JP7486151B2 - 製氷装置 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 2019年8月23日 公益社団法人日本雪氷学会及び日本雪工学会発行 「雪氷研究大会(2019・山形)講演要旨集 第47頁」において公開
本発明は、製氷装置に関するものである。
本出願人は、例えば清涼飲料水やアルコール飲料などとともにグラスに入れて該飲料を保冷するのに適した氷を製造する装置として、特許第5135576号に開示される製氷装置(以下、「従来例」という。)を提案している。
この従来例は、上部に開口部を有する容器と、前記開口部を覆う真空槽と、前記真空槽の上に設けられたペルチェ素子と、前記容器の内部と連通する緩衝容器とを備え、前記容器の上縁に載置された前記真空槽の下板に接するまで充填された前記容器内の水を氷結させて単結晶氷を生成するものであり、硬度及び透明度が高くて商品価値の高い氷を得ることができる。
特許第5135576号公報
本発明者は、前述した硬度及び透明度の高い氷の製造について更なる研究を進めた結果、従来に無い画期的な製氷装置を開発した。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
液体Wが導入される液体導入部1と、この液体導入部1と連通し該液体導入部1の前記液体Wが充填される所定長の液体充填部2と、前記液体充填部2に充填された前記液体Wと密着し該液体Wを氷結せしめる製氷部3とを具備した製氷装置であって、前記液体充填部2と前記製氷部3とは相対離反移動可能に設けられ、また、前記液体充填部2の内面2aの着氷力は前記製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さな着氷力となるように構成され、更に、前記製氷部3は前記液体充填部2に抜け脱可能に挿入され、前記製氷部3の外周面と前記液体充填部2の内周面とは密接するように構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、液体Wが導入される液体導入部1と、この液体導入部1と連通し該液体導入部1の前記液体Wが充填される所定長の液体充填部2と、前記液体充填部2に充填された前記液体Wと密着し該液体Wを氷結せしめる製氷部3とを具備した製氷装置であって、前記液体充填部2と前記製氷部3とは相対離反移動可能に設けられ、また、前記液体充填部2の内面2aの着氷力は前記製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さな着氷力となるように構成され、更に、前記製氷部3は、この製氷部3の先端面3aと氷結先端面Iaとの距離に応じて冷却温度が可変するように構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項2記載の製氷装置において、前記製氷部3は前記液体充填部2に抜け脱可能に挿入され、前記製氷部3の外周面と前記液体充填部2の内周面とは密接するように構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、液体Wが導入される液体導入部1と、この液体導入部1と連通し該液体導入部1の前記液体Wが充填される所定長の液体充填部2と、前記液体充填部2に充填された前記液体Wと密着し該液体Wを氷結せしめる製氷部3とを具備した製氷装置であって、前記液体充填部2と前記製氷部3とは相対離反移動可能に設けられ、また、前記液体充填部2の内面2aの着氷力は前記製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さな着氷力となるように構成され、更に、前記液体充填部2は横断面形状が可変するように構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項4記載の製氷装置において、前記製氷部3は前記液体充填部2に抜け脱可能に挿入され、前記製氷部3の外周面と前記液体充填部2の内周面とは密接するように構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部2と前記製氷部3との相対離反移動は断続的な移動となるように構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部2は、前記液体導入部1から前記液体Wが導入充填される構成であることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~いずれか1項に記載の製氷装置において、前記製氷部3は前記液体充填部2の上部に垂設され、前記液体充填部2と前記製氷部3とは上下方向に相対離反移動可能に設けられていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~8いずれか記載の製氷装置において、前記液体充填部2の内面2aはフッ素樹脂若しくはアクリル樹脂で構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~9いずれか1項に記載の製氷装置において、前記製氷部3の先端面3aはアルミニウム若しくはアルミニウム合金または銅若しくは銅合金で構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~9いずれか1項に記載の製氷装置において、前記製氷部3の先端面3aはガラスやアルミナなどのセラミックスで構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~11いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部2若しくは前記製氷部3は、適宜な昇降手段4を介して昇降移動自在に設けられていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
また、請求項1~12いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部2は、この液体充填部2に導入充填された前記液体Wと前記製氷部3の先端面3aとの接する部分が視認可能に構成されていることを特徴とする製氷装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、硬度及び透明度の高い氷を簡易に且つ効率良く製造することができ、例えば横断面形状を任意形状にできるなど、従来に無い画期的な製氷装置となる。
本実施例を説明する正面図である。 本実施例の要部の動作説明図である。 本実施例の要部を説明する斜視図である。 別例の要部の動作説明図である。 別例の要部の動作説明図である。 冷却部3の冷却制御を理論計算により求めた図である。 本実施例における初期冷却時間に対する氷Iの生成結果を示す図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
液体導入部1に導入された液体Wが液体充填部2に充填され、この液体充填部2に充填された液体Wは、製氷部3と密着し、この密着した部位から氷結する。
具体的には、この液体Wに密着する製氷部3の先端面3aとその近傍に位置する液体充填部2の内面2aとで囲まれた部位において、前記先端面3aから順次氷Iが生成し、この氷Iは、時間の経過とともに液体充填部2の長さ方向に成長する。この氷Iの生成の際、液体充填部2と製氷部3とを相対離反移動させ、所定長の氷Iを生成する。
ところで、本発明は、液体充填部2の内面2aの着氷力は製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さな着氷力に設定されているから、前記相対離反移動は良好に行われる。
また、本発明は、液体充填部2の横断面形状を任意に設定することで、氷Iの横断面形状を任意の形状にすることができる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
(製氷装置N)
本実施例は、液体Wが導入される液体導入部1と、この液体導入部1と連通し該液体導入部1の液体Wが充填される所定長の液体充填部2と、この液体充填部2に充填された液体Wと密着し該液体Wを氷結せしめる製氷部3とを具備した製氷装置Nである。
具体的には、本実施例を構成する液体導入部1,液体充填部2及び製氷部3は、下端に接地部20aを有するフレーム構造の装置本体20に設けられている。
(液体導入部1)
液体導入部1は、図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(アクリル樹脂)で形成され上部開口部1’を有する方形ボックス形状体であり、所定量の液体Wを溜める液溜め部としての機能を有している。
また、液体導入部1の上部には、上部開口部1’を閉塞(密閉)する蓋体5が設けられている。
この蓋体5は、図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(アクリル樹脂)で形成された板状体であり、その中央部には貫通孔5aが設けられ、この貫通孔5aと合致して連通する孔を有する液体充填部2が設けられている。
尚、この蓋体5は作業性の観点から液体導入部1の上部開口部1’を閉塞(密閉)するように設けたが、この構成は液体導入部1の液体Wが製氷中にも液体導入部1の外の気体に接触させないことを第一の目的としており、この目的を達せられる構造であればこの上部開口部1’を閉塞する蓋体5を液体導入部1に一体成形しても良い。
(液体充填部2と製氷部3の関係)
液体充填部2は、図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(フッ素樹脂、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン)で形成された円筒形状体である。
本実施例では、製氷部3は液体充填部2に密接せしめられた状態で嵌合する形状に構成されている。ここで密接とは、両者が隙間なく接触しているが、金属結合、共有結合、イオン結合又は分子間力結合をしていない状態を意味する。
製氷部3の具体的な構成としては、液体充填部2の筒孔の内径と、この液体充填部2に挿入する軸状の製氷部3の外径とを、液体充填部2の内周面と製氷部3の外周面との間には可及的に隙間が生じないよう略同一径(約25mm)に設定し、両者は密接されて抜け脱可能に挿入されている(図2)。また、製氷部3の先端面3aと液体Wとが密着し、液体充填部2と製氷部3との間から液体Wが漏れ出ないよう製氷部3と液体充填部2を密接せしめる構造であれば、製氷部3と液体充填部2とを嵌合させなくてもよく、製氷部3が液体充填部2の上部開口部2’を塞ぐよう液体充填部2の上面に載置密接させてもよい(図4)。また、該載置させた製氷部3において液体Wと密着する先端面3aを液体充填部2の筒孔に入り込むよう凸形状を設けて載置させてもよい(図5)。
(液体充填部2の形状及び数)
液体充填部2の横断面形状は円形状に限らず任意形状に設定し得るものであり、また、氷Iの量産性を考慮して液体充填部2を複数設けても良い(この場合、液体充填部2と同数の製氷部3を設ける。)。
液体充填部2は横断面形状が可変するように構成しても良い。この液体充填部2の横断面形状を変化させる手段はどのようなものでも良く、例えば液体充填部2の内面2aには、フッ素ゴムのような伸縮自在且つ着氷力が小さい材料を用い、液体充填部2全体としては、該フッ素ゴムの外周を氷Iが生成できる強度を有する材料を用いて伸縮自在な機構を設けて液体充填部2を構成すれば良い。例えば、所定長の氷Iが生成し、液体導入部1を降下させた後、円筒状の液体充填部2の径を小さくすれば、生成する氷Iの径は同様に小さくなる。
(着氷力)
本実施例では、液体充填部2の内面2aは、次の式(1)のようにその着氷力は製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さな着氷力となるように構成されている。
(製氷部3の先端面3aの着氷力)-(液体充填部2の内面2aの着氷力)>0・・・(1)
従って、液体充填部2と製氷部3とを相対離反移動させることで氷Iを所定長に生成させることができる。
この液体充填部2の内面2aの着氷力は、この内面2aと生成した氷Iと接している部位とにかかる応力に対する接着力を意味し、同様に製氷部3の先端面3aの着氷力は、この先端面3aと生成した氷Iに接している部位とにかかる応力に対する接着力を意味する。
単位面積当たりの着氷力は、材料や表面粗さ(表面形状)により変わることが知られているが、一般に表面自由エネルギーが高い材料は単位面積当たりの着氷力が高く、表面粗さが粗い形状は単位面積当たりの着氷力が高くなる傾向が強い。また、表面温度によっても単位面積当たりの着氷力は変化し、0℃以下では温度が低くなるほど着氷力が高くなる傾向にある。即ち、着氷力は、氷Iが生成される条件において前記液体充填部2の内面2a若しくは製氷部3の先端面3aの単位面積当たりの着氷力及び表面粗さ、液体充填部2の内面2a若しくは製氷部3の先端面3aに接している氷Iの部位の面積及び温度により決まる力である。
相対離反移動させる際、氷Iと液体充填部2の内面2aとの間には主にせん断応力がかかり、氷Iと製氷部3の先端面3aとの間には主に引張応力がかかるが、着氷力はこれらすべての応力に対する接着力を意味し、本実施例は、液体充填部2の内面2aの着氷力が常に製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さくなるよう設定することで、氷Iが製氷部3の先端面3aから脱落せず相対離反移動させることを可能としている。
(液体充填部2の材質)
液体充填部2若しくは液体充填部2の内面2aに用いる材料としては、単位面積当たりの着氷力が金属やセラミックスよりも小さいフッ素樹脂やフッ素ゴムが好適である。また、光透過性樹脂としてのアクリル樹脂も氷Iが成形される状態を観察できる観点から好適な材料である。
液体充填部2の内面2aと製氷部3の先端面3aとの着氷力の相対関係は、液体充填部2の内面2aと後述する製氷部3の先端面3aの材料が有する単位面積当たりの着氷力、表面形状、氷Iの部位との接触面積及び接触面の温度などによって決まるため、コスト、作業性なども考慮して液体充填部2の内面2aと製氷部3の先端面3aの材料、表面形状などの材質を決める。
本実施例では液体充填部2の内面2aは前述した着氷力となるよう液体充填部2全体をフッ素樹脂で構成してその内面2aを平滑面としているが、液体充填部2は別の材料で成形し、その内面2aをフッ素樹脂でコーティングした構成の部材でも良い。
尚、液体充填部2の内面2aが製氷部3の先端面3aより着氷力が小さくなれば液体充填部2の材料はフッ素樹脂に限られるものではなく、液体充填部2の内面2aを平滑面処理しなくても良い。
液体充填部2は、氷Iの生成状態を確認できるよう、該液体充填部2に導入された液体Wと製氷部3の先端面3aとの接する部分が視認可能に構成されるものが望ましく、それを達成する為の構成としては、例えば液体充填部2の材料としてアクリル樹脂などの透明樹脂製(光透過性樹脂製)の部材で形成しても良いし、覗き窓を設けても良い。
(液体充填部2の長さ)
液体充填部2の長さは、氷Iが生成された後、製氷部3が相対離反移動する時に、液体Wが液体充填部2の上部開口部2’から漏れ出ない長さであれば良い。
尚、液面Waの横断面外側部位と横断面中心付近の部位とでは、氷Iの生成速度に差が生じるため、氷Iが所定の長さ以上に生成された後に製氷部3を相対離反移動させないと液体Wが上部開口部2’から漏れ出ることがある。よって、液体充填部2の長さは氷Iの生成速度に起因する液体Wの漏れが発生しない長さ以上となる所定長に設定する。
(相対離反移動)
液体導入部1は、昇降手段4を介して上下方向に昇降自在に設けられている。
具体的には、図1に図示したように装置本体20に適宜な駆動源4aを介して上下動する可動台部4bを設け、この可動台部4bに液体導入部1は載置されている。従って、液体充填部2と製氷部3とは相対接離移動可能となる。
また、本実施例では、昇降手段4は図示省略の制御部により液体導入部1の降下が制御されており、氷Iを生成する際には断続的に降下するように構成されている。
本実施例の場合、液体導入部2の長さ方向にある程度の長さの氷Iが生成した段階で相対離反移動させないと所望する長さと透明度を有する氷Iを製造できなくなることを確認している。
また、氷Iの底面は均等(平ら)に氷結しない場合があるが、液体導入部1を断続的に移動する構成(一旦移動を停止させる構成)とすることで不均等による水漏れ等の問題を生じることなく綺麗な氷Iを生成することができることを確認している。
本実施例では、この昇降手段4は、1分間経過毎に液体充填部2を0.2mm降下するよう駆動源4aが制御されている。
尚、本実施例では、装置本体20に固定した製氷部3に対して液体充填部2を接離移動自在(昇降移動自在)に設けたが、液体充填部2に対して製氷部3を接離移動自在(昇降移動自在)に設けても良いし、液体充填部2及び製氷部3双方ともに接離移動自在(昇降移動自在)に設けても良い。
(液体供給部6)
液体導入部1には液体供給部6が設けられている。
この液体供給部6は、液体W(水)を貯留する液体貯留タンク6aと、この液体貯留タンク6aからポンプ6bを介して圧送される液体Wを搬送する液体搬送管体6cとで構成されており、この液体搬送管体6cは液体導入部1の下方に貫通状態に接続して設けられている。
従って、この液体供給部6から液体導入部1及び液体充填部2へ氷Iの生成により減った分の液体Wが常時供給されることになる。
尚、液体供給部6として水道管が接続される構造を採用しても良い。
(リザーバータンク7)
液体搬送管体6cには、リザーバータンク7が接続されており、このリザーバータンク7は、液体充填部2内の水Wが氷結する際の体積変化を吸収するためのものである。符号9は切替弁である。
尚、液体供給部6及びリザーバータンク7は液体導入部1の昇降に対応して昇降するように構成されている。
(製氷部3)
製氷部3は、図1に図示したように適宜な金属製の部材(本実施例ではアルミニウム合金)で形成された軸状体を液体充填部2の上部に装置本体20から垂下状態に設けて(すなわち垂設されて)構成されている。
(製氷部3の材質)
製氷部3若しくは製氷部3の先端面3aに用いる材料は銅製としても良く、氷Iの生成条件において液体充填部2の内面2aよりも製氷面3aの着氷力が大きくなる材質であれば良い。
尚、冷却効率の観点から熱伝導率が高いアルミニウムや銅の金属材料(アルミニウム合金,銅合金も含む。)が好適であるが、一般に金属よりも高い表面自由エネルギーを持つガラスやアルミナなどのセラミックスでも熱流速移動方向に十分に薄ければ製氷部3の先端面3aに用いることができる。
また、製氷面3aに微細凹凸を設けて表面積(表面粗さ)を増やすことで、製氷面3aの着氷力を液体充填部2の内面2aの着氷力よりも大きくするようにしても良い。
(冷却手段8)
製氷部3には冷却手段8が設けられている。
この冷却手段8は、図1に図示したように冷却液(不凍液)を冷却し該冷却液の送出及び回収を行う冷却部8aと、この冷却部8aに接続され冷却液を循環する循環パイプ8bとで構成され、この循環パイプ8bの途中部位が製氷部3に連設されている。従って、製氷部3は冷却液が接触通過することで冷却作用が発揮される。
(冷却制御)
本実施例の製氷部3は、先端面3aと氷結先端面Iaとの距離(生成する氷Iの厚さ)に応じて冷却温度が可変するように制御されている。
即ち、製氷部3の先端面3aは氷結先端面Iaから離れるほど冷却温度が低くなるように制御されている。これは、仮に冷却温度が一定であった場合、氷Iが成長し氷結先端面Iaと製氷部3の先端面3aの距離が遠くなるに従い十分に氷結先端面Iaが冷却されないことになるからであり、これに対応すべく前述したように制御される。しかも、この温度制御は先端面3aにおける着氷力を維持し且つ前記式(1)を充足することを前提に制御されている。
図6は冷却時間に応じて製氷部3の先端面3aの温度を何度にすれば良いか理論計算により求めたグラフであり、対流熱伝達率が6であるならば、冷却開始時の冷却面温度に対し、氷結先端面Iaが125分経過し離れると、16℃低くなるよう制御しなければいけないことが分かる。
(製氷工程)
以上の構成の本実施例に係る製氷装置Nによる氷Iの製造工程について説明する。尚、本実施例に係る製氷装置Nが設置される雰囲気温度は、約2℃程度にコントロールされることが好ましく、また、本実施例で使用する液体Wは水(例えば水道水や所謂名水を使用する。)である。
液体供給部6から供給される液体Wが液体導入部1に導入され、液体導入部1に導入された液体Wが液体充填部2に導入充填される。次いで、製氷部3の先端面3aを液体Wに密着させる。尚、製氷部3の先端面3aと液体Wの液面Waとの間に空気が溜まらないような構造を有していれば、液体充填部2に予め製氷部3が挿入され又は載置されていても良い。
製氷部3は冷却手段8により冷却されており、この液体充填部2に導入充填された液体Wは、製氷部3に接した部位から氷結する。
具体的には、この液体Wに対して接する製氷部3の先端面3aから、前記先端面3aとその近傍に位置する液体充填部2の内面2aとで囲まれた部位において氷Iが生成され、この氷Iは、時間の経過とともに液体充填部2の長さ方向に成長する(図2,3参照)。
この氷Iの生成の際、製氷部3に対して氷結先端面Ia(すなわち液面Wa)が液体充填部2の長さ以内の範囲で液体充填部2を降下させると、製氷部3の先端面3aに着いた氷Iは、液体充填部2から一部が露出状態となり、続けて氷結先端面Iaとその近傍に位置する液体充填部2の内面2aとで囲まれた部位において氷Iが生成される。これを継続させることで所定長の氷Iが連続的に生成され(図3参照)、この生成された氷Iは、硬度及び透明度の高い氷Iとなる。
上述のように液体充填部2の内面2aで氷Iが連続的に生成され、氷結先端面Iaから氷Iが生成される段階においては、氷Iが液体充填部2の長さ方向に適度な長さ以内の状態で液体充填部2を下降させないと液体充填部2の内面2aの着氷力が大きくなり過ぎ相対離反移動の成功確率が半分以下となってしまう。一方、氷Iが製氷部3の先端面3aから氷Iが生成される初期段階は、ある程度の長さの氷Iが生成してから液体充填部2を下降させないと液体Wが液体充填部2から漏れ出たり、氷Iにクラックが入ったりしてしまう。このため氷Iが生成される初期段階の冷却時間も重要である。
図7は本実施例において製氷部3の先端面3aから製氷され始めてから最初に液体充填部2を下降させるまでの時間(初期冷却時間)に対し、その後氷結先端面Iaから氷Iが生成され、ある時間毎で液体充填部2を下降制御しながら冷却し製氷完了するまでにかかった時間でプロットしたものである。各プロットは別々の氷Iであり製氷完了時の状態別に記号を分けてある。
初期冷却時間が5分以下の氷は液体充填部2から液体Wが漏れてしまい目標製氷時間(125分)に満たない段階で製氷を終了してしまう結果となった。また初期冷却時間を14分とすると氷Iの内部にクラックが発生してしまった。
本実施例においては初期冷却時間を8分から11分とすると良好な結果が得られることが分かったが、いうまでもなくこの初期冷却時間は製氷部3の先端面3aの着氷力と液体充填部2の内面2aの着氷力との関係で決まってくる時間である。
(透明度、硬度)
本実施例の製氷装置Nを用いてこの製氷工程に従うと、次の現象により透明度及び硬度が高くなると考えられる。
製氷中、液体導入部1内の液体Wの体積は、液体Wが氷結し固体となった分だけ減少する。氷結前後において液体Wに溶解しているガスの量が同じであるならば、液体体積の減少に伴い、液体Wの中の溶存ガス濃度が上昇する。さらに氷結が進み、液体Wの中の溶存ガス濃度が、氷結温度0℃における飽和溶存ガス濃度よりも高くなると、白濁させる一因である気泡が氷中に析出する。
本実施例の製氷装置Nは、液体導入部1に外部からガスが再溶解されない構造であることから、製氷中の液体Wは溶解しているガスの量が変化しない。氷Iの生成に伴って液体Wの液体体積が減少するため溶存ガス濃度は高くなるが、液体Wの液体体積は、生成された氷Iの固体体積に比べ十分に大きいため、液体Wの溶存ガス濃度は0℃における飽和濃度に達しない。
このことに加えて、連続的に製氷条件を維持する製氷手順であるから、例えば家庭用冷蔵庫に代表される製氷装置/手順で生成した氷に比べて、本実施例の氷Iは結晶方位が揃っているため硬度及び透明度の高い氷Iとなる。
(本実施例の効果)
本実施例は上述のように構成したから、液体充填部2の内面2aの着氷力は製氷部3の先端面3aの着氷力よりも小さな着氷力に設定されているため、液体充填部2と製氷部3とを相対離反移動は良好に行われ、ひいては所定長の氷Iを良好に生成することができる。
また、本実施例は、製氷部3は、この製氷部3の先端面3aと氷結先端面Iaとの距離に応じて冷却温度が可変するように構成されているから、氷Iが成長し氷結先端面Iaと製氷部3の先端面3aの距離が遠くなっても確実に氷結先端面Iaを冷却して氷Iを生成し続けることが可能となる。
また、本実施例は、液体充填部2と製氷部3との相対離反移動は断続的な移動となるように構成されているから、氷Iを良好に引き出すことができる。
また、本実施例は、液体充填部2には、液体導入部1の液体Wが導入充填される構成であるから、液体充填部2へは液体Wが常時充填されて製氷する環境が得られる。
また、本実施例は、製氷部3は液体充填部2の上部に垂設され、液体充填部2と製氷部3とは上下方向に相対離反移動可能に設けられているから、氷Iを安定的に成長させることができ、よって、任意の長さの氷Iを生成することが可能となる。
また、本実施例は、液体充填部2は横断面形状が可変するように構成されているから、この液体充填部2の横断面形状を任意に設定することで、例えば有名なキャラクターの顔の形状の氷Iを簡易に得ることができる。
また、本実施例は、液体充填部2の内面2aはフッ素樹脂若しくはアクリル樹脂で構成され、製氷部3の先端面3aはアルミニウム若しくはアルミニウム合金または銅若しくは銅合金またはガラスやアルミナなどのセラミックスで構成されているから、氷Iが製氷部3の先端面3aから脱落したりせず、よって氷Iを良好に移動させることができる。
また、本実施例は、液体充填部2は適宜な昇降手段4を介して昇降移動可能に設けられているから、前述した作用効果が確実に発揮されることになる。
また、本実施例は、液体充填部2は、該液体充填部2に導入された液体Wと製氷部3の先端面3aとの接する部分が視認可能に構成されているから、氷Iの生成状況を確認しながら該氷Iを良好に製造することができる。
また、本実施例によれば、使用する液体W、例えば水が有する特質(例えば、アルカリ水、軟水、硬水など)をそのまま有する所定長の透明な硬い氷Iを得ることができる。
W 液体
Ia 氷結先端面
1 液体導入部
2 液体充填部
2a 内面
3 製氷部
3a 先端面
4 昇降手段

Claims (13)

  1. 液体が導入される液体導入部と、この液体導入部と連通し該液体導入部の前記液体が充填される所定長の液体充填部と、前記液体充填部に充填された前記液体と密着し該液体を氷結せしめる製氷部とを具備した製氷装置であって、前記液体充填部と前記製氷部とは相対離反移動可能に設けられ、また、前記液体充填部の内面の着氷力は前記製氷部の先端面の着氷力よりも小さな着氷力となるように構成され、更に、前記製氷部は前記液体充填部に抜け脱可能に挿入され、前記製氷部の外周面と前記液体充填部の内周面とは密接するように構成されていることを特徴とする製氷装置。
  2. 液体が導入される液体導入部と、この液体導入部と連通し該液体導入部の前記液体が充填される所定長の液体充填部と、前記液体充填部に充填された前記液体と密着し該液体を氷結せしめる製氷部とを具備した製氷装置であって、前記液体充填部と前記製氷部とは相対離反移動可能に設けられ、また、前記液体充填部の内面の着氷力は前記製氷部の先端面の着氷力よりも小さな着氷力となるように構成され、更に、前記製氷部は、この製氷部の先端面と氷結先端面との距離に応じて冷却温度が可変するように構成されていることを特徴とする製氷装置。
  3. 請求項2記載の製氷装置において、前記製氷部は前記液体充填部に抜け脱可能に挿入され、前記製氷部の外周面と前記液体充填部の内周面とは密接するように構成されていることを特徴とする製氷装置。
  4. 液体が導入される液体導入部と、この液体導入部と連通し該液体導入部の前記液体が充填される所定長の液体充填部と、前記液体充填部に充填された前記液体と密着し該液体を氷結せしめる製氷部とを具備した製氷装置であって、前記液体充填部と前記製氷部とは相対離反移動可能に設けられ、また、前記液体充填部の内面の着氷力は前記製氷部の先端面の着氷力よりも小さな着氷力となるように構成され、更に、前記液体充填部は横断面形状が可変するように構成されていることを特徴とする製氷装置。
  5. 請求項4記載の製氷装置において、前記製氷部は前記液体充填部に抜け脱可能に挿入され、前記製氷部の外周面と前記液体充填部の内周面とは密接するように構成されていることを特徴とする製氷装置。
  6. 請求項1~いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部と前記製氷部との相対離反移動は断続的な移動となるように構成されていることを特徴とする製氷装置。
  7. 請求項1~いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部は、前記液体導入部から前記液体が導入充填される構成であることを特徴とする製氷装置。
  8. 請求項1~いずれか1項に記載の製氷装置において、前記製氷部は前記液体充填部の上部に垂設され、前記液体充填部と前記製氷部とは上下方向に相対離反移動可能に設けられていることを特徴とする製氷装置。
  9. 請求項1~8いずれか記載の製氷装置において、前記液体充填部の内面はフッ素樹脂若しくはアクリル樹脂で構成されていることを特徴とする製氷装置。
  10. 請求項1~9いずれか1項に記載の製氷装置において、前記製氷部の先端面はアルミニウム若しくはアルミニウム合金または銅若しくは銅合金で構成されていることを特徴とする製氷装置。
  11. 請求項1~9いずれか1項に記載の製氷装置において、前記製氷部の先端面はガラスやアルミナなどのセラミックスで構成されていることを特徴とする製氷装置。
  12. 請求項1~11いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部若しくは前記製氷部は、適宜な昇降手段を介して昇降移動自在に設けられていることを特徴とする製氷装置。
  13. 請求項1~12いずれか1項に記載の製氷装置において、前記液体充填部は、この液体充填部に導入充填された前記液体と前記製氷部の先端面との接する部分が視認可能に構成されていることを特徴とする製氷装置。
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