JP7493552B2 - 運転可否判定装置 - Google Patents

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本発明は、運転可否判定装置に関する。
従来、車両の走行前に運転者が運転に適した状態にあるか否か(運転が可能か否か)を判定する運転可否判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この技術では、車両の走行前に運転者が行う検査として、クラッチペダルを踏みながら指示計の指針を動かし、装置側が指定した課題にペダル操作を追従させることができるか否かで、運転者が運転に適した状態にあるか否かを判定する。
特公昭59-30573号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、判定閾値が一定であるため、運転者の反応速度等に個人差がある場合、反応速度が速い運転者にとっては検査が煩わしく、反応速度が遅い運転者にとっては検査の難易度を高く感じてしまうといった課題がある。
そこで本発明は、運転者の反応速度の個人差を考慮して機器の運転可否の判定を行うことができる運転可否判定装置を提供する。
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、運転者の反応速度が予め定めた閾値(T2)を超えているか否かによって機器(1)の運転の可否を判定する運転可否判定装置(10)であって、予め定めた反応速度検査によって運転者の反応速度を計測し、前記機器(1)の運転可否の判定を行う判定部(12)と、前記閾値(T2)を記憶する記憶部(19)と、を備え、前記閾値(T2)は、前記反応速度検査の結果に基づき更新されることを特徴とする。
この構成によれば、機器の運転時(始動操作時)に運転者の反応速度の検査を行い、反応速度の実績値が閾値未満の場合(反応速度が速い場合)は機器の運転を可能(許可)とし、反応速度の実績値が閾値を越える場合(反応速度が遅い場合)は機器の運転を不能(不許可)とする、といった制御を行うことが可能となる。反応速度検査の閾値は、例えば過去又は事前に行った反応速度検査の結果に基づき、初期値から更新されていくので、運転者(機器保有者)個人の反応速度に応じて、運転可否判定に適した閾値を設定することができる。これにより、反応速度検査の難易度の個人バラツキを抑えて適正化を図り、運転可否判定装置の実用性を高めることができる。
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記運転可否の判定は、複数回の前記反応速度検査を行うことでなされ、前記複数回の前記反応速度検査の結果は、前記記憶部(19)に記憶され、前記反応速度検査の結果の反応速度が速いほど、前記運転可否を判定するための前記反応速度検査の回数(N1)が少なく設定されることを特徴とする。
この構成によれば、記憶部に記憶された過去又は事前の反応速度検査の結果が速いほど、運転可否の判定のための反応速度検査の回数を少なくすることで、より厳しい判定基準(より速い反応速度)をクリアした運転者の場合、少ない回数の反応速度検査によって早く運転可否の判定を完了させることができる。これにより、反応速度が速い運転者に対する運転可否判定の精度を確保しながら、反応速度検査の煩わしさを軽減させることができる。
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記記憶部(19)は、複数の運転者毎の前記閾値(T2)を記憶しており、前記反応速度検査時に運転者を特定することで、特定した運転者に合わせて前記閾値(T2)を切り替えることを特徴とする。
この構成によれば、反応速度検査時に運転者を特定して閾値を切り替えることで、一台の機器を複数の運転者で共用する場合にも、運転者毎に運転可否判定に適した閾値を設定して反応速度検査の難易度の適正化を図り、運転可否判定の個人バラツキを抑えて精度を高め、運転可否判定装置の実用性を高めることができる。
本発明の第四の態様は、上記第一から第三の態様の何れか一つにおいて、前記機器(1)が備える方向指示器(7L,7R)と、運転者が前記方向指示器(7L,7R)による指示方向に向けた操作を行うことが可能な操作部(8a)と、を利用して前記反応速度検査を行うことを特徴とする。
この構成によれば、機器が備える方向指示器と操作部とを利用して反応速度検査を行うことで、検査のための追加の装置が不要となり、コストダウンを図ることができる。
本発明の第五の態様は、上記第四の態様において、前記反応速度検査は、前記方向指示器(7L,7R)の指示に応じて運転者が前記操作部(8a)を操作するまでの反応時間を計測し、かつ前記方向指示器(7L,7R)が指示する方向に前記操作部(8a)が操作されたか否かの正解率を算出し、前記反応時間の実績値(T1)と前記正解率の実績値(R1)とに基づき、前記機器(1)の運転の可否を判定することを特徴とする。
この構成によれば、方向指示器の指示(作動)に応じた運転者の操作の反応時間を計測するとともに、操作部の操作方向の正解率を算出し、これら反応時間および正解率の両実績値に基づき運転可否を判定することで、操作の反応速度および正解率の両観点から運転可否判定を行うことが可能となり、運転者の認知、判断、操作といった運転に必要な能力に基づき運転可否判定の精度を向上させることができる。
本発明の第六の態様は、上記第一から第五の態様の何れか一つにおいて、前記判定部(12)による運転可否判定の結果に基づいて前記機器(1)の駆動システムの作動を制御する制御部(13)を備え、前記制御部(13)は、前記判定部(12)が前記機器(1)の運転が不可であると判定した場合に、駆動制限制御として、前記機器(1)の駆動装置の始動を制限するか、前記駆動システムの駆動待機状態への移行を制限することを特徴とする。
この構成によれば、機器の運転不可判定に基づいて機器の駆動システムを制御する制御部が、機器の駆動装置の始動を制限するか、あるいは機器の駆動システムの駆動待機状態(駆動準備完了状態)への移行を制限することで、機器の運転を確実に制限することができ、運転可否判定装置の実用性を高めることができる。
本発明の第七の態様は、上記第六の態様において、前記駆動制限制御が実行されていることを表示する制限表示部(15a)を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、機器の駆動制限制御が実行されていることを示す制限表示部を備えることで、機器が駆動制限状態にあることを運転者に知らしめることができる。このため、運転者が機器の故障ではなく駆動制限状態にあることを容易に理解することができ、運転可否判定装置の実用性を高めることができる。
本発明の第八の態様は、上記第七の態様において、前記機器(1)が備える運転情報表示装置(15)に、前記制限表示部(15a)が備えられていることを特徴とする。
この構成によれば、機器の運転情報を表示するメータ装置等に、駆動制限制御が実行されていることを示す制限表示部を備えることで、運転者が駆動制限制御がなされていることに気付きやすく、運転可否判定装置の実用性を高めることができる。
本発明の第九の態様は、上記第六から第八の態様の何れか一つにおいて、前記判定部(12)は、前記機器(1)の運転が不可であると判定した後、予め定めた適性回復時間Taの経過後に前記判定をリセットすることを特徴とする。
この構成によれば、機器の運転不可判定後、規定時間の経過後に前記判定が自動的にリセットされることで、追加のリセット操作を設定することなく機器の運転を再開することができる。このため、利便性の高い運転可否判定装置を提供することができる。
本発明の第十の態様は、上記第六から第九の態様の何れか一つにおいて、前記判定部(12)は、前記機器(1)の駆動システムの運転状態から前記駆動システムを停止させた後、予め定めた判定保持時間Tbの間は運転可能判定を維持することを特徴とする。
この構成によれば、機器を運転している状態から駆動システムを停止させた後、規定時間の間は運転可能判定を維持することで、機器の短時間の停止後に運転を再開するような場合には、運転可否判定を改めて行うことを不要として駆動装置の始動等を行うことができる。このため、利便性の高い運転可否判定装置を提供することができる。
本発明によれば、運転者の反応速度の個人差を考慮して機器の運転可否の判定を行うことができる運転可否判定装置を提供することができる。
本発明の実施形態における自動二輪車のメインスイッチユニット周辺の後面図である。 上記自動二輪車の運転可否判定の内訳を示す表である。 上記反応速度検査の閾値および判定回数の更新状況を示す表である。 上記反応速度検査の判定回数と乗車回数との関係を示すグラフである。 上記自動二輪車の運転可否判定装置の構成を示すブロック図である。 上記運転可否判定装置の制御装置の処理を示すフローチャートである。 図6中のサブルーチンの処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車体左右中心を示す線CLが示されている。
図1に示すように、本実施形態における運転可否判定装置10(図5参照)は、例えばスクータ型の自動二輪車(鞍乗り型車両)1に適用されている。図1は、自動二輪車1の乗車位置側(後方側)から見たレッグシールド2周辺を示している。レッグシールド2は、運転者が着座するシート(不図示)の前方に位置し、シートに着座した運転者の脚部への走行風を抑える。
自動二輪車1は、操向輪である前輪と、駆動輪である後輪と、を備えている(何れも不図示)。前輪は、フロントフォーク等の懸架部品に支持され、バーハンドル3によって操向可能である。前輪を含むステアリング系部品は、車体フレーム4の前端部に操向可能に支持されている。車体フレーム4の周囲は、レッグシールド2を含む車体カバー5によって覆われている。自動二輪車1は、走行用の駆動源として、エンジン(内燃機関)および電気モータの少なくとも一つを備えている。
レッグシールド2の後面側(運転者側)には、自動二輪車1の電源をオンオフするためのメインスイッチを含むメインスイッチユニット20が配置されている。メインスイッチユニット20は、例えばレッグシールド2の右側部に配置され、レッグシールド2後面側の取り付け座面に嵌め込まれた状態で、レッグシールド2内側の車体フレーム4等に固定されている。
メインスイッチユニット20は、操作キー25が差し込まれるキーシリンダ21を備えている。キーシリンダ21は、運転者の操作によって操作キー25が差し込まれた状態で回転操作(予め定めた始動操作)が可能であり、この回転操作によって、自動二輪車1の主電源のオンオフがなされるとともに、ハンドルロック等の各種ロック装置の施解錠がなされる。メインスイッチユニット20は、キーシリンダ21の後方側に、キー穴を保護するためのキーシャッター26を備えている。キーシリンダ21と操作キー25との組み合わせは、運転者が自動二輪車1における規定の始動操作を行うためのキー装置11を構成している。
バーハンドル3の左右中間部(左右中央部を含む左右方向内側の規定範囲)には、ハンドルカバー6が取り付けられている。ハンドルカバー6は、前端部にヘッドライト(不図示)が配置されるとともに、上面部にメータ装置15が配置され、左右側部に左右一対のフロントウインカ7L,7Rがそれぞれ配置されている。バーハンドル3の左右側部には、左右グリップ部の左右方向内側に隣接して、左右一対のスイッチボックス8L,8Rが取り付けられている。左右スイッチボックス8L,8Rには、運転者が手指で操作するためのハンドルスイッチが複数配置されている。図中符号8aは左スイッチボックス8Lに備えられるウインカスイッチを示す。左右グリップ部の前方には、運転者が握り込んで操作する左右一対の操作レバー9L,9Rがそれぞれ配置されている。
自動二輪車1の主電源をオンにした状態で、後述する運転可否判定装置10の判定結果が「運転可」の場合には、以下の走行準備動作が可能である。すなわち、駆動源にエンジンを備える車両の場合、不図示のスタートスイッチを操作することで、エンジンを始動させることが可能である。また、駆動源に電気モータを備える車両の場合、不図示のスタートスイッチを操作することで、電気モータを含む駆動システムを駆動待機状態(駆動準備完了状態、アクセル操作によって直ちに走り出せる状態)に移行させることが可能である。
実施形態の自動二輪車1は、運転者による始動操作が行われる前に、運転可否判定装置10において、運転者による自動二輪車1の運転の可否が判定される。この判定結果に基づき、必要に応じて自動二輪車1の駆動システムの運転を制限する制御がなされる。
図5に示すように、運転可否判定装置10は、運転者が始動操作を行うためのキー装置11と、自動二輪車1の運転可否を判定する判定部12と、判定部12による運転可否判定の結果に基づいて自動二輪車1の駆動システムの作動を制御する制御部13と、運転可否判定に係る情報および結果を記憶する記憶装置(記憶部)19と、を備えている。
キー装置11は、運転者が保持する操作キー25と、車体側に搭載されて操作キー25を挿入可能とするキーシリンダ21と、を備えている。
判定部12および制御部13は、例えば自動二輪車1が備える電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)において構成されている。判定部12および制御部13は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。判定部12および制御部13は、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
判定部12は、以下の条件に基づき、自動二輪車1の運転の可否を判定する。判定部12の判定条件は、以下の反応速度検査において運転者が速く正しく反応するか否かである。反応速度検査では、左右フロントウインカ7L,7Rの何れかをランダムに点灯させて運転者に方向を指示し、この指示に応じて運転者がウインカスイッチ8aを操作するまでの反応時間を計測し、かつ指示通りの方向にウインカスイッチ8aを操作しているか否かの正解率を算出する。これら反応時間および正解率に基づき、判定部12が運転の可否を判定する。
左右フロントウインカ7L,7Rの指示通りの方向とは、左右フロントウインカ7L,7Rの一方が点灯した側(左フロントウインカ7Lが点灯すれば左側、右フロントウインカ7Rが点灯すれば右側)を示す。実施形態では、左右フロントウインカ7L,7Rの指示通りの方向にウインカスイッチ8aを操作することを「ウインカキャンセル」ということがある。この操作は、ウインカスイッチ8aのプッシュキャンセルとは関係しない。
判定部12は、前記反応速度検査における反応時間が予め定めた閾値を越える場合(反応が遅い場合)には、当該検査を行った運転者による自動二輪車1の運転は不可であると判定する。この判定に伴い、制御部13がエンジンECUと連係してエンジンの始動を制限し、自動二輪車1の運転を確実に制限する。実施形態では、スタータモータ18を駆動するスタータリレー17に対し、制御装置14が電力供給を停止させることで、エンジンの始動を制限する。エンジンECUは、制御装置14と一体でも別体でもよい。
図2を併せて参照し、判定部12における自動二輪車1の運転可否の判定は、複数回(予め定めた判定(検査)回数N1)の反応速度検査を行うことでなされる。複数回の反応速度検査の結果は、記憶装置19において記憶され、平均反応時間(実績値T1)が算出される。判定部12は、前記平均反応時間(実績値T1)が予め定めた閾値T2を越える場合に、自動二輪車1の運転が不可であると判定する。
また、判定部12は、前記複数回の反応速度検査の結果から、前記正解率(「指示通りの方向にウインカスイッチ8aが操作された回数」/「検査全回数」)R1を算出する。判定部12は、前記正解率R1が予め定めた閾値R2未満の場合にも、自動二輪車1の運転が不可であると判定する。
図2の一行目の例では、判定回数N1が5回の反応速度検査が行われ、平均反応時間の実績値T1は、閾値T2(例えば0.5sec)に対して小さい0.3secであり、閾値T2未満の合格範囲にある。また、正解率の実績値R1は、閾値R2(例えば80%)に対して大きい100%であり、閾値R2を越える合格範囲にある。この検査結果から、図2の一行目の例では合格(運転可能)判定がなされている。なお、平均反応速度の実績値T1は、指示通りの方向にウインカスイッチ8aを操作した場合の結果のみに基づいて算出される。
図2の二行目の例では、上記同様、判定回数N1が5回の反応速度検査が行われ、平均反応時間の実績値T1は、閾値T2(例えば0.5sec)に対して小さい0.3secであるものの、正解率の実績値R1は、閾値R2(例えば80%)に対して小さい60%であるため、不合格(運転不能)の判定がなされている。
図2の三行目の例では、上記同様、判定回数N1が5回の反応速度検査が行われ、正解率の実績値R1は、閾値R2(例えば80%)に対して大きい100%であるものの、平均反応時間の実績値T1は、閾値T2(例えば0.5sec)に対して大きい0.8secであるため、不合格(運転不能)の判定がなされている。
このように、平均反応時間および正解率の両実績値T1,R1がともに合格範囲にある場合のみ、自動二輪車1の運転が可能であるとの判定がなされる。
利用者(運転者)が飲酒、過労、病気等により運転適性を低下させた状態では、自動二輪車1の運転に必要な認知、判断、操作といった能力が低下する。この場合、上記した反応速度検査を行うと、反応速度が遅くなるか正解率が低下するといった結果が想定される。したがって、エンジン始動前(メインスイッチユニット20のオン操作前)に反応速度検査を利用した運転可否判定を行い、反応速度および正解率の両方が合格範囲にある場合には、利用者(運転者)が運転適性を有する状態にある(自動二輪車1を運転可能な状態にある)と判定し、エンジン始動を可能とする。反応速度および正解率の一方でも合格範囲にない場合には、利用者(運転者)が運転適性を低下させた状態にある(自動二輪車1を運転不可な状態にある)と判定し、エンジン始動を不能とする。
図3を併せて参照し、実施形態において、反応速度検査における平均反応時間の閾値T2と判定回数(検査回数)N1とは、過去又は事前に行った反応速度検査の結果(実績値T1)に基づき、初期値T0から更新(補正)される。
図3の一行目を参照し、平均反応時間の閾値T2の初期値T0は1.5sec、判定回数N1の初期値N0は10回に設定されている。平均反応時間の閾値T2の初期値T0は、これ以上時間が掛かるようであれば自動二輪車1の運転に適さないという上限値に相当する。判定回数N1の初期値N0は、データ取りのために多めに設定されている。
上記した各初期値T0,N0に対し、過去又は事前に行った反応速度検査の結果に基づき、平均反応時間の閾値T2と判定回数N1とが更新される。
図3の二行目を参照し、ある運転者Aの例では、平均反応時間の実績値T1が0.8secであることから、平均反応時間の閾値T2は実測値T1に0.1secを加算した0.9secに設定される。この閾値T2は初期値T0よりも十分に速いので、このような運転者は判定回数N1を少なくして短時間で判定が完了するように、判定回数N1は5回に設定される。
図3の三行目を参照し、ある運転者Bの例では、平均反応時間の実測値T1が1.2secであることから、平均反応時間の閾値T2は実測値T1に0.1secを加算した1.3secに設定される。この閾値T2は初期値T0よりもやや速い程度なので、このような運転者は判定回数N1の減少量を抑えて確実な判定を行うように、判定回数N1は7回に設定される。
図3の四行目を参照し、ある運転者Cの例では、平均反応時間の実測値T1が0.3secであることから、平均反応時間の閾値T2は実測値T1に0.1secを加算した0.4secに設定される。この閾値T2は初期値T0よりも十分速く、かつ前記運転者Aよりもさらに速いので、判定回数N1をより少なくして短時間で判定が完了するように、判定回数N1は3回に設定される。
反応速度検査の結果(反応速度)は個人毎の特性(差異)があるので、判定回数N1の初期値N0は多めに設定して個人のデータ取りを行う。ある程度のデータが積み重なれば、判定回数N1を少なくしてエンジン始動を行うことが可能である。
すなわち、図4のグラフに示すように、運転者の乗車回数が増加するほど、判定回数N1を初期値N0から減少させることが可能である。
上記のような構成は、自動二輪車1の運転者が固定されている前提であるが、複数の運転者で自動二輪車1を共用するような場合、以下の構成が考えられる。
すなわち、別の運転者が自動二輪車1を運転する場合には、例えば規定の設定リセット操作を行うとともに、規定の認証方法によって運転者を特定し、平均反応時間の閾値T2および判定回数N1を切り替え可能とする。運転者毎の反応速度検査の結果(平均反応時間、正解率、判定回数)は、記憶装置19に記憶する。平均反応時間、正解率、判定回数の相対関係、ならびに運転可否判定との関係等は、表形式又は数式で近似し、記憶装置19に予め記憶しておく。
複数の運転者が想定される場合、運転者毎に最初は判定回数N1を多くしてデータ取りを行い、運転者毎に適した運転可否判定を可能としておく。運転者の認証方法としては、例えばボタン操作又はダイヤル操作等によって規定数の運転者を認証可能とする構成が考えられる。また、指紋認証又は顔認証等を可能としたり、運転者が所有するいわゆるスマートフォン、タブレット端末等との通信により運転者を認証可能とする構成も考えられる。
次に、図5を参照し、実施形態における自動二輪車1の運転可否判定装置10の主な構成について説明する。
運転可否判定装置10は、キー装置11と、制御装置14と、記憶装置19と、メータ装置15と、バッテリ16と、スタータリレー17と、スタータモータ18と、左右フロントウインカ7L,7Rと、ウインカスイッチ8aと、を備えている。
キー装置11は、キーシリンダ21および操作キー25を備えている。キーシリンダ21は、制御装置14に接続されている。キーシリンダ21および制御装置14は、車体側に搭載されている。
制御装置14は、判定部12および制御部13を構成する電子制御ユニットである。制御装置14には、キーシリンダ21の他、記憶装置19、メータ装置15、前記スタートスイッチおよびバッテリ16等が接続されている。
記憶装置19は、反応速度検査に係る情報(閾値、検査結果等)が記憶されている。記憶装置19は、制御装置14と別体の構成に限らず、制御装置14と一体の構成(制御装置14内の記憶部)であってもよい。
メータ装置15は、車速を示す速度計およびエンジン回転数を示す回転計ならびに各種インジケータ(特に左右一対のウインカインジケータ15bL,15bR)等を備えている。メータ装置15は、自動二輪車1の各種運転状態を運転者に表示する。メータ装置15は、運転可否判定の結果に基づきエンジン始動制限が実行されていることを運転者に表示する制限表示部15aを備えている。制限表示部15aは、例えば始動制限時に点灯または点滅するランプでもよく、あるいは液晶パネル等を利用した表示装置であってもよい。制限表示部15aは、メータ装置15とは独立して設けられてもよい。
バッテリ16は、例えば自動二輪車1の補機用電源として車載された12Vバッテリである。
スタータリレー17は、スタートスイッチの操作により制御装置14から供給された一次電流に応じてオンオフするスイッチであり、バッテリ16とスタータモータ18との間の電力供給の有無を切り替える。
スタータモータ18は、バッテリ16から供給された電力によって駆動し、エンジンをクランキングさせてエンジン始動を可能とする。
運転者がエンジン始動操作を行うために操作キー25をキーシリンダ21に挿入して電源オン側に回転させると、エンジン始動前に運転可否判定のための反応速度検査が開始される。反応速度検査の結果、当該検査を行った運転者が、自動二輪車1を運転可能な状態にあると判定されると、前記スタートスイッチによるエンジン始動が可能(有効)となる。この場合、運転者は、通常通りにエンジンを始動させて自動二輪車1を運転する(走行させる)ことができる。
一方、反応速度検査の結果、当該検査を行った運転者が、自動二輪車1を運転不可な状態にあると判定されると、前記スタートスイッチによるエンジン始動が不能(無効)となる。この場合、運転者は、エンジンを始動させることができず、自動二輪車1を運転することができない。
上記した運転可否の判定は、制御装置14の判定部12においてなされる。判定部12が運転不可と判定した場合、制御装置14の制御部13は、エンジンECUと連係してエンジンの始動を制限する制御(駆動制限制御)を行う。駆動制限制御がなされると、自動二輪車1の電源オン状態でスタートスイッチが操作されても、スタータリレー17に一次電流が供給されない(スタータリレー17がオン作動しない)。その結果、スタータモータ18が駆動せず、エンジンが始動させず、自動二輪車1の運転が制限(規制)される。
このとき、メータ装置15の制限表示部15aは、運転可否判定の結果(運転不可判定)に基づきエンジンを始動させることができない旨を表示する。
運転が不可であるとの判定(運転者が運転適性を低下させた状態にあるとの判定)は、例えば飲酒による酩酊状態から回復する程度の時間(予め定めた適性回復時間Ta、例えば24時間)が経過した後にリセットされる。なお、所定時間の経過を待つ以外にも、特定のリセット操作等に応じて、運転が不可であるとの判定をリセット可能としてもよい。
運転可否判定は、エンジンを停止する度に行われると、特に正常な運転者は煩わしさを感じることがある。この煩わしさを低減するために、実施形態では、運転が可能であるとの判定(運転者が運転適性を有する状態にあるとの判定)がなされてエンジンを始動させた状態から、キーシリンダ21の回転等によりエンジンを停止した後、例えば軽食、飲み物等を買いに行く程度の時間(予め定めた判定保持時間Tb、例えば15分程度)の間は、運転可否判定を不要としてエンジン始動を可能とする構成としている。
制御装置14は、操作キー25をキーシリンダ21に挿入して電源オン側に回転させると、待機電力が供給されて待機状態となる。
例えば、自動二輪車1が以下の防犯装置を備える場合、操作キー25の認証に伴い制御装置14に電力が供給されて待機状態となる構成としてもよい。前記防犯装置は、予め設定された認証エリア内で車両と操作キー25(リモートキー)との間の通信を行うことによって、操作キー25の認証を行うものである。また、例えば自動二輪車1が位置情報を検知又は取得可能であれば、場所および時間帯等の条件に応じて、制御装置14に電力が供給されて待機状態となる構成としてもよい。
左右フロントウインカ7L,7Rならびにウインカスイッチ8aの各々と制御装置14との間には、左右フロントウインカ7L,7Rならびにウインカスイッチ8aを運転可否判定装置10の構成として機能させるための制御配線が配索されている。この制御配線は、例えば左右フロントウインカ7L,7Rを自動二輪車1の方向指示器として機能させるための配線として機能してもよく、あるいは制御配線とは別に配線を配索してもよい。運転可否判定では、左右フロントウインカの何れかをランダムに点灯させて運転者に方向を指示し、この指示に応じて運転者がウインカスイッチ8aを操作する反応速度検査が行われる。
左ウインカインジケータ15bLは、左フロントウインカ7Lの点灯(点滅)に同期して点灯(点滅)し、右ウインカインジケータ15bRは、右フロントウインカ7Rの点灯(点滅)に同期して点灯(点滅)する。反応速度検査においては、左右フロントウインカ7L,7Rおよび左右ウインカインジケータ15bL,15bRをともに点灯させるが、左右フロントウインカ7L,7Rのみを点灯させたり、左右ウインカインジケータ15bL,15bRのみを点灯させたりしてもよい。
また、例えば自動二輪車1がハンドル舵角を検知するセンサを備える場合、左右フロントウインカ7L,7R等が点灯する方向へハンドル操作を行うことで、反応速度検査を行ってもよい。同様に、例えば自動二輪車1がバーハンドル3に装着された左右操作レバー9L,9Rの操作をそれぞれ検知するセンサを備える場合、左右フロントウインカ7L,7R等が点灯する方向の操作レバーを操作することで、反応速度検査を行ってもよい。
次に、制御装置14で行われる運転可否判定に係る処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。以下の処理は、制御装置14が待機状態にある場合に所定の制御周期で繰り返し実行される。図6のフローチャートでは、運転者の「運転適性低下状態」の一例として「飲酒状態」と記載している。
まず、イグニッションオフ後で適性回復時間Ta、判定保持時間Tbが経過した等の条件が揃った後、キーシリンダ21が電源オン側に操作されると、制御装置14は、運転者の反応速度検査として、ウインカキャンセルまでの反応時間の計測を複数回行う(ステップ(サブルーチン)S1)。その後、ウインカキャンセル(キャンセル操作)の平均反応時間の実績値T1が予め定めた閾値T2(規定時間)を越えるか否か(又は閾値T2以上か否か)の判定がなされる(ステップS2)。
ステップS2でYES(閾値T2を越える)の場合、判定部12において飲酒状態であると判定され(ステップS3)、制御部13においてエンジン始動不可な状態(エンジン始動が制限された状態)への移行がなされる(ステップS4)。
ステップS2でNO(閾値T2を越えない)の場合、判定部12において飲酒状態ではないと判定され(ステップS5)、制御部13においてエンジン始動可能な状態への移行がなされる(ステップS6)。
図7は、図6のサブルーチンS1における処理を示している。
サブルーチンS1では、まず、運転者の操作によってキーシリンダ21が電源オン側に回転されたことを検知し(ステップS11)、制御装置14が電源供給されたオン状態であることを検知する(ステップS12)。次いで、左右フロントウインカ7L,7Rの何れか一方をランダムに点灯させ(ステップS13)、この点灯に対するウインカスイッチ8aによるキャンセル操作を検知する(ステップS14)。このようなウインカキャンセルまでの操作時間(反応時間)を計測して記憶装置19に記憶し(ステップS15)、その後、予め定めた判定回数N1の検査がなされたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16でNO(判定回数N1未満)の場合、ステップS13から反応時間の計測等を繰り返し行う。ステップS16でYES(判定回数N1完了)の場合、ステップS2に移行し、算出した平均反応時間の実測値T1が閾値T2を越えるか否かの判定がなされる。
実施形態では、自動二輪車1がエンジン(内燃機関)を走行用の駆動源とする場合の例について説明したが、以下の例も考えられる。すなわち、自動二輪車1が走行用の駆動源に電気モータを含む電動車両である場合、判定部12において運転不可と判定されると、制御部13において駆動システムの駆動待機状態(駆動準備完了状態)への移行が制限され、判定部12において運転可能と判定された場合に、制御部13において駆動システムの駆動待機状態(駆動準備完了状態)への移行が実行されてもよい。
以上説明したように、上記実施形態における運転可否判定装置10は、運転者の反応速度が予め定めた閾値T2を超えているか否かによって自動二輪車1の運転の可否を判定する運転可否判定装置10であって、予め定めた反応速度検査によって運転者の反応速度を計測し、前記自動二輪車1の運転可否の判定を行う判定部12と、前記閾値T2を記憶する記憶装置19と、を備え、前記閾値T2は、前記反応速度検査の結果に基づき更新される。
この構成によれば、自動二輪車1の運転時(始動操作時)に運転者の反応速度の検査を行い、反応速度の実績値T1が閾値T2未満の場合(反応速度が速い場合)は自動二輪車1の運転を可能(許可)とし、反応速度の実績値T1が閾値T2を越える場合(反応速度が遅い場合)は自動二輪車1の運転を不能(不許可)とする、といった制御を行うことが可能となる。反応速度検査の閾値T2は、例えば過去又は事前に行った反応速度検査の結果に基づき、初期値T0から更新されていくので、運転者(自動二輪車1の保有者)個人の反応速度に応じて、運転可否判定に適した閾値T2を設定することができる。これにより、反応速度検査の難易度の個人バラツキを抑えて適正化を図り、運転可否判定装置10の実用性を高めることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記運転可否の判定は、複数回の前記反応速度検査を行うことでなされ、前記複数回の前記反応速度検査の結果は、前記記憶装置19に記憶され、前記反応速度検査の結果の反応速度が速いほど、前記運転可否を判定するための前記反応速度検査の回数(判定回数N1)が少なく設定される。
この構成によれば、記憶装置19に記憶された過去又は事前の反応速度検査の結果が速いほど、運転可否の判定のための反応速度検査の回数を少なくすることで、より厳しい判定基準(より速い反応速度)をクリアした運転者の場合、少ない回数の反応速度検査によって早く運転可否の判定を完了させることができる。これにより、反応速度が速い運転者に対する運転可否判定の精度を確保しながら、反応速度検査の煩わしさを軽減させることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記記憶装置19は、複数の運転者毎の前記閾値T2を記憶しており、前記反応速度検査時に運転者を特定することで、特定した運転者に合わせて前記閾値T2を切り替える。
この構成によれば、反応速度検査時に運転者を特定して閾値T2を切り替えることで、一台の自動二輪車1を複数の運転者で共用する場合にも、運転者毎に運転可否判定に適した閾値T2を設定して反応速度検査の難易度の適正化を図り、運転可否判定の個人バラツキを抑えて精度を高め、運転可否判定装置10の実用性を高めることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記自動二輪車1が備えるフロントウインカ7L,7Rと、運転者が前記フロントウインカ7L,7Rによる指示方向に向けた操作を行うことが可能なウインカスイッチ8aと、を利用して前記反応速度検査を行う。
この構成によれば、自動二輪車1が備えるフロントウインカ7L,7Rとウインカスイッチ8aとを利用して反応速度検査を行うことで、検査のための追加の装置が不要となり、コストダウンを図ることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記反応速度検査は、前記フロントウインカ7L,7Rの指示に応じて運転者が前記ウインカスイッチ8aを操作するまでの反応時間を計測し、かつ前記フロントウインカ7L,7Rが指示する方向に前記ウインカスイッチ8aが操作されたか否かの正解率を算出し、前記反応時間の実績値T1と前記正解率の実績値R1とに基づき、前記自動二輪車1の運転の可否を判定する。
この構成によれば、フロントウインカ7L,7Rの指示(作動)に応じた運転者の操作の反応時間を計測するとともに、ウインカスイッチ8aの操作方向の正解率を算出し、これら反応時間および正解率の両実績値T1,R1に基づき運転可否を判定することで、操作の反応速度および正解率の両観点から運転可否判定を行うことが可能となり、運転者の認知、判断、操作といった運転に必要な能力に基づき運転可否判定の精度を向上させることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記判定部12による運転可否判定の結果に基づいて前記自動二輪車1の駆動システムの作動を制御する制御部13を備え、前記制御部13は、前記判定部12が前記自動二輪車1の運転が不可であると判定した場合に、駆動制限制御として、前記自動二輪車1の駆動装置の始動を制限するか、前記駆動システムの駆動待機状態への移行を制限する。
この構成によれば、自動二輪車1の運転不可判定に基づいて自動二輪車1の駆動システムを制御する制御部13が、自動二輪車1の駆動装置の始動を制限するか、あるいは自動二輪車1の駆動システムの駆動待機状態(駆動準備完了状態)への移行を制限することで、自動二輪車1の運転を確実に制限することができ、運転可否判定装置10の実用性を高めることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記駆動制限制御が実行されていることを表示する制限表示部15aを備えている。
この構成によれば、自動二輪車1の駆動制限制御が実行されていることを示す制限表示部15aを備えることで、自動二輪車1が駆動制限状態にあることを運転者に知らしめることができる。このため、運転者が自動二輪車1の故障ではなく駆動制限状態にあることを容易に理解することができ、運転可否判定装置10の実用性を高めることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記自動二輪車1が備える運転情報表示装置(メータ装置15)に、前記制限表示部15aが備えられている。
この構成によれば、自動二輪車1の運転情報を表示するメータ装置15に、駆動制限制御が実行されていることを示す制限表示部15aを備えることで、運転者が駆動制限制御が実行されていることに気付きやすく、運転可否判定装置10の実用性を高めることができる。
上記運転可否判定装置10において、前記判定部12は、前記自動二輪車1の運転が不可であると判定した後、予め定めた適性回復時間Taの経過後に前記判定をリセットする。
この構成によれば、自動二輪車1の運転不可判定後、規定時間の経過後に前記判定が自動的にリセットされることで、追加のリセット操作を設定することなく自動二輪車1の運転を再開することができる。このため、利便性の高い運転可否判定装置10を提供することができる。
上記運転可否判定装置10において、前記判定部12は、前記自動二輪車1の駆動システムの運転状態から前記駆動システムを停止させた後、予め定めた判定保持時間Tbの間は運転可能判定を維持する。
この構成によれば、自動二輪車1を運転している状態から駆動システムを停止させた後、規定時間の間は運転可能判定を維持することで、自動二輪車1の短時間の停止後に運転を再開するような場合には、運転可否判定を改めて行うことを不要としてエンジンの始動等を行うことができる。このため、利便性の高い運転可否判定装置10を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、本実施形態の運転可否判定装置は、自動二輪車以外の鞍乗り型車両に適用してもよい。前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪(四輪バギー等)の車両も含まれる。また、鞍乗り型車両以外の車両(乗用車、バス、トラック等)に適用してもよい。
本実施形態の運転可否判定装置は、車両に適用されるものであるが、本発明は車両への適用に限らず、航空機や船舶等の種々輸送機器、ならびに建設機械や産業機械等、様々な乗物や移動体に適用してもよい。さらに、本発明は、乗物以外でも利用者が運転を行う機器であれば、例えば手押しの芝刈り機や清掃機等に広く適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(機器)
7L,7R 左右フロントウインカ(方向指示器)
8a ウインカスイッチ(操作部)
10 運転可否判定装置
12 判定部
13 制御部
15 メータ装置(運転情報表示装置)
15a 制限表示部
19 記憶装置(記憶部)
N1 判定回数(検査の回数)
R1 正解率の実績値
R2 正解率の閾値
T1 反応時間の実績値
T2 反応速度の閾値
Ta 適性回復時間
Tb 判定保持時間

Claims (10)

  1. 運転者の反応速度が予め定めた閾値(T2)を超えているか否かによって機器(1)の運転の可否を判定する運転可否判定装置(10)であって、
    予め定めた反応速度検査によって運転者の反応速度を計測し、前記機器(1)の運転可否の判定を行う判定部(12)と、
    前記閾値(T2)を記憶する記憶部(19)と、を備え、
    前記機器(1)は、前記運転者が操作可能な操作部(8a)を備え、
    前記反応速度検査は、前記機器(1)の指示に応じて運転者が前記操作部(8a)を操作するまでの反応時間を複数回計測した平均時間を前記反応時間の実績値(T1)とし、前記実績値(T1)に基づき、前記機器(1)の運転の可否を判定するとともに、
    前記閾値(T2)は、前記反応速度検査である前記実績値(T1)の結果に基づき更新されることを特徴とする運転可否判定装置。
  2. 前記運転可否の判定は、複数回の前記反応速度検査を行うことでなされ、
    前記複数回の前記反応速度検査の結果は、前記記憶部(19)に記憶され、
    前記反応速度検査の結果の反応速度が速いほど、前記運転可否を判定するための前記反応速度検査の回数(N1)が少なく設定されることを特徴とする請求項1に記載の運転可否判定装置。
  3. 前記記憶部(19)は、複数の運転者毎の前記閾値(T2)を記憶しており、
    前記反応速度検査時に運転者を特定することで、特定した運転者に合わせて前記閾値(T2)を切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の運転可否判定装置。
  4. 前記機器(1)方向指示器(7L,7R)を備え、前記操作部(8a)は運転者が前記方向指示器(7L,7R)による指示方向に向けた操作を行うことを可能とさせ、
    前記方向指示器(7L,7R)と、前記操作部(8a)と、を利用して前記反応速度検査を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の運転可否判定装置。
  5. 前記反応速度検査は、前記方向指示器(7L,7R)が指示する方向に前記操作部(8a)が操作されたか否かの正解率を算出し、
    前記反応時間の実績値(T1)と前記正解率の実績値(R1)とに基づき、前記機器(1)の運転の可否を判定することを特徴とする請求項4に記載の運転可否判定装置。
  6. 前記判定部(12)による運転可否判定の結果に基づいて前記機器(1)の駆動システムの作動を制御する制御部(13)を備え、
    前記制御部(13)は、前記判定部(12)が前記機器(1)の運転が不可であると判定した場合に、駆動制限制御として、前記機器(1)の駆動装置の始動を制限するか、前記駆動システムの駆動待機状態への移行を制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転可否判定装置。
  7. 前記駆動制限制御が実行されていることを表示する制限表示部(15a)を備えていることを特徴とする請求項6に記載の運転可否判定装置。
  8. 前記機器(1)が備える運転情報表示装置(15)に、前記制限表示部(15a)が備えられていることを特徴とする請求項7に記載の運転可否判定装置。
  9. 前記判定部(12)は、前記機器(1)の運転が不可であると判定した後、予め定めた適性回復時間Taの経過後に前記判定をリセットすることを特徴とする請求項6に記載の運転可否判定装置。
  10. 前記判定部(12)は、前記機器(1)の駆動システムの運転状態から前記駆動システムを停止させた後、予め定めた判定保持時間Tbの間は運転可能判定を維持することを特徴とする請求項6に記載の運転可否判定装置。
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