JP7478656B2 - 下水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、下水処理システムに関する。
下水処理システムにおける水処理装置では、一般的に以下の手順で下水を処理する。
最初に、最初沈殿池にて下水中の固形分を除去する。最初沈殿池にて分離される固形分は最初沈殿池汚泥として汚泥処理へと移送される。最初沈殿池にて固形分が分離された最初沈殿池流出水は、反応槽へと移送される。
次に、反応槽にて微生物(以下、活性汚泥)の働きを使用する生物処理により、有機物や窒素などを除去する。反応槽にて有機物や窒素などが除去された反応槽流出水は、最終沈殿池へと移送される。
最後に、最終沈殿池にて活性汚泥を沈降分離する。最終沈殿池にて沈降分離される活性汚泥は反応槽へと返送され、再び、有機物や窒素などを除去するために使用される。最終沈殿池にて活性汚泥が沈殿分離された上澄み水(以下、処理水)は、消毒処理され、公共用水域へと放流される。
一方、下水と雨水とを同一の配管で下水処理場へと集約する合流式下水道における下水処理システムでは、一般的に、最大計画汚水量を超過する下水は、簡易処理される。簡易処理では、最初沈殿池にて下水中の固形分が除去され、最初沈殿池にて固形分が分離された最初沈殿池流出水が、消毒処理され、公共用水域へと放流される。
簡易処理では、生物処理を経ずに、最初沈殿池流出水が公共用水域へと放流されるため、公共用水域への水質悪化が懸念される。
一方、反応槽へと移送される最初沈殿池流出水の流入水量を急激に増加させると、必然的に、最終沈殿池へと移送される反応槽流出水の流入水量が増加する。このため、最終沈殿池に流入する活性汚泥が増加し、最終沈殿池からの活性汚泥の流出が懸念される。
こうした技術分野における背景技術として、特開2018-118184号公報(以下、特許文献1)がある。
特許文献1には、最初沈殿池、最初沈殿池から流入する最初沈殿池流出水を活性汚泥により処理する反応槽、最終沈殿池、最初沈殿池と反応槽とを接続する配管に設置される流量調整弁、反応槽へ流入する最初沈殿池流出水の流量を計測する流量計、及び、反応槽の活性汚泥濃度を計測するMLSS計、を有する水処理装置と、MLSS計により計測される活性汚泥濃度の計測値に基づいて、最初沈殿池流出水の流量の上限値を算出する流量上限値算出部、及び、最初沈殿池流出水の流量の上限値を超過しないように流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部、を有する水処理制御装置と、を有する水処理システムが記載されている。
特開2018-118184号公報
特許文献1には、最初沈殿池流出水の流入水量が急激に増加するような場合であっても、反応槽における生物処理量を最大限確保し、最終沈殿池から流出する活性汚泥の流出量を低減する水処理システムが記載されている。
しかし、特許文献1には、最終沈殿池における水面から活性汚泥界面までの距離と最終沈殿池から流出する処理水の越流量とを考慮し、処理水のSS(Suspended Solids、浮遊物質)濃度を推定する下水処理システムは記載されていない。
つまり、最終沈殿池における活性汚泥の沈降状況のみでは(最終沈殿池における水面から活性汚泥界面までの距離のみでは)、処理水のSS濃度の推定精度が低下する恐れがあり、最終沈殿池から流出する活性汚泥の流出量を低減することできない恐れがある。
そこで、本発明は、最終沈殿池における水面から活性汚泥界面までの距離と、最終沈殿池から流出する処理水の越流量と、を考慮し、処理水のSS濃度を推定し、運転支援情報として、この推定結果を表示し、運転管理者に対して運転支援する下水処理システムを提供する。
上記した課題を解決するため、本発明の下水処理システムは、被処理水を処理する反応槽と、反応槽から流出する流出水から活性汚泥を沈降分離し、処理水を流出する最終沈殿池と、反応槽へ流入する流入水の流量を推定する流入水量推定部と、反応槽内の活性汚泥(MLSS)濃度を計測するMLSS計と、を有し、更に、流入水量推定部における出力値とMLSS計における出力値とに基づいて、最終沈殿池の汚泥界面高さを推定する汚泥界面高さ推定部と、汚泥界面高さ推定部における出力値と流入水量推定部における出力値とである、時刻tにおける前記反応槽へ流入する流入水の流量Qin(t)(m3/h)、計算周期Δt(h)、前記最終沈殿池の水面積A(m2)、前記最終沈殿池の有効水深Htank(m)、前記汚泥界面高さの推定結果Hs(m)に基づいて、越流/清澄比、後述の実施例1に記載の式(2)を使用し、算出し、越流/清澄比に基づいて、処理水の水質を推定する処理水水質推定部と、処理水水質推定部における出力値を表示する運転支援情報表示部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、最終沈殿池における水面から活性汚泥界面までの距離と、最終沈殿池から流出する処理水の越流量と、を考慮し、処理水のSS濃度を推定し、運転支援情報として、この推定結果を表示し、運転管理者に対して運転支援する下水処理システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明により明らかにされる。
実施例1に記載する下水処理システム51を説明する説明図である。 実施例1に記載する運転支援情報表示部16の表示例1を説明する説明図である。 実施例1に記載する運転支援情報表示部16の表示例2を説明する説明図である。 実施例2に記載する下水処理システム52を説明する説明図である。 実施例2に記載する処理水104のSS濃度の推定及び表示を説明するフロー図である。 実施例2に記載する運転支援情報表示部16の表示例3を説明する説明図である。 実施例3に記載する下水処理システム53を説明する説明図である。 実施例3に記載する運転支援情報表示部16の表示例4を説明する説明図である。 実施例4に記載する下水処理システム54を説明する説明図である。 実施例4に記載する運転支援情報表示部16の表示例5を説明する説明図である。 実施例5に記載する下水処理システム55を説明する説明図である。
以下、本発明の実施例を、図面を使用し、説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には、同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
なお、本実施例に記載する下水処理システムは、処理方式として標準活性汚泥法(活性汚泥を使用し、有機物や窒素などを除去する方法)を使用する。
先ず、実施例1に記載する下水処理システム51を説明する。
図1は、実施例1に記載する下水処理システム51を説明する説明図である。
なお、下水処理システム51は、水処理装置と水処理制御装置とを有する。そして、特に、下水処理システム51は、下水と雨水とを同一の配管で下水処理場へと集約する合流式下水道に使用されることが好ましい。
(水処理装置の構成)
水処理装置は、主な構成要素として、最初沈殿池1と、反応槽(生物反応槽)の一形態である好気槽2と、最終沈殿池3と、を有する。
最初沈殿池1は、流入する被処理水である下水100から、下水100中の固形分を沈降分離し、下水100中の固形分を除去する。最初沈殿池1にて沈降分離される固形分は、最初沈殿池汚泥として汚泥処理へと移送される。最初沈殿池1にて固形分が沈降分離された最初沈殿池流出水の一部又は全部は、好気槽流入水101(好気槽2における被処理水)として、好気槽2へと移送される。なお、最初沈殿池流出水の一部(最大計画汚水量を超過する最初沈殿池流出水)は、簡易処理水102として、消毒処理され、公共用水域へと放流される場合がある。
好気槽2は、活性汚泥の働きを使用し、生物処理により、有機物や窒素などを除去する。好気槽2には、好気槽流入水101と最終沈殿池3から返送される活性汚泥である返送汚泥103とが流入し、活性汚泥中の好気性従属栄養細菌により有機物が酸化(有機物が除去)されると共に、活性汚泥中の硝化細菌によりアンモニア性窒素が硝酸性窒素に酸化され、硝化され(アンモニア性窒素が除去)される。そして、好気槽2にて有機物や窒素などが除去され、好気槽2から流出する好気槽流出水(反応槽流出水(活性汚泥混合液):最終沈殿池3に流入する最終沈殿池流入水)は、最終沈殿池3へと移送される。
なお、好気槽2には、好気槽2に空気を供給する散気部4が設置される。散気部4には、散気部4に空気を供給するブロワ5が接続される。
最終沈殿池3は、最終沈殿池流入水から活性汚泥を沈降分離(固液分離)する。最終沈殿池3にて活性汚泥が沈殿分離された上澄み水(以下、処理水104)は、消毒処理され、公共用水域へと放流される。最終沈殿池3にて沈降分離される活性汚泥の一部は、返送汚泥103として、返送ポンプ6により、好気槽2へと返送され、再び、有機物や窒素などを除去する一連の生物処理に使用される。一方、最終沈殿池3にて沈降分離される活性汚泥の残り(数パーセント程度)は、余剰汚泥105として、余剰汚泥ポンプ7により、汚泥処理へと移送される。
(水処理装置に設置されるセンサの構成)
次に、水処理装置に設置されるセンサについて説明する。
最初沈殿池1と好気槽2とを接続する流路には、流入水量推定部である流量計8が設置され、好気槽2へ流入する好気槽流入水101の流量を計測する。なお、好気槽流入水101の流量は、最初沈殿池1の上流側に流量計(図示なし)を設置し、下水100の流量を計測し、汚泥量計(図示なし)にて汚泥処理へと移送される最初沈殿池汚泥量を計測し、流量計(図示なし)にて簡易処理水102の流量を計測し、下水100の流量から、最初沈殿池汚泥量及び簡易処理水102の流量を減算し、推定してもよい。
返送汚泥103の流路には、引抜汚泥量計測部の1つである返送汚泥量計9が設置され、返送汚泥103の流量を計測する。
余剰汚泥105の流路には、引抜汚泥量計測部の1つである余剰汚泥量計10が設置され、余剰汚泥105の流量を計測する。
好気槽2には、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids、活性汚泥:浮遊物質)計11と、水温計12と、SVI(Sludge Volume Index、汚泥容量指標)計13と、が設置される。そして、MLSS計11により、好気槽2内のMLSS濃度を計測し、水温計12により好気槽2内の水温を計測し、SVI計13により好気槽2内の活性汚泥のSVIを計測する。なお、最終沈殿池3にも、水温計(図示なし)を設置し、最終沈殿池3内の水温を計測してもよい。また、SVI計13は、好気槽2内の活性汚泥の沈降性指標を計測する汚泥沈降性指標計測部である。
(水処理制御装置の構成)
実施例1に記載する水処理制御装置は、主な構成要素として、汚泥界面高さ推定部14と、処理水SS濃度推定部15と、運転支援情報表示部16と、を有する。
汚泥界面高さ推定部14は、流量計8と、返送汚泥量計9と、余剰汚泥量計10と、MLSS計11と、水温計12と、SVI計13と、に接続する。
そして、汚泥界面高さ推定部14は、流量計8と、返送汚泥量計9と、余剰汚泥量計10と、MLSS計11と、水温計12と、SVI計13とから、好気槽流入水101の流量と、返送汚泥103の流量と、余剰汚泥105の流量と、MLSS濃度と、水温と、SVIと、を入力し、汚泥界面高さ(最終沈殿池3の底部から活性汚泥界面までの高さ)を推定する。
処理水水質推定部の1つである処理水SS濃度推定部15は、流量計8と汚泥界面高さ推定部14とに接続する。そして、処理水SS濃度推定部15は、流量計8と汚泥界面高さ推定部14とから、好気槽流入水101の流量と最終沈殿池3の汚泥界面高さとを入力し、処理水104のSS濃度を推定する。
運転支援情報表示部16は、処理水SS濃度推定部15に接続する。そして、運転支援情報表示部16は、処理水SS濃度推定部15から、推定される処理水104のSS濃度を入力し、運転支援情報として、処理水104のSS濃度を表示する。
(汚泥界面高さ推定部14における最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さの推定方法)
次に、汚泥界面高さ推定部14における最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さの推定方法について説明する。
この推定方法では、単位時間当たりに最終沈殿池3に流入する活性汚泥を1つの汚泥柱とみなし、最終沈殿池3の最上流に設定される汚泥柱を汚泥柱1と定義し、これよりも下流に設定される汚泥柱を汚泥柱2、汚泥柱3、汚泥柱4・・・(汚泥柱2以降)と定義する。そして、各時刻である計算周期(例えば、1~10分)ごとに、各汚泥柱の位置、界面下降速度、汚泥界面高さ、活性汚泥の濃度を更新する。
位置は、押出し流れの概念に基づいて、最終沈殿池3に流入する最終沈殿池流入水の流量、つまり、好気槽流入水101の流量と返送汚泥103の流量との合計値に比例した距離(合計値を最終沈殿池3の流通方向に垂直な断面積で除算した値)だけ、水平方向に移動するものとする。つまり、この合計値が大きいほど、この距離も大きい。
界面下降速度は、式(1)において、対象の汚泥柱の活性汚泥濃度、水温、SVIに基づいて、界面下降速度Vdownとして、算出される。汚泥柱の活性汚泥濃度は、汚泥界面高さが低下するにつれて、上昇するため、最終沈殿池3の上流側に比較して、その下流側は、界面下降速度Vdownが小さくなる。
汚泥界面高さは、式(1)で算出される界面下降速度Vdown_iに基づいて、算出される。なお、汚泥界面高さの計算値は、最終沈殿池3の流入部(上流側)では最も大きくなり、最終沈殿池3の流入部から最終沈殿池3の流出部(下流側)に向かって徐々に下降し、最終沈殿池3の流出部では最も小さくなる。
そして、最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さは、最終沈殿池3の流出部に到達した汚泥柱の汚泥界面高さとして、算出される。最終沈殿池3に流入してから流出するまでの時間(滞留時間)は、最終沈殿池3の体積を、好気槽流入水101の流量と返送汚泥103の流量との合計値の累積値で除した値となるため、この合計値が大きいほど、滞留時間は小さくなり、最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さは大きくなる。
活性汚泥濃度について、最終沈殿池3の最上流に設定される汚泥柱1(式(1)におけるX_1)では、MLSS濃度(MLSS計11の計測値)を使用する。なお、汚泥柱2以降では、汚泥界面高さに反比例して上昇するものとする。つまり、例えば、汚泥界面高さが1/2に下降すると、MLSS濃度は2倍に上昇する。
そして、汚泥界面高さ推定部14は、計算周期ごとにおける水平方向及び鉛直方向の変化を追跡し、最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さを推定し、処理水SS濃度推定部15に、この汚泥界面高さを出力する。
Figure 0007478656000001
ここで、Vdown_i(t)(m/h)は時刻tにおける汚泥柱i(i:最終沈殿池3の流入部(最上流)から数えた汚泥柱の番号)の界面下降速度、X_i(t)(g/L)は時刻tにおける汚泥柱iの活性汚泥(MLSS)濃度、Qin(t)(m/h)は時刻tにおける好気槽流入水101の流量、Qr(t)(m/h)は時刻tにおける返送汚泥103の流量、Qex(t)(m/h)は時刻tにおける余剰汚泥105の流量、A(m)は最終沈殿池3の水面積であり、V(m/h)、k(L/g)は係数であり、水温やSVIの関数として表される場合がある。なお、例えば、水温が低い場合、Vは小さくなり、kは大きくなる。また、例えば、SVIが小さい場合、Vは大きくなり、kは小さくなる。
なお、水温が高い場合には、活性汚泥は沈降しやすく、水温が低い場合には、活性汚泥は沈降しにくい。また、SVIが小さい場合には、活性汚泥は沈降しやすく、SVIが大きい場合には、活性汚泥は沈降しにくい。
このように、最終沈殿池3への活性汚泥の流入負荷、又は、最終沈殿池3の流入部から最終沈殿池3の流出部までの活性汚泥の挙動を模擬する活性汚泥の汚泥沈降モデルは、最終沈殿池3の流入部から最終沈殿池3の流出部までの活性汚泥の沈降過程を模擬し、追跡する。そして、活性汚泥の汚泥沈降モデルを使用することにより、最終沈殿池3における活性汚泥の沈降状況を精度よく推定することができる。
(処理水SS濃度推定部15における処理水104のSS濃度の推定方法)
次に、処理水SS濃度推定部15における処理水104のSS濃度の推定方法について説明する。
汚泥界面高さが同様であっても、単位時間当たりの、最終沈殿池3から流出する処理水104の越流量が大きいほど、処理水104中への活性汚泥の流出量は大きくなり、処理水104のSS濃度も大きくなる。つまり、汚泥界面高さのみによる処理水104のSS濃度の推定では、処理水104の越流量を考慮していないため、処理水104のSS濃度の推定精度が低下する恐れがある。
そこで、実施例1では、最終沈殿池3の流出部における水面から活性汚泥界面までの距離に対する越流高さ(処理水104の越流量÷最終沈殿池3の水面積A)を、越流/清澄比Rとし、越流/清澄比Rを使用し、処理水104のSS濃度を推定する。
ここで、越流/清澄比Rを、式(2)を使用し、算出する。
なお、処理水104の越流量、つまり、処理水104の流量は、好気槽流入水101の流量(流量計8の計測値)とみなす。
Figure 0007478656000002
ここで、R(-)は越流/清澄比、Qin(t)(m/h)は時刻tにおける好気槽流入水101の流量、Δt(h)は計算周期、A(m)は最終沈殿池3の水面積、Htank(m)は最終沈殿池3の有効水深、H(m)は汚泥界面高さの算出結果である。
なお、Qin×Δtは、計算周期における処理水104の越流量であり、Qin×Δt/Aは、処理水104の越流部分の高さであり、Htank-Hは、最終沈殿池3における清澄部分の高さである。
そして、越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を、推定式(近似式)として、予め構築する。つまり、予め構築する越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を示す推定式を使用し、式(2)にて算出する越流/清澄比Rから処理水104のSS濃度を推定する。
このように、実施例1によれば、最終沈殿池3の流出部における水面から活性汚泥界面までの距離(Htank-H)と最終沈殿池3から流出する処理水104の越流量(Qin×Δt)とを考慮し、処理水104のSS濃度を推定する。そして、処理水104のSS濃度の推定する際に、越流/清澄比Rを使用することにより、処理水104のSS濃度の推定精度を向上させることができる。
(下水処理システム51の構成)
実施例1に記載する下水処理システム51(水処理装置)は、以下の構成を有する。
(1)好気槽流入水101に対して、活性汚泥の働きを使用し、生物処理を実行する好気槽2(反応槽)。
(2)好気槽2から流出する好気槽流出水(反応槽流出水)から活性汚泥を沈降分離し、処理水104を流出する最終沈殿池3。
(3)好気槽2へ流入する好気槽流入水101の流量を計測する流量計8(流入水量推定部)。
(4)好気槽2のMLSS濃度を計測するMLSS計11。
(5)好気槽2の水温を計測する水温計12。
(6)好気槽2のSVI(活性汚泥の沈降性指標)を計測するSVI計13(汚泥沈降性指標計測部)。
(7)返送汚泥103の流量(最終沈殿池3からの引抜汚泥量)を計測する返送汚泥量計9(引抜汚泥量計測部)。
(8)余剰汚泥105の流量(最終沈殿池3からの引抜汚泥量)を計測する余剰汚泥量計10(引抜汚泥量計測部)。
そして、実施例1に記載する下水処理システム51(水処理制御装置)は、更に、以下の構成を有する。
(1)流量計8の計測値(流入水量推定部の出力値)と、返送汚泥量計9の計測値(引抜汚泥量計測部の出力値)と、余剰汚泥量計10の計測値(引抜汚泥量計測部の出力値)と、MLSS計11の計測値(MLSS計11の出力値)と、水温計12の計測値(水温計12の出力値)と、SVI計13の計測値(SVI計13(汚泥沈降性指標計測部)の出力値)と、に基づいて、最終沈殿池3における活性汚泥の沈降状況を示す指標である、最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さを推定する汚泥界面高さ推定部14。
(2)最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さである汚泥界面高さ推定部14の出力値と、処理水104の越流量を示す指標である、流量計8の計測値(流入水量推定部の出力値)と、に基づいて、越流/清澄比Rを算出し、越流/清澄比Rに基づいて、処理水104のSS濃度(水質)を推定する処理水SS濃度推定部15(処理水水質推定部)。
(3)運転支援情報の一つとして、処理水104のSS濃度(水質)である処理水SS濃度推定部15の出力値(処理水104の水質である処理水水質推定部の出力値)を表示する運転支援情報表示部16。
このように、下水処理システム51によれば、最終沈殿池3の流出部における水面から活性汚泥界面までの距離(Htank-H)と処理水104の越流量(Qin×Δt)とを考慮し、処理水104のSS濃度(水質)を推定する。そして、処理水104のSS濃度(水質)を推定する際に、越流/清澄比Rを使用することにより、処理水104のSS濃度(水質)の推定精度を向上させることができる。
そして、下水処理システム51によれば、最終沈殿池3における活性汚泥の沈降状況を示す指標として最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さと、最終沈殿池3からの活性汚泥の流出を示す指標として処理水104の越流量と、の両方を考慮して、現時刻の処理水104のSS濃度を精度よく推定することができる。
更に、下水処理システム51によれば、運転支援情報の一つとして、この推定結果を表示し、運転管理者は、下水100の処理状況を正確に判断することができ、運転管理者による操作量の変更などを適切にかつ効率的に、運転支援することができ、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出量を低減することができる。そして、運転管理者は、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出状況の実態及び兆候を早期に把握することができ、適切なかつ効率的な運転を実現することができる。
このように、実施例1では、最終沈殿池3における活性汚泥の沈降状況のみではなく、最終沈殿池3の流出部における水面から活性汚泥界面までの距離と、処理水104の越流量と、を考慮し、処理水104のSS濃度を推定し、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出量を低減する。
なお、処理水104のSS濃度(水質)には、処理水104の活性汚泥濃度や処理水104の濁度も含まれる。また、水質は、処理水104のSS(浮遊物質、懸濁物質)、有機物、窒素などの濃度である。
次に、実施例1に記載する運転支援情報表示部16の表示例1を説明する。
図2Aは、実施例1に記載する運転支援情報表示部16の表示例1を説明する説明図である。
表示例1は、下水処理システム51における現時刻(t)の計測値及び推定値を示す図である。
表示例1では、好気槽流入水101の流量が300(m/h)、MLSS濃度が1500(mg/L)、水温が20(℃)、SVIが100(mg/L)、返送汚泥103の流量(返送汚泥量)が100(m/h)、余剰汚泥105の流量(余剰汚泥量)が1(m/h)の場合(計測値)に、処理水104のSS濃度(推定値)が5(mg/L)と推定されている例を示す。
なお、実施例1では、Vとしてはexp(2.028)(DSVI)やexp(2.076)(SSVI)を使用し、kとしては0.1030+0.00255×DSVIや0.0583+0.00405×SSVIを使用する。また、Xとしては計算周期ごとにおける各汚泥柱の活性汚泥濃度を使用する。また、A、Htankとしては、最終沈殿池3における設計値を使用する。
次に、実施例1に記載する運転支援情報表示部16の表示例2を説明する。
図2Bは、実施例1に記載する運転支援情報表示部16の表示例2を説明する説明図である。
表示例2の左側の図は、トレンドデータを示し、好気槽流入水101の流量(計測値)、及び、処理水104のSS濃度(推定値)、の時間変化を示す図である。
表示例2の左側の図では、好気槽流入水101の流量の増加に伴い、処理水104のSS濃度が上昇している。つまり、表示例2の左側の図では、流量計8における出力値と処理水SS濃度推定部15における出力値との関係を示す。
表示例2の右側の図は、現在の運転情報を示し、現時刻(現在)の好気槽流入水101の流量(計測値)、及び、現時刻(現在)の処理水104のSS濃度(推定値)を示す。
実施例1によれば、処理水104のSS濃度を計測する計測計を設置することなく、処理水104のSS濃度を精度よく推定することができる。そして、雨天時における懸念事項である処理水104の水質悪化(最終沈殿池3からの活性汚泥の流出)を検知することができる。
なお、実施例1では、下水処理場において標準活性汚泥法を使用する下水処理システム51を想定しているが、例えば、嫌気好気活性汚泥法や循環式硝化脱窒法などの他の処理法を使用する下水処理システムにも使用することができる。
また、実施例1では、下水処理場における下水100の処理を想定しているが、食品工場や化学工場などにおける産業排水(被処理水)の処理にも使用することができる。
また、実施例1では、好気槽2にSVI計13を設置し、SVIを計測するが、手分析により定期的に(計測間隔で)SVIを計測してもよい。なお、手分析によりSVIを計測する場合には、直近のSVIを使用することが好ましい。
また、実施例1では、処理水104のSS濃度を推定するが、SS濃度の代替として濁度を推定してもよい。また、処理水104のBOD(Biochemical Oxygen Demand、生物化学的酸素要求量)やCOD(Chemical Oxygen Demand、化学的酸素要求量)などの有機物指標、全窒素やアンモニア態窒素などの窒素指標、全リンやオルトリン酸態リンなどのリン指標を推定してもよい。
また、実施例1では、式(1)に基づいて、界面下降速度により、最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さを推定し、式(2)に基づいて、越流/清澄比Rにより、処理水104のSS濃度を推定するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、異なる計算式に基づいて、最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さや処理水104のSS濃度を推定してもよい。
また、実施例1では、水質は、処理水104のSS(懸濁物質)、有機物、窒素などの濃度であるが、他の処理法を使用する下水処理システムでは、水質に処理水104のリンの濃度を含む場合もある。
次に、実施例2に記載する下水処理システム52を説明する。
図3は、実施例2に記載する下水処理システム52を説明する説明図である。
実施例1では、運転支援情報表示部16に、過去から現在までの処理水104のSS濃度を表示する。一方、実施例2では、運転支援情報表示部16に、過去から将来までの処理水104のSS濃度を表示する。
以下、実施例1と相違する点について説明する。
下水処理システム52は、下水処理システム51の構成に加え、水処理制御装置に、将来値推定部17及び水質基準値設定部18を有する。
将来値推定部17は、流量計8と、返送汚泥量計9と、余剰汚泥量計10と、MLSS計11と、水温計12と、SVI計13と、接続し、流量計8と、返送汚泥量計9と、余剰汚泥量計10と、MLSS計11と、水温計12と、SVI計13とから、好気槽流入水101の流量と、返送汚泥103の流量と、余剰汚泥105の流量と、好気槽2内のMLSS濃度と、好気槽2内の水温と、好気槽2内の活性汚泥のSVIと、を入力する。
そして、将来値推定部17は、汚泥界面高さ推定部14と、処理水SS濃度推定部15と、接続し、汚泥界面高さ推定部14と、処理水SS濃度推定部15とに、将来値を出力する。
水質基準値設定部18は、運転支援情報表示部16に接続し、処理水104のSS濃度の基準値を設定し、運転支援情報表示部16に処理水104のSS濃度の基準値を出力する。
運転支援情報表示部16では、処理水SS濃度推定部15により推定される処理水104のSS濃度の推定値を表示すると共に、水質基準値設定部18により設定される処理水104のSS濃度の基準値を表示する。
そして、運転支援情報表示部16では、処理水104のSS濃度の推定値と処理水104のSS濃度の基準値とを比較し、処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を「超過」又は「超過おそれ」がある場合は、アラートを表示する。
次に、実施例2に記載する処理水104のSS濃度の推定及び表示を説明する。
図4は、実施例2に記載する処理水104のSS濃度の推定及び表示を説明するフロー図である。
ここで、処理水SS濃度推定部15における将来の処理水104のSS濃度の推定方法について説明する。
先ず、S101において、将来値推定部17は、処理水104のSS濃度を推定する推定対象期間(時刻t~時刻t+n・Δt)を設定する。なお、nは任意の整数とし、必要とする推定対象期間に基づいて設定する。
次に、S102において、水質基準値設定部18は、処理水104のSS濃度の基準値を設定する。なお、処理水104のSS濃度の基準値は、放流水質基準などに基づいて設定する。
次に、S103において、将来値推定部17は、現時刻tにおける、流量計8、返送汚泥量計9、余剰汚泥量計10、MLSS計11、水温計12、SVI計13により計測される、好気槽流入水101の流量、返送汚泥103の流量、余剰汚泥105の流量、MLSS濃度、水温、SVIを入力する。
次に、S104において、将来値推定部17は、S103において入力される現時刻tにおける計測値に基づいて、推定対象期間における、好気槽流入水101の流量、返送汚泥103の流量、余剰汚泥105の流量、MLSS濃度、水温、SVIの将来値を推定する。
実施例2では、好気槽流入水101の流量、返送汚泥103の流量、余剰汚泥105の流量、MLSS濃度、水温、SVIとして、現時刻tで計測される計測値(例えば、好気槽流入水101の流量(300m/h)、返送汚泥103の流量(100m/h)、余剰汚泥105の流量(1m/h)、MLSS濃度(1500mg/L)、水温(20℃)、SVI(100mg/L))を使用し、推定対象期間における、それぞれの将来値を推定する。
実施例2では、例えば、推定対象期間が、11:00~11:10と設定される場合(10分後の将来値を推定する場合であって、現時刻tが11:00の場合)には、11:00までの計測値は実施例1にて使用する実測値を使用し、11:00~11:10の計測値は、11:00の実測値(実施例1にて使用する実測値)を将来値として使用する。
なお、この将来値の推定は、これに限定されるものではなく、例えば、降雨情報取得部(図示なし)により、降雨量を取得し、この降雨量に基づいて、好気槽流入水101の流量を推定してもよく、返送汚泥103の流量やMLSS濃度は、好気槽流入水101の流量の関数として推定してもよい。
次に、S105において、汚泥界面高さ推定部14は、実施例1にて使用する実測値(所定間隔の時間の実測値:過去の計測値及び現時刻tの計測値)、及び、S104において推定される好気槽流入水101の流量、返送汚泥103の流量、余剰汚泥105の流量、MLSS濃度、水温、SVIの将来値(過去の計測値及び現時刻tの計測値、並びに、推定対象期間の推定値:例えば10分後の将来値)を使用し、現時刻tの最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さと、将来の最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さと、を推定する。
次に、S106において、処理水SS濃度推定部15は、S105において推定される現時刻tの最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さやS103において入力される所定間隔の時間の実測値である(現時刻tの)好気槽流入水101の流量を、式(2)に入力し、現時刻tの越流/清澄比Rを算出すると共に、S105において推定される将来の最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さやS104において推定される将来の好気槽流入水101の流量を、式(2)に入力し、将来の越流/清澄比Rを算出する。
そして、予め構築される越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を示す推定式を使用し、現時刻tの越流/清澄比Rから現時刻tの処理水104のSS濃度を推定すると共に、将来の越流/清澄比Rから将来の(推定対象期間における)処理水104のSS濃度を推定する。
次に、S107において、運転支援情報表示部16は、現時刻tの処理水104のSS濃度の推定値と処理水104のSS濃度の基準値とを比較する。現時刻tの処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値以上の場合(NO)には、S108に移行する。現時刻tの処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値よりも小さい場合(YES)には、S109に移行する。
次に、S108において、運転支援情報表示部16は、“基準値超過”と表示する。
次に、S109において、運転支援情報表示部16は、将来の処理水104のSS濃度の推定値と処理水104のSS濃度の基準値とを比較する。将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値以上の場合(NO)には、S110に移行する。将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値よりも小さい場合(YES)には、次の計算周期におけるS103に移行する。
次に、S110において、運転支援情報表示部16は、“基準値超過おそれ”と表示する。
これにより、処理水104のSS濃度を精度よく推定することができると共に、運転管理者は、雨天時における懸念事項である処理水104の水質悪化を早期に検知することができる。そして、運転管理者は、簡易処理水102の流量を増加させ、好気槽流入水101の流量を低減させるなど、運転条件を切り替えて、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出量を低減することができる。
次に、実施例2に記載する運転支援情報表示部16の表示例3を説明する。
図5は、実施例2に記載する運転支援情報表示部16の表示例3を説明する説明図である。
表示例2の左側の図は、トレンドデータを示し、推定対象期間(現時刻t~現時刻t+n・Δtの間)について、現時刻tの運転条件を継続する場合の好気槽流入水101の流量、及び、推定対象期間について、現時刻tの運転条件を継続する場合(例えば、推定対象期間において好気槽流入水101の流量を一定とする場合)の処理水104のSS濃度、の時間変化(過去から将来までの推定値)を示す図である。
表示例2の左側の図では、好気槽流入水101の流量の増加に伴い、処理水104のSS濃度が上昇し、推定対象期間に、将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値以上となる場合を示す。
つまり、好気槽流入水101の流量が増加すると、活性汚泥の滞留時間が短くなり、活性汚泥の沈降が不足する場合がある。このため、好気槽流入水101の流量と処理水104のSS濃度とを表示することにより、処理水104の水質悪化を早期に検知することができる。
表示例2の右側の図(上図)は、現在の運転情報を示し、現時刻(現在)の好気槽流入水101の流量(計測値)、及び、現時刻(現在)の処理水104のSS濃度(推定値)を示す。
また、表示例2の右側の図(下図)は、アラートを表示する。実施例2では、現時刻tの運転条件を継続する場合(現時刻tにおける好気槽流入水101の流量が継続する場合)、将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値以上となると予測されるため、アラート表示部において“基準値超過おそれ”と表示する。
なお、実施例2では、アラートとして“基準値超過”又は“基準値超過おそれ”の2種類の区分を表示するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、表示文言(文字)や文字の色を変更してもよい。更に、2種類の区分に限定されるものではなく、複数種類の区分を表示してもよい。
特に、将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値以上であり、更に、好気槽流入水101の流量が現時刻tにて増加傾向にある場合や降雨情報取得部により取得される降雨量に基づいて好気槽流入水101の流量が増加すると見込まれる場合は、将来の処理水104のSS濃度が上昇する可能性が高いため、特に、表示文言(文字)や文字の色を変更することが好ましい。
また、将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値以上となる時刻を算出し、アラートとして、表示してもよい。
このように、実施例2に記載する下水処理システム52は、好気槽流入水101の流量と、返送汚泥103の流量と、余剰汚泥105の流量と、MLSS濃度と、水温と、SVIと、を入力し、これらの将来値(推定値)を推定し、この推定値(将来値)を、泥界面高さ推定部14と、処理水SS濃度推定部15とに、出力する将来値推定部17と、処理水104のSS濃度の基準値を設定し、運転支援情報表示部16に処理水104のSS濃度の基準値を出力する水質基準値設定部18と、を有する。
そして、実施例2では、汚泥界面高さ推定部14が将来の汚泥界面高さを推定し、処理水SS濃度推定部15が将来の処理水104のSS濃度を推定し、運転支援情報表示部16に、トレンドデータ、現在の運転情報、アラートを、運転支援情報表示部16に、表示する。
このように、実施例2では、少なくとも将来の好気槽流入水101の流量に基づいて、処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)が、将来の処理水104の水質(処理水104のSS濃度)を推定し、運転支援情報表示部16が、運転支援情報の一つとして、将来の流入水量推定部(流量計8)の出力値と処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)の出力値との関係を表示する。
また、実施例2では、水質基準値設定部18は、処理水104の水質(処理水104のSS濃度)の基準値を設定し、処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)における出力値が、水質基準値設定部18における処理水104の水質(処理水104のSS濃度)の基準値以上となる場合に、運転支援情報表示部16が、運転支援情報の一つとして、アラートを表示する。
つまり、実施例2では、将来値推定部17は、反応槽(好気槽2)へ流入する流入水(好気槽流入水101)の流量の将来値(流入水量推定部(流量計8)における将来値)、反応槽(好気槽2)のMLSS濃度の将来値(MLSS計11における将来値)、反応槽(好気槽2)の水温の将来値(水温計12における将来値)、反応槽(好気槽2)の活性汚泥の沈降性指標(SVI)の将来値(汚泥沈降性指標計測部(SVI計13における将来値)、最終沈殿池3からの引抜汚泥量の将来値(返送汚泥103の流量の将来値)(引抜汚泥量計測部(返送汚泥量計9)における将来値)、最終沈殿池3からの引抜汚泥量の将来値(余剰汚泥105の流量の将来値)(引抜汚泥量計測部(余剰汚泥量計10)における将来値)、を推定する。
そして、汚泥界面高さ推定部14は、将来値推定部17が推定するこれら将来値に基づいて、最終沈殿池3の将来の汚泥界面高さ(汚泥界面高さ推定部14における将来値)を推定する。処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)は、汚泥界面高さ推定部14における将来値と流入水量推定部(流量計8)における将来値とに基づいて、将来の処理水104の水質(処理水104のSS濃度)を推定する。運転支援情報表示部16は、処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)における将来値(将来までの流入水量推定部(流量計8)における出力値と将来までの処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)における出力値との関係)を表示する。
実施例2によれば、最終沈殿池3における活性汚泥の沈降状況を示す指標として最終沈殿池3の流出部の汚泥界面高さと、最終沈殿池3からの活性汚泥の流出を示す指標として処理水104の越流量と、の両方を考慮して、現時刻及び将来の処理水104のSS濃度を精度よく推定することができる。
そして、実施例2によれば、運転管理者は、処理水104の水質悪化を早期に検知することができると共に、早期に、運転条件を切り替えて、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出量を低減することができる。
次に、実施例3に記載する下水処理システム53を説明する。
図6は、実施例3に記載する下水処理システム53を説明する説明図である。
実施例2では、予め構築した越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を示す推定式を使用し、処理水104のSS濃度を推定する。一方、実施例3では、処理水104のSS濃度の推定精度を向上させるため、処理水104のSS濃度の指標(処理水104の濁度)を計測し、越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を示す推定式を更新する。
以下、実施例2と相違する点について説明する。
下水処理システム53は、下水処理システム52の構成に加え、水処理装置に、処理水水質計測部である濁度計19を有する。処理水104の濁度を計測する濁度計19は、最終沈殿池3の流出部の後流側に設置され、処理水104が公共用水域へと放流される流路に設置される。
なお、濁度計19は、最終沈殿池3の内部、例えば、最終沈殿池3の流出部に設置してもよい。
一般的に、処理水104のSS濃度は、連続計測が困難である。一方、処理水104のSS濃度と相関がある処理水104の濁度は、連続計測が可能である。そこで、予め構築した関係式に基づいて、濁度計19により連続計測される処理水104の濁度から処理水104のSS濃度を換算する。
濁度計19は、処理水SS濃度推定部15と運転支援情報表示部16とに接続する。
処理水SS濃度推定部15では、予め構築した推定式を使用し、式(2)にて算出する越流/清澄比Rから処理水104のSS濃度を推定する。しかし、越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係は、汚泥性状の変化などに影響を受ける可能性がある。そこで、データを拡充し、越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を示す推定式を更新することにより、処理水104のSS濃度の推定精度を維持し、向上させることができる。
実施例3では、越流/清澄比Rの計算値から推定される処理水104のSS濃度と、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度とを、任意の期間について、データを蓄積し、この蓄積されたデータから予め構築した推定式を更新する。
つまり、越流/清澄比Rの計算値から推定される処理水104のSS濃度と、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度とが、所定の範囲を超えて、相違する場合(処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度が、予め構築した推定式から、同一の越流/清澄比Rの計算値に対して、上下方向に所定の範囲を超えて存在する場合)には、予め構築した推定式を更新する。
次に、実施例3に記載する運転支援情報表示部16の表示例4を説明する。
図7は、実施例3に記載する運転支援情報表示部16の表示例4を説明する説明図である。
表示例4は、横軸に越流/清澄比Rを、縦軸に処理水104のSS濃度を、示すものであり、予め構築した越流/清澄比Rと処理水104のSS濃度との関係を示す推定式(実線)と、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度(実績値:〇)と、を示す。
また、表示例4は、越流/清澄比Rの計算値と、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度(実績値)との関係を示してもよい。
なお、実施例3では、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度(実績値)は、越流/清澄比Rの計算値から推定される処理水104のSS濃度に対して、所定の範囲内に、存在する。このため、予め構築した推定式を更新することなく、予め構築した推定式に基づいて、越流/清澄比Rの計算値から処理水104のSS濃度を推定することができる。
一方、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度(実績値)が、越流/清澄比Rの計算値から推定される処理水104のSS濃度に対して、所定の範囲を超えて存在するような場合は、越流/清澄比Rの計算値と、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度(実績値)とに基づいて、予め構築した推定式を更新する。
このように、任意の期間について、蓄積されるデータに基づいて、予め構築した推定式を更新することにより、処理水SS濃度推定部15における処理水104のSS濃度の推定精度を向上させることができる。
なお、処理水104の濁度の計測値を運転支援情報表示部16に入力し、処理水104の濁度の計測値を運転支援情報表示部16に表示させてもよい。
なお、実施例3では、処理水104の濁度の計測値から換算される処理水104のSS濃度を使用するが、これに限定されるものではなく、例えば、好気槽流入水101の流量の計測値と処理水104の濁度の計測値とから換算される処理水104のSS濃度を使用してもよい。
なお、実施例3のように、最終沈殿池3の流出部の後流側に濁度計19を設置する場合、例えば、図5に示す運転支援情報表示部16の表示例3における現在までの処理水104のSS濃度を、濁度計19の計測値から換算される処理水104のSS濃度の換算値としてもよい。
このように、実施例3に記載する下水処理システム53は、処理水104の水質(処理水104の濁度)を計測する処理水水質計測部(濁度計19)を有し、処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)における出力値と処理水水質計測部(濁度計19)における出力値とに基づいて、処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)において、予め構築した越流/清澄比Rと処理水104の水質(処理水104のSS濃度)との関係を示す推定式を更新する。
実施例3によれば、処理水104のSS濃度の推定精度を維持し、向上させることができると共に、精度よく、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出量を低減することができる。
次に、実施例4に記載する下水処理システム54を説明する。
図8は、実施例4に記載する下水処理システム54を説明する説明図である。
実施例3では、将来の処理水104のSS濃度の推定値を表示し、運転管理者が最終沈殿池3からの活性汚泥の流出のおそれを把握する。一方、実施例4では、将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過しない範囲で、好気槽流入水101の流量が、最大となる好気槽流入水101の流量を算出し、表示し、運転管理者が最終沈殿池3からの活性汚泥の流出のおそれを把握し、好気槽流入水101の流量の増減を判断する。
以下、実施例3と相違する点について説明する。
下水処理システム54は、下水処理システム53の構成に加え、水処理制御装置に、流入水量上限算出部20を有する。
流入水量上限算出部20は、処理水SS濃度推定部15と、水質基準値設定部18と、運転支援情報表示部16と、に接続する。そして、流入水量上限算出部20は、処理水SS濃度推定部15における将来の処理水104のSS濃度の推定値が、水質基準値設定部18において設定される処理水104のSS濃度の基準値を超過しない範囲で、好気槽流入水101の流量が、最大となる好気槽流入水101の流量を算出し、運転支援情報表示部16に出力する。
将来(例えば、30分後)の処理水104のSS濃度の推定値は、処理水SS濃度推定部15において推定される(推定方法は実施例2参照)。そして、この将来の処理水104のSS濃度の推定値に対応する好気槽流入水101の流量は、現時刻の好気槽流入水101の流量である。
例えば、この将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過している場合には、現時刻の好気槽流入水101の流量で、好気槽流入水101を流通される場合には、処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過する。
そこで、この将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過しない範囲で、最大となる好気槽流入水101の流量を算出することが好ましい。
なお、この算出方法としては、好気槽流入水101の流量を少しずつ低減させ、この好気槽流入水101の流量に基づいて、処理水104のSS濃度の推定値を推定し、処理水104のSS濃度の基準値と比較する。そして、この将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過しない範囲であって、最大となる好気槽流入水101の流量を算出する。
次に、実施例4に記載する運転支援情報表示部16の表示例5を説明する。
図9は、実施例4に記載する運転支援情報表示部16の表示例5を説明する説明図である。
表示例5の左側の図は、横軸に好気槽流入水101の流量を、縦軸に処理水104のSS濃度を、示すものであり、好気槽流入水101の流量と処理水104のSS濃度との関係(実線)と、処理水104のSS濃度の基準値(点線)と、表示時刻設定部と、を示す。なお、表示時刻設定部において、実施例4では、現時刻から60分後までの間の30分後と設定されている。
将来値推定部17において、将来(例えば、30分後)の複数の好気槽流入水101の流量を設定し、設定される将来の複数の好気槽流入水101の流量に基づいて、処理水SS濃度推定部15において、複数の処理水104のSS濃度の推定値を推定する。そして、この複数の点を近似し、結んだものが、表示例5における実線である。
また、流入水量上限算出部20において、処理水104のSS濃度の基準値(点線)と表示例5における実線との交点を、好気槽流入水101の流量の上限値として、算出し、運転支援情報表示部16に、出力する。
表示例5の右側の図は、好気槽流入水101の流量に係る情報であり、上段が現時刻における好気槽流入水101の流量(300m/h)であり、下段が30分後における上限の好気槽流入水101の流量(270m/h)である。つまり、実施例4では、運転管理者に、30分後の好気槽流入水101の流量を270m/hとするように、運転支援する。
これにより、運転管理者は、将来の好気槽流入水101の流量と将来の処理水104のSS濃度との関係、及び、好気槽流入水101の流量の上限値を容易に把握することができ、将来の処理水104のSS濃度の推定値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過しない範囲で、最大となる好気槽流入水101の流量を容易に把握することができ、好気槽流入水101の流量の増減を判断することができる。
なお、濁度計19と流入水量上限算出部20とを接続し、現時刻の濁度計19の計測値から換算される処理水104のSS濃度の換算値が、処理水104のSS濃度の基準値を超過している場合には、好気槽流入水101の流量を低減するように、運転支援してもよい。また、好気槽流入水101の流量の上限値として、予め設定した基準値などを表示してもよい。
このように、実施例4に記載する下水処理システム54は、処理水水質推定部(処理水SS濃度推定部15)における出力値が、水質基準値設定部18において設定される処理水104の水質(処理水104のSS濃度)の基準値を超過しない範囲で、最大となる好気槽流入水101の流量を算出する流入水量上限算出部20を有する。
そして、実施例4では、運転支援情報表示部16が、運転支援情報の一つとして、流入水量上限算出部20における出力値を表示する。
実施例4によれば、処理水104のSS濃度の推定精度を維持し、向上させることができると共に、最大となる好気槽流入水101の流量を確保しつつ、精度よく、最終沈殿池3から流出する活性汚泥の流出量を低減することができる。
次に、実施例5に記載する下水処理システム55を説明する。
図10は、実施例5に記載する下水処理システム55を説明する説明図である。
実施例5では、流入水量上限算出部20の出力値に基づいて、好気槽流入水101の流量を制御する。
以下、実施例4と相違する点について説明する。
下水処理システム55は、下水処理システム54の構成に加え、水処理制御装置に、流入水量制御部21を有し、水処理装置に、可動堰22を有する。
流入水量制御部21は、流入水量上限算出部20と流量計8と可動堰22とに接続し、流量計8における好気槽流入水101の流量が、流入水量上限算出部20における好気槽流入水101の流量の上限となるように、可動堰22の高さを調整し、好気槽流入水101の流量を制御する。
このように、実施例5に記載する下水処理システム55は、流入水量上限算出部20における出力値に基づいて、好気槽流入水101の流量を制御する流入水量制御部21を有する。
実施例5によれば、好気槽流入水101の流量を自動的に制御することができ、運転管理者の業務負荷を低減することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために、具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を、他の実施例の構成の一部に置換することもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することもできる。また、各実施例の構成の一部について、それを削除し、他の構成の一部を追加し、他の構成の一部と置換することもできる。
51、52、53、54、55・・・下水処理システム、100・・・下水、101・・・好気槽流入水、102・・・簡易処理水、103・・・返送汚泥、104・・・処理水、105・・・余剰汚泥、1・・・最初沈殿池、2・・・好気槽、3・・・最終沈殿池、4・・・散気部、5・・・ブロワ、6・・・返送ポンプ、7・・・余剰汚泥ポンプ、8・・・流量計、9・・・返送汚泥量計、10・・・余剰汚泥量計、11・・・MLSS計、12・・・水温計、13・・・SVI計、14・・・汚泥界面高さ推定部、15・・・処理水SS濃度推定部、16・・・運転支援情報表示部、17・・・将来値推定部、18・・・水質基準値設定部、19・・・濁度計、20・・・流入水量上限算出部、21・・・流入水量制御部、22・・・可動堰。

Claims (10)

  1. 被処理水を処理する反応槽と、前記反応槽から流出する流出水から活性汚泥を沈降分離し、処理水を流出する最終沈殿池と、前記反応槽へ流入する流入水の流量を推定する流入水量推定部と、前記反応槽内の活性汚泥(MLSS)濃度を計測するMLSS計と、を有する下水処理システムであって、
    前記流入水量推定部における出力値と前記MLSS計における出力値とに基づいて、前記最終沈殿池の汚泥界面高さを推定する汚泥界面高さ推定部と、前記汚泥界面高さ推定部における出力値と前記流入水量推定部における出力値とである、時刻tにおける前記反応槽へ流入する流入水の流量Qin(t)(m3/h)、計算周期Δt(h)、前記最終沈殿池の水面積A(m2)、前記最終沈殿池の有効水深Htank(m)、前記汚泥界面高さの推定結果Hs(m)に基づいて、越流/清澄比、下記の式を使用し、算出し、前記越流/清澄比に基づいて、前記処理水の水質を推定する処理水水質推定部と、
    Figure 0007478656000003
    前記処理水水質推定部における出力値を表示する運転支援情報表示部と、を有することを特徴とする下水処理システム。
  2. 請求項1に記載する下水処理システムであって、
    前記処理水水質推定部が推定する水質が、処理水のSS濃度であることを特徴とする下水処理システム。
  3. 請求項2に記載する下水処理システムであって、
    前記最終沈殿池からの引抜汚泥量を計測する引抜汚泥量計測部と、前記反応槽の活性汚泥の沈降性指標を計測する汚泥沈降性指標計測部と、前記反応槽の水温を計測する水温計と、有し、
    前記汚泥界面高さ推定部は、前記流入水量推定部における出力値と、前記MLSS計における出力値と、前記引抜汚泥量計測部における出力値と、前記汚泥沈降性指標計測部における出力値と、前記水温計における出力値とに基づいて、前記最終沈殿池の汚泥界面高さを推定することを特徴とする下水処理システム。
  4. 請求項2に記載する下水処理システムであって、
    前記流入水量推定部における将来値、前記MLSS計における将来値を推定する将来値推定部を有し、
    前記汚泥界面高さ推定部は、前記将来値推定部が推定する将来値に基づいて、前記最終沈殿池の将来の汚泥界面高さを推定し、前記処理水水質推定部は、前記汚泥界面高さ推定部における将来値と前記流入水量推定部における将来値とに基づいて、将来の処理水の水質を推定し、前記運転支援情報表示部は、前記処理水水質推定部における将来値を表示することを特徴とする下水処理システム。
  5. 請求項4に記載する下水処理システムであって、
    前記最終沈殿池からの引抜汚泥量を計測する引抜汚泥量計測部と、前記反応槽の活性汚泥の沈降性指標を計測する汚泥沈降性指標計測部と、前記反応槽の水温を計測する水温計と、有し、
    前記将来値推定部は、前記流入水量推定部における将来値、前記MLSS計における将来値、前記引抜汚泥量計測部における将来値、前記汚泥沈降性指標計測部における将来値、前記水温計における将来値、を推定することを特徴とする下水処理システム。
  6. 請求項5に記載する下水処理システムであって、
    処理水の水質の基準値を設定する水質基準値設定部を有し、
    前記処理水水質推定部における出力値が、前記水質基準値設定部における基準値以上となる場合に、前記運転支援情報表示部が、アラートを表示することを特徴とする下水処理システム。
  7. 請求項6に記載する下水処理システムであって、
    前記処理水の水質を計測する処理水水質計測部を有し、
    前記処理水水質推定部における出力値と前記処理水水質計測部における出力値とに基いて、前記処理水水質推定部にて、予め構築した越流/清澄比と処理水の水質との関係を示す推定式を更新することを特徴とする下水処理システム。
  8. 請求項6に記載する下水処理システムであって、
    前記処理水水質推定部における出力値が、前記水質基準値設定部における基準値を超過しない範囲で、最大となる前記反応槽へ流入する流入水の流量を算出する流入水量上限算出部を有することを特徴とする下水処理システム。
  9. 請求項8に記載の下水処理システムであって、
    前記運転支援情報表示部が、前記流入水量上限算出部における出力値を表示することを特徴とする下水処理システム。
  10. 請求項8に記載する下水処理システムであって、
    前記流入水量上限算出部における出力値に基づいて、前記反応槽へ流入する流入水の流量を制御する流入水量制御部を有することを特徴とする下水処理システム。
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