JP2021149529A - 車両管理装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】環境指数の数値範囲となる走行経路を決定する装置を提供する。【解決手段】車両管理装置と、サーバと、複数の自動車両と、複数のユーザ端末がネットワークを介して通信可能な車両管理システムにおいて、車両管理装置は、自動車両が走行可能な走行経路に対応付けて、走行経路を含む地域における社会的な環境を数値化した環境指数を取得する指数取得部と、ユーザからの乗車リクエストに対し、環境指数が予め定められた数値範囲となる走行経路を決定する経路決定部とを備える。環境指数は、地域の刑法違反件数に基づく治安を数値化したものを含んでもよい。刑法違反件数は道路交通法の違反件数を含んでもよい。環境指数は、地域のインフラストラクチャーの充実度を数値化したものを含んでもよい。【選択図】図4

Description

本発明は、車両管理装置およびプログラムに関する。
特許文献1には、「危険度評価部33は、経路候補に含まれる複数の道路の区間又は領域ごとに危険度を算出する。・・・経路判断部34は、それぞれの領域について算出された評価値を閾値と比較し、評価値が閾値を超えた領域を含まない経路候補を経路として決定する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2018−155577
本発明の第1の態様においては、車両管理装置であって、自動車両が走行可能な走行経路に対応付けて、走行経路を含む地域における社会的な環境を数値化した環境指数を取得する指数取得部を備えてよい。ユーザからの乗車リクエストに対し、環境指数が予め定められた数値範囲となる走行経路を決定する経路決定部を備えてよい。
環境指数は、地域の刑法違反件数に基づく治安を数値化したものを含んでもよい。刑法違反件数は道路交通法の違反件数を含んでもよい。環境指数は、地域のインフラストラクチャーの充実度を数値化したものを含んでもよい。
経路決定部は、乗車リクエストに対して走行経路の候補を設定し、候補の環境指数が数値範囲にない場合には他の走行経路に変更してもよい。経路決定部は、数値範囲になる他の走行経路が候補に比べて予め定められた基準よりも長距離となる場合に、候補を走行経路として決定してもよい。
指数取得部は、走行経路を構成する複数の走行区間ごとの環境指数を取得してもよい。経路決定部は、走行区間ごとの環境指数が数値範囲となる走行経路を決定してもよい。
走行区間に対応付けて環境指数を予め格納した指数格納部をさらに備えてもよい。指数取得部は指数格納部から環境指数を取得してもよい。指数取得部は外部のサーバから走行区間に対応付けて環境指数を取得してもよい。
経路決定部は、乗車リクエストに含まれる出発地および目的地の少なくとも一方が含まれる地域の環境指数が数値範囲にない場合に、環境指数が数値範囲となる隣接する地域の走行区間を少なくとも一方とするようユーザに通知してもよい。経路決定部は、乗車リクエストに含まれる出発地および目的地の少なくとも一方が含まれる走行区間以外の走行区間について、数値範囲となるよう走行経路を決定してもよい。
本発明の第2の態様においては、プログラムであって、コンピュータに 自動車両が走行可能な走行経路に対応付けて、走行経路を含む地域における社会的な環境を数値化した環境指数を取得する指数取得機能を実現させてもよい。ユーザからの乗車リクエストに対し、環境指数が予め定められた数値範囲となる走行経路を決定する走行経路管理機能を実現させてもよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。 ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。 表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。 車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。 ユーザ情報格納部104に格納されるユーザの情報の例を示す。 走行計画格納部108に格納される走行計画の情報の例を示す。 走行経路を説明するための概念図である。 指数格納部132に格納されている環境指数に関する情報の例である。 車両管理装置10が走行経路を決定する動作フローを示す。 自動車両30の機能ブロックの一例を示す。 走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の例を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態が適用される車両管理システム70を概念的に示す。車両管理システム70は、マイカー以外の例えばカーシェアリングや公共交通機関を含む交通手段での移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐ、いわゆるMaaSを提供する。車両管理システム70において、車両管理装置10、自動車両30、32、ユーザ端末40、42、サーバ12がインターネットなどのネットワーク20を介して互いに通信可能となっている。
車両管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどのサーバである。自動車両30、32は、例えば自動車であり、その駆動の方式を問わない。さらに、自動車両30、32は、定員が数名の乗用車あってもよいし、定員が乗用車よりも多いバスであってもよい。ユーザ端末40はユーザ50により使用される通信端末、例えばスマートフォンである。同様に、ユーザ端末42はユーザ52により使用される。
図2は、ユーザ端末40の機能ブロックの一例を示す。ユーザ端末40は、通信部402、入力部404および表示部406を有する。通信部402は、ネットワーク20を介して車両管理装置10と通信し、情報を送受信する。入力部404は、ユーザ50からの文字や数字などの入力を受け付ける。表示部406は、文字や数字などを含む画像を表示する。入力部404と表示部406とは、タッチパネルのように一体化されていてもよい。ユーザ端末42はユーザ端末40と同じ構成であってよく、説明を省略する。
図3は、表示部406に表示される乗車リクエストの入力画面410の一例である。リクエスト入力画面410は、ユーザID、出発地、その希望時刻、目的地、その希望時刻および同乗者の人数、の入力欄を有する。このうち、目的地の希望時刻を入力するかどうかは任意になっている。図3に示す例では、ユーザID「U0001」、出発地「東京都港区青山X−△」、その希望時刻「12/4 10:30」、目的地「埼玉県和光市中央△−X」、その希望時刻は未入力、同乗者「1名」、の情報が入力されている。
入力部404はそれぞれの入力欄に対してユーザ50からの入力を受け付けて、入力された情報を表示部406の入力欄に表示させる。入力画面410の送信ボタンが押されると、入力された情報が、乗車リクエストとして通信部402から車両管理装置10に送信される。
表示部406は入力画面410の他に、乗車リクエストが受け付けられた旨を示す受付情報を表示する。受付情報は、乗車リクエストの内容が受け付けられたことが確認できるように、入力画面410と同内容の情報が表示されることが好ましい。
表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から相乗り候補の情報を受信した場合にこれを表示する。表示部406にはさらに、通信部402が車両管理装置10から利用料金の情報を受信した場合にこれを表示する。
図4は、車両管理装置10の機能ブロックの一例を示す。車両管理装置10は、受付部102、ユーザ情報格納部104、走行計画管理部106、走行計画格納部108、走行情報取得部110、乗車情報取得部112、料金情報出力部114、指数取得部130および指数格納部132を備える。
受付部102は、ユーザ端末40、42から乗車リクエストを受け付ける。受付部102はさらに、乗車リクエストの受付に先立って、または、乗車リクエストの初回受付時に、ユーザ50、52の情報をユーザ端末40、42から受信して、ユーザ情報格納部104に格納する。
図5は、ユーザ情報格納部104に格納されるユーザの情報の例を示す。ユーザの情報として、ユーザIDに対応付けて、ユーザの端末ID,氏名、性別、年齢およびユーザの顔画像が格納されている。ユーザIDはユーザ50、52が指定してもよいし、受付部102が新たなユーザからの情報を受け付けたときに自動的に割り振ってもよい。また、図5の例で、端末IDとして当該端末で受信できるメールアドレスが格納されている。
図5の例において、例えばユーザID「U0001」に対応付けて、端末ID「abc@edf.com」、氏名「本田○郎」、性別「男」、年齢「32」、顔画像として画像ファイルが格納されている。
車両管理装置10の走行計画管理部106は、ユーザ50、52の乗車リクエストに基づいて自動車両30、32の走行計画を作成する。より具体的には、走行計画管理部106は、ユーザ端末40、42から受信した乗車リクエストに含まれている情報に基づき、走行計画を作成する。この場合に、走行計画管理部106は、乗車リクエストに含まれているユーザIDに対応付けて格納されているユーザの情報をユーザ情報格納部104から読み出して、当該情報も用いて走行計画を作成する。
走行計画管理部106は経路決定部120を有している。経路決定部120は、乗車リクエストに含まれている出発地および目的地、並びに、指数取得部130で取得された環境指数に基づいて、出発地から目的地までの走行経路を決定する。
走行計画管理部106は、作成した走行計画の情報を走行計画格納部108に格納するとともに、少なくともその一部を、当該走行計画で使用される自動車両30、32に送信する。走行計画管理部106はさらに、当該走行計画によって乗車リクエストを満足することができた場合には、その旨を示す受付情報を、当該乗車リクエストを送信してきたユーザ端末40、42に送信する。走行計画管理部106は、乗車リクエストを満足する走行計画を作成することができない場合には、その旨を示す情報を、乗車リクエストを送信してきたユーザ端末40、42に送信する。
図6は、走行計画格納部108に格納される走行計画の情報の例を示す。走行計画の情報として、走行IDに対応付けて、車両ID、ユーザID,出発地、その時刻、目的地、走行経路、目的地に到着する時刻および同乗者の人数に関する情報が格納されている。
車両IDは、走行IDで特定される走行計画で用いられる自動車両を特定する。図7の例において、走行ID「D001」に対して車両ID「A30」が対応付けられているので、当該走行計画で車両ID「A30」で特定される自動車両、例えば図1の自動車両30が用いられる。
ユーザIDの欄には走行IDで特定される走行計画を利用するユーザIDが格納されている。なお、自動車両30,32を回送する場合、すなわち、いずれのユーザも乗車しない場合には、回送であることを示すユーザID「U9999」が格納される。図6の例においては、走行ID「D003」が回送であることに対応して、ユーザID「U9999」が格納されている。
出発地、その時刻、目的地および同乗者の数の欄は、ユーザIDで特定されるユーザ50、52が乗車リクエストに入力した情報が格納される。走行経路については後述する。
目的地の時刻は、走行計画格納部108が出発地、その時刻、目的地、走行経路およびその他の情報に基づいて予測した情報が格納される。その他の情報には走行経路上の渋滞の情報などが含まれる。目的地の時刻の予測は既知の方法が用いられてよい。
なお、回送の場合には、出発地の時刻および同乗者の人数の情報として無効な値「*」が格納されている。
車両管理装置10の走行情報取得部110は、自動車両30、32からそれぞれの走行の状況の情報を取得する。走行の状況の情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30、32の現在地の情報である。これに代えてまたはこれに加えて、走行の状況の情報には、自動車両30、32のそれぞれが、対応する走行計画における出発地に到着したか否かの情報や、目的地に到着したか否かの情報が含まれてもよい。
乗車情報取得部112は、自動車両30、32から乗車の状況を示す情報を取得する。乗車の状況を示す情報の一例は、一定時間毎に取得する自動車両30、32の車内の画像である。これに代えてまたはこれに加えて、乗車の状況を示す情報には、自動車両30、32にユーザ50、52が乗車しているか否かの情報、同乗者がいるか否かの情報などが含まれていてもよい。
料金情報出力部114は、自動車両30、32を利用したユーザ50,52に対して利用料金を精算し、対応するユーザ端末40、42に利用料金の情報を送信する。この場合に、料金情報出力部114は、走行情報取得部110からの走行の状況の情報、および、乗車情報取得部112からの乗車の状況の情報に基づいて利用料金を精算する。
図7は走行経路を説明するための概念図である。ここで、走行経路は複数の走行区間r11、r21等から構成されている。図7の例において、交差点から交差点までが一つの走行区間r11等である。ただし、走行区間R11等は交差点から交差点まででなくてもよく、走行経路の一部を成すものであればよい。
図7の例において、出発地から目的地までの走行経路は複数考えられる。距離を優先して走行経路を設定すると、走行区間r11→r21→r31→r41からなる走行経路が好ましい。
しかしながら、例えば走行区間r21を含む地域(図中では概念的に点線で囲った)の治安が悪いなど、社会的な環境が悪い場合には、走行中に自動車両が何らかの事故に巻き込まれるおそれがある。ここでいう事故とは、自動車両の走行中における衝突ではなく、犯罪や災害などに巻き込まれるような、いわば周囲や他人からのいわば社会環境的な要因で生じるものをいう。そこで、本実施形態ではそのような事故に巻き込まれるリスクを下げる走行経路を提供する。
図8は指数格納部132に格納されている環境指数に関する情報の例である。指数格納部132には、走行区間に対応付けて、治安指数、イントラ指数、総環境指数および区間距離が格納されている。
治安指数は、当該走行区間を含む地域の刑法違反件数に基づく治安を数値化したものである。図8の例では違反件数が多いほど、0から9のうち高い指数が割り当てられる。
刑法違反件数としては、特に道路交通法の違反件数を含むことが好ましい。さらに、道路交通法以外の窃盗など犯罪件数を含んでもよい。この場合に、道路交通法の違反件数の方を重視して指数を割り当てれば交通マナーをより強く反映した指数になる。一方、犯罪件数の方を重視して指数を割り当てれば交通に関するもの以外の一般的な犯罪への巻き込まれやすさをより強く反映した指数になる。
インフラ指数は、当該走行区間を含む地域のインフラストラクチャーの充実度を数値化したものである。図8の例ではインフラストラクチャーが低いほど、0から9のうち高い指数が割り当てられる。これはインフラ指数が高いほど災害に巻き込まれるおそれが高くなることに対応しているといえる。
インフラストラクチャーの充実度には、道路の舗装度合、道路の広さ、地盤の固さ、河や上下水道の治水、などが含まれる。これらを予め定められた方法で評点付けし、重み付け平均する等によってインフラ指数が設定される。
総環境指数は治安指数とインフラ指数との和である。よって、総環境指数は、いわゆる衝突による交通事故に対する危険度とは異なり、周囲や他人など社会的な環境で生じる犯罪や災害などの事故に巻き込まれる高さを表す指標であるといえる。総環境指数は、治安指数とインフラ指数との和に代えて、それらのうちの高い方の数値そのものであったり、重み付けされた和であってりしてもよい。
区間距離は、当該走行区間の距離である。なお、区間距離を指数格納部132に格納するのに代えて、車両管理装置10または外部に格納されている走行区間の地図情報に区間距離が紐づいていて、当該地図情報から読み出してもよい。
これらの情報は経路決定部120の動作の前に、予め指数格納部132に格納されている。これに代えてまたはこれに加えて、指数取得部130が外部のサーバ12から取得してもよい。
図9は車両管理装置10が走行経路を決定する動作フローを示す。当該動作フローは、受付部102がユーザ端末40等から乗車リクエストを受け付けたときに開始する。
経路決定部120は、乗車リクエストに含まれている目的地と出発地から、当該目的地から出発地までの走行経路の候補を設定する(S12)。目的地から出発地までの走行経路の候補は、公知の経路探索法により設定されてよい。公知の経路探索法として例えば距離優先で走行経路の候補が設定されてもよく、他の優先条件で候補が設定されてもよい。
当該走行経路は複数の走行区間で構成されることになる。例えば、図7の例において、経路決定部120は距離優先で走行区間r11→r21→r31→r41を候補とする走行経路を設定する。
経路決定部120は、出発地および目的地を含む走行区間r11、r41を特定し、当該走行区間r11、r41を走行経路に用いることを決定する(S14)。これにより、出発地および目的地はユーザ50等から直接入力されているものなので、ユーザ50等の意思を反映させて利便性を高めている。
次に経路決定部120は出発地および目的地を含む走行区間r11、r41以外の走行区間r21、r31の環境指数が予め定められた数値範囲内にあるか否かを判断する(S16)。本実施形態では総環境指数が5以下であるか否かを判断する。この場合に、例えば走行区間r21、r31のうち、出発地の走行区間r11に近い順から判断する。
この場合に、指数取得部130は判断の対象とする走行区間r21、r31に対応付けられて指数格納部132に格納されている総環境指数を取得する。これに代えて、指数取得部130は当該走行区間r21、r31の各指数を当該走行区間r21、r31に対応付けて外部のサーバ12から取得し、それらを合計することにより総環境指数を算出してもよい。
図7の例で走行区間r11に近い最初の走行区間はr21である。そこで、指数取得部130はまず指数格納部132に格納されている走行区間r21の総環境指数を読み出す。当該総参照指数は「7」なので、数値範囲内でないと判断される(S16:No)。
経路決定部120は、上記ステップS16で数値範囲内でないと判断すると(S16:No)、走行区間を変更するための候補があるかないかを判断する(S18)。この場合に経路決定部120は走行区間r21の始点から終点へ向かう走行区間であって、かつ、当該走行区間の総環境指数が上記数値範囲内であるものがあるかどうかを判断し、ある場合にはその走行区間を候補に変更する(S20)。
図7の例で走行区間r21の始点から終点へ向かう走行区間として、走行区間r22→r23が考えられる。これら走行区間r22、r23の総環境指数は図8によればそれぞれ「3」と「4」なので、数値範囲内である。したがって、候補をこれら走行区間r22、r23に変更する。
経路決定部120はステップS20で変更した候補について、元の候補に比べて予め定められた基準より長距離となるかどうかを判断する(S22)。予め定められた基準としては元の走行区間の区間距離に対する比、例えば2倍である。これにかえて距離の絶対値であってもよい。本実施形態で当該基準は2倍であるとする。
経路決定部120は、上記ステップS22でYesと判断した場合には、当該走行区間を元の候補に戻して(S24)、それを当該走行区間に決定する(S28)。一方、上記ステップS22でNoと判断した場合には、変更後の走行区間に決定する(S28)。
図8の例では、元の走行区間r21の区間距離「20.0」に対して、変更された走行区間r22とr23の区間距離は「27.3」(=10.0+17.3)である。すなわち、元の候補に比べて予め定められた基準より長距離とはならない。よって、走行区間r21に代えて走行区間r22、r23に決定される。
一方、元の候補である走行区間r31を、ステップS20で走行区間r32→r33→r34に変更した場合には、変更された区間距離は元の区間距離の2倍を超える。この場合には元の走行区間r31に決定される。これは事故に巻き込まれるリスクを下げるよりも、回り道による時間のロスやユーザの利便性を損なわないことを優先したことに対応する。
上記ステップS16からS28を、出発地および目的地の走行区間以外の全走行区間について繰り返す(S30)。これにより走行経路が決定されて当フローによる動作を終了する。
図10は、自動車両30の機能ブロックの一例を示す。自動車両30は、車載端末302、自動走行部310、現在地情報取得部312および乗車情報取得部314を有する。
車載端末302は、車両管理装置10と通信する通信部304と、通信部304が車両管理装置10から受信した走行計画の情報を格納する走行計画格納部306を有する。なお、以下の説明を簡単化するため、自動車両30は完全自動運転(レベル5の自動運転と呼ばれることもある)のできる車両であるとする。すなわち、走行計画格納部306に格納された走行計画に沿って、自動走行部310が自動車両30全ての運転タスクを実行する例で説明する。
現在地情報取得部312は、例えばGPSなどを含み、自動車両30の現在地の情報を一定時間毎に取得する。現在地情報取得部312は、現在地の情報を走行IDに対応付けて一定時間毎に車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、現在地情報取得部312は、現在地の情報と走行計画格納部306に格納された出発地および目的地の情報を参照することにより、出発地に到着した場合にはその旨を示す情報を、目的地に到着した場合にはその旨を示す情報を走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
乗車情報取得部314は、例えば車内を撮影するカメラを含み、自動車両30の乗車の状況を示す情報として車内の画像を一定時間毎に取得する。乗車情報取得部314は、当該画像を走行IDに対応付けて一定時間ごとに車両管理装置10に送信する。これに代えてまたはこれに加えて、乗車情報取得部314は画像認識等により当該画像を解析し、自動車両30にユーザ50、52が乗車しているか否か、同乗者がいるか否かなどを判定し、その旨を乗車の状況の情報として走行IDに対応付けて車両管理装置10に送信してもよい。
図11は、走行計画格納部306に格納される走行計画の情報の例を示す。テーブル308には、車両管理装置10で生成された走行計画のうち、自動車両30を用いるもの、すなわち、車両ID「A30」の走行計画が格納されている。
ただし、ユーザIDの欄にはIDそのものに加えて、車両管理装置10のユーザ情報格納部104に格納されている画像を受信して格納している。乗車情報取得部314は当該画像を用いた顔認証により、ユーザ50、52が乗車しているか否か等を判断する。
また、走行経路には、図9で説明した方法により経路決定部120が決定した走行区間の情報が格納されている。よって、自動車両30は当該走行区間に沿って走行することにより、社会的な環境による事故に巻き込まれるリスクを低減することができる。
以上、本実施形態によれば、ユーザからの乗車リクエストに対し、環境指数が予め定められた数値範囲となる走行経路が決定されるので、走行中に事故に巻き込まれるリスクを下げることができる。
なお、上記ステップS14で出発地の走行区間と目的地の走行区間は、最初の候補をそのまま決定している。これに代えて、出発地の走行区間と目的地の走行区間の環境指数が予め定められた数値範囲にあるか否かを判断してもよい。当該数値範囲にある場合には当該候補がそのまま決定される。一方、数値範囲にない場合に、車両管理装置10は、環境指数が前記数値範囲となる隣接する地域の走行区間を出発地または目的地とするように、ユーザ50を促す通知をユーザ端末40に出力してもよい。これにより、出発地および目的地においても事故に巻き込まれるリスクを下げることができる。
上記実施形態は走行計画に相乗りが含まれる場合にも同様に適用できる。相乗りは、乗合いとも呼ばれることもあり、あるユーザが乗車している自動車両が当該ユーザの出発地から目的地まで移動する途中で、他のユーザも当該自動車両に乗車して当該自動車両を共用するものである。相乗りにおいて、他のユーザが先のユーザの目的地よりも手前で降車してもよいし、同じ目的地で降車してもよいし、より遠くで降車してもよい。
上記の自動車両30、32は完全自動運転のできる車両の例で説明したが、いずれか一方または両方が完全自動運転ではない車両であってもよい。すなわち、当該自動車両の運転タスクの少なくとも一部を運転者が実施する車両(レベル0から4の自動運転と呼ばれることもある)であってもよい。運転者はユーザ50、52であってもよい。この場合に、図4で示した機能ブロックの一部を運転者が担ってもよい。
上記の車両管理装置10の一部またはすべての機能が車載端末302等に搭載されていてもよい。これにより、車載端末302等が車両管理装置10として機能してもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、およびディスプレイデバイス1218を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD−ROMドライブ1226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータはまた、ROM1230およびキーボード1242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ1240を介して入/出力コントローラ1220に接続されている。
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU1212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ1226は、プログラムまたはデータをDVD‐ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ1240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM1201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROM1201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROMドライブ1226(DVD‐ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 車両管理装置、30、32 自動車両、40、42 ユーザ端末、50、52 ユーザ、70 車両管理システム、102 受付部、104 ユーザ情報格納部、106 走行計画管理部、108 走行計画格納部、110 走行情報取得部、112 乗車情報取得部、114 料金情報出力部、120 経路決定部、130 指数取得部、132 指数格納部、302 車載端末、304 通信部、306 走行計画格納部、310 自動走行部、312 現在地情報取得部、314 乗車情報取得部、402 通信部、404 入力部、406 表示部、410 入力画面

Claims (12)

  1. 自動車両が走行可能な走行経路に対応付けて、前記走行経路を含む地域における社会的な環境を数値化した環境指数を取得する指数取得部と、
    ユーザからの乗車リクエストに対し、前記環境指数が予め定められた数値範囲となる走行経路を決定する経路決定部と
    を備える車両管理装置。
  2. 前記環境指数は、前記地域の刑法違反件数に基づく治安を数値化したものを含む請求項1に記載の車両管理装置。
  3. 前記刑法違反件数は道路交通法の違反件数を含む請求項2に記載の車両管理装置。
  4. 前記環境指数は、前記地域のインフラストラクチャーの充実度を数値化したものを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の車両管理装置。
  5. 前記経路決定部は、前記乗車リクエストに対して前記走行経路の候補を設定し、前記候補の前記環境指数が前記数値範囲にない場合には他の走行経路に変更する請求項1から4のいずれか1項に記載の車両管理装置。
  6. 前記経路決定部は、前記数値範囲になる前記他の走行経路が前記候補に比べて予め定められた基準よりも長距離となる場合に、前記候補を前記走行経路として決定する請求項5に記載の車両管理装置。
  7. 前記指数取得部は、前記走行経路を構成する複数の走行区間ごとの前記環境指数を取得し、
    前記経路決定部は、前記走行区間ごとの前記環境指数が前記数値範囲となる前記走行経路を決定する請求項1から6のいずれか1項に記載の車両管理装置。
  8. 前記走行区間に対応付けて前記環境指数を予め格納した指数格納部をさらに備え、
    前記指数取得部は前記指数格納部から前記環境指数を取得する請求項7に記載の車両管理装置。
  9. 前記指数取得部は外部のサーバから前記走行区間に対応付けて前記環境指数を取得する請求項7に記載の車両管理装置。
  10. 前記経路決定部は、前記乗車リクエストに含まれる出発地および目的地の少なくとも一方が含まれる地域の前記環境指数が前記数値範囲にない場合に、前記環境指数が前記数値範囲となる隣接する地域の走行区間を前記少なくとも一方とするよう前記ユーザに通知する請求項7から9のいずれか1項に記載の車両管理装置。
  11. 前記経路決定部は、前記乗車リクエストに含まれる出発地および目的地の少なくとも一方が含まれる走行区間以外の走行区間について、前記数値範囲となるよう前記走行経路を決定する請求項7から9のいずれか1項に記載の車両管理装置。
  12. コンピュータに
    自動車両が走行可能な走行経路に対応付けて、前記走行経路を含む地域における社会的な環境を数値化した環境指数を取得する指数取得機能と、
    ユーザからの乗車リクエストに対し、前記環境指数が予め定められた数値範囲となる走行経路を決定する走行経路管理機能と
    を実現させるプログラム。
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