JP4479485B2 - 製氷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用冷蔵庫おいて比較的透明な氷をつくる製氷装置に関するものである。
近年、清潔指向の高まりにより、冷蔵庫に対してより清潔感を求める傾向が消費者の間で高まっている。冷蔵庫で作る氷に対しても、従来の不純物を含んだ氷よりもより透明度が高く、不純物の少ない氷が求められている。
従来の透明製氷を作ることのできる自動製氷装置としては、製氷皿上面から温風を所定の角度で吹き付けながら凍らせるものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の自動製氷装置を説明する。
図10は従来の自動製氷装置の側面図である。図10に示すように、従来の自動製氷装置は、給水タンクからの水を貯留する製氷皿1と、製氷皿1に貯留された水に空気を吹付けるブロー機構2と、製氷皿1を反転させ製氷皿1の氷を貯氷箱3に移す脱氷機構4を備えている。
また、製氷皿1は、上面が開口して形成された合成樹脂製で、その内側が凹状に形成された複数の製氷ブロック5に区画され、製氷皿1の両端部には回動軸6が設けられると共に、端部に給水タンクからの水が給水される給水口7が設けられている。
また、脱氷機構4は、製氷皿1の端部に設けられた駆動部8と、貯氷箱3に所定量以上の氷が貯えられているか否かを検出する検氷レバー9から構成され、駆動部8は図示しないパルスモータ、ギヤ及び出力軸から構成されている。
また、ブロー機構2は、空気を送風するポンプ10と、ポンプ10により送風される空気を製氷皿1の上方まで導く送風ダクト11と、送風ダクト11により導かれた空気を加熱する空気加熱ヒータ12と、空気加熱ヒータ12により加熱されて温風となった空気を各製氷ブロック5に貯留された水に吹き当てるノズル13と、製氷皿1の上面近傍の温度を検出する温度検出器14を備えている。
またこの時、ノズル13は製氷ブロック5に対応して複数設けられていて、空気を整流して製氷皿1に貯留された水に対して、所定の角度で吹付けられるように取付けられている。
以上のように構成された自動製氷装置について、以下その動作を説明する。
従来の自動製氷装置は、まず、温度検出器14により製氷ブロック5の空気の温度が検出され、ポンプ10の動作が開始する。
温度検出の結果、製氷ブロック5の空気が氷点下の場合には、空気加熱ヒータ12を動作させて空気を加熱し、ノズル13から吹出して温度検出器14周辺における製氷皿1上部の空気を暖める。
その後、製氷ブロック5に給水タンクから水が供給されて製氷が開始する。
ノズル13は製氷ブロック5に対応して複数設けられているので、各製氷ブロック5中に供給された水は、各々吹付けられた温風により回転撹拌される。
これにより、製氷過程で未結氷中に出てきた気泡も、撹拌された水と一緒に動き、水面又は水面近傍まで運ばれるようになるので、容易に脱気することが可能になる。
さらに、吹付けられる空気が温風であることより、回転撹拌される水の温度も相応に高くなり、水面が内部よりも先に結氷することがなくなり、製氷完了まで脱気経路を確保することができる。
これらにより、製氷される氷に含まれる空気の量を少なくすることができるようになり、高品質な透明氷を得ることが可能になっている。
特開2001−355946号公報
しかしながら、上記従来の構成では、製氷皿の裏側に冷気が送風されて冷却を行うことにより、製氷皿底面からの凍結と同時に製氷皿側面からの凍結が生じてしまい、更に、水面の中央部近傍に温風を吹き付けているために、氷は製氷皿を垂直断面で見ると、中心部近傍での氷の高さが製氷皿側面近傍での氷の高さに比べ低い凹状に氷が成長していく。
ここで、水にもともと溶け込んでいたカルシウムやマグネシウムといったミネラル分や空気は、水が凍結する際に氷から未凍結の水中に追い出されるため、凹状に成長した氷の中にある未凍結の水の中の空気やミネラル分の濃度は徐々に高くなっていく。
空気は未凍結の水面から周辺の空間に、ある程度拡散されるが、ミネラル分は製氷皿外部へ逃げることが出来ないため、最後のほうに凍る氷の略中央部分から上側部分にかけて、ミネラル分やミネラル分を核とした気泡が可視できる大きさまで集まることにより白濁が集中してしまい、氷の透明度が劣化してしまう。
また、集中したミネラル分は、氷を水等の飲料液に入れたときに氷から排出され、すぐに溶けることなく飲用液中を浮遊するが、製氷過程で容易に可視できる大きさにまで集まってしまうこともあるため、飲料液中で浮遊するのが観察され官能的に好ましい氷とならない。
さらに、温風を利用により必要以上に氷周囲を加温するため製氷効率が低下し、そのため製氷時間が長くなり、製氷にかかるエネルギー効率も悪い。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、氷の白濁が固まって目立つことがない透明度の高い氷で、飲料液に氷を入れてもミネラル分が浮遊するのが目立つことのない見た目に好ましい高品位な氷を比較的短時間でかつ低電力で提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明の製氷装置は、板状の氷を作る製氷皿を備えた製氷部と、前記製氷皿に水を供給する給水装置と、前記製氷皿を揺動させる揺動機構とを備え、前記給水装置により前記製氷皿に給水された水は、前記製氷部の揺動に伴い前記製氷皿内を流水し、少なくとも前記製氷部の揺動角度が最大になる時に、前記製氷皿の底面部の氷表面が空気中に露出するものである。
これによって、製氷皿の底面部の氷表面には水の薄膜が形成され、この水中から気泡が大気中に離脱するまでの距離を短くすることができる。
また、本発明の製氷装置は、冷凍温度に冷却される空間内に配置された製氷皿と、前記製氷皿に給水する給水パイプと、製氷時に前記製氷皿を揺動させる揺動機構とを備え、前記製氷皿上部温度を約0℃に保ち、製氷皿への給水動作を複数回に分けて間欠的に行う間欠給水手段を備えたもので、氷表面の未凍結水を薄膜化し、流水させながら凍結させることができる。
また、本発明の製氷装置は、製氷皿と、前記製氷皿を揺動させる揺動機構と、前記製氷皿に給水する給水機構とから構成され、給水した水を前記冷却板上に前記揺動機構で流水させながら凍結させ、給水動作を複数回に分けて行うとともに、凍らせる面が乾く前に揺動するもので未凍結部の水の高さを調節し、揺動軸中心に未凍結水が残ることを防止すると共に気泡の離脱距離を短くすることができ、氷表面に一定の水膜を保持し、局部の凍結による白濁を防止することができる。
本発明の製氷装置は、薄膜になった水から気泡が最短距離で離脱するため、短時間で白濁を低減させた透明な氷を製氷することができ、見た目に好ましい高品位な氷を提供することができる。
また、本発明の製氷装置によれば、冷凍温度に冷却される空間内に配置され、製氷皿と、前記製氷皿に給水する給水パイプと、製氷時に前記製氷皿を揺動させる揺動機構とを備え、前記製氷皿上部温度を約0℃に保ち、製氷皿への給水動作を複数回に分けて間欠的に行う間欠給水手段を備えたものであり、白濁を低減した透明氷を製氷でき、見た目に好ましい高品位な氷を提供することができる。
また、冷却板と、前記冷却板上に配置された製氷皿と、前記製氷皿を揺動させる揺動機構と、前記製氷皿に給水する給水機構とから構成され、給水した水を前記冷却板上に前記揺動機構で流水させながら凍結させ、給水動作を複数回に分けて行うとともに、凍らせる面が乾く前に揺動するもので、氷表面を流水させながら凍結させることにより短時間で透明な氷をつくることが可能となり、見た目に好ましい高品位な氷を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、板状の氷を作る製氷皿を備えた製氷部と、前記製氷皿に水を供給する給水装置と、前記製氷皿を揺動させる揺動機構とを備え、前記給水装置により前記製氷皿に給水された水は、前記製氷部の揺動に伴い前記製氷皿内を流水し、少なくとも前記製氷部の揺動角度が最大になる時に、前記製氷皿の底面部の氷表面が空気中に露出する。このことにより、製氷皿の底面には水の薄膜が形成され、水中から気泡が大気中に離脱するまでの距離を短くし、短時間で白濁の少ない透明な氷を製氷することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記製氷皿の底面部の氷表面のうち、少なくとも半分以上が空気中に露出するよう、製氷皿の大きさと給水量を決めており、気泡の離脱可能面積を確保している。
請求項3に記載の発明は、前記製氷皿の底面部の氷表面の露出時間は、露出面が完全に凍結する時間より短いもので、凍結により気泡の離脱経路が塞がれることを防止している。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記製氷皿の底面部の氷表面の露出時間は、露出面上の薄膜になった水中から気泡が離脱する時間より長いもので、凍結時に氷の中に気泡が閉じ込められることを防止している。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記製氷皿の側壁は底面から上方に向かって製氷皿の断面積が徐々に拡大するよう傾斜をもつもので、流水範囲を広げ、薄膜化を促進し、また、水の流れる距離を長くすることにより流水の速度が速くなり、氷水海面に付着している気泡を界面より離脱促進する。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記製氷皿の側壁の傾斜角度は10°〜30°であることにより、流水の範囲を保持することによる流水の効果を維持しつつ、揺動による水こぼれを防止すると共に、離氷性の向上、および製氷装置のコンパクト化をすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記製氷皿の側壁の先端を内側に折り曲げることにより、氷表面の流水の移動距離を確保しつつ、離氷動作時における製氷装置の回転軌跡をさらに小さくすることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、製氷開始から製氷完了まで揺動サイクルを1分間に3〜10回で揺動することにより、氷水界面に一定間隔で左右交互に簡易流水させることができ、氷水界面に付着した気泡を離脱させ、また、表面張力により一定の水膜を氷表面に形成させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明において、揺動角度は±10°〜20°とすることにより、給水された水を前記製氷皿左右方向に高低差をつけることにより、重力を利用して氷水界面に一定の速さ以上で流水させ、また、一定の水膜と流水性を確保すると同時に製氷量を確保しつつ、水こぼれを防止することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明において、最大角度での停止時間を3〜7秒とすることにより、揺動時に未凍結水を完全に一方の傾斜面に集め、気泡の合体・浮力の増大による脱気促進ができ、また、氷表面に一定の水膜を確保し、さらに、氷結前に再び揺動することにより局部的な凍結防止ができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の発明において、前記製氷皿内に複数回に分けて間欠的に給水することにより、氷表面の未凍結水を薄膜化し、流水させながら凍結させることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の発明において、前記製氷皿内に少量を連続的に給水することにより、氷表面の未凍結水を薄膜化し、流水させながら凍結させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による製氷装置の斜視図である。図2は、同実施の形態の製氷装置の分解状態を示す斜視図である。図3及、図4、図5は、同実施の形態の製氷装置の要部断面図である。図6および図7は、同実施の形態の製氷装置の特性図である。図8は、同実施の形態の製氷装置の給水量と透明度の関係を示す実験結果を示す図である。図9は、同実施の形態の製氷装置の製氷皿最大傾斜時の状態を示す要部断面図である。
図1、図2、図3、図4、図5において、給水タンク15の水は、間欠給水手段である給水ポンプ16により複数回に分けて給水し、給水パイプ17を通り製氷部18へ供給される。
製氷部18は製氷皿1と、冷却板19と、製氷皿1の外周フランジと冷却板19の間に配置される水漏れ防止材20から構成され、さらに冷却板19の下方に砕氷用駆動部21が配置される。またさらに、砕氷用駆動部21の下方には放熱板22が配置されており、冷却板19と放熱板22の間には冷却手段、例えば1個ないしは複数個のペルチェ素子23が配置される。このペルチェ素子23の外周には固定部材24が配設され、ペルチェ素子23の位置を固定する役割を果たす。またさらに、冷却板19と固定部材24間、放熱板22と固定部材24間には、各々、水浸入防止材25が設けられ、外部からペルチェ素子23近傍に水分が侵入することを防いでいる。また、冷却板19と、放熱板22は、各々アルミ等の熱伝導性の良い材料で成形されている。
保持部材26及び、保持部材27は、それぞれ一方が開口された略箱形状の保持部28、保持部29が一体に形成されており、この保持部28、保持部29により、製氷皿1と、冷却板19と、水漏れ防止材20と、砕氷用駆動部21と、放熱板22と、ペルチェ素子23と、固定部材24と、水浸入防止材25を上下に挟持するよう構成されている。この時に、製氷皿1は保持部材26及び、保持部材27によって冷却板19方向に押さえ付けられ、同時に、水漏れ防止材は適度に圧縮されている。
また、保持部材27の一方には、挿入口30が一体に形成されており、揺動用駆動部31の出力軸が挿入される構成となっている。
また、砕氷用駆動部21には、複数個の砕氷部材32が連結されており、冷却板19を貫通して製氷部18方向へ延伸されている。この時、冷却板19の貫通穴には、砕氷部材32の周囲をシールする、水漏れ防止材33が設けられており、固定板34にて冷却板19に固定されている。
また、冷却板19には温度検知手段、例えば温度センサ35が設けられ、保持部材26に取付けられている。
また、保持部材26、及び保持部材27内には、断熱材36が設けられている。
製氷皿1と、冷却板19と、水漏れ防止材20と、砕氷用駆動部21と、放熱板22と、ペルチェ素子23と、固定部材24と、水浸入防止材25と、保持部材26と、保持部材27と、砕氷部材32と、水漏れ防止材33と、固定板34と、温度センサ35と、断熱材36は、各々相互に固定され、全体として製氷ユニット37を構成している。
また、製氷ユニット37は、製氷室天面38に設けられた略ドーム形状の凹部内に、その上部が収納される。保持部材26と、製氷室天面38の凹部は、製氷ユニット37の回転に支障の無い程度に近接しており、製氷部18と製氷室の空気の循環は最小限に抑えられている。さらに、図示はしていないが、製氷室天面38の凹部には加熱手段が設けられている。
以上のように構成された自動製氷装置ついて、以下その動作を説明する。
給水タンク15から給水ポンプ16により給水パイプ17を通って給水された水は、製氷皿1と冷却板19に区画された製氷部18に貯えられる。製氷皿1は下方が開放され、冷却板19が露出している状態である。この時、製氷皿1と冷却板19の間には、水漏れ防止材20が配置されているため、製氷部18に貯えられた水は下方に漏れ出ることが無い。また、砕氷部材32の周囲には、水漏れ防止材33が設けられており、同じく製氷部18の水の漏出を防いでいる。水漏れ防止材33はゴム状の弾力性のある材料を用いており、形状としてはリング状を成している。この水漏れ防止材33の内周には、単段、あるいは複数段のヒレ形状が設けられており、その内径は、砕氷部材32の外形よりも小さくなっている。さらに、水漏れ防止材33の内周にはグリスが塗布され、より防水性を高めた構造をとっている。
この時、製氷部18は50ccから200ccの水を貯えることができるが、給水は一度に全部行わず、分割して行うように制御される。分割回数・給水量は製氷しようとする氷の量によって変わる。いずれの場合も初回は多く給水され、その後初回よりも少ない量で一定する。初回の給水量が多いのは、初回給水は直接冷却板19の上に水を給水することにより急速に水が冷却され、氷が白濁することを防ぐためである。初回以降は、給水された水により氷表面の未凍結水が薄膜になる程度の量が維持できるように給水される。この時の水膜の厚さは、脱気速度が凍結速度よりも速く、凍る前に十分に水中の空気が逃げるよう決められる。
なお、初回給水時の白濁防止のため、冷却面19の表面温度をあらかじめ一定温度以上に確保した後に給水すれば、さらに白濁は防止できる。
このように製氷部18内で積層しながら製氷していくが、給水のタイミングは、前回給水した水が完全に凍る前に行われる。これは、完全に凍結した後に給水させると、前回給水分の氷表面に霜が付き、層状に白濁が発生するためである。完全凍結前に次回給水することにより、一体の透明氷を作ることができる。
ペルチェ素子23は、冷却板19の下方に突出した凸部と接触しており、冷却板19を
冷却していく。この時、冷却板19はアルミのような良伝導性の金属板を用いており、その厚みを2mmから15mmに設定することで冷却面の均温化を図っている。これにより、ペルチェ素子23の配置はある程度の自由度をもたせることができる。
給水された水は冷却板19により下部から徐々に凍結していき、水中の気体成分を上方に逃がしていくが、その周囲は製氷室天面38の加熱手段により温められ、かつ、断熱材36により製氷室内雰囲気との断熱を行うため、製氷部18近傍の雰囲気温度は0℃よりも高く保たれる。なお、この時、製氷室天面38の凹部を加熱手段により温めるかわりに、製氷皿1を直接加熱手段により温めても効果は同様である。よって、給水された水の上面は凍結することが無い。この時、温度センサ35は冷却板19の温度を検知しており、ペルチェ素子23の電圧を適度に変化させることにより、凍結速度の最適な制御を行う。例えば、脱気速度よりも凍結速度が速すぎる場合には、ペルチェ素子23の電圧設定を冷却面の温度が上昇する制御を行い、遅い場合は、ペルチェ素子の電圧設定を冷却面の温度が低下する制御を行う。
製氷開始から時間が経過するにつれ氷が凸の形で上方に成長していくが、冷却板19と凍結面の距離もそれにつれて離れていく。そのため成長した氷自体が断熱効果をもつようになり氷水界面への冷却能力の伝導を阻止することになる。そこで、凍結面での凍結速度をある一定に保つためには、冷却面の温度を順次低下させることが必要になり、ペルチェ素子の電圧を時間経過により段階的に降下させていくことにより、凍結速度の制御を実現する。
また、この製氷ユニット37は、冷蔵庫の製氷室内、又は冷凍室内に配置された場合、製氷の初期段階では雰囲気温度の影響により、凍結速度が速すぎる場合がある。このとき、最適の凍結速度に制御するために、ペルチェ素子23に対する印加電圧の正負を逆転し、製氷開始からある一定の時間までは冷却面を暖める動作を行う。その後、ある一定時間経過後、電圧を再度逆転し、冷却面を冷却する動作を製氷完了まで行う。なお、印加電圧の反転を行うとき、ある一定時間非通電の状態を設けるほうがペルチェ素子23の寿命信頼性を確保することができる。
製氷が開始したと判断すると、揺動用駆動部31が、製氷ユニット37を揺動させることにより、製氷部18内に給水された水は、製氷部18が傾いたタイミングで、重力を利用して上方から下方に氷表面をなめるように流水する。水が流水したあとの氷の表面は、表面張力により全体が濡れた状態になり、微視的に見ると極めて薄い水の膜が存在する。また、水が適度に撹拌され、脱気が促進されると共に、極めて薄い水膜状態をつくりだすことにより、水中の空気が水と大気の界面まで達する距離が極端に短くなり、脱気しやすくなる。
その中で揺動角度により製氷皿1にできる氷の透明度は、変化する。揺動角度を変化させたときの透明度への影響を示した結果を図6の特性図に示す。揺動角度を変化させた時の透明度曲線40により揺動角度が10°前後までは、急激に透明度は向上する。しかし、10°をこえると透明度の向上は鈍化する。また、あまり、角度を大きくすると給水された水が、揺動により製氷皿1外にこぼれる可能性が大きくなる。よって、製氷皿1の揺動角度は10°〜20°の範囲に設定することが最もよいと判断できる。
また、揺動サイクルにより製氷皿1に出来る氷の透明度は、変化する。揺動サイクルを変化させたときの透明度の影響を示した結果を図7に特性図に示す。揺動サイクルを変化させた時の透明度曲線41より揺動サイクルが多すぎると給水された未凍結水が製氷皿の端面から端面まで行き届かず、中央付近で揺動しているだけであり、氷水界面の水の移動は少ない。よって、重力による水の移動効果が減少する。また、少なすぎると氷水界面で凍結が起こり、生成された氷に白い筋が残る。よって、揺動サイクルは、1分間あたり3回から10回の範囲が透明度を向上させるのに適当な値である。
図8は、本実施の形態の製氷装置において、給水分割回数を変化させた時の、製氷皿最大傾斜時の製氷皿底面露出面積割合と透明度の変化を確認した実験結果を示すものである。
実験に際しては、製氷皿の側壁には、冷却面から鉛直方向上側に向け断面が徐々に大きくなるような傾斜をつけた。この傾斜により、給水間隔は一定でかつ一回あたりの給水量が同じでも、回数を重ねる毎に氷上に給水される水の厚みは徐々に薄くなっていく。
また、揺動サイクルと揺動角度は、夫々5回/分と±15度に設定している。この時の各動作時間は、揺動動作(−15度から+15度)に1秒間、停止に5秒間、反対方向の揺動動作(+15度から−15度)に1秒間、停止に5秒間として設定しており、この一連の動作で1サイクルとしている。
また、氷の厚さは、使用者の立場から見て使いやすいと思われる適切な厚さで評価を行った。これは、氷の厚さが厚すぎると氷が大きくなってしまい、小さめのグラス等には入りにくくなる等の理由から使い勝手があまり良くなく、逆に薄すぎると氷の外観形状として官能的に好ましくないためであり、本実験では20mmの氷厚さに設定した。
また、給水において総給水量は160mlであり、これを複数回に分けて給水を行うのであるが、初回の給水量は、水が冷却板上で急速に凍結して白濁することを防止するために、ある一定量を給水している。今回の実験では初回給水量は28mlに設定した。
また、製氷時間は120分に設定している。
また、最大傾斜時露出面積割合は、2回目給水時に製氷皿が最大角度傾斜した場合に、空気中に製氷皿底部の氷表面が露出する割合を示している。
実験における氷の透明度評価においては、◎印は透明度が非常に高く白濁部がほとんど見られない(氷全体積のうち透明部が90%以上)、○印は部分的に極わずかに白濁部が見られるものの十分透明である(氷全体積のうち透明部が70%以上90%未満)、△印は部分的に白濁部があるものの従来の製氷装置でできる氷に比べ十分に透明である(氷全体積のうち透明部が50%以上70%未満)、×印は従来の製氷装置でできる程度の白濁した氷である(氷全体積のうち透明度が50%未満)ものの4段階で評価した。○印以上が透明度の比較的高い、官能的に優れた氷ということができる。
図8において、製氷皿の底面部の氷表面が空気中に露出する割合と透明度の関係を見ると、実施例4と実施例5に示すように、露出する割合が50%を超えた場合に透明度評価が△となっている。これは、水中から気泡が大気中へと離脱する際には、ある一定の速度で水表面へと移動していくのであるが、製氷皿底面部のうち空気中に露出している部分では水膜が極端に薄い状態で維持されており、気泡の離脱までの時間が非常に短くなり、かつ面積が広くなったため透明度が向上したものと考えられる。今回の実験条件では約50%を境として透明度が変化することが確認できた。
また、露出面積が増えるに従い透明度も向上していくのであるが、実施例15と実施例16に示すように露出面積74%を境にして透明度は逆に低下していく。これは、一回あたりの給水量が少なくなると凍結のスピードが速くなり、次回給水までに完全に凍ってしまうためである。
また、図9は分割給水量15ml、最大傾斜時の製氷皿1の状態を示しており、未凍結水42は揺動動作により製氷皿1の片方の側面に貯留し、製氷皿1の底面は略半分が空気中に露出されている。
また、製氷部18内には揺動方向に略垂直な壁は無く、給水された水は製氷皿1のほぼ全幅にわたって移動することが可能である。従来の製氷皿は複数の区画に分割されており、本発明の実施例においては給水された水の移動量は、従来の製氷皿に比べて大幅に多くなっている。
しかし、製氷皿1の側壁1Aが冷却面と垂直に存在した場合、水の移動距離は十分とは言えず、また、氷の成長も側壁1の熱伝導と、表面張力により側壁1Aからの氷の成長が中央より若干早い。そのため、側壁1Aが冷却面と垂直に存在する場合の製氷された氷は、揺動軸の中央部に直線化した気泡による白濁部が残る場合がある。
そのため、製氷皿1の形状は、冷却面から鉛直方向に向かって氷面積が徐々に拡大するように製氷皿側壁1Aが傾斜することで水の移動距離を確保し、また、側壁も冷却面からの熱伝導の影響を緩和することができる。よって、揺動軸中心部、すなわち製氷皿中央部から氷が成長させることにより、中央部に水が残ることを防止する。
また、傾斜角度は、その製氷装置の形状にも影響する。なぜなら、傾斜角度が大きいと一定の氷高さを維持するためには、側壁の距離が長くなる。これは、離氷時の製氷皿1を含めた製氷部18の回転軌跡、製氷室天面38や保持部材26の形状に影響し、しいては製氷装置全体の容量に影響する。そこで、製氷皿1の側壁の傾斜角度は10°〜30°が適当であり、この範囲内なら、生成される氷の透明度を確保することができ、また、製氷皿の水こぼれも防止できる範囲である。
さらに、本発明の実施の形態1においては氷形成の高さを超えた部分から製氷皿側壁上部1Bが内側に折れ曲がっている。これにより製氷皿1が揺動、離氷時に描く回転軌跡を小さくすることができ、製氷ユニット37をコンパクト化することが出来る。
なお、最大傾斜角での停止時間も揺動サイクルを設定するのに重要な意味をもつ。つまり、最大傾斜角での停止時間は、未凍結水を端面から端面へ移動させる流水時間を確保しており、揺動サイクルとしては、十分な流水時間を確保でき、かつ氷表面の未凍結水を保持できる3秒〜7秒が適切な範囲といえる。これらを揺動サイクルの制御に規定してもよい。
以上のように、本発明にかかる製氷装置は、白濁を低減した透明氷を短時間でつくることが可能となり、透明度の高い氷が要求される製氷装置、および冷蔵庫、自動販売機等の適用機器に有効に利用できる。
本発明の実施の形態1における製氷装置の斜視図 同実施の形態の製氷装置の分解状態を示す斜視図 同実施の形態の製氷装置の要部断面図 同実施の形態の製氷装置の要部断面図 同実施の形態の製氷装置の要部断面図 同実施の形態の製氷装置の揺動角度における特性図 同実施の形態の製氷装置の揺動サイクルにおける特性図 同実施の形態の製氷装置の給水量と透明度の関係を示す実験結果を示す図 同実施の形態の製氷装置の製氷皿最大傾斜時の状態を示す要部断面図 従来の製氷装置の側面図
符号の説明
1 製氷皿
1A 製氷皿側壁
1B 製氷皿側壁上部
15 給水タンク
16 給水ポンプ
17 給水パイプ
18 製氷部
19 冷却板
20、33 水漏れ防止材
21 砕氷用駆動部
22 放熱板
23 ペルチェ素子
24 固定部材
25 水浸入防止材
26、27 保持部材
28、29 保持部
30 挿入口
31 揺動用駆動部
32 砕氷部材
34 固定板
35 温度センサ
36 断熱材
37 製氷ユニット
38 製氷室天面
40 揺動角度を変化させた時の透明度曲線
41 揺動サイクルを変化させた時の透明度曲線
42 未凍結水

Claims (12)

  1. 板状の氷を作る製氷皿を備えた製氷部と、前記製氷皿に水を供給する給水装置と、前記製氷皿を揺動させる揺動機構とを備え、前記給水装置により前記製氷皿に給水された水は、前記製氷部の揺動に伴い前記製氷皿内を流水し、少なくとも前記製氷部の揺動角度が最大になる時に、前記製氷皿の底面部の氷表面が空気中に露出する製氷装置。
  2. 前記製氷皿の底面部の氷表面は、少なくとも半分が空気中に露出する請求項1に記載の製氷装置。
  3. 前記製氷皿の底面部の氷表面の露出時間は、露出面が完全に凍結する時間より短い請求項1または2に記載の製氷装置。
  4. 前記製氷皿の底面部の氷表面の露出時間は、露出面上の薄膜になった水中から気泡が離脱する時間より長い請求項1から3のいずれか一項に記載の製氷装置。
  5. 前記製氷皿の側壁は底面から上方に向かって製氷皿の断面積が徐々に拡大するよう傾斜をもつ請求項1から4のいずれか一項に記載の製氷装置。
  6. 前記製氷皿の側壁の傾斜角度が10°〜30°である請求項1から5のいずれか一項に記載の製氷装置。
  7. 前記製氷皿の側壁は傾斜角度が10°〜30°であり、さらにその上端部は内側に折れ曲がっていることを特徴とする請求項6に記載の製氷装置。
  8. 製氷開始から製氷完了まで1分間に3〜10回の揺動サイクルで揺動する請求項1から7のいずれか一項に記載の製氷装置。
  9. 揺動角度は±10°〜20°とする請求項1から8のいずれか一項に記載の製氷装置。
  10. 揺動の最大傾斜角度での停止時間を3〜7秒とする請求項1から9のいずれか一項に記
    載の製氷装置。
  11. 前記給水装置により、前記製氷皿内に複数回に分けて間欠的に給水する請求項1から10のいずれか一項に記載の製氷装置。
  12. 前記給水装置により、前記製氷皿内に少量を連続的に給水する請求項1から10のいずれか一項に記載の製氷装置。
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