以下、本開示に係る給紙装置とこれを備える画像形成装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
〔1〕画像形成装置の全体構成
図1は、画像形成装置1の全体構成を示す図である。
同図に示すように画像形成装置1は、所謂タンデム方式のカラー複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)であって、画像読み取りジョブ、プリントジョブ、コピージョブなどを実行可能であり、画像読み取り部110、画像形成部120、画像形成部120に用紙(シート)を給紙する給紙部130および制御部151を備えている。
画像読み取り部110は、画像読み取りジョブを実行するものであり、自動原稿搬送装置(ADF: Automatic Document Feeder)111とスキャナー装置112とを備えている。自動原稿搬送装置111は、原稿トレイ113に載置されている原稿束から原稿を1枚ずつ送り出して搬送しながら、スキャナー装置112に読み取らせて画像データを生成させる。その後、原稿は排紙トレイ114上に排出される。
画像形成部120は、電子写真方式によるものであり、画像読み取り部110が生成した画像データに基づき画像を形成して用紙に印刷するコピージョブや外部の装置から受け付けた画像データに基づき画像を形成して用紙に印刷するプリントジョブを実行する。
本実施の形態では、作像部121Y、121M、121Cおよび121Kを備え、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像を形成する。
作像部121Y、121M、121Cおよび121Kが形成したY、M、C、Kの各色のトナー像は、中間転写ベルト122で互いに重なり合うように順次、静電転写され(一次転写)、これによってカラートナー像が形成される。中間転写ベルト122は、無端状のベルトであって、周回走行することによって、カラートナー像を二次転写ローラー123(転写部)まで搬送する。
これと並行して、給紙部130に設けられた給紙トレイ131a、131b、手差しトレイ131cのうち、ユーザーが指定したトレイから用紙S(シート)が繰り出されて搬送される(給紙)。
例えば、1段目の給紙カセット131aに収容されている用紙Sは、ピックアップローラー132aによって1枚ずつ給紙カセット131aから繰り出され、給紙ローラー133aによりタイミングローラー対124へ向かって搬送される。
2段目の給紙カセット131bに収容されている用紙Sは、ピックアップローラー132bによって1枚ずつ給紙カセット131bから繰り出され、給紙ローラー133b、縦搬送ローラー134bによってタイミングローラー対124へ向かって搬送される。
手差しトレイ131cに載置された用紙Sは、ピックアップローラー132cによって手差しトレイ131cから1枚ずつ繰り出され、給紙ローラー133cによってタイミングローラー対124へ向かって搬送される。
このようにして給紙された用紙Sは、タイミングローラー対124に至る搬送路上で、後述するメディア検知センサー200を用いて、用紙の種類(以下、「紙種」という。)が検出される。その後、用紙Sは、用紙Sの搬送方向(用紙搬送方向)の先端が、停止中のタイミングローラー対124に当接することで、用紙Sの先端側にループが形成される。このループの形成により、用紙Sの搬送方向におけるスキューが補正される。
中間転写ベルト122上に一次転写されたカラートナー像が中間転写ベルト122の周回走行により、中間転写ベルト122と二次転写ローラー123との接触位置である二次転写位置125に至る二次転写タイミングに合わせて、タイミングローラー対124の回転駆動が開始され、二次転写位置125へ用紙Sが搬送される。
用紙Sが二次転写位置125を通過する際に、中間転写ベルト122上のカラートナー像が用紙Sへ二次転写される。
カラートナー像が二次転写された用紙Sは、定着部100へ搬送される。定着部100は、熱定着に必要な温度(定着温度)まで加熱された加熱ローラーなどの定着部材(不図示)により、搬送されて来る用紙S上のカラートナー像を熱定着する。定着部100で定着がなされた用紙Sは、排紙ローラー対126により排紙トレイ127上に排出される。
給紙トレイ131a、132aは、装置本体138に対して装置前後方向に引き出し可能に構成されている。具体的には、給紙トレイ131a、132aのそれぞれごとに、装置本体138に設けられたスロット(不図示)に装置背面側一杯まで押し込まれた装着位置と、スロットから装置正面側の一部が飛び出した補給位置との間をスライド自在に装置本体138に支持されている。装着位置が給紙トレイから用紙Sを給紙可能な位置になり、補給位置が用紙Sをユーザーが手動で給紙トレイに補給することが可能な位置になる。
ユーザーは、用紙を補給する際、装着位置にある給紙トレイを補給位置まで装置正面側に引き出す開操作を行うことで、その給紙トレイに用紙Sを補給することができ、用紙Sの補給後、補給位置にある給紙トレイを装着位置まで装置背面側に押し込む閉操作を行うことで、用紙Sの補給操作を終了することができる。
給紙トレイ131a、132aが装着位置にあるか否かは、装置本体138の背面側フレーム(不図示)に配置されたトレイ開閉検出センサー139a、139b(破線)により検出される。トレイ開閉検出センサー139a、139bは、給紙トレイ131a、132aが装着位置にあるときに出力信号がオンになり、装着位置から補給位置に向かって移動したときに出力信号がオフになるようになっている。トレイ開閉検出センサー139a、139bの出力信号をモニターして、例えば出力信号がオンからオフ、オフからオンにこの順に切り替わったことを検出することで、装着位置にあった給紙トレイ131a、132aが装置正面側に引き出された後、装置背面側に押し込まれて装着位置に戻るという給紙トレイの移動が行われたことを判断できる。給紙トレイ131a、132aごとに、ユーザーがその給紙トレイを装着位置から装置正面側に引き出した後、装着位置に戻す操作をトレイ開閉操作という。
トレイ開閉操作は、通常、ユーザーが給紙トレイに用紙Sを補給するときに行う操作なので、トレイ開閉検出センサー139a、139bがオン、オフ、オンの順に切り替わったことの検出は、ユーザーにより給紙トレイに用紙Sが補給された可能性を示す条件を満たした場合とみなすことができる。
ここで、給紙トレイへの用紙Sの補給は、(a)給紙トレイ内の用紙Sが全てなくなっており、空の給紙トレイに新たな用紙Sを収容することと、(b)給紙トレイに用紙Sが残っているが、その残っている用紙Sの上に別の用紙Sを継ぎ足すことを含む。
本実施の形態では、給紙トレイへの用紙Sの継ぎ足しがあった場合でも、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明した生産性の低下を抑制できるような用紙Sの種類(紙種)の検出方法が用いられている。この検出方法については後述する。
なお、装置本体138内において、給紙トレイ131a、132aの直上の位置には、給紙トレイ131a、132a内の用紙Sの有無を検出する用紙エンプティセンサー137a、137bが配置されている。この用紙エンプティセンサー137a、137bの検出結果を取得することで、給紙トレイ131a、132aに用紙Sが収容されているか否かを判断することができる。
また、給紙トレイ131a、132aごとに、その給紙トレイに収容されている用紙Sのサイズを自動検出するサイズ検出センサー(不図示)が配置されており、どの給紙トレイにどのサイズの用紙Sが収容されているかを判断することができる。
制御部151は、画像形成装置1の各部の動作を監視、制御する。
〔2〕紙種の判定
次に、紙種を判定するための構成について説明する。
給紙ローラー133a、133b、133cによって、給紙トレイ131a、132bおよび手差しトレイ131cから給紙された用紙Sは、図2に示すように搬送ガイド202と、搬送ガイド202に対向する搬送ガイド203によって形成された搬送路201を経由してタイミングローラー対124まで搬送される。この搬送路201に沿って、メディア検知センサー200(検出手段)が配設されている。
メディア検知センサー200には、光学センサー210と、これよりも用紙搬送方向下流側に配された超音波センサー220とが含まれている。
光学センサー210は、図3に示すように反射用光源211、透過用光源212、213および受光センサー214を備えている。以下、反射用光源、透過用光源を光源と略する。光源211~213のぞれぞれは、発光する光の波長が相互に異なる光源、例えば、LED(Light Emitting Diode)が用いられる。
具体的には、光源211は、緑(G)色(530nm付近)の光を発するLEDであり、光源212は、青(B)色(450nm付近)の光を発するLEDであり、光源212は、近赤外IR(850nm付近)の光を発するLEDである。このように異なる波長の複数のLEDを用いているのは、異なる紙種、ここでは普通紙、再生紙、コート紙を検出するためである。具体的な検出方法については、後述する。なお、各光源は、異なる紙種を検出できれが良く、他の種類の光源を用いてもよい。
受光センサー214は、例えばPD(Photodiode)であるが、他の種類の受光素子を用いてもよい。
光源211は、矢印A方向に搬送される用紙Sに対して、搬送ガイド203に設けられた貫通孔301を経由して、用紙Sに向けて光を照射する。また、光源212、213は、搬送ガイド202に設けられた貫通孔302を経由して、用紙Sに向けて光を照射する。受光センサー214は、用紙Sからの反射光および透過光の光量を検出する。ここでは、3個の光源211~213に対して1個の受光センサー214が共用するので、光源211、212、213の1個ずつのみが一定時間だけ順番に発光して、発光している光源からの光の反射光または透過光を受光センサー214で受光することで、光源ごとにその反射光または透過光の受光量が検出されるようになっている。
以下、光源212から発せられた光の、用紙Sからの透過光を受光センサー214で受光する場合の反射用光源212と受光センサー214の組みをセンサー1といい、光源213から発せられた光の、用紙Sからの透過光を受光センサー214で受光する場合の光源213と受光センサー214の組みをセンサー2といい、光源211から発せられた光の、用紙Sからの反射光を受光センサー214で受光する場合の光源211と受光センサー214の組みをセンサー3といい、どの光源を用いた紙種検出かをセンサー1~3の名称で区別する。
超音波センサー220は、図4に示すように超音波送信機221および超音波受信機222を備えている。超音波送信機221は、搬送ガイド203に設けられた貫通孔401を経由して、超音波照射範囲410内に超音波を照射する。超音波は、矢印A方向に搬送される用紙Sを透過し、用紙Sの紙種に応じて強度が減衰した後、搬送ガイド202に設けられた貫通孔402を経由して超音波受信機222に入射する。超音波受信機222は、用紙Sを透過した超音波の強度を検出する。
この超音波センサー220は、主に封筒を検出するために用いられる。封筒は、1枚の用紙が折り畳まれて2重になっており、2重になった一方の用紙片と他方の用紙片との間に介在する空気層を超音波が通過する際に超音波の強度が大きく減衰するという特徴から、1枚の用紙片からなる通常の用紙、ここでは普通紙、再生紙、コート紙などと区別して検出することができる。以下、超音波センサー220をセンサー4という。
本実施の形態では、給紙トレイ131a、132bごとに紙種検出を実行する。
すなわち、一つの給紙トレイのトレイ開閉動作が実行される度に、トレイ開閉操作の終了後、最初に実行されたジョブの最初に給紙される1枚目の用紙Sに対して、センサー1~4の全てを用いて紙種検出を行う(高精度の紙種検出)。
2枚目以降の用紙Sに対しては、1枚目の用紙の紙種検出結果に関する履歴情報に基づいて、センサー1~4のうち、2枚目以降の用紙Sの検出に用いるべき一つのセンサーを決定し、決定したセンサーを用いて紙種検出を行う(低精度の紙種検出)。センサー1~4の全てを用いる紙種検出の方がいずれか一つのセンサーだけを用いる紙種検出よりも紙種の検出に要する時間が長くかかるが検出精度が高くなることから、高精度とこれよりも簡易的な低精度の紙種検出と区別している。以下、センサー1~4の全てを用いる紙種検出を第1検出方式の検出、センサー1~4のうちいずれか一つのセンサーを用いる(第1検出方式よりも簡易的な)紙種検出を第2検出方式の検出という。この第2検出方式での検出は、第1検出方式での検出に要する時間よりも短い時間でシートの種類を検出する方法といえる。
第2検出方式において履歴情報を用いてセンサーを決定する点が本実施の形態の特徴になっており、給紙トレイに用紙Sが継ぎ足された場合でも、生産性を落とすこと、つまり全てのセンサー1~4を2枚目以降の用紙Sにも用いて紙種の検出時間を長くすることを回避しつつ、継ぎ足された用紙Sの紙種と継ぎ足し時に給紙トレイに残っていた用紙Sの紙種の両方を精度良く検出することができる。この理由については、後述する。
〔3〕制御部の構成
制御部151は、図5に示すようにCPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HDD(Hard Disk Drive)504、NIC(Network Interface Card)505、不揮発性記憶部506およびタイマー507を備えており、CPU501等は内部バス510を用いて相互に通信可能に接続されている。
CPU501は、画像形成装置1の電源投入などを契機としてリセットされると、ROM502からブートプログラムを読み出して起動し、RAM503を作業用記憶領域として、HDD504から読み出したOS(Operating System)や制御プログラムを実行する。これによって、CPU501は、用紙Sを給紙するとともに紙種を検出する給紙処理や用紙ごとに紙種に応じた画像形成条件を設定する画像形成条件設定処理を行い、さらに、光学センサー210や超音波センサー220の検出結果を参照したり、定着部100や駆動モーター520、搬送モーター521の動作を制御したりする。
駆動モーター520は、作像部121Y、121M、121Cおよび121Kを動作させたり、中間転写ベルト122を周回走行させたり、二次転写ローラー123、タイミングローラー対124、排紙ローラー対126を回転駆動させるための駆動源であり、紙種ごとに予め決められた速度で一定回転する。
搬送モーター521は、ピックアップローラー132a、132b、132c、給紙ローラー133a、133b、133c、縦搬送ローラー134bを回転駆動させるための駆動源であり、紙種ごとに予め決められた搬送速度V0とこれらのどれよりも遅い低速Vsのいずれかに切り替えることができる。搬送モーター521の回転速度の切り替えは、後述のように第1検出方式による1枚目の用紙Sの紙種検出時にのみ低速Vsに落とされ、紙種検出後の1枚目の用紙Sの搬送時と、第2検出方式による用紙Sの搬送時には、検出された紙種に応じた搬送速度V0に戻されるようになっている。
制御部151は、NIC505を用いて、LAN(Local Area Network)やインターネットを経由した他の装置との通信を実行する。これによって、例えば、他の装置から画像形成ジョブを受け付ける。また、CPU501は、タイマー507により計時された現在時間を取得することができる。
不揮発性記憶部506は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などからなり、図6に示すようにジョブ管理テーブル561、トレイ開閉操作時間情報テーブル562、用紙履歴テーブル563、第2検出方式センサー決定情報テーブル564および紙種情報テーブル565のそれぞれが対応する記憶領域に設けられている。
〔4〕ジョブ管理テーブル561
ジョブ管理テーブル561は、過去に実行した全てのジョブをジョブ単位で管理するためのテーブルであり、図7に示すようにジョブ番号、ジョブ名称、枚数、トレイ番号、ジョブ開始時刻-終了時刻の各欄を有する。
「ジョブ番号」は、新たなジョブが実行される度に、ジョブ単位で1、2、3・・・という1つずつ増える整数の値が付与され、付与された値がそのジョブに対応する「ジョブ番号」の欄にCPU501により書き込まれる。同図においてN番目のジョブが現在のジョブであり、(N-1)番目のジョブが前回ジョブを示す。新たなジョブが要求される度に、現時点におけるジョブ管理テーブル561の最下行のジョブの下に、その新たなジョブを示す番号とそのジョブ名称~ジョブ開始時刻-終了時刻を示す欄が追加されることで、ジョブ管理テーブル561の情報が更新される。
「ジョブ名称」の欄には、実行すべきジョブの名称として、プリントとコピーのいずれかを示す情報が書き込まれる。
「枚数」の欄には、プリントまたはコピーで使用される用紙Sの全枚数の情報が書き込まれる。この枚数欄の数値が後述の値Qに相当する。
「トレイ番号」の欄には、給紙トレイ131a、131bのうち、ジョブで用いられる給紙トレイを指定するための番号、ここでは給紙トレイ131aを示す「1」と給紙トレイ131bを示す「2」のいずれかが書き込まれる。以下、給紙トレイを区別する場合、給紙トレイ131aを給紙トレイ1といい、給紙トレイ131bを給紙トレイ2という。
なお、ジョブでどの給紙トレイを使用するかは、ユーザーからの選択を受け付けたり、形成画像の大きさと同じサイズの用紙Sが収容されている給紙トレイを自動選択したりすることで判断される。
「ジョブ開始時刻-終了時刻」欄には、タイマー507によるジョブの実行日時、具体的には月日と開始時刻と終了時刻とが書き込まれる。
〔5〕トレイ開閉操作時間情報テーブル562
トレイ開閉操作時間情報テーブル562は、図8に示すようにトレイ番号と、過去最近のトレイ開閉操作実行時間の各欄を有する。このトレイ開閉操作実行時間の欄には、トレイ開閉操作が過去最近の何時実行されたのかを示す時間情報が書き込まれている。給紙トレイ1、2ごとに、トレイ開閉操作実行時間の欄を参照することで、最近のトレイ開閉操作の実行時間を読み出すことができる。
同図の例では、トレイ番号1、つまり上段の給紙トレイ131aについて12月15日の午前10時30分から35分までの時間が時間情報として書き込まれており、この5分間に給紙トレイ131aが開操作され、その後、閉操作されたことが分かる。この5分間が現在(例えば10時40分)から過去に遡って最も近い給紙トレイ131aのトレイ開閉操作を示していることになる。給紙トレイ2についても同様に、対応するトレイ開閉操作実行時間の欄に書き込まれている時間情報を参照することで、過去最近のトレイ開閉操作の時間を取得することができる。
時間情報の書き込みは、CPU501が実行する、図9に示す給紙トレイの開閉操作時間取得処理によりトレイ開閉操作時間情報テーブル562に書き込まれる。ここで、図9に示す処理は、給紙トレイ1に対応するものであり、同図では、給紙トレイ1に対応するトレイ開閉検出センサー139aをトレイ開閉検出センサー1として示している。
同図に示すようにトレイ開閉検出センサー1の出力信号をモニターして、出力信号のオン(閉)からオフ(開)への切り替わりの有無を判断する(ステップS1)。出力信号の切り替わりがなければ(ステップS2で「No」)、ステップ1に戻る。
出力信号の切り替わりがあったことを判断すると(ステップS2で「Yes」)、現在日時T1をタイマー507から取得する(ステップS3)。
続いて、トレイ開閉検出センサー1の出力信号をモニターして、出力信号のオフ(開)からオン(閉)への切り替わりの有無を判断する(ステップS4)。出力信号の切り替わりがなければ(ステップS5で「No」)、ステップ4に戻る。
出力信号の切り替わりがあったことを判断すると(ステップS5で「Yes」)、現在日時T2をタイマー507から取得する(ステップS6)。
そして、取得した現在日時T1、T2を、給紙トレイ1のトレイ開閉操作時間情報としてトレイ開閉操作時間情報テーブル562に上書きして(ステップS7)、その後、ステップS1に戻る。ステップS1~S7を一定時間、例えば1秒ごとに繰り返し実行することで、給紙トレイ1の開閉操作が行われる度に、開閉操作の日時が更新される。これにより、トレイ開閉操作時間情報テーブル562を参照すれば、現在に対して過去最近のトレイ開閉操作が何時何分に行われたかを知ることができる。
なお、給紙トレイ2についても図9と同様の処理により、給紙トレイ2に対応するトレイ開閉検出センサー139bを用いることで、給紙トレイ2のトレイ開閉操作の時間情報が書き込まれる。
〔6〕用紙履歴テーブル563
図10(a)に示す用紙履歴テーブル563は、給紙トレイ1に対応するものであり、「トレイ開閉操作後、最初のジョブの1枚目の用紙の紙種検出結果」と「1枚目の用紙Sに対するセンサー1~4の出力値」の各欄を有する。
各欄は、直前と、過去(1回前)、過去(2回前)、過去(3回前)・・・に分けられている。ここで、「直前」の「トレイ開閉操作後、最初のジョブの1枚目の用紙の紙種検出結果」とは、現在に対して直前(過去最近)に実行されたトレイ開閉操作後、最初のジョブで給紙された1枚目の用紙Sの紙種の検出結果を示している。
「過去(1回前)」の「トレイ開閉操作後、最初のジョブの1枚目の用紙の紙種検出結果」とは、「直前」のトレイ開閉操作を起点に過去に遡ったときに、「直前」に最も近いタイミングで実行された過去(1回前)のトレイ開閉操作後、最初のジョブで給紙された1枚目の用紙Sの紙種の検出結果を示している。
例えば、トレイ開閉操作A、ジョブB、トレイ開閉操作C、ジョブD、ジョブE、トレイ開閉操作F、ジョブGがこの順に実行された場合、ジョブGを現在のジョブとすると、トレイ開閉操作Fが「直前」のものを示し、トレイ開閉操作Cが「過去(1回前)」のものを示す。
また、「直前」の「トレイ開閉操作後、最初のジョブの1枚目の用紙の紙種検出結果」とは、ジョブGの1枚目の用紙Sの紙種検出結果、同図の例では「普通紙」を示し、「過去(1回前)の「トレイ開閉操作後、最初のジョブの1枚目の用紙の紙種検出結果」とは、ジョブDの1枚目の用紙Sの紙種検出結果、同図の例では「再生紙」を示す。
同様に、「過去(2回前)」の「トレイ開閉操作後、1枚目の用紙の紙種検出結果」とは、「過去(1回前)」のトレイ開閉操作を起点にさらに過去に遡ったときに最も近いタイミングで実行されたトレイ開閉操作(上記例ではA)後、最初のジョブ(上記例ではB)で給紙された1枚目の用紙Sの紙種の検出結果を示す。
「過去(3回前)」の「トレイ開閉操作後、1枚目の用紙の紙種検出結果」とは、「過去(2回前)」のトレイ開閉操作を起点にさらに過去に遡ったときに最も近いタイミングで実行されたトレイ開閉操作後、最初のジョブで給紙された1枚目の用紙Sの紙種の検出結果を示している。以下、「過去(1回前)」、「過去(2回前)」、「過去(3回前)」を「過去1」、「過去2」、「過去3」という。
つまり、トレイ開閉操作の実行時期を最近のものを一番上にして、これの下に時間順に古くなるものを順に並べ、トレイ開閉操作が行われる度にその後に最初のジョブで給紙された1枚目の用紙Sの紙種検出結果をトレイ開閉操作と対応付けて示したものである。
同図の例では、「直前」に対応する1枚目の用紙Sの紙種検出結果が「普通紙」になっている。直前のトレイ開閉操作(上記F)の後、最初のジョブ(上記のG)の最初に給紙された1枚目の用紙Sの紙種をセンサー1~4の全てを用いて検出した場合の検出結果が「普通紙」であったことを示している。
「過去1」に対応する1枚目の用紙Sの紙種検出結果が「再生紙」になっている。これは、直前のトレイ開閉操作に対して過去1回前に実行されたトレイ開閉操作(上記のC)の後、最初のジョブ(上記のD)の最初に給紙された1枚目の用紙Sの紙種をセンサー1~4の全てを用いて検出した場合の検出結果が「再生紙」であったことを示している。
「1枚目の用紙に対するセンサー1~4の出力値」の欄には、1枚目の用紙Sの紙種検出時における各センサー1~4の実際の出力値(例えば、電圧値)が書き込まれている。
具体的に、「普通紙」に対して、センサー1、2、3、4の出力値は、0.37、0.29、0.3、0.01になっている。同様に、「再生紙」に対して、センサー1、2、3、4の出力値は、0.33、0.22、3.3、0.01になっている。
トレイ開閉操作が行われる度に、そのトレイ開閉操作の終了後、最初のジョブの最初に給紙された1枚目の用紙Sの紙種がセンサー1~4により検出されたときの検出結果、ここでは普通紙や再生紙などの1枚目の用紙Sの紙種情報が「トレイ開閉操作後、1枚目の用紙の紙種検出結果」の欄に新たに書き足されるとともに、センサー1~4の出力値が「1枚目の用紙に対するセンサー1~4の出力値」の欄に新たに書き足され、新たな履歴情報として記憶される。この書き込みは、後述の給紙処理で実行される。
なお、トレイ開閉操作の度に、新たな履歴情報(紙種検出結果とセンサー出力値)が書き足されるので、同図に示す時点の後に新たな履歴情報が書き足された場合、同図の「直前」、「過去1」、「過去2」、「過去3」は、それぞれ1つずつ過去1回前のトレイ開閉操作に遷移する。つまり、新たに書き足された履歴情報が「直前」のものになり、同図の「直前」が「過去1」に変わり、「過去1」が「過去2」に変わり、「過去2」が「過去3」に変わり、「過去3」が「過去4」に変わる。
このように用紙履歴テーブル563を参照することで、ユーザーによる給紙トレイ1のトレイ開閉操作の度に給紙トレイ1に過去どのような紙種の用紙Sがセットされていたかを知ることができる。
図10(b)、図10(c)は、図10(a)とは相互に異なる履歴情報が用紙履歴テーブル563に書き込まれている場合の例を示している。図10(b)では、普通紙や再生紙とは異なる紙種である厚紙1、2が用いられ、図10(c)では、封筒が用いられていることが分かる。
画像形成装置1の設置環境によってユーザーが使用する用紙Sの紙種が異なることが通常であるので、図10(a)~図10(c)に示す履歴情報は一例であって、それぞれの画像形成装置1ごとに、上記とは異なる履歴情報が用紙履歴テーブル563に書き込まれる場合が生じ得る。
図10(a)~図10(c)では、給紙トレイ1に対応する用紙履歴テーブル563の例を説明したが、給紙トレイ2に対応する用紙履歴テーブル563も同様であるので、ここでの説明を省略する。
〔7〕第2検出方式センサー決定情報テーブル564
第2検出方式センサー決定情報テーブル564は、図11に示すように「トレイ番号」と「2枚目検出用センサー番号」の欄を有する。
「トレイ番号」は、給紙トレイ1、2の番号を示し、「2枚目検出用センサー番号」は、給紙トレイ1、2のそれぞれごとに、後述の給紙処理が実行される度に、給紙トレイ1、2のそれぞれの欄に、第2検出方式で用いるべきセンサーとして決定されたセンサーの番号が上書きされる。同図の例では、現時点で給紙トレイ1に対してセンサー3が決定され、給紙トレイ2に対してセンサー4が決定されたことが示されている。
〔8〕紙種情報テーブル565
紙種情報テーブル565は、図12に示すように「トレイ番号」と「紙種情報」の欄を有する。「トレイ番号」は、給紙トレイ1、2の番号を示し、「紙種情報」は、給紙トレイ1、2のそれぞれごとに、用紙の紙種が検出される度に、その検出された紙種の名称が紙種情報として上書きされる。従って、紙種情報テーブル565を参照すると、第1検出方式と第2検出方式に関わりなく、最近に検出された用紙がどの紙種であったかを知ることができる。この紙種情報は、後述のように用紙の搬送速度の設定の際に読み出される。
〔9〕給紙処理の内容
図13は、給紙処理の内容を示すフローチャートであり、この給紙処理は、CPU501によりジョブ単位で実行される。このジョブには、コピージョブとプリントジョブが含まれる。なお、給紙トレイ1、2に収容されている用紙がエンプティ(空)になっていない状態で給紙処理が実行されるものとする。
同図に示すようにジョブ要求を受信する(ステップS11)。このジョブ要求の受信により、要求されたジョブを現在のジョブとしてそのジョブの管理情報がジョブ管理テーブル561に書き足される。
そして、ジョブ管理テーブル561を参照して、現在のジョブをN番目のジョブとしたとき、これの直前の(N-1)番目のジョブ(前回ジョブ)の終了から現在のジョブの開始までの間に、現在のジョブに対するトレイ番号(図7の例では1)に対応する給紙トレイ(使用すべき給紙トレイ)の開閉操作があったか否かを判断する(ステップS12)。
この判断は、ジョブ管理テーブル561に書き込まれている前回ジョブの終了時刻から現在のジョブの開始時刻までの間の非ジョブ実行時間(待機時間)に、使用すべき給紙トレイのトレイ開閉操作実行時間が入っているか否かにより判断される。
具体的には、図7に示す例では、前回ジョブの終了時刻が12月15日の午前10時25分になっており、現在のジョブの開始時刻が12月15日の午前10時40分になっているので、この午前10時25分から40分までの間が待機時間になる。
次に、図8に示すトレイ開閉操作時間情報テーブル562を参照して、給紙トレイ1の最近の開閉操作時間を確認する。同図の例では、最近の開閉操作時間が12月15日の午前10時30分から35分になっている。
使用すべき給紙トレイが給紙トレイ1であれば、最近の開閉操作時間(午前10時30分から35分までの時間)が待機時間(午前10時25分から40分までの時間)内に入っているので、給紙トレイ1のトレイ開閉操作があったことを判断する。一方、給紙トレイ2については、最近の開閉操作時間が12月15日の午前9時30分から35分になっている。この午前9時30分から35分の時間は、上記の待機時間内ではないので、使用すべき給紙トレイが給紙トレイ2の場合、トレイ開閉操作がなかったと判断する。以下、給紙トレイ1の場合の例を説明し、給紙トレイ2の場合の説明を省略するが、それぞれ基本的に同様に制御が実行される。
図13に戻って、給紙トレイ1のトレイ開閉操作があったことを判断すると(ステップS13で「Yes」)、1枚目の用紙Sを低速Vsで給紙開始する(ステップS14)。この給紙は、給紙トレイ1に対応するピックアップローラー132aにより1枚目の用紙Sを繰り出し、繰り出した用紙Sを給紙ローラー133aにより搬送路上をさらに用紙搬送方向下流側に搬送する動作を含む。低速Vsは、給紙トレイ1の開閉操作後、最初に給紙される1枚目の用紙Sを給紙する場合の搬送速度として予め決められており、例えば通常の用紙搬送速度の半分(半速)程度とされる。
給紙された1枚目の用紙Sが低速搬送中にその用紙Sの紙種を第1検出方式で検出する(ステップS15)。
図14は、第1検出方式による1枚目の用紙Sの紙種検出処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すようにセンサー1~4のうち、センサー3のみを起動する(ステップS51)。この起動は、センサー3の光源211と受光センサー214のみをオンし、センサー1と2の光源を消灯しつつセンサー4をオフすることで行われる。
そして、1枚目の用紙Sに対するセンサー3からの出力値V3を検出結果として取得して用紙履歴テーブル563に書き込む(ステップS52)。図10(a)の例では、出力値V3として0.3が書き込まれる。
そして、出力値V3を反射率G3に変換し(ステップS53)、G3が閾値th3未満か否かを判断する(ステップS54)。出力値V3の反射率G3への変換は、予め出力値と反射率との相関関係が実験などから求められており、その相関関係に基づき実行される。また、閾値th3は、反射率G3の大きさに対して、検出対象の用紙の紙種が再生紙であるか否かを判断するのに適した値であり、予め実験などから求められている。
反射率G3<閾値th3であることを判断すると(ステップS54で「Yes」)、1枚目の用紙Sの紙種を再生紙と検出して(ステップS55)、検出した紙種の登録を行い(ステップS56)、リターンする。紙種の登録は、用紙履歴テーブル563の「直前」の「トレイ開閉操作後、最初のジョブの1枚目の用紙の紙種検出結果」欄と、紙種情報テーブル565の「紙種情報」欄のそれぞれに、検出した紙種を書き込むことにより行われる。図10(b)では、紙種として「再生紙」が登録されている例が示されている
反射率G3≧閾値th3であることを判断すると(ステップS54で「No」)、センサー1、2のみを起動する(ステップS57)。この起動は、センサー1、2の光源212、213と受光センサー214のみをオンし、センサー3の光源211を消灯しつつセンサー4をオフすることで行われる。
そして、1枚目の用紙Sに対するセンサー1、2からの出力値V1、V2をそれぞれ検出結果として取得して用紙履歴テーブル563に書き込む(ステップS58)。図10(a)の例では、出力値V1、V2として、0.37、0.29が書き込まれる。
そして、出力値V1、V2をそれぞれ透過率G1、G2に変換し(ステップS59)、G1とG2の差分が閾値th1よりも大きいか否かを判断する(ステップS60)。出力値V1、V2の透過率G1、G2への変換は、予め出力値と透過率との相関関係が実験などから求められており、その相関関係に基づき実行される。また、閾値th1は、透過率G1とG2の差分の大きさに対して、検出対象の用紙の紙種がコート紙であるか否かを判断するのに適した値であり、予め実験などから求められている。
透過率G1とG2の差分>閾値th1であることを判断すると(ステップS60で「Yes」)、1枚目の用紙Sの紙種をコート紙と検出して(ステップS61)、ステップS56に進み、コート紙を紙種として登録した後、リターンする。紙種の登録は、上記の再生紙の場合と同様に行われる。
透過率G1とG2の差分≦閾値th1であることを判断すると(ステップS60で「No」)、センサー4のみを起動する(ステップS62)。この起動は、センサー1~3をオフしつつセンサー4をオンすることで行われる。
そして、1枚目の用紙Sに対するセンサー4からの出力値V4を検出結果として取得して用紙履歴テーブル563に書き込む(ステップS63)。図10(a)の例では、出力値V4として、0.01が書き込まれる。
そして、出力値V4を透過率G4に変換し(ステップS64)、透過率G4が閾値th4未満か否かを判断する(ステップS65)。出力値V4の透過率G4への変換は、予め出力値と透過率との相関関係が実験などから求められており、その相関関係に基づき実行される。また、閾値th4は、透過率G4の大きさに対して、検出対象の用紙の紙種が封筒であるか否かを判断するのに適した値であり、予め実験などから求められている。
透過率G4<閾値th4であることを判断すると(ステップS65で「Yes」)、1枚目の用紙Sの紙種を封筒と検出して(ステップS66)、ステップS56に進み、封筒を紙種として登録した後、リターンする。紙種の登録は、上記の再生紙の場合と同様に行われる。
一方、透過率G4≧閾値th4であることを判断すると(ステップS65で「No」)、1枚目の用紙Sの紙種を普通紙と検出して(ステップS67)、ステップS56に進み、普通紙を紙種として登録した後、リターンする。紙種の登録は、上記の再生紙の場合と同様に行われる。
上記では、第1検出方式としてセンサー1~4を用いて普通紙、再生紙、コート紙、封筒を区別して検出する方法を説明したが、複数のセンサーを用いて異なる紙種をある程度の時間がかかっても高精度に検出できれば良く、センサーの数や検出方法が上記とは異なる構成をとることもできる。
図13に戻って、ステップS16では、1枚目の用紙Sの搬送速度を低速Vsから、第1検出方式で検出した1枚目の用紙Sの紙種に応じた搬送速度V0に切り替えて、1枚目の用紙Sの搬送を継続する。ここで、搬送速度V0は、低速Vsよりも高速であり、用紙Sの紙種の検出に適した搬送速度として予め紙種ごとに決められている。
続いて、2枚目以降の用紙Sの紙種検出時に第2検出方式で用いるセンサーSpを決定する処理を行う(ステップS17)。
図15は、第2検出方式で用いるセンサーSpの決定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように用紙履歴テーブル563を参照して、直前と過去1の紙種検出結果が同じか否かを判断する(ステップS81)。図10(a)の例では、直前の紙種検出結果が普通紙、過去1の紙種検出結果が再生紙になっているので、同じではないと判断される。図10(b)、(c)の例の場合も同様に同じではないと判断される。
同じではないと判断すると(ステップS82で「No」)、用紙履歴テーブル563を参照して、センサー1の「直前」と「過去1」の欄の出力値E1の差分D1を算出する(ステップS83)。図10(a)の例では、センサー1の「直前」の欄の出力値E1が0.37、「過去1」の出力値E1が0.33なので、差分D1は0.04になる。
次に、センサー2の「直前」と「過去1」の欄の出力値E2の差分D2を算出し(ステップS84)、続いて、センサー3の「直前」と「過去1」の欄の出力値E3の差分D3を算出し(ステップS85)、さらに、センサー4の「直前」と「過去1」の欄の出力値E4の差分D4を算出する(ステップS86)。図10(a)の例では、差分D2は0.07になり、差分D3は3.0になり、差分D4は0になる。
次に、差分D1~D4のうち、最大のものを特定する(ステップS87)。図10(a)~(c)の例では、差分が最大になる直前と過去1の出力値の組を丸印で囲っている。具体的に、図10(a)の例では、差分D3が最大のものとして特定される。
そして、特定した差分Dを有するセンサーを、第2検出方式で用いるべきセンサーSpに決定して(ステップS88)、リターンする。図10(a)の例では、差分D3を有するセンサー3がセンサーSpに決定される。また、図10(b)の例では、差分D2を有するセンサー2がセンサーSpに決定され、図10(c)の例では、差分D4を有するセンサー4がセンサーSpに決定される。
このように差分Dが最大となるセンサーを、第2検出方式で用いるべきセンサーSpに決定するのは、次の理由による。すなわち、給紙トレイ1への用紙Sの継ぎ足しが発生した場合でも、継ぎ足し時に給紙トレイ1に残っていた用紙Sの紙種と、その用紙Sの上に継ぎ足された用紙Sの紙種の両方を一つのセンサーで精度良く検出するためである。
図16(a)~(e)は、用紙Sが継ぎ足しされた給紙トレイ1からジョブ実行により複数枚の用紙Sが1枚ずつ給紙されていく様子を段階的に示す模式図である。
図16(a)は、トレイ開閉操作により給紙トレイ1が補給位置に存している場合に、給紙トレイ1に現に収容されている(残っている)用紙束E(例えば再生紙)の上に、用紙束Eの用紙と同じサイズかつ紙種の異なる複数枚の用紙が重なってなる用紙束F(例えば普通紙)が継ぎ足される様子を示している。
図16(b)は、用紙束Fが継ぎ足された給紙トレイ1がトレイ開閉操作により補給位置から装着位置に移動した様子を示しており、図16(c)は、トレイ開閉操作の終了後、最初に実行されたジョブにより用紙束Fの最上位の用紙Sf1(普通紙)が1枚目の用紙として最初に給紙された様子を示している。
図16(d)は、当該ジョブの実行中に用紙束Fの最下位の用紙Sf2(普通紙)が給紙された様子を示しており、図16(e)は、用紙Sf2の次に用紙束Eの最上位の用紙Se1(再生紙)が給紙された様子を示している。この用紙Se1の給紙時が用紙の継ぎ足しにより生じる紙種の異なる境界になる。
上記のようにトレイ開閉操作の終了後、図16(c)に示すように最初に給紙された1枚目の用紙Sf1の紙種が第1検出方式で検出される。1枚目の用紙Sf1が普通紙と検出された場合、従来のようにこの検出結果だけを利用して、検出された普通紙の厚み(坪量)の検出に適した普通紙用のセンサーを用いて2枚目以降の用紙Sを検出する方法をとれば、継ぎ足された用紙束Fの各用紙だけではなく、用紙束Fの下の用紙束E、つまり継ぎ足し時に収容されていた用紙束Eの用紙(再生紙)も、その普通紙用のセンサーで検出されることになる。
普通紙用のセンサーでは、再生紙を精度良く検出できないおそれがあり、このため従来では、再生紙を普通紙と誤検出し易くなる。また、紙種検出を不可として全てのセンサー1~4を用いて第1検出方式で検出をやり直すこともできるが、生産性の低下に繋がる。
これに対し、本実施の形態に係る制御では、センサー1~4のそれぞれごとに、直前のトレイ開閉操作で継ぎ足し補給された用紙束Fの用紙Sf1と、過去1のトレイ開閉操作で補給されていた用紙束Eの用紙Se1のそれぞれの出力値の差分D1~D4を算出して、差分D1~D4のうち最大のものを有するセンサーを2枚目以降の用紙Sの検出に用いる。差分Dが最大のセンサーを用いるということは、用紙Sf1を検出したときの検出値と用紙Se1を検出したときの検出値の違いが大きく出ることに等しい。
もし、差分Dの小さい他のセンサーを用いた場合、用紙Sf1を検出したときの検出値と用紙Se1を検出したときの検出値の違いがあまりで出ないので、検出信号にノイズや誤差が紛れ込んでばらつきが生じ、検出精度が下がることが想定されるが、差分Dの最大のセンサーを用いることで、多少のばらつきが生じた場合でも、他のセンサーよりも検出精度を向上することができる。また、全てのセンサー1~4を用いて検出をやり直さないので、生産性の低下を防止できる。
図15に戻って、直前と過去1の紙種検出結果が同じと判断すると(ステップS82で「Yes」)、過去1で決定されたセンサーを、第2検出方式で用いるべきセンサーSpに決定して(ステップS89)、リターンする。直前と過去1の紙種検出結果が同じということは、例えば普通紙の用紙束の上に同紙種である普通紙の用紙束を継ぎ足した場合や再生紙の用紙束の上に同紙種であるじ再生紙の用紙束を継ぎ足した場合などになる。この場合、過去1で決定していたセンサーをそのまま第2検出方式で用いるべきセンサーSpに決定することで、給紙トレイ1に継ぎ足された用紙も元々残っていた用紙も同じ紙種として高精度の検出を行うことができる。
図13に戻ってステップS18では、決定したセンサーSpを示すセンサー決定情報を記憶する。このセンサー決定情報の記憶は、第2検出方式センサー決定情報テーブル564の「センサー番号」欄にセンサーSpの番号、つまり1~4のいずれかの値を書き込むことにより行われる。給紙トレイ1に対するセンサーSpがセンサー3の例の場合、図11に示すようにトレイ番号1に対応する「センサー番号」欄に「3」が書き込まれる。
続いて、2枚目以降の用紙Sを1枚ずつ搬送速度V0で給紙を開始する(ステップS19)。この搬送速度V0は、ステップS16で設定した1枚目の用紙Sの搬送速度V0に等しい。なお、次のステップS20で検出した2枚目以降の用紙Sの紙種が1枚目の用紙と異なっていた場合、その検出後、検出された紙種に適した搬送速度に切り替えられる。
2枚目以降の用紙Sの給紙開始後、決定したセンサーSpを用いて、給紙された用紙Sの紙種を検出する処理(2枚目以降の用紙の紙種検出処理)を実行して(ステップS20)、当該給紙処理を終了する。
図17は、2枚目以降の用紙Sの紙種検出処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。同図に示すように変数iに2を設定する(ステップS91)。
そして、用紙履歴テーブル563を参照して、センサーSpの直前と過去1の欄の出力値Ea、Ebの中央値Ecを算出する(ステップS92)。図10(a)においてセンサーSpがセンサー3である例の場合、出力値Eaが0.3、Ebが3.3になり、中央値Ecが1.8になる。
給紙されたi枚目の用紙、例えば現在のiが2のときには2枚目の用紙SがセンサーSpにより検出されると、センサーSpの出力値Epを取得する(ステップS93)。
そして、出力値Ea<Ebの場合(ステップS94で「Yes」)、出力値Ep<中央値Ecであれば(ステップS95で「Yes」)、2枚目の用紙Sの紙種を、用紙履歴テーブル563における「直前」の「紙種検出結果」の欄に書き込まれている紙種と検出して(ステップS96)、検出した紙種を登録する(ステップS98)。図10(a)の例においてセンサーSpがセンサー3に決定された場合、出力値Ep<中央値Ecの大小関係から「普通紙」と検出される。
紙種の登録は、図12に示す紙種情報テーブル565の「紙種情報」の欄にその紙種の情報を上書きすることにより行われる。給紙トレイ1が使用されている場合、トレイ番号1に対応する「紙種情報」の欄に紙種の情報(同図の例では普通紙)が書き込まれ、給紙トレイ2が使用されている場合、トレイ番号2に対応する「紙種情報」の欄に紙種の情報(同図の例では再生紙)が書き込まれる。
図17に戻って、出力値Ep≧中央値Ecであれば(ステップS95で「No」)、2枚目の用紙Sの紙種を、用紙履歴テーブル563における「過去1」の「紙種検出結果」の欄に書き込まれている紙種と検出して(ステップS97)、ステップS98に進む。図10(a)の例においてセンサーSpがセンサー3に決定された場合、出力値Ep≧中央値Ecの大小関係から「再生紙」と検出される。
出力値Ea≧Ebの場合(ステップS94で「No」)、出力値Ep>中央値Ecであれば(ステップS101で「Yes」)、2枚目の用紙Sの紙種を、用紙履歴テーブル563における「直前」の「紙種検出結果」の欄に書き込まれている紙種と検出して(ステップS102)、ステップS98に進む。図10(b)の例においてセンサーSpがセンサー2に決定された場合、「再生紙」と検出される。
一方、出力値Ep≦中央値Ecであれば(ステップS101で「No」)、2枚目の用紙Sの紙種を、用紙履歴テーブル563における「過去1」の「紙種検出結果」の欄に書き込まれている紙種と検出して(ステップS97)、ステップS98に進む。図10(b)の例においてセンサーSpがセンサー2に決定された場合、「厚紙2」と検出される。
ステップS98の次のS99では、変数iが最大であるか否かを判断する。この最大とは、当該ジョブにおいて画像形成を実行すべき用紙の全枚数をQ枚としたとき、このQの数値に相当する。
最後ではないことを判断すると(ステップS99で「No」)、現在の変数iに「1」をインクリメントして(ステップS100)、ステップS93に戻る。現在の変数iが2の場合、3に変更された後、ステップS93以降、3枚目の用紙Sに対する紙種検出が行われる。変数iが最大と判断されるまで、ステップS93以降の処理が繰り返し実行され、4枚目、5枚目・・・Q枚目の用紙Sの紙種が順に検出、登録される。
変数iが最大と判断されると(ステップS99で「Yes」)、リターンする。
上記では、紙種判断に用いる閾値を、センサーSpの直前と過去1の欄の出力値Ea、Ebの中央値Ecとしたが、これに限られず、紙種検出に適した閾値を設定することができる。例えば、センサーの出力値のばらつき(誤差)によって中央値Ecよりも少し高めまたは低めの値を閾値とする方法などが考えられる。
図13に戻って、ステップS13で前回ジョブの終了から現在のジョブの開始までの間に給紙トレイ1のトレイ開閉操作が実行されていなかったことを判断すると(ステップS13で「No」)、第2検出方式センサー決定情報テーブル564に現に記憶されているセンサー決定情報が示すセンサー番号を読み出し、用紙の紙種検出に用いるセンサーSpを特定する(ステップS21)。図11の例では、給紙トレイ1に対して「センサー番号」欄に「3」が書き込まれているので、センサー3が特定される。
前回ジョブの終了から現在までの間に給紙トレイ1のトレイ開閉操作が実行されていなかったということは、この間に給紙トレイ1に新たな用紙Sが補給されることがなく、給紙トレイ1内の用紙の紙種が前回ジョブから変化していないことを意味する。このため、前回ジョブで決定されたセンサーSpをそのまま用いることで、第2検出方式による生産性の向上と高精度の紙種検出の両立を図ることができる。
そして、紙種情報テーブル565を参照して用紙Sの搬送速度V0を設定する(ステップS22)。この搬送速度V0は、紙種情報テーブル565の「紙種情報」の欄に書き込まれている紙種に適した搬送速度として予め決められた搬送速度が設定される。図12の例では、給紙トレイ1に対応する紙種情報が普通紙になっているので、普通紙に適した搬送速度がV0に設定される。
紙種情報は、上記のように現時点から過去に遡って最も近いタイミングで給紙された用紙Sの紙種検出結果を示すので、現在のジョブで1枚目に給紙する用紙Sに対して、前回ジョブの最後に給紙された用紙Sの紙種に適した搬送速度V0が設定されることになる。
前回ジョブの終了から現在のジョブの開始までの間に給紙トレイ1の紙種に変化が生じていないので、前回ジョブの最後に給紙された用紙Sの紙種と現在のジョブの最初に給紙される用紙Sの紙種とが同じであり、前回ジョブの最後に給紙された用紙Sの紙種に適した搬送速度V0を、現在のジョブの最初に給紙される用紙Sの紙種に適した搬送速度V0として設定するものである。
現在のジョブにおいて1枚目以降の各用紙Sを1枚ずつ搬送速度V0で給紙開始し(ステップS23)、給紙された1枚目以降の各用紙Sの紙種を1枚ずつ順にステップS21で特定したセンサーSpを用いて検出して(ステップS24)、当該現在のジョブにおける給紙処理を終了する。このステップS24で行う検出は、ステップS20の紙種検出(図17)と一部を除いて同様に行われる。異なる部分は、図17に示すステップS91において変数iが「2」から「1」に変更される点であり、ステップS93以降、1枚目の用紙Sから1枚ずつ給紙された用紙Sの紙種が検出されていく。
なお、当該ジョブの実行中に、P枚目の次の(P+1)枚目で紙種の検出結果が異なった場合、(P+1)枚目の用紙についてその紙種に適した搬送速度に設定し直される。
上記では、給紙トレイ1、2に用紙が収容されている状態(トレイが空である用紙エンプティではない状態)で給紙処理が実行される例を説明したが、用紙エンプティが発生した給紙トレイについては、対応する用紙履歴テーブル563の履歴情報をリセット(消去)することができる。この場合、リセット後、給紙トレイに新たな用紙が収容されてから次の用紙エンプティが発生するまでの間、給紙トレイの開閉操作の度に、用紙履歴テーブル563の履歴情報が追加されていくことになる。
〔10〕画像形成条件設定処理の内容
図18は、画像形成条件設定処理の内容を示すフローチャートであり、当該処理は、ジョブ単位で実行される。
同図に示すように変数jに1を設定する(ステップS31)。そして、給紙されたj枚目の用紙、例えば現在のjが1のときには1枚目の用紙Sに対するセンサーSpの紙種検出結果を取得する(ステップS32)。
そして、j枚目の用紙Sに対して、検出された紙種に応じた画像形成条件を設定する(ステップS33)。画像形成条件は、例えば転写時の転写バイアス(転写電圧または転写電流)、熱定着時の定着温度などであり、紙種に応じた転写バイアスや定着温度の各値が予め実験などで決められている。給紙されたj枚目の用紙Sに対する転写や定着の各工程において、紙種に応じて設定された転写バイアスと定着温度が適用されるように転写バイアスと定着温度が可変制御される。これにより、j枚目の用紙Sについて紙種に適した画像形成条件で画像形成が実行される。
画像形成条件は、転写や定着に限られず、用紙S上に形成される画像の画質に影響を与える可変可能な制御パラメーターであれば良く、例えば帯電バイアス、露光量、現像バイアス、転写バイアス、定着温度、用紙搬送速度などのうちいずれか1以上が含まれ得る。
ステップS34では、変数jが最大であるか否かを判断する。この最大とは、上記の値Qと同じ、すなわち当該ジョブにおいて画像形成を実行すべき用紙の全枚数に等しい。
最大ではないことを判断すると(ステップ34で「No」)、現在の変数jに「1」をインクリメントして(ステップS35)、ステップS32に戻る。現在の変数jが1の場合、2に変更された後、ステップS32以降、2枚目の用紙Sに対する画像形成条件の設定が行われる。変数jが最大と判断されるまで、ステップS32~S33の処理が繰り返し実行され、3枚目、4枚目・・・Q枚目の用紙Sに対する画像形成条件が順に設定される。変数jが最大と判断されると(ステップS34で「Yes」)、当該画像形成条件設定処理を終了する。
以上、説明したように本実施の形態では、トレイ開閉操作が行われる度に、そのトレイ開閉操作の後、最初に実行されたジョブにおける1枚目の用紙Sの紙種をセンサー1~4の全部を用いる第1検出方式で検出して、その1枚目の用紙Sの紙種検出結果とセンサー1~4の出力値を履歴情報として記憶している。
そして、給紙トレイの開閉操作が行われた後、最初に実行されたジョブにおける2枚目以降の用紙Sに対しては、センサー1~4のうち、一つのセンサーを用いる第2検出方式で紙種検出を行う。この一つのセンサーを、当該ジョブにおいて第1検出方式で検出した1枚目の用紙Sの履歴情報(センサー1~4の出力値(直前))と、過去(1回前)の給紙トレイの開閉操作後、最初に実行されたジョブにおける1枚目の用紙Sの履歴情報(センサー1~4の出力値(過去1))とを参照し、センサー1~4のそれぞれごとに、直前と過去1での出力値の差分Dが最大になるセンサーと決定する。
仮に、ユーザーが直前の給紙トレイの開閉操作時に用紙の継ぎ足し(図16(a))を行った場合、給紙トレイには、過去(1回前)の開閉操作時に収容された用紙(同図の例では用紙束E:再生紙)の上に、継ぎ足された用紙(同図の例では用紙束F:普通紙)が重なったようになる。この場合でも、普通紙と再生紙に対して差分Dが最大になるセンサーを用いることで、継ぎ足された普通紙と元々残っていた再生紙とでそのセンサーの出力値の違いが差分Dだけ大きくなるので、差分Dが小さくなるセンサーに比べて、普通紙と再生紙の相違を区別し易くなり、それだけ紙種検出精度を向上できる。
〔11〕手差しトレイから給紙する場合
手差しトレイ131cは、給紙トレイのように装置本体138に対して引き出しと押し込み操作が可能な構成になっていないので、ユーザーにより用紙Sが手差しトレイ131cに継ぎ足しなどで補給された可能性を、別の条件で判断する必要がある。
本実施の形態では、図1においてピックアップローラー132cが自重で上下方向に移動自在に装置本体138に支持されており、ピックアップローラー132が上下方向のどの位置にあるかを検出するセンサー(不図示)を備える構成になっている。
このような構成において、手差しトレイ131c上に載置された用紙束の最上位の用紙Sの上面にピックアップローラー132cが自重で接している状態で、用紙束の最上位の用紙Sとピックアップローラー132cとの間にユーザーが別の用紙束を差し込むと、差し込まれた用紙束の厚み分、ピックアップローラー132が上に移動する。この用紙の差し込みが用紙の継ぎ足しに相当する。
ピックアップローラー132の上への移動をセンサーが検出したことを、手差しトレイ131cに用紙Sが補給された可能性を示す条件とすることで、手差しトレイ131c上に載置された用紙束の上に別の用紙束(または用紙)が継ぎ足されたことを判断できる。
手差しトレイ131cへの用紙Sの継ぎ足しを検出できる構成であれば、上記の構成に限られず、他の構成であっても構わない。
なお、給紙トレイまたは手差しトレイに用紙Sが補給された可能性を示す条件は、上記のものに限られない。例えば、給紙トレイの引き出しと押し込み操作を行うのに、外装カバー(不図示)の開閉など他の部材のユーザーによる操作が必要な場合、その外装カバーの開閉がセンサーなどの検知手段で検知されたことを、上記のものに代えて上記の可能性を示す条件とする、または、上記の可能性を示す条件に含める構成をとることもできる。
〔12〕変形例
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、光源としてLEDを有するセンサー1~3の構成例を説明したが、LEDには、積算駆動時間が長くなるのに伴って発光効率が低下する特性を有するものがあり、発光効率が低下したLEDで低下前と同じ光量を得ようとすると、LEDへの供給電流を増加する必要が生じる。
発光効率が低下したLEDをそのまま使用し続けると、供給電流を増加しても発光量が検出に必要な光量まで上がらない状態、つまりLEDの寿命に至る。
第1検出方式では、センサー1~3を用いて高精度で紙種を検出する必要があるので、光源であるLEDが寿命に至る時期をできるだけ遅らせることが望ましい。LEDの寿命に至る時期を遅らせるには、発光時間を短くして積算駆動時間が寿命に至るまでの期間を延ばせば良い。一方で、第1検出方式における紙種検出の精度を一定以上確保するには、検出時にLEDを所定時間、発光させて反射光または透過光の検出を行う必要があるので、第1検出方式での検出時には発光時間を短くすることは望ましくない。
センサーの積算駆動時間は、センサー1~3のそれぞれごとに同じ程度になる場合もあれば、一つのセンサーだけが他のセンサーよりも長くなる場合など様々になり易い。なぜなら、センサー1~3のうち、第2検出方式で用いるセンサーSpとして決定されるセンサーが、ある一つのセンサーに片寄ったり、各センサーで平均的になったりすることがあるからである。
具体的には、画像形成装置を利用するユーザーには、異なる紙種の用紙を給紙トレイに頻繁に入れ替えて使用するユーザーや、同じ紙種の用紙の使用がほとんどのユーザーが含まれる。一つの給紙トレイに、異なる紙種の用紙が頻繁に入れ替えて使用される場合、センサーSpが一つのセンサーに片寄ることが生じ難い。一方で、同じ紙種の用紙が補給される場合には、一つのセンサーに片寄ることが生じ易くなって、ジョブの実行回数が多くなるのに伴ってセンサーごとの積算駆動時間に差が生じ易くなるからである。
第1検出方式で用いるセンサー1~3のうちのいずれかを第2検出方式でも用いる前提で、寿命に近づいているセンサーの発光時間を短くする方法として、本変形例では、第2検出方式で用いるべきセンサーの決定において、センサー1~3のそれぞれごとに、センサーのLEDの積算駆動時間が閾値(例えばth5)に達すると、以後、そのセンサーを除く残りの2個のセンサーのうち上記の差分Dが大きい方のセンサーに決定する制御を行う。ここで、閾値th5は、センサーが寿命に至ったことを積算駆動時間の大きさで判断するための閾値th6よりも小さい値が予め実験などから設定される。
これにより、LEDの積算駆動時間が閾値(th5)に達したセンサーを、第1検出方式で用いつつ第2検出方式では使用を禁止することができ、そのセンサーを第2検出方式で選択可能とする構成よりも、そのセンサーの寿命に至る時期を延ばすことができる。
図19は、センサーごとに積算駆動時間Taの情報が記憶されている積算駆動時間テーブル566の内容例を示す図であり、この積算駆動時間テーブル566は、不揮発性記憶部506内の記憶領域に設けられている。
積算駆動時間Taは、センサー1~3のそれぞれごとに、そのセンサーが発光する度に発光時間をタイマーなどで計時し、計時した発光時間を現に積算駆動時間テーブル566に記憶されている積算駆動時間Taに足し合わせ時間を、現在の積算駆動時間Taとして上書きすることで更新されていく。
図20は、寿命が近づいたセンサー、具体的には積算駆動時間Taが閾値(th5)を超えたセンサーを第2検出方式で用いるセンサーから除外する処理を説明するためのフローチャートであり、図15に示すフローチャートのステップS86の後、S87の前に実行される。
図20に示すように積算駆動時間テーブル566を参照して、センサー1~3のうち、積算駆動時間Taが閾値(=th5)を超えているセンサーZがあるか否かを判断する(ステップS121)。
センサーZが存在しないと判断すると(ステップS122で「Yes」)、ステップS87へ進む。この場合、上記実施の形態に係る処理と同じになる。
一方、センサーZが存在することを判断すると(ステップS122で「No」)、センサー1~4の中からセンサーZを除いた他の3個のセンサーのうち、差分Dの最も大きいものを特定して(ステップS123)、ステップS88へ進む。これにより、第2検出方式で用いるべきセンサーは、寿命に近づいているセンサーZが除外されたものになる。
センサー1~3のうち、例えばセンサー1がセンサーZであり、センサー1(=Z)の差分D1>センサー2の差分D2>センサー3の差分D3>センサー4の差分D4の大小関係がある場合、センサー2が第2検出方式で用いるセンサーSpとして決定される。この例の場合、差分Dが最大のセンサーがセンサーSpに決定されない場合があり得る。
差分D1>差分D2>差分D3>差分D4の大小関係において、センサーZがセンサー2、3,4のいずれかのセンサーであれば、差分Dが最大のセンサー1がセンサーSpとして決定される。
このようにLEDの寿命との関係でセンサーSpを決定することで、第1検出方式による高精度の紙種検出を長期間に亘って継続しつつ、第2検出方式で一つのセンサーを用いることによる用紙の生産性の向上を図ることができ、かつ第2検出方式で用いるべきセンサーの選択候補から外したセンサーZをそのまま使用し続ける場合よりもセンサーZの寿命を延ばしつつセンサーZの光量を上げるために消費電力を増加することも回避できる。
なお、上記では、センサー1~3のそれぞれについて出力値の差分D1~D3を算出後(ステップS83~S85)、積算駆動時間Taが閾値th5を超えているセンサーZが存在するか否かを判断(ステップS121)するとしたが、この順に限られない。例えば、センサーZの存在を判断した後、センサー1~3のうちセンサーZを除く他のセンサーのそれぞれについて出力値の差分Dを算出する方法をとることもできる。ステップS87、S88では、センサーZを除く3個のセンサーのうち、出力値の差分Dが最大のものが第2検出方式で用いるべきセンサーに決定される。
また、寿命に近づいているものを除外するセンサーを光学センサーであるセンサー1~3とした例を説明したが、これに限られない。例えば、センサー4について、例えば超音波の積算送信時間(積算駆動時間に相当)の大小で寿命に近づいていることを判断できるような場合には、その積算駆動時間が寿命に至ると想定される閾値(上記のth6に相当)よりも小さい閾値(上記のth5に相当)を超えると、センサー4を第2検出方式で用いるべきセンサーから除外する制御を行うこともできる。
(2)上記実施の形態では、履歴情報に基づいて第2検出方式での検出をどのようにして実行するのかを決定し、決定した方法で検出させる制御の例として、第2検出方式で用いるべきセンサーをセンサー1~4のいずれか一つに決定し、決定したセンサーを用いて検出する例を説明したが、これに限られない。例えば、センサー1~4のうち上記の差分Dが1番大きい(最大の)センサーと2番目に大きいセンサーの2個に決定することもできる。センサーの数を増やすとそれだけ紙種の検出に要する時間が長くなって生産性が低下するが、紙種の検出精度を向上できる。
また、センサー1~4のうち、差分Dが当該センサーの出力値のばらつき(誤差)の大きさよりも大きい1~3個のセンサーをセンサーSpに決定することできる。センサー特有のばらつきよりも差分Dが大きくなれば、そのばらつきの影響を受け難くなり、第2検出方式による紙種の検出精度の向上に繋がるからである。センサーごとにその出力値のばらつきの大きさを予め実験などで所定値として求めておき、差分Dがその所定値よりも大きいか否かを判断して、差分Dが所定値よりも大きいセンサーをセンサーSpと決定することで実現できる。
つまり、第1検出方式で用いるセンサーの数をM(但し、Mは2以上の整数)個とすると、M個のうち、差分Dが最も大きいセンサーまたは所定値よりも大きいM未満の個数のセンサーを第2検出方式で用いるべきセンサーとして決定することで、第2検出方式による生産性の向上と用紙の継ぎ足し時における用紙の紙種検出精度の向上を図ることができる。
(3)上記実施の形態では、図15において給紙トレイ1に対する「直前」と「過去1」の紙種検出結果が同じと判断すると(ステップS82で「Yes」)、「過去1」で決定されたセンサーを第2検出方式で用いるべきセンサーSpに決定する(ステップS89)としたが、これに限られない。
例えば、給紙トレイ1において「直前」と「過去1」の紙種検出結果が同じであるが、「過去1」よりも前の「過去2」の紙種検出結果が異なる場合、ステップS83~S86において、センサー1~4のそれぞれごとに、「直前」と「過去2」の欄の出力値の差分D1~D4を算出する制御を行うこともできる。以下、給紙トレイ1について「過去2」のトレイ開閉操作が最も古いトレイ開閉操作であるとして説明する。
給紙トレイ1の最も古い「過去2」のときのトレイ開閉操作で、例えば「再生紙」が収容され、「過去2」よりも後の「過去1」のときのトレイ開閉操作で、例えば「普通紙」が継ぎ足され、「過去1」よりも後の「直前」のときのトレイ開閉操作でも同じ「普通紙」がさらに継ぎ足された場合、給紙トレイ1には、「再生紙」の束の上に「普通紙」の束が積載収容された状態になる。
「過去1」と「直前」のときは同じ「普通紙」が継ぎ足されており、「再生紙」の上に積載された「普通紙」が1枚ずつ給紙される場合には、「普通紙」の検出に適したセンサーSpを決定しておけば普通紙の紙種検出を精度良く行える。しかし、ジョブ実行中に「普通紙」の全枚数の給紙が終了した後、続いて「再生紙」の給紙が行われるときには、そのセンサーSpでは、「再生紙」の検出精度が低下するおそれが生じる。
そこで、「直前」と「過去1」の紙種検出結果が同じであるが、「過去2」の紙種検出結果が異なる場合、センサー1~4の出力値の差分D1~D4の算出対象を、「直前」と「過去1」の組みから「直前」と「過去2」の組みに変更することで、異なる紙種、上記の例では普通紙と再生紙の両方の検出を精度良く行えるセンサーSpを決定できる。
図21は、第2検出方式で用いるセンサーの決定処理の変形例に係るサブルーチンの内容の一部を示すフローチャートであり、このフローチャートは、図15に示すステップS82で「Yes」の判断の後、ステップS89の前に実行される処理を示している。
すなわち、給紙トレイ1について「直前」と「過去1」の紙種検出結果が同じと判断すると(ステップS82で「Yes」)、用紙履歴テーブル563を参照して、「直前」と「過去2」の紙種検出結果が同じか否かを判断する(ステップS151)。
「直前」と「過去2」の紙種検出結果が同じと判断すると(ステップS152で「Yes」)、「直前」と「過去1」と「過去2」の紙種検出結果が全て同じになり、給紙トレイ1に現に収容されている全ての用紙Sに対する給紙が全て終了するまでの間、紙種に変更がないとして、「過去1」で決定したセンサーをセンサーSpに決定するステップS89に進む。
「直前」と「過去1」と「過去2」の紙種検出結果が全て同じ場合、過去のいずれの継ぎ足し時にも同じ紙種の用紙Sが継ぎ足されていることから、全ての用紙Sの紙種が同じであり、センサーSpの選択候補がないとみなして、ステップS89におけるセンサーSpの決定を行わず、2枚目以降の用紙Sの紙種を1枚目の用紙Sの紙種とみなして、2枚目以降の用紙Sに対して紙種検出を行わない(ステップS20の実行を禁止)する制御を行うこともできる。2枚目以降の用紙Sの紙種検出を行わないことで、その紙種検出に要する時間が不要になり、不要になった時間分、さらなる生産性の向上を図れる。
この制御は、センサーSpの決定を、「直前」に第1検出方式(高精度)で検出された用紙の種類と「過去」に第1検出方式(高精度)で検出されたシートの種類とが異なる場合を要件に実行し、同じ場合には、センサーSpの決定を行わず、2枚目以降の用紙について、メディア検知センサー200(検出手段)に高精度と低精度のいずれの検出も行わせない制御といえる。
一方、「直前」と「過去2」の紙種検出結果が異なると判断すると(ステップS152で「No」)、給紙トレイ1に現に収容されている全ての用紙Sに対する給紙が全て終了するまでの途中で紙種に変更が生じるとして、ステップS153に進む。
上記の例、つまり「過去2」、「過去1」、「直前」の順に実行された3回のトレイ開閉操作において、1回目に「再生紙」、2回目に「普通紙」、3回目に「普通紙」がこの順に継ぎ足し補給された場合には、「直前」と「過去1」の紙種検出結果が同じで、「直前」と「過去2」の紙種検出結果が異なることになる。このことは、「直前」の紙種検出結果と、これよりも「過去」の紙種検出結果とが異なることに等しい。
ステップS153では、用紙履歴テーブル563を参照して、センサー1の「直前」と「過去2」の欄の出力値E1の差分D1を算出し、ステップS154では、用紙履歴テーブル563を参照して、センサー2の「直前」と「過去2」の欄の出力値E2の差分D2を算出し、ステップS155では、用紙履歴テーブル563を参照して、センサー3の「直前」と「過去2」の欄の出力値E3の差分D3を算出し、ステップS156では、用紙履歴テーブル563を参照して、センサー4の「直前」と「過去2」の欄の出力値E4の差分D4を算出する。そして、ステップS87に進む。なお、ステップS153~S156は、上記のステップS83~S86における「過去1」を「過去2」に変更したものに相当する。ステップS87では、センサー1~4のうち、「直前」と「過去2」における出力値の差分が最も大きいセンサー、上記の例では「直前」の「普通紙」に対する出力値と、「過去2」の「再生紙」に対する出力値との差分Dが最も大きいセンサーがセンサーSpに決定される。
これにより、「過去2」の後に、同じ紙種の用紙(例えば普通紙)の継ぎ足しが「過去1」と「直前」の2回行われた場合に、「過去1」よりも古い「過去2」のトレイ開閉操作時に収容されていた用紙(例えば再生紙)の紙種も加味してセンサーSpが決定されるので、用紙の継ぎ足しが2回あった場合でも、継ぎ足し前に収容されていた用紙の紙種も第2検出方式で精度良く検出することが可能になる。
なお、上記では、給紙トレイ1について「過去2」を最も古いトレイ開閉操作とした場合の例を説明したが、これに限られない。「過去2」よりも古い「過去3」、これよりも古い「過去4」などが存在する場合も上記同様に、トレイ開閉操作を「直前」から順に「過去1」、「過去2」・・「過去U」というように1回ずつ過去に遡ったときに、「直前」と、紙種検出結果が最初に異なる「過去u(≦U)」とのセンサー1~4のそれぞれにおける出力値の差分Dが最も大きいセンサーをセンサーSpと決定することができる。
(4)上記実施の形態では、一つの給紙トレイに用紙が継ぎ足された場合、給紙トレイに残っている用紙Sとその上に継ぎ足される用紙Sとが同じサイズであることを前提にしたが、これに限られない。例えば、給紙トレイ1に残っている用紙Sと継ぎ足される用紙Sとが異なるサイズの場合でも、上記同様の紙種検出を行うことができる。
(5)上記実施の形態では、給紙トレイ1、2を装置本体138に対して装置前後方向にスライド自在に支持し、正面(前)側に引き出した後、背面(後)側に押し込む開閉操作を可能な構成例を説明したが、開閉操作が可能な給紙トレイは、この例に限られない。
例えば、給紙トレイが、上面が開放された箱状のトレイ本体と、開放された上面を覆う閉位置と露出させる開位置との間を変位可能にトレイ本体に支持されたトレイカバーを有する、いわゆるカセット方式のものを用いる構成とすることもできる。
この給紙トレイは、トレイ本体の、給紙方向先端側の部分のみが、装置本体138に差し込まれており、トレイカバーが装置本体に干渉することなく、ユーザーが自由に開閉操作を行えるようになっている。
装置本体138に対して給紙トレイを引き出さなくてもトレイカバーを開閉することで用紙Sを補給(用紙の継ぎ足しを含む。)できる。このカセット方式の給紙トレイも、トレイ開閉操作により用紙Sを補給可能な給紙トレイに含まれるとすることができる。
(6)上記の超音波センサー220は、超音波送信機221と超音波受信機222が搬送路201を挟んで対向する構成のものとしたが、これに限られない。例えば、1つの圧電素子が発信素子(超音波送信機221)と受信素子(超音波受信機222)を兼ねる構成のものを用いるとしても良い。
(7)上記実施の形態では、メディア検知センサー200(検出手段)が複数のセンサーとして光学センサーと超音波センサーを含む4個のセンサーを備える構成例を説明したが、これに限られることはない。
光学センサーと超音波センサー以外の紙種検出可能なセンサー、例えば静電センサーや特許文献1に記載の紙厚センサー(図10)などを含むとすることもできる。紙厚センサーも紙種の違いに応じて出力値が変化するので、その変化幅の大小を上記の出力値の差分Dと捉えて制御することができる。すなわち、M(複数)個のセンサーを用いて第1検出方式では紙種を検出し、M個のセンサーのうち、第2検出方式で用いるN(<M)個のセンサーを履歴情報に基づき決定する制御を行う構成とすることができる。
また、センサーで検出可能なシートの種類を普通紙、再生紙、封筒などとしたが、これらに限られないこともいうまでもない。他の種類、例えば薄紙、上質紙、光沢紙などを含め、上記のシートの種類を検出可能な複数のセンサーを備える構成とすることができる。
(8)上記実施の形態では、画像形成装置1がタンデム方式のカラー複合機である場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのはいうまでもなく、画像形成装置1はタンデム方式以外のカラー複合機であってもよいし、モノクロ複合機であってもよい。像担持体上に画像を形成し、像担持体上の画像をシートに転写部で転写した後、シートに転写された画像を定着部で熱定着する画像形成装置とすることができる。像担持体には、感光体ドラムや感光体ベルトなどの感光体、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を含むとすることができる。
また、画像形成装置1は、電子写真方式に限られず、例えばインクジェット方式であっても良い。インクジェット方式において、給紙される用紙Sの紙種に応じてシート搬送速度やインクジェットノズルから吐出するインクの液滴の量や吐出速度などを設定する構成の場合、この搬送速度や液滴の量などの設定が画像形成条件の設定になる。
さらに、画像形成装置に限られず、例えばシートにステープル綴じやパンチ孔の穿孔などの後処理を施す後処理装置に給紙部130(給紙装置)が備えられていても良い。この後処理装置は、紙種の検出結果により後処理の制御を変更する構成とすることができる。
具体的には、ステープル綴じすべき用紙束の用紙が全て同じ紙種と検出されれば、ステープル綴じを行い、異なる紙種の用紙が検出されれば、ステープル綴じを行わない制御である。用紙束に異なる紙種の用紙が混ざっている場合、ユーザーによるトレイへの用紙のセットミスの可能性が高く、用紙のセットミスであれば、ステープル綴じ後にその用紙束のステープル針を解くといった操作が必要になるので、ステープル綴じを行わないことで、このような面倒な操作を回避できる。
また、ステープル綴じ可能な用紙束の厚みの上限が決まっている場合に、紙種の検出結果を取得することで、何枚までの用紙であればステープル綴じできるかを判断できる。例えば、普通紙であれば、所定枚数W1以下の用紙束に対してステープル綴じを行い、所定の坪量以下の厚紙であれば所定枚数W2(<W1)以下の用紙束のみステープル綴じを行うことができる。また、所定の坪量を超える厚紙が用紙束に混ざっていれば、ステープル不可能として1枚でもステープル綴じを行わない制御をとることもできる。パンチ孔についてもステープル綴じと同様の制御とすることができる。後処理装置以外の装置、例えばシート収容装置などにも上記の給紙装置が搭載されるとしても良い。
また、上記実施の形態及び上記変形例の構成をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。