JP7472260B2 - 位相差フィルム、円偏光板、表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、円偏光板、表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、位相差フィルム、円偏光板、および、表示装置に関する。
屈折率異方性を持つ位相差フィルムは、表示装置の反射防止膜、および、液晶表示装置の光学補償フィルムなどの種々の用途に適用されている。
各種用途への適用の点から、位相差フィルムに関しては、Nz係数が0.50近傍(具体的には、0.40~0.60程度)であることが求められている。特許文献1においては、上記のようなNz係数を満たす位相差フィルムとして、構造性複屈折を発現する層分離構造を含む位相差フィルムが開示されている。
国際公開第2018/221276号
一方で、位相差フィルムに関しては、逆波長分散性を示すことが求められている。
本発明者は、特許文献1に記載の位相差フィルムの特性を検討したところ、逆波長分散性は示しておらず、更なる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、逆波長分散性を示し、かつ、Nz係数が0.50近傍(具体的には、0.40~0.60)を示す位相差フィルムを提供することを課題とする。
また、本発明は、円偏光板および表示装置を提供することも課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 基板と、基板上に配置された構造複屈折部材とを有し、
構造複屈折部材が、一方向に延在する延在部を一方向と直交する方向に周期的に複数配置してなる部材であり、
延在部が、液晶化合物を配向させて固定してなる部材であり、
延在部の遅相軸の方向が、一方向と略平行であり、
構造複屈折部材が、後述する要件1または要件2を満たす、位相差フィルム。
(2) 延在部が配置される周期に対する、延在部の高さの比が、1.00~2.00である、(1)に記載の位相差フィルム。
(3) 延在部が、重合性基を2つ以上有し、逆波長分散性を示す液晶化合物を含む組成物を用いて形成された部材である、(1)または(2)に記載の位相差フィルム。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の位相差フィルムと、
偏光子と、を有する、円偏光板。
(5) (1)~(3)のいずれかに記載の位相差フィルム、または、(4)に記載の円偏光板を有する、表示装置。
本発明によれば、逆波長分散性を示し、かつ、Nz係数が0.50近傍(具体的には、0.40~0.60)を示す位相差フィルムを提供できる。
また、本発明によれば、円偏光板および表示装置を提供できる。
本発明の位相差フィルムの一実施態様の概略斜視図である。 図1の位相差フィルムのyz断面図である。 図1の位相差フィルムの延在部を含む位置でのxz断面図である。 位相差フィルムを製造する方法を説明するための概略断面図である。 位相差フィルムを製造する方法を説明するための概略断面図である。 位相差フィルムを製造する方法を説明するための概略断面図である。 位相差フィルムを製造する方法を説明するための概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
遅相軸は、特別な断りがなければ、550nmにおける定義である。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan(Axometrics社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、上記ReおよびRthを測定する際の屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルターとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
また、本明細書において、Nz係数とは、Nz=(nx-nz)/(nx-ny)で与えられる値である。
本明細書中における「光」とは、活性光線または放射線を意味し、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、紫外線、および、電子線(EB:Electron Beam)などを意味する。なかでも、紫外線が好ましい。
本明細書では、「可視光」とは、波長400~700nmの光のことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
本明細書において表記される2価の基(例えば、-COO-)の結合方向は特に制限されず、例えば、X-L-Y中のLが-COO-である場合、X側に結合している位置を*1、Y側に結合している位置を*2とすると、Lは*1-O-CO-*2であってもよく、*1-CO-O-*2であってもよい。
本発明の位相差フィルムにおいては、所定の要件を満たす構造複屈折部材を用いることにより、逆波長分散性、かつ、0.5近傍のNz係数が達成されている。
<位相差フィルム>
以下に、本発明の位相差フィルムの一実施態様について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の位相差フィルムの一実施態様の概略斜視図を示す。また、図2は、図1の位相差フィルムのyz断面図(yz断面の一部拡大図)を示す図であり、図3は、図1の位相差フィルムの延在部を含む位置でのxz断面図(xz断面の一部拡大図)を示す図である。
図1に示すように、位相差フィルム10は、基板12と、基板12上に配置された構造複屈折部材14とを有する。構造複屈折部材14は、4つの延在部16から構成される。各延在部16はx方向に延在し、延在部16同士はy方向(延在部16が延在する方向と直交する方向)に周期的に配置されている。
図1において、延在部16は4つしか記載されていないが、その数は特に制限されず、4つ超であってもよい。延在部の数は、10000以上が好ましく、1000000以上がより好ましい。
図1に示すように、複数の延在部16の形状は通常同一の形状を有しているが、この態様に限定されず、延在部16同士が異なる形状であってもよい。
図1において、延在部16は、x方向に延在する。
また、延在部16の延在する方向と直交する断面(yz断面)における形状は、図1においては台形状である。つまり、延在部16は、一方向に延在し、延在する方向と直交する断面における断面形状が台形状である部材である。なお、延在部の断面形状は、この態様に限定されず、例えば、長方形状、および、半円状であってもよい。
なお、延在部16の延在する方向と直交する断面における断面形状が台形状である場合、図2に示すような、延在部16の基板側の辺16a(断面における延在部16の基板12と接している辺)と斜辺16bとのなす角θ1の大きさは特に制限されないが、70~90°が好ましく、80~90°がより好ましい。
図1および図2に示すように、延在部16はy方向に沿って所定の周期Pごとに配置されている。なお、周期Pは延在部16の中心間の距離に該当する。上記延在部16の中心とは、延在部16が延在する方向と直交する方向における、延在部16の中心位置(延在部16の幅方向の真ん中の位置)を意味する。
図2に示すように、延在部16が配置される周期Pに対する、延在部の高さHの比(延在部の高さ/延在部が配置される周期)は、逆波長分散性がより優れる点、および、Nz係数が0.5により近い点の少なくとも一方の効果が得られる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)から、1.00~2.00が好ましく、1.00~1.80がより好ましい。
延在部16の高さHは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点から、300~1000nmが好ましく、500~800nmがより好ましい。
延在部16の周期Pは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点から、700nm以下が好ましく、600nm以下がより好ましい。また、下限に関しては、200nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましい。
なお、後段で詳述するように、位相差フィルムは、以下の要件2を満たす場合がある。
要件2:延在部が配置される周期が700nm以下である。
延在部16の延在する方向と直交する断面における最大幅は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点から、200~650nmが好ましく、250~600nmがより好ましい。
上記最大幅とは、延在部の延在する方向と直交する断面にて、基板と平行な方向に沿った延在部の最も大きな幅に該当し、例えば、延在部16が図2に示すような台形状である場合、辺16aの長さが最大幅に該当する。
上記位相差フィルムは、後述する第1実施態様または第2実施態様で規定する要件を満たす。
本発明の位相差フィルムは、延在部が、液晶化合物を配向させて固定してなる部材であり、延在部の遅相軸(面内遅相軸)の方向が、延在部が延在する一方向と略平行であり、構造複屈折部材が、以下の要件1または2を満たす。
要件1:液晶化合物が逆波長分散性を示す液晶化合物である。
要件2:延在部が配置される周期が、700nm以下である。
以下、上記態様について詳述する。
本発明の位相差フィルムにおいて、延在部は、液晶化合物を配向させて固定してなる部材であり、延在部の遅相軸の方向が、延在部が延在する一方向と略平行である。
以下、液晶化合物が棒状液晶化合物である場合を例にして説明する。
図3は、位相差フィルム10の延在部のxz断面図(一部拡大図)である。図3に示す、延在部16は、液晶化合物LCを配向させて固定してなる部材である。図3においては、延在部16は、ホモジニアス配向した棒状液晶化合物を固定してなる部材である。つまり、ホモジニアス配向した棒状液晶化合物の配向状態を固定してなる部材である。
なお、「固定した」状態は、液晶化合物の配向が保持された状態である。具体的には、通常、0~50℃、より過酷な条件下では-30~70℃の温度範囲において、部材に流動性がなく、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定された配向形態を安定に保ち続けることができる状態であることが好ましい。
本明細書において、ホモジニアス配向とは、液晶化合物の分子軸(例えば、棒状液晶化合物の場合には長軸が該当)が部材表面に対して水平に、かつ、同一方位に配列している状態(光学的一軸性)をいう。
ここで、水平とは、厳密に水平であることを要求するものでなく、液晶化合物の平均分子軸が部材表面とのなす傾斜角が20°未満の配向を意味するものとする。
また、同一方位とは、厳密に同一方位であることを要求するものでなく、面内の任意の20か所の位置で遅相軸の方位を測定したとき、20か所での遅相軸の方位のうちの遅相軸方位の最大差(20個の遅相軸方位のうち、差が最大となる2つの遅相軸方位の差)が10°未満であることを意味するものとする。
また、図3においては、延在部16の遅相軸の方向が、延在部16が延在する一方向(x方向)と略平行である。
略平行とは、延在部16の遅相軸の方向と、延在部16が延在する一方向とのなす角度(鋭角)が5°以下の範囲内(0~5°の範囲内)であることを意味し、3°以下の範囲内(0~3°の範囲内)であることが好ましい。
延在部の遅相軸の方向の測定方法としては、以下の通りである。
光学的に等方性の素材(例えば、イマージョンオイルなどの等方性液体、または、透明かつ硬化性の液状組成物を充填後硬化して得られる硬化物。透明かつ硬化性の液状組成物としては、例えば、透明紫外線硬化型接着剤として利用可能な、アクリレート組成物またはエポキシ組成物が好ましい。)を延在部間に充填した後に、偏光ラマン測定法を実施することにより、延在部の遅相軸の方向を得ることができる。より具体的には、偏光ラマン測定は、東京インスツルメンツ社製NanoFinder30を用いて、励起レーザー波長を785nm、励起レーザー出力を試料部で約30mWに設定して測定する。レーザー偏光が入射する試料の面の方位と入射レーザー偏光の電場方向がなす角度を0°から180°まで15°ごとに変えて測定し、散乱光の成分のうち入射レーザー偏光電場と平行な偏光成分(I平行)と垂直な偏光成分(I垂直)とを、検光子を用いてそれぞれ分光検出する。さらに、分子骨格に由来するピークをもつバンドに対し、理論的に導いた式により2次の配向パラメータ、および、4次の配向パラメータを変数として最小二乗法に基づくフィッティング解析を行い、遅相軸方向を得る。
また、第1実施態様においては、構造複屈折部材は上述した要件1または要件2を満たす。上記要件1または要件2が満たされれば、位相差フィルムの逆波長分散性が達成される。
要件1は、延在部を構成する液晶化合物が、逆波長分散性を示す液晶化合物であることを意味する。
本明細書において「逆波長分散性を示す液晶化合物」とは、この化合物を用いて作製された光学異方性膜の特定波長(可視光範囲)における面内のレタデーション(Re)値を測定した際に、以下の式(A)および式(B)の関係を満たすものをいう。
式(A) Re(450)/Re(550)<1.00
式(B) Re(650)/Re(550)≧1.00
Re(450)は波長450nmにおける光学異方性膜の面内レタデーションを表し、Re(550)は波長550nmにおける光学異方性膜の面内レタデーションを表し、Re(650)は波長650nmにおける光学異方性膜の面内レタデーションを表す。
なお、逆波長分散性を示す液晶化合物の具体例については、後段で詳述する。
また、順波長分散性を示す液晶化合物とは、この化合物を用いて作製された光学異方性膜の特定波長(可視光範囲)における面内のレタデーション(Re)値を測定した際に、以下の式(E)および式(F)の関係を満たすものをいう。
式(E) Re(450)/Re(550)≧1.00
式(F) Re(650)/Re(550)<1.00
また、要件2は、周期的に配置される延在部の周期が、700nm以下であることを意味する。延在部の周期は、700nm以下が好ましく、600nm以下がより好ましい。下限に関しては、200nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましい。
延在部の周期が700nm以下であると、延在部の周期と可視光領域の光の波長と同程度の大きさになる。このような場合、より長波長の光に対しては延在部の影響により構造複屈折部材のx方向とy方向との屈折率差が生じやすい。そのため、例えば、波長650nmにおける構造複屈折部材のx方向とy方向との屈折率差は、波長450nmにおける構造複屈折部材のx方向とy方向との屈折率差よりも大きくなり、結果として、逆波長分散性が達成される。
また、基板と延在部とは、同一の材料で構成されていてもよい。つまり、基板と延在部とが、別々の部材で構成されずに、一体的に構成されていてもよい。
<位相差フィルムの製造方法>
上述した位相差フィルムの製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用される。
位相差フィルムを製造する方法としては、いわゆるインプリント法、および、マスク露光法が挙げられる。
インプリント法としては、具体的には、基板上に液晶化合物を含む組成物を塗布して塗膜を形成し、塗膜中の液晶化合物を配向させた後、表面に凹凸構造を有する金型を塗膜に押し当てて金型の凹凸構造を塗膜に転写して、基板上に構造複屈折部材を形成する方法が挙げられる。
マスク露光法としては、具体的には、基板上に重合性基を有する液晶化合物を含む組成物を塗布して塗膜を形成し、塗膜中の液晶化合物を配向させた後、所定のパターンのマスクを介して塗膜を露光して、未露光部を除去することにより、基板上に構造複屈折部材を形成する方法が挙げられる。
生産性の点からは、インプリント法が好ましい。以下、インプリント法について詳述する。
インプリント法は、以下の工程を有する。
工程1:基板上に液晶化合物を含む組成物を塗布して塗膜を形成する工程
工程2:塗膜中の液晶化合物を配向させる工程
工程3:表面に凹凸構造を有する金型を塗膜に押し当てて金型の凹凸構造を塗膜に転写する工程
なお、使用される液晶化合物が重合性基を有する場合、工程3の後、以下の工程4を実施することが好ましい。
工程4:金型の凹凸構造が転写された塗膜に対して、硬化処理を施す工程
以下、各工程の手順および使用される材料について詳述する。
(工程1)
工程1は、基板上に液晶化合物を含む組成物を塗布して塗膜を形成する工程である。本工程を実施することにより、図4に示すように、基板12上に塗膜18が形成される。
以下では、まず、使用される部材および材料について詳述する。
使用される基板は、組成物を塗布するための基材として機能を有する部材である。基板は、いわゆる仮基板(仮支持体)であってもよい。
基板(仮基板)としては、プラスチック基板およびガラス基板が挙げられる。プラスチック基板を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、および、ポリビニルアルコールが挙げられる。
基板の厚みは、5~1000μm程度であればよく、10~250μmが好ましく、15~90μmがより好ましい。
なお、必要に応じて、基板上には、配向膜を配置してもよい。
配向膜は、一般的には、ポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマーとしては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手できる。配向膜用ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリイミド、または、その誘導体が好ましい。
なお、配向膜には、公知のラビング処理が施されることが好ましい。
また、配向膜としては、光配向膜を用いてもよい。
配向膜の厚みは、0.01~10μmが好ましく、0.01~1μmがより好ましい。
液晶化合物の種類は、特に制限されない。一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、液晶化合物は、低分子タイプと高分子タイプとの分類できる。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井正男著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物を用いるのが好ましく、棒状液晶化合物を用いるのがより好ましい。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上のディスコティック液晶化合物、または、棒状液晶化合物とディスコティック液晶化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1、および、特開2005-289980号公報の段落0026~0098に記載の液晶化合物が挙げられる。
ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落0020~0067、および、特開2010-244038号公報の段落0013~0108に記載の液晶化合物が挙げられる。
液晶化合物は、重合性基を有することが好ましい。つまり、液晶化合物は、重合性液晶化合物であることが好ましい。液晶化合物が重合性基を有する場合、後述する硬化処理によって、液晶化合物の配向状態を容易に固定化できる。
液晶化合物が有する重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、または、アリル基がさらに好ましい。
液晶化合物が有する重合性基の数は特に制限されないが、2以上が好ましい。上限は特に制限されないが、10以下の場合が多い。
液晶化合物は、逆波長分散性を示すことが好ましく、重合性基を2つ以上有し、逆波長分散性を示す液晶化合物がより好ましい。
液晶化合物としては、式(X)で表される重合性液晶化合物が好ましい。
式(X)で表される重合性液晶化合物は、液晶性を示す化合物である。
-G-D-Ar-D-G-L ・・・(X)
式(X)中、DおよびDは、それぞれ独立に、単結合、-O-、-CO-、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR-、-CR-CR-、-O-CR-、-CR-O-CR-、-CO-O-CR-、-O-CO-CR-、-CR-CR-O-CO-、-CR-O-CO-CR-、-CR-CO-O-CR-、-NR-CR-、または、-CO-NR-を表す。
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。R、R、RおよびRのそれぞれが複数存在する場合には、複数のR、複数のR、複数のRおよび複数のRはそれぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
およびGは、それぞれ独立に、炭素数5~8の2価の脂環式炭化水素基、複数の上記脂環式炭化水素基が連結してなる基、芳香族炭化水素基、または、複数の上記芳香族炭化水素基が連結してなる基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、-O-、-S-、または-NH-で置換されていてもよい。
複数の上記脂環式炭化水素基が連結してなる基とは、炭素数5~8の2価の脂環式炭化水素基同士が単結合で連結してなる基を意味する。また、複数の上記芳香族炭化水素基が連結してなる基とは、芳香族炭化水素基同士が単結合で連結してなる基を意味する。
およびLはそれぞれ独立に、1価の有機基を表し、LおよびLからなる群から選ばれる少なくとも1種が、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、式(Ar-1)~(Ar-7)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す。
上記式(Ar-1)中、Qは、NまたはCHを表し、Qは、-S-、-O-、または、-N(R)-を表し、Rは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、Yは、置換基を有してもよい、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3~12の芳香族複素環基を表す。
が示す炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基が挙げられる。
が示す炭素数6~12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、および、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
が示す炭素数3~12の芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、および、ピリジル基などのヘテロアリール基が挙げられる。
また、Yが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、および、ハロゲン原子が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1~18のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、および、シクロヘキシル基)がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、および、環状のいずれであってもよい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、および、メトキシエトキシ基)がより好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基がさらに好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子が挙げられ、中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
また、上記式(Ar-1)~(Ar-7)中、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OR、-NR10、または、-SR11を表し、R~R11は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、ZおよびZは、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~15のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ペンチル基(1,1-ジメチルプロピル基)、tert-ブチル基、または、1,1-ジメチル-3,3-ジメチル-ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、または、tert-ブチル基が特に好ましい。
炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、および、エチルシクロヘキシル基などの単環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、および、シクロデカジエンなどの単環式不飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、および、アダマンチル基などの多環式飽和炭化水素基;などが挙げられる。
炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、ナフチル基、および、ビフェニル基が挙げられ、炭素数6~12のアリール基(特にフェニル基)が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子、または、臭素原子が好ましい。
~R11が示す炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基が挙げられる。
また、上記式(Ar-2)および(Ar-3)中、AおよびAは、それぞれ独立に、-O-、-N(R12)-、-S-、および、-CO-からなる群から選択される基を表し、R12は、水素原子または置換基を表す。
12が示す置換基としては、上記式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar-2)中、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14~16族の非金属原子を表す。
また、Xが示す第14~16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換基を有する窒素原子、および、置換基を有する炭素原子が挙げられ、置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキル置換アルコキシ基、環状アルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、および、ナフチル基)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルキルカルボニル基、スルホ基、および、水酸基が挙げられる。
また、上記式(Ar-3)中、DおよびDは、それぞれ独立に、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1a2a-、-CR3a=CR4a-、-NR5a-、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R1a~R5aは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
ここで、2価の連結基としては、例えば、-CO-、-O-、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR1b2b-、-CR1b2b-CR1b2b-、-O-CR1b2b-、-CR1b2b-O-CR1b2b-、-CO-O-CR1b2b-、-O-CO-CR1b2b-、-CR1b2b-O-CO-CR1b2b-、-CR1b2b-CO-O-CR1b2b-、-NR3b-CR1b2b-、および、-CO-NR3b-が挙げられる。R1b、R2bおよびR3bは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
また、上記式(Ar-3)中、SPおよびSPは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。置換基としては、上記式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
ここで、炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、および、へプチレン基が好ましい。
また、上記式(Ar-3)中、LおよびLは、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アリール基、および、ヘテロアリール基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、または、環状であってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~10がさらに好ましい。また、アリール基は、単環であっても多環であってもよいが単環が好ましい。アリール基の炭素数は、6~25が好ましく、6~10がより好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子、または、酸素原子が好ましい。ヘテロアリール基の炭素数は6~18が好ましく、6~12がより好ましい。また、アルキル基、アリール基、および、ヘテロアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar-4)~(Ar-7)中、Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
また、上記式(Ar-4)~(Ar-7)中、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
ここで、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが互いに結合して環を形成していてもよい。
また、Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
AxおよびAyとしては、特許文献2(国際公開第2014/010325号)の段落[0039]~[0095]に記載されたものが挙げられる。
また、Qが示す炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基が挙げられ、置換基としては、上記式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(X)で表される液晶化合物の各置換基の定義および好ましい範囲については、特開2012-021068号公報に記載の化合物(A)に関するD、D、G、G、L、L、R、R、R、R、X、Y、Q、Qに関する記載をそれぞれD、D、G、G、L、L、R、R、R、R、Q、Y、Z、およびZについて参照でき、特開2008-107767号公報に記載の一般式(I)で表される化合物についてのA、A、およびXに関する記載をそれぞれA、A、およびXについて参照でき、国際公開第2013/018526号に記載の一般式(I)で表される化合物についてのAx、Ay、Qに関する記載をそれぞれAx、Ay、Qについて参照できる。Zについては特開2012-021068号公報に記載の化合物(A)に関するQの記載を参照できる。
特に、LおよびLで示される有機基としては、それぞれ、-D-G-Sp-Pで表される基であることが好ましい。
は、Dと同義である。
は、単結合、炭素数6~12の2価の芳香環基若しくは複素環基、複数の上記芳香環基もしくは複素環基が連結してなる基、炭素数5~8の2価の脂環式炭化水素基、または、複数の上記脂環式炭化水素基が連結してなる基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、-O-、-S-またはNR-で置換されていてもよく、ここでRは水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。
複数の上記芳香環基もしくは複素環基が連結してなる基とは、炭素数6~12の2価の芳香環基もしくは複素環基同士が単結合で連結してなる基を意味する。また、複数の上記脂環式炭化水素基が連結してなる基とは、炭素数5~8の2価の脂環式炭化水素基同士が単結合で連結してなる基を意味する。
としては、2個のシクロヘキサン環が単結合を介して結合した基も好ましい。
Spは、単結合、-(CH-、-(CH-O-、-(CH-O-)-、-(CHCH-O-)、-O-(CH-、-O-(CH-O-、-O-(CH-O-)-、-O-(CHCH-O-)、-C(=O)-O-(CH-、-C(=O)-O-(CH-O-、-C(=O)-O-(CH-O-)-、-C(=O)-O-(CHCH-O-)、-C(=O)-N(R)-(CH-、-C(=O)-N(R)-(CH-O-、-C(=O)-N(R)-(CH-O-)-、-C(=O)-N(R)-(CHCH-O-)、または、-(CH-O-(C=O)-(CH-C(=O)-O-(CH-で表されるスペーサー基を表す。ここで、nは2~12の整数を表し、mは2~6の整数を表し、Rは水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。また、上記各基における-CH-の水素原子は、メチル基で置換されていてもよい。
は重合性基を示す。
重合性基は特に制限されないが、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基が挙げられ、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性が挙げられ、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基が挙げられる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基がより好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
なお、本明細書において、「アルキル基」は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、および、シクロヘキシル基が挙げられる。
組成物中における液晶化合物の含有量は特に制限されないが、液晶組成物中の全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、90質量%以下の場合が多い。
なお、固形分とは、溶媒を除去した構造複屈折部材を形成し得る成分を意味し、その性状が液体状であっても固形分とする。
組成物は、液晶化合物以外の他の成分を含んでいてもよい。
組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、カーボネート系溶媒、ケトン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭素系溶媒、水、および、アルコール系溶媒が挙げられる。
また、組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。組成物が重合開始剤を含む場合、より効率的に重合性基を有する液晶化合物の重合が進行する。
重合開始剤としては公知の重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤、および、熱重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤が好ましい。
組成物中における重合開始剤の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
組成物は、液晶化合物とは異なる重合性モノマーを含んでいてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性化合物、および、カチオン重合性化合物が挙げられ、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。重合性モノマーとしては、例えば、特開2002-296423号公報中の段落0018~0020に記載の重合性モノマーが挙げられる。
重合性モノマーは、非液晶化合物(液晶性を示さないモノマー)であることが好ましく、重合性基を2つ以上有する非液晶化合物であることがより好ましい。
組成物中の重合性モノマーの含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、1~50質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
組成物は、上述した成分以外にも、界面活性剤、および、配向制御剤などを含んでいてもよい。
基板上に組成物を塗布する方法は特に制限されず、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、および、ダイコーティング法が挙げられる。
なお、必要に応じて、組成物の塗布後に、基板上に塗布された塗膜を乾燥する処理を実施してもよい。乾燥処理を実施することにより、塗膜から溶媒を除去できる。
なお、後述する工程2において液晶化合物を所定の方向に配向させるため、基板として、表面にラビング処理が施された基板を用いてもよい。また、上述したように、基板上に所定のラビング処理が施された配向膜を配置してもよい。
(工程2)
工程2は、塗膜中の液晶化合物を配向させる工程である。
液晶化合物を配向させる処理は特に制限されないが、加熱処理が好ましい。
加熱処理の条件としては、使用される液晶化合物に応じて最適な条件が選択される。
なかでも、加熱温度としては、10~250℃の場合が多く、40~150℃の場合がより多く、50~130℃の場合がさらに多い。
加熱時間としては、0.1~60分間の場合が多く、0.2~5分間の場合がより多い。
液晶化合物の配向状態は、塗膜中の材料によって異なる。配向状態としては、例えば、ホモジニアス配向が挙げられる。
(工程3)
工程3は、表面に凹凸構造を有する金型を塗膜に押し当てて金型の凹凸構造を塗膜に転写する工程である。本工程では、図5に示すように、支持体20上に複数の凸部22が配置された、表面に凹凸構造を有する金型24を用意して、図6に示すように金型24を塗膜18に押し当てて金型の凹凸構造を塗膜18に転写する。
本工程で使用される金型は、塗膜に上述した構造複屈折部材の形状に転写できる金型が適宜採用される。例えば、図5においては、一方向に延在し、延在する方向と直交する断面における断面形状が台形状である凸部22が支持体20上に配置されている。また、複数の凸部22は、延在する方向と直交する方向に沿って、周期的に配置されている。この凸部22の周期を調整することにより、構造複屈折部材中の延在部の周期を調整できる。また、凸部22の高さを調整することにより、延在部の高さを調整できる。
なお、図5における凸部22の支持体20側の辺と斜辺とのなす角θ2の大きさは特に制限されないが、70~90°が好ましく、80~90°がより好ましい。
金型を塗膜に対して押し当てる際には、金型を加熱して押し当てることが好ましい。金型の加熱温度は特に制限されないが、塗膜への転写がより良好に進行する点から、90~130℃が好ましく、100~120℃がより好ましい。
(工程4)
なお、使用される液晶化合物が重合性基を有する場合、工程3の後、金型の凹凸構造が転写された塗膜に対して、硬化処理を施す工程4を実施することが好ましい。
硬化処理の方法は特に制限されず、光硬化処理および熱硬化処理が挙げられる。なかでも、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
紫外線照射には、紫外線ランプなどの光源が利用される。
光(例えば、紫外線)の照射量は特に制限されないが、一般的には、100~1000mJ/cm程度が好ましい。
硬化処理が施されて形成される延在部では、液晶化合物の配向状態が固定されている。
例えば、塗膜中の液晶化合物がホモジニアス配向していた場合には、延在部はホモジニアス配向した液晶化合物を固定してなる部材に該当する。
上記手順を実施した後、図7に示すように、金型24を剥離すると、上述した基板12と基板12上に配置された延在部16から構成される構造複屈折部材14とを有する位相差フィルムが形成される。
<位相差フィルムの特性>
位相差フィルムは、逆波長分散性を示す。なお、逆波長分散性とは、可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、面内のレタデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高く性質であり、本発明において、位相差フィルムが逆波長分散性を示すとは、以下の式(C)および式(D)の関係を満たしていればよい。
式(C) Re(450)/Re(550)<1.00
Re(450)は波長450nmにおける位相差フィルムの面内レタデーションを表し、Re(550)は波長550nmにおける位相差フィルムの面内レタデーションを表す。
なかでも、Re(450)/Re(550)は、0.97以下が好ましく、0.92以下がより好ましく、0.87以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、0.75以上の場合が多く、0.78以上が好ましい。
式(D) Re(650)/Re(550)≧1.00
Re(650)は波長650nmにおける位相差フィルムの面内レタデーションを表す。
なかでも、Re(650)/Re(550)は、1.00以上が好ましく、1.01以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましい。
位相差フィルムのNz係数は0.40~0.60であることが好ましく、0.45~0.60がより好ましい。
位相差フィルムのRe(550)は特に制限されないが、λ/4板として有用である点で、110~160nmが好ましく、120~150nmがより好ましい。
位相差フィルムのRth(550)は特に制限されないが、-50~40nmが好ましく、-40~30nmがより好ましい。
上述した位相差フィルムは、種々の用途に適用でき、例えば、位相差フィルムの面内レタデーションを調整して、いわゆるλ/4板またはλ/2板として用いることもできる。
なお、λ/4板とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。より具体的には、所定の波長λnmにおける面内レタデーションReがλ/4(または、この奇数倍)を示す板である。
λ/4板の波長550nmでの面内レタデーション(Re(550))は、理想値(137.5nm)を中心として、25nm程度の誤差があってもよく、例えば、110~160nmであることが好ましく、120~150nmであることがより好ましい。
また、λ/2板とは、特定の波長λnmにおける面内レタデーションRe(λ)がRe(λ)≒λ/2を満たす光学異方性膜のことをいう。この式は、可視光領域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。なかでも、波長550nmにおける面内レタデーションRe(550)が、以下の関係を満たすことが好ましい。
210nm≦Re(550)≦300nm
位相差フィルムは、基板および構造複屈折部材以外の他の部材を有していてもよい。
他の部材としては、上述した配向膜が挙げられる。
<偏光板>
上述し位相差フィルムは、偏光子と組み合わせて、偏光板として使用してもよい。特に、円偏光板として使用してもよい。なお、円偏光板とは、無偏光の光を円偏光に変換する光学素子である。
偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材(直線偏光子)であればよく、主に、吸収型偏光子を利用できる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子とがあり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸との関係は特に制限されないが、位相差フィルムがλ/4板である場合は、偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角は、45±10°の範囲が好ましい。つまり、偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸とのなす角は、35~55°の範囲が好ましい。
<表示装置>
本発明の位相差フィルムおよび上記円偏光板は、表示装置に適用されることが好ましい。
表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置および液晶表示装置が挙げられ、有機EL表示装置が好ましい。
つまり、本発明の表示装置は、上記位相差フィルムまたは円偏光板と、表示素子(例えば、有機EL表示素子または液晶表示素子)とを有する。
有機EL表示素子は、陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した部材であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、および、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(光配向性ポリマーAの調製)
撹拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却管を備えた反応容器に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0質量部、メチルイソブチルケトン500質量部、および、トリエチルアミン10.0質量部を仕込み、室温で混合した。次いで、反応容器に、脱イオン水100質量部を滴下漏斗より30分かけて滴下した後、還流下で反応液を混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機相を取り出し、有機相を0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄した。その後、得られた有機相から減圧下で溶媒および水を留去することにより、エポキシ含有ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
このエポキシ含有ポリオルガノシロキサンについて、H-NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析を行ったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にオキシラニル基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。このエポキシ含有ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量Mwは2,200、エポキシ当量は186g/モルであった。
次に、100mLの三口フラスコに、上記で得たエポキシ含有ポリオルガノシロキサン10.5質量部、アクリル基含有カルボン酸(東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM-5300」、アクリル酸ω-カルボキシポリカプロラクトン(重合度n≒2))0.4質量部、酢酸ブチル20質量部、特開2015-026050号公報の合成例1の方法で得られた桂皮酸誘導体0.5質量部、テトラヒドロ焦性粘液酸(和光純薬工業株式会社製)0.5質量部、および、テトラブチルアンモニウムブロミド0.3質量部を仕込み、90℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応溶液と等量(質量)の酢酸ブチルで希釈し、3回水洗した。この溶液を濃縮し、酢酸ブチルで希釈する操作を2回繰り返し、最終的に、光配向性基を有するポリオルガノシロキサン(重合体)を含む溶液を得た。この重合体の重量平均分子量Mwは10,000であった。この重合体を、光配向性ポリマーAとした。
<実施例1>
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
下記の成分をミキシングタンクに投入し、攪拌して、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアシレート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
コア層セルロースアシレートドープ
─────────────────────────────────
アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
特開2015-227955号公報の実施例に
記載されたポリエステル化合物B 12質量部
下記の化合物F 2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
メタノール(第2溶媒) 64質量部
─────────────────────────────────
化合物F
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアシレート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
マット剤溶液
─────────────────────────────────
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
メタノール(第2溶媒) 11質量部
上記のコア層セルロースアシレートドープ 1質量部
─────────────────────────────────
上記コア層セルロースアシレートドープと上記外層セルロースアシレートドープとを、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に設けた外層セルロースアシレートドープとを、バンド流延機を用いて3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。
次に、溶媒含有率が約20質量%の状態でドラム上のフィルムを剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。
その後、得られたフィルムを熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み40μmの光学フィルムを作製した。コア層は厚み36μm、コア層の両側に配置された外層はそれぞれ厚み2μmであった。得られたセルロースアシレートフィルム1の面内レタデーションは0nmであった。
(位相差フィルムの作製)
作製したセルロースアシレートフィルム1を、基板として用いた。
この基板の片側の面に下記の光配向膜形成用組成物1をバーコーターで連続的に塗布した。塗布後、得られたフィルムを120℃の加熱ゾーンにて1分間乾燥して溶媒を除去し、厚さ0.3μmの組成物層を形成した。続けて、長手方向に偏光軸が45°の角度を成すように偏光紫外線照射(10mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)することで、光配向膜を形成した。
─────────────────────────────────
光配向膜形成用組成物1
─────────────────────────────────
光配向性ポリマーA 10質量部
ノムコートTAB(日清オイリオ(株)製) 1.52質量部
多官能エポキシ化合物(エポリードGT401、ダイセル社製)
12.2質量部
熱酸発生剤(サンエイドSI-60、三新化学工業(株)製)
0.55質量部
酢酸ブチル 300質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ノムコートTAB
次に、光配向膜上に、下記の構造複屈折部材形成用組成物1をバーコーターで塗布し、塗膜を形成した。形成した塗膜を加熱ゾーンにていったん110℃まで加熱して液晶化合物を配向させた後、75℃に冷却させて、液晶化合物の配向を安定化させた。
次に、図5に示すような、凸部を有する金型を用意した。具体的には、図5に示すように、支持体上に、一方向に延在し、延在する方向と直交する断面における断面形状が台形状の凸部が、周期400nmで延在する方向と直交する方向に複数配置された金型を用意した。凸部の高さは、延在部の周期に対する延在部の高さとの比(延在部の高さ/延在部の周期)が後述する表1の値となるように、調整した。また、凸部の基板側の辺と斜辺とのなす角θ(図5中のθ2)の大きさは80°であった。
次に、用意した金型を75℃に保ち、金型を塗膜に押し当て、金型の溝形状を転写した。なお、金型中の凸部の延在する方向と、液晶化合物の配向方向とが一致するように、金型を組成物層に押し当てた。
次に、金型を押し当てた状態のまま、塗膜に紫外線を照射(500mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)して、液晶化合物の配向を固定化して金型から剥離して、構造複屈折部材を形成して、位相差フィルムを作製した。
得られた位相差フィルム中の構造複屈折部材は、液晶化合物を配向させて固定してなる延在部から構成されていた。延在部は、一方向に延在する部材であって、延在する方向と直交する方向の断面形状は台形状であり、底辺の長さ(最大幅)は220nmであり、底辺と斜辺とのなす角度(図2中のθ1)は80°であった。また、延在部の遅相軸(面内遅相軸)の方向は、延在部が延在する方向と平行であった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
構造複屈折部材形成用組成物1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記液晶化合物L-3 42.00質量部
・下記液晶化合物L-4 42.00質量部
・下記重合性化合物A-1 16.00質量部
・下記重合開始剤S-1(オキシム型) 0.50質量部
・レベリング剤(下記化合物G-1) 0.20質量部
・ハイソルブMTEM(東邦化学工業社製) 2.00質量部
・NKエステルA-200(新中村化学工業社製) 1.00質量部
・メチルエチルケトン 424.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、下記液晶化合物L-3およびL-4のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、下記液晶化合物L-3およびL-4は、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
液晶化合物L-3
液晶化合物L-4
重合性化合物A-1
重合開始剤S-1
化合物G-1(各繰り返し単位中の数値は全繰り返し単位に対する含有量(質量%)を表し、左側の繰り返し単位の含有量は32.5質量%で、右側の繰り返し単位の含有量は67.5質量%であった。)
<実施例2~5>
後述する表1に示す特性の構造複屈折部材が得られるように、金型の形状などを変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、位相差フィルムを作製した。
なお、実施例1~5のいずれにおいても、延在部は、逆波長分散性を示す液晶化合物を配向させて固定してなる部材であった。
<比較例1>
構造複屈折部材形成用組成物1のかわりに後述する構造複屈折部材形成用組成物2を用い、後述する表1に示す特性の構造複屈折部材が得られるように、金型の形状などを変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、位相差フィルムを作製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
構造複屈折部材形成用組成物2
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記棒状液晶化合物(A) 20質量部
・下記棒状液晶化合物(B) 80質量部
・光重合開始剤(イルガキュア―907、チバ・ジャパン社製) 3質量部
・増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
・下記のフッ素系ポリマー(FP4) 0.3質量部
・メチルエチルケトン 193質量部
・シクロヘキサノン 50質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物(A)
表1中、「波長分散」欄は、逆波長分散性の液晶化合物を使用した場合を「逆波長分散」、順波長分散性を示す液晶化合物を使用した場合を「順波長分散」と表す。
表1中、「ピッチ」欄は、延在部が配置される周期(ピッチ)を表す。
表1中、「比」欄は、延在部が配置される周期に対する、延在部の高さの比を表す。
表1中、「Re(450)」欄は、得られた位相差フィルムの波長450nmにおける面内レタデーション(nm)を表す。
表1中、「Re(450)/Re(550)」欄は、得られた位相差フィルムの波長550nmにおける面内レタデーションに対する、波長450nmにおける面内レタデーションの比を表す。
表1中、「Re(650)/Re(550)」欄は、得られた位相差フィルムの波長550nmにおける面内レタデーションに対する、波長650nmにおける面内レタデーションの比を表す。
表1に示すように、本発明の位相差フィルムは、所定の効果を奏することが確認された。
10 位相差フィルム
12 基板
14 構造複屈折部材
16 延在部
18 塗膜
20 支持体
22 凸部
24 金型

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板上に配置された構造複屈折部材とを有し、
    前記構造複屈折部材が、一方向に延在する延在部を前記一方向と直交する方向に周期的に複数配置してなる部材であり、
    前記延在部が、液晶化合物を配向させて固定してなる部材であり、
    前記延在部の遅相軸の方向が、前記一方向と略平行であり、
    前記構造複屈折部材が、以下の要件1または要件2を満たす、位相差フィルムであって、
    前記基板と前記構造複屈折部材との間に、光配向膜またはラビング処理が施された配向膜を有する、位相差フィルム。
    要件1:前記液晶化合物が逆波長分散性を示す液晶化合物である。
    要件2:前記延在部が配置される周期が、700nm以下である。
  2. 前記延在部が配置される周期に対する、前記延在部の高さの比が、1.00~2.00である、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記延在部が、重合性基を2つ以上有し、逆波長分散性を示す液晶化合物を含む組成物を用いて形成された部材である、請求項1または2に記載の位相差フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の位相差フィルムと、
    偏光子と、を有する、円偏光板。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の位相差フィルム、または、請求項4に記載の円偏光板を有する、表示装置。
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