方向(左右方向)の動きが規制され、これにより補強材は、挿通孔とねじ孔とが整合した状態に位置決めされて支持される。
ここで、補強材の底板の端部について見ると、側板との間に切込溝が形成され、特に底板の端縁が延出しているため、他の部材に当たった場合等に、切込溝の位置から変形するおそれがあると言える。その点補強リブが叩き出しで形成されていることにより、底板の端部の変形が防止でき、突部と凹部とを確実に嵌合させて正確な位置決めを期することができる。
すなわち補強材は、挿通孔とねじ孔同士が整合した状態に位置決めされて支持板に対して仮止めできるから、ねじ止めの作業をする場合に、例えば補強材の端部を持ち上げて位置決めしつつねじ止めする必要が無く、端的には仮止めしたことに引き続いて、両手をフリーとした状態でねじ止めの作業を行うことができる。結果、短時間で能率良くねじ止め作業ができ、ひいては補強材の取付作業を簡単に行うことができる。
両切込溝を嵌合する際、支持板の端縁が、補強材側の切込溝の入口側に設けられたテーパ状の導入部で案内され、切込溝同士がスムーズに嵌合される。両切込溝同士の嵌合作業、ひいては補強材の組付作業がより簡単に行える。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を用いて全体構造を説明する。貯蔵庫本体10(以下、本体10という)は、前面が開口された縦長の断熱箱体によって形成され、底面に配された脚11で支持されている。本体10の内部は貯蔵室12とされ、前面開口部の中央高さ位置には、横向きの仕切枠14が装着されることで、上下2段の出入口15が形成され、各出入口15には断熱扉15Aが装着されている。また本体10の上面には、機械室16が設けられている。
機械室16の底面、言い換えると、本体10の天井壁の背面側に寄った位置には、方形をなす開口部23が形成されるとともに、貯蔵室12の天井部における開口部23の下面側には、ドレンパンを兼ねたエアダクト24が後下がりの斜め姿勢で張設され、冷却器室25が形成されている。
上記のユニットの取付台26が開口部23を塞いで載置されることによって、冷凍装置27が機械室16内に収容されるとともに、冷却器室25内には、冷却器31が庫内ファン32ともども収容される。
また、冷却運転中には、図2の矢線に示すように、凝縮器ファン29Aの駆動に伴い、フロントパネル20の吸気口19から外気が吸入されて凝縮器29を通過することでそれを冷却し、熱交換された暖気は、機械室16の背面の開口や、上面の後部側の開口を通って外部に排出されるようになっている。
前面側に配される左右一対の支柱17は、L形の第1支持板40の縦縁から幅狭の第2支持板41が直角曲げして形成され、左右で線対称形状をなしており、両支持板40,41の下縁から、平面L字形をなす下板42が内向きに直角曲げされて形成されている。左右の支柱17は、それぞれの第2支持板41を互いに向き合わせた姿勢で、本体10の上面における前面側の左右の隅部に載置され、下板42をねじ止めすることで固定されている。両支柱17の第2支持板41にわたって、既述したフロントパネル20が着脱可能に取り付けられる。なお、両支柱17における第1支持板40の下辺側には、手が入る透孔43が形成され、運搬時等には支柱17を取っ手として使用できるようになっている。
第1支持板45の他方の縦縁には、直角曲げされたフランジが形成されているとともに、両支持板45,46の上縁と下縁とからそれぞれ、平面L字形の上板47と下板48とが内向きに直角曲げされて形成されている。下板48には複数の取付孔が開口されており、左右の支柱18は、それぞれの第2支持板46を互いに向き合わせた姿勢で、本体10の上面における背面側の左右の隅部に載置され、下板48の取付孔を利用してねじ50で止めることにより固定されるようになっている。ただし、下板48における左右方向を向いた短寸の辺の取付孔は、同方向に延びた長孔49となっている。
なお、両支柱18における第1支持板45の上下2位置にも、それぞれ手が入る透孔43が形成され、支柱18を運搬時等には取っ手として使用可能となっている。
補強材60は、両支柱18の第2支持板46における対向した縦縁46A同士の間口よりも所定量大きい全長を有しており、特に底板61の端縁の方が、側板62の端縁よりも長さ方向に延出して形成されている(延出部63)。
言い換えると、第2支持板46側の切込溝51と、補強材60側の切込溝65の直線部65Bとは互いに嵌合可能であって、両切込溝51,65が嵌合した場合は、図8に示すように、補強材60の底板61における延出部63を含む所定の端部領域(当接領域64)が、第2支持板46の表面における縦縁46A側の半分弱の幅領域に当接する(重なり合う)ようになっている。
上記した底板61における挿通孔68から所定寸法先端側に寄った位置には、三角錐状をなす突起69が、裏面(当接面)側に叩き出されて形成されている。突起69は、図6に示すように、その底縁が縦を向いた姿勢で形成され、同底縁が係止縁69Aとされている。一方、第2支持板46におけるねじ孔53から奥へ同寸法入った位置には、上記した突起69が嵌合可能な角孔54が開口されている。
なお、支柱18の上板47から第2支持板46の上端部にわたり、上記の角孔54の形成位置の上方に対応するようにして窓孔56が開口されており、治具等を挿入して突起69と角孔54との嵌合を解除することに利用可能となっている。
また補強材60の底板61の端部では、挿通孔68を挟んだ上下2位置において、水平姿勢をなす補強リブ71が表面側に叩き出されて形成されている。両補強リブ71は、底板61における当接領域64の長さよりも少し長い寸法を有し、挿通孔68と突起69との間の位置から内方に向けて延出して形成されている。
機械室16の組み付けに当たっては、まず枠体を形成するために、本体10の上面の四隅に支柱17,18が所定の姿勢で立てられてねじ止めにより固定され、次に背面側の2本の支柱18に補強材60がわたされて固定される。
補強材60の取付手順の一例は、以下のようである。まず背面側の2本の支柱18は、図3に示すように、第2支持板46を互いに向き合わせた姿勢とされ、下板48の取付孔を通してねじ50を締め付けることで固定される。そのとき、例えば背面から見た右側の支柱18については、ねじ50を仮止めにしておき、長孔49を利用して、同図の矢線Xに示すように、第2支持板46を外側に振った姿勢としておく。
さらに、両切込溝65,51の奥端同士が当たり合うまで押し込まれると、底板61の突起69が第2支持板46の角孔54に嵌り込んで、補強材60の左右方向の移動が規制された状態となり、併せて底板61の挿通孔68と第2支持板46のねじ孔53とが整合した状態となる。そうしたら、右側の支柱18のねじ50を本締めして固定する。
このように枠体が組み付けられたら、サイドパネル21とフロントパネル20とを張ることによって、機械室16が形成される。
さらに、補強材60の底板61の端部について見ると、側板62との間に切込溝65が形成され、特に底板61の端縁が延出しているために、他の部材に当たった場合等に、切込溝65の位置から変形するおそれがあると言える。その点この実施形態では、底板61の端部に補強リブ71が叩き出しで形成されているから、底板61の端部の変形が防止できる。そのため、突起69と角孔54とが確実に嵌合されて、正確な位置決めを期することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)補強材の形状としては、少なくともチャンネル状の部分を備えていれば、例えば角筒状等の他の形状のものであってもよい。
(2)上記実施形態に例示した補強材の組み付け手順はあくまでも一例であって、例えば背面側の両支柱とも初めから本止めしておき、補強材の一端側を仮止めした際には、他端側は手前(背面側)に突出した斜め姿勢となって側板の端縁が対応する支柱の第2支持板の表面に当たった状態にあり、同支柱の上端側を外方に傾けて側板の端縁を第2支持板から外したのち、同他端側を仮止めするようにしてもよい。
(3)また別の手順として、補強材の一端側を仮止めした際には、他端側は上方に傾いた斜め姿勢となって下側の側板の端縁が対応する支柱の上板に載った状態にあり、同様に支柱の上端側を外方に傾けて側板の端縁を上板から外したのち、同他端側を仮止めするようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、補強材がわたされる背面側の支柱をアングルを立てたような形状としたが、少なくとも同一平面状に位置し、かつ互いに対向した端縁を有する縦向きの支持板を有していれば、他の形状であってもよい。
(6)本発明は、前面側の2本の支柱の間、あるいは側面側の2本の支柱の間に補強材をわたす場合にも、同様に適用することができる。
Claims (2)
- 貯蔵庫本体の上面の四隅に支持板が立てられて、これらの支持板の間にパネルが配されることで機械室が形成された貯蔵庫であって、隣り合う二本の支持板の間にはチャンネル材からなる補強材がわたされてねじにより締結されるようにしたものにおいて、
前記補強材の長さ方向の両端部では、同補強材における底板の端縁の方が、両側板の端縁よりも長さ方向に延出して形成され、
前記両側板の前記端縁における根元部には、対応する支持板の端縁が差し込み可能な切込溝が形成されているとともに、前記支持板の端縁にも、前記補強材の前記切込溝と互いに嵌り合う切込溝が形成され、前記補強材の切込溝に対応する支持板の切込溝を差し込むことで当該補強材の底板の端部が前記支持板の一面に当てられ、前記底板に形成された挿通孔に通したねじを前記支持板に形成されたねじ孔にねじ込むことで固定されるようになっており、
前記支持板と前記底板の互いに当接し合う面には、互いに嵌合することにより前記補強材の長さ方向の移動を規制する凹部と突部とが形成されるとともに、前記底板には、前記補強材の長さ方向に沿って細長い形態の補強リブが、前記側板に形成された前記切込溝の奥端の位置と幅方向において重なる位置において、表面側に叩き出されて形成され、
前記補強材の切込溝と前記支持板の切込溝とを互いに差し込むべく、前記補強材を前記支持板側に向けて押し込む過程では、前記支持板と前記底板の当接面のうちの前記凹部が設けられた側の当接面が前記突部に摺接しつつ押し込みが許容され、正規位置まで押し込まれると、前記突部が前記凹部に嵌って抜け止めされ、前記補強材が前記支持板に対し前記挿通孔と前記ねじ孔とが整合した状態に位置決めされて仮止め可能となっていることを特徴とする貯蔵庫の機械室構造。 - 前記補強材の前記側板に設けられた前記切込溝の入口側には、入口に向けて溝幅が次第に広がる導入部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫の機械室構造。
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