JP7473380B2 - 免震装置 - Google Patents
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Description
鉛直方向に交互に積層された硬質材料層及び軟質材料層を有する、積層構造体を備えた、免震装置であって、
各前記軟質材料層から構成される軟質材料部には、空洞部が形成されており、
前記空洞部内には、前記硬質材料層が位置している。
本発明の免震装置によれば、免震性能を向上できる。
前記空洞部は、前記積層構造体の中心軸線上に位置していると、好適である。
これにより、免震装置の免震性能に関し、等方性を実現できる。
前記空洞部の軸直方向中心は、前記積層構造体の中心軸線上に位置していると、好適である。
これにより、免震装置の免震性能に関し、等方性を実現できる。
前記空洞部は、前記積層構造体における軸線方向の全長にわたって存在していると、好適である
これにより、免震装置の免震性能を向上できる。
各前記硬質材料層は、前記積層構造体における軸直方向のほぼ全体にわたって延在していると、好適である。
これにより、免震装置の耐座屈性能を向上できる。
前記積層構造体の軸線方向断面において、前記積層構造体のうち前記空洞部が存在する軸直方向領域の軸直方向長さの合計は、前記積層構造体の外径の0.10~0.60倍であると、好適である。
これにより、免震装置の免震性能をより向上できる。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る免震装置の実施形態を例示説明する。各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
以下では、説明の便宜のため、図1~図3の各実施形態の免震装置1について併せて説明する。
図1に示すように、免震装置1は、上下一対のフランジプレート21、22(以下、それぞれ「上側フランジプレート21」、「下側フランジプレート22」ともいう。)と、積層構造体3と、を備えている。
軟質材料層5は、硬質材料層4よりも硬さの低い(柔らかい)、軟質材料から構成されている。軟質材料層5を構成する軟質材料としては、弾性体が好適であり、ゴムがより好適である。軟質材料層5を構成し得るゴムとしては、天然ゴム又は合成ゴム(高減衰ゴム等)が好適である。図1~図3の各例のように、各軟質材料層5の厚さは、互いに同じであると、好適であるが、各軟質材料層5の厚さは、互いに異なっていてもよい。
被覆層6は、軟質材料層5と一体に構成されている。
図1~図3の各例において、被覆層6は、硬質材料層4及び軟質材料層5の外周側の表面の全体を覆っていており、ひいては、積層構造体3の外周側の表面の全体を構成している。ただし、被覆層6は、硬質材料層4及び軟質材料層5の外周側の表面の一部のみを覆っていてもよく、ひいては、積層構造体3の外周側の表面の一部のみを構成していてもよい。また、被覆層6は、設けられていなくてもよく、その場合、積層構造体3の外周側の表面は、硬質材料層4及び軟質材料層5の外周側の表面のみから構成される。
なお、本明細書において、積層構造体3、硬質材料層4、軟質材料層5、及び被覆層6のそれぞれの「外径」とは、これらが軸直方向断面において非円形の外縁形状を有している場合、軸直方向断面におけるこれらの外接円の外径を指す。
積層構造体3の外表面は、積層構造体3の中心軸線Oの周りに回転対称に構成されていると、好適である。
空洞部8内には、硬質材料層4が位置している(具体的には、空洞部8内で硬質材料層4が軸直方向に延在している)。言い換えれば、硬質材料層4は、軸線方向に互いに隣接する軟質材料層5どうしの間に位置するだけでなく、空洞部8内にも位置している。
まず、本発明の各実施形態の免震装置1は、上述のとおり、軟質材料部7には、空洞部8が形成されている。軟質材料部7に空洞部8が形成されていることにより、仮に、軟質材料部7に空洞部8が形成されていない場合に比べて、積層構造体3を柔らかくすることができるので、構造物の長周期化が可能となり(言い換えれば、構造物がよりゆっくりと揺れるようになり)、ひいては、免震装置1の免震性能を向上できる。
さらに、本発明の各実施形態の免震装置1は、上述のとおり、空洞部8内には、硬質材料層4が位置している。空洞部8内に硬質材料層4が位置していることにより、仮に、空洞部8内に硬質材料層4が位置していない場合に比べて、免震装置1の水平変形時において、積層構造体3がよりしっかりと軸線方向に支えられるので、免震装置1が座屈しにくくなる(言い換えれば、免震装置1の耐座屈性能を向上できる)。
例えば、本明細書で説明する各例においては、図1~図2の各例のように、空洞部8は、積層構造体3の中心軸線O上に位置していてもよい。これにより、免震装置1の免震性能に関し、等方性を実現できる。
この場合、図1~図2の各例のように、空洞部8の軸直方向中心C8は、積層構造体3の中心軸線O上に位置していると、より好適である。これにより、免震装置1の免震性能に関し、さらなる等方性を実現できる。
ただし、空洞部8が、積層構造体3の中心軸線O上に位置し、かつ、空洞部8の軸直方向中心C8が、積層構造体3の中心軸線Oから径方向外側に離れた位置に位置していてもよい。この場合も、免震装置1の免震性能に関し、ある程度の等方性を実現できる。
また、免震性能に関し等方性を実現する観点から、空洞部8は、図1~図2の各例のように、積層構造体3の中心軸線Oの周りに回転対称に構成されていると、好適である。ただし、空洞部8は、積層構造体3の中心軸線Oの周りに回転対称に構成されていなくてもよい。
この場合、例えば、複数の空洞部8が、それぞれ積層構造体3の中心軸線Oとは重複しない位置に配置され、かつ、積層構造体3の中心軸線Oの周りの周方向に沿って互いから間隔を空けて配置されてもよい。あるいは、1つの空洞部8が、積層構造体3の中心軸線Oとは重複しない位置に配置され、かつ、積層構造体3の中心軸線の周りに環状に配置されてもよい。これらの場合も、免震装置1の免震性能に関し、等方性を実現できる。
ただし、空洞部8は、図2及び図3の各例のように、積層構造体3における軸線方向の一部のみにわたって存在していてもよい。例えば、空洞部8は、図2の例のように積層構造体3の軸線方向における上側の一部のみにわたって存在していてもよいし、積層構造体3の軸線方向における下側の一部のみにわたって存在していてもよいし、あるいは、図3の例のように積層構造体3の軸線方向における中央部のみにわたって存在していてもよい。空洞部8が積層構造体3における軸線方向の一部のみにわたって存在している場合は、仮に空洞部8が積層構造体3における軸線方向の全長にわたって存在している場合に比べて、免震装置1の水平変形時において、積層構造体3がよりしっかりと軸線方向に支えられるので、免震装置1の耐座屈性能を向上できる。この場合、空洞部8の軸線方向の長さは、積層構造体3における軸線方向の全長の0.30倍以上であると好適であり、0.50倍以上であるとより好適である。
ただし、空洞部8に対応する軸線方向位置に位置する各硬質材料層4のうちの一部の硬質材料層4のみが、それぞれ、空洞部8内に位置し(すなわち、空洞部8内を軸直方向に延在し)、空洞部8に対応する軸線方向位置に位置する各硬質材料層4のうちの残りの硬質材料層4が、それぞれ、空洞部8内に位置していない構成であってもよい。このような構成によっても、仮に、空洞部8に対応する軸線方向位置に位置する各硬質材料層4のうちの全ての硬質材料層4が、それぞれ空洞部8内に位置していない場合に比べて、免震装置1の耐座屈性能を向上できる。
なお、空洞部8に対応する軸線方向位置に位置する各硬質材料層4のうちの一部の硬質材料層4のみが、それぞれ、空洞部8の軸直方向の全体にわたって、空洞部8内を軸直方向に延在している場合、空洞部8に対応する軸線方向位置に位置する各硬質材料層4のうちの残りの硬質材料層4は、それぞれ、空洞部8内に位置していなくてもよいし、あるいは、空洞部8の軸直方向の一部のみにわたって、空洞部8内を軸直方向に延在していてもよい。このような構成によっても、仮に、空洞部8に対応する軸線方向位置に位置する各硬質材料層4のうちの全ての硬質材料層4が、それぞれ空洞部8内に位置していない場合に比べて、免震装置1の耐座屈性能を向上できる。
同様の観点から、各硬質材料層4は、図1~図3の例のように、積層構造体3のうち被覆層6を除く部分の軸直方向の全体にわたって延在していると、好適である。
ただし、各硬質材料層4は、積層構造体3における軸直方向の一部のみにわたって延在していてもよい。また、各硬質材料層4は、積層構造体3のうち被覆層6を除く部分の軸直方向の一部のみにわたって延在していてもよい。
なお、積層構造体3の軸線方向断面において、積層構造体3のうち空洞部8が存在する軸直方向領域A、A1、A2の軸直方向長さLA、LA1、LA2の合計とは、例えば図3の例のように、積層構造体3の軸線方向断面において、互いから軸直方向に離れた複数の空洞部8が見える場合、各空洞部8の軸直方向長さの合計である。すなわち、図3の例の場合、積層構造体3の軸線方向断面において、積層構造体3のうち空洞部8が存在する軸直方向領域A1、A2の軸直方向長さLA1、LA2の合計とは、長さLA1と長さLA2との合計(LA1+LA2)である。
21:上側フランジプレート(フランジプレート)、 22:下側フランジプレート(フランジプレート)、
3:積層構造体、
4:硬質材料層、
5:軟質材料層、
6:被覆層、
7:軟質材料部、
8:空洞部、 C8:空洞部の軸直方向中心、
O:中心軸線
Claims (5)
- 鉛直方向に交互に積層された硬質材料層及び軟質材料層を有する、積層構造体を備えた、免震装置であって、
各前記軟質材料層から構成される軟質材料部には、空洞部が形成されており、
前記空洞部内には、前記硬質材料層が位置しており、
前記空洞部は、前記積層構造体における軸線方向の中央部のみにわたって存在している、免震装置。 - 前記空洞部は、前記積層構造体の中心軸線上に位置している、請求項1に記載の免震装置。
- 前記空洞部の軸直方向中心は、前記積層構造体の中心軸線上に位置している、請求項1又は2に記載の免震装置。
- 各前記硬質材料層は、前記積層構造体における軸直方向のほぼ全体にわたって延在している、請求項1~3のいずれか一項に記載の免震装置。
- 前記積層構造体の軸線方向断面において、前記積層構造体のうち前記空洞部が存在する軸直方向領域の軸直方向長さの合計は、前記積層構造体の外径の0.10~0.60倍である、請求項1~4のいずれか一項に記載の免震装置。
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