JP7473714B2 - 構造部材及び構造部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造部材及び構造部材の製造方法に関する。
従来より、車両における乗員の安全性向上が求められており、係る目的のために車体の強度を向上させてきた。他方、地球温暖化問題等の深刻化を背景に、自動車の燃費改善の動きが加速している。燃費改善には車体の軽量化が有効であることが知られている。また、電力により走行する車両(電気自動車、ハイブリッド自動車等を含む)、及び自走式ロボット等の機器の開発も進展している。このような車両又は機器に搭載する電池システムは、一般的に、多数のバッテリー(電池、電池セル)をバッテリートレイに収容した構成を有している。
特許文献1には、複数の電池パックを収容する電池パック構造体として、一対の前フレーム及び後フレームとをそれぞれ左右のサイドフレームにて連結した外枠体と、この外枠体の底部側に配設した冷却部材とを備え、冷却部材が上部冷却層と下部冷却層とを重ね合せて内側に冷却流路を形成したものが開示されている。
また、特許文献2には、底部と、底部から立設した側壁部にて内側に電池の収納部を形成し、底部がヒートパイプ構造になっている電池収納構造体が示されている。
さらに、特許文献3には、対向配置した第1サイド部材と第2サイド部材とで、電池モジュールの収容部を形成した車両用電池ケース構造体が示されている。この電池ケース構造体では、第1サイド部材と第2サイド部材のうち、一方又は両方は、電池モジュールの側部側に位置する骨格中空部と電池モジュールの下側に位置するアンダー中空部とを有し、電池モジュールの収容部の収容底部とアンダー中空部との間にクリアランス中空部を有し、骨格中空部、クリアランス中空部及びアンダー中空部とが一体的に形成されている。
また、特許文献4には、継手部分を表裏から摩擦撹拌溶接して部材同士を接合する技術が開示されている。
特開2021-140863号公報 特開2020-19291号公報 特開2021-70386号公報 特許第4838385号公報
ところで、特許文献1に記載の構造体は、その底部となる冷却部材を、それぞれ薄い板状の上部冷却層と下部冷却層とを重ね合せて形成しているため、剛性を十分に確保することが困難である。
また、特許文献2~4に記載の構造体は、複数の押出材の端面を突き合わせて接合させて底部を構成する際に、その接合箇所に熱と応力が集中して歪みが生じ易く、高精度に作製することが困難である。
そこで本発明は、十分な剛性を確保しつつ高精度に作製された構造部材及び構造部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成からなる。
(1) 少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部を有する複数の押出材パネルと、前記押出材パネルの縁部同士が突き合わされて摩擦撹拌接合された継手部とを有する構造部材であって、
前記継手部は、
前記押出材パネルの厚さ方向の総肉厚が15mm以下であり、
前記押出材パネルの表面側に形成された第1撹拌接合部と、
前記押出材パネルの裏面側に形成された第2撹拌接合部と、
前記押出材パネルの前記表面側及び前記裏面側に前記縁部に沿ってそれぞれ形成されたショルダー撹拌面と、
を有し、
前記ショルダー撹拌面の長手方向と前記厚さ方向とに直交する幅方向の長さをWtf、前記押出材パネル内で隣り合う前記中空部同士の間に形成されるリブの前記幅方向の長さをWrとしたとき、
前記押出材パネルの前記縁部から、前記縁部に最も近くに配置された前記中空部の前記縁部側の端部までの前記幅方向の長さLは、
L≧Wtf/2+Wr
である構造部材。
(2) 少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部を有する複数の押出材パネルを、該押出材パネルの縁部同士を突き合わせて摩擦撹拌接合する構造部材の製造方法であって、
ベースに前記複数の押出材パネルを平坦状に並べて配置させる第1配置工程と、
前記押出材パネル同士を前記平坦状に並べた面内で互いに近接する方向に押圧して前記縁部同士を突き合わせる第1押圧工程と、
前記ベースの前記押出材パネルを挟んだ他方の側から押さえ治具を前記押出材パネルに当接させ、前記押出材パネルを前記ベースへ押し付ける第1押し付け工程と、
複数の前記押出材パネルが互いに突き合わされた前記縁部同士間の接合線に沿って、前記押出材パネルの前記押さえ治具側の片面から摩擦撹拌接合する第1接合工程と、
片面が摩擦撹拌接合された前記押出材パネルから前記押さえ治具を退避させ、前記押出材パネルを、表裏を反転させて再び前記ベース上に配置させる第2配置工程と、
前記押出材パネルを前記面内で互いに近接する方向に押圧して前記端部同士を突き合わせる第2押圧工程と、
前記ベースの前記押出材パネルを挟んだ他方の側から前記押さえ治具を再び前記押出材パネルに当接させ、前記押出材パネルを前記ベースへ押し付ける第2押し付け工程と、
前記接合線に沿って、前記押出材パネルの前記押さえ治具側の片面から摩擦撹拌接合する第2接合工程と、
を含む、構造部材の製造方法。
本発明によれば、十分な剛性を確保しつつ高精度に作製された構造部材及び構造部材の製造方法を提供できる。
図1は、本構成例に係る構造部材の斜視図である。 図2は、本構成例に係る構造部材の側面図である。 図3は、構造部材の一部の側面図である。 図4は、構造部材の継手部における斜視図である。 図5は、構造部材の継手部における側面図である。 図6Aは、第1配置工程及び第1押圧工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの斜視図である。 図6Bは、第1配置工程及び第1押圧工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図7Aは、第1押し付け工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの斜視図である。 図7Bは、第1押し付け工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図8は、第1押し付け工程における押さえ治具による押し付け方の参考例を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図9Aは、第1接合工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの斜視図である。 図9Bは、第1接合工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図10は、押圧治具及び押さえ治具を取り外した状態を示すベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図11は、第2配置工程、第2押圧工程及び第2押し付け工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図12は、第2接合工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図13は、押出材パネル同士の接合後の機械加工について説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。 図14は、機械加工が施された構造部材の斜視図である。 図15は、押出材パネルの縁部同士が摩擦撹拌接合された構造部材の一部拡大断面図である。 図16は、押出材パネルの片側の表面から溶着部を越える範囲まで摩擦撹拌接合を行った場合の断面写真である。 図17は、押出材パネルの両面から溶着部を越えない範囲で摩擦撹拌接合を行った場合の断面写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本構成例に係る構造部材100の斜視図である。図2は、本構成例に係る構造部材100の側面図である。
図1及び図2に示すように、本構成例に係る構造部材100は、板状に形成された構造体であり、複数(本例では一例として2つ)の押出材パネル11から構成される。構造部材100は、押出材パネル11の押出方向に沿った側面同士を互いに接合して構成されている。ここで例示する押出材パネル11の形状は、いずれも平面視で長方形である。以下、押出材パネル11の板厚方向をZ方向、押出方向と平行で長方形の一辺に沿う方向をY方向、その一辺に直交する長方形の他辺に沿う、Y方向及びZ方向に直交する方向をX方向として説明する。
押出材パネル11としては、いずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金を素材とした板状の押出形材が用いられる。押出材パネル11として使用されるアルミニウム合金は、優れた強度を有し、より薄肉化が可能である点で、JIS又はAA規格でいう5000系、6000系、7000系などのアルミ合金が好ましい。これらアルミニウム合金の中空押出形材は、鋳造(DH鋳造法又は連続鋳造法)、均質化熱処理、熱間押出、溶体化および焼入れ処理、必要により人工時効処理、などの調質処理を適宜組み合わせて製造したものを好適に使用できる。これによれば、構造部材100を軽量化しつつ高強度な構成にできる。
図3は、構造部材100の一部の側面図である。構造部材100は、少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部13A,13B,13Cを有する複数の押出材パネル11と、押出材パネル11の縁部同士が突き合わされて摩擦撹拌接合された継手部31とを有する。図3に示す構造部材100における押出材パネル11には、その厚さ方向(Z方向)の中央に、複数列の中空部13A,13B,13Cが押出方向(Y方向)に沿って成形されている。この押出材パネル11内の互いに隣り合う中空部13A,13B同士の間、及び互いに隣り合う中空部13B,13C同士の間には、リブ15が形成されている。
押出材パネル11には、互いに突き合わせる縁部から押圧治具45に向けて、広幅の中空部13A、狭幅の中空部13B、広幅の中空部13Bがこの順で並んで形成されているが、各中空部13A,13B,13Cの幅、厚さ、形状等は任意に設定できる。
押出材パネル11は、例えば、厚さT1が15mm以下の平坦な薄板状に成形されている。この押出材パネル11の中空部13A(中空部13B,13Cも同様)の厚さT2は、押出材パネル11の厚さT1の半分程度であり、押出材パネル11のリブ15のX方向の幅Wrは、中空部13A,13B,13Cの厚さT2の半分以上であるのが好ましい。これにより、中空部13A,13B,13Cを有する押出材パネル11の強度が十分に確保される。
次に、押出材パネル11同士の接合箇所の構造について詳細に説明する。
図4は、構造部材100の継手部31における斜視図である。図5は、構造部材100の継手部31における側面図である。
図4及び図5に示すように、構造部材100は、押出材パネル11の縁部同士が突き合わされて摩擦撹拌接合されている。この摩擦撹拌接合された部分が継手部31となる。継手部31は、板厚方向(Z方向)に関して、一方の面である表面側に形成された第1撹拌接合部33と、他方の面である裏面側に形成された第2撹拌接合部35とを有する。第1撹拌接合部33と第2撹拌接合部35は、それぞれ縁部に沿った長手方向(Y方向)にショルダー撹拌面37が形成されている。ショルダー撹拌面37は、摩擦撹拌ツールのショルダー部が回転、押圧、摺動することによって接合部表層部に形成される撹拌面であり、ショルダーマークとも呼ばれ、継手部31の長手方向の全長にわたって形成されている。
継手部31は、押出材パネル11の厚さ方向の総肉厚T3が15mm以下(図3参照)、好ましくは12mm以下、より好ましくは10mm以下であり、第1撹拌接合部33の深さD1及び第2撹拌接合部35の深さD2の下限は、それぞれ2mm以上、好ましくは3mm以上であり、上限は、5mm以下、好ましくは4mm以下である。これにより、継手部31における接合強度が表裏で十分に確保される。なお、継手部31の総肉厚T3は、押出材パネル11の厚さT1と同一又は略同一の厚さになっている。
押出材パネル11の縁部には、中実部17が形成されている。この中実部17は、X方向に関して押出材パネル11の縁部の端面から、この縁部に最も近くに配置された中空部13Aの縁部側の端部までの幅Lが、継手部31における表裏に形成されたショルダー撹拌面37の幅Wtfの半値(Wtf/2)と、押出材パネル11内で隣り合う中空部13A,13B同士、及び中空部13B,13C同士の間のリブ15のX方向の幅Wr(図3参照)との合計寸法以上(L≧Wtf/2+Wr)とされている。
これにより、構造部材100は、表面側の第1撹拌接合部33と裏面側の第2撹拌接合部35とを有する継手部31において、押出材パネル11同士が表裏でバランスよく安定した接合強度で接合されている。したがって、継手部31及びその周辺における十分な強度が確保された構造部材100が得られる。
次に、上記の構造部材100の製造方法について説明する。
図6A及び図6Bは、第1配置工程及び第1押圧工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの斜視図である。図7A及び図7Bは、第1押し付け工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの斜視図である。
図6A及び図6Bに示すように、ベース41に、互いに接合させる2枚の押出材パネル11をセットする(第1配置工程)。具体的には、ベース41の上面からなる平滑面43上に2枚の押出材パネル11を平坦状に並べて配置させ、これらの押出材パネル11の縁部同士を突き合わせる。
次に、ベース41の平滑面43上に配置させた2枚の押出材パネル11同士を、平滑面43内で互いに近接する方向へ押圧して縁部同士を突き合わせる(第1押圧工程)。具体的には、ベース41上に配置させた押出材パネル11の互いに突き合わせた縁部と反対側の縁部に押圧治具45を装着し、これらの押圧治具45によって押出材パネル11同士を互いに近接する方向へ押し付ける。押圧治具45は、長尺の角柱状に形成されており、押出材パネル11側に保持凹部46を有している。押圧治具45は、保持凹部46に押出材パネル11の縁部を嵌め込むようにベース41に装着される。これにより、押出材パネル11は、その縁部が長手方向の全長にわたって押圧治具45によって保持される。押圧治具45によって保持される押出材パネル11は、保持凹部46を形成する一方の側壁46aによって突き合わせ方向に押圧され、さらに、保持凹部46を形成する他方の側壁46bによってベース41の平滑面43に押し付けられる。
そして、図7A及び図7Bに示すように、縁部同士を互いに突き合わせた押出材パネル11を、ベース41の押出材パネル11を挟んだ他方の側から平滑面43へ押し付ける(第1押し付け工程)。押出材パネル11をベース41の平滑面43へ押し付けるには、一対の押さえ治具47及び一対の押さえ治具49を用いる。
一対の押さえ治具47は、Y方向に長尺の平板状に形成されており、少なくとも押出材パネル11に接触する面が平面部47aとされている。各押さえ治具47は、押出材パネル11のZ方向中央の中空部13Bに対応する位置に配置され、X方向に関して中空部13Bの幅よりも大きな幅寸法を有している。押さえ治具47は、各押出材パネル11の中空部13Bに対応する位置において、そのX方向両端がリブ15にかかるように、即ち、押出材パネル11の厚さ方向にリブ15と重なるように配置される。
一対の押さえ治具49は、Y方向に長尺の棒状に形成されており、少なくとも押出材パネル11に接触する面が平面部49aとされている。各押さえ治具49は、押出材パネル11の互いに突き合わされた縁部寄りにおいて、中実部17にかかる位置、即ち、押出材パネル11の厚さ方向に中実部17と重なるように配置される。それぞれの押出材パネル11上に配置させた一対の押さえ治具49は、押出材パネル11同士の突き合わせ箇所から互いにX方向に間隔をあけて配置される。
このように、押出材パネル11上に配置された押さえ治具47,49のそれぞれには、クランパや錘等の荷重付与手段によってベース41へ向かって荷重が付与される。これにより、ベース41上の押出材パネル11は、押さえ治具47,49によって、その長手方向(Y方向)の全長にわたってベース41の平滑面43に隙間なく押し付けられた状態となる。
なお、押さえ治具47,49とともに、押圧治具45も荷重付与手段によってベース41へ向かって荷重を付与するのが好ましい。
図8は、第1押し付け工程における押さえ治具による押し付け方の参考例を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。
図8に示す参考例では、それぞれの押出材パネル11の上部に、平板状の押さえ治具47が2つずつ配置されている。一方の押さえ治具47は、中空部13Cの上部に配置され、他方の押さえ治具47は、X方向の幅の中央がリブ15の真上となる位置に配置されている。これらの押さえ治具47は、いずれもX方向の両端がリブ15にかからない、即ち、押出材パネル11の厚さ方向にリブ15と重ならない位置に配置されている。さらに、押出材パネル11の互いに突き合わされた縁部寄りに配置された押さえ治具49は、中空部13A上に配置されている。
このように、押さえ治具47のX方向の両端をリブ15にかからない位置に配置させ、押さえ治具49を中空部13Aの上部に配置させた参考例の場合、押出材パネル11における中空部13A,13B,13Cを設けたことで薄肉とされた箇所が、押さえ治具47,49からの荷重によって変形するおそれがある。
これに対して、本構成例では、図7A,図7Bに示すように、押さえ治具47を、そのX方向の両端がリブ15にかかるように配置させ、さらに、押さえ治具49を中実部17にかかるように配置させている。したがって、これらの押さえ治具47,49によって押出材パネル11をベース41へ向かって押圧させても、その荷重がリブ15及び中実部17によって受け止められるので、押出材パネル11の薄肉とされた箇所の変形を抑えることができる。
図9A及び図9Bは、第1接合工程を説明するためのベース41上に配置された押出材パネル11の斜視図である。図10は、押圧治具45及び押さえ治具47,49を取り外した状態を示すベース41上に配置された押出材パネル11の側面図である。
図9A及び図9Bに示すように、押出材パネル11の互いに突き合わされた縁部を摩擦撹拌ツールTfによって表面側(押さえ治具49側の片面)から摩擦撹拌接合させる(第1接合工程)。具体的には、一対の押さえ治具49同士の間に摩擦撹拌ツールTfを上方から挿し込み、押出材パネル11の互いに突き合わされた縁部同士からなる接合線(Y方向に沿った端部同士の図示しない仮想線)に沿って摩擦撹拌ツールTfを移動させ、互いに突き合わされた縁部同士を摩擦撹拌接合させる。これにより、押出材パネル11の各縁部に第1撹拌接合部33を形成する。すると、押出材パネル11の突き合わせ箇所に、第1撹拌接合部33によって片面側から接合した継手部31が形成される。なお、摩擦撹拌ツールTfによる摩擦撹拌接合を行う際には、まず、接合線における端部をY方向に沿って50mm程度の長さで摩擦撹拌接合して仮接合し、その後、仮接合箇所を含む接合線を全長にわたって摩擦撹拌接合するのが好ましい。
摩擦撹拌ツールTfによって第1撹拌接合部33を形成したら、押圧治具45及び押さえ治具47,49を取り外す又は移動することで退避させる。すると、図10に示すように、互いに接合された押出材パネル11は、摩擦撹拌接合によって付与された応力によって、継手部31を屈曲の中心として、X方向の両端をベース41から浮き上がらせる反りが僅かに生じる。この継手部31を境にして、2つの押出材パネル11の一方と他方に生じる反りは、摩擦撹拌接合時に押さえ治具47,49によって押出材パネル11をベース41の平滑面43に押し付けることで抑えられる。しかし、反りを完全になくすことは困難であり、厚さ方向の一方の面側では、互いに摩擦撹拌接合された2つの押出材パネル11は、互いの接合側(内側縁部)と反対側の外側縁部へ向かって、ベース41の平滑面43から次第に上方へ僅かに浮き上がる。これにより、押出材パネル11の外側縁部とベース41の平滑面43との間に、僅かな隙間Gが残留する。
そこで、この隙間Gの残留を解消させる工程を実施する。図11は、第2配置工程、第2押圧工程及び第2押し付け工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。図12は、第2接合工程を説明するためのベース上に配置された押出材パネルの側面図である。
図11に示すように、表面側で接合された2枚の押出材パネル11の表裏を反転させて、ベース41の平滑面43上に再び配置させる(第2配置工程)。そして、押圧治具45によって押出材パネル11同士を平滑面43内で互いに近接する方向へ押圧して端部同士を突き合わせる(第2押圧工程)。さらに、ベース41の押出材パネル11を挟んだ他方の側から押さえ治具47,49を再び押出材パネル11に当接させ、押出材パネル11をベース41へ押し付ける(第2押し付け工程)。
このとき、互いに接合させた2枚の押出材パネル11には、継手部31を境にして、2つの押出材パネル11の一方と他方に僅かに反りが生じている。このため、互いに接合された2枚の押出材パネル11の表裏を反転させて再びベース41の平滑面43上に配置させた際に、継手部31を有する中央部分に僅かな浮き上がりが生じる。しかし、押さえ治具47,49によって押出材パネル11をベース41へ押し付けることにより、中央部分の僅かな浮き上がりがなくされる。これにより、表裏を反転させた押出材パネル11を平坦化させた状態でベース41に配置させることができる。
図12に示すように、押出材パネル11の第1撹拌接合部33で接合された継手部31を摩擦撹拌ツールTfによって前述した裏面側から摩擦撹拌接合させる。つまり、接合線に沿って、押出材パネル11の押さえ治具47,49側の片面から摩擦撹拌接合する(第2接合工程)。これにより、押出材パネル11の継手部31に第2撹拌接合部35を形成する。なお、裏面側を摩擦撹拌接合する際にも、まず、接合線における端部をY方向に沿って50mm程度の長さで摩擦撹拌接合して仮接合し、その後、仮接合箇所を含む接合線を全長にわたって摩擦撹拌接合するのが好ましい。
摩擦撹拌ツールTfによって第2撹拌接合部35を形成したら、押圧治具45及び押さえ治具47,49を取り外す又は移動することで退避させる。これにより、2枚の押出材パネル11が継手部31で接合された構造部材100が得られる。このようにして得られた構造部材100では、摩擦撹拌接合によって生じる反りが表裏で相殺されるので、反り等の変形がほとんどない状態とされる。
以上、説明したように、本構成例によれば、継手部31において押出材パネル11同士が表裏でバランスよく接合された構造部材100を製造できる。また、摩擦撹拌接合させる際に、押出材パネル11同士を互いに近接する方向へ押圧し、さらに、押出材パネル11をベース41へ厚さ方向に押し付けるので、接合箇所を境として押出材パネル11に生じる反りを抑制できる。しかも、表裏から摩擦撹拌接合させることにより、接合箇所を境として生じる反りを相殺できる。これにより、反りが抑制されて押出材パネル11同士が平坦状に接合された高品質な構造部材100が得られる。
なお、継手部31に第2撹拌接合部35を形成した後に、必要に応じて押出材パネル11に対して、バリ取りやトリミングなどの機械加工を行ってもよい。
ここで、押出材パネル11の接合後における機械加工について説明する。図13は、押出材パネル11同士の接合後の機械加工について説明するためのベース41上に配置された押出材パネル11の側面図である。図14は、機械加工が施された構造部材100の斜視図である。
図13に示すように、前述した各工程により第2撹拌接合部35を形成した後に、押さえ治具47,49のうちの一部を取り外す又は移動することで退避させる。そして、例えば、マシニングセンタなどの工作機械において、摩擦撹拌ツールTfに代えてリーマ等の切削工具Tcを付け替え、この切削工具Tcによって構造部材100に対して機械加工を行う。例えば、図14に示すように、構造部材100の片面側の一部を除去して凹状部分11aを形成する。
つまり、マシニングセンタ等の機械加工用の工作機械の主軸に摩擦撹拌ツールTfを装着させて摩擦撹拌接合を行った後に、リーマ等の切削工具Tcを主軸に付け替えて機械加工を行う。これによれば、摩擦撹拌接合と機械加工とを、構造部材100をベース41に支持させたまま連続して実行できる。そのため、加工工程が簡略化されてタクトタイムを短縮できる上、ワークの脱着の位置ずれを招くことなく、高精度な加工が可能になる。しかも、ベース41に拘束された構造部材100に対して機械加工を行うことにより、構造部材100の応力が解放されるので、摩擦撹拌接合によって生じる変形をより軽減させることができる。
次に、上記した押出材パネル11が、ポートホール押出しにより形成された中空形材である場合について説明する。
ポートホール押出しは、オス型とメス型との2つのダイスを組み合わせてセットし、材料(ビレット)を押しつけて押出しする方式であり、オス型のエントリーポートから材料が分割されて供給され、メス型と組合せて形成されるチャンバーに充填される。その結果、分割された材料が圧力と塑性変形で再度一体化(固相接合)して中空材が形成される。その一体化されたつなぎ目には、上記した押出し成形による材料同士の接合界面を有する溶着部が形成される。
図15は、押出材パネルの縁部同士が摩擦撹拌接合された構造部材の一部拡大断面図である。ポートホール押出しにより形成された押出材パネル11には、その一部に溶着部が形成される。その溶着部が、例えば構造部材100の継手部31となる縁部に形成された場合、図15に示すように、各押出材パネル11の縁部における厚さ方向の中間位置に溶着部の界面WLを生じる。この溶着部の界面WLは、母材に対して不連続部となるため、界面、及び界面の周囲に再度の塑性変形が及ぶと、予期せぬ不完全部が形成される可能性が高い。そのため、摩擦撹拌接合を溶着部の界面WLを跨いで形成することは避けるべきである。
そこで、押出材パネル11の表面側から摩擦撹拌接合するとき、及び裏面側から摩擦撹拌接合するときに、溶着部の界面WLの深さ位置に達しない範囲に留める。つまり、押出材パネル11の厚さ方向に関して、押出材パネル11の表側の面11bから溶着部の界面WLまでの範囲に第1撹拌接合部33を形成し、裏側の面11cから溶着部の界面WLまでの範囲に第2撹拌接合部35を形成する。このように、第1撹拌接合部33と第2撹拌接合部35とは、いずれも溶着部を跨がらずに形成されるようにする。
この構造部材100によれば、溶着部の界面WLを変形させることなく第1撹拌接合部33及び第2撹拌接合部35が形成されるため、不連続部である溶着部が塑性変形することがなく、接合不完全部(ボイド)や割れの発生を抑制できる。
上記した溶着部は、押出材パネル11の設計段階で任意の位置に形成することができる。そのため、予め継手部31の位置が決定している場合には、継手部31に溶着部が形成されないように設計すればよい。また、溶着部の位置が決定している場合には、継手部31となる部位を、溶着部を避けて決定すればよい。また、溶着部の位置と継手部31の位置とを共に調整して、相互の干渉を未然に防止してもよい。
このようなポートホール押出しには、例えばJISの1000系のアルミニウム、3000系、6000系のアルミニウム合金を用いることで、安定した加工が可能となる。
図16は、押出材パネルの片側の表面から溶着部を越える範囲まで摩擦撹拌接合を行った場合の断面写真である。図16においては、押出材パネル11の裏面側(下側)から表面側(上側)に向けて摩擦撹拌接合を行っている。この場合、溶着部が表面側に向かって押し上げられ、溶着部の界面WLが撹拌されて分解した部分にボイドVDが発生している。
図17は、押出材パネルの両面から溶着部を越えない範囲で摩擦撹拌接合を行った場合の断面写真である。図17においては、押出材パネル11の裏面側(下側)からと表面側(上側)から摩擦撹拌接合を行っており、いずれも溶着部の界面WLを越えない範囲に留めている。その結果、溶着部の界面WLを変形させず、欠陥の発生は認められなかった。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、上記構成例では2枚の押出材パネル11を接合させた構造部材100及びその製造方法を説明したが、接合させる押出材パネル11の枚数は2枚に限らず、3枚以上であってもよい。その場合、多様な形状の構造体部材を容易に製造できる。
また、押出材パネル11とベース41の配置は、上述した水平配置に限らず、加工装置の形態に応じて垂直配置又は傾斜配置にしてもよい。その場合、加工可能な押出材パネル11のサイズを拡大できる。
さらに、ベース41の押出材パネル11を支持する支持面は平滑面に限らない。支持面は、例えば、平面上に溝を形成して複数の凸部からなる接触面を有した構成等、複数の接触面、又は多数の接触点で押出材パネル11を支持する面にしてもよい。その場合、広い接触面積が必要な場合でも支持面を低コストで形成できる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部を有する複数の押出材パネルと、前記押出材パネルの縁部同士が突き合わされて摩擦撹拌接合された継手部とを有する構造部材であって、
前記継手部は、
前記押出材パネルの厚さ方向の総肉厚が15mm以下であり、
前記押出材パネルの表面側に形成された第1撹拌接合部と、
前記押出材パネルの裏面側に形成された第2撹拌接合部と、
前記押出材パネルの前記表面側及び前記裏面側に前記縁部に沿ってそれぞれ形成されたショルダー撹拌面と、
を有し、
前記ショルダー撹拌面の長手方向と前記厚さ方向とに直交する幅方向の長さをWtf、
前記押出材パネル内で隣り合う前記中空部同士の間に形成されるリブの前記幅方向の長さをWrとしたとき、
前記押出材パネルの前記縁部から、前記縁部に最も近くに配置された前記中空部の前記縁部側の端部までの前記幅方向の長さLは、
L≧Wtf/2+Wr
である構造部材。
この構造部材によれば、表面側の第1摩擦撹拌接合部と裏面側の第2摩擦撹拌接合部とを有する継手部において、押出材パネル同士が表裏でバランスよく安定した接合強度で接合された高品質な構造部材を提供できる。また、継手部は、総肉厚が15mm以下であり、中空部を有する押出材パネルにおける継手部側の縁部が、ショルダー撹拌面の幅の半分と中空部同士の間のリブの厚さとの合計寸法以上の長さ寸法の中実部を有する。したがって、継手部及びその周辺における十分な強度が確保された構造部材が得られる。
(2) 前記第1撹拌接合部及び前記第2撹拌接合部は、前記厚さ方向に関してそれぞれ2mm以上、5mm以下の厚さを有する、(1)に記載の構造部材。
この構造部材によれば、第1摩擦撹拌接合部及び第2摩擦撹拌接合部の厚さが2mm以上、5mm以下とされているので、継手部における接合強度を表裏で十分に確保できる。
(3) 前記リブは、前記厚さ方向に関して前記中空部の厚さの半分以上の厚さを有する、(1)に記載の構造部材。
この構造部材によれば、リブの厚さが中空部の厚さの半分以上とされているので、中空部を有する押出材パネル自体の強度も十分に確保できる。
(4) 前記押出材パネルは、前記厚さ方向の一部に、押出し成形による材料同士の接合界面を有する溶着部が形成された中空形材であり、
前記厚さ方向に関して、前記押出材パネルの前記表面側の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第1撹拌接合部が形成され、前記裏面側の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第2撹拌接合部が形成され、前記第1撹拌接合部と前記第2撹拌接合部とは、前記溶着部の界面を跨がらずに形成されている、(1)から(3)のいずれか1つに記載の構造部材。
この構造部材によれば、溶着部を変形させることなく第1撹拌接合部及び第2撹拌接合部が形成されるため、不連続部である溶着部が塑性変形することがなく、接合不完全部(ボイド)や割れの発生を抑制できる。
(5) 前記押出材パネルは、アルミニウム又はアルミニウム合金である、(4)に記載の構造部材。
この構造部材によれば、ポートホール押出しにより中空形材を安定して形成できる。
(6) 少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部を有する複数の押出材パネルを、該押出材パネルの縁部同士を突き合わせて摩擦撹拌接合する構造部材の製造方法であって、
ベースに前記複数の押出材パネルを平坦状に並べて配置させる第1配置工程と、
前記押出材パネル同士を前記平坦状に並べた面内で互いに近接する方向に押圧して前記縁部同士を突き合わせる第1押圧工程と、
前記ベースの前記押出材パネルを挟んだ他方の側から押さえ治具を前記押出材パネルに当接させ、前記押出材パネルを前記ベースへ押し付ける第1押し付け工程と、
複数の前記押出材パネルが互いに突き合わされた前記縁部同士間の接合線に沿って、前記押出材パネルの前記押さえ治具側の片面から摩擦撹拌接合する第1接合工程と、
片面が摩擦撹拌接合された前記押出材パネルから前記押さえ治具を退避させ、前記押出材パネルを、表裏を反転させて再び前記ベース上に配置させる第2配置工程と、
前記押出材パネルを前記面内で互いに近接する方向に押圧して前記端部同士を突き合わせる第2押圧工程と、
前記ベースの前記押出材パネルを挟んだ他方の側から前記押さえ治具を再び前記押出材パネルに当接させ、前記押出材パネルを前記ベースへ押し付ける第2押し付け工程と、
前記接合線に沿って、前記押出材パネルの前記押さえ治具側の片面から摩擦撹拌接合する第2接合工程と、
を含む、構造部材の製造方法。
この構造部材の製造方法によれば、摩擦撹拌接合させる際に、押出材パネル同士を互いに近接する方向へ押圧し、押出材パネルをベースへ押し付けるので、接合箇所を境として生じる反りを抑えることができる。しかも、表裏から摩擦撹拌接合させることにより、接合箇所を境として生じる反りを相殺させることができる。これにより、反りが抑えられて押出材パネル同士が接合された高品質な構造部材が得られる。
(7) 前記押さえ治具は、前記押出材パネルの前記中空部の長手方向に延びて設けられ、前記第1押し付け工程及び前記第2押し付け工程において、前記押出材パネル内で隣り合う前記中空部同士の間に形成されるリブと前記押出材パネルの厚さ方向に重なるように配置する、(6)に記載の構造部材の製造方法。
この構造部材の製造方法によれば、押さえ治具によって押出材パネルをベースに押し付ける際の押出材パネルの変形を抑えることができる。
(8) 前記第1押し付け工程及び前記第2押し付け工程において、前記押さえ治具によって前記押出材パネルを前記摩擦撹拌接合の接合線の全長にわたって前記ベースに押し付ける、(6)又は(7)に記載の構造部材の製造方法。
この構造部材の製造方法によれば、押さえ治具によって押出材パネルを接合方向の全長にわたって押し付けるので、押出材パネル同士を全長にわたって良好に接合させることができる。
(9) 前記押出材パネルは、前記厚さ方向の一部に、押出し成形による材料同士の接合界面を有する溶着部が形成された中空形材であり、
前記押出材パネルの厚さ方向に関して、前記押出材パネルの一方の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第1接合工程による第1撹拌接合部を形成し、前記押出材パネルの他方の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第2接合工程による第2撹拌接合部を形成し、前記第1撹拌接合部と前記第2撹拌接合部とを前記溶着部の界面を跨がずに形成する、(6)から(8)のいずれか1つに記載の構造部材の製造方法。
この構造部材の製造方法によれば、溶着部を変形させることなく第1撹拌接合部及び第2撹拌接合部が形成されるため、不連続部である溶着部が塑性変形することがなく、接合不完全部(ボイド)や割れの発生を抑制できる。
(10) 前記第2接合工程の後に、前記押出材パネルに機械加工を施す、(6)から(9)のいずれか1つに記載の構造部材の製造方法。
この構造部材の製造方法によれば、マシニングセンタ等の機械加工用の工作機械に摩擦撹拌ツールを装着させて摩擦撹拌接合を行った後に、リーマ等の切削工具を付け替えて機械加工を容易に行うことができる。
11 押出材パネル
11a 凹状部分
11b 表側の面
11c 裏側の面
13A,13B,13C 中空部
15 リブ
17 中実部
31 継手部
33 第1撹拌接合部
35 第2撹拌接合部
37 ショルダー撹拌面
41 ベース
43 平滑面
47,49 押圧リブ(押さえ治具)
47a,49a 平面部
100 構造部材
D1 第1撹拌接合部の深さ
D2 第2撹拌接合部の深さ
L 中実部の幅
T2 中空部の厚さ
T3 総肉厚
Tr リブの幅
Tc 切削工具
Tf 摩擦撹拌ツール
Wtf ショルダー撹拌面の幅
WL 溶着部の界面
Wr リブの幅

Claims (9)

  1. 少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部を有する複数の押出材パネルと、前記押出材パネルの縁部同士が突き合わされて摩擦撹拌接合された継手部とを有する構造部材であって、
    前記継手部は、
    前記押出材パネルの厚さ方向の総肉厚が15mm以下であり、
    前記押出材パネルの表面側に形成された第1撹拌接合部と、
    前記押出材パネルの裏面側に形成された第2撹拌接合部と、
    前記押出材パネルの前記表面側及び前記裏面側に前記縁部に沿ってそれぞれ形成されたショルダー撹拌面と、
    を有し、
    前記ショルダー撹拌面の長手方向と前記厚さ方向とに直交する幅方向の長さをWtf、前記押出材パネル内で隣り合う前記中空部同士の間に形成されるリブの前記幅方向の長さをWrとしたとき、
    前記押出材パネルの前記縁部から、前記縁部に最も近くに配置された前記中空部の前記縁部側の端部までの前記幅方向の長さLは、
    L≧Wtf/2+Wr
    であり、
    前記押出材パネルは、前記厚さ方向の一部に、押出し成形による材料同士の接合界面を有する溶着部が形成された中空形材であり、
    前記厚さ方向に関して、前記押出材パネルの前記表面側の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第1撹拌接合部が形成され、前記裏面側の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第2撹拌接合部が形成され、前記第1撹拌接合部と前記第2撹拌接合部とは、前記溶着部の界面を跨がらずに形成されている、
    構造部材。
  2. 前記第1撹拌接合部及び前記第2撹拌接合部は、前記厚さ方向に関してそれぞれ2mm以上、5mm以下の厚さを有する、
    請求項1に記載の構造部材。
  3. 前記押出材パネルは、アルミニウム又はアルミニウム合金である、
    請求項1または2に記載の構造部材。
  4. 少なくとも一つが押出方向に沿って複数列の中空部を有する複数の押出材パネルを、該押出材パネルの縁部同士を突き合わせて摩擦撹拌接合する構造部材の製造方法であって、
    ベースに前記複数の押出材パネルを平坦状に並べて配置させる第1配置工程と、
    前記押出材パネル同士を前記平坦状に並べた面内で互いに近接する方向に押圧して前記縁部同士を突き合わせる第1押圧工程と、
    前記ベースの前記押出材パネルを挟んだ他方の側から押さえ治具を前記押出材パネルに当接させ、前記押出材パネルを前記ベースへ押し付ける第1押し付け工程と、
    複数の前記押出材パネルが互いに突き合わされた前記縁部同士間の接合線に沿って、前記押出材パネルの前記押さえ治具側の片面から摩擦撹拌接合する第1接合工程と、
    片面が摩擦撹拌接合された前記押出材パネルから前記押さえ治具を退避させ、前記押出材パネルを、表裏を反転させて再び前記ベース上に配置させる第2配置工程と、
    前記押出材パネルを前記面内で互いに近接する方向に押圧して前記端部同士を突き合わせる第2押圧工程と、
    前記ベースの前記押出材パネルを挟んだ他方の側から前記押さえ治具を再び前記押出材パネルに当接させ、前記押出材パネルを前記ベースへ押し付ける第2押し付け工程と、
    前記接合線に沿って、前記押出材パネルの前記押さえ治具側の片面から摩擦撹拌接合する第2接合工程と、
    を含む、構造部材の製造方法。
  5. 前記押さえ治具は、前記押出材パネルの前記中空部の長手方向に延びて設けられ、前記第1押し付け工程及び前記第2押し付け工程において、前記押出材パネル内で隣り合う前記中空部同士の間に形成されるリブと前記押出材パネルの厚さ方向に重なるように配置する、
    請求項4に記載の構造部材の製造方法。
  6. 前記第1押し付け工程及び前記第2押し付け工程において、前記押さえ治具によって前記押出材パネルを前記摩擦撹拌接合の接合線の全長にわたって前記ベースに押し付ける、請求項4に記載の構造部材の製造方法。
  7. 前記押出材パネルは、前記押出材パネルの厚さ方向の一部に、押出し成形による材料同士の接合界面を有する溶着部が形成された中空形材であり、
    前記押出材パネルの厚さ方向に関して、前記押出材パネルの一方の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第1接合工程による第1撹拌接合部を形成し、前記押出材パネルの他方の面から前記溶着部の界面までの範囲に前記第2接合工程による第2撹拌接合部を形成し、前記第1撹拌接合部と前記第2撹拌接合部とを前記溶着部の界面を跨がずに形成する、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の構造部材の製造方法。
  8. 前記第2接合工程の後に、前記押出材パネルに機械加工を施す、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の構造部材の製造方法。
  9. 前記第2接合工程の後に、前記押出材パネルに機械加工を施す、
    請求項7に記載の構造部材の製造方法。
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