JP2014028398A - 伝熱板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボビンツールを用いて一対の金属板を接合して伝熱板を製造する際に、接合欠陥の発生を抑制し好適に接合することができる伝熱板の製造方法を提供する。
【解決手段】内部に複数の流路孔を備えた金属板100A,100B同士を、回転ツールユニット2を用いて接合して伝熱板を製造する伝熱板の製造方法であって、金属板100A,100Bの端面同士を付き合わせる突き合せ工程と、突き合せ部Nに回転させたボビンツール5のピン13を移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、を含み、接合工程では、第一ショルダ11と第二ショルダ12のショルダ間の距離を、金属板100A,100Bの厚さ以下に設定することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、伝熱板の製造方法に関する。
従来、金属板の端面同士を摩擦攪拌接合するツールとしてボビンツールが知られている(特許文献1参照)。ボビンツールは、一対のショルダとこのショルダの間に形成されたピンとを備えている。一対の金属板を接合する際には、金属板を移動不能に拘束した上で、金属板の一端側から高速回転させたボビンツールを挿入し、突き合せ部に沿ってピンを移動させる。これにより、端面同士の周囲の金属が摩擦攪拌されて金属板同士が接合される。ボビンツールによれば、金属板の裏側にもショルダを備えているため、金属板の裏側に配置する裏当部材を省略することができる。
特許第2712838号公報
ボビンツールを用いた摩擦攪拌接合においては、ボビンツールのショルダ間の距離が、金属板の厚さよりも大きいと、摩擦攪拌によって塑性流動化された金属がショルダの外部に溢れやすくなるため接合欠陥が発生するおそれがある。
このような観点から、本発明は、ボビンツールを用いて一対の金属板を接合して伝熱板を製造する際に、接合欠陥の発生を抑制し容易に製造することができる伝熱板の製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、内部に複数の流路孔を備えた金属板同士を、回転ツールユニットを用いて接合して伝熱板を製造する伝熱板の製造方法であって、前記回転ツールユニットは、第一ショルダと、第二ショルダと、前記第一ショルダと前記第二ショルダの間に形成されたピンとを有するボビンツールと、を有し、前記金属板の端面同士を付き合わせる突き合せ工程と、突き合せ部に回転させた前記ボビンツールのピンを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、を含み、前記接合工程では、前記第一ショルダと前記第二ショルダのショルダ間の距離を、前記金属板の厚さ以下に設定することを特徴とする。
かかる構成によれば、ショルダ間の距離を金属板の厚さ以下に設定しているため、塑性流動化した金属をショルダで押えることができる。これにより、塑性流動化された金属がショルダの外部に溢れ出にくくなるため、接合欠陥の発生を抑制することができる。
また、前記接合工程では、前記第一ショルダ及び前記第二ショルダのうち前記金属板と接触する接触面の直径を、一方の前記金属板の端部に形成された前記流路孔から他方の金属板の端部に形成された前記流路孔までの距離よりも小さく設定することが好ましい。
かかる構成によれば、一方の金属板及び他方の金属板の端部にそれぞれ形成された流路孔が摩擦攪拌によって変形するのを防ぐことができる。
また、前記金属板は、アルミニウム合金の押出形材であることが好ましい。かかる構成によれば、金属板を容易に成形することができる。
また、本発明は、流体が流れる複数の流路孔と複数の前記流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板の製造方法であって、下板部と、上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結する複数の壁部と、前記下板部と前記上板部と一対の前記壁部とで構成される複数の流路孔と、を備えた金属板において、前記壁部の端部を切除する切除工程と、前記切除工程で切除した部分において、前記下板部と前記上板部の間に継手部材を挿入する挿入工程と、前記下板部、前記継手部材及び前記上板部を回転ツールユニットで摩擦攪拌接合するヘッダー流路孔形成工程と、を含み、前記回転ツールユニットは、第一ショルダと、第二ショルダと、前記第一ショルダと前記第二ショルダの間に形成されたピンと、を有するボビンツールを有し、ヘッダー流路孔形成工程では、前記第一ショルダと前記第二ショルダのショルダ間の距離を、前記金属板の厚さ以下に設定することを特徴とする。
かかる構成によれば、流体が流れる複数の流路孔とこれらの前記流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板を容易に製造することができる。ショルダ間の距離を金属板の厚さ以下に設定しているため、塑性流動化した金属をショルダで押えることができる。これにより、塑性流動化された金属がショルダの外部に溢れ出にくくなるため、接合欠陥の発生を抑制することができる。
また、前記ヘッダー流路孔形成工程では、前記ショルダのうち前記金属板に接触する接触面の直径が、前記継手部材の幅よりも小さく設定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、摩擦攪拌接合の際に、塑性流動化した金属がヘッダー流路孔に流入するのを防ぐことができる。
また、本発明は、流体が流れる複数の流路孔と複数の前記流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板の製造方法であって、下板部と、上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結する複数の壁部と、前記下板部と前記上板部と一対の前記壁部とで構成される複数の流路孔と、を備えた金属板において、前記壁部の端部を切除する切除工程と、前記切除工程で切除した部分において、前記下板部と前記上板部の間に継手部材を挿入する挿入工程と、前記下板部、前記継手部材及び前記上板部を回転ツールで摩擦攪拌接合するヘッダー流路孔形成工程と、を含み、前記回転ツールは、ショルダと、前記ショルダに形成された攪拌ピンとで構成され、前記ヘッダー流路孔形成工程は、前記ショルダと前記金属板を接触させつつ前記上板部と前記継手部材とを接合する上板部接合工程と、前記ショルダと前記金属板を接触させつつ前記下板部と前記継手部材とを接合する下板部接合工程とを含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、流体が流れる複数の流路孔とこれらの前記流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板を容易に製造することができる。また、ショルダによって塑性流動化された金属がショルダの外部に溢れ出にくくなるため、接合欠陥の発生を抑制することができる。
また、前記ヘッダー流路孔形成工程では、前記ショルダのうち前記金属板に接触する接触面の直径が、前記継手部材の幅よりも小さく設定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、摩擦攪拌接合の際に、塑性流動化した金属がヘッダー流路孔に流入するのを防ぐことができる。
本発明に係る伝熱板の製造方法によれば、接合欠陥の発生を抑制し、好適に接合することができる。また、複数の流路孔とこの流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板を製造する際に、接合欠陥の発生を抑制し容易に製造することができる。
第一実施形態に係る伝熱板の製造方法を示した斜視図である。 (a)は金属板同士を突き合せる前を示す斜視図、(b)は金属板同士を突き合せた後を示す側面図である。 ボビンツールを示す側面図である。 (a)は接合工程における側断面であり、(b)は(a)のI−I断面図である。 被接合金属板を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のII−II断面図である。 第二実施形態に係る伝熱板を示す一部破断斜視図である。 第二実施形態に係る伝熱板の製造方法を示す側断面図であって、(a)は切除工程を示し、(b)は挿入工程を示す。 第二実施形態に係る伝熱板の製造方法を示す側断面図であって、(a)はヘッダー流路孔形成工程を示し、(b)は完成時を示す。 第二実施形態の変形例を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 第三実施形態に係るボビンツールを示す側面図である。 第三実施形態に係る接合工程を示す側断面図である。 (a)は伝熱板の製造方法の第一変形例を示し、(b)は伝熱板の製造方法の第二変形例を示す。 実施例1に係る伝熱板の製造方法を示す図であって、(a)は接合前、(b)は接合中を示す。 実施例1に係る伝熱板の製造方法において、各条件の接合部の断面図を示す。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る伝熱板の製造方法では、突き合わされた一対の金属板100A,100Bの突き合せ部Nを摩擦攪拌接合する。本実施形態では、摩擦攪拌装置1の先端に取り付けられたボビンツール5を用いて接合する。まずは、接合する一対の金属板100A,100Bの説明をする。説明における上下前後左右は図1の矢印に従う。
<金属板>
図2の(a)に示すように、本実施形態では金属板100Aと金属板100Bとを接合する場合を例示する。金属板100Aは、アルミニウム合金製の押出形材である。金属板100Aは、下板部101と、上板部102と、壁部103と、流路孔104とで構成されている。
流路孔104は、下板部101、上板部102及び一対の壁部103で囲まれた空間である。流路孔104は、例えば、液体や気体などの流体が流れる部位である。流路孔104は、左右方向に複数個形成されている。流路孔104は、本実施形態では断面視矩形を呈するが、他の形状であってもよい。また、本実施形態では流路孔104は、前後方向に貫通しているが、端部が閉塞していてもよい。
金属板100Bは、金属板100Aと同等の構成であるため、金属板100Aと同等の符号を付して説明を省略する。
図2の(b)に示すように、金属板100Aと金属板100Bとを突き合わせる際には、金属板100Aの端面105と金属板100Bの端面105とを突き合わせる。金属板100Aの上面及び下面と金属板100Bの上面及び下面はそれぞれ面一になる。
なお、本実施形態では金属板100A,100Bをアルミニウム合金の形材としているが、摩擦攪拌可能な他の材料でもよいし、その成形方法も制限されない。
<摩擦攪拌装置>
図1に示すように、摩擦攪拌装置1は、チャック部1aと、チャック部1aの内部に固定される回転ツールユニット2とで主に構成されている。
ボビンツール5は、図3に示すように、例えば工具鋼で形成されておりスライド軸4に連結されている。ボビンツール5は、チャック部1a、ホルダー3及びスライド軸4と一体的に正逆回転する。ボビンツール5は、第一ショルダ11と、第一ショルダ11の下方に間をあけて配設された第二ショルダ12と、第一ショルダ11と第二ショルダ12とを連結するピン13とを有する。
第一ショルダ11は、円柱状の本体部11aと、本体部11aの下部に形成されたテーパー部11bとを備えている。テーパー部11bは下方に向かうにつれて縮径している。テーパー部11bの下端には金属板100A,100Bと接触する接触面11cが形成されている。
第二ショルダ12は、円柱状の本体部12aと、本体部12aの上部に形成されたテーパー部12bとを備えている。テーパー部12bは上方に向かうにつれて縮径している。テーパー部12bの上端には金属板100A,100Bと接触する接触面12cが形成されている。
ピン13は、円柱状を呈し、第一ショルダ11と第二ショルダ12とを連結している。第二ショルダ12を貫通したピン13は、第二ショルダ12の下端においてナットで締結されている。ピン13の外周面には、上部螺旋溝13aと下部螺旋溝13bとが刻設されている。上部螺旋溝13a及び下部螺旋溝13bの溝の向きはそれぞれ反対方向に巻回されるように刻設されている。
上部螺旋溝13aは、第一ショルダ11の下端からピン13の高さ方向の中間位置まで刻設されている。本実施形態ではボビンツール5を右回転させるため、上部螺旋溝13aは右ネジで形成されている。つまり、上部螺旋溝13aは、上から下に向けて右回りに巻回されるように刻設されている。
一方、下部螺旋溝13bは、第二ショルダ12の上端からピン13の高さ方向の中間位置まで刻設されている。本実施形態ではボビンツール5を右回転させるため、下部螺旋溝13bは左ネジで形成されている。つまり、下部螺旋溝13bは、上から下に向けて左回りに巻回されるように刻設されている。
上部螺旋溝13a及び下部螺旋溝13bをこのように形成することで、摩擦攪拌されて塑性流動化した金属が、金属板100A(100B)の高さの中央部分から上端方向又は下端方向に向って若干移動するようになっている。なお、これら上下方向への金属の移動は、ボビンツール5のピン13の回転による周方向での金属の移動に比べて微量に止まるものである。
螺旋溝の巻回方向や刻設する割合については、接合する金属板の化粧面とボビンツール5との位置関係や、ボビンツールの回転方向等に応じて適宜設定すればよい。本実施形態では、ピン13に対して右ネジと左ネジの両方の螺旋溝を刻設しているが、例えば、ピン13に対して全て右ネジの螺旋溝を刻設してもよいし、全て左ネジの螺旋溝を刻設してもよい。また、本実施形態では、第一ショルダ11側を右ネジ、第二ショルダ12側を左ネジにしているが、第一ショルダ11側を左ネジ、第二ショルダ12側を右ネジにしてもよい。
図3に示すように、ボビンツール5のショルダ間距離Z(ピン13の長さ)は、金属板100Aの厚さTと同等か、それよりも小さくなっていることが好ましい。例えば、本実施形態では、ショルダ間距離Zは、金属板100A(100B)の厚さTよりも0.2mm小さくなっている。
本実施形態では、本体部11aの外径は、本体部12aの外径よりも大きくなっている。また、接触面11cの直径と、接触面12cの直径は同一になっている。接触面11c,12cの直径は、図2に示す流路孔間距離L1よりも小さく設定されている。流路孔間距離L1は、突き合せ部Nにおいて、金属板100Aの端部に形成された流路孔104と、金属板100Bの端部に形成された流路孔104との距離である。ピン13の外径は、接触面11cの直径よりも小さくなっている。
第一ショルダ11及び第二ショルダ12の形状は前記した形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、第一ショルダと第二ショルダを同等の形状で構成してもよい。また、第一ショルダと第二ショルダとを円柱状(ショルダの外径と接触面の直径が同一)にしてもよい。また、第二ショルダ12の本体部12aの円周方向に溝を設け、第二ショルダ12で発生した熱が放出されやすくなるように形成してもよい。
なお、突き合わせた際に、突き合せ部N(図2の(b)参照)の端面105,105の隙間を0.75mm以下に設定できる場合、金属板100A,100Bの厚さTとショルダ間距離Zとを同等、つまり、T−Z=0と設定しても接合状態を良好にすることができる。
また、突き合わせた際に、突き合せ部Nの端面105,105の隙間を1.00mm以下に設定できる場合、金属板100A,100Bの厚さTとショルダ間距離Zとを、0.2mm≦T−Z≦0.8mmとなるように設定することが好ましい。
また、突き合わせた際に、突き合せ部Nの端面105,105の隙間を1.00より大きく、1.75mm以下に設定できる場合、金属板100A,100Bの厚さTとショルダ間距離Zとを、0.4mm≦T−Z≦0.8mmとなるように設定することが好ましい。
また、ボビンツール5は、第一ショルダ11及び第二ショルダ12の接触面11c(12c)の直径を二乗した値をピン13の外径を二乗した値で除した値が2.0より大きくなるように設定することが好ましい。かかるボビンツール5によれば、バリとして排出される材料の量を第一ショルダ11及び第二ショルダ12によって抑制できるため、接合欠陥の発生を低減することができる。
また、ボビンツール5は、ピン13の外径を二乗した値を、第一ショルダ11の接触面11cの直径を二乗した値からピン13の外径を二乗した値を引いた値で除した値が0.2よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。かかるボビンツール5によれば、接合時にツール軸方向に発生する材料抵抗に対するピンの抗張力を十分に確保できるため、ピン13の破損を防ぐことができる。
また、ボビンツール5は、ピン13の外径を二乗した値をピン13の外径とショルダ間距離との積で除した値が1.2よりも大きくなるように設定することが好ましい。かかるボビンツール5によれば、接合時にツール進行方向とは逆向きに流れる材料抵抗に対するピンの抗折力を十分に確保できるため、ピン13の破損を防ぐことができる。
ここで、摩擦攪拌接合を行うと、摩擦熱によって金属板100A,100Bの温度が上昇し、金属板100A,100Bが上方又は下方に反ってしまう場合がある。本実施形態に係る摩擦攪拌装置1は、スライド軸4がホルダー3に対して移動可能に形成されているため、金属板100A,100Bが例えば上方に反った際に、その反りに追従してボビンツール5が所定の距離だけ上方に移動するように構成されている。一方、金属板100A,100Bが下方に反った際には、その反りに追従してボビンツール5が所定の距離だけ下方に移動するように構成されている。これにより、摩擦攪拌接合中における金属板に対するボビンツール5の位置ズレを抑制できるようになっている。
次に、第一実施形態に係る伝熱板の製造方法について説明する。第一実施形態の伝熱板の製造方法では、ボビンツール5を右回転させて接合を行う。具体的には、この伝熱板の製造方法では、金属板100A,100B同士を突き合わせる突き合せ工程と、突き合せ部Nに回転させたボビンツール5を挿入する接合工程と、を行う。ここでは、表面Saを化粧面として設定する。
突き合せ工程では、図2に示すように、金属板100Aの端面105と、金属板100Bの端面105とを面接触させる。金属板100A及び金属板100Bの上下面は、それぞれ面一にする。なお、突き合わせた後は、金属板100A,100Bが離間しないように、突き合せ部Nに沿って溶接などで仮付けを行ってもよい。金属板100Aと金属板100Bとを突き合わせたら、治具等で両者を移動不能に拘束する。
接合工程では、まず、突き合せ部Nの外部において、ピン13の中心13cが、突き合せ部Nの高さ方向の中心Ncと重なるように位置させる。そして、図4の(a)に示すように、右回転させたボビンツール5を突き合せ部Nに沿って移動させる。ボビンツール5が突き合せ部Nに挿入されると、図4の(b)に示すように、高速回転するピン13によってピン13の周囲の金属が摩擦攪拌され金属板100A,100B同士が一体化される。ボビンツール5の移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。以上の工程により、図5に示すように、金属板100A,100Bが接合された被接合金属板110が形成される。
以上説明した本実施形態に係る伝熱板の製造方法によれば、図4の(b)に示すように、ショルダ間の距離Zを、金属板100A,100Bの厚さT以下に設定しているため塑性流動化した金属を第一ショルダ11及び第二ショルダ12で確実に押えることができる。これにより、塑性流動化された金属が第一ショルダ11及び第二ショルダ12の外部に溢れ出にくくなるため、接合欠陥の発生を抑制することができる。また、ボビンツール5が取り付けられたスライド軸4が、ホルダー3に対して軸方向に移動するため、金属板100A,100Bの変形に追従してボビンツール5も軸方向に移動する。これにより、金属板100A,100Bの変形による接合位置の位置ずれを防ぐことができるため、接合欠陥の発生を抑制することができる。
また、図4の(b)に示すように、第一ショルダ11の接触面11c及び第二ショルダ12の接触面12cの直径を、流路孔間距離L1よりも小さく設定しているため、図5の(b)に示すように、流路孔104,104の変形を防ぐとともに、流路孔104内に塑性流動化した金属が流入するのを防ぐことができる。
また、金属板100A,100Bはアルミニウム合金の押出形材であるため、各部材を容易に成形することができる。
また、伝熱板の製造方法によれば、摩擦攪拌されて流動化された金属は、ピン13の右ネジの上部螺旋溝13aと、左ネジの下部螺旋溝13bに導かれて金属板100A,100Bの中心Ncから表面Sa側及び裏面Sb側にそれぞれ移動する。右ネジの上部螺旋溝13aはショルダ間距離Zの(ピン13の長さの)25%以上の割合で形成されているため、この螺旋溝による金属の移動によってボビンツール5が金属板100A,100Bに対してスライド軸4側(上方)に押され、表面(化粧面)Saに深く入り込むのを防ぐことができる。これにより、図5の(b)に示すように、化粧面に凹溝Vが発生するのを防ぐか、又は、凹溝Vが形成されたとしてもその凹溝Vの深さを小さくすることができる。凹溝Vの発生を防ぐか又は凹溝Vを小さくすることで、表面(化粧面)Saを平滑にする仕上げ処理が容易になる。
また、第一実施形態では、上部螺旋溝13aと下部螺旋溝13bの割合が50:50であるため、図4の(a)に示すように、上側と下側で移動する金属量を均等にすることができる。これにより、ピン13の中心13cと突き合せ部Nの中心Ncとの位置ずれをより防ぐことができる。また、上部螺旋溝13a及び下部螺旋溝13bが刻設されているため、摩擦攪拌の攪拌効率を高めることができる。
接合工程を行う際には、金属板100A,100Bの表面(化粧面)Saに対して、例えば冷却された気体や液体等を供給可能な冷却装置によって、冷却しながら行うことが好ましい。これにより、金属板100A,100Bの変形を抑制して接合精度を向上させることができる。なお、金属板100A,100Bの裏面Sb側を冷却しながら接合を行ってもよい。
[第二実施形態]
次に本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係る伝熱板の製造方法では、回転ツールユニット2を用いてヘッダー流路孔を備えた伝熱板を製造する。まずは、伝熱板の構成について説明する。
図6に示すように、伝熱板120は、対象物に熱を伝達させるための金属製の板である。伝熱板120の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば制限されないが、本実施形態ではアルミニウム合金で形成されている。伝熱板120は、その内部の前後方向に延設された複数の流路孔104と、流路孔104の前端部を連結し左右方向に延設されたヘッダー流路孔121とを有する。ヘッダー流路孔121の前側には、摩擦攪拌接合によって形成された外壁部122が形成されている。
流路孔104は、前端側がヘッダー流路孔121と連通している点を除いて、第一実施形態の流路孔104と同等である。ヘッダー流路孔121は、断面視矩形を呈し、左右に連続して形成されている。ヘッダー流路孔121の左右端は外部と連通している。流路孔104及びヘッダー流路孔121に流体を流すことで、伝熱板120の全体に熱を伝達させることができる。
次に、伝熱板120の製造方法について説明する。第二実施形態に係る伝熱板の製造方法では、準備工程と、切除工程と、挿入工程と、ヘッダー流路孔形成工程とを行う。
準備工程では、流路孔104を複数備えた金属板を用意する。本実施形態では、図6に示す被接合金属板110を用いる。
切除工程では、図7の(a)に示すように、流路孔104の開口部分に係る壁部103のみを切除する。具体的には、壁部103の前端を、切削工具130を用いて切削除去する。切削工具は、高速回転する軸131と、軸131に対して垂直に取り付けられた複数枚の円板カッター132とで構成されている。積層された円板カッター132の総厚みt1は、壁部103の高さと略同等になっている。切削工具130の円板カッター132を回転させつつ被接合金属板110の左右方向に移動させることにより、壁部103の前端が切除されて切削開口111(図7の(b)参照)が形成される。
挿入工程では図7の(b)に示すように、切除工程で切除した切削開口111に継手部材123を挿入する。継手部材123は、断面視矩形を呈する板状部材である。継手部材123の長さは、被接合金属板110の左右方向の長さと略同等になっており、高さは壁部103の高さと略同等になっている。また、継手部材123の幅t3は、切削開口111の幅t2の2/3程度になっている。継手部材123は、被接合金属板110と同じ材料であることが好ましい。継手部材123を挿入したら、治具を用いて継手部材123と被接合金属板110とを移動不能に拘束する。継手部材123と被接合金属板110とを溶接によって仮接合してもよい。
ヘッダー流路孔形成工程では、図8の(a)に示すように、回転ツールユニット2を用いて被接合金属板110と継手部材123とを摩擦攪拌接合する。ヘッダー流路孔形成工程では、第一ショルダ11の接触面11cの直径と、第二ショルダ12の接触面12cの直径は、継手部材123の幅t3よりも小さく設定されている。ヘッダー流路孔形成工程では、ピン13の中心と継手部材123の中心とを合わせつつ、継手部材123の長手方向に沿って回転させたボビンツール5を移動させる。
ピン13が回転することにより、ピン13の周囲の金属が摩擦攪拌されて、図8の(b)に示すように下板部101、上板部102及び継手部材123が一体化される。ボビンツール5の移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。この塑性化領域W1で形成された部分が外壁部122となる。下板部101と、上板部102及び外壁部122とでヘッダー流路孔121が形成される。なお、必要に応じて外壁部122の上面、下面及び側面を薄く削って表面仕上げを行ってもよい。
以上説明した第二実施形態に係る伝熱板の製造方法によれば、複数の流路孔104と、この流路孔104の端部を連結するヘッダー流路孔121とを備えた伝熱板120を効率良く製造することができる。
また、ボビンツール5が取り付けられたスライド軸4が、ホルダー3に対して軸方向に移動するため、被接合金属板110の下板部101及び上板部102の変形に追従してボビンツール5も軸方向に移動する。これにより、下板部101及び上板部102の変形による接合位置の位置ずれを防ぐことができるため、接合欠陥の発生を抑制することができる。
第一ショルダ11の接触面11cの直径及び第二ショルダ12の接触面12cの直径を、継手部材123の幅t3以上に設定すると、塑性流動化した金属がヘッダー流路孔121に流入したり、接合欠陥になったりするおそれがあるが、本実施形態では第一ショルダ11の接触面11cの直径及び第二ショルダ12の接触面12cの直径が、継手部材123の幅t3よりも小さく設定されているため、ヘッダー流路孔121への金属の流入を防ぎ、好適に接合することができる。
なお、第二実施形態に係る伝熱板の製造方法は、適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態の準備工程では、被接合金属板110を用いたが、複数の流路孔104を備えた金属板であれば他の金属板であってもよい。例えば、金属板100Aのみを用意して、金属板100Aから伝熱板を製造してもよい。
また、図9は、第二実施形態の変形例を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。この変形例では、継手部材124が継手の機能とタブ材の機能とを備えている点で第二実施形態と相違する。また、この変形例では、ボビンツールではなくスライド軸4に取り付けられた回転ツール140を用いる点で第二実施形態と相違する。
図9の(a)及び(b)に示すように、継手部材124は、被挿入部125と、被挿入部125の両端に形成されたタブ部126,126とで構成されている。被挿入部125は、前記した継手部材123と同等の形状を呈する。つまり、被挿入部125は、被接合金属板110の下板部101と上板部102の間に挿入される部位である。また、被挿入部125は、被接合金属板110の左右方向の長さと略同等の長さになっている。
タブ部126は、被挿入部125の左右端に延設されている。タブ部126は、直方体を呈する。タブ部126の高さは、被接合金属板110の高さと略同等になっている。
回転ツール140は、円柱状のショルダ141と、ショルダ141の下端面(接触面)に形成された攪拌ピン142とで構成されている。
変形例に係る挿入工程では、図9の(a)に示すように、切削開口111に継手部材124を挿入する。具体的には、被挿入部125を下板部101と上板部102の間に挿入する。被挿入部125を被接合金属板110に挿入すると、タブ部126,126が被接合金属板110の端面に接触する。また、タブ部126の下面と下板部101の下面とが面一になり、タブ部126の上面と上板部102の上面とが面一になる。なお、継手部材124と被接合金属板110を溶接などで仮接合してもよい。
ヘッダー流路孔形成工程では、上板部102と継手部材124とを接合する上板部接合工程と、下板部101と継手部材124とを接合する下板部接合工程と、を含む。上板部接合工程では、タブ部126の上面に回転させた回転ツール140の攪拌ピン142を挿入した後、継手部材124の長手方向に沿って回転ツール140を移動させる。この際、
ショルダ141の下端面(接触面)と上板部102とを接触させつつ回転ツール140を移動させる。攪拌ピン142の回転により、攪拌ピン142の周囲の金属が攪拌されて、上板部102と継手部材124とが接合される。回転ツール140の移動軌跡には、塑性化領域W1が形成される。
上板部接合工程が終了したら、同様の方法で、下板部101と継手部材124とを接合する下板部接合工程を行う。下板部101側から接合する際には、攪拌ピン142の先端が塑性化領域W1に接触する程度の深さに設定することが好ましい。以上の工程を行うことで、塑性化領域W1と下板部101側に形成された塑性化領域とで外壁部が形成されるとともに、ヘッダー流路孔が形成される。ヘッダー流路孔が形成されたら、タブ部126,126は切削除去すればよい。
この変形例によれば、回転ツール140を用いて下板部101と継手部材124及び上板部102と継手部材124を摩擦攪拌接合することで、ヘッダー流路孔121を容易に形成することができる。また、継手部材124にタブ部126,126を備えているため、回転ツール140の挿入作業、離脱作業が容易になる。また、塑性化領域の端部における仕上がり面が良好となる。
なお、継手部材124の被挿入部125とタブ部126,126は一体でもよいし、別体でもよい。
[第三実施形態]
次に本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態に係る伝熱板の製造方法では、ボビンツールの形状及び回転方向が第一実施形態と相違する。第三実施形態の説明においては、第一実施形態と共通する点については、詳細な説明を省略する。
図10は、第三実施形態に係るボビンツールを示す側面図である。図10に示すように、第三実施形態に係るボビンツール5Aの第一ショルダ11及び第二ショルダ12はいずれも円柱状を呈する。つまり、第一ショルダ11の外径と接触面11cの直径は同等になっており、第二ショルダ12の外径と接触面12cの直径は同等になっている。
ピン13の外周面には、上半分に形成された左ネジの上部螺旋溝13aと、下半分に形成された右ネジの下部螺旋溝13bとが刻設されている。つまり、上部螺旋溝13aは上から下に向けて左回りに巻回されるように刻設されており、下部螺旋溝13bは上から下に向けて右回りに巻回されるように刻設されている。
ボビンツール5Aのショルダ間距離(ピン13の長さ)Zは、金属板100Aの板厚T以下になっていることが好ましい。例えば、本実施形態では、ショルダ間距離Zは、金属板100Aの板厚Tよりも0.4mm小さくなっている。
次に、第三実施形態のボビンツール5Aを用いた伝熱板の製造方法について説明する。第三実施形態の伝熱板の製造方法では、図11に示すように、ボビンツール5Aを左回転させて接合を行う。具体的には、この伝熱板の製造方法では、金属板100A,100Bを突き合わせる突き合せ工程と、突き合せ部Nにボビンツール5Aを挿入する接合工程とを行う。ここでは、表面Saを化粧面として設定する。突き合せ工程は、第一実施形態と同等であるため、説明を省略する。
接合工程では、突き合せ部Nの外部において、ピン13の中心13cが、突き合せ部Nの中心Ncと重なるように位置させる。そして、図11に示すように、左回転させたボビンツール5Aを突き合せ部Nに沿って移動させる。ボビンツール5Aが突き合せ部Nに挿入されると、高速回転するピン13によってピン13の周囲の金属が摩擦攪拌され金属板100A,100B同士が一体化される。ピン13の軌跡には塑性化領域Wが形成される。
この伝熱板の製造方法によれば、摩擦攪拌されて流動化された金属は、ピン13の左ネジの上部螺旋溝13aと、右ネジの下部螺旋溝13bに導かれて金属板100A(100B)の中心Ncから表面Sa側及び裏面Sb側にそれぞれ移動する。左ネジの上部螺旋溝13aはショルダ間距離Zの(ピン13の長さの)25%以上の割合で形成されているため、この螺旋溝による金属の移動によってボビンツール5Aが金属板100A(100B)に対してスライド軸4側(上方)に押され、表面(化粧面)Saに深く入り込むのを防ぐことができる。これにより、表面(化粧面)Saに凹溝Vが発生するのを防ぐか、又は、凹溝Vが形成されたとしてもその凹溝Vの深さを小さくすることができる。
また、第三実施形態では、上部螺旋溝13aと下部螺旋溝13bの割合が50:50であるため、移動する金属量を均等にすることができる。これにより、ピン13の中心13cと突き合せ部Nの中心Ncとの位置ずれをより防ぐことができる。また、上部螺旋溝13a及び下部螺旋溝13bが刻設されているため、摩擦攪拌の攪拌効率を高めることができる。
<第一変形例>
第一変形例では、図12の(a)に示すように、金属板100A,100Bとの厚さが異なる点で前記した実施形態と相違する。第一変形例ではボビンツール5Bを用いる。ボビンツール5Bは、円柱状の第一ショルダ11と、円柱状の第二ショルダ12と、ピン13とで構成されている。ピン13には、上半分に形成された右ネジの上部螺旋溝13aと、下半分に形成された左ネジの下部螺旋溝13bとが刻設されている。金属板100Bの厚さT1は、100Aの厚さT2よりも大きくなっている。第一変形例では、金属板100Aの高さ方向の中点と、金属板100Bの高さ方向の中点とが重なるように突き合わされている。
第一変形例に係る接合工程では、ボビンツール5Bを右回転させて、金属板100Aの突き合せ部Nの厚さが大きい方の金属板100Bを進行方向に対して左側に配置する。
摩擦攪拌においては、回転ツールを右回転させた場合、ツールの進行方向左側(シアー側:回転ツールの回転速度に回転ツールの移動速度が加算される側)からツールの進行方向右側(フロー側:回転ツールの回転速度に回転ツールの移動速度が減算される側)に塑性流動化された金属が流れる傾向があるため、仮に、金属板同士の間に隙間がある場合には、シアー側の金属でその隙間が埋められると考えられる。したがって、シアー側の金属板の厚さが小さいと、金属が不足して接合後の塑性化領域の中央部の厚さが小さくなる傾向がある。ちなみに、回転ツールを左回転させた場合、ツールの進行方向右側がシアー側、左側がフロー側となる。
第一変形例では、シアー側にあたる金属板100Bの厚さT1を金属板100Aの厚さT2よりも大きくすることで、塑性化領域Wの中央部の金属の不足を解消してより好適に接合することができる。
<第二変形例>
第二変形例では、図12の(b)に示すように、金属板100Cと金属板100Dとの厚さが異なる点で前記した実施形態と相違する。また、第二変形例では、左回転させるため、前記した第三実施形態で用いたボビンツール5Aを用いる。金属板100Cの厚さT1は、金属板100Dの厚さT2よりも大きくなっている。第二変形例では、金属板100Cの高さ方向の中点と、金属板100Dの高さ方向の中点とが重なるように突き合わされている。
第二変形例に係る接合工程では、ボビンツール5を左回転させて、金属板100Cの突き合せ部Nの厚さが大きい方の金属板100C(金属板)を進行方向に対して右側に配置する。
第二変形例では、第一変形例と同様の原理により、シアー側にあたる金属板100Cの厚さT1を金属板100Dの厚さT2よりも大きくすることで、塑性化領域Wの中央部の金属の不足を解消してより好適に接合することができる。
なお、以上説明した実施形態及び変形例では、ボビンツール又は回転ツールを回転ツールユニット2のスライド軸4に取り付けて、摩擦攪拌によって変形した金属板100A,100Bの位置がボビンツール又は回転ツールの軸方向に変位した際に、その変位に追従してボビンツール又は回転ツールが軸方向に移動するように構成したがこれに限定するものではない。例えば、摩擦攪拌によって変形した金属板100A,100Bの位置がボビンツール又は回転ツールの軸方向に変位した際に、その変位に追従してボビンツール又は回転ツールが軸方向に移動しない摩擦撹拌装置にボビンツール又は回転ツールを取り付けて摩擦攪拌接合を行ってもよい。
<実施例1>
次に本発明の実施例1について説明する。実施例1では、図13の(a)に示すように、3枚の金属板201,202,203を積層した後、積層した金属板を摩擦攪拌接合する。金属板201,202,203の総厚みt4は7.0mmに設定した。金属板201,203は、同じ厚みになっている。金属板202は金属板201よりも若干厚くなっている。
図13の(b)に示すように、実施例1では第一実施形態で用いたボビンツール5と同じ形態のものを用いた。第一ショルダ11の接触面11c及び第二ショルダ12の接触面12cの直径はいずれも10mmである。ピン13の外径は6mmである。ショルダ間距離Zは6.8mmに設定した。
ピンの螺旋溝のピッチは2.0mmと1.0mmの二種類を用意して、それぞれ条件1〜3で摩擦攪拌接合を行った。条件1では、接合速度を400mm/min、回転速度を600rpmに設定した。条件2では、接合速度を500mm/min、回転速度700rpmに設定した。条件3では、接続速度を600mm/min、回転速度800rpmに設定した。
図14に示すように、ピッチ2.0mm、1.0mmにおける条件1〜3のいずれの条件においても接合状態は良好であった。前記した第二実施形態に係る伝熱板の製造方法では、下板部101、上板部102及び継手部材123の三つの部材を重ね合わせた部分に摩擦攪拌接合を行ったが、実施例1の条件であれば好適に接合できることがわかった。なお、具体的な図示は省略するが、ショルダ間距離Zを6.6mmに設定して接合した場合においても好適に接合できることが確認できた。また、具体的な図示は省略するが、第一ショルダ11の接触面11c及び第二ショルダ12の接触面12cの直径をいずれも11mmに設定し、ピン13の外径を7mmとし、ショルダ間距離Zを6.8mm又は6.6mmに設定した場合についても好適に接合できることが確認できた。
1 摩擦攪拌装置
1a チャック部
2 回転ツールユニット
3 ホルダー
4 スライド軸
5 ボビンツール
11 第一ショルダ
12 第二ショルダ
13 ピン
100A金属板
100B金属板
N 突き合せ部
T 金属板の厚さ
W 塑性化領域(接合部)
Z ショルダ間距離(ピンの長さ)

Claims (7)

  1. 内部に複数の流路孔を備えた金属板同士を、回転ツールユニットを用いて接合して伝熱板を製造する伝熱板の製造方法であって、
    前記回転ツールユニットは、
    第一ショルダと、第二ショルダと、前記第一ショルダと前記第二ショルダの間に形成されたピンとを有するボビンツールと、を有し、
    前記金属板の端面同士を付き合わせる突き合せ工程と、
    突き合せ部に回転させた前記ボビンツールのピンを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合工程と、を含み、
    前記接合工程では、前記第一ショルダと前記第二ショルダのショルダ間の距離を、前記金属板の厚さ以下に設定することを特徴とする伝熱板の製造方法。
  2. 前記接合工程では、前記第一ショルダ及び前記第二ショルダのうち前記金属板と接触する接触面の直径を、一方の前記金属板の端部に形成された前記流路孔から他方の金属板の端部に形成された前記流路孔までの距離よりも小さく設定することを特徴とする請求項1に記載の伝熱板の製造方法。
  3. 前記金属板は、アルミニウム合金の押出形材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伝熱板の製造方法。
  4. 流体が流れる複数の流路孔と複数の前記流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板の製造方法であって、
    下板部と、上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結する複数の壁部と、前記下板部と前記上板部と一対の前記壁部とで構成される複数の流路孔と、を備えた金属板において、
    前記壁部の端部を切除する切除工程と、
    前記切除工程で切除した部分において、前記下板部と前記上板部の間に継手部材を挿入する挿入工程と、
    前記下板部、前記継手部材及び前記上板部を回転ツールユニットで摩擦攪拌接合するヘッダー流路孔形成工程と、を含み、
    前記回転ツールユニットは、
    第一ショルダと、第二ショルダと、前記第一ショルダと前記第二ショルダの間に形成されたピンと、を有するボビンツールを有し、
    ヘッダー流路孔形成工程では、前記第一ショルダと前記第二ショルダのショルダ間の距離を、前記金属板の厚さ以下に設定することを特徴とする伝熱板の製造方法。
  5. 前記ヘッダー流路孔形成工程では、前記第一ショルダ及び前記第二ショルダのうち前記金属板に接触する接触面の直径が、前記継手部材の幅よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項4に記載の伝熱板の製造方法。
  6. 流体が流れる複数の流路孔と複数の前記流路孔の端部を連結するヘッダー流路孔とを備えた伝熱板の製造方法であって、
    下板部と、上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結する複数の壁部と、前記下板部と前記上板部と一対の前記壁部とで構成される複数の流路孔と、を備えた金属板において、
    前記壁部の端部を切除する切除工程と、
    前記切除工程で切除した部分において、前記下板部と前記上板部の間に継手部材を挿入する挿入工程と、
    前記下板部、前記継手部材及び前記上板部を回転ツールで摩擦攪拌接合するヘッダー流路孔形成工程と、を含み、
    前記回転ツールは、ショルダと、前記ショルダに形成された攪拌ピンとで構成され、
    前記ヘッダー流路孔形成工程は、前記ショルダと前記金属板を接触させつつ前記上板部と前記継手部材とを接合する上板部接合工程と、前記ショルダと前記金属板を接触させつつ前記下板部と前記継手部材とを接合する下板部接合工程とを含むことを特徴とする伝熱板の製造方法。
  7. 前記ヘッダー流路孔形成工程では、前記ショルダのうち前記金属板に接触する接触面の直径が、前記継手部材の幅よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項6に記載の伝熱板の製造方法。
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