以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。車両管理システム70は、マイカー以外の例えばカーシェアリングや公共交通機関を含む交通手段での移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐ、いわゆるMaaSを提供する。車両管理システム70において、車両管理装置10、自動車両30、32、ユーザ端末40、42がインターネットなどのネットワーク20を介して互いに通信可能となっている。
車両管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどのサーバである。自動車両30、32は、例えば自動車であり、その駆動の方式を問わない。さらに、自動車両30、32は、定員が数名の乗用車あってもよいし、定員が乗用車よりも多いバスであってもよい。ユーザ端末40はユーザ50により使用される通信端末、例えばスマートフォンである。同様に、ユーザ端末42はユーザ52により使用される。
図2は、車両管理システム70でユーザ50、52からの乗車リクエストを処理する処理フローの一例である。図2の例では、ユーザ50、52の両方からの乗車リクエストに対して、自動車両30が使用される一例を示している。
ユーザ端末40はユーザ50からの乗車リクエストの入力を受け付ける(S10)。例えば、乗車リクエストはユーザ端末40にインストールされた専用のアプリケーションを立ち上げることで入力が可能になる。ユーザ端末40は、乗車リクエストを車両管理装置10に送信する(S12)。車両管理装置10は、ユーザ端末40からの乗車リクエストを満たす走行計画を作成する(S14)。車両管理装置10は、走行計画が作成されたことに基づいて、ユーザ端末40へ乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を送信するとともに(S16)、当該走行計画で走行が予定された自動車両30へ走行計画の情報を送信する(S18)。
さらに、車両管理装置10は、ユーザ52のユーザ端末42からも乗車リクエストを受信した場合に(S20、S22)、走行計画を作成する(S42)。この場合に、車両管理装置10は、ユーザ端末40からの乗車リクエストに基づいて作成した走行計画も考慮した走行計画を作成する。
図2の例では、ステップS24で相乗りが含まれた走行計画が作成されたものと仮定する。相乗りは、乗合いとも呼ばれることもあり、あるユーザが乗車している自動車両が当該ユーザの出発地から目的地まで移動する途中で、他のユーザも当該自動車両に乗車して当該自動車両を共用するものである。相乗りにおいて、他のユーザが先のユーザの目的地よりも手前で降車してもよいし、同じ目的地で降車してもよいし、より遠くで降車してもよい。
車両管理装置10は、走行計画に含まれる相乗りの可能性があるユーザ50、52のうち、先に乗車リクエストを送信してきていたユーザ50のユーザ端末40に、相乗り候補の情報を送信する(S26)。相乗り候補の情報には、例えば相乗り候補の相手であるユーザ52に関する情報が含まれる。ユーザ端末40は、ユーザ50から相乗りの可否の入力を受け付けて、車両管理装置10に送信する(S28)。図2の例では説明を簡単にするため、ユーザ50は相乗りを許可したものと仮定する。
続いて、車両管理装置10は、走行計画に含まれる相乗りの可能性があるユーザ50、52のうち、後に乗車リクエストを送信してきていたユーザ52のユーザ端末42に、相乗り候補の情報を送信する(S30)。この場合に送られる情報の詳細は後述する。ユーザ端末42は、ユーザ52から相乗りの可否の入力を受け付けて、車両管理装置10に送信する(S32)。図2の例では説明を簡単にするため、ユーザ52も相乗りを許可したものと仮定する。
車両管理装置10は、ユーザ50、52の両方から相乗りが許可されたことに基づいて、ユーザ端末40、42のそれぞれへ乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を送信するとともに(S34、S36)、当該走行計画で走行が予定された自動車両30へ走行計画の情報を送信する(S38)。なお、走行計画の作成の方法は特に言及しない限り既知の経路案内装置と同様の方法が用いられてよい。先の走行計画に対して相乗りが追加される場合の走行計画の作成方法は、特に言及しない限り既知の経路案内装置における走行経路に通過点を追加する場合と同様の方法が用いられてよい。
図3は、ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。ユーザ端末40は、通信部402、入力部404および表示部406を有する。通信部402は、ネットワーク20を介して車両管理装置10と通信し、情報を送受信する。入力部404は、ユーザ50からの文字や数字などの入力を受け付ける。表示部406は、文字や数字などを含む画像を表示する。入力部404と表示部406とは、タッチパネルのように一体化されていてもよい。ユーザ端末42はユーザ端末40と同じ構成であってよく、説明を省略する。
図4は、表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。リクエスト入力画面410は、ユーザID、出発地、その希望時刻、目的地、その希望時刻、同乗者の人数、その中に異性がいるか、喫煙があるか、および、飲食があるか、の入力欄を有する。このうち、目的地の希望時刻を入力するかどうかは任意になっている。図4に示す例では、ユーザID「U0001」、出発地「東京都港区青山X-△」、その希望時刻「12/4 10:30」、目的地「埼玉県和光市中央△-X」、その希望時刻は未入力、同乗者「1名」、異性はなし(すなわち、同乗者が自分と同性である男性)、喫煙はなし、飲酒はあり、の情報が入力されている。
入力部404はそれぞれの入力欄に対してユーザ50からの入力を受け付けて、入力された情報を表示部406の入力欄に表示させる。上記入力欄のうち、ユーザID等にはテキストの入力を受け付け、異性有等は選択・非選択の入力を受ける(いわゆるラジオボタンである)。
入力画面410においては、さらに、相乗りの候補となる相手ユーザに対して、自分の目的地の詳細の非通知を希望するかどうかの入力を受け付ける。図4の例では非通知を希望する旨が入力されている、この入力に基づく動作については後述する。入力画面410の送信ボタンが押されると、入力された情報が、乗車リクエストとして通信部402から車両管理装置10に送信される。
表示部406は入力画面410の他に、乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を表示する。受付情報は、乗車リクエストの内容が受け付けられたことが確認できるように、入力画面410と同内容の情報が表示されることが好ましい。
表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から相乗り候補の情報を受信した場合にこれを表示するとともに、相乗りの可否の入力を促す画像を表示する。表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から利用料金の情報を受信した場合にこれを表示する。
図5は、車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。車両管理装置10は、受付部102、ユーザ情報格納部104、走行計画管理部106、走行計画格納部108、走行情報取得部110、乗車情報取得部112および料金情報出力部114を備える。
受付部102は、ユーザ端末40、42から乗車リクエストを受け付ける。受付部102はさらに、乗車リクエストの受付に先立って、または、乗車リクエストの初回受付時に、ユーザ50、52の情報をユーザ端末40、42から受信して、ユーザ情報格納部104に格納する。
図6は、ユーザ情報格納部104に格納されるユーザの情報の例を示す。ユーザの情報として、ユーザIDに対応付けて、ユーザの端末ID,氏名、性別、年齢およびユーザの顔画像が格納されている。ユーザIDはユーザ50、52が指定してもよいし、受付部102が新たなユーザからの情報を受け付けたときに自動的に割り振ってもよい。また、図6の例で、端末IDとして当該端末で受信できるメールアドレスが格納されている。
図6の例において、例えばユーザID「U0001」に対応付けて、端末ID「abc@edf.com」、氏名「本田○郎」、性別「男」、年齢「32」、顔画像として画像ファイル、頻度「3」が格納されている。
車両管理装置10の走行計画管理部106は、ユーザ50、52の乗車リクエストに基づいて自動車両30、32の走行計画を作成する。より具体的には、走行計画管理部106は、ユーザ端末40、42から受信した乗車リクエストに含まれている情報に基づき、走行計画を作成する。この場合に、走行計画管理部106は、乗車リクエストに含まれているユーザIDに対応付けて格納されているユーザの情報をユーザ情報格納部104から読み出して、当該情報も用いて走行計画を作成する。上記の通り、走行計画の作成の方法は既知の方法が用いられてよい。
走行計画管理部106は、作成した走行計画の情報を走行計画格納部108に格納するとともに、少なくともその一部を、当該走行計画で使用される自動車両30、32に送信する。走行計画管理部106はさらに、当該走行計画によって乗車リクエストを満足することができた場合には、その旨を示す受付情報を、当該乗車リクエストを送信してきたユーザ端末40、42に送信する。走行計画管理部106は、乗車リクエストを満足する走行計画を作成することができない場合には、その旨を示す情報を、乗車リクエストを送信してきたユーザ端末40、42に送信する。さらに、走行計画管理部106は、相乗りが含まれた走行計画が作成された場合に、相乗りの可能性があるユーザ50、52のユーザ端末40、42に、相乗り候補の情報を送信する。
図7は、走行計画格納部108に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画の情報として、走行IDに対応付けて、車両ID,相乗りの情報、ユーザID,出発地、その時刻、目的地、走行のルート、目的地に到着する時刻、同乗者の人数、異性の有無、喫煙の有無および飲酒の有無に関する情報が格納されている。
車両IDは、走行IDで特定される走行計画で用いられる自動車両を特定する。図7の例において、走行ID「D001」に対して車両ID「A30」が対応付けられているので、当該走行計画で車両ID「A30」で特定される自動車両、例えば図1の自動車両30が用いられる。
相乗りの情報は、走行IDで特定される走行計画の中で相乗りがあるかどうか、および、相乗りがある場合には、相乗りとなる相手の走行計画の走行IDが格納される。図7の例では、走行ID「D001」の相乗りの情報の欄に走行ID「D002」が格納されているので、これらが相乗りであることを示す。なお、相乗りがない場合には無効な値「****」が格納される。
ユーザIDの欄には走行IDで特定される走行計画を利用するユーザIDが格納されている。なお、自動車両30,32を回送する場合、すなわち、いずれのユーザも乗車しない場合には、回送であることを示すユーザID「U9999」が格納される。図7の例においては、走行ID「D003」が回送であることに対応して、ユーザID「U9999」が格納されている。
出発地、その時刻、目的地、同乗者の数、異性の有無、喫煙の有無および飲酒の有無の欄は、ユーザIDで特定されるユーザ50、52が乗車リクエストに入力した情報が格納される。走行ルートは、走行計画格納部108が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて設定した情報が格納される。図7においては説明を簡単にするため、単に「ルートS」等の文字で示した。
目的地の時刻は、走行計画格納部108が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて予測した情報が格納される。その他の情報には走行ルート上の渋滞の情報などが含まれる。走行ルートの設定および目的地の時刻の予測は既知の方法が用いられてよい。
なお、回送の場合には、相乗りの情報、出発地の時刻、同乗者の人数、異性の有無、喫煙の有無、飲酒の有無の情報として無効な値「*」が格納されている。
車両管理装置10の走行情報取得部110は、自動車両30、32からそれぞれの走行の状況の情報を取得する。走行の状況の情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30、32の現在地の情報である。これに代えてまたはこれに加えて、走行の状況の情報には、自動車両30、32のそれぞれが、対応する走行計画における出発地に到着したか否かの情報や、目的地に到着したか否かの情報が含まれてもよい。
乗車情報取得部112は、自動車両30、32から乗車の状況を示す情報を取得する。乗車の状況を示す情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30、32の車内の画像である。これに代えてまたはこれに加えて、乗車の状況を示す情報には、自動車両30、32にユーザ50、52が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報などが含まれていてもよい。
料金情報出力部114は、自動車両30、32を利用したユーザ50,52に対して利用料金を精算し、対応するユーザ端末40、42に利用料金の情報を送信する。この場合に、料金情報出力部114は、走行情報取得部110からの走行の状況の情報、および、乗車情報取得部112からの乗車の状況の情報に基づいて利用料金を精算する。
図8は、自動車両30の機能ブロックの一例を示す。自動車両30は、車載端末302、自動走行部310、現在地情報取得部312および乗車情報取得部314を有する。
車載端末302は、車両管理装置10と通信する通信部304と、通信部304が車両管理装置10から受信した走行計画の情報を格納する走行計画格納部306を有する。なお、以下の説明を簡単化するため、自動車両30は完全自動運転(レベル5の自動運転と呼ばれることもある)のできる車両であるとする。すなわち、走行計画格納部306に格納された走行計画に沿って、自動走行部310が自動車両30全ての運転タスクを実行する例で説明する。
現在地情報取得部312は、例えばGPSなどを含み、自動車両30の現在地の情報を一定時間毎に取得する。現在地情報取得部312は、現在地の情報を走行IDに対応付けて一定時間毎に車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、現在地情報取得部312は、現在地の情報と走行計画格納部306に格納された出発地および目的地の情報を参照することにより、出発地に到着した場合にはその旨を示す情報を、目的地に到着した場合にはその旨を示す情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
乗車情報取得部314は、例えば車内を撮影するカメラを含み、自動車両30の乗車の状況を示す情報として車内の画像を一定時間毎に取得する。乗車情報取得部314は、当該画像を走行IDに対応付けて一定時間ごとに車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、乗車情報取得部314は画像認識等により当該画像を解析し、自動車両30にユーザ50、52が乗車しているか否か、同乗者がいるか否かなどを判定し、その旨を乗車の状況の情報として走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
図9は、走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画格納部306には、車両管理装置10で生成された走行計画のうち、自動車両30を用いるもの、すなわち、車両ID「A30」の走行計画が格納されている。
ただし、ユーザIDの欄にはIDそのものに加えて、車両管理装置10のユーザ情報格納部104に格納されている画像を受信して格納している。乗車情報取得部314は当該画像を用いた顔認証により、ユーザ50、52が乗車しているか否か等を判断する。
図10は、車両管理システム70で走行計画を実行して料金を精算する処理フローの一例である。走行計画として自動車両30における図10の走行ID「D001」を例として説明する。
まず、自動車両30の車載端末302に格納された走行計画の走行ID「D001」の出発地まで自動車両30が自動走行する(S50)。現在地情報取得部312は、取得した自動車両30の現在地と走行計画の出発地とを比較して、予め定められた範囲内で一致した場合に、出発地に到着したと判断し、通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S52)。
乗車情報取得部314が車内の画像と当該走行計画に対応するユーザID「U0001」であるユーザ50の画像とを用いてユーザ50が乗車したと判断するまで、自動車両30は待機する(S54:No)。ユーザ50が乗車したと判断した場合(S54:Yes)、乗車情報取得部314は通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S56)。
自動車両30は、走行計画に基づいて自動走行する(S58)。現在地情報取得部312は、取得した自動車両30の現在地と走行計画の目的地とを比較して、予め定められた範囲内で一致した場合に、目的地に到着したと判断して停車するとともに、通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S62)。
自動車両30の乗車情報取得部314が車内の画像とユーザ50の画像とを用いてユーザ50が降車したと判断するまで、自動車両30は待機する(S68:No)。ユーザ50が降車したと判断した場合(S68:Yes)、乗車情報取得部314は通信部304によりその旨を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信する(S72)。
料金情報出力部114は利用料金を精算する(S75)。ステップS75において、料金情報出力部114は利用料金を算出する。利用料金は、出発地から目的地までの距離、かかった時間、使用した燃料や電力などに基づいて予め定められた計算式で算出されてよい。料金情報出力部114は、料金情報をユーザ端末40に送信する(S76)。
ここで、図2のステップS30で相乗り候補の相手のユーザ端末42に送信される情報について説明する。自動車両30に相乗りする候補であるユーザ52が相乗りするかどうかを判断するにあたり、先に自動車両30に乗車している(または乗車する予定である)ユーザ50の情報をユーザ52に開示することが好ましい。一方で、個人情報保護の観点から、および/または、先に乗車するユーザ50の快適性の観点から、ユーザ50の情報のうちユーザ52に開示することが好ましくないものがある。
そこで、本実施形態では、ユーザ50、52の少なくとも一方の情報が予め定められた条件を満たす場合に、当該条件を満たさない場合に比べて、ユーザ50に関して少ない情報をユーザ52に通知する。上記予め定められた条件は、走行計画管理部106に予め格納されていてもよい。
予め定められた条件の一例は、ユーザ50が自身の情報のいずれかを通知しないことを希望していることである。当該希望に基づいて、通知しないことを希望した情報はユーザ52には開示されない。言い換えると、ユーザ50の当該情報はマスクされて通知されず、他の情報がユーザ52に通知される。
例えば、図4の例において、ユーザ50が目的地の詳細を相乗りの候補に通知することを希望しているかどうかが入力される。当該入力において、目的地の詳細を相乗りの候補に通知することを希望していない(すなわち非通知を希望している)場合には、ステップS30において、ユーザ52のユーザ端末42には目的地の詳細は通知されない。その場合、当該詳細に代えて行政区分の市区町村の範囲までの広域情報が通知される。
なお、ユーザが通知しないことを希望する情報は目的地の詳細に限られず、性別、年齢など他の情報であってもよい。ただし、この場合であっても、ユーザの情報として当該ユーザに対する他のユーザの評価や、直前キャンセルやトラブルの頻度など管理者側の評価などの情報は通知の有無を選択できないようにして、ユーザ52に通知することが好ましい。
予め定められた条件の他の例は、ユーザ50、または、ユーザ50と同乗者の全体の属性に基づくものである。この場合の予め定められた条件の例は、ユーザ50およびその同乗者が同性のみ(例えば女性のみ)である、年齢が若い(例えば20代以下)である、等である。この場合には、ユーザ52に不穏な期待を抱かせないように、ひいてはユーザ50が安全な乗車をできるように、当該情報を通知しないことが好ましい。例えば、ユーザ50およびその同乗者が同性のみの場合に、性別および年齢の少なくとも一方をユーザ52に通知しない。同様に、ユーザ50およびその同乗者の年齢が予め定められた年齢よりも若い場合に、性別および年齢の少なくとも一方をユーザ52に通知しない。
予め定められた条件のさらに他の例は、ユーザ50およびその同乗者の属性と、ユーザ52およびその同乗者の属性との組み合わせに基づくものである。この場合の予め定められた条件の例は、ユーザ50およびその同乗者の人数よりも、ユーザ52およびその同乗者の人数が多いことである。この場合には、ユーザ52が人数によるプレッシャーや話し声の大きさなどで不当に車内の主導権を把握しようとする不穏な期待を抱かせないように、当該情報を通知しないことが好ましい。
予め定められた条件のさらに他の例は、ユーザ52、または、ユーザ52と同乗者の全体の属性に基づくものである。この場合の予め定められた条件の例は、他のユーザの評価や、直前キャンセルやトラブルの頻度など管理者側の評価が予め定められた基準より低いことなどである。この場合に、ユーザ50の目的地の詳細、性別、年齢などの情報をユーザ52に通知しなくてもよい。
図11は、ユーザ端末42に通知されたユーザ50の情報を表示する画面422の例である。この例において、ユーザ50が目的地の詳細の非通知を希望したことに対応して、目的地が市のレベルまでしか通知および表示されていない。また、ユーザ50およびその同乗者が同性のみ(男のみ)であることに対応して、ユーザ50の性別および年齢の情報が通知および表示されていない。さらに、ユーザ50および同乗者の合計人数(2人)よりも、ユーザ52およびその同乗者の合計人数(4人)の方が多いので、ユーザ50の側の合計人数の通知および表示されていない。
画面422には相乗り「OK」か「NG」かの入力ボタンも設けられている。これにより、ユーザ52はユーザ50の情報を確認して、相乗りするかどうかを判断することができる。相乗り「OK」の場合にはそのまま当該走行計画が実行される。一方、相乗り「NG」の場合には当該相乗りをしない条件で改めて走行計画が作成される。
以上、本実施形態によれば、ユーザ50、52の少なくとも一方の情報が予め定められた条件を満たす場合に、当該条件を満たさない場合に比べて、ユーザ50に関して少ない情報をユーザ52に通知する。これにより、個人情報保護、および/または、先に乗車するユーザ50の快適性を担保することができる。
一方、図2のステップS26において、ユーザ端末40に対しては相乗りの候補の相手であるユーザ52の情報を条件に合わせて少なくしなくてもよい。ユーザ50は先に乗車しており(または乗車する予定であり)、相乗りを受け入れる立場であることの優位性を鑑みてそのようにすることが好ましい。これに代えて、ユーザ52に通知するユーザ50の情報のように、予め定められた条件に応じて、ユーザ50に通知するユーザ52の情報を少なくしてもよい。
上記実施形態に加えて、通知されていないユーザ50の情報を通知するよう、ユーザ52がユーザ50に交渉できるようにしてもよい。この場合に、画面422に交渉を希望するボタンと情報を通知して欲しい理由を記載する欄を設け、その入力を相手方のユーザ端末40に通知してもよい。それに基づいてユーザ端末40からOKがあった場合に、当該情報をユーザ端末42に通知する。
図10のステップS52、62において、自動車両30の現在地情報取得部312が出発地および目的地に到着したか否かを判断して、到着した旨の情報を車両管理装置10に送信している。これに代えて、現在地情報取得部312は現在地の情報を車両管理装置10に送信し、車両管理装置10の走行情報取得部110が、当該情報と走行計画格納部108に格納されている出発地および目的地の情報を参照することにより、出発地および目的地に到着したか否かを判断してもよい。
図10のステップS54、S68において、自動車両30の乗車情報取得部314がユーザ50の乗車および降車を判断して、その旨の情報を車両管理装置10に送信している。これに代えて、乗車情報取得部314は車内の画像を車両管理装置10に送信し、車両管理装置10の乗車情報取得部が、当該情報とユーザ情報格納部104に格納されているユーザ50の画像とを用いた解析により、ユーザ50の乗車および降車を判断してもよい。
自動車両30におけるユーザ50の座席が指定されている場合には、乗車情報取得部314が座席に設けられた荷重センサ等のセンサにより当該座席に人が座っているかどうかで乗車および降車を判断してもよい。さらに他の例として、乗車情報取得部314がWiFiやBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信でユーザ端末40と通信し、通信の可否によってユーザ50の乗車の有無を判断してもよい。
上記の自動車両30、32は完全自動運転のできる車両の例で説明したが、いずれか一方または両方が完全自動運転ではない車両であってもよい。すなわち、当該自動車両の運転タスクの少なくとも一部を運転者が実施する車両(レベル0から4の自動運転と呼ばれることもある)であってもよい。運転者はユーザ50、52であってもよい。この場合に、図8で示した機能ブロックの一部を運転者が担ってもよい。
上記の車両管理装置10の一部またはすべての機能が車載端末302に搭載されていてもよい。これにより、車載端末302が車両管理装置10として機能してもよい。この場合に車載端末302は自車両に関して走行計画を作成し、利用料金を精算してもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、およびディスプレイデバイス1218を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータはまた、ROM1230およびキーボード1242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ1240を介して入/出力コントローラ1220に接続されている。
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU1212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラムまたはデータをDVD‐ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ1240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM1201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROM1201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROMドライブ1226(DVD‐ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。