JP7492589B2 - たばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品 - Google Patents

たばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品 Download PDF

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Description

本発明は、たばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品に関する。
たばこ刻を有するたばこロッド部、フィルターを備えるマウスピース部、及びこれらを巻装するチップペーパー等の部材から構成されるたばこ製品は、従来より長年使用されているシガレット(紙巻きたばこ)や、シガレットの代替品として近年注目されており、燃焼を伴わずに電気加熱を利用した電気加熱式たばこ製品用のたばこ香味吸引物品等に使用されている。
通常のシガレット(紙巻きたばこ)は、たばこ乾燥葉を1mm程度の幅で刻んだものに香料、保湿剤、適度な水分を添加したものを、おもに紙でできたラッパーで円柱状に巻装したたばこロッドと、酢酸セルロース等からなる繊維、もしくは、ひだ付けした紙を、紙でできたラッパーで円柱状に巻装したマウスピースロッドとを、端と端で突き合わせてライニングペーパーで接続して作られている。通常のシガレット使用時は、たばこロッドの端部に使用者がライター等で着火し、マウスピース端部から吸引することで喫煙が行われる。たばこロッド先端の火種部は800℃を超える温度で燃焼する。
一方で、通常の電気加熱式たばこ製品は、通常のシガレットと類似した円柱状の電気加熱式たばこ製品用のたばこ香味吸引物品と、電池、コントローラ、及びヒーター等とを有する加熱デバイスからなる。ヒーターは電気抵抗によるものとIHによるものがあり、電気抵抗によるヒーターについては、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品との接点は、円柱状の非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品の外側から加熱するように構成されたもの、もしくは、針状、ブレード状のものを非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品の先端からたばこ充填層に挿入するものがある。
一般的なシガレット及び電気加熱式たばこ製品は、エアロゾル等を吸引する際に混ざる空気量の調整や、香味の軽減、ニコチンやタールの軽減等の機能を有するフィルターを有する。フィルターに関しては、これらの基本的な機能とは別の機能を付与するために、添加剤を添加する技術が知られている。
特許文献1には、喫煙用物品用フィルターに、顆粒基材、特定の温度以上の油脂、及びポリオールを含む顆粒状の吸着剤を付与することにより、油染みの抑制や特定範囲の炭化水素の吸着性の効果を付与することができる技術が開示されている。
国際公開第2018/008608号
特許文献1に開示される顆粒状の吸着剤は、特定範囲の炭化水素の吸着性及び油染みの抑制の効果を付与することができる油脂以外にも、デキストリンや粉糖のような基材を必須の成分としており、所望の効果を得るためにコストがかかってしまう問題があった。また、このような基材の存在により、顆粒が脆くなってしまい、フィルター製造時に微粉が製造装置に付着してしまうため、清掃を頻繁に行わなければならない問題がった。さらに、顆粒が脆いために、運搬時やフィルター製造時に顆粒のサイズが変わり、通気抵抗のばらつきが大きくなってしまう問題があった。
そこで、上記の課題を解決するため、本発明では、従来の油脂含有吸着剤で得られる効果を同様に奏しつつも、コストを抑えることができ、脆さが改善されたたばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定範囲の炭化水素の除去機能を有し、かつ、特定の温度以上の融点を有する油脂を含む一方で、デキストリンや粉糖等の基材を含まない構成を有する吸着剤を備えるフィルターを用いることにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]融点が50℃以上の油脂を含む顆粒状の吸着剤を含むフィルターであって、100℃で10分間加熱した際の120mm当たりの通気抵抗の減少率が5%以上である、たばこ製品用フィルター。
[2]前記吸着剤の平均粒子径が、355μm以上、1400μm以下である、[1]に記載のたばこ製品用フィルター。
[3]たばこ製品用フィルターに含まれる濾材中の前記吸着剤の含有量が、5重量%以上、60重量%以下である、[1]又は[2]に記載のたばこ製品用フィルター。
[4]前記吸着剤全量を100重量%としたときの前記融点が50℃以上の油脂の含有量が、60重量%超である、[1]~[3]のいずれかに記載のたばこ製品用フィルター。
[5]前記融点が50℃以上の油脂が、融点が50℃以上の硬化油脂である、[1]~[4]のいずれかに記載のたばこ製品用フィルター。
[6]前記融点が50℃以上の硬化油脂が、ハイエルシン菜種極度硬化油、菜種極度硬化油、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、牛脂極度硬化油、及び豚脂極度硬化油から選ばれる1種以上である、[5]に記載のたばこ製品用フィルター。
[7][1]~[6]のいずれかに記載のたばこ製品用フィルターを有する、たばこ製品。
[8]シガレット用である、[7]に記載のたばこ製品。
[9]電気加熱式たばこ製品用である、[7]に記載のたばこ製品。
[10]ヒーター部材と、該ヒーター部材の電力源となる電池ユニットと、該ヒーター部材を制御するための制御ユニットとを備える電気加熱型デバイスと、該ヒーター部材に接触するように挿入される、[9]に記載のたばこ製品と、から構成される、電気加熱式たばこ製品。
本発明によれば、従来の油脂含有吸着剤で得られる効果を同様に奏しつつも、コストを抑えることができ、脆さが改善されたたばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品を提供することができる。
実施例で用いたフィルターにおける加熱による通気抵抗の減少率を示すグラフである。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、これらの説明は本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
また、本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
また、本明細書において、「複数」は、特段の断りがない限り、2以上であることを表す。
<たばこ製品用フィルター>
本発明の一実施形態であるたばこ製品用フィルター(単に「たばこ製品用フィルター」又は「フィルター」とも称する。)は、融点が50℃以上の油脂を含む顆粒状の吸着剤を含むフィルターであって、100℃で10分間加熱した際の120mm当たりの通気抵抗の減少率が5%以上である、たばこ製品用フィルターである。
上記の吸着剤は、油脂を含むために、特定範囲の炭化水素の除去機能を有し、該油脂の融点が50℃以上であるために、使用前の油染みを抑制することができる。さらに、デキストリンや粉糖のような基材を必須成分としないために、コストを低く抑えることができるだけでなく、脆さが改善されるため、フィルター製造時の製造装置への微粉の付着が生じにくいため、清掃が容易となり、さらに、運搬時やフィルター製造時の顆粒サイズの変化が生じにくいために通気抵抗のばらつきを小さくすることができる。該油脂は、50℃で融解するため、加熱時にフィルター中に染み出す。よって、加熱による通気抵抗の減少率が大きくなり、ひいては使用時の香味の変化が大きくなる。具体的には、油脂の融解により、フィルター中に油脂が染み出して通気抵抗が低下するとともに、フィルターによる香味成分の濾過能力の程度も低下するため、使用時の香味の変化が大きくなる。なお、油脂を含む吸着剤による特定範囲の炭化水素の除去機能及び油染みの抑制効果については、国際公開第2018/008608号に開示される通りである。特定範囲の炭化水素の除去機能は、油脂の含有に起因する機能であり、油染みの抑制効果については、油脂の融点を50℃以上とすることに起因する効果である。また、従来の基材を含む吸着剤を用いた場合と、本実施形態に係る基材を含まない吸着剤を用いた場合とを、同じ重量で比較した場合、本実施形態に係る基材の方が、相対的な油脂成分量が多くなるため、加熱時のフィルター全体に対する融解した油脂の染み出しの範囲が大きくなり(油脂の表面積が大きくなり)、特定範囲の炭化水素の除去機能や通気抵抗の減少効果も優れたものになる。
また、電気加熱式たばこ製品は、シガレットと比較して、使用初期に対する使用後半の香味低下が大きくなる傾向があるが、本実施形態に係るフィルターを用いることにより、加熱後の通気抵抗の減少率を大きくすることができるため、使用後半における香味の低下を小さくすることができる。
さらに、従来の基材を含む吸着剤の製造では、少なくとも、基材を含む原材料の混合工程、顆粒の成形工程、及び粒径の選別工程が必要となるが、基材を含まない吸着剤の製造では、基材を含む原材料の混合工程を必須の工程としないため、本実施形態に係るフィルターの方が製造工程を簡略化することが容易となり、ひいてはコストを低く抑えることができる。
フィルターの態様は、上記の吸着剤を含んでいれば、その他の構成は特段制限されず、公知の態様を採用してよく、公知の態様としては例えば、セルロースアセテートトウを円柱状に加工したものを挙げることができる。セルロースアセテートトウの単糸繊度、及び総繊度は特に限定されないが、円周22mmのマウスピース部材の場合は、単糸繊度は1.5デニール以上、12.0デニール以下であってもよく、5デニール以上、8デニール以下であってもよく、また、総繊度は12000デニール以上、50000デニール以下であってもよく、15000デニール以上、50000デニール以下であってもよい。本明細書において、単繊度の単位「デニール」は、9000m当たりの繊維1本の重量(g/9000m)を表し、総繊度の単位「デニール」は、9000m当たりの繊維全本数の重量(g/9000m)を表す。なお、セルロースアセテートトウは、例えば、1.9Y44000と表示されるが、これは、当業者に周知のように、単繊度が1.9デニール、繊維断面がY字型、総繊度が44000デニールであることを意味する。また、セルロースアセテートトウの繊維の断面形状は、円形、楕円形、Y字型、I字型、又はR字型等が挙げられる。また、セルロースアセテートトウは、アセチル置換度2.4~2.5(ジアセテート)のセルロースアセテートにより構成することができる。また、セルロースアセテートトウを充填したフィルターの場合は、フィルター硬さを向上させるためにトリアセチンをセルロースアセテートトウ重量に対して、5重量%以上、10重量%以下添加してもよい。
該アセテートフィルターの代わりに、シート状のパルプ紙を充填したペーパーフィルターを用いる態様でもよい。
フィルターは、そのサイズや、含み得る吸着剤以外の添加物、通気抵抗以外の特性等の条件は、適宜設計することができる。
以下、吸着剤やフィルターの条件について具体的に説明する。
吸着剤は、融点が50℃以上の油脂を含み、かつ、顆粒状であれば特段制限されない。
融点が50℃以上の油脂を含有することで、使用前における吸着剤の周囲への油染みを防止することができる。融点が50℃未満であり、常温で液状の油脂を含有させた場合には、使用前における吸着剤の周囲への油染みを防ぐことはできない。なお、通常、たばこ製品用フィルターを製造した後、倉庫等で保管する場合、夏場では倉庫等の内部の温度が40℃以上になることもあり、融点が高くない一般的な油脂を用いた場合には油染みが発生してしまう一方で、融点が50℃以上の油脂を用いた場合には油染みの発生を抑制することができる。つまり、本実施形態に係るたばこ製品用フィルターであれば、厳しい保管条件でも製品劣化が生じにくい。
融点が50℃以上の油脂の種類は特段制限されないが、好ましくは融点が50℃以上の硬化油脂を挙げることができる。
硬化油脂とは、原料となる常温で液状の油脂に水素を付加して得られる加工油脂のことであり、本実施形態では融点が50℃以上の硬化油脂を用いることが好ましい。
融点が50℃以上の硬化油脂としては、ハイエルシン菜種極度硬化油、菜種極度硬化油、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、牛脂極度硬化油、及び豚脂極度硬化油などから選ばれる1種以上の食用の硬化油を挙げることができ、特に、煙中成分の吸着特性の観点から、ハイエルシン菜種極度硬化油が好ましい。
融点が50℃以上の油脂は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を任意の種類及び比率で混合して用いることもできる。
本実施形態の吸着剤における、融点が50℃以上の油脂の含有量は、吸着剤全量を100重量%としたとき、加熱による通気抵抗の減少率の増加の観点から、60重量%超であることが好ましく、65重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましく、80重量%以上であることが特に好ましく、さらに、85重量%以上であってよく、90重量%以上であってもよく、95重量%以上であってもよく、また、顆粒化の容易性の観点から、通常100重量%以下であり、95重量%以下であることが好ましい。上記の吸着剤の含有量を60重量%超とすることで、従来の吸着剤を用いた態様と比較して、吸着剤の脆さが改善され、かつ、加熱時の油脂の融解が促進されるために通気抵抗の減少率を増加させることができる。
上記のような含有量の範囲は、吸着剤の形状を顆粒状にする観点からも好ましい。
吸着剤は、ポリオールを含んでいてもよく、例えば、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール、糖類、または糖アルコール類等が挙げられる。中でも常温で液体のポリオールが好ましく、少なくともグリセリンを含むことがさらに好ましい。ポリオールは、その添加により煙量感を向上させることができる、具体的には、ポリオールが上記の顆粒の内部に存在する場合、加熱による顆粒の溶解の際にポリオールが外部に曝されて気化するため、煙量感が向上する。特に、使用時においては、使用の後半に油脂が融解するため、必然的に使用の後半における煙量感を向上させることができる。
吸着剤におけるポリオールの使用量は、当業者であれば適宜決定することができるが、例えば、油脂1重量部に対して0.050重量部以上、0.100重量部以下、好ましくは0.055重量部以上、0.080重量部以下、より好ましくは0.060重量部以上、0.075重量部以下で用いることができる。
吸着剤は、下記の実施例でも明らかなように、炭素数10以上、20以下程度の炭化水素の吸着能力が優れている。これは本実施形態の吸着剤が上記で説明した組成、特に融点が50℃以上の油脂を用いていることによるものである。
顆粒状の吸着剤のサイズとしては、篩により分級される粒子のサイズが250μm以上、1400μm以下である態様を挙げることができ、250μm以上、500μm以下である態様も挙げることができ、355μm以上、1400μm以下である態様を挙げることができ、特に、355μm以上、600μm以下である態様が好ましい。これらの篩により分級される粒子のサイズは、最小粒子径及び最大粒子径として扱うこともでき、また、平均粒子径の範囲として扱うこともできる。吸着剤のサイズは、使用原料の量を調整することで変更することができる。
また、顆粒状の吸着剤は、顆粒を凝集させて一定の大きさに成形したものとして用いてもよい。
吸着剤には、上記の成分に加えて他の任意の成分、例えば香料等を加えてもよい。そのような任意成分の含有量は、吸着剤の全量を100重量%としたときに、20重量%以下である態様を挙げることができ、10重量%以下であることが好ましい。
ただし、吸着剤は、コストを抑える観点、及び脆さを改善する観点から、デキストリンや粉糖等の基材を含まないことが好ましい。本明細書において、基材とは、油脂を凝着させる吸着剤の核となるような材料であり、具体的には、デキストリン、デンプン、粉糖、又は結晶セルロース等が挙げられる。
吸着剤は、例えば以下のような工程を含む製造方法により作製することができる。
本実施形態の吸着剤の製造方法は、融点50℃以上の油脂をオシレータ等を用いて解砕させる解砕工程、及び解砕した油脂を所望の粒径の範囲に整粒させる整粒工程を含む態様を挙げることができる。また、ポリオール等の油脂以外の材料を用いる場合、例えば、融点50℃以上の油脂を、その融点よりも高い温度で加熱して融解させる融解工程と、油脂以外の材料を添加して撹拌した後に冷却する冷却工程とを含む態様を挙げることができる。冷却後、上記の態様と同様に、固形化した顆粒塊を解砕させる工程、及び解砕した顆粒塊を整粒させる工程をさらに含んでいてもよい。
融点50℃以上の油脂を加熱する際の温度としては、例えば、70℃以上、80℃以下を挙げることができる。
以下、フィルターの条件について説明するが、フィルターが上記の吸着剤を含む態様は特段制限されず、任意の態様で含んでいてよい。
吸着剤に含まれる濾材中の吸着剤含有量は、特段制限されないが、特定範囲の炭化水素の除去機能及び油染みの抑制効果を有しつつ、コストを抑えることができ、脆さが改善され、かつ、通気抵抗を低くすることができる観点から、通常5重量%以上であり、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましく、また、通常60重量%以下であり、55重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましく、45重量%以下であることがさらに好ましい。吸着剤の含有量が少なすぎると、加熱による通気抵抗の減少利率が低くなり、香味の変化が小さくなり、また、吸着剤の含有量が多すぎると、加熱後の溶融した吸着剤がフィルターの表面まで染み出してしまうため、外観が悪くなってしまう。なお、本明細書における「濾材」は、フィルターから巻取紙を除いた部材の材料(具体的には、アセテートトウ等の繊維等からなる濾過能力を有する材料と、該材料に添加され得る任意の添加物とを含む材料)を意味する。また、上記の含有量は実質的に添加量とほぼ同じであるため、含有量と添加量とを同義で扱ってよい。
また、フィルター長10mm(フィルター円周16.8~25.8mm)当たりの吸着剤の重量は、特段制限されないが、特定範囲の炭化水素の除去機能及び油染みの抑制効果を有しつつ、コストを抑えることができ、脆さが改善され、かつ、通気抵抗を低くすることができる観点から、通常5.0mg/10mm以上であり、7.5mg/10mm以上であることが好ましく、10.0mg/10mm以上であることがより好ましく、12.5mg/10mm以上であることがさらに好ましく、また、通常60.0mg/10mm以下であり、57.5mg/10mm以下であることが好ましく、55.0mg/10mm以下であることがより好ましく、52.5mg/10mm以下であることがさらに好ましい。フィルターの周方向に対する断面の面積当たりの吸着剤の重量は、フィルターに含まれる吸着剤の重量をフィルターの軸方向の長さで割った値である。
フィルターの形態は、特段制限されず、単一のフィルターセグメントを含むプレーンフィルタや、デュアルフィルタ又はトリプルフィルタ等の複数のフィルターセグメントを含むマルチセグメントフィルタ等とすることができる。フィルターが複数のセグメントからなる場合、上記の吸着剤は、少なくともいずれか1つのセグメントに含まれていてよい。なお、吸着剤は、フィルターの全体に均一に分散させるように添加されてもよく、所望の箇所にまとめて添加されてもよく、また、フィルターセグメントとフィルターセグメントの間に設けられたスペースに添加されてもよい。
フィルターの形状は、特段制限されず、公知の形状を採用することができ、通常は円柱状の形状とすることができ、以下の態様とすることができる。
また、フィルターは、周方向の断面が中空(空洞)となるキャビティ(センターホール等)やリセス等のセクションを設けていてもよい。なお、本発明の効果を得る観点からは、センターホール等の中空を有するキャビティを有する場合、該キャビティ以外のフィルターの部材に吸着剤を添加することが好ましい。
フィルターの通気は、公知の方法によって行えばよく、例えば、予め穿孔された包装材または空気透過性包装材を利用する、または、包装材料およびチップ・オーバーラップ(存在する場合)をレーザー穿孔することを利用することによって行えばよい。通気用フルチップ・オーバーラップは、同様に、本来的に空気透過性であってよく、または通気孔を設けてもよい。包装材およびチップ・オーバーラップの両方が存在する通気性製品において、オーバーラップの通気部は、好ましくは、包装材料(例えば、プラグラップ)の通気部の位置と合わせる。フィルター包装材を貫通する通気孔、チップ・オーバーラップを貫通する通気孔、またはこの両方を同時に貫通する通気孔は、フィルターの製造中に、レーザー穿孔によって形成してもよい。
フィルターの軸方向の断面形状は実質的に円形であり、その円の直径は、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常4.0mm以上、9.0mm以下であり、4.5mm以上、8.5mm以下であることが好ましく、5.0mm以上、8.0mm以下であることがより好ましい。なお、断面が円形でない場合、上記の直径は、その断面の面積と同じ面積を有する円を仮定し、その円における直径が適用される。
フィルターの軸方向の断面形状の周の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常14.0mm以上、27.0mm以下であり、15.0mm以上、26.0mm以下であることが好ましく、16.0mm以上、25.0mm以下であることがより好ましい。
フィルターの軸方向の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常15mm以上、35mm以下であり、17.5mm以上、32.5mm以下であることが好ましく、20.0mm以上、30.0mm以下であることがより好ましい。なお、通常、フィルターは、軸方向の長さが120mm程度の状態で販売され、その状態から、製品のサイズに合わせて所望の長さにカットされる。
フィルターの密度は、特段制限されないが、通常0.10g/cm以上、0.25g/cm以下であり、0.11g/cm以上、0.24g/cm以下であることが好ましく、0.12g/cm以上、0.23g/cm以下であることがより好ましい。
フィルターを100℃で10分間加熱した際のフィルター長120mm当たりの通気抵抗は、特段制限されないが、通常50mmWG(ウォーターゲージ)以上、300mmWG以下であり、70mmWG以上、280mmWG以下であることが好ましく、90mmWG以上、260mmWG以下であることがより好ましい。
フィルターの通気抵抗は、ISO標準法(ISO6565:2015)に従って、例えばセルリアン社製フィルター通気抵抗測定器を使用して測定される。フィルター通気抵抗は、フィルターの側面における空気の透過が行なわれない状態で一方の端面(第1端面)から他方の端面(第2端面)に所定の空気流量(17.5cc/min)の空気を流した際の、第1端面と第2端面との気圧差を指す。単位は、一般的にはmmWGで表す。フィルター通気抵抗とフィルター長さとの関係は、通常実施する長さ範囲(長さ5mm~200mm)においては比例関係であることが知られていて、長さが倍になれば、フィルターの通気抵抗は倍になる。
100℃で10分間加熱する方法は特段制限されず、例えば、100℃の乾燥機にフィルターを入れることで実施してよく、乾燥機に入れる前後でのフィルターの通気抵抗を測定して上記の通気抵抗の減少率を求めればよい。
フィルターを100℃で10分間加熱した際のフィルター長120mm当たりの通気抵抗の減少率は、5%以上であれば特段制限されないが、香味変化の観点から、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、25%以上であること特に好ましく、また、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましく、60%以下であること特に好ましい。
カプセル(当該技術分野では「添加剤放出容器」とも呼ばれる)の態様は特段制限されず、公知の態様を採用してよく、例えば、ゼラチン等の破砕可能な外殻を含む破砕可能な添加剤放出容器とすることができる。この場合、カプセルは、たばこ製品の使用者により使用前、使用中、または使用後に破壊されると、カプセル内に含まれる液体または物質(通常、香味剤)を放出し、次に、該液体または物質は、たばこ製品を使用する間はたばこの煙に伝達され、使用後においては周囲の環境へと伝達される。
カプセルの形態は、特段限定されず、例えば、易破壊性のカプセルであってよく、その形状は球であることが好ましい。カプセルに含まれる添加剤としては、上述した任意の添加剤を含んでいてもよいが、特に、香味剤や活性炭素を含むことが好ましい。また、添加剤として、煙を濾過する一助となる1種類以上の材料を加えてもよい。添加剤の形態は、特段限定されないが、通常、液体又は固体である。なお、添加剤を含むカプセルの使用は、当技術分野において周知である。また、易破壊性のカプセルおよびその製造方法は、本技術分野において周知である。
香味剤としては、例えば、メンソール、スペアミント、ペパーミント、フェヌグリーク、クローブ、もしくは中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等、又はこれらの組み合わせであってよい。
フィルターは、強度及び構造剛性の向上の観点から、上述フィルターの材料を巻装する巻取紙(フィルタープラグ巻取紙)を備えていてよい。巻取紙の態様は特段制限されず、一列以上の接着剤を含む継ぎ目を含んでいてよい。該接着剤は、ホットメルト接着剤を含んでいてよく、さらに該ホットメルト接着剤は、ポリビニルアルコールを含み得る。また、フィルターが二以上のセグメントからなる場合、フィルターラッパーは、これらの二以上のセグメントを併せて巻装することが好ましい。
巻取紙の材料は特段制限されず、公知のものを用いることができ、また、炭酸カルシウム等の充填剤等を含んでいてよい。
巻取紙の厚さは、特段制限されず、通常20μm以上、140μm以下であり、30μm以上、130μm以下であることが好ましく、30μm以上、120μm以下であることがより好ましい。
巻取紙の坪量は、特段制限されず、通常20gsm以上、100gsm以下であり、22gsm以上、95gsm以下であることが好ましく、23gsm以上、90gsm以下であることがより好ましい。
また、巻取紙は、コーティングされていても、されていなくともよいが、強度や構造剛性以外の機能を付与できる観点からは、所望の材料でコーティングされることが好ましい。
フィルターは、公知の方法で製造することができ、例えば、アセテートトウの等の合成繊維を用いる場合、ポリマー及び溶媒を含むポリマー溶液を紡糸し、これを捲縮する方法により製造することができる。該方法としては、例えば、国際公開第2013/067511号に記載の方法を用いることができる。上述の吸着剤を添加するタイミングは、特段制限されず、例えば、上記の紡糸後かつ捲縮前の繊維に添加してもよく、捲縮中に添加してもよく、また、捲縮後(例えば、複数のフィルターセグメントの接続時等)に添加してもよい。また、吸着剤は、フィルターの全体に均一に分散させるように添加させてもよく、所望の箇所にまとめて添加させてもよく、また、フィルターセグメントとフィルターセグメントの間に設けられたスペースに添加させてもよい。
<たばこ製品>
本発明の別の実施形態であるたばこ製品(単に「たばこ製品」とも称する。)は、上述したたばこ製品用フィルターを有する、たばこ製品である。
たばこ製品は、フィルターを有する態様であれば特段制限されず、公知の態様とすることができ、例えば、たばこ刻を有するたばこロッド部、フィルターを備えるマウスピース部、及びこれらを巻装するチップペーパー等の部材から構成されるたばこ製品とすることができる。以下、この構成を有するたばこ製品の条件について詳細に説明する。
棒状のたばこ製品は、以下のように定義されるアスペクト比が1以上である形状を満たす柱状形状を有していることが好ましい。
アスペクト比=h/w
wは柱状体の底面の幅(本明細書においては、たばこロッド部側の底面の幅とする。)、hは高さであり、h≧wであることが好ましい。本明細書においては、長軸方向はhで示された方向であると規定する。したがって、仮にw≧hである場合においてもhで示された方向を便宜上長軸方向と称する。底面の形状は限定されず、多角、角丸多角、円、又は楕円等であってよく、幅wは当該底面が円形の場合は直径、楕円形である場合は長径、多角形または角丸多角である場合は外接円の直径または外接楕円の長径である。
たばこ製品の長軸方向の長さhは、特段制限されず、例えば、通常40mm以上であり、45mm以上であることが好ましく、50mm以上であることがより好ましい。また、通常100mm以下であり、90mm以下であることが好ましく、85mm以下であることがより好ましい。
たばこ製品の柱状体の底面の幅wは、特段制限されず、例えば、通常5mm以上であり、5.5mm以上であることが好ましい。また、通常10mm以下であり、9mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましい。
たばこ製品の長軸方向の通気抵抗は、特段制限されないが、吸い易さの観点から、通常50mmWG以上であり、60mmWG以上であることが好ましく、70mmWG以上であることがより好ましく、また、通常200mmWG以下であり、190mmWG以下であることが好ましく、180mmWG以下であることがより好ましい。
この通気抵抗の測定方法は、上述のフィルターで説明した通気抵抗の測定方法を同様に適用することができる。
[たばこロッド部]
たばこロッド部の態様は、公知の態様であれば特段制限されないが、通常、たばこ充填物を巻紙で巻装してなる態様である。
たばこ充填物を巻紙で巻装してなるたばこロッド部は、柱状形状を有していることが好ましく、この場合には、たばこロッド部の底面の幅に対するたばこロッド部の長軸方向の高さで表されるアスペクト比が1以上であることが好ましい。
底面の形状は限定されず、多角、角丸多角、円、又は楕円等であってよく、幅は当該底面が円形の場合は直径、楕円形である場合は長径、また、多角形または角丸多角である場合は外接円の直径または外接楕円の長径である。たばこロッド部を構成するたばこ充填物の高さは10~70mm程度、幅は4~9mm程度であることが好ましい。
また、たばこロッド部は、電子加熱式たばこ製品用として用いられる場合、たばこ製品を加熱するためのヒーター部材等との嵌合部を有していてもよい。
(たばこ充填物)
(1)第一のたばこ充填物
まず、第一のたばこ充填物(単に「第一の充填部」とも称する。)から説明する。第一の充填物に含まれるたばこ刻みの材料は特に限定されず、ラミナや中骨等の公知のものを用いることができる。また、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20μm以上、200μm以下になるように粉砕してたばこ粉砕物とし、これを均一化したものをシート加工したもの(以下、単に均一化シートともいう)を刻んだものであってもよい。さらに、たばこロッドの長手方向と同程度の長さを有する均一化シートを、たばこロッドの長手方向と略水平に刻んだものをたばこロッドに充填する、いわゆるストランドタイプであってもよい。たばこ刻の幅は0.5mm以上、2.0mm以下がたばこロッドに充填するうえで好ましい。たばこロッド中のたばこ充填物の含有量は、円周22mm、長さ20mmのたばこロッドの場合、200mg/ロッド部以上、800mg/ロッド部以下を挙げることができ、250mg/ロッド部以上、600mg/ロッド部以下が好ましい。前記たばこ刻み及び均一化シートの作製に用いるたばこ葉について、使用するたばこの種類は、様々なものを用いることができる。例えば、黄色種、バーレー種、オリエント種、在来種、その他のニコチアナ-タバカム系品種、もしくはニコチアナ-ルスチカ系品種等、又はこれらの混合物を挙げることができる。混合物については、目的とする味となるように、前記の各品種を適宜ブレンドして用いることができる。前記たばこの品種の詳細は、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に開示されている。前記均一化シートの製造方法、すなわち、たばこ葉を粉砕して均一化シートに加工する方法は従来の方法が複数存在している。1つ目は抄紙プロセスを用いて抄造シートを作製する方法である。2つ目は水等の適切な溶媒を、粉砕したたばこ葉に混ぜて均一化した後に金属製板もしくは金属製板ベルトの上に均一化物を薄くキャスティングし、乾燥させてキャストシートを作製する方法である。3つ目は水等の適切な溶媒を、粉砕したたばこ葉に混ぜて均一化したものをシート状に押し出し成型して圧延シートを作製する方法である。前記均一化シートの種類については、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に詳細が開示されている。
たばこ充填物の水分含有量は、たばこ充填物の全量に対して10重量%以上、15重量%以下を挙げることができ、11重量%以上、13重量%以下であることが好ましい。このような水分含有量であると、巻染みの発生を抑制し、たばこロッドの製造時の巻上適性を良好にする。
第一のたばこ充填物に含まれるたばこ刻みの大きさやその調製法については特に制限はない。例えば、乾燥したたばこ葉を、幅0.5mm以上、2.0mm以下に刻んだものを用いてもよい。
また、均一化シートの粉砕物を用いる場合、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20~200μm程度になるように粉砕して均一化したものをシート加工し、それを幅0.5mm以上、2.0mm以下に刻んだものを用いてもよい。
第一のたばこ充填物は、エアロゾル煙を生成するエアロゾル生成基材を含んでいてもよい。当該エアロゾル生成基材の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質及び/又はそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル生成基材としては、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、もしくは1,3-ブタンジオール等、又はこれらの混合物を挙げることができる。
第一のたばこ充填物中のエアロゾル生成基材の含有量は、特に限定されず、十分にエアロゾルを生成させるとともに、良好な香味の付与の観点から、たばこ充填物の全量に対して通常5重量%以上であり、好ましくは10重量%以上であり、また、通常50重量%以下であり、好ましくは15重量%以上、25重量%以下である。
第一のたばこ充填物は、香料を含んでいてもよい。当該香料の種類は、特に限定されず、良好な香味の付与の観点から、アセトアニソール、アセトフェノン、アセチルピラジン、2-アセチルチアゾール、アルファルファエキストラクト、アミルアルコール、酪酸アミル、トランス-アネトール、スターアニス油、リンゴ果汁、ペルーバルサム油、ミツロウアブソリュート、ベンズアルデヒド、ベンゾインレジノイド、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、2,3-ブタンジオン、2-ブタノール、酪酸ブチル、酪酸、カラメル、カルダモン油、キャロブアブソリュート、β-カロテン、ニンジンジュース、L-カルボン、β-カリオフィレン、カシア樹皮油、シダーウッド油、セロリーシード油、カモミル油、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シンナミルアルコール、ケイ皮酸シンナミル、シトロネラ油、DL-シトロネロール、クラリセージエキストラクト、ココア、コーヒー、コニャック油、コリアンダー油、クミンアルデヒド、ダバナ油、δ-デカラクトン、γ-デカラクトン、デカン酸、ディルハーブ油、3,4-ジメチル-1,2-シクロペンタンジオン、4,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジヒドロフラン-2-オン、3,7-ジメチル-6-オクテン酸、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-メチル酪酸エチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン酸エチル、イソ吉草酸エチル、乳酸エチル、ラウリン酸エチル、レブリン酸エチル、エチルマルトール、オクタン酸エチル、オレイン酸エチル、パルミチン酸エチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ステアリン酸エチル、吉草酸エチル、エチルバニリン、エチルバニリングルコシド、2-エチル-3,(5または6)-ジメチルピラジン、5-エチル-3-ヒドロキシ-4-メチル-2(5H)-フラノン、2-エチル-3-メチルピラジン、ユーカリプトール、フェネグリークアブソリュート、ジェネアブソリュート、リンドウ根インフュージョン、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ブドウ果汁、グアヤコール、グァバエキストラクト、γ-ヘプタラクトン、γ-ヘキサラクトン、ヘキサン酸、シス-3-ヘキセン-1-オール、酢酸ヘキシル、ヘキシルアルコール、フェニル酢酸ヘキシル、ハチミツ、4-ヒドロキシ-3-ペンテン酸ラクトン、4-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシ-1-ブテニル)-3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、4-(パラ-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、4-ヒドロキシウンデカン酸ナトリウム、インモルテルアブソリュート、β-イオノン、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソブチル、ジャスミンアブソリュート、コーラナッツティンクチャー、ラブダナム油、レモンテルペンレス油、カンゾウエキストラクト、リナロール、酢酸リナリル、ロベージ根油、マルトール、メープルシロップ、メンソール、メントン、酢酸L-メンチル、パラメトキシベンズアルデヒド、メチル-2-ピロリルケトン、アントラニル酸メチル、フェニル酢酸メチル、サリチル酸メチル、4’-メチルアセトフェノン、メチルシクロペンテノロン、3-メチル吉草酸、ミモザアブソリュート、トウミツ、ミリスチン酸、ネロール、ネロリドール、γ-ノナラクトン、ナツメグ油、δ-オクタラクトン、オクタナール、オクタン酸、オレンジフラワー油、オレンジ油、オリス根油、パルミチン酸、ω-ペンタデカラクトン、ペパーミント油、プチグレインパラグアイ油、フェネチルアルコール、フェニル酢酸フェネチル、フェニル酢酸、ピペロナール、プラムエキストラクト、プロペニルグアエトール、酢酸プロピル、3-プロピリデンフタリド、プルーン果汁、ピルビン酸、レーズンエキストラクト、ローズ油、ラム酒、セージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スチラックスアブソリュート、マリーゴールド油、ティーディスティレート、α-テルピネオール、酢酸テルピニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノキサリン、1,5,5,9-テトラメチル-13-オキサシクロ(8.3.0.0(4.9))トリデカン、2,3,5,6-テトラメチルピラジン、タイム油、トマトエキストラクト、2-トリデカノン、クエン酸トリエチル、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)2-ブテン-4-オン、2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1,4-ジオン、4-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエニル)2-ブテン-4-オン、2,3,5-トリメチルピラジン、γ-ウンデカラクトン、γ-バレロラクトン、バニラエキストラクト、バニリン、ベラトルアルデヒド、バイオレットリーフアブソリュート、N-エチル-p-メンタン-3-カルボアミド(WS-3)、又はエチル-2-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート(WS-5)等が挙げられ、特に好ましくはメンソールである。また、これらの香料は1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
第一のたばこ充填物中の香料の含有量は、特に限定されず、良好な香味の付与の観点から、通常10000ppm以上であり、好ましくは20000ppm以上であり、より好ましくは25000ppm以上であり、また、通常70000ppm以下であり、好ましくは50000ppm以下であり、より好ましくは40000ppm以下であり、さらに好ましくは33000ppm以下である。
第一のたばこ充填物における充填密度は、特に限定されないが、第一の非燃焼加熱式たばこの性能を担保し、良好な香味の付与の観点から、通常250mg/cm以上であり、好ましくは300mg/cm以上であり、また、通常400mg/cm以下であり、好ましくは350mg/cm以下である。
上記の第一のたばこ充填物は、それが内側になるように巻紙によって巻装されてたばこロッド部を形成する。
(2)第二のたばこ充填物
第二のたばこ充填物は、同心状に配置された複数のたばこシートから構成される。本明細書において、「同心状に配置されている」とは、すべてのたばこシートの中心が略同じ位置にあるように配置されていることをいう。本明細書において「シート」とは、略平行な1対の主面、および側面を有する形状をいう。第二の充填物は、たばこ製品の長手方向と直交する方向に、複数のたばこシートを同心状に巻き回して構成される。
シート基材としては、例えば、たばこ粉末等のたばこ材料等が挙げられるが、特に、たばこ材料が好ましい。たばこ材料の基材シートに、必要に応じて香味を発生しうる成分を担持したたばこシートであることが好ましい。
該たばこシートは、加熱に伴ってエアロゾル煙を生成するエアロゾル生成基材を含んでいてもよい。エアロゾル生成基材としてグリセリン、プロピレングリコール、又は1,3-ブタンジオール等のポリオール等のエアロゾル源を添加する。かかるエアロゾル生成基材の添加量は、たばこシートの乾燥重量に対して5重量%以上、50重量%以下が好ましく、15重量%以上、25重量%以下がより好ましい。
同心状に配置される前の素材としてのたばこシートについて説明する。
たばこシートは、抄造、スラリー、又は圧延等の公知の方法で適宜製造できる。なお、第一のたばこ充填物で説明した均一化シートを用いることもできる。
抄造の場合は、以下の工程を含む方法で製造できる。1)乾燥たばこ葉を粗砕し、水で抽出して水抽出物と残渣に分離する。2)水抽出物を減圧乾燥して濃縮する。3)残渣にパルプを加え、リファイナで繊維化した後、抄紙する。4)抄紙したシートに水抽出物の濃縮液を添加して乾燥し、たばこシートとする。この場合、ニトロソアミン等の一部の成分を除去する工程を加えてもよい(特表2004-510422号公報参照)。
スラリー法の場合は、以下の工程を含む方法で製造できる。1)水、パルプ及びバインダーと、砕いたたばこ葉とを混合する。2)当該混合物を薄く延ばして(キャストして)乾燥する。この場合、水、パルプ及びバインダーと、砕いたたばこ葉とを混合したスラリーに対して紫外線照射もしくはX線照射することでニトロソアミン等の一部の成分を除去する工程を加えてもよい。
この他、国際公開第2014/104078号に記載されているように、以下の工程を含む方法によって製造された不織布状のたばこシートを用いることもできる。1)粉粒状のたばこ葉と結合剤を混合する。2)当該混合物を不織布によって挟む。3)当該積層物を熱溶着によって一定形状に成形し、不織布状のたばこシートを得る。
前記の各方法で用いる原料のたばこ葉の種類は、第一の充填物で説明したものと同じものを用いることができる。
たばこシートの組成は特に限定されないが、例えば、たばこ原料(たばこ葉)の含有量はたばこシート全重量に対して50重量%以上、95重量%以下であることが好ましい。また、たばこシートはバインダーを含んでもよく、係るバインダーとしては、例えば、グアーガム、キサンタンガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、又はCMC-Na(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)等が挙げられる。バインダー量としては、たばこシート全重量に対して1重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。たばこシートはさらに他の添加物を含んでもよい。添加物としては、例えばパルプなどのフィラーを挙げることができる。本実施形態においては複数のたばこシートを用いるが、係るたばこシートはすべて同じ組成あるいは物性であってもよいし、各たばこシートの中の一部または全部が異なる組成あるいは物性であってもよい。
第二のたばこ充填物は、幅の異なる複数のたばこシートを準備して、底部から頂部に向かって幅が小さくなるように積層した積層体を調製し、これを巻管に通して巻き上げ成形することで製造できる。この製造方法によれば、該複数のたばこシートが、長手方向に延在するとともに、該長手方向軸を中心として同心状に配置されるようになる。また、該長手方向軸と、最内層のたばこシートとの間に、長手方向に延在する嵌合部が形成されてもよい。
この製造方法において、積層体は巻上げ成形後に隣接する前記たばこシート間に非接触部が形成されるように調製されることが好ましい。
複数のたばこシート間に、当該たばこシートが接触しない非接触部(隙間)が存在すると、香味流路を確保して香味成分のデリバリー効率を高めることができる。他方で、たばこ製品を電気加熱式たばこ製品で用いる場合、複数のたばこシートの接触部分を介してヒーターからの熱を外側のたばこシートに伝達できるので高い伝熱効率を確保することができる。
複数のたばこシート間に、当該たばこシートが接触しない非接触部を設けるために、例えば、エンボス加工したたばこシートを用いる、隣接するたばこシート同士の全面を接着せずに積層する、隣接するたばこシート同士の一部を接着して積層する、あるいは隣接するたばこシート同士の全面あるいは一部を、巻上げ成形後に剥がれるように軽度に接着して積層することで積層体を調製する方法を挙げることができる。
巻紙を含めたたばこロッド部を調製する場合には、積層体の最底部に上記の巻紙を配置してもよい。
また、積層体の最頂部にマンドレル等の筒状ダミーを載置して第二のたばこ充填物を形成した後に、当該ダミーを除去することで、嵌合部を形成することもできる。
各たばこシートの厚みについては制限されないが、伝熱効率と強度の兼ね合いから、150μm以上、1000μm以下が好ましく、200μm以上、600μm以下がより好ましい。各たばこシートの厚みについては、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
第二のたばこ充填物を構成するたばこシートの枚数は、特段制限されないが、例えば2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、または7枚を挙げることができる。
(3)第三のたばこ充填物
第三のたばこ充填物は、折りたたまれた単一のたばこシートから構成される。当該シートは、たばこロッド部の長手方向と同程度の長さを有し、たばこロッドの長手方向と水平に複数回折り返され充填される、いわゆるギャザーシートであってもよい。当該シートの厚さは伝熱効率と強度の兼ね合いから、150μm以上、1000μm以下が好ましく、200μm以上、600μm以下がより好ましい。
第三のたばこ充填物に用いられるシート基材は、上記第二のたばこ充填物と同様のものを用いることができる。
(4)第四のたばこ充填物
第四のたばこ充填物は、たばこ顆粒から構成される。
第四のたばこ充填物の原料は、特に限定されないが、(a)粉砕されたたばこ材料、(b)水分、(c)炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群の中から選ばれる少なくとも1種のpH調整剤、並びに(d)プルランおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群の中から選ばれる少なくとも1種のバインダーを挙げることができる。
第四のたばこ充填物に含まれる、粉砕されたたばこ材料(成分(a))には、粉砕されたたばこ葉や粉砕されたたばこシート等が含まれる。たばこの種類には、バーレー種、黄色種、又はオリエンタル種等が含まれる。たばこ材料は、200μm以上、300μm以下のサイズに粉砕されていることが好ましい。
第四のたばこ充填物の原料混合物は、粉砕されたたばこ材料を、通常、20重量%以上、80重量%以下の量で含有する。
第四のたばこ充填物に含まれる、水分(成分(b))は、たばこ顆粒の一体性を維持するためのものである。
第四のたばこ充填物の原料混合物は、水分を、通常、3重量%以上、13重量%以下の量で含有する。また、第四のたばこ充填物は、水分を、通常、乾燥減量の値が5重量%以上、17重量%以下となるような量で含有し得る。乾燥減量とは、試料の一部を測定のために採取し、採取された試料中の全水分を蒸発させることにより試料を完全乾燥させたとき(たとえば、一定の温度(105℃)で15分間乾燥させたとき)の乾燥前後での重量変化を指し、具体的には、試料に含まれている水分の量および上記乾燥条件で揮発する揮発性成分の量の合算値の、試料重量に対する割合(重量%)を指す。すなわち、乾燥減量 (重量%)は、以下の式で表すことができる。
乾燥減量(重量%)=
{(完全乾燥前の試料の重量)-(完全乾燥後の試料の重量)}×100/完全乾燥前の試料の重量
第四のたばこ充填物に含まれるpH調整剤(成分(c))は、炭酸カリウム、もしくは炭酸水素ナトリウム等、またはそれらの混合物からなる。これらpH調整剤は、第四のたばこ充填物のpHをアルカリ側に調整し、もって第四のたばこ充填物に含まれる香味成分をたばこ顆粒から放出させることを促進し、使用者に満足され得る香味をもたらす。
第四のたばこ充填物の原料混合物は、pH調整剤を、通常、5重量%以上、20重量%以下の量で含有し得る。
第四のたばこ充填物に含まれるバインダー(成分(d))は、たばこ顆粒成分を結着させてたばこ顆粒の一体性を保持するものである。バインダーは、プルラン、もしくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等、またはそれらの混合物から構成される。
第四のたばこ充填物の原料混合物は、バインダーを、通常、0.5重量%以上、15重量%以下の量で含有し得る。
第四のたばこ充填物は、上記成分(a)、(b)、(c)および(d)からなることができるが、さらに追加の成分を包含することができる。
追加の成分としては、エアロゾル生成基材(成分(e))が挙げられる。エアロゾル生成基材は、エアロゾル煙を生成するものである。該エアロゾル生成基材は、多価アルコールから構成され、該多価アルコールには、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、又はエリスリトール等が含まれ得る。これらの多価アルコールは、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
第四のたばこ充填物の原料混合物が、エアロゾル生成基材を含有する場合、5~15重量%の量で含有し得る。
また追加の成分としては、(f)香味成分以外の香味材(固体または液体)が挙げられる。かかる香味材には、糖(スクロース、フルクトース等)、ココア粉、キャロブ粉、コリアンダー粉、リコリス粉、オレンジピール粉、ローズピップ粉、カモミールフラワー(flower)粉、レモンバーベナ粉、ペパーミント粉、リーフ粉、スペアミント粉、紅茶粉、又はメントール等が含まれる。
第四のたばこ充填物の原料混合物は、上記香味材を、通常、0.5重量%以上、30重量%以下の量で含有し得る。上記香味材は、成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)と直接混練することにより上記成分に添加してもよいし、あるいは、サイクロデキストリンなどの公知の包接ホスト化合物に担持して包接化合物を調製してからそれを上記成分と混練することにより上記成分に添加してもよい。
第四のたばこ充填物は、上記成分(a)、(b)、(c)、(d)および(e)からなる場合、その第四のたばこ充填物の原料混合物は、成分(a)を、通常、約33重量%以上(約90重量%以下)の量で含有し得る。
第四のたばこ充填物は、成分(a)、(c)および(d)並びに所望により成分(e)、および/または(f)を混合し、その混合物に成分(b)を加えて混練し、得られた混練物を湿式押出し造粒機で造粒(長柱状)した後、短柱状あるいは球状に整粒することによって得られる。得られるたばこ顆粒の平均粒径(D50)は、通常、0.2mm以上、1.2mm以下であり、0.2mm以上、1.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上、0.8mm以下であることがより好ましい。
押出し造粒に際しては、混練物を周囲温度で、2kN以上の圧力で押出すことが好ましい。この高圧での押出しにより、押出し造粒機出口での混練物は温度が周囲温度から例えば90~100℃まで瞬間的に急激に上昇し、水分および揮発性成分が2重量%以上、4重量%以下蒸発する。したがって、混練物を作るために配合する水は、得られるたばこ顆粒中の所望水分よりも上記蒸発量だけ多くの量で用いることができる。
押出し造粒により得られたたばこ顆粒は、水分調整のために、必要に応じてさらに乾燥させてもよい。たとえば、押出し造粒により得られたたばこ顆粒の乾燥減量を測定し、それが、所望の乾燥減量(たとえば5重量%以上、17重量%以下)より高い場合、所望の乾燥減量を得るためにたばこ顆粒をさらに乾燥させてもよい。所望の乾燥減量を得るための乾燥条件(温度および時間)は、乾燥減量を所定の値だけ減少させるために必要な乾燥条件(温度および時間)を予め決定し、その条件に基づいて設定することができる。
第四のたばこ充填物は、上記のたばこ顆粒のみからなることができるが、その他に、追加のたばこ材料をさらに含むことができる。追加のたばこ材料は、通常、たばこ葉の刻もしくは細粉である。追加のたばこ材料は、たばこ顆粒と混合して使用することができる。
(巻紙)
巻紙の構成は、特段制限されず、一般的な態様とすることができ、例えば、パルプが主成分のものを挙げることができる。パルプとしては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材パルプで抄造される以外にも、亜麻パルプ、大麻パルプ、サイザル麻パルプ、又はエスパルトなど一般的にたばこ製品用の巻紙に使用される非木材パルプを混抄して製造して得たものでもよい。
パルプの種類としては、クラフト蒸解法、酸性・中性・アルカリ亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、又はサーモメカニカルパルプ等を使用できる。
上記パルプを用いて長網抄紙機、円網抄紙機、又は円短複合抄紙機等による抄紙工程の中で、地合いを整え均一化して巻紙を製造する。なお、必要に応じて、湿潤紙力増強剤を添加して巻紙に耐水性を付与したり、サイズ剤を添加して巻紙の印刷具合の調整を行ったりすることができる。さらに、硫酸バンド、各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性或いは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、及び紙力増強剤等の抄紙用内添助剤、並びに、染料、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、又はスライムコントロール剤等の製紙用添加剤を添加することができる。
巻紙原紙の坪量は、例えば通常20gsm以上であり、好ましくは25gsm以上である。一方、坪量は通常65gsm以下、好ましくは50gsm以下、さらに好ましくは45gsm以下、である。
上記の特性を有する巻紙の厚みは、特に限定されず、剛性、通気性、及び製紙時の調整の容易性の観点から、通常10μm以上であり、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは30μm以上であり、また、通常100μm以下であり、好ましくは75μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
該非燃焼加熱式たばこの巻紙として、その形状は正方形又は長方形を挙げることができる。
たばこ充填物を巻装するため(たばこロッド部を作製するため)の巻紙として利用する場合、一辺の長さとして12~70mm程度を挙げることができ、もう一辺の長さとして15~28mm、もう一辺の好ましい長さとして22~24mm、さらに好ましい長さとして23mm程度を挙げることができる。たばこ充填物を巻紙で柱状に巻装する際は、例えばw方向の巻紙の端部とその逆側の端部を2mm程度重ね合わせて糊付けすることで、柱状の紙管の形状となり、その中にたばこ充填物が充填されている形状となる。長方形形状の巻紙のサイズは、出来上がったたばこロッド部のサイズによって決めることができる。
チップペーパーのように、たばこロッド部とたばこロッド部に隣接するその他の部材を連結して巻装するものである場合、一辺の長さとして20~60mm、もう一辺の長さとして15~28mmを挙げることができる。
上記のパルプの他に、本実施形態にかかる巻紙には填料が含まれてもよい。填料の含有量は、本発明の実施形態にかかる巻紙の全重量に対して10重量%以上、60重量%未満を挙げることができ、15重量%以上、45重量%以下であることが好ましい。
本実施形態にかかる巻紙では、好ましい坪量の範囲(25gsm以上、45gsm以下)において、填料が15重量%以上、45重量%以下であることが好ましい。
さらに、坪量が25gsm以上、35gsm以下のとき、填料が15重量%以上、45重量%以下であることが好ましく、坪量が35gsm超、45gsm以下のとき、填料が25重量%以上、45重量%以下であることが好ましい。
填料としては、炭酸カルシウム、二酸化チタン、又はカオリン等を使用することができるが、香味や白色度を高める観点等から炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
巻紙には、原紙や填料以外の種々の助剤を添加してもよく、例えば、耐水性を向上させるために、耐水性向上剤を添加することができる。耐水性向上剤には、湿潤紙力増強剤(WS剤)及びサイズ剤が含まれる。湿潤紙力増強剤の例を挙げると、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、又はポリアミドエピクロルヒドリン(PAE)等である。また、サイズ剤の例を挙げると、ロジン石けん、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、又はケン化度が90%以上の高ケン化ポリビニルアルコール等である。
助剤として、紙力増強剤を添加してもよく、例えば、ポリアクリルアミド、カチオンでんぷん、酸化でんぷん、CMC、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、又はポリビニルアルコール等を挙げられる。特に、酸化でんぷんについては、極少量用いることにより、通気度が向上することが知られている(特開2017-218699号公報)。
また、巻紙は、適宜コーティングされていてもよい。
巻紙には、その表面及び裏面の2面うち、少なくとも1面にコーティング剤が添加されてもよい。コーティング剤としては特に制限はないが、紙の表面に膜を形成し、液体の透過性を減少させることができるコーティング剤が好ましい。例えばアルギン酸及びその塩(例えばナトリウム塩)、ペクチンのような多糖類、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロースのようなセルロース誘導体、又はデンプンやその誘導体(例えばカルボキシメチルデンプン、ヒドロキシアルキルデンプン又はカチオンデンプンのようなエーテル誘導体、酢酸デンプン、リン酸デンプン又はオクテニルコハク酸デンプンのようなエステル誘導体)を挙げることができる。
[マウスピース部]
マウスピース部の態様は、上述のフィルターを有し、一般的なフィルターとしての機能を有していれば特段制限されない。
マウスピース部は、上記のカプセルフィルター部に加え、冷却部(冷却セグメント)を有していてもよい。冷却セグメントは、筒状部材で構成される態様を挙げることができ、例えば、厚紙を円筒状に加工した紙管であってもよい。
冷却セグメントの全表面積は、300mm2/mm以上、1000mm2/mm以下を挙げることができる。この表面積は、冷却セグメント21の通気方向の長さ(mm)当たりの表面積である。冷却セグメントの全表面積は、400mm2/mm以上であることが好ましく、450mm2/mm以上であることがより好ましく、一方、600mm2/mm以下であることが好ましく、550mm2/mm以下であることがより好ましい。
冷却セグメントは、その内部構造が大きい全表面積を有することが望ましい。従って、好ましい実施形態において、冷却セグメントは、チャネルを形成するためにしわ付けされて、次に、ひだ付け、ギャザー付け、及び折り畳まれた薄い材料のシートによって形成されてもよい。要素の与えられた体積内の折り畳み又はひだが多いと、冷却セグメントの合計表面積が大きくなる。
一部の実施形態において、冷却セグメントの構成材料の厚みは、5μm以上、500μm以下、例えば、10μm以上、250μm以下を挙げることができる。
マウスピース部は、外部からの空気を取り入れるための開孔(本発明の属する技術分野では「ベンチレーションフィルター(Vf)」とも呼ばれる。)を有する態様であってよい。具体的に、チップペーパーのみに開孔22が設けられた態様であり、フィルター部に貫通するように開孔が設けられた態様であってもよく、チップペーパーから冷却部まで貫通するように開孔が設けられた態様であってもよい。なお、同心円状に配置される開孔の数は限定されない。また、このような同心円状に配置される開孔を採用し、これらを1つの開孔群として扱った場合、開孔群は1つであってもよく、また、2つ以上であってもよい。
上記の開孔が存在することで、使用時に外部から冷却部の内部に空気が流入し、たばこロッド部から流入する成分や空気の温度を下げることができる。なお、たばこロッド部にエアロゾル生成基材が用いられる場合、たばこロッドが加熱されることで生じるエアロゾル生成基材とたばこ香味成分とを含む蒸気が、外部からの空気と接触して温度が低下することで液化し、エアロゾルが生成されることを促進させることができる。同心円状に存在する開孔の数は、特段制限されず、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
開孔は、径が100μm以上、1000μm以下であることが好ましく、300μm以上、800μm以下であることがより好ましい。開孔は、略円形もしくは略楕円形であることが好ましく、略楕円形の場合の前記径は長径を表す。
また、開孔が配置される位置は特段制限されない。
[チップペーパー]
チップペーパーの構成は、特段制限されず、一般的な態様とすることができ、例えば、パルプが主成分のものを挙げることができる。パルプとしては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材パルプで抄造される以外にも、亜麻パルプ、大麻パルプ、サイザル麻パルプ、又はエスパルトなど一般的にたばこ物品用のチップペーパーに使用される非木材パルプを混抄して製造して得たものでもよい。これらのパルプは、単独の種類で用いてもよく、複数の種類を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
また、チップペーパーは一枚で構成されていてもよいが、複数枚以上で構成されていてもよい。
パルプの態様としては、クラフト蒸解法、酸性・中性・アルカリ亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、又はサーモメカニカルパルプ等を使用できる。
なお、チップペーパーは、後述する製造方法により製造したものでも、市販品を用いてもよい。
チップペーパーの形状は、特段制限されず、例えば、正方形または長方形とすることができる。
チップペーパーの坪量は、特段制限されないが、通常32gsm以上、40gsm以下であり、33gsm以上、39gsm以下であることが好ましく、34gsm以上、38gsm以下であることがより好ましい。
チップペーパーは、上記のパルプ以外に、填料が含有されていてもよく、例えば、炭酸カルシウム、又は炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、酸化チタン、二酸化チタンもしくは酸化アルミニウムなどの金属酸化物、硫酸バリウムもしくは硫酸カルシウムなどの金属硫酸塩、硫化亜鉛などの金属硫化物、石英、カオリン、タルク、ケイソウ土、又は石膏等が挙げられ、特に、白色度及び/又は不透明度の向上及び加熱速度の増加の観点から炭酸カルシウムを含んでいることが好ましい。また、これらの填料は1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
チップペーパーは、上記のパルプや填料以外に、種々の助剤を添加してもよく、例えば、向上させるために、耐水性向上剤を有することができる。耐水性向上剤には、湿潤紙力増強剤(WS剤)及びサイズ剤が含まれる。湿潤紙力増強剤の例を挙げると、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、又はポリアミドエピクロルヒドリン(PAE)等である。また、サイズ剤の例を挙げると、ロジン石けん、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、又はケン化度が90%以上の高ケン化ポリビニルアルコール等である。
チップペーパーには、その表面及び裏面の2面うち、少なくとも1面にコーティング剤が添加されてもよい。コーティング剤としては特に制限はないが、紙の表面に膜を形成し、液体の透過性を減少させることができるコーティング剤が好ましい。
[たばこ製品の製造方法]
上述したたばこ製品の製造方法は、特段制限されず、公知の方法を適用することができ、例えば、たばこロッド部及びマウスピース部をチップペーパーで巻き上げることで製造することができる。
[たばこ製品の用途]
上述したたばこ製品は、シガレット(紙巻きたばこ)用のたばこ製品として用いることができ、また電気加熱式たばこ製品用のたばこ製品として用いることができる。
電気加熱式たばこ製品では、使用の後半で香味が低下する傾向があるが、上記のフィルターを用いた場合、一般的なフィルターを用いた場合よりも、この使用の後半の香味の低下を少なくすることができる。
たばこ製品をシガレット用として用いる場合は、使用方法は特段制限されないが、例えば、カプセルフィルター中のカプセルを破砕した後、たばこロッド部を燃焼させて、吸口端側から吸引することにより、使用者はニコチンや香味成分等を得ることができる。
たばこ製品を電気加熱式たばこ製品たばこ製品用として用いる場合には、通常、加熱機能が備わった外部デバイスとともに使用する。電気加熱式たばこ製品は、例えば、ヒーター部材と、該ヒーター部材の電力源となる電池ユニットと、該ヒーター部材を制御するための制御ユニットとを備える電気加熱型デバイスと、該ヒーター部材に接触するように挿入される、上述のたばこ製品と、から構成される、電気加熱式たばこ製品とすることができる。以下、この電気加熱式たばこ製品の例を詳細に説明する。
<電気加熱式たばこ製品>
電気加熱式たばこ製品の態様としては、たばこ製品におけるたばこロッド部の内部から加熱する態様(以下、「内部加熱型電気加熱式たばこ製品」ともいう)や、たばこ製品の外周面を加熱する態様(以下、「外部加熱型電気加熱式たばこ製品」ともいう)を挙げることができる。
以下、電気加熱式たばこ製品の実施形態の一例を示す。
電気加熱式たばこ製品は、電気加熱式デバイスに配置されたヒーター部材に、たばこ製品が接触するように挿入されて使用される。
電気加熱式デバイスは、例えば樹脂性の躯体の内部に、電池ユニットと制御ユニットとを有する。
たばこ製品が電気加熱式デバイスに挿入されると、まず、たばこロッド部中のたばこ充填物がヒーター部材と接触し、やがて、ヒーター部材の全部がたばこ充填物の内部に挿入された状態となる。
電気加熱式デバイスのヒーター部材は、制御ユニットによる制御により発熱する。その熱がたばこ製品10のたばこ充填物に伝わることで、たばこ充填物に含まれるエアロゾル生成基材や香味成分等が揮発する。
電気加熱式デバイスのヒーター部材は、例えばシート状ヒーター、平板状ヒーター、又は筒状ヒーターであってよい。シート状ヒーターとは柔軟なシート形のヒーターであり、例えばポリイミド等の耐熱性ポリマーのフィルム(厚み20μm~225μm程度)を含むヒーターが挙げられる。平板状ヒーターとは剛直な平板形のヒーター(厚み200~500μm程度)であり、例えば平板基材上に抵抗回路を有し当該部分を発熱部とするヒーターが挙げられる。筒状ヒーターとは中空または中実の筒形のヒーターであり、例えば金属製等の筒の外周面に抵抗回路を有し、当該部分を発熱部とするヒーター(厚み200~500μm程度)が挙げられる。また、内部に抵抗回路を有し、当該部分を発熱部とする金属製等の柱状ヒーター、又は錐状ヒーターも挙げられる。筒状ヒーターの断面形状は円、楕円、多角、又は角丸多角等であってよい。
内部加熱型電気加熱式たばこ製品である場合は、上記の平板状ヒーター、柱状ヒーター、又は錐状ヒーターを用いることができる。一方で、外部加熱型電気加熱式たばこ製品である場合、上記のシート状ヒーター、平板状ヒーター、又は筒状ヒーターを用いることができる。
ヒーター部材の長軸方向の長さは、たばこ充填物及び巻紙から構成されるたばこロッド部の長軸方向の長さをTmmとしたときに、T±5.0mmの範囲内とすることができる。
ヒーター部材によるたばこ製品の加熱時間や加熱温度といった加熱条件は、電気加熱式たばこ製品ごとにあらかじめ設定することができる。例えば、電気加熱式デバイスにたばこ製品を挿入した後に、一定時間の予備加熱を行うことで、たばこ製品における、たばこ充填物の少なくとも一部の温度がX(℃)になるまで加熱し、その後、該温度がX(℃)以下の一定温度を保つように、あらかじめ設定することができる。
上記X(℃)は、エアロゾルデリバリーの観点から150℃以上450℃以下であることが好ましい。具体的には、上記X(℃)は、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、350℃、360℃、370℃、380℃、390℃、400℃、410℃、420℃、430℃、440℃、450℃とすることができる。
電気加熱式たばこ製品において、ヒーター部材の加熱により、たばこ製品のたばこ充填物から生じるエアロゾル生成基材や香味成分等を含む蒸気は、マウスピース部材を通して使用者の口腔内に到達する。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨から逸脱しない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
<実施例1~5>
[吸着剤の作製]
オシレータ(株式会社菊水製作所社製のOG SERIES OG-1)を用いて、ハイエルシン菜種極度硬化油(横関油脂工業株式会社製、融点:59℃)を解砕し、分級した。オシレ一タ用金網としては、目開き1400のものを用い、篩としては、目開き355μm(顆粒のサイズの最小値)のJIS規格に従ったもの、および1400μm(顆粒のサイズの最大値))のJIS規格に従ったものを用いた。得られた吸着剤の平均粒子径は、355~1400μmであり、中心値は、650μmであった。
上記ハイエルシン菜種極度硬化油は、ケン化価177.5、ヨウ素価0.62、酸価0.04であり、脂肪酸としてエルシン酸を6~48%含有し、その他リノール酸、オレイン酸、およびステアリン酸などにより構成される。
[フィルターの作製]
フィルター長12mm当たりの添加量が10mgとなるように上記吸着剤を添加したセルロースアセテート繊維束を巻取紙で巻き取り、120mmの実施例1のフィルター(断面の円周:24.1mm)を得た。該巻取紙は、坪量 24.0±1.5g/mであり、厚さが32±4μmのものを用いた。なお、セルロースアセテート繊維としては、トリアセチンが9重量%添加されたものを用いた。
上記のフィルター長12mm当たりの吸着剤の添加量を、10mgから、20mg、30mg、40mg、60mgに変更したこと以外は上記の実施例1と同様にしてフィルターを作製し、それぞれ実施例2~5のフィルターを得た。これらの平均粒子径の範囲は、実施例1と同様である。
<比較例1>
[吸着剤の作製]
以下の条件に従い、吸着剤を作製した。
1)デキストリン60重量%、粉糖6重量%、および結晶セルロース1重量%の顆粒化基材を予めパン捏器にて撹拌混合した。
2)30重量%の油脂を秤量した。油脂はガラスビーカーに入れ、加温器にて融解した。設定温度は70℃~80℃に設定した。
3)完全融解した油脂を、1)の混合品に撹拌しながら添加した。
4)さらに撹拌しながら、グリセリン3重量%を添加した。
5)冷却して固形化した顆粒塊を、整粒を目的に、上記の実施例1と同様の条件でオシレータにて解砕および分級し、355μm以上、1400μm以下の粒子径からなる顆粒状の吸着剤を採取した。
[フィルターの作製]
フィルター長12mm当たりの添加量が30mgとなるように上記吸着剤を添加したセルロースアセテート繊維束を巻取紙で巻き取り、120mmの比較例1のフィルター(断面の円周:24.1mm)を得た。該巻取紙は、坪量 24.0±1.5g/mであり、厚さが32±4μmのものを用いた。なお、セルロースアセテート繊維としては、トリアセチンが9重量%添加されたものを用いた。
<通気抵抗の評価>
上記で得られた各フィルターについて、初期のフィルター長120mm当たりの通気抵抗、及び低温乾燥機を用いて100℃で10分間加熱した後の加熱後のフィルター長120mm当たりの通気抵抗を、以下の方法で測定した。
フィルターの通気抵抗は、ISO標準法(ISO6565)に従って、セルリアン社製フィルター通気抵抗測定器を使用して測定した。通気抵抗の測定結果を下記の表1及び図1に示す。フィルター通気抵抗は、フィルターの側面における空気の透過が行なわれない状態で一方の端面(第1端面)から他方の端面(第2端面)に所定の空気流量(17.5cc/min)の空気を流した際の、第1端面と第2端面との気圧差を指す。なお、通気抵抗の評価は、各資料において評価数n=5で行い、フィルターの全重量及び通気抵抗の平均値、及び標準偏差を下記の表1に示す。
表1に示す減少率は、(初期の通気抵抗-加熱後の通気抵抗)×100/初期の通気抵抗、で算出される値である。
Figure 0007492589000001
上記の表1より、基材を含まない吸着剤を含むフィルターを用いた実施例1~5は、基材を含む吸着剤を含むフィルターを用いた比較例1よりも、加熱による通気抵抗の減少率が大きいことが分かった。これは、実施例1~5のフィルター中の吸着剤には基材が含まれておらず、相対的に吸着剤中の油脂の含有量が比較例1のフィルターよりも大きかったため、加熱による油脂の染み出しの範囲が大きくなったことが理由であると考えられる。
また、実施例1~5から、吸着剤の添加量の増加に伴い、加熱による通気抵抗の減少率が大きくなることが分かった。
以上の実験結果より、本発明により、特定範囲の炭化水素の除去機能及び油染みの抑制効果を有しつつ、コストを抑えることができ、脆さが改善されたたばこ製品用フィルター、並びにこれを有するたばこ製品及び電気加熱式たばこ製品を提供することができることが分かる。

Claims (10)

  1. 融点が50℃以上の油脂を含む顆粒状の吸着剤を含むフィルターであって、前記フィルターを100℃で10分間加熱した際の120mm当たりの通気抵抗の減少率が5%以上である、たばこ製品用フィルター。
  2. 前記吸着剤の平均粒子径が、355μm以上、1400μm以下である、請求項1に記載のたばこ製品用フィルター。
  3. たばこ製品用フィルターに含まれる濾材中の前記吸着剤の含有量が、5重量%以上、60重量%以下である、請求項1又は2に記載のたばこ製品用フィルター。
  4. 前記吸着剤全量を100重量%としたときの前記融点が50℃以上の油脂の含有量が、60重量%超である、請求項1~3のいずれか1項に記載のたばこ製品用フィルター。
  5. 前記融点が50℃以上の油脂が、融点が50℃以上の硬化油脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載のたばこ製品用フィルター。
  6. 前記融点が50℃以上の硬化油脂が、ハイエルシン菜種極度硬化油、菜種極度硬化油、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油、牛脂極度硬化油、及び豚脂極度硬化油から選ばれる1種以上である、請求項5に記載のたばこ製品用フィルター。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のたばこ製品用フィルターを有する、たばこ製品。
  8. シガレット用である、請求項7に記載のたばこ製品。
  9. 電気加熱式たばこ製品用である、請求項7に記載のたばこ製品。
  10. ヒーター部材と、該ヒーター部材の電力源となる電池ユニットと、該ヒーター部材を制御するための制御ユニットとを備える電気加熱型デバイスと、該ヒーター部材に接触する
    ように挿入される、請求項9に記載のたばこ製品と、から構成される、電気加熱式たばこ製品。
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