JP7493666B1 - 酸化物半導体薄膜、薄膜半導体装置及びその製造方法、並びにスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

酸化物半導体薄膜、薄膜半導体装置及びその製造方法、並びにスパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高移動度の活性層の薄膜トランジスタを実現できる酸化物半導体薄膜及びそれを用いた薄膜半導体装置及びその製造方法と提供し、また、上述した酸化物半導体薄膜を形成できるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供する。【解決手段】 インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とするアモルファス酸化物半導体で構成され、70≦In≦90at%、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%、5≦Zn≦30at%である酸化物半導体薄膜。【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化物半導体薄膜、薄膜半導体装置及びその製造方法、並びにスパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
In-Ga-Zn-O系酸化物半導体膜(IGZO)を活性層に用いた薄膜トランジスタ(TFT:Thin-Film Transistor)は、従来のアモルファスシリコン膜を活性層に用いたTFTと比較して、高移動度を得ることができることから、近年、種々のディスプレイに幅広く適用されている(例えば、特許文献1~3参照)。
例えば、特許文献1には、有機EL素子を駆動するTFTの活性層がIGZOで構成された有機EL表示装置が開示されている。特許文献2には、チャネル層(活性層)がa-IGZOで構成され、移動度が5cm/Vs以上の薄膜トランジスタが開示されている。特許文献3には、活性層がIGZOで構成され、オン/オフ電流比が5桁以上の薄膜トランジスタが開示されている。
近年、各種ディスプレイにおける高解像度化、低消費電力化、高フレームレート化に関する要求から、より高い移動度を示す酸化物半導体への要求が高まっている。しかしながら、活性層にIGZOを用いる薄膜トランジスタにおいては、移動度で10cm/Vsを超えることが難しかった。
また、電流駆動デバイスの普及によって、高移動度の酸化物半導体が求められているが、高移動度化によって、膜の結晶化による特性のばらつきや加工性の問題、高移動度高キャリア密度によるTFT機能不全等の問題がある。
例えば、特許文献4には、電子キャリア濃度が1018/cm以上の酸化物をTFTのチャネル層に用いた場合、オン・オフ比が十分にとれず、ノーマリーオフ型のTFTにはふさわしくないことが分かったとあり、微結晶を含み、且つ電子キャリア濃度が1018/cm未満である、非晶質酸化物が提案されている。
特開2009-31750号公報 特開2011-216574号公報 WO2010/092810号 特許第5138163号公報
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、高移動度の活性層の薄膜トランジスタを実現できる酸化物半導体薄膜及びそれを用いた薄膜半導体装置及びその製造方法と提供することにある。また、上述した酸化物半導体薄膜を形成できるスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために種々研究を重ねた結果、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とする酸化物半導体で、且つ電子キャリア密度1×1018~1×1020/cm未満のものは、単膜のHall移動度が25cm/V・s以上の高移動度膜が得られ、その結晶性を抑えることで加工性に優れ、安定的にTFT駆動可能であることを知見し、本発明を完成させた。
かかる本発明は、以下のとおりである。
本発明の第1の態様は、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とするアモルファス酸化物半導体で構成され、70≦In≦90at%、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%、5≦Zn≦30at%である酸化物半導体薄膜にある。
本発明の第2の態様は、ホール移動度が25cm/V・s以上である第1の態様の酸化物半導体薄膜にある。
本発明の第3の態様は、キャリア密度が1.0×1018/cm以上1.0×1020/cm未満である第1の態様の酸化物半導体薄膜にある。
本発明の第4の態様は、シュウ酸系エッチャントまたは硫酸・硝酸系エッチャントでエッチングした際のエッチングレートが1nm/sec以上である第1の態様の酸化物半導体薄膜にある。
本発明の第5の態様は、3≦Ga+Ge≦9.5at%である第1の態様の酸化物半導体薄膜にある。
本発明の第6の態様は、Si、Ti、Ni、Y、Ca、Al、Mg、Nb、Ta、Zr、Ba、Hf、W、及びMoから選択される少なくとも1つの添加元素をさらに含有し、Ga、Ge及び前記添加元素の総含有量が10at%以下である第1の態様の酸化物半導体薄膜にある。
本発明の第7の態様は、高移動度のアモルファス酸化物半導体薄膜からなる活性層と、前記活性層の少なくとも一方の面にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記活性層に接続するソース電極及びドレイン電極と、を具備する薄膜半導体装置であって、前記活性層が第1の態様~第6の態様の何れかの酸化物半導体薄膜からなる薄膜半導体装置にある。
本発明の第8の態様は、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の上面に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられており、前記活性層の上面及び下面の少なくとも一方に、前記活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備する場合がある、第7の態様に記載の薄膜半導体装置にある。
本発明の第9の態様は、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の下面に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられており、前記活性層の上面及び下面の少なくとも一方に、前記活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備する場合がある、第7の態様に記載の薄膜半導体装置にある。
本発明の第10の態様は、前記活性層の上面には、エッチングストップ層が設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側の前記エッチングストップ層上に設けられている第9の態様に記載の薄膜半導体装置にある。
本発明の第11の態様は、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の上面及び下面の両側に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられており、前記活性層の上面及び下面の少なくとも一方に、前記活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備する場合がある、第7の態様に記載の薄膜半導体装置にある。
本発明の第12の態様は、第7の態様に記載の薄膜半導体装置の製造方法であって、前記活性層をスパッタリング法で形成する工程と、前記活性層をエッチングによりパターニングする工程と、前記活性層をアニーリングする工程とを具備する薄膜半導体装置の製造方法にある。
本発明の第13の態様は、第8~11の何れかの態様の薄膜半導体装置の製造方法であって、前記活性層をスパッタリング法で形成する工程と、前記活性層をエッチングによりパターニングする工程と、前記活性層をアニーリングする工程とを具備する薄膜半導体装置の製造方法にある。
本発明の第14の態様は、第1~6の何れかの態様に記載の酸化物半導体薄膜を成膜するスパッタリングターゲットであって、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とする酸化物焼結体で構成されるスパッタリングターゲットにある。
本発明の第15の態様は、密度が98%以上である、第14の態様のスパッタリングターゲットにある。
本発明の第16の態様は、70≦In≦90at%、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%、5≦Zn≦30at%であり、L*a*b*表色系で示されるSCIのL*値が厚み方向で±3以内の分布である第14の態様のスパッタリングターゲットにある。
かかる本発明は、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなり、所定の組成のIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とする酸化物半導体とすることにより、電子キャリア密度1×1018/cm以上、1×1020/cm未満で、単膜のHall移動度が25cm/V・s以上の高移動度膜で結晶性が抑えられ、加工性に優れる安定的にTFT駆動可能である酸化物半導体膜が実現できる。
本発明の薄膜半導体装置の構造の一例を示す断面図である。 本発明の薄膜半導体装置の構造の一例を示す断面図である。 本発明の薄膜半導体装置の構造の一例を示す断面図である。 本発明の薄膜半導体装置の構造の一例を示す断面図である。 本発明の薄膜半導体装置の構造の一例を示す断面図である。 表1のサンプル1~4の結晶性の測定結果を示す。 結晶性が一部発現したサンプル23およびサンプル24の測定例を示す。 薄膜半導体装置1の(a)は移動度およびVth、(b)はPBTS、(c)はNBTSを示す。 薄膜半導体装置2の(a)は移動度およびVth、(b)はPBTS、(c)はNBTSを示す。 薄膜半導体装置3の(a)は移動度およびVth、(b)はPBTS、(c)はNBTSを示す。 薄膜半導体装置4の(a)は移動度およびVth、(b)はPBTS、(c)はNBTSを示す。 薄膜半導体装置5、6の移動度およびVthを示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[酸化物半導体薄膜]
本発明の酸化物半導体薄膜は、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とするアモルファス酸化物半導体で構成され、70≦In≦90at%、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%、5≦Zn≦30at%である。
Inは移動度を上昇させる主な元素であり、Znの移動度を上昇させる元素である。Ga、Geは、移動度を低下させる元素であるが、他元素と比較して移動度を下げ難いものである。すなわち、本発明では、高移動度の酸化物半導体材料として代表的なIGZO(In-Ga-Zn-O)系の組成にGeを加え、所定の組成とすることにより、電子キャリア密度1×1018/cm以上、1×1020/cm未満)で、単膜のHall移動度が25cm/V・s以上の高移動度膜で且つ結晶性が抑えられたアモルファス膜となり、加工性に優れ且つ安定的にTFT駆動可能なものとしたものである。
上述したとおり、Ga及びGeの含有量は、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%であるが、好ましくは、3≦Ga+Ge≦9.5at%、より好ましくは、3.5≦Ga+Ge≦7.0at%、さらに好ましくは3.5≦Ga+Ge≦6.0at%となる。Ga及びGeの含有量を上述したようにすることにより、所定の移動度及びキャリア密度が達成できる。すなわち、3≦Ga+Ge≦9.5at%の範囲では、ホール移動度25cm/V・s以上、キャリア密度1×1018~5×1019/cmとなり、3.5≦Ga+Ge≦7.0at%の範囲では、ホール移動度30cm/V・s以上、キャリア密度5×1018~5×1019/cmとなり、3.5≦Ga+Ge≦6.0at%の範囲では、ホール移動度33cm/V・s以上、キャリア密度7×1018~5×1019/cmとなる。なお、Ga及びGeの含有量をこれ以上多くすると、移動度が小さな膜となる。
このような本発明の酸化物半導体薄膜は、300℃程度の大気アニール後のホール移動度が25cm/V・s以上であり、好ましくは、30cm/V・s以上、特に好ましくは、33cm/V・s以上である。
また、大気アニール後のキャリア密度は、1.0×1018/cm以上1.0×1020/cm未満、好ましくは、5.0×1018/cm以上5.0×1019/cm未満である。
本発明の酸化物半導体薄膜は、バンドギャップEgが、2.4eV以上2.8eV以下である。
本発明の酸化物半導体薄膜は、例えば、シュウ酸系のエッチャントであるITO06N・07Nなど(関東化学社製)や、硫酸・硝酸系の混酸系エッチャント等のいずれか、もしくはその他のエッチャントで、1nm/sec以上のエッチングレートでエッチング可能である。
本発明の酸化物半導体薄膜は、以上説明したIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物の特性を阻害しない限り、他の元素を含有してもよい。このような添加元素としては、Si、Ti、Ni、Y、Ca、Al、Mg、Nb、Ta、Zr、Ba、Hf、W、及びMoから選択される少なくとも1つの元素を挙げることができ、上述した特性を阻害しない範囲で含有することができる。これらの添加元素は、Ga、Geと比較して移動度を低下させる度合いが大きいが、他の元素と比較して移動度を下げ難い特性を有するものである。すなわち、これらの添加元素は、10at%以下で添加しても、例えば、移動度を大きく低下させることがない特性を有する。このような添加元素は合計で10at%以下の含有量で含有させることができ、好ましくは、Ga、Ge及び添加元素の総含有量を10at%以下とするのがよい。
なお、SbやSnもGaやGeと同様に移動度を下げ難い性質を有するが、加工性、結晶性、TFT特性の安定性に対して良好な特性が得られないとの理由で、本発明では含有しないのが好ましいものとした。
本発明の酸化物半導体薄膜の成膜方法は、特に限定されない。例えば、成膜する組成と同じ組成のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングにより成膜してもよいし、原子層堆積(ALD)法や真空蒸着法などによって成膜してもよく、アモルファスな酸化物半導体薄膜が成膜できれば成膜方法は特に限定されない。
また、本発明の酸化物半導体薄膜は、TFTなどの薄膜半導体トランジスタである薄膜半導体装置(デバイス)の活性層として用いることができる。
本発明の酸化物半導体薄膜を備える薄膜半導体装置は、高移動度のアモルファス酸化物半導体薄膜からなる活性層と、前記活性層の少なくとも一方の面にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記活性層に接続するソース電極及びドレイン電極と、を具備する薄膜半導体装置であって、前記活性層が上述した本発明の酸化物半導体薄膜からなるものである。
すなわち、酸化物半導体薄膜は、例えば、いわゆるトップゲート型の電界効果型トランジスタ等の薄膜トランジスタにおける高移動度の活性層に利用され、活性層の上部及び下部の少なくとも一方に活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備するタイプの半導体装置としてもよい。また、エッチングストップ層(ESL)構造、バックチャンネルエッチング(BCE)構造、デュアルゲート(DualGate)構造(DoubleGate構造)の電界効果型トランジスタの活性層としても適用可能である。
具体的な薄膜半導体装置は、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の上面に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられている構造を挙げることができる。
かかる薄膜半導体装置の一例の構造を図1に示す。
図1に本発明に係る薄膜トランジスタの一例の概略構成を示す。
本実施形態の薄膜トランジスタ100は、基板10上に、活性層11と、ゲート絶縁膜12と、ゲート電極13と、層間絶縁膜14とを具備し、活性層11から層間絶縁膜14を介して引き出されたソース電極15S及びドレイン電極15Dを有する。
基板10は、典型的には、透明なガラス基板、若しくはバッファー層を成膜した透明なガラス基板である。ゲート電極13は、典型的には、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの金属単層膜あるいは金属多層膜で構成され、例えばスパッタリング法によって形成される。本実施形態では、ゲート電極13は、モリブデンで構成される。ゲート電極13の厚さは特に限定されず、例えば、100nm~500nmである。ゲート電極13は、例えば、スパッタリング法、ALD法、真空蒸着法等で成膜される。
活性層11は、薄膜トランジスタ100のチャネル層として機能する。活性層11の膜厚は、例えば10nm~100nmである。活性層11は、上述した本発明の酸化物半導体薄膜で構成される。活性層11は、例えば、スパッタリング法、ALD法、真空蒸着法等で成膜される。
ゲート絶縁膜12は、ゲート電極13と活性層11との間に形成される。ゲート絶縁膜12は、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)又はこれらの積層膜で構成される。成膜方法は特に限定されず、CVD法でもよいし、スパッタリング法、蒸着法等であってもよい。ゲート絶縁膜12の膜厚は特に限定されず、例えば、50nm~400nmである。
層間絶縁膜14は、ゲート絶縁膜12とゲート電極13を覆うように形成される。層間絶縁膜14は、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)又はこれらの積層膜で構成される。成膜方法は特に限定されず、CVD法でもよいし、スパッタリング法、蒸着法等であってもよい。層間絶縁膜14の膜厚は特に限定されず、例えば、100nm~800nmである。
ソース電極15S及びドレイン電極15Dは、層間絶縁膜14の上に相互に離間して形成される。ソース電極15S及びドレイン電極15Dは、例えば、アルミニウム、モリブデン、銅、チタンなどの金属単層膜あるいはこれら金属の多層膜で構成することができる。後述するように、ソース電極15S及びドレイン電極15Dは、金属膜をパターニングすることで同時に形成することができる。当該金属膜の厚さは、例えば、100nm~1000nmである。ソース電極15S及びドレイン電極15Dは、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等で成膜される。
薄膜トランジスタ100の活性層11の上面及び下面の少なくとも一方に、活性層11よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備するようにしてもよい。
このような薄膜トランジスタの一例を図2に示す。
図2の薄膜トランジスタ100Aは、活性層11の下面及び上面の両方にキャリア密度が小さい半導体薄膜11A及び11Bを有するものである。
半導体薄膜11A及び11Bとしては、例えば、In-Ga-Zn系の材料で、キャリア密度が1.0×1015/cm~1.0×1018/cmの薄膜を挙げることができるが、In-Ga-Zn系に限定されるものではない。また、半導体薄膜11A及び11Bは、活性層11と同様に、例えば、スパッタリング法、ALD法、真空蒸着法等で成膜される。
本発明の薄膜トランジスタとしてはこのような構造に限定されず、図3~図5に示すような構造の薄膜トランジスタとしてもよい。
図3の薄膜トランジスタ100Bは、活性層11の下面にゲート電極13が設けられた構造であり、基板10上にゲート電極13、ゲート絶縁膜12及び活性層11と積層された構造を有し、ソース電極15S及びドレイン電極15Dは、ゲート絶縁膜12及び活性層11上から引き出されている。
図4の薄膜トランジスタ100Cは、図3の薄膜トランジスタ100Bのゲート絶縁膜12及び活性層11の上にエッチングストップ層16を設けた構造を有する。
エッチングストップ層16は、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)で形成され、成膜方法は特に限定されず、CVD法でもよいし、スパッタリング法、蒸着法等であってもよい。エッチングストップ層16の膜厚は特に限定されず、例えば、50nm~300nmである。
図5の薄膜トランジスタ100Dは、デュアルゲートタイプTFTであり、活性層11の下面側にゲート絶縁層12Aを介してボトムゲート電極13Aを有し、上面側にゲート絶縁層12Bを介してトップゲート電極13Bを具備するものであり、ソース電極15S及びドレイン電極15Dは、活性層11から引き出されている。
図3~図5の構造においても、活性層11の上面及び下面の少なくとも一方に、活性層11よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備するようにしてもよい。
なお、以上説明した具体例は横型トランジスタを例示したが、これらに限定されず、縦型トランジスタであってもよいことは言うまでもない。
[スパッタリングターゲット]
次に、本発明のスパッタリングターゲットについて説明する。
スパッタリングターゲットは、プレーナ型のターゲットでもよく、円筒状のロータリターゲットでもよい。スパッタリングターゲットは、In、Ga、Ge及びZnを含む酸化物焼結体からなり、組成比は、上述した酸化物半導体薄膜と同じであり、好ましい組成比も同様であるので、重複する説明は省略する。
本発明のスパッタリングターゲットの酸化物焼結体の組成範囲は、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛を含む酸化物を含む酸化物焼結体で構成され、In、Ga、Ge及びZnの含有量は、上述したとおりである。
本発明のスパッタリングターゲットを構成する酸化物焼結体は、Si、Ti、Ni、Y、Ca、Al、Mg、Nb、Ta、Zr、Ba、Hf、W、及びMoから選択される少なくとも1つの添加元素をさらに含有することができる。
また、本発明の酸化物焼結体は、L*a*b*表色系で示されるSCIのL*値が厚み方向で±3以内の分布である状態となるように製造する必要がある。
このような色味の分布は焼結が平均的に行われたかどうかを表しており、本発明の元素の組成の酸化物は、焼結のむらが生じ易いものであり、雰囲気ガスの組成や流量などにより焼結の平均化を図る必要がある。色味の分布の平均性は、面内方向でも厚さ方向でも必要であるが、特に厚さ方向の分布にむらが生じやすいので、厚さ方向のSCIのL*値を規定しているが、面内方向のSCIのL*値も±3以内の分布となる。但し、これは焼結する装置の状況に応じて異なるので、適宜、調整する必要があるが、最終的にL*a*b*表色系で示されるSCIのL*値で評価するのがポイントとなる。
本発明の酸化物焼結体は、スパッタリングした酸化物半導体薄膜のホール移動度が25cm/V・s以上であり、好ましくは、30cm/V・s以上、特に好ましくは、33cm/V・s以上であり、また、キャリア密度が、1.0×1018/cm以上1.0×1020/cm未満、好ましくは、5.0×1018/cm以上5.0×1019/cm未満となる。
また、スパッタリングした酸化物半導体薄膜は、バンドギャップEgが、2.4eV以上2.8eV以下である。
このように、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成した酸化物半導体薄膜は、25cm/V・s以上の高移動度を有し、キャリア密度が、1.0×1018/cm以上1.0×1020/cm未満が実現できる。
(スパッタリングターゲットの製造方法)
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、上記組成の酸化物焼結体となる方法であれば、特に制限されないが、例えば、以下の2つの製造方法を例示できる。
第1の方法は、酸化インジウム粉末、酸化亜鉛粉末、酸化ガリウム粉末及び酸化ゲルマニウム粉末を混合して成形体を形成し、1100℃以上1650℃以下で前記成形体を焼成して、酸化物焼結体を有するスパッタリングターゲットを製造する方法である。
原料粉末の重量比は、目的となる上述した酸化物焼結体の元素比となるように決定する。
また、第2の方法は、インジウム、亜鉛、ガリウム及びゲルマニウムを、少なくとも一部の酸化物、水酸化物または炭酸塩として混合して900℃~1400℃で仮焼成した前駆体粉末を成形して成形体とし、1100℃以上1650℃以下で前記成形体を焼成して酸化物焼結体を有するスパッタリングターゲットを製造する方法である。ここで、インジウム、亜鉛、ガリウム及びゲルマニウムの少なくとも一部としたのは、一部は元素のまま仮焼して、残りの元素を酸化物などとして配合してもよいという意味である。
なお、原料粉末の重量比は、目的となる上述した酸化物焼結体の元素比となるように決定する。
以下、さらに、第2の方法を例示して詳細に製造方法を説明する。
本実施形態では、乾燥と造粒とを一度に行うことが可能なスプレードライ方式で原料粉末が造粒される。バインダー添加によって粉砕性が悪い粉砕作業が不要になること、流動性がよい球形の粉末を使用できること等により、スパッタリングターゲットの組成分布が均一になりやすくなる。
原料粉末は、インジウム、亜鉛、ガリウム及びゲルマニウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩を少なくとも含む。これに加えて、上述した添加元素の酸化物から選択される一種類以上の粉末を混合してもよい。また、原料粉末の混合には、分散剤等が添加されてもよい。
原料粉末の粉砕・混合方法としては、ボールミルを用いればよいが、ボールミル以外にも、例えば、ビーズミル、ロッドミル等のほかの媒体攪拌ミルが使用可能である。撹拌媒体となるボールやビーズの表面に樹脂コート等が施されてもよい。これにより、粉体中への不純物の混入を効果的に抑制される。
混合された粒粉末は、900℃以上1400℃以下の温度で仮焼成される。焼成温度が900℃未満の場合、仮焼成が不十分で複合酸化物が完全に形成されず、1400℃を超えると、仮焼成で焼結が進行して一次粒子の粒形が大きくなるので、その後の本焼成で焼結密度が上がらなくなる。
仮焼成された粉末は、再びボールミル等で分散剤、バインダー等とともに湿式粉砕され、スプレードライによって造粒される。
造粒粉末の平均粒子径は、500μm以下とされる。造粒粉末の平均粒子径が500μmを超えると、成形体のクラックや割れの発生が顕著となるとともに、焼成体の表面に粒状の点が発する。このような焼成体をスパッタリングターゲットに使用すると、異常放電あるいはパーティクル発生の原因となるおそれがある。
造粒粉末のより好ましい平均粒子径は、20μm以上100μm以下である。これにより、CIP(Cold Isostatic Press)成形前後での体積の変化(圧縮率)が小さく、成形体へのクラック発生が抑制され、長尺の成形体を安定して作製される。なお、平均粒子径が20μm未満の場合、粉末が舞い上がりやすくなり、取り扱いが困難になる。
ここで、「平均粒子径」とは、ふるい分け式粒度分布測定器で測定した粒度分布の積算%が50%の値を意味する。また、平均粒子径の値としては、株式会社セイシン企業社製「Robot Sifter RPS-105M」による測定値が用いられる。
造粒粉末は、100MPa/cm以上の圧力で成形される。これにより相対密度が98%以上の焼結体を得ることができる。成形圧力が100MPa未満の場合、成形体が壊れやすく、ハンドリングが困難であり、焼結体の相対密度が低下する。
成形方法としては、CIP法が採用される。CIPの形態は、典型的な垂直ロードタイプの縦型方式でもよく、好ましくは、水平ロードタイプの横型方式が望ましい。これは、長尺の板状の成形体を縦型のCIPで製作すると、型中の粉末のズレによって厚みにばらつきが生じたり、ハンドリング中に自重で割れたりするからである。
また、成形体は、1100℃~1650℃で焼成して焼結体とされる。
焼成温度が1100℃未満の場合には、導電性及び相対密度が低くなり、ターゲット用途に向かなくなる。一方、焼成温度が1650℃を超えると、一部成分の蒸発が起き、焼成体の組成ずれが発生したり、結晶粒の粗大化によって焼成体の強度が低下したりする。
成形体は、大気あるいは酸化性雰囲気で焼成される。これにより目的とする酸化物焼結体が安定して製造される。
造粒粉末の作製には、一次粒子の平均粒子径がそれぞれ0.3μm以上1.5μm以下の粉末が用いられる。これにより混合・粉砕時間の短縮が可能となり、造粒粉内の原料粉末の分散性が向上する。
造粒粉末の安息角は、32°以下であることが好ましい。これにより造粒粉末の流動性が高まり、成形性及び焼結性が向上する。
(加工工程)
以上のようにして作製された焼成体は、所望の形状、大きさ、厚みの板形状に機械加工されることで、In-Ga-Ge-Zn-O系焼結体からなるスパッタリングターゲットが作製される。スパッタリングターゲットは、バッキングプレートへロウ接体化される。
本実施形態によれば、長手方向の長さが1000mmを超す長尺のスパッタリングターゲットを作製することができる。これにより分割構造でない大型のスパッタリングターゲットを作製できるため、分割部の隙間(継ぎ目)に侵入したボンディング材(ロウ材)がスパッタされることで発生し得る膜特性の劣化を防止し、安定した成膜が可能となる。また、上記隙間へ堆積したスパッタ粒子の再付着(リデポ)を原因とするパーティクルが発生しにくくなる。
[スパッタリングターゲットの評価]
(L*a*b*表色系で示されるSCIのL*値)
L*値はコニカミノルタ製分校測式計 CM-700dを用いて、SCI値(正反射光を含む測定方式)で測定を行った。測定はTarget表面と断面の中心部で行った。
L値は、密度と酸化物の酸素欠損の影響を受け、密度が高いほど酸素欠損量が多いほどL値は低くなる。緻密化した焼結体においては、酸素欠損量の差異をL値の差異から確認できる。
高移動度酸化物半導体膜のスパッタリングにおいては、高移動度膜を得られるための成膜プロセス条件のマージンが狭く適正条件外では結晶化による移動度低下が起きやすい。そのためターゲットの面内の酸素欠損の分布があると成膜された移動度特性の分布に影響を与える。また、厚み方向の酸素欠損量の分布があると、量産時に一定の成膜プロセス条件を維持して生産ができない問題点があり、量産用のターゲット品質としてL*値が均一である必要がある。
(相対密度)
焼結体の密度は水銀アルキメデス法、あるいは寸法と重量から直接計算によって求めた。
(結晶構造)
仮焼成した粉末又は焼結した酸化物焼結体における複合酸化物の生成確認はXRD:X線回折にて確認した。
X線回折で使用される装置、測定条件の一例は、以下の通りである。
X線回折装置:株式会社リガク製RINT
走査方法:2θ/θ法
ターゲット:Cu
管電圧:40kV
管電流:20mA
スキャンスピード:2.000°/分
サンプリング幅:0.050°
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.3mm
(組成ずれの有無)
酸化物焼結体の組成ずれの有無についてはSEM-EDX:エネルギー分散型X線分光法にて確認した。
組成分析で使用される装置、測定条件の一例は、以下の通りである。
SEM-EDX:TM3030 株式会社日立ハイテクノロジーズ
加速電圧:15kV
検出素子タイプ:シリコンドリフト検出器
素子面積:30mm
エネルギー分解能:154eV(Cu-Kα)
検出可能元素:B~Am95
定性分析:オート/マニュアル
定量分析:スタンダードレス法
(サンプル1-31)
マグネトロンスパッタリング装置にアルゴンガスや酸素ガスを導入し、1つのスパッタリングターゲット、もしくは複数のスパッタリングターゲットを用いて、下記表1に示す組成の酸化物半導体薄膜を製造し、ホール移動度、キャリア濃度、所定のエッチャントに対するエッチングレート、結晶性、膜組成を測定した。これらの測定はガラス基板に、20nm~50nmの膜厚で成膜した酸化物半導体膜を使用した。また、膜組成の測定についてはシリコンウェハに成膜したものを使用した。
また、ターゲット組成と膜組成は蛍光X線分析装置(ZSX Primus;リガク製)で確認を行った。ターゲット組成と膜組成の絶対値や組成差異は成膜条件や成膜装置構成、測定器の測定誤差等で若干の違いを生じることがある。
また、X線回折装置(SmartLab;リガク製、2θ/θ法)でアモルファスかどうか確認した。成膜後アニールしていない試料と300℃で大気アニールした試料と400℃で大気アニールした試料の3種類について測定を行い、有意のピークがないブロードなパターン(ハローパターンのみ)が認められた場合はアモルファスとし、急峻な有意なピークが認められたものは結晶性が一部発現したものとした。
結果を表1に示す。X線回折装置でアモルファスか確認した結果は結晶性とし、アモルファスを○、結晶性が一部発現したものを△とした。
表1のサンプル1~4の測定結果を図6に示す。また、結晶性が一部発現したサンプル23およびサンプル24の測定例を図7に示す。
また、エッチングレートは、成膜後アニールしていない試料を使い、エッチャントとしてITO06を用いた。エッチングレートが1.5nm/s以上の場合を◎、1nm/s以上の場合を○、1nm/sより小さい場合を△とした。
ホール効果測定用サンプルをホール効果測定器(HL5500PC;ACCENT製、ResiTest8400AC;東陽テクニカ社製)にセットし、室温においてホール効果を評価し、キャリア密度及び移動度を測定した。
具体的には、試料の4隅に電極を形成し、Hall効果測定器を使用してvan der Pauw法を用いて測定を行った。
以上の結果は表1に示す。
[薄膜半導体装置1-4]
表1のサンプル1-4の組成で成膜した酸化物半導体薄膜を用いて、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
基材10上にバッファー層として厚さ200nmのシリコン酸化膜(SiOx)を成膜し、次いで、活性層11として厚さ25nmの酸化物半導体薄膜を形成した。形成後、ITO06にてエッチングによってパターニングし、300℃大気アニールを行った。
ゲート絶縁膜12は、厚さ100nmのシリコン酸化膜(SiOx)を形成し、形成後、300℃大気アニールを行い、ゲート電極13として、厚さ200nmのモリブデン膜を形成した。
ゲート電極13とゲート絶縁膜12をエッチングによってパターニングし、パターニング後に、酸化物半導体層に導電性を付与させるためのプラズマ処理を行った。
層間絶縁膜14として厚さ500nmのシリコン酸化膜(SiOx)を形成し、形成後、250℃大気アニールを行い、エッチングによってパターニングをした。その後、ソース電極15S、ドレイン電極15Dとして、厚さ300nmのモリブデン膜を形成し、エッチングにてパターニングした。
上記工程でトランジスタを作製し、トランジスタ特性(移動度、Vth、PBTS、NBTS)を評価した。結果を表2および図8~図11に示し、各図の(a)は初期特性、(b)はPBTS、(c)はNBTSを示す。
Vdは5Vで、Vgを-15~+20Vの範囲で可変させて、移動度とVthの測定を行った。
Vthは閾値電圧であり、トランジスタ特性から求めた値である。
PBTS(ΔVth)は、60℃の温度下で+30Vのゲート電圧を60分間印加した後のVthと印加前のVthとの変化量とした。
NBTS(ΔVth)は、60℃の温度下で-30Vのゲート電圧を60分間印加した後のVthと印加前のVthとの変化量とした。
(薄膜半導体装置5,6)
表1のサンプル23、24の組成の酸化物半導体薄膜を活性層とする薄膜半導体装置5、6のトランジスタ特性(移動度、Vth)を評価した。結果を図12に示す。
薄膜半導体装置5の評価の結果、移動度は15.8cm/V・s、Vthは+0.3Vであった。薄膜半導体装置6の評価の結果、移動度は23.9cm/V・s、Vthは+1.8Vであった。
以上の結果、薄膜半導体装置1~4のトランジスタ特性において、移動度が25cm/V・s以上の高い移動度が得られることが確認された。また、スイッチング動作の信頼性の指標となるPBTS特性およびNBTS特性のいずれについてもΔVth≦1Vと良好な値であることが確認された。
一方、一部の結晶性が認められた組成では移動度が25cm/Vs以下となってしまった。
(スパッタリングターゲット実施例1-5、比較例1-3)
下記表3に示す組成となるように、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛を秤量し、ボールミルを用いて混合した。混合された粉末を乾燥した後分級し、酸素雰囲気、大気雰囲気下で焼結することにより、焼結体を得た。
焼結体について、相対密度とL*a*b*表色系で示されるSCIを測定した結果を表3に示す。さらに、混合された粒粉末と酸化物焼結体との焼結前後での組成ずれの有無についてEDXで確認した結果を併せて示す。
実施例1~5において酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛を原料とし、大気中で焼結することで、90%以上の相対密度を持った焼結体が得られた。この焼結体は、特に、1350℃以上1600℃以下で焼結すると、98%以上の相対密度を持ち、SCIのL値の表面と断面の差異は±3以内であった。
比較例1において1650℃以上で焼成したとき、酸化亜鉛の昇華により焼結前後で7%程度の重量減があり、組成ずれが発生した。
比較例2、3において酸素雰囲気で1350℃で焼結した場合、密度98%以上であったが、表面と断面中心部のL値の差は>3であった。
L値は、密度と酸化物の酸素欠損の影響を受け、密度が高いほど酸素欠損量が多いほどL値は低くなる。比較例3は緻密化した焼結体なので、厚み方向に酸素欠損量の差があることがL値から確認できる。
なお、使用する装置や組成によって焼成温度と雰囲気と色度の関係は変化するので、必ずしも実施例の条件でTargetを製作しなくても均一な色度のTargetが得られれば良い。
10 基板
11 活性層
11A 半導体薄膜
11B 半導体薄膜
12 ゲート絶縁膜
12A ゲート絶縁層
12B ゲート絶縁層
13 ゲート電極
13A ボトムゲート電極
13B トップゲート電極
14 層間絶縁膜
15D ドレイン電極
15S ソース電極
16 エッチングストップ層
100,100A~100D 薄膜トランジスタ

Claims (15)

  1. インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とするアモルファス酸化物半導体で構成され、
    70≦In≦90at%、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%、5≦Zn≦30at%である酸化物半導体薄膜。
  2. ホール移動度が25cm/V・s以上である
    請求項1記載の酸化物半導体薄膜。
  3. キャリア密度が1.0×1018/cm以上1.0×1020/cm未満である
    請求項1記載の酸化物半導体薄膜。
  4. シュウ酸系エッチャントまたは硫酸・硝酸系エッチャントでエッチングした際のエッチングレートが1nm/sec以上である
    請求項1記載の酸化物半導体薄膜。
  5. 3≦Ga+Ge≦9.5at%である
    請求項1に記載の酸化物半導体薄膜。
  6. Si、Ti、Ni、Y、Ca、Al、Mg、Nb、Ta、Zr、Ba、Hf、W、及びMoから選択される少なくとも1つの添加元素をさらに含有し、Ga、Ge及び前記添加元素の総含有量が10at%以下である、
    請求項1に記載の酸化物半導体薄膜。
  7. 高移動度のアモルファス酸化物半導体薄膜からなる活性層と、
    前記活性層の少なくとも一方の面にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
    前記活性層に接続するソース電極及びドレイン電極と、を具備する薄膜半導体装置であって、
    前記活性層が請求項1~6の何れか一項に記載の酸化物半導体薄膜からなる
    薄膜半導体装置。
  8. 前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の上面に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられており、前記活性層の上面及び下面の少なくとも一方に、前記活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備する場合がある、
    請求項7に記載の薄膜半導体装置。
  9. 前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の下面に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられており、前記活性層の上面及び下面の少なくとも一方に、前記活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備する場合がある、
    請求項7に記載の薄膜半導体装置。
  10. 前記活性層の上面には、エッチングストップ層が設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側の前記エッチングストップ層上に設けられている
    請求項9に記載の薄膜半導体装置。
  11. 前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極は、前記活性層の上面及び下面の両側に設けられ、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記活性層の上面側に設けられており、前記活性層の上面及び下面の少なくとも一方に、前記活性層よりもキャリア密度が小さい半導体薄膜を具備する場合がある、
    請求項7に記載の薄膜半導体装置。
  12. 請求項7に記載の薄膜半導体装置の製造方法であって、
    前記活性層をスパッタリング法で形成する工程と、
    前記活性層をエッチングによりパターニングする工程と、
    前記活性層をアニーリングする工程とを具備する
    薄膜半導体装置の製造方法。
  13. 請求項8に記載の薄膜半導体装置の製造方法であって、
    前記活性層をスパッタリング法で形成する工程と、
    前記活性層をエッチングによりパターニングする工程と、
    前記活性層をアニーリングする工程とを具備する
    薄膜半導体装置の製造方法。
  14. 請求項1~6の何れか一項に記載の酸化物半導体薄膜を成膜するスパッタリングターゲットであって、
    インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、及び亜鉛からなるIn-Ga-Ge-Zn-Oの酸化物を主成分とする酸化物焼結体で構成され、
    70≦In≦90at%、0<Ga≦10at%、0<Ge≦10at%、5≦Zn≦30at%であり、
    L*a*b*表色系で示されるSCIのL*値が厚み方向で±3以内の分布である
    スパッタリングターゲット。
  15. 密度が98%以上である、
    請求項14記載のスパッタリングターゲット。
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