JP7474588B2 - バッターミックス - Google Patents

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本発明は、油ちょう用または焼成用のバッターとして好適に使用できる、バッターミックスに関する。
天ぷらなどの衣揚げ食品は、小麦粉などの穀粉類を主成分とする組成物を水溶きしたバッターを作り、衣として揚げ種に付着させ、加熱した油で揚げることにより調理される。
また、穀粉類や澱粉類を主成分とする原料を水溶きして作製したバッターを、焼き板または焼き型で加熱することにより、ホットケーキ、パンケーキ、ワッフル、クレープ、お好み焼、たこ焼等が調理される。
これらバッターの主成分となる小麦粉などの穀粉類と副原料が混合された粉状のプレミックスが市販されており、これら粉体と水とを混合してバッターとする際には、水溶けが悪いため塊状のダマが生じやすいなどの問題がある。さらに、ダマを溶かそうとして必要以上に撹拌した場合、グルテンを形成し、粘りが強くなるため、食感に悪影響を及ぼす。特に天ぷら用のバッターの調製は難しく、サクッとした食感に仕上げるには経験と工夫が必要とされる。
小麦粉の水溶けを改良する試みは、例えば天ぷら粉においては、凝集結合剤を含有した噴霧液を用いて小麦粉を造粒した天ぷら用小麦粉の顆粒体(特許文献1)が知られているが、この小麦粉は凝集結合剤との造粒物であり、外観、食感の点で必ずしも良好なものとは言えない。また、このような造粒物を副原料と混合して天ぷら粉として流通させる場合、層分離を引き起こしやすいなどの問題がある。
また、小麦粉をあらかじめ加熱処理して小麦タンパク質の一部を変性させた加熱処理小麦粉を用いるバッターが知られている。例えば、特許文献2には、揚げ物種との結着性に優れ且つ風味および食感の良好な衣を有する揚げ物類が得られる揚げ物用加熱処理小麦粉として、RVA(ラピッドビスコアナライザー)のピーク粘度が4700mPa・s以上の小麦粉を加熱処理して、グルテンバイタリティを30%以下とした加熱処理小麦粉が記載されている。
また、特許文献3には、衣揚げ食品用ミックスに適した加熱処理小麦粉について、たん白質含量及び加水して調製したスラリーの粘度に着目して、これらが所定の関係を示す加熱処理小麦粉を衣揚げ食品に用いることで、揚げ衣が適度な硬さ、歯切れ等の良好な食感を有し、且つ油っぽさが少ない衣揚げ食品を製造できることが記載されている。
特開昭51-57846号公報 特開2010-233540号公報 特開2018-23346号公報
本発明は、小麦粉等の穀粉類、澱粉類を主原料とするバッターの調製時に、水溶けに優れ、ダマができにくいバッターミックスを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題の解決のために鋭意検討した結果、バッターミックスに、微粒二酸化ケイ素を微量添加しただけで、バッターミックスの水溶けが改善され、ダマができにくくなること、その際、加熱処理小麦粉を含む場合にその改善効果が相乗的に向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下(1)~()のバッターミックスに関する。
(1)0.005~0.04質量%の微粒二酸化ケイ素および加熱処理小麦粉を含むことを特徴とする、バッターミックス。
(2)バッターが焼成用または油ちょう用のバッターである、上記(1)に記載のバッターミックス。
(3)加熱処理小麦粉を2質量%以上含む、上記(1)または(2)に記載のバッターミックス。
また、本発明は、以下()のバッター、または()の加熱調理された食品に関する。
(4)上記(1)ないし()のいずれかに記載のバッターミックスが水と混合されたバッター。
(5)上記()に記載のバッターを使用して加熱調理された食品。
本発明のバッターミックスを使用すれば、スーパーのバックヤードや飲食店などの調理現場や食品工場において、たとえば天ぷら用バッターの調製時、ダマができにくく作業性が向上するだけでなく、少ない撹拌回数で均一に分散させることができるため、サクッとした食感の天ぷらを製造することできる。また、たとえばクレープ用バッターの調製時、ダマができにくく、作業性が向上するだけでなく、外観、食感の良い焼成クレープを製造することができる。
本発明のバッターミックスは、微粒二酸化ケイ素の配合が微量であることにより、食感を損なうことなく、水溶けに優れ、ダマができにくいバッターを作製できる。好ましくは加熱処理小麦粉と微粒二酸化ケイ素の両方を配合することにより、それぞれを単独で配合した場合よりも、食感を損なうことなく、さらに水溶けに優れ、ダマができにくいバッターを作製できる。
本発明のバッターミックスは、小麦粉等の穀粉類、澱粉類などのバッターミックスに必要な原料に、微量の微粒二酸化ケイ素を、好ましくはさらに加熱処理小麦粉を含有させることを特徴とするバッターミックスである。また、本発明のバッターは、該バッターミックスと水とを混合したバッターであり、本発明の加熱調理された食品は、該バッターを使用して加熱調理した食品である。
[微粒二酸化ケイ素]
微粒二酸化ケイ素(微粒シリカゲル)は、食品添加物として厚生労働省より使用が認められており、においがなく、味がない性状である。微粒二酸化ケイ素を強熱したものは、二酸化ケイ素(SiO2)99.0%以上を含み、平均粒子径15μm以下の滑らかな触感をもつ白色の微細な粉末である。
本発明の微粒二酸化ケイ素は市販のものを用いることができる。
[加熱処理小麦粉]
本発明の加熱処理小麦粉は、小麦粉を原料とし、加熱処理してなる加熱処理小麦粉であって、小麦粉全蛋白質中の0.05N酢酸水溶液可溶性蛋白質(以下、「酢酸可溶蛋白質」と略称することがある。)含量が53質量%以下である小麦粉であり、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、デュラム小麦粉のいずれも用いることができる。小麦粉全蛋白質中の酢酸可溶蛋白質含量は、蛋白質変性度が高い程低い値になり、蛋白質変性度が高くなると可溶性蛋白質が熱変性により疎水性蛋白質となる。そのため水に溶かしたときに粉体の分散性を高めると考えられる。加熱処理小麦粉の小麦粉全蛋白質中の酢酸可溶蛋白質含量は、53質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
酢酸可溶蛋白質含量の測定は、以下の方法により行うことができる。
(1)小麦粉2gを、100mL容量の三角フラスコに入れる。
(2)これに0.05N酢酸を40mL加えて、振盪する(25℃、130rpm、60分間)。
(3)上記(2)の内容物を遠沈管に移して遠心分離(5000rpm、5分間)することにより、上層の液相(抽出液)と下層の固相(残渣)とに分離し、得た抽出液をろ紙で吸引濾過して回収する。
(4)上記(2)の三角フラスコに残った残渣に、0.05N酢酸40mLを入れてフラスコ壁面についた残渣を洗い流すように軽く撹拌し、内容物を遠沈管に移して遠心分離(5000rpm、5分間)することによって、上層の液相(抽出液)と下層の固相(残渣)とに分離し、得た抽出液をろ紙で吸引濾過して回収する。
(5)上記(3)と上記(4)で回収した抽出液を合わせ、イオン交換水にて100mLに定容する。
(6)上記(5)の操作で得た試料液は25mLを採取し、小麦粉は0.5gを採取し、それぞれケルダール法にて窒素量を求める。
(7)得られた窒素量から下式に基づいて酢酸可溶蛋白質含有量(%)を算出する。
小麦粉の酢酸抽出液中の窒素含量(g/100g)=(f×N×(b-B)/1000)×14×(100/0.5(g))
小麦粉中の窒素含量(g/100g)=(f×N×(b-B)/1000)×14×(100/W(g))

f:ファクター
N:滴定用硫酸の規定数
b:測定試料の滴定量(mL)
B:ブランクの滴定量(mL)
W:小麦粉採取量(g)

酢酸可溶蛋白質含有量(%)=(小麦粉の酢酸抽出液中の窒素含量(%)/小麦粉中の窒素含量(%))×100
小麦粉の加熱処理は、特に制限はなく常法に従って実施することができる。例えば、加熱処理後の小麦粉全蛋白質中の酢酸可溶蛋白質含量が53質量%以下になる加熱処理が好ましく、湿熱加熱機やパドルドライヤー等の加熱装置を用いて、原料小麦粉を品温60~240℃の条件下で2~120分間加熱することで実施することができる。
本発明のバッターミックスは、微量の微粒二酸化ケイ素を含むこと、好ましくはさらに加熱処理小麦粉を併用することを特徴とする。微粒二酸化ケイ素の配合量は微量でよく、加熱処理小麦粉との併用において、バッターミックス中に微粒二酸化ケイ素を0.005~0.04質量%含有させることにより、水溶けを相乗的に向上させることができる。バッターミックス中の微粒二酸化ケイ素の量は、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以下が好ましい。微粒二酸化ケイ素の量が、0.005質量%未満であると、水溶け効果が十分に得られず、0.04質量%を超えると水とミックスのなじみが悪くなり、水溶けが悪くなる。
一方、加熱処理小麦粉の量は、微粒二酸化ケイ素の量に応じて適宜配合することができるが、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。また、微粒二酸化ケイ素との組合せによる相乗効果を得るためには、加熱処理小麦粉の量は、30質量%未満がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
本発明のバッターとは、小麦粉等の原料粉およびその他の副資材を含むバッター材料と水とを混合した食品の製造に用いる流体であり、バッターミックスとは、バッターの作製に必要な穀粉類、澱粉類、食塩、ベーキングパウダー、イースト、糖類、香料等の原料の混合物をいう。このミックスと水やその他の液体とを混合撹拌するだけで、基本的なバッターを作製することができるものである。ミックスに対する水の量はバッターの用途毎に異なるが、通常、粉体100質量部に対し水を30質量部~1000質量部加えて調製することができる。
油ちょう用バッターとは、例えば、天ぷら、から揚げ、竜田揚げ、フリッター、チキンナゲット、ドーナツ等の衣揚げ食品の揚げ衣になるバッターである。小麦粉などの穀粉類を主成分とするミックス100質量部に対し、通常、水を、天ぷら用の場合は80~180質量部、から揚げ用の場合は80~120質量部加えて調製することができる。
このようにして得られたバッターを適切な温度のフライ油に投入し、適切な時間油ちょうする、またはバッターに、野菜類、魚介類、畜肉類等を必要に応じて加工成形した具材を浸漬するか、もしくは、バッターを具材に塗布する等によりバッターを具材に付着させた後、適切な温度のフライ油に投入し、適切な時間油ちょうする。これにより、天ぷら、から揚げ、ドーナツ等の衣揚げ食品を製造する。本発明において、油ちょう後、冷蔵・冷凍保存し、再油ちょうしてもよく、オーブンで焼成する等、油ちょうと焼成を組み合わせて用いてもよい。
焼成用バッターとは、例えば、たい焼き、どら焼き、今川焼き、人形焼き、鈴カステラ、たこ焼、お好み焼、もんじゃ焼、ホットケーキ、パンケーキ、ワッフル、クレープ、最中皮、ウエハース等のベーカリー製品の生地となるバッターである。小麦粉などの穀粉類を主成分とするミックス100質量部に対して、ベーカリー製品に応じて、通常、水を30質量部~300質量部加えて調製することができる。
バッターには、ベーカリー製品の種類によって各種具材を添加することができる。例えば、たこ焼であれば、タコのぶつ切り、青ネギ、紅ショウガ等が添加され、お好み焼であれば、お好み焼の各種具材を添加することができる。このようにして得られたバッターを型や焼き板上で焼成することにより、所望のベーカリー製品を得る。例えば、ホットケーキ、パンケーキ、ワッフル、クレープ、お好み焼の場合は、バッターを鉄板上で焼く。また、たい焼きの場合は、バッターをたい焼き型に充填して餡等のフィリングを加え、上下の型で挟み焼きし、たこ焼の場合は、バッターをたこ焼用焼き型に流し込んでひっくり返しながら焼くことができる。
油ちょう用または焼成用のバッターを調製するためのミックスの主原料は穀粉類、澱粉類であり、製品の種類に応じて、その他の副資材を種々組み合わせて使用することができる。
穀粉類としては、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等の小麦粉、米粉(上新粉、餅粉など)、コーンフラワー、ソバ粉、ライ麦粉、ホワイトソルガム粉、大麦粉、大豆粉等が挙げられる。澱粉類としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉等の澱粉、およびこれらの加工澱粉等が挙げられる。
副資材としては、例えば、デキストリン、オリゴ糖、糖類、糖アルコール等の糖質;粉末油脂やショートニング等の油脂;卵白粉、卵黄粉、全卵粉、小麦蛋白、乳蛋白、大豆蛋白等の蛋白素材;重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等のガス発生剤、および酒石酸、酒石酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸性剤を含むベーキングパウダー等の膨張剤;グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤;食塩、グルタミン酸ナトリウム、粉末醤油等の調味料;酵母エキス、畜肉又は魚介由来エキス等のエキス類;グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;その他、酵素、食物繊維、かぼちゃ粉、色素、香料、香辛料、種々の品質改良剤等が挙げられる。
以下、本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
[試験方法]
下記表1~3に示す20種類の各ミックス(コントロール1~3、試験例1~17)について、下記の水溶け試験を2回ずつ実施し、篩へのダマの残存重量を、生じたダマの重量として測定した。試験方法は、以下のとおりの手順で行った。
(1)各ミックス100g、水温20℃の水160gを計量後、直径20cmのステンレス製ボウルに水、各ミックスの順に投入した。
(2)ホイッパーで40回つついた後、右撹拌10回、左撹拌10回を繰り返し、最後右撹拌10回の計50回撹拌し、バッターを調製した。
(3)次いで、篩で濾す際のバッターの広がりを調節するために直径8cmのセルクルを篩上に載せ、目開き1.40mm、線径0.71mmの篩を用いてバッターを濾した。
(4)セルクルをはずしてから篩を3回たたきつけ、篩の目に残ったバッターを落とし、篩の裏面に残ったバッターをへらを使って落とした。
(5)ダマの残った篩の重量を測定し、篩そのものの重量を差し引いて、篩へのダマの残存重量を求めた。
[評価方法]
水溶け感の評価は、バッター調製時において、ホイッパーによるつつき時の水とミックスのなじみと、撹拌時の水溶けの良さを専門パネル4名が目視によって、以下の評価基準にて評価した。
[評価基準]
◎:つつき時のなじみと攪拌時の水溶けの両方が非常に良好
〇:つつき時のなじみ、または攪拌時の水溶けが良好
×:つつき時のなじみと攪拌時の水溶けの両方が悪い
表1~3に示す配合で、20種類のミックスを調製した。薄力粉、澱粉、加熱処理小麦粉、および微粒二酸化ケイ素は、以下に示すものを使用した。
薄力粉:月桂冠(昭和産業株式会社)
澱粉:コーンスターチ(昭和産業株式会社)
加熱処理小麦粉:小麦粉を、恒温恒湿機IW222(ヤマト科学株式会社)を用いて、密閉条件下、90℃で加熱処理し、加熱処理小麦粉(蛋白:11質量%、酢酸可溶蛋白質含量:30質量%)を製造した。
微粒二酸化ケイ素:SYLOPAGE720(富士シリシア化学株式会社、二酸化ケイ素99%以上、平均粒子径3.8μm)
篩へのダマの残存重量とその平均値、および水溶け感の評価結果を表1~3に示す。
表1に示すとおり、加熱処理小麦粉および微粒二酸化ケイ素を配合していないコントロール1に比べ、微粒二酸化ケイ素のみを0.02質量%配合した場合(試験例1)、篩へのダマの残存重量および水溶け感は結果にばらつきが見られ、減少傾向を示すにとどまった。
しかし、これに加熱処理小麦粉を配合すると明らかにバッターミックスの水溶けが相乗的に向上した。さらに、加熱処理小麦粉を10質量%配合した場合(試験例5)、篩へのダマの残存重量が30%程度顕著に減少し、水溶け感も非常に良好となり、加熱処理小麦粉と微粒二酸化ケイ素との相乗効果が確認された。
また、表2に示すとおり、加熱処理小麦粉および微粒二酸化ケイ素を配合していないコントロール2に比べ、加熱処理小麦粉のみを10質量%配合しても(試験例6)、水とバッターミックスのなじみは良いように感じられたものの、篩へのダマの残存重量の減少は確認できず、好ましいものとまでは言えなかった。一方、加熱処理小麦粉10質量%に微粒二酸化ケイ素を0.005~0.04質量%配合すると(試験例7~10)と、篩へのダマの残存重量は減少し、水溶け感も良好となり相乗効果が得られた。また、加熱処理小麦粉10質量%に微粒二酸化ケイ素を0.05質量%配合した場合(試験例11)は、篩へのダマの残存重量の減少は確認できず、水溶け感も悪い評価であった。
さらに、表3に示すように、加熱処理小麦粉20質量%に微粒二酸化ケイ素を0.02質量%配合した場合(試験例12)は、加熱処理小麦粉および微粒二酸化ケイ素を配合していないコントロール3や、加熱処理小麦粉のみを20質量%配合した場合(試験例13)と比べ、篩へのダマの残存重量が20%程度顕著に減少し、水溶け感も非常に良好であった。
一方、加熱処理小麦粉を30~40質量%配合した場合(試験例14~17)は、微粒二酸化ケイ素を配合したものとしないものとの効果の差が減少した。
以上表1~3に示す結果から、0.005~0.04質量%の微粒二酸化ケイ素と加熱処理小麦粉をバッターミックスに配合することにより、水溶けが顕著に向上することが示された。また、微粒二酸化ケイ素と加熱処理小麦粉とは、水溶けにおける相乗効果を奏するだけでなく、このバッターを使用して天ぷらを製造したところ、天ぷらはサクッとした良好な食感であった。
バッターの調製時、水溶けが悪くダマができやすいと、作業性が悪いだけでなく、何回も撹拌しなければならないことから、バッターの質を低下させていた。
本発明のバッターミックスによれば、微粒二酸化ケイ素を微量添加しただけで、バッターミックスの水溶けが改善され、ダマができにくくなること、その際、加熱処理小麦粉を含む場合にその改善効果が相乗的に向上する、優れた油ちょう用および焼成用のバッターを簡単に作製することができる。

Claims (5)

  1. 0.005~0.04質量%の微粒二酸化ケイ素および加熱処理小麦粉を含むことを特徴とする、バッターミックス。
  2. バッターが油ちょう用または焼成用のバッターである、請求項1に記載のバッターミックス。
  3. 加熱処理小麦粉を2質量%以上含む、請求項1または2に記載のバッターミックス。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載のバッターミックスが水と混合されたバッター。
  5. 請求項に記載のバッターを使用して加熱調理された食品。
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