以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。車両管理システム70は、マイカー以外の交通手段での移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐ、いわゆるMaaS(Mobility as a Service)を提供する。図1の車両管理システム70の例では、車両管理装置10、自動車両30、32、ユーザ端末40、42がインターネットなどのネットワーク20を介して互いに通信可能となっている。
ユーザ端末40はユーザ50により使用される通信端末であり、例えばスマートフォンである。同様に、ユーザ端末42はユーザ52により使用される通信端末である。各ユーザ50,52は、使用するユーザ端末40,42を用いて車両管理装置10に対して車両を配車する要求である乗車リクエストを送信する。各ユーザ50,52は、それぞれ荷物60,62を所持している。
車両管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどのサーバである。自動車両30は、例えば自動車であり、その駆動の方式を問わない。さらに、自動車両30,32は、定員が数名の乗用車あってもよいし、定員が乗用車よりも多いバスであってもよい。なお、以下の説明において、自動車両を自動車両30のみを用いて説明する。
自動車両30は、複数組のユーザが相乗り可能な車両である。相乗りは、乗合いとも呼ばれることもあり、あるユーザが乗車している自動車両が当該ユーザの出発地から目的地まで移動する途中で、他のユーザも当該自動車両に乗車して当該自動車両を共用するものである。相乗りにおいて、他のユーザが先のユーザの目的地よりも手前で降車してもよいし、同じ目的地で降車してもよいし、より遠くで降車してもよい。本実施形態においては、自動車両30にユーザ50が単独乗車する例について説明する。
ここで、ユーザ50からの乗車リクエストを受けて車両管理装置10がユーザ50に対して自動車両30を配車する場合、ユーザ50の所持している荷物60の量を考慮せずに配車をすると、ユーザ50の意図した車両30が配車されない場合があり、ユーザ満足度が低下することがあった。本実施形態は、ユーザ50の所持している荷物60の量を考慮してユーザ50に対して自動車両30を配車することにより、ユーザ満足度を向上させるものである。
図2は、ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。ユーザ端末40は、通信部402、入力部404および表示部406を有する。通信部402は、ネットワーク20を介して車両管理装置10と通信し、情報を送受信する。入力部404は、ユーザ50からの文字や数字などの入力を受け付ける。表示部406は、文字や数字などを含む画像を表示する。入力部404と表示部406とは、タッチパネルのように一体化されていてもよい。ユーザ端末42はユーザ端末40と同じ構成であってよく、説明を省略する。
図3は、表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。乗車リクエストの入力画面410は、ユーザID、出発地、その希望時刻(出発時刻)、目的地、その希望時刻(到着時刻)、同乗者の人数、その中に異性がいるか、喫煙があるか、飲食があるか、荷物の量、荷物のみか否かの入力欄を有する。このうち、目的地の希望時刻を入力するかどうかは任意になっている。図3に示す例では、ユーザID「U002」、出発地「東京都港区青山X−△」、その希望時刻「12/4 10:30」、目的地「埼玉県和光市中央△−X」、その希望時刻は未入力、同乗者「1名」、異性はなし(すなわち、同乗者が自分と同性である男性)、喫煙はなし、飲酒はあり、荷物の量は「120kg」、荷物のみでなない、ことを示す情報が入力されている。
入力部404はそれぞれの入力欄に対してユーザ50からの入力を受け付けて、入力された情報を表示部406の入力欄に表示させる。上記入力欄のうち、ユーザID等にはテキストの入力を受け付け、異性有等は選択・非選択の別の入力を受ける(いわゆるラジオボタンである)。入力画面410の送信ボタンが押されると、入力された情報が、乗車リクエストとして通信部402から車両管理装置10に送信される。
表示部406は入力画面410の他に、乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を表示する。受付情報は、乗車リクエストの内容が受け付けられたことが確認できるように、入力画面410と同内容の情報が表示されることが好ましい。
表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から相乗り候補の情報を受信した場合にこれを表示するとともに、相乗りの可否の入力を促す画像を表示する。表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から利用料金の情報を受信した場合にこれを表示する。
図4は、自動車両30の機能ブロックの一例を示す。自動車両30は、車載端末302、自動走行部310、現在地情報取得部312および乗車情報取得部314を有する。
車載端末302は、車両管理装置10と通信する通信部304と、通信部304が車両管理装置10から受信した走行計画の情報を格納する走行計画格納部306を有する。なお、以下の説明を簡単化するため、自動車両30は完全自動運転(レベル5の自動運転と呼ばれることもある)のできる車両であるとする。すなわち、走行計画格納部306に格納された走行計画に沿って、自動走行部310が自動車両30全ての運転タスクを実行する例で説明する。
現在地情報取得部312は、例えばGPSなどを含み、自動車両30の現在地の情報を一定時間毎に取得する。現在地情報取得部312は、現在地の情報を走行IDに対応付けて一定時間毎に車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、現在地情報取得部312は、現在地の情報と走行計画格納部306に格納された出発地および目的地の情報を参照することにより、出発地に到着した場合にはその旨を示す情報を、目的地に到着した場合にはその旨を示す情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
乗車情報取得部314は、例えば車内を撮影するカメラを含み、自動車両30の乗車の状況を示す情報として車内の画像を一定時間毎に取得する。乗車情報取得部314は、当該画像を走行IDに対応付けて一定時間ごとに車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、乗車情報取得部314は画像認識等により当該画像を解析し、自動車両30にユーザ50が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報、荷物を持っているか否かの情報などを判定し、その旨の情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
図5は、走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の一例を示す。走行計画格納部306には、車両管理装置10で生成された走行計画のうち、自動車両30を用いるもの、すなわち、車両ID「A30」の走行計画が格納されている。
ただし、ユーザIDの欄にはIDそのものに加えて、車両管理装置10に格納されている画像を受信して格納している。乗車情報取得部314は当該画像を用いた顔認証により、ユーザ50が乗車しているか否か等を判断する。
図6は、車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。車両管理装置10は、受付部101、乗車情報取得部102、走行情報取得部103、走行計画管理部104、出力部105、および満足度評価部106、を備える。走行計画管理部104は、走行計画作成部1041、走行計画格納部1042、ユーザ情報格納部1043、および車両決定部1044、を備える。出力部105は、料金情報出力部1051、走行計画出力部1052、乗車可否情報出力部1053、を備える。満足度評価部106は、満足度格納部1061を備える。
受付部101は、ユーザ50が使用するユーザ端末40から乗車リクエストを受信する。受付部101は、乗車リクエストの受付に先立って、または、乗車リクエストの初回受付時に、ユーザ50の情報をユーザ端末40から受信して、走行計画管理部104のユーザ情報格納部1043に格納する。
図7は、ユーザ情報格納部1043に格納されるユーザ情報の例を示す。ユーザ情報格納部1043には、ユーザIDに対応付けて、ユーザの端末ID,氏名、性別、年齢、ユーザの顔画像が格納されている。ユーザIDはユーザ50が指定してもよいし、受付部101が新たなユーザからの情報を受け付けたときに自動的に割り振ってもよい。また、図7の例で、端末IDとして当該端末で受信できるメールアドレスが格納されている。
図7の例において、例えばユーザID「U0001」に対応付けて、端末ID「abc@edf.com」、氏名「本田○郎」、性別「男」、年齢「32」、顔画像として画像ファイルが格納されている。
図6に戻り、車両管理装置10の走行情報取得部110は、自動車両30から走行の状況の情報を取得する。走行の状況の情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30の現在地の情報である。自動車両30の現在地の情報は、時刻情報に紐付けられている。これに代えてまたはこれに加えて、走行の状況の情報には、自動車両30が、対応する走行計画における出発地に到着したか否かの情報や、目的地に到着したか否かの情報が含まれてもよい。
乗車情報取得部112は、自動車両30から乗車の状況を示す情報を取得する。乗車の状況を示す情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30の車内の画像である。これに代えてまたはこれに加えて、乗車の状況を示す情報には、自動車両30にユーザ50が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報、荷物を持っているか否かの情報などが含まれていてもよい。
受付部101がユーザ50の乗車リクエストを受信すると、走行計画管理部104の走行計画作成部1041は、ユーザ50の乗車リクエストに基づいて自動車両30の走行計画を作成する。この場合に、走行計画作成部1041は、乗車リクエストに含まれているユーザIDに対応付けて格納されているユーザの情報をユーザ情報格納部1043から読出して、当該情報も用いて走行計画を作成する。なお、走行計画の作成の方法は特に言及しない限り既知の経路案内装置と同様の方法が用いられてよい。先の走行計画に対して相乗りが追加される場合の走行計画の作成方法は、特に言及しない限り既知の経路案内装置における走行経路に通過点を追加する場合と同様の方法が用いられてよい。
走行計画管理部104は、ユーザ50の走行計画が遂行され、自動車両30の走行が終了すると、ユーザ50のユーザ端末40に対してユーザアンケート80を送信し、ユーザ50にユーザアンケート80の入力を依頼する。ユーザアンケート80は、ユーザ50に配車した自動車両30についての満足度を問うアンケートである。ユーザ50がユーザアンケート80を入力し送信ボタンを押すと、ユーザアンケート80は満足度評価部106に送信される。
図8は、ユーザアンケート80の入力画面の一例を示す。ユーザアンケート80には、「コストパフォーマンス」、「車種」、「台数」、「トランクルームの広さ」、「車内の広さ」の項目が設けられており、ユーザ50は、それぞれの項目について「満足」、「やや満足」、「普通」、「やや不満」、「不満」の5段階で評価する。図8の例では、「コストパフォーマンス」について「やや満足」、「車種」について「満足」、「台数」について「やや不満」、「トランクルームの広さ」について「やや満足」、「車内の広さ」について「普通」の評価がされている。
「車種」についての評価は、ユーザ50に配車した車両の種類が妥当であったかという観点からの評価である。例えば、ユーザ50が所持する荷物の量が多いためトラックを配車すべきであったが、ミニバンを配車してしまったような場合は、評価が下がると考えられる。「台数」についての評価は、ユーザ50に配車した車両の台数が妥当であったかという観点からの評価である。例えば、ユーザ50が所持する荷物の量を考慮した場合に2台配車すべきであったが、1台しか配車しなかったような場合は、評価が下がると考えられる。
満足度評価部106は、ユーザ50に配車された自動車両30の種類及び台数に対するユーザ50の満足度を評価する。本実施形態において、満足度評価部106は、ユーザアンケート80の結果を用いてユーザ50の満足度を評価する。ユーザ50の満足度は、100点満点で評価される。ユーザアンケート80の各項目において、「満足」に20点、「やや満足」に15点、「普通」に10点、「やや不満」に5点、「不満」に0点の点数配分がされており、5項目の合計値が満足度となる。図8の例では「コストパフォーマンス」が15点、「車種」が20点、「台数」が5点、「トランクルームの広さ」が15点、「車内の広さ」が10点であり、合計値は65点となる。
満足度評価部106は、ユーザアンケート80の結果から満足度を算出すると、当該満足度を、走行計画における走行ID、ユーザID、車種、台数、乗車人数、荷物の量と対応付けて満足度格納部1061に格納する。満足度評価部106は、満足度と走行ID、ユーザID、車種、台数、乗車人数、荷物の量とを対応付ける際に、走行計画の情報及びユーザの情報を走行計画格納部1042及びユーザ情報格納部1043から取得する。
図9は、満足度格納部1061に格納された満足度の表の一例を示す。図9に示すように、満足度の表の最も上の行には、走行ID「D001」、ユーザID「U0001」、車種「AA」、台数「1」、乗車人数「2」、荷物の量「10」、満足度「55」の数値が格納されている。
車両決定部1044は、満足度格納部1061に格納された満足度を参照して、特定の「乗車人数」及び「荷物の量」に対応して満足度が高い「車種」及び「台数」を算出する。満足度格納部1061には、予め定められた期間に集計された複数のユーザについての満足度が格納される。予め定められた期間は、例えば1か月や1年などであり、予め定められ走行計画管理部104が記憶する。
例えば、ユーザ50からの乗車リクエストにおいて「乗車人数」が「2名」、「荷物の量」が「10kg」と入力されていたとする。車両決定部1044は、満足度格納部1061に格納された満足度の表から、当該「乗車人数」及び「荷物の量」に近い例を選出する。図9の例では、矢印で示されるように、「走行ID」が「D001」、「D006」、「D009」の「乗車人数」及び「荷物の量」がそれぞれ「2名」と「10kg」であるため、当該3例を選出する。
ここで、「走行ID」が「D001」の満足度は「55」点、「D006」の満足度は「75」点、「D009」の満足度は「65」点であるため、「D006」の満足度が一番高いことが分かる。これにより、車両決定部1044は、「乗車人数」が「2名」、「荷物の量」が「10kg」の乗車リクエストに対しては、「走行ID」が「D006」の例を参考にして「車種」及び「台数」を算出する。「D006」の「車種」は「BB」、「台数」は「1台」であるため、上記乗車リクエストに対しては上記「車種」及び「台数」が適切であると判断する。
なお、車両決定部1044が満足度格納部1061に格納された満足度の表から、乗車リクエストの「乗車人数」および「荷物の量」に近い例を選出する場合には、当該数値に対して同じ数値ではなく、当該数値に対して所定の範囲内にある例を選出してもよい。例えば、「乗車人数」が「10人」である乗車リクエストに対して、上下20%の範囲、すなわち「8人〜12人」の範囲にある例を選出してもよい。また、「荷物の量」が「10kg」である乗車リクエストに対して、上下20%の範囲、すなわち「8kg〜12kg」の範囲にある例を選出してもよい。
満足度評価部106は、ユーザアンケート80の結果に加えて、ユーザ50の利用頻度を考慮して満足度を評価してもよい。ユーザ50の利用頻度は、例えば、ユーザ50が月間何回サービスを利用したかという情報である。月間の利用回数が多いほど満足度は高い数値となり、月間の利用回数が少ないほど満足度は低い数値となる。
車両決定部1044が、ユーザ50の乗車リクエストに対して適切な「車種」及び「台数」を算出すると、走行計画作成部1041は、当該「車種」及び「台数」を使用してユーザ50に配車する自動車両30の走行計画を作成する。
走行計画管理部104は、走行計画作成部1041が作成した走行計画の情報を走行計画格納部1042に格納する。
図10は、走行計画格納部1042に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画格納部1042には、走行IDに対応付けて、車両ID,相乗りの情報、ユーザID,出発地、出発時刻、目的地、走行のルート、到着時刻、同乗者の人数、異性の有無、喫煙の有無、および飲酒の有無に関する情報が格納されている。
車両IDは、走行IDで特定される走行計画で用いられる自動車両を特定する。図10の例において、走行ID「D001」に対して車両ID「A30」が対応付けられているので、当該走行計画で車両ID「A30」で特定される自動車両、例えば図1の自動車両30が用いられる。
相乗りの情報は、走行IDで特定される走行計画の中で相乗りがあるかどうか、および、相乗りがある場合には、相乗りとなる相手の走行計画の走行IDが格納される。図10の例では、走行ID「D002」の相乗りの情報の欄に走行ID「D005」が格納されているので、これらが相乗りであることを示す。なお、相乗りがない場合には無効な値が格納される。図10の例では、走行ID「D001」および「D003」には相乗りがない。
ユーザIDの欄には走行IDで特定される走行計画を利用するユーザIDが格納されている。なお、自動車両30を回送する場合、すなわち、いずれのユーザも乗車しない場合には、回送であることを示すユーザID「U9999」が格納される。図10の例においては、走行ID「0003」が回送であることに対応して、ユーザID「U9999」が格納されている。
出発地、出発時刻、目的地、同乗者の数、異性の有無、喫煙の有無および飲酒の有無の欄は、ユーザIDで特定されるユーザ50が乗車リクエストにおいて入力した情報が格納される。走行ルートは、走行計画格納部1042が出発地、出発時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて設定した情報が格納される。
図10においては説明を簡単にするため、単に「ルートS」等の文字で示した。目的地の到着時刻は、走行計画格納部1042が出発地、その時刻、目的地、走行ルートおよびその他の情報に基づいて予測した情報が格納される。その他の情報には走行ルート上の渋滞の情報などが含まれる。走行ルートの設定および目的地の時刻の予測は既知の方法が用いられてよい。
図6に戻り、出力部105の料金情報出力部1051は、自動車両30を利用したユーザ50に対して利用料金を精算し、対応するユーザ端末40に利用料金の情報を送信する。この場合に、料金情報出力部1051は、走行情報取得部103からの走行の状況の情報、および、乗車情報取得部102からの乗車の状況の情報に基づいて利用料金を精算する。
料金情報出力部1051は、相乗り乗車が行われる場合には、自動車両30への他のユーザの相乗り乗車によってユーザ50の料金がディスカウントされる割合を算出してユーザ50のユーザ端末40に出力してもよい。ユーザ50の料金がディスカウントされる割合は他のユーザの受付数に応じて増えてもよい。
出力部105の走行計画出力部1052は、自動車両30の車載端末302とユーザ50のユーザ端末40に対して、作成したユーザ50の走行計画を送信する。走行計画出力部1052は、他のユーザの相乗りの乗車リクエストを認める場合には、他のユーザの自動車両30への乗車によって変更された走行計画を自動車両30の車載端末302と、ユーザ50のユーザ端末40と、他のユーザのユーザ端末に対して送信する。
出力部105の乗車可否情報出力部1053は、ユーザ50のユーザ端末40に対してユーザ50の乗車リクエストを受付けるか否かの情報を送信する。乗車可否情報出力部1053は、他のユーザの相乗りの乗車リクエストを認める場合には、自動車両30の車載端末302と、ユーザ50のユーザ端末40と、他のユーザのユーザ端末に対して、他のユーザの乗車リクエストを受付けるか否かの情報を送信する。
走行計画作成部1041が、管理する複数の自動車両の現在の状況からユーザ50の乗車リクエストを満たす走行計画を作成できないと判断した場合、乗車可否情報出力部1053は、ユーザ50の乗車リクエストを拒否する旨の情報をユーザ50のユーザ端末40に送信する。
以上、本実施形態によれば、乗車リクエストにおいて指定された「乗車人数」と「荷物の量」とからユーザ50に対して配車する「車種」及び「台数」を自動的に決定する。これにより、ユーザ50に対して所持する荷物量を考慮した適切な配車をすることができ、ユーザ満足度を向上することができる。
なお、上記の自動車両30は完全自動運転のできる車両の例で説明したが、自動車両30は完全自動運転ではない車両であってもよい。すなわち、当該自動車両の運転タスクの少なくとも一部を運転者が実施する車両(レベル0から4の自動運転と呼ばれることもある)であってもよい。運転者はユーザ50であってもよい。上記の車両管理装置10の一部またはすべての機能が車載端末302等に搭載されていてもよい。これにより、車載端末302等が車両管理装置10として機能してもよい。
上記実施形態では、ユーザ50が自動車両30に単独乗車する例で説明したが、他のユーザがユーザ50に相乗り乗車してもよい。この場合、車両決定部1044は、ユーザ50の乗車リクエストにおいて指定された「乗車人数」及び「荷物の量」に加えて、他のユーザの乗車リクエストにおいて指定された「乗車人数」及び「荷物の量」を考慮して、車種および台数を決定してもよい。
走行計画作成部1041は、車両決定部1044により決定された車両に貨物用車両及び人用車両が含まれる場合において、貨物用車両が人用車両よりも目的地に先に到着する計画を作成してもよい。これにより、ユーザ50が目的地に到着した時点において荷物が到着しており、便利である。
車両決定部1044は、乗車リクエストにおいて指定された乗車人数がゼロである場合、ユーザ50に対して貨物用車両を配車するように決定してもよい。
走行計画作成部1041は、走行計画の作成にあたり、ユーザ50のユーザ端末40から受信した乗車リクエストに含まれている情報に基づき、ユーザ50の目的地への到着予定時刻を予測してもよい。この場合、走行計画作成部1041は、出発時刻、出発地と目的地との間の距離、想定される走行経路、走行経路における信号の数、走行経路における一時停止などの交通標識の配置状況、有料道路の使用可否、時間帯ごとの渋滞情報、事故による走行経路の封鎖情報等を考慮して目的地への到着予定時刻を予測してよい。
走行計画管理部104は、予測した到着予定時刻が乗車リクエストで指定された到着時刻よりも遅いか否かによって自動車両30の走行速度をコントロールしてもよい。この場合、走行計画管理部104は到着予定時刻が到着時刻よりも遅い場合に自動車両30の速度を上げた走行計画を作成してもよい。自動車両30の速度を上げる程度は、遅延時間によって段階的に設定してもよい。
走行計画管理部104は、予測した到着予定時刻が乗車リクエストで指定された到着時刻よりも遅い場合に自動車両30の走行経路を変更してもよい。この場合、走行計画管理部104は、到着予定時刻が到着時刻よりも遅延している場合に走行計画における走行経路として渋滞の少ないルートを選択してもよく、または有料道路を含むルートを選択してもよい。
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図11は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。