JP7479958B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用灯具に関し、特に、法規が定める範囲及び明るさが異なる2種類のランプ機能を実現することができる車両用灯具に関する。
複数の半導体発光素子とインナーレンズとアウターレンズとを用いた車両用灯具が例えば特許文献1に記載されている。
本発明者らは、特許文献1に記載の車両用灯具を、テールランプ、ストップランプ兼用の車両用信号灯具に適用することを検討した。
特開2017-228440号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載の車両用灯具においては、インナーレンズを透過しアウターレンズに入光した各々の半導体発光素子からの光が、アウターレンズの表面に設けられた遮光反射面と遮光反射面との間のスリット部から放射状に出光する構成であるため、テールランプ用配光パターン及びストップランプ用配光パターンについて法規が定める範囲を、法規が定める明るさで照射することが難しいことが判明した。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、法規が定める範囲及び明るさが異なる2種類のランプ機能を実現することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
本発明にかかる車両用灯具は、フレキシブル性を有するフィルムと、前記フィルムに実装された複数の半導体発光素子と、を含むフィルム光源と、前記複数の半導体発光素子が対向する複数の入光部を含む裏面と、その反対側の表面と、を含むインナーレンズと、前記入光部は、中央入光面と、当該中央入光面の周囲に設けられた周囲入光面と、を含み、前記フィルム光源は、各々の前記半導体発光素子と各々の前記入光部とが対向した状態で前記インナーレンズの後方に配置されており、前記中央入光面は、当該中央入光面から前記インナーレンズに入光する、前記半導体発光素子からの光のうち当該半導体発光素子の光軸に対して狭角方向の光を拡散させるレンズ面であり、前記周囲入光面は、当該周囲入光面から前記インナーレンズに入光する、前記半導体発光素子からの光のうち当該半導体発光素子の光軸に対して広角方向の光を集光させるレンズ面であり、前記インナーレンズの表面には、各々の前記中央入光面及び各々の前記周囲入光面から前記インナーレンズに入光し当該インナーレンズの表面から出光する各々の前記半導体発光素子からの光を制御する光制御面を含む複数の配光用カットが設けられている。
このような構成により、法規が定める範囲及び明るさが異なる2種類のランプ機能を実現することができる車両用灯具を提供することができる。
これは、中央入光面からインナーレンズに入光し、半導体発光素子の光軸に対して狭角方向に拡散される半導体発光素子からの光、及び、周囲入光面からインナーレンズに入光し、半導体発光素子の光軸に対して広角方向に集光される半導体発光素子からの光が、インナーレンズの表面に設けられた複数の配光用カットにより制御されることによるものである。
上記車両用灯具において、前記フィルム光源は、各々の前記半導体発光素子の光軸と各々の前記入光部の光軸とが一致した状態で配置されており、前記中央入光面及び前記周囲入光面は、それぞれ、前記入光部の光軸に対して回転対称に構成されており、前記周囲入光面は、前記中央入光面の外周縁から前方に向かって錐台状に拡がるテーパ筒状のレンズ面であってもよい。
また、上記車両用灯具において、前記インナーレンズは、車幅方向内側に配置される平坦部と、前記平坦部の車幅方向外側の端部から車両側面に回り込む回り込み部と、を含み、前記フィルム光源は、前記平坦部に対しては当該平坦部に沿って平行の状態で、かつ、前記回り込み部に対しては当該回り込み部に沿って湾曲した状態で配置されていてもよい。
また、上記車両用灯具において、前記回り込み部に設けられた各々の前記入光部の光軸と前記光制御面とがなす角度は、前記平坦部に設けられた各々の前記入光部の光軸と前記光制御面とがなす角度より小さくてもよい。
また、上記車両用灯具において、各々の前記入光部の光軸と前記光制御面とがなす角度は、各々の前記入光部から入光し前記光制御面から出光する各々の前記半導体発光素子からの光が、車両後方に向かい、テールランプ用配光パターン及びストップランプ用配光パターンについて法規が定める範囲を照射するように調整されていてもよい。
また、上記車両用灯具において、前記インナーレンズの表面のうち互いに隣接する前記配光用カット間には、当該配光用カット間から出光する光を拡散させる第1光拡散面が設けられていてもよい。
また、上記車両用灯具において、前記インナーレンズの裏面のうち水平方向に関し互いに隣接する前記入光部間には、鉛直方向に延び、かつ、当該入光部間から入光する光を水平方向に拡散させる第2光拡散面が設けられていてもよい。
また、上記車両用灯具において、前記インナーレンズの裏面のうち鉛直方向に関し互いに隣接する前記入光部間には、水平方向に延び、かつ、当該入光部間から入光する光を鉛直方向に拡散させる第3光拡散面が設けられていてもよい。
本発明により、法規が定める範囲及び明るさが異なる2種類のランプ機能を実現することができる車両用灯具を提供することができる。
車両用灯具10の斜視図である。 (a)XY平面に対して平行な平面による車両用灯具10の断面図、(b)車両用灯具10(インナーレンズ30)の正面図、(c)図2(b)のA-A断面における輝度分布である。 図2(a)中の矩形B1内の拡大図である。 図2(a)中の矩形B2内の拡大図である。 図2(a)中の矩形B3内の拡大図である。 (a)インナーレンズ30の裏面側から見た斜視図、(b)図6(a)中の矩形B4内の拡大図である。 インナーレンズ30の表面側から見た斜視図である。 (a)テールランプ用配光パターンの一例、(b)ストップランプ用配光パターンの一例である。 比較例の部分拡大図である。 (a)比較例の光線追跡図、(b)実施形態の光線追跡図である。 (a)比較例の光線追跡図、(b)実施形態の光線追跡図である。 (a)図2(a)に示すフィルム光源20をハウジング50に取り付けた状態の図、(b)図12(a)中の矩形B5内の拡大図である。
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は、車両用灯具10の斜視図である。
以下、車両用灯具10を、テールランプ、ストップランプ兼用の車両用信号灯具に適用する例について説明する。
車両用灯具10は、自動車等の車両(図示せず)の後端部の左右両側にそれぞれ搭載される。左右両側に搭載される車両用灯具10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両の後端部の右側(車両前方に向かって右側)に搭載される車両用灯具10について説明する。
図1に示すように、車両用灯具10は、フィルム光源20と、インナーレンズ30と、アウターレンズ40と、を備えている。
車両用灯具10は、アウターレンズ40とハウジング(図示せず)とによって構成される灯室内に配置され、ハウジング等に取り付けられている。以下、説明の便宜のため、図1に示すように、XYZ軸を定義する。X軸は、車両前後方向に延びている。Y軸は、車幅方向に延びている。Z軸は、鉛直方向に延びている。
まず、フィルム光源20について説明する。
図2(a)はXY平面に対して平行な平面による車両用灯具10の断面図である。図2(a)中、アウターレンズ40は省略されている。
図2(a)に示すように、フィルム光源20は、フィルム21と、当該フィルム21に実装された半導体発光素子22と、を含む。
図1に示すように、フィルム21は、例えば、外形が横長矩形のフレキシブル性を有するフィルムである。半導体発光素子22は、フィルム21の表面又は裏面に格子状に複数設けられている。具体的には、図1においては、半導体発光素子22は、矢印A1が示す方向及び矢印A2が示す方向に格子状に複数設けられている。なお、図1中、二つのフィルム光源20を用いているが、これに限らず、例えば、これらが連結された一つのフィルム光源を用いてもよい。
図3は図2(a)中の矩形B1内の拡大図、図4は図2(a)中の矩形B2内の拡大図、図5は図2(a)中の矩形B3内の拡大図である。
半導体発光素子22の配置間隔p1(図3~図5参照)は、例えば、3mmである。半導体発光素子22は、発光色が赤色の半導体発光素子(例えば、LED)である。半導体発光素子22は、発光面を備えている。発光面は、例えば、300μm角程度の矩形の発光面である。半導体発光素子22の光軸AX22(図3~図5参照)は、発光面の中心を通り、かつ、発光面に直交する方向に延びている。なお、図示しないが、フィルム21には、半導体発光素子22の他、半導体発光素子22に駆動電流を供給するための配線パターンも実装されている。フィルム光源20については、公知であるため(例えば、特開2020-31039号公報参照)、これ以上の説明は省略する。
図3~図5に示すように、フィルム光源20は、各々の半導体発光素子22とインナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の裏面に設けられた各々の入光部33とが対向した状態でインナーレンズ30の後方に配置されている。その際、フィルム光源20は、平坦部31に対しては当該平坦部31に沿って平行の状態(図3参照)で、かつ、回り込み部32に対しては当該回り込み部32に沿って湾曲した状態(図4、図5参照)でハウジング50に取り付けられている(図12参照)。図12(a)は、図2(a)に示すフィルム光源20をハウジング50に取り付けた状態の図、図12(b)は図12(a)中の矩形B5内の拡大図である。フィルム光源20は、例えば、両面テープ等の公知の手段でハウジング50に取り付けられている。このように取り付けられた状態で、各々の半導体発光素子22の光軸AX22と、各々の入光部33の光軸AX33とは一致している。ハウジング50は、インナーレンズ30、アウターレンズ40と同様、平坦部51と回り込み部52とを含む。
次に、インナーレンズ30について説明する。
図1、図2(a)に示すように、インナーレンズ30は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、車幅方向内側に配置される平坦部31と、平坦部31の車幅方向外側の端部から車両右側面に回り込む回り込み部32(湾曲部)と、を含む。平坦部31は、YZ平面に対して平行に配置される。インナーレンズ30は、例えば、射出成形により一体的に成形されている。
図6(a)はインナーレンズ30の裏面側から見た斜視図、図6(b)は図6(a)中の矩形B4内の拡大図である。
図6(a)に示すように、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の裏面には、半導体発光素子22が対向する入光部33が格子状に複数設けられている。具体的には、図6(a)においては、入光部33は、矢印A3が示す方向及び矢印A4が示す方向に格子状に複数設けられている。入光部33の配置間隔p1(図3~図5参照)は、半導体発光素子22の配置間隔と同一である。
図3、図6(b)に示すように、入光部33は、中央入光面33aと、中央入光面33aの周囲に設けられた周囲入光面33bと、を含む。中央入光面33a及び周囲入光面33bは、それぞれ、入光部33の光軸AX33に対して回転対称に構成されている。
半導体発光素子22が発光する光は、当該半導体発光素子22が対向する入光部33からインナーレンズ30に入光する。具体的には、図3に示すように、半導体発光素子22が発光する光のうちその光軸AX22に対して狭角方向の相対強度が高い光Ray1は中央入光面33aから入光する。一方、半導体発光素子22が発光する光のうちその光軸AX22に対して広角方向の相対強度が低い光Ray2は周囲入光面33bから入光する。
中央入光面33aは、当該中央入光面33aからインナーレンズ30に入光する、半導体発光素子22からの光のうち当該半導体発光素子22の光軸AX22に対して狭角方向の光Ray1(相対強度が高い)を拡散させるレンズ面で、例えば、半導体発光素子22の光軸AX 22 に対して垂直な平面のレンズ面である。中央入光面33aの面形状は、テールランプ用配光パターン及びストップランプ用配光パターンについて法規が定める範囲を考慮して、例えば、当該中央入光面33aから入光する相対強度が高い光Ray1が、入光部33の光軸AX33を含む水平面に対して上15°及び下15°の範囲に拡散されるように構成されている。

周囲入光面33bは、当該周囲入光面33bからインナーレンズ30に入光する、半導体発光素子22からの光のうち当該半導体発光素子22の光軸AX22に対して広角方向の光Ray2(相対強度が低い)を集光させるレンズ面で、例えば、中央入光面33aの外周縁から前方に向かって錐台状(例えば、円錐台状)に拡がるテーパ筒状のレンズ面である。周囲入光面33bのテーパ角度は、当該周囲入光面33bから入光する相対強度が低い光Ray2が、例えば、入光部33の光軸AX33に対して平行の方向又は入光部33の光軸AX33に交差する方向に進行するように考慮された角度である。
図3に示すように、平坦部31に設けられた各々の入光部33については、各々の入光部33の光軸AX33とX軸とがなす角度は、0°である。つまり、平坦部31に設けられた各々の入光部33の光軸AX33は、互いに平行で、X軸方向に延びている。
一方、図4、図5に示すように、回り込み部32に設けられた各々の入光部33については、各々の入光部33の光軸AX33とX軸とがなす角度θ1は、車幅方向外側に位置する入光部33ほど大きい。
図7は、インナーレンズ30の表面側から見た斜視図である。
図3、図7に示すように、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の表面には、各々の入光部33(中央入光面33a及び周囲入光面33b)からインナーレンズ30に入光し当該インナーレンズ30の表面から出光する各々の半導体発光素子22からの光を制御する配光用カット34が設けられている。配光用カット34は、Z軸方向に延びており、並列に複数設けられている。具体的には、図7においては、配光用カット34は、矢印A5が示す方向に並列に複数設けられている。配光用カット34の配置間隔p2(図3~図5参照)は、入光部33の配置間隔p1より狭い。
配光用カット34は、Z軸方向に延びる細幅の光制御面34a(図3等参照)を含む。光制御面34aは、入光部33から入光する半導体発光素子22からの光を制御するカット面である。
図3に示すように、平坦部31に設けられた各々の入光部33については、各々の入光部33の光軸AX33と光制御面34aとがなす角度は、θ2である。角度θ2は、入光部33から入光し光制御面34aから出光する半導体発光素子22からの光Ray1、Ray2(図3参照)が、車両後方に向かい、テールランプ用配光パターン(図8(a)参照)及びストップランプ用配光パターン(図8(b)参照)について法規が定める範囲、例えば、図8(a)中の範囲C1及び図8(b)中の範囲C4を照射するように調整された角度である。
一方、図4に示すように、回り込み部32のうち車幅方向内側に設けられた各々の入光部33については、各々の入光部33の光軸AX33と光制御面34aとがなす角度は、θ3(例えば、角度θ2より小さい)である。角度θ3は、入光部33から入光し光制御面34aから出光する半導体発光素子22からの光Ray1、Ray2(図4(a)、図4(b)参照)、及び、入光部33(中央入光面33a)から入光し光制御面34aで屈折及び内面反射(内部反射)されて配光用カット34から出光する半導体発光素子22からの光Ray1(図4(b)参照)が、車両後方に向かい、テールランプ用配光パターン(図8(a)参照)及びストップランプ用配光パターン(図8(b)参照)について法規が定める範囲、例えば、図8(a)中の範囲C2及び図8(b)中の範囲C5を照射するように調整された角度である。
また、図5に示すように、回り込み部32のうち車幅方向外側に設けられた各々の入光部33については、各々の入光部33の光軸AX33と光制御面34aとがなす角度は、θ4(例えば、角度θ3より小さい)である。角度θ4は、入光部33から入光し光制御面34aから出光する半導体発光素子22からの光Ray1、Ray2(図5(a)、図5(b)参照)、及び、入光部33(中央入光面33a)から入光し光制御面34aで屈折及び内面反射(内部反射)されて配光用カット34から出光する半導体発光素子22からの光Ray1(図5(b)参照)が、車両後方に向かい、テールランプ用配光パターン(図8(a)参照)及びストップランプ用配光パターン(図8(b)参照)について法規が定める範囲、例えば、図8(a)中の範囲C3を照射するように調整された角度である。
配光用カット34の高さh(図3~図5参照)は、全ての配光用カット34で同一である。なお、配光用カット34の高さhは、基準面F1(図3~図5参照)からの高さである。
図3~図5に示すように、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の表面のうち互いに隣接する配光用カット34間(配光用カット34間の谷部)には、当該配光用カット34間から出光する光を水平方向に拡散させる第1光拡散面35が設けられている。第1光拡散面35は、例えば、円柱軸がZ軸方向に延びるシリンドリカル面又はシリンドリカル状の面(ローレットとも呼ばれる)である。
また、図6(b)に示すように、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の裏面のうち水平方向に関し互いに隣接する入光部33間には、Z軸方向に延び、かつ、当該入光部33間から入光する光を水平方向に拡散させる第2光拡散面36が設けられている。第2光拡散面36は、例えば、円柱軸がZ軸方向に延びるシリンドリカル面又はシリンドリカル状の面(ローレットとも呼ばれる)である。
第1光拡散面35、第2光拡散面36を設けた技術的意義について比較例と対比しながら説明する。
図9は、比較例の部分拡大図である。
図9(a)に示すように、比較例は、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の表面のうち互いに隣接する配光用カット34間(配光用カット34間の谷部)が基準面F1(基準表面)で構成されている点が相違する。図9(a)において、基準面F1は、入光部33の光軸AX33に対して概ね直交している。また、図9(b)に示すように、比較例は、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の裏面のうち互いに隣接する入光部33間が基準面F2(基準裏面)で構成されている点が相違する。図9(b)において、基準面F2は、入光部33の光軸AX33に対して概ね直交している。それ以外、本実施形態の車両用灯具10と同様である。
比較例においては、図9(a)に示すように、回り込み部32に設けられた入光部33(周囲入光面33b)から入光した相対強度が低い光Ray2は、互いに隣接する配光用カット34間の基準面F1から屈折することなく直進して出光する。図10(a)中の楕円D1で囲った範囲は、この直進して出光する光の光路を表している。
また、比較例においては、図9(b)に示すように、回り込み部32に設けられた入光部33間の基準面F2から入光した半導体発光素子22からの光Ray3は、配光用カット34(光制御面34a)から屈折して出光する。図11(a)中の楕円D2で囲った範囲は、この屈折して出光する光の光路を表している。
その結果、比較例においては、図2(b)、図2(c)に示すように、回り込み部32(特に、右60~70°の範囲)の輝度が相対的に高くなり、当該範囲が点光しているように見える。図2(b)は車両用灯具10(インナーレンズ30)の正面図、図2(c)は図2(b)のA-A断面における輝度分布である。図2(c)中の符号Lが示すグラフは、図2(b)中のA-A断面における輝度分布を表す。図2(c)中の符号LAが示す直線(実線)は、グラフLの近似直線である。また、図2(c)中の符号LBが示す点線は、直線LAに対して+5%の輝度を表す直線である。また、図2(c)中の符号LCが示す点線は、直線LAに対して-5%の輝度を表す直線である。
これに対して、本実施形態においては、回り込み部32に設けられた入光部33(周囲入光面33b)から入光した相対強度が低い光Ray2は、互いに隣接する配光用カット34間の第1光拡散面35から水平方向に拡散して出光する。そのため、図10(b)に示すように、楕円D1で囲った範囲を通過する光の密度が、図10(a)と比べ、小さくなる。
また、本実施形態においては、回り込み部32に設けられた入光部33間の第2光拡散面36から入光した半導体発光素子22からの光Ray3は、当該第2光拡散面36から水平方向に拡散して入光する。そのため、図11(b)に示すように、楕円D2で囲った範囲を通過する光の密度が、図11(a)と比べ、小さくなる。
その結果、本実施形態においては、図2(b)、図2(c)に示すように、回り込み部32(特に、右60~70°の範囲)の輝度が相対的に高くなるのを(当該範囲が点光しているように見えるのを)抑制することができる。
図6(b)に示すように、インナーレンズ30(平坦部31及び回り込み部32)の裏面のうち鉛直方向に関し互いに隣接する入光部33間には、水平方向に延び、かつ、当該入光部33間から入光する光を鉛直方向に拡散させる第3光拡散面37が設けられている。第3光拡散面37は、例えば、円柱軸が水平方向に延びるシリンドリカル面又はシリンドリカル状の面(ローレットとも呼ばれる)である。なお、本実施形態では、水平方向の拡散を優先させるため、第2光拡散面36が優先的に設けられている。すなわち、第3光拡散面37は、第2光拡散面36近傍で途切れて、断続的に水平方向に延びている。
次に、上記構成の車両用灯具10をテールランプとして機能させる動作例について説明する。
上記構成の車両用灯具10は、フィルム光源20を構成する各々の半導体発光素子22にテールランプ用の駆動電流を印加することで、テールランプとして機能する。
すなわち、テールランプ用の駆動電流を印加することで発光する各々の半導体発光素子22からの光Ray1、2(図3~図5参照)は、各々の半導体発光素子22が対向する各々の入光部33からインナーレンズ30に入光し、インナーレンズ30の表面から出光する際、主に、当該表面に設けられた各々の配光用カット34(光制御面34a)により照射方向が制御されることで、テールランプ用配光パターン(図8(a)参照)を形成する。その際、各々の配光用カット34(光制御面34a)により照射方向が制御される光は、アウターレンズ40を透過する。
その際、入光部33を構成する周囲入光面33bにより集光される光Ray2(図3~図5参照)が、各々の配光用カット34(光制御面34a)により、主に、テールランプ用配光パターン(図8(a)参照)中の範囲C1~C3を照射するように制御されるため、テールランプ用配光パターンの光度を高くすることができる。
また、回り込み部32に設けられた各々の入光部33から入光する光Ray1、2(図4~図5参照)が、各々の配光用カット34(光制御面34a)により、車両側方ではなく車両後方に向かうように制御されるため、これによっても、テールランプ用配光パターンの光度を高くすることができる。
アウターレンズ40は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、インナーレンズ30と同様、平坦部41と回り込み部42とを含む(図1参照)。なお、アウターレンズ40は、素通し状のレンズとして構成されている。
次に、上記構成の車両用灯具10をストップランプとして機能させる動作例について説明する。
上記構成の車両用灯具10は、フィルム光源20を構成する各々の半導体発光素子22にテールランプ用の駆動電流より高いストップランプ用の駆動電流を印加することで、ストップランプとして機能する。
すなわち、ストップランプ用の駆動電流を印加することでテールランプ時より明るく発光する各々の半導体発光素子22からの光Ray1、2(図3~図5参照)は、各々の半導体発光素子22が対向する各々の入光部33からインナーレンズ30に入光し、インナーレンズ30の表面から出光する際、主に、当該表面に設けられた各々の配光用カット34(光制御面34a)により照射方向が制御されることで、ストップランプ用配光パターン(図8(b)参照)を形成する。その際、各々の配光用カット34(光制御面34a)により照射方向が制御される光は、アウターレンズ40を透過する。
その際、入光部33を構成する周囲入光面33bにより集光される光Ray2(図3~図5参照)が、各々の配光用カット34(光制御面34a)により、主に、ストップランプ用配光パターン(図8(b)参照)中の範囲C4~C5を照射するように制御されるため、ストップランプ用配光パターンの光度を高くすることができる。
また、回り込み部32に設けられた各々の入光部33から入光する光Ray1、2(図4~図5参照)が、各々の配光用カット34(光制御面34a)により、車両側方ではなく車両後方に向かうように制御されるため、これによっても、ストップランプ用配光パターンの光度を高くすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、法規が定める範囲及び明るさが異なる2種類のランプ機能(テールランプ、ストップランプ)を実現することができる車両用灯具10を提供することができる。
これは、入光部33(中央入光面33a)からインナーレンズ30に入光し拡散される半導体発光素子22からの光Ray1(半導体発光素子22の光軸AX22に対して狭角方向の相対強度が高い光Ray1)、及び、入光部33(周囲入光面33b)からインナーレンズ30に入光し集光される半導体発光素子22からの光Ray2(半導体発光素子22の光軸AX22に対して広角方向の相対強度が低い光Ray2)が、インナーレンズ30の表面に設けられた複数の配光用カット34(光制御面34a)により制御されることによるものである。
また、本実施形態によれば、配光用カット34間から出光する光を水平方向に拡散させる第1光拡散面35の曲率、入光部33間から入光する光を水平方向に拡散させる第2光拡散面36の曲率、及び入光部33間から入光する光を鉛直方向に拡散させる第3光拡散面37の曲率のうち少なくとも一つを調整することで、インナーレンズ30が均一又は略均一に発光しているように視認させることができる。
次に、変形例について説明する。
上記実施形態では、平坦部31と回り込み部32とを含むインナーレンズ30を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、平坦部31のみを含むインナーレンズを用いてもよい。
また、上記実施形態では、半導体発光素子22及び入光部33がそれぞれ格子状に複数設けられている例について説明したが、これに限らない。例えば、半導体発光素子22及び入光部33はそれぞれランダムに設けられていてもよいし、一定の規則で設けられていてもよい。このように、半導体発光素子22及び入光部33はそれぞれ二次元的に設けてもよいし、一次元的(例えば、一列)に設けてもよい。
また、上記実施形態では、本発明の車両用灯具をテールランプ、ストップランプ兼用の車両用信号灯具に適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、本発明の車両用灯具を、ハイマウントストップランプやDRLランプ等のその他の車両用信号灯具に適用してもよい。
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
10…車両用灯具、20…フィルム光源、21…フィルム、22…半導体発光素子、30…インナーレンズ、31…平坦部、32…回り込み部、33…入光部、33a…中央入光面、33a…中央入光面、33b…周囲入光面、34…配光用カット、34a…光制御面、35…第1光拡散面、36…第2光拡散面、37…第3光拡散面、40…アウターレンズ、50…ハウジング、AX22、AX33…光軸、F1、F2…基準面

Claims (8)

  1. フレキシブル性を有するフィルムと、前記フィルムに実装された複数の半導体発光素子と、を含むフィルム光源と、
    前記複数の半導体発光素子が対向する複数の入光部を含む裏面と、その反対側の表面と、を含むインナーレンズと、
    前記入光部は、中央入光面と、当該中央入光面の周囲に設けられた周囲入光面と、を含み、
    前記フィルム光源は、各々の前記半導体発光素子と各々の前記入光部とが対向した状態で前記インナーレンズの後方に配置されており、
    前記中央入光面は、当該中央入光面から前記インナーレンズに入光する、前記半導体発光素子からの光のうち当該半導体発光素子の光軸に対して狭角方向の光を拡散させるレンズ面であり、
    前記周囲入光面は、当該周囲入光面から前記インナーレンズに入光する、前記半導体発光素子からの光のうち当該半導体発光素子の光軸に対して広角方向の光を集光させるレンズ面であり、
    前記インナーレンズの表面には、各々の前記中央入光面及び各々の前記周囲入光面から前記インナーレンズに入光し当該インナーレンズの表面から出光する各々の前記半導体発光素子からの光を制御する光制御面を含む複数の配光用カットが設けられている車両用灯具。
  2. 前記フィルム光源は、各々の前記半導体発光素子の光軸と各々の前記入光部の光軸とが一致した状態で配置されており、
    前記中央入光面及び前記周囲入光面は、それぞれ、前記入光部の光軸に対して回転対称に構成されており、
    前記周囲入光面は、前記中央入光面の外周縁から前方に向かって錐台状に拡がるテーパ筒状のレンズ面である請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記インナーレンズは、車幅方向内側に配置される平坦部と、前記平坦部の車幅方向外側の端部から車両側面に回り込む回り込み部と、を含み、
    前記フィルム光源は、前記平坦部に対しては当該平坦部に沿って平行の状態で、かつ、前記回り込み部に対しては当該回り込み部に沿って湾曲した状態で配置されている請求項1又は2に記載の車両用灯具。
  4. 前記回り込み部に設けられた各々の前記入光部の光軸と前記光制御面とがなす角度は、前記平坦部に設けられた各々の前記入光部の光軸と前記光制御面とがなす角度より小さい請求項3に記載の車両用灯具。
  5. 各々の前記入光部の光軸と前記光制御面とがなす角度は、各々の前記入光部から入光し前記光制御面から出光する各々の前記半導体発光素子からの光が、車両後方に向かい、テールランプ用配光パターン及びストップランプ用配光パターンについて法規が定める範囲を照射するように調整されている請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  6. 前記インナーレンズの表面のうち互いに隣接する前記配光用カット間には、当該配光用カット間から出光する光を拡散させる第1光拡散面が設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  7. 前記インナーレンズの裏面のうち水平方向に関し互いに隣接する前記入光部間には、鉛直方向に延び、かつ、当該入光部間から入光する光を水平方向に拡散させる第2光拡散面が設けられている請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  8. 前記インナーレンズの裏面のうち鉛直方向に関し互いに隣接する前記入光部間には、水平方向に延び、かつ、当該入光部間から入光する光を鉛直方向に拡散させる第3光拡散面が設けられている請求項1から7のいずれか1項に記載の車両用灯具。
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