JP7472497B2 - 車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法 - Google Patents

車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7472497B2
JP7472497B2 JP2020004684A JP2020004684A JP7472497B2 JP 7472497 B2 JP7472497 B2 JP 7472497B2 JP 2020004684 A JP2020004684 A JP 2020004684A JP 2020004684 A JP2020004684 A JP 2020004684A JP 7472497 B2 JP7472497 B2 JP 7472497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
person
vehicle
closing
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020004684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021109632A (ja
Inventor
哲雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2020004684A priority Critical patent/JP7472497B2/ja
Publication of JP2021109632A publication Critical patent/JP2021109632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7472497B2 publication Critical patent/JP7472497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)

Description

本開示は、車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法に関する。
特許文献1には、鉄道車両のドアに挟まれた異物を検出する技術が開示されている。特許文献1の異物検出装置は、ドア外部に設けられたカメラで撮像されたドア開放前画像を基準画像とし、乗降客の乗降後の画像を判定画像として取得し、基準画像と判定画像との差分を求め、この差分に基づいてドアに挟まれた異物を検出する。
特開2005-349997号公報
インターネット<URL:https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1608/29/news040_2.html>
しかしながら、従来技術は、ドアに挟まれている異物を検出できるものの、駆け込み乗車などに起因して、人がドアに挟まれることを防止することが難しい。
本開示は、人がドアに挟まれることを防止する技術を提供する。
本開示は、一の態様として、
鉄道車両のドアの周囲に存在する人を撮像する撮像部と、
ニューラルネットワークを用いて、前記撮像部からの画像データに基づき、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測する予測部と、
前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあると予測されたとき、前記ドアの閉動作を制御するドア制御部とを備える、車両ドア制御装置を提供する。
本開示によれば、人がドアに挟まれることを防止できる。
本実施の形態に係る車両ドア制御装置の構成例を示す図 一般的な車両ドアの外観図 本実施の形態に係る車両ドア制御装置が適用される車両ドアの外観図 全閉時における車両ドアの開閉機構の拡大図 全開時における車両ドアの開閉機構の拡大図 画像取り込み部32及びカバー33の斜視図 図6に示す画像取り込み部32及びカバー33の側面図 形状が異なるカバー33の斜視図 図8に示すカバー33の側面図 画像取り込み部32を緩衝材34を介して鴨居部10に固定する例を示す図 回転式カバー33の動作を説明するための図 車両ドア制御装置の動作を説明するためのタイミングチャート イベント受信処理を説明するためフローチャート 乗降客情報の作成処理を説明するためのフローチャート イベント受信処理を説明するためのフローチャート 挟まり監視処理を説明するためのフローチャート 状態遷移を示す図 全体制御部の動作を説明するためのフローチャート 全体制御部の動作を説明するためのフローチャート 全体制御部の動作を説明するためのフローチャート 全体制御部の動作を説明するためのフローチャート 全体制御部の動作を説明するためのフローチャート ドア挟まり対応処理を説明するためのフローチャート 監視定義テーブルの一例を示す図 乗降客情報ファイルの一例を示す図 鏡が取り付けられた1枚扉式車両ドアの外観図 鏡が取り付けられていない場合の撮像範囲 鏡が取り付けられている場合の撮像範囲 1つの鏡と1つの画像取り込み部が取り付けられた2枚扉式車両ドアの外観図 2つの画像取り込み部が取り付けられた2枚扉式車両ドアの外観図
以下、本開示に係る実施形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。また、以下に示す実施の形態は、本開示の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに限定されない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本実施の形態に係る車両ドア制御装置の構成例を示す図である。図1に示す車両ドア制御システム100は、車両上位システム300と車両ドア制御装置200とを備える。車両上位システム300は、例えば、鉄道車両(以下、"車両"ともいう)の全体を統括的に管理する列車情報管理装置である。
車両上位システム300は、動作指令部301を備える。動作指令部301は、閉/開完了(ドア開完了又はドア閉完了を示す情報など)及び異常情報(ドア挟まり異常を示す情報など)が入力され、車両のドアを制御するための開閉動作指示(開・閉指示イベント)を、車両ドア制御装置200に対して出力する。
車両ドア制御装置200は、全体制御部1、モータ制御部2、出力部3、画像取り込み部32、及び画像処理部5を備える。
全体制御部1は、車両ドア制御装置200の動作を統括制御する。全体制御部1は、動作指令部301及び画像処理部5からのイベント指示に従って、モータ制御部2に正転(ドア開)、停止(開閉動作の停止)、逆転(ドア閉)、逆転延長(ドア閉の延長)などのイベント情報を出力する。また、全体制御部1は、例えば、ドアを通過する人が、ドアに挟まれ得る状態にあると予測されたとき、ドアの閉動作を制御するドア制御部としての機能を有する。ドアを通過とは、ドアが配置される車両の開口部を通過することである。また、全体制御部1は、画像処理部5に対して、画像収集開始・終了、及び、ドア閉開始イベントを通知する。
モータ制御部2は、車両が備えるドアを駆動するモータを制御する。モータ制御部2は、ドアを開けるために、例えば、一定速度でモータを正転させる。モータ制御部2は、ドアを閉めるために、例えば、一定速度でモータを逆転させ、あるいは、速度を変化させながらモータを逆転させる。モータ制御部2は、モータの逆転時、例えばドアが全開の状態から、第1速度でモータを逆転させ始め、延長要求が入力されたとき、第1速度よりも遅い第2速度でモータを逆転させることで、ドア閉速度を低下させる。延長要求とは、例えば、車両上位システム300又は画像処理部5などから送信される要求である。なお、モータを逆転させる速度は、これに限定されず、三段階以上の複数の段階に変更されてもよい。
出力部3は、ドアの開閉の際に異常が発生したことを、乗降客などに報知する報知部であり、例えば、LEDランプ、ブザーなどである。
画像取り込み部32は、車両のドアの周囲に存在する人を一定の撮像範囲で撮像する撮像部(より具体的には、カメラ)である。撮像範囲の詳細については、後述する。
画像処理部5は、画像取り込み部32からの画像データに基づき、乗車又は降車する目的で車両のドアに近づいてくる人を認識し、ドアを閉じる指示が入力される前に、当該人がドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測する予測部としての機能を有する。ドアに挟まれ得る人の検出方法には、例えば、DNN(Deep Neural Network)のSSD(Single Shot multibox Detector)アルゴリズムなどが利用される。このとき、人以外にも、子供の挟み込みも防止する観点から、ベビーカーも検出してもよい。なお、人が持つ鞄はドアに挟まっても人が怪我をせず、また、鞄を意図的に挟み込む乗客が存在し予測が難しいため、鞄は、乗降客情報の作成処理での検出対象にしなくてもよい。画像処理部5は、ドアに挟まれ得る人を検出した場合、ドアの閉時間を延長すればその人を挟むことなく乗降させることができる、と判断した場合、時間延長の要求を全体制御部1に出力する。当該判断の詳細については、後述する。
画像処理部5の予測部は、例えばニューラルネットワークモデルにより構築される。ニューラルネットワークモデルは、例えば開発言語「Python」、フレームワーク「Tensorflow」、などを用いて記述することによって作成される。ニューラルネットワークモデルは、入力層と、隠れ層と呼ばれる中間層と、出力層とを有する。ニューラルネットワークモデルでは、中間層の数を増やして深層構造にする構成が採られる。活性化関数には、ランプ関数「ReLU」、線形関数「Linear」などが利用される。活性化関数は、ニューラルネットワークにおいて、線形変換をした後に適用する非線形関数もしくは恒等関数を意味する。ニューラルネットワークモデルを用いて、例えばドアに駆け込み乗車する人を認識するためには、ニューラルネットワークモデルに対して、教師データ又は訓練データと呼ばれる画像データを利用して、深層学習させる必要がある。前述した予測部は、学習済みのニューラルネットで構成されることによって、入力された人の画像の特徴量の情報に応じて、適切な学習済みの特徴量を迅速に識別できる。なお、予測部には、ニューラルネット以外にも、例えばSVM(Support Vector Machine)、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)等の手法を用いてもよい。
次に,図2~図5を参照して、画像取り込み部32の取り付け位置等について説明する。
図2は、一般的な車両ドアの外観図である。図3は、本実施の形態に係る車両ドア制御装置が適用される車両ドアの外観図である。図2及び図3には、2枚扉式の車両のドア40が例示される。鴨居部10の車両内と車両外の双方に、ドア状態通知用のランプ30が設置される。鴨居部10は、ドア40が配置される車両の開口部の上部に設けられる。鴨居部10には、例えば、ドアロック時の強制解除レバー31が設けられる。
図3に示すように、画像取り込み部32及びカバー33は、車両の内側に設置される。カバー33は、画像取り込み部32を覆う部材である。画像取り込み部32が車両の内側に設置されることによって、画像取り込み部32が風や雨にさられて故障することを抑制できる。カバー33が車両の内側に設置されることによって、カバー33の色焼け、汚れ、キズなどによるメンテナンスサイクルを伸ばすことができる。
また、画像取り込み部32は、ドアが開いたときに、車両の開口部を介して、車両の内側と外側を見通し可能な位置に設けられる。このように画像取り込み部32を設けることにより、車両の外側と内側の双方に画像取り込み部32を設置しなくても、1つの画像取り込み部32で車両内外の様子を撮像できるため、画像取り込み部32の設置に伴う車両の製造コストを低減できる。また、例えば、車内が混雑している場合でもドア付近の様子を撮像できるため、画像データを防犯に活用できる。
また、画像取り込み部32は、全方位の撮像を可能とするため、例えば魚眼レンズを備える。この構成により、複数の画像取り込み部32を設けることなく、ドア付近の様子を広範囲に撮像でき、画像取り込み部32の設置に伴う車両の製造コストを低減できる。画像取り込み部32には、カバー33が設けられる。カバー33は、画像取り込み部32を覆い、ドアを通過する人の画像取り込み部32への衝突を防止して、人の頭部と画像取り込み部32の双方を保護する保護部材である。カバー33は、画像取り込み部32を保護しつつ、ドア付近の様子を撮像できるように、透明なアクリル板等で形成される。
図4は、全閉時における車両ドアの開閉機構の拡大図である。図5は、全開時における車両ドアの開閉機構の拡大図である。図4及び図5には、ドア駆動機構の一例が示される。図4及び図5に示すように、ドアの駆動は、モータ制御部2で駆動されるモータに繋がるピニオン51と、ピニオン51の回転運動を直線運動に変換して右側のドア40をスライドさせる上ラック53と、ピニオン51の回転を直線運動に変換して左側のドア40をスライドさせる下ラック52とにより行われる。
次に、図6から図11を参照して、カバー33などの構成例について説明する。
図6は、画像取り込み部32及びカバー33の斜視図、図7は、図6に示す画像取り込み部32及びカバー33の側面図である。画像取り込み部32を取り付けると、入り口(車両のドア取り付けの開口部)中央の一部だけ出っ張るため、人の乗降の際、画像取り込み部32へ頭部をぶつける可能性がある。この対策として、図7に示すように、断面が四角形状のカバー33が、画像取り込み部32の周囲に取り付けられる。
図8は、形状が異なるカバー33の斜視図、図9は、図8に示すカバー33の側面図である。図8及び図9に示すカバー33は、断面が半円状の保護部材である。この構成により、カバー33が全体的に湾曲しているため、人の頭部に与える衝撃を緩和できる。
図10は、画像取り込み部32を緩衝材34を介して鴨居部10に固定する例を示す図である。図10に示すように、カバー33に人の頭部が当たったときの衝撃を吸収するために、衝撃により曲がる緩衝材34を介して、カバー33を固定してもよい。緩衝材34は、例えば、弾性変形するゴムなどで形成される。カバー33が緩衝材34の変形により可動することで、頭部への衝撃を緩和できる。
図11は、回転式のカバー33の動作を説明するための図である。図11に示す回転式のカバー33は、例えば、円弧形状に形成された部材で構成され、その両端部が、固定部材37及びバネ36により保持されて、全体が上下左右に移動可能に固定される。固定部材37及びバネ36は、例えばカバー33の端部が収納される収納体の内部に配置される。図11の左から一番目の図は、カバー33に人の頭部などが当たっていない状態を示す。図11の左から二番目の図は、カバー33の真下部分に人の頭部などが当たって、カバー33が上移動した状態を示す。図11の左から三番目の図は、カバー33の右側に人の頭部などが当たって、カバー33が左回転及び上移動した状態を示す。図11の左から四番目の図は、カバー33の左側に人の頭部などが当たって、カバー33が右回転及び上移動した状態を示す。
バネ36は、緩衝材の一例である。カバー33がバネ36の変形により可動することで、頭部への衝撃を緩和できる。カバー33の上方への移動を制限する規制部材35が設けられてもよい。
以下では、図12を参照して、本開示の特徴部分である画像処理部5の挟まりの監視方法について説明し、図13を参照して車両ドア制御装置の全体の動作について説明する。
図12は、車両ドア制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図12を利用して、画像処理部5の挟まりの監視方法について説明する。ここでは、説明の便宜上、駅のホームで車両へ乗車予定の乗客が3種類(乗客A、乗客B、乗客C)存在する場合の動作例について説明する。乗客A、乗客B、乗客Cは、この順で車両に乗車するものとする。なお、図12では、乗車時の動作について説明しているが、降車時も同様に読み替えることができる。
t0は、第1速度でドア閉を開始する時刻であり、ドア閉の開始の通知を受信した時刻に等しい。t1は、ドアが全開のときに、乗客がドアに到達するまでの時間(乗車開始予定時間)である。t2は、乗客がドアに到達してからドアを通過するまでの時間(乗車完了時間)である。
t0'は、ドア閉速度が、第1速度から第2速度に変化するときの時刻を表す。t3は、t0から第2速度でドア閉動作が終了するまでの時間(t0から第2速度でドアが全閉するまでの時間)を表す。t4は、ドア閉動作が延長された場合における、t0から第2速度でドア閉動作が終了するまでの時間を表す。ドアが全開のとき、画像取り込み部32で画像収集が行われ、乗降客の認識と、認識した乗降客の挟み込み予測が行われる。
乗客Aの乗車は、t0'よりも前に完了するため、乗客Aの挟み込みはないものと判断される。
乗客Bの乗車は、t3以降に完了するが、ドア閉の延長時間tw分、延長された時間(t4)よりも前に完了する。したがって、ドアの閉時間を延長することにより乗客Bの挟み込みはないものと判断される。延長時間twは、例えば、列車の出発時刻を延長してもダイヤ乱れへの影響が少ない範囲内で設定される。例えば、列車が到着予定時刻よりも速く特定の駅に到着した場合や、列車が出発予定時刻から遅発しても走行区間で回復運転ができる場合(通常の力行速度よりも高めにするなど)などに、延長時間twは設定される。これにより、手動でドア開動作を行わなくとも、挟み込みを防止できると共に、ダイヤ乱れの影響を小さくできる。
乗客Cの乗車完了は、t4以降である。この場合、乗客Cの挟み込み防止のために、ドアを開くとダイヤ乱れの影響が大きくなるおそれがある。したがって、この場合には、t3でドア全閉を維持した状態とされる。
下表のように、乗客A、乗客B、乗客Cの存在の有無に応じて、ドアの閉時間は決定される。ドアの閉時間を延長してもドアに挟まる人がいると判断される場合は、ドアの閉時間を実際に延長してもドアに挟まれることになり、ドアの閉時間を延長することに意味がないので、ドアの閉時間は延長されない。下表において、○は"存在する"を表し、×は"存在しない"を表す。
Figure 0007472497000001
次に、図13から図16を参照して、画像処理部5の動作について詳細に説明する。図13は、イベント受信処理を説明するためフローチャートである。図14は、乗降客情報の作成処理を説明するためのフローチャートである。図15は、イベント受信処理を説明するためのフローチャートである。図16は、挟まり監視処理を説明するためのフローチャートである。
画像処理部5は、3つのタスクで構成される。1つ目のタスクは、不定期に発生するイベントを受信するための「イベント受信処理」である。2つ目のタスクは、ドア挟まりを監視する「挟まり監視処理」である。3つ目のタスクは、画像データからの「乗降客情報の作成処理」である。なお、本実施の形態において、「挟まり監視処理」は、「乗降客情報の作成処理」と同時に実施されることはない。
イベント受信処理において、画像処理部5は、全体制御部1からドア全開の通知の受信を待ち(ステップS8)、ドア全開の通知を受信したとき(ステップS9,Yes)、挟まり監視処理が起動しているか否かを判断する(ステップS10)。画像処理部5は、挟まり監視処理の起動中でない場合(ステップS10,No)には、画像取り込み部32を起動し(ステップS11)、画像データの収集を開始して、図14に示す、乗降客情報の作成処理を起動する(ステップS12)。
乗降客情報の作成処理は、ステップS1からステップS7の処理を含む。これらの処理により、乗降客情報が作成される。乗降客情報の作成停止指示が来たとき、乗降客情報の作成が終了する。ここでの乗降客情報は、乗降客情報ファイルに保存される。乗降客情報ファイルの詳細については、後述する。
乗降客情報の作成処理において、画像処理部5は、画像データ(スキャンデータ)を読み込み(ステップS1)、画像データからドアに向かってくる一又は複数の人を検出する(ステップS2)。
画像処理部5は、予め設定された対象人数分(n)の人を検出していない場合(ステップS3,No)、乗車開始予定時間(前述したt1)と乗車完了時間(前述したt2)を算出する(ステップS4)。t1とt2の算出方法については、後述する。
ステップS5において、画像処理部5は、挟み込みの可能性のある対象者を識別する識別ID、t1及びt2などと共に、乗降客情報を、乗降客情報ファイルに保存する。識別IDは、画像データに基づき検出された複数の人を区別して識別できるものであればよく、例えばサイクリックな番号などである。
ステップS6において、画像処理部5は、乗降客情報の作成処理を停止するための情報(停止情報)を読み込み、停止無しの場合(ステップS7,No)、ステップS1以降の処理を実行し、停止有りの場合(ステップS7,Yes)、乗降客情報の作成処理を終了する。
図13に戻り、画像処理部5は、ドア全開の通知を受信していない場合(ステップS9,No)、ドア全閉の通知を受信したか否かを判断する(ステップS14)。
画像処理部5は、ドア全閉の通知を受信した場合(ステップS14,Yes)、挟まり監視処理の停止(ステップS15)と、画像取り込み部32に対して画像取り込みを停止させる処理(ステップS16)を実行する。
画像処理部5は、ドア全閉の通知を受信していない場合(ステップS14,No)、ドア閉の開始通知を受信したか否かを判断する(ステップS17)。
画像処理部5は、ドア閉の開始通知を受信した場合(ステップS17,Yes)、ステップS18からステップS31までの処理を実行する。ステップS18からステップS31までの処理については後述する。
画像処理部5は、ドア閉の開始通知を受信していない場合(ステップS17,No)、ステップS8以降の処理を実行する。
ステップS18では、挟まり監視処理が起動中か否かが判断される。
画像処理部5は、挟まり監視処理が起動中の場合(ステップS18,Yes)、挟まり監視処理の再開を通知する(ステップS19)。
画像処理部5は、挟まり監視処理が起動中でない場合(ステップS18,No)、ステップS20からステップS31までの処理を実行する。
画像処理部5は、ステップS20からステップS31の処理が、対象人数分完了していない場合(ステップS20,No)、図12に示す、t1、t2、t3及びt4を算出する(ステップS21)。
t1の算出は、例えば、t1=ドアから人までの距離[mm]/移動速度[mm/sec]により算出される。距離[mm]は、例えば、上掲の非特許文献1に開示される通り、DNNを使用することによって、単眼カメラで、人物や物体の大きさ、それらの特定の部位からの被測定対象までの距離などを算出できる。
t2の算出は、例えば、t2=t1+人の幅[mm]/移動速度[mm/sec]により算出される。人の幅は、所定の値(例えば500[mm])に設定される。
t3及びt4は、t0を0とした時の相対時間であり、後述する監視定義テーブルに設定される値を用いて求められる。以下に、t3及びt4の算出式の一例を示す。
t3[ms]=(L1/s1+(L2-L1)/s2)×1000
t4[ms]=t3+tw
上記のt3及びt4の算出式中のs1は、ドアが閉まるときの第1速度であり、s2は、ドアが閉まるときの第2速度である。第2速度は第1速度よりも遅い。L1は、第1速度s1で閉まるドアが全閉するまでの移動距離であり、L2は、第2速度s2で閉まるドアが全閉するまでの移動距離である。
なお、延長時間tw中のドアの移動は、t3からt4までの時間で行われるため、延長時間tw中のドアの第2速度s2は、次の式で算出される。
第2速度s2=(L2-L1)/(t4-t0')
なお、ドアは数秒で閉まるのが通常であるため、ドアが閉まる途中に、挟まり予測をリアルタイムに実施するためには高い処理能力を有するハードウェアが必要である。そのため、挟まり予測は、車両停止後の最初のドア開指令によるドア全開から開始し、ドア閉開始のタイミングでドア閉時間を決定する。これにより、ハードウェアの処理能力を高めることなく、挟まりを適切に抑制できる。ハードウェアの処理能力が高い場合には、挟まり予測をリアルタイムに実施してもよい。
次に、ステップS22において、画像処理部5は、t2がt3より長いか否を判定する。すなわち、挟まれる人がいるか否かを判定する。なお、ステップS22の処理は、ドア閉の通知後に実行されるため、例えば、ラッシュ時などのように、乗降客の動きが複雑になる場面に適用しても問題はない。
t2がt3より短い場合(ステップS22,No)、画像処理部5は、乗降客が挟まれないと判断して(ステップS26)、ステップS25の処理を実行する。
t2がt3より長い場合(ステップS22,Yes)、画像処理部5は、t2が、tw分延長した時間(t4)より長いか否かを判定する(ステップS23)。
t2がt4より長い場合(ステップS23,No)、画像処理部5は、ドア閉時間をtw分延長しても、乗降客が挟まれると判断して処理を終了する(ステップS27)。
t2がt4より短い場合(ステップS23,Yes)、画像処理部5は、ドア閉時間をtw分延長すれば、乗降客が挟まれないと判断して処理を継続する(ステップS24)。
なお、全ての人のt2がt4よりも短い場合、画像処理部5は、延長動作を全体制御部1に通知する。1人でもt2がt4より長い場合には、画像処理部5は、通常動作(延長をしない動作)を全体制御部1に通知する。「全ての人」は、例えばドアに向かって集まってくる複数の乗降客の全員を表す。ただし、現実的には、ドアの前に多くの人が集まっている状態で、ドア閉が始まった場合には、それらの人の大半は駆け込み乗車をすることがない。そのため、挟まり監視処理の対象となるような駆け込み乗車(又は降車)の対象となる人は、それらの内、一定人数(例えば10人~15人)であり、これらの人が「全ての人」として設定される。なお、ドアに向かって集まってくる乗降客数に応じて、延長動作か通常動作かを選択可能に構成してもよいが、一定人数以上の場合に、延長動作を継続しても、ドアに挟まる人が存在する可能性が高いため、その場合、ダイヤ遅延が大きくなる。ダイヤ遅延を回避するため、本実施の形態では、延長動作ではなく、通常動作としている。
画像処理部5は、対象人数分のループが完了した場合(ステップS20,Yes)、ステップS28からステップS31の処理を実行する。
画像処理部5は、ドア閉の延長により挟まれる人がいるか否かを判断する(ステップS28)。画像処理部5は、ドア閉の延長により挟まれる人がいない場合(ステップS28,No)、ドア閉の延長通知(延長動作通知)を行う(ステップS29)。
画像処理部5は、ドア閉の延長により挟まれる人がいる場合(ステップS28,Yes)、ドア閉の通常動作通知を行う(ステップS32)。つまり、ドア閉の延長をしても人がドアに挟まれることになり、発車の遅延が大きくおそれがあるからである。このため、本動作例では、ステップS32において、ドア閉の通常動作通知を行うことで、発車の遅延を抑制できる。延長動作の有無を通知後、ステップS30で乗降客情報の作成処理が停止され、ステップS31では、乗降客とドアとの接触を監視するため、挟まり監視処理(ステップS33からステップS40まで)が起動される。
挟まり監視処理において、画像処理部5は、画像データ(スキャンデータ)を読み込み(ステップS33)、ドアと乗客の距離を算出する(ステップS34)。
画像処理部5は、ドア挟まり再開通知を読み出し(ステップS35)、人がドアに挟まっているか否かを判断する(ステップS36)。画像処理部5は、ドア挟まり中でない場合(ステップS36,No)、ドアと乗客の距離が指定監視距離(L3)以下であるか否かを判断する。指定監視距離(L3)は、ドアと乗客の距離の算出値と比較される閾値である。
ドアと乗客の距離が指定監視距離(L3)以下の場合(ステップS37,Yes)、画像処理部5は、ドア挟まり検知を全体制御部1に通知して(ステップS38)、その後、ステップS39の処理を行う。
ドア挟まり検知の通知を受信した全体制御部1は、以下の処理を行う。
(1)ブザーを異常音、ランプを異常点灯とする。
(2)ドアを指定距離(0の場合は、開動作が一瞬止まる)だけ開き、再度閉じる。
(3)再度ドアに挟まりそうになった場合は、指定回数(m)繰り返す。
(4)指定回数繰り返した場合は、閉動作を停止する。
(5)処理中に車両上位システム300から、ドア開の指示又はドア閉の指示がきたら、その指示を優先する。すなわち、乗務員の手動によるドア開閉の操作がなされたら、挟み込み防止の処理などを停止して、手動操作を優先する。
画像処理部5は、ドアと乗客の距離が指定監視距離(L3)以下ではない場合(ステップS37,No)、ステップS38の処理を経ずに、ステップS39の処理を行う。
画像処理部5は、挟まり監視処理の停止要求の読み出しを行い(ステップS39)、ドアが全閉になったとき画像取り込み処理と挟まり監視処理を停止する(ステップS40)。
なお、ドアの挟まり監視処理においては、ドア閉動作中に、ドア挟まりが生じる場合、乗務員の状況判断でドア開指令を受信する場合などがある。画像処理部5は、これらが生じた場合でも、ドアが全閉状態になるまで、ドア挟まり監視(画像の監視)を継続して行う。画像の監視を継続することにより、ドアの動きと人の動きをリアルタイムに検出できるため、挟まり検出を即座に行うことができる。
次に図17から図23を参照して、全体制御部の動作を詳細に説明する。
図17は、状態遷移を示す図である。図18から図22は、全体制御部の動作を説明するためのフローチャートである。図23は、ドア挟まり対応処理を説明するためのフローチャートである。図17に示す(1)~(17)の処理は、図18から図23に示す(1)~(17)の処理に対応する。
全体制御部1は、全体制御処理(ステップS51からステップS100)と、ドア挟まり対応処理(ステップS101からステップS116)のタスクで構成される。各ステップの処理動作は以下の通りである。
[図18;(1)]
ステップS51では、ドアへの通電の有無の判断が行われ、通電によりドアは全閉状態になる。
ステップS52では、ドアへの通電後に、ドア全閉状態でドア開指示の有無が判断される。
[図18;(2)]
ステップS53では、全閉状態でドア開指示が有る場合、モータ制御部2にドア開指示(モータ正転指示)が出力される。
ステップS54では、モータ正転指示により、モータ正転中状態にされる。
[図18;(7)]
ステップS55では、全開状態でドア閉指示の有無が判断される。
ステップS57では、全開状態でドア閉指示が有る場合、モータ制御部2に逆転指示(閉動作)が出力される。
ステップS58では、画像処理部5にドア閉の開始イベントが送信される。
ステップS59では、挟まり動作実行回数カウンタが0(クリア)にされる。なお、画像処理部5は、ドア閉時間の延長時に挟まる人がいないとき、閉時間延長のイベントを全体制御処理に出力する。
ステップS60では、モータ逆転指示により、モータ逆転中状態にされる。
[図18;(5)、(3)]
ステップS61では、正転中(ドア開動作中)におけるドア閉指示の有無が判断される。
ステップS62では、ドア閉指示が無く、ドアが全開になった場合、ドア挟まり監視を行うため、画像処理部5にドア全開イベントを送る。これにより、画像処理部5は、画像取り込み部32からの画像データに基づき、乗降客情報(ドアに向かっている人を検出し、ドアまでの距離と移動速度)の収集を開始する。
ステップS63では、ドア全開状態にされる。
ステップS64では、ドア閉指示が有る場合、モータ制御部2に停止指示が出力される。
ステップS65では、モータ正転停止待ち状態にされる。
[図19;(6)、(4)、(8)]
ステップS66では、逆転中(ドア閉動作中)におけるドア開指示の有無が判断される。
ステップS67では、ドア開指示が無い場合、ドア閉時間の延長有無の通知があるか否かが判断される。
ステップS68では、ドア閉時間の延長の通知が無い場合、ドアが全閉にされるため、画像処理部5にドア全閉イベントを送る。
ステップS69では、ドア全閉状態にする。
ステップS70では、ブザーから異常音を発生させ、あるいは、ランプをドア閉状態にする。
ステップS71では、ドア開指示が有る場合、一旦モータを停止する停止指示を出力する。
ステップS72では、モータ逆転停止待ち状態にする。
ステップS73では、ドア閉時間の延長の通知が有る場合、延長の有無が判断される。
ステップS74では、モータ制御部2に対して、モータ逆転時の延長指示を出す。
ステップS75では、ドア閉時間の延長の通知の有無にかかわらず、ドア挟まり監視状態に遷移する。
[図20;(16)]
ステップS76では、モータ正転停止待ち状態で、停止通知の有無が判断される。
ステップS77では、停止通知が有る場合、モータ制御部2に、通常時間での逆転指示(ドア閉指示)を行う。本処理は、ドア開中での、車両上位システム300からのドア閉指示のため、画像処理部5の閉時間延長判断の処理は行わない。
ステップS78では、モータ逆転中状態にする。
[図20;(17)]
ステップS79では、モータ逆転停止待ち状態で、停止通知の有無が判断される。
ステップS80では、停止通知が有る場合、モータ制御部2に、通常時間での正転指示(ドア開指示)を行う。
ステップS81では、モータ正転中状態にする。
[図21;(14)、(9)、(13)]
ステップS82では、ドア挟まり監視中に車両上位システム300からのドア開指示の有無が判断される。
ステップS83では、ドア開指示が有る場合、ドア挟まり監視を中止する。
ステップS84では、ドア挟まり対応処理でドア停止要求中であるか否かが判断される。
ステップS85では、ドア停止要求中の場合、モータ制御部2のドア開閉終了イベントを待つ。
ステップS86では、モータ制御部2にモータ正転指示を出す。
ステップS87では、モータ正転中状態にする。
なお、ステップS82からステップS87では、ドア挟まり監視状態で、車両上位システム300からドア開指示がきたら、ドア挟まり監視を中止してドア開動作を行う。この時、自動開閉リトライは、リセットしない(挟まり動作実行回数カウンタは、0(クリア)にしない。)。これは、すでに閉動作に入っているので、車両の出発を遅らせないためである。
ステップS88では、ドア停止要求中ではない場合、正転中であるか否かが判断される。
ステップS89では、正転中の場合、モータ制御部2にモータ停止要求を出す。
ステップS90では、モータ制御部2のモータ停止イベント待ちにする。
ステップS91では、ドア開指示が無い場合、画像処理部5からのドア挟まり通知の有無が判断される。
ステップS92では、ドア挟まり通知が有る場合、ドア挟まり対応処理を起動する。
ステップS93では、ドア挟まり通知が無い場合、モータ制御部2から、モータ停止などのイベント通知の有無が判断される。
ステップS94では、イベント通知が有る場合、当該イベントを、ドア挟まり対応処理にそのまま通知する。通知を受けたドア挟まり処理は、通知内容に従った処理を順次行う。
[図22;(15)]
ステップS95では、ドア挟まり異常発生状態で、車両上位システム300からのドア開指示の有無が判断される。
ステップS96では、ドア開指示が有る場合、モータ制御部2に正転指示を行う。
ステップS97では、モータ正転中状態にする。
ステップS98では、ドア開指示が無い場合、ドア閉指示の有無が判断される。
ステップS99では、ドア閉指示が有る場合、モータ制御部2に逆転指示を行う。
ステップS100では、モータ逆転中状態にする。
[図23;(10)、(12)、(11)]
ステップS101では、ドア挟まり処理において、ドア挟まりが発生したら異常通知(ランプ、ブザーなどによる発報、車両上位システム300への通知)を行う。
ステップS102では、挟まり動作実行回数カウンタを更新する。
ステップS103では、挟まり動作実行回数カウンタが指定回数以下であるか否かが判断される。
ステップS104では、挟まり動作実行回数カウンタが指定回数以下の場合、モータ制御部2に対して、ドア閉を停止させる停止指示を出す。
ステップS105では、モータ制御部2からのイベントを待つ。
ステップS106では、ドア閉動作が停止したか否かが判断される。
ステップS107では、ドア閉動作が停止した場合、監視定義テーブル6のドア挟まり検出時の指定距離L4[mm]分、ドアを開けるようにモータ制御部2にドア開指示を出す。監視定義テーブル6の詳細については後述する。
ステップS108では、モータ制御部2からの完了イベントを待つ。
ステップS109では、モータ制御部2にドア閉指示を出す。
ステップS110では、モータ逆転中状態にする。
ステップS111では、画像処理部5にドア開イベントを送る。
ステップS112では、挟まり動作実行回数カウンタが指定回数を超えた場合、車両上位システム300に異常停止を通知する。
ステップS113では、ドア挟まり異常発生状態にし、ドア閉動作を停止する。その後は、乗務員からの開閉指示に従う。
ステップS114では、モータ制御部2からのイベントを待つ。
ステップS115では、ドア閉動作が停止したか否かが判断される。
ステップS116では、ドア閉動作が停止した場合、全体制御部1をドア挟まり異常発生状態にする。
図24は、監視定義テーブルの一例を示す図である。監視定義テーブル6には、例えば以下に示す情報が設定される。
(1)ドア閉の延長時間tw[ms]
(2)第1速度で閉まるドアの移動距離L1[mm]
(3)ドア閉時の第1段階での第1速度s1[mm/s]
(4)ドア閉時の第2段階での第2速度s2[mm/s]
(5)第2速度で閉まるドアの移動距離L2[mm]
(6)指定監視距離L3[mm]
(7)ドア挟まり検出時にドア開閉をリトライする指定回数m[回]
(8)ドア挟まり検出時にドアを開ける指定距離L4[mm]
図25は、乗降客情報ファイルの一例を示す図である。乗降客情報ファイル7には、例えば、以下に示す情報が記録される。なお、これらの情報は、画像データを、例えばADASで必要な10~15fpsの周期でサンプリングされる。
(1)乗車人数[人]
(2)ドアと乗客の距離[mm]
(3)乗客の移動速度[ms]
図26は、鏡が取り付けられた1枚扉式車両ドアの外観図である。図26には、1枚扉式車両ドアに、画像取り込み部32と反対側に凸面鏡(鏡50)を設け、カバー33を無くした構成例が示される。画像取り込み部32は、ドア又はドア近傍に設置される鏡50に映し出される当該ドアの周囲に存在する人を撮像する。図27は、鏡が取り付けられていない場合の撮像範囲(斜線で示す範囲)であり、図28は、鏡が取り付けられている場合の撮像範囲(斜線で示す範囲)である。図27に示すように、画像取り込み部32がドア中央に設置される場合、ドアの厚みを2a(一枚のドアの厚みが1a)とし、ドア幅を2b(一枚のドアの幅が1b)としたとき、撮像範囲は、360°-4θ(θ=tan-1a/b)により計算される。画像取り込み部32は、例えば、180°などの広角レンズを使用する。図27の例では、ドアの厚み分の視界が遮られる。図28の例では、撮像範囲が、画像取り込み部32を中央に置いた場合よりも広げることができる。
図29は、1つの鏡と1つの画像取り込み部が取り付けられた2枚扉式車両ドアの外観図である。図29では、画像取り込み部32及び鏡50が邪魔にならないように、2枚扉のうち、一方の扉の上端付近に一つの画像取り込み部32が設置され、もう一方の扉の上端付近に一つの鏡50が設置される。図29の例では、2枚扉のそれぞれに鏡50を設ける形態に比べて、鏡50の個数を削減でき、製造コストが低減する。
図30は、2つの画像取り込み部が取り付けられた2枚扉式車両ドアの外観図である。図30では、2枚扉のそれぞれの端部に、画像取り込み部32が互いに向き合うように設置されている。図30の例では、撮像範囲の死角を軽減して鮮明な画像が得られる。
以上に説明したように、本実施の形態に係る車両ドア制御装置は、ニューラルネットワークを用いて、撮像部からの画像データに基づき、ドアを通過する人がドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測し、人がドアに挟まれ得る状態と予測されたとき、ドアの閉動作を制御するように構成されている。
ドア閉時の駆け込み乗車による車両遅延が常態化し、また、駆け込み乗車により乗客が怪我をした場合には、損害賠償請求や訴訟などの対応を迫られることがある。これらが駅係員、乗務員等の精神的負担となっている。本実施の形態に係る車両ドア制御装置によれば、駅係員、乗務員等などがドア挟まり監視をしなくとも、自動的に挟まり監視と挟まりを防ぐ動作を行うことができる。したがって、乗務員などの精神的負担を軽減しながら、乗降客の安全性を大幅に向上させることができる。特にラッシュ時などにおいては、乗務員などによる監視が困難な状況でも、本実施の形態に係る車両ドア制御装置が挟まり監視をサポートするため、挟み込みによるダイヤの乱れの増大を抑制できるという効果が得られる。
また、本実施の形態に係る車両ドア制御装置によれば、ドアに向かってくる人がドアに挟まると判断された場合、ドア閉動作中に、ドア閉速度を低下させることで、ドア全閉までの時間を長くできる。これにより、人がドアに挟まる確率を大幅に低減できる。
また、本実施の形態に係る車両ドア制御装置によれば、ドアに向かってくる人がドアに挟まると判断された場合、ドアの閉動作を停止して、ドアを少し開いてから、再びドアを閉める動作を行う。再度、挟まりそうになることもあるため、この手順を指定回数分繰り返す。それでも解決しない場合には、警告を発して(ブザー、ランプ等)、ドアが開いた状態で閉動作を停止し、車両上位システムからの指示に従う。
なお、本実施の形態は、乗車する人に対するドア閉動作だけでなく降車する人に対するドア閉動作にも適用できる。
以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1 :全体制御部
2 :モータ制御部
3 :出力部
5 :画像処理部
32 :画像取り込み部
33 :カバー
34 :緩衝材
36 :バネ
37 :固定部材
40 :ドア
50 :鏡
200 :車両ドア制御装置
300 :車両上位システム

Claims (17)

  1. 鉄道車両のドアの周囲に存在する人を撮像する撮像部と、
    前記撮像部からの画像データに基づき、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測する予測部と、
    前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあると予測されたとき、前記ドアの閉動作を制御するドア制御部と、
    前記ドアの上部に配置される鴨居部に設けられる前記撮像部を覆うと共に、前記ドアを通過する前記人の前記撮像部への衝突を防止する保護部材と、を備え、
    前記ドア制御部は、前記ドアの閉時間を延長すれば前記人が前記ドアに挟まれないと予測されるとき、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長する、車両ドア制御装置。
  2. 前記ドア制御部は、前記ドアの閉時間を延長すれば複数の前記人の全てが前記ドアに挟まれないと予測されるとき、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長する、請求項1に記載の車両ドア制御装置。
  3. 前記ドア制御部は、前記ドアの閉時間を延長しても前記人が前記ドアに挟まれると予測されるとき、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長することをしない、請求項1又は2に記載の車両ドア制御装置。
  4. 前記ドア制御部は、前記ドアの閉時間を延長しても複数の前記人の中で前記ドアに挟まれる人が含まれると予測されるとき、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長することをしない、請求項3に記載の車両ドア制御装置。
  5. 鉄道車両のドアの周囲に存在する人を撮像する撮像部と、
    前記撮像部からの画像データに基づき、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測する予測部と、
    前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあると予測されたとき、前記ドアの閉動作を制御するドア制御部と、
    前記ドアの上部に配置される鴨居部に設けられる前記撮像部を覆うと共に、前記ドアを通過する前記人の前記撮像部への衝突を防止する保護部材と、を備え、
    前記ドア制御部は、前記人の数が所定人数以上の場合、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長することをしない、車両ドア制御装置。
  6. 前記保護部材は、前記撮像部を覆い、かつ、前記撮像部との間に空間を形成するように配置される、請求項1からのいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  7. 前記保護部材は、断面が湾曲形状又は四角形状である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  8. 前記保護部材は、緩衝材により可動する、請求項1からのいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  9. 前記保護部材は、前記保護部材への前記人の衝突時に移動する、請求項1からのいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  10. 前記ドア制御部は、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態と予測されたときの前記ドアの閉じる速度を変化させる、請求項1からのいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  11. 前記ドア制御部は、第1速度で前記ドアを全閉にすると前記人が挟まれ、かつ、前記第1速度よりも遅い第2速度で前記ドアを全閉にすると前記人が挟まれない場合、前記第2速度で前記ドアを閉じる、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  12. 前記ドア制御部は、前記人が前記ドアに挟まれ得るとき、前記ドアの閉動作を停止し、停止後に前記ドアの開閉動作を行う、請求項1から11のいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  13. 前記予測部は、前記ドアを閉じる指示が入力される前に、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測する、請求項1から12のいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  14. 前記撮像部は、鏡に映し出される前記ドアの周囲に存在する人を撮像する、請求項1から13のいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  15. 前記ドアの開閉の際に異常が発生したことを報知する報知部を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の車両ドア制御装置。
  16. 鉄道車両のドアの上部に配置される鴨居部に設けられる撮像部を覆うと共に、前記ドアを通過する人の前記撮像部への衝突を防止する保護部材を備える車両ドア制御装置が行う車両ドア制御方法であって、
    前記ドアの周囲に存在する人を撮像する前記撮像部からの画像データに基づき、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測し、
    前記ドアの閉時間を延長すれば前記人が前記ドアに挟まれないと予測されるとき、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長する、
    車両ドア制御方法。
  17. 鉄道車両のドアの上部に配置される鴨居部に設けられる撮像部を覆うと共に、前記ドアを通過する人の前記撮像部への衝突を防止する保護部材を備える車両ドア制御装置が行う車両ドア制御方法であって、
    前記ドアの周囲に存在する人を撮像する前記撮像部からの画像データに基づき、前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあるか否かを予測し、
    前記人が前記ドアに挟まれ得る状態にあると予測されたとき、前記ドアの閉動作を制御し、
    前記人の数が所定人数以上の場合、前記ドアの閉動作中に前記ドアの閉速度を低下させることで前記ドアの閉時間を延長することをしない、
    車両ドア制御方法。
JP2020004684A 2020-01-15 2020-01-15 車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法 Active JP7472497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020004684A JP7472497B2 (ja) 2020-01-15 2020-01-15 車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020004684A JP7472497B2 (ja) 2020-01-15 2020-01-15 車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021109632A JP2021109632A (ja) 2021-08-02
JP7472497B2 true JP7472497B2 (ja) 2024-04-23

Family

ID=77058943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020004684A Active JP7472497B2 (ja) 2020-01-15 2020-01-15 車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7472497B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005525277A (ja) 2002-05-14 2005-08-25 オーチス エレベータ カンパニー ニューラル・ネットワークによる、エレベータードア内の障害物の存在とエレベータードアに向かう動きの検出

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10278788A (ja) * 1997-04-11 1998-10-20 Nippon Signal Co Ltd:The ドア開閉制御装置
GB2544122A (en) * 2015-11-06 2017-05-10 Bombardier Transp Gmbh Rail vehicle provided with an internally mounted video camera with external field of vision

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005525277A (ja) 2002-05-14 2005-08-25 オーチス エレベータ カンパニー ニューラル・ネットワークによる、エレベータードア内の障害物の存在とエレベータードアに向かう動きの検出

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021109632A (ja) 2021-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3192762B1 (en) Elevator system
CN1956908B (zh) 用于乘客运输系统的乘客引导系统
JP5813893B1 (ja) 車両用窓ガラス昇降装置、車両用ドア、および車両
JP2004527675A (ja) カメラによって動きを管理された安全装置
CN107250478B (zh) 控制门组件的方法、和该类门组件及用于该门组件的安全装置
CN107148507B (zh) 智能型自动关闭门
EP3527525A1 (en) Elevator door control system for detection of obstacle trapping
CN112340577B (zh) 电梯的使用者探测系统
JP7472497B2 (ja) 車両ドア制御装置及び車両ドア制御方法
JP7108115B2 (ja) 車両扉開閉検知装置
CN111704012A (zh) 电梯的使用者检测系统
CN113023518B (zh) 电梯利用者检测系统
JP5380819B2 (ja) エレベータのドア制御装置
JP5932580B2 (ja) 出入り口装置およびエレベータ装置
JP7220064B2 (ja) データ記録装置、データ記録方法および自動ドアシステム
US9932103B2 (en) Control method and device for aircraft door and aircraft door incorporating same
JP7009411B2 (ja) エレベータの利用者検知システム
JP2004068515A (ja) 開閉装置の物体検出システム
JP5476768B2 (ja) エレベータの安全装置
CN112456287B (zh) 电梯的使用者探测系统
CN111268539B (zh) 电梯的异物检测系统
EP4239152A1 (en) Door monitoring system and method
US20230278570A1 (en) Door monitoring system and method
JP2010235283A (ja) エレベータの安全装置
JP7516582B1 (ja) エレベータシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7472497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150