JP7469129B2 - アスベスト回収装置およびアスベスト回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、構造物から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置およびアスベスト回収システムに関する。
従来、構造物に使用されているアスベストを除去する作業を行う場合、使用されているアスベストの種類に応じてレベル1~レベル3の作業レベルに区分されている。レベル1は、アスベスト含有吹付け材に対する作業レベルであり、発塵性が著しく高いという区分である。レベル2は、アスベスト含有保温材、アスベスト含有耐火被覆材およびアスベスト含有断熱材に対する作業レベルであり、発塵性が高いという区分である。レベル3は、その他、アスベスト含有成形板などに対する作業レベルであり、発塵性が比較的低いという区分である。
構造物の中でも、煙突の内面には、最も発塵性の高いレベル1のアスベスト含有吹付け材が吹き付けられている。レベル1のアスベスト含有吹付け材は、その他のアスベストと比べて特に繊維の露出が多く、また硬度や比重が小さく単一では脆いという特徴がある。このため、粉塵が比較的飛散しやすく、少しの外圧で破損するという特性を有する。
つまり、レベル1のアスベストを除去する作業を行う場合は、作業場所の隔離、高濃度の粉塵量に応じた防塵マスクおよび保護衣の使用など、厳重な暴露対策が必要となる。
そこで、従来、煙突の内面に吹付けられたレベル1のアスベストを回収するシステムとして、例えば、図11に記載のシステムが知られている。図11に示すように、建造物900に設けられた煙突300の側方には、煙突300に沿って足場400が組まれている。また、建造物900の屋上には足場401が組まれており、足場400,401の上部には、隔離区域500が設けられている。隔離区域500の内面の全体は、養生シートによって覆われている。地上には、高圧水供給装置200が配備されており、その高圧水供給装置200に接続された高圧ホース101は、隔離区域500に設けられた滑車102,102を介して煙突300の内部に昇降可能に延びている。高圧ホース101の先端には、アスベスト除去装置100が接続されており、アスベスト除去装置100は、高圧ホース101を介して煙突300の内部を昇降可能になっている。
煙突300の下部の側方には、隔離区域700が形成されている。隔離区域700の内面の全体は、養生シートによって覆われている。隔離区域700は、煙突300の下部に形成された開口部301と連通している。隔離区域700には、開口部301から排出されたアスベストを吸引する吸引装置600が配置されている。隔離区域700の隣には、セキュリティゾーン800が配置されており、セキュリティゾーン800には、エアーシャワー装置801が配置されている。
アスベスト除去装置100は、高圧水供給装置200から供給される高圧水を煙突300の内面に噴射しながら水平方向に回転し、煙突300の内面に吹付けられたアスベストを除去する。作業者は、隔離区域500に入り、高圧ホース101を操作してアスベスト除去装置100を昇降させる。また、作業者は、防塵マスクおよび保護衣を着用して隔離区域700に入り、煙突300の下に落下したアスベストを開口部301から隔離区域700内に掻き出し、その掻き出したアスベストを吸引装置600によって吸引する。アスベストの吸引作業を行った作業者は、セキュリティゾーン800に入り、エアーシャワー装置801によってエアーを全身に吹き付け、全身に付着したアスベストを除去する。
実用新案登録第3197063号公報
しかし、前述した従来のアスベスト回収システムは、作業者は、密室状態となった隔離区域700において長時間の作業を行うことで、除去されたアスベストを吸引するおそれがある。
また、気温が高いときに防塵マスクおよび保護衣を着用して密室状態で行う作業は、アスベストで汚染された空間での作業になり、また、汗だくになるため、過酷を極める。
つまり、従来のアスベスト回収システムは、作業者の健康を害するおそれが高かった。
また、従来のアスベスト回収システムは、除去したアスベストの粒子が煙突300の先端から外部に飛散しないようにするために、煙突300の先端に隔離区域500を設け、その隔離区域500の内面全体を養生シートによって覆わなければならない。
また、前述したアスベスト除去方法は、セキュリティゾーン800およびエアーシャワー装置801を設置しなければならない。
つまり、前述したアスベスト回収システムは、作業コストが高いという問題がある。
また、前述したアスベスト回収システムは、密室状態となった隔離区域700にて長時間の作業を行うことが困難であるため、定期的に作業を中断するか作業員を交替させなければならないため、作業効率が悪いという問題もある。
そこで、本発明は、上述した諸問題を解決するために鋭意研究の結果創出されたものであり、作業者の健康が害されるおそれのないアスベスト回収装置およびアスベスト回収システムを提供することを目的とする。また、本発明は、作業コストを低減することができ、かつ、作業効率を良くすることができるアスベスト回収装置およびアスベスト回収システムを提供することを目的とする。
(第1の発明)
前述した目的を達成するため、本願の第1の発明に係るアスベスト回収装置は、
構造物(10)から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置(51)であって、
アスベストを吸引する吸引ホース(52)と、吸引ホース(52)の内部を負圧にする負圧発生装置(81)との間に設けられており、吸引ホース(52)により吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体(54)と、
蓄積体(54)に設けられており、蓄積体(54)に蓄積したアスベストを排出する排出口(54a)と、
排出口を開閉する開閉装置(56)と、
排出口(54a)から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体(61)と、
除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置(58)と、
蓄積体(54)に蓄積したアスベストの蓄積量が所定の蓄積量に達したことを検出する第1センサ(55)と、
第1センサ(55)が蓄積体(54)に蓄積したアスベストの蓄積量が所定の蓄積量に達したことを検出したときに開閉装置(56)を開作動させる制御部(64)と、
を備えていることを特徴とする。
(第2の発明)
前述した目的を達成するため、本願の第2の発明に係るアスベスト回収装置は、
構造物(10)から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置(51)であって、
アスベストを吸引する吸引ホース(52)と、吸引ホース(52)の内部を負圧にする負圧発生装置(81)との間に設けられており、吸引ホース(52)により吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体(54)と、
蓄積体(54)に設けられており、蓄積体(54)に蓄積したアスベストを排出する排出口(54a)と、
排出口(54a)から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体(61)と、
収容体(61)に形成されており、排出口(54a)から排出されるアスベストを受入れる開口部(61a)と、
開口部(61a)を密封する密封装置(57)と、
除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置(58)と、
を備えていることを特徴とする。
(第の発明)
前述した目的を達成するため、本願の第3の発明に係るアスベスト回収装置は、
構造物(10)から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置(51)であって、
アスベストを吸引する吸引ホース(52)と、吸引ホース(52)の内部を負圧にする負圧発生装置(81)との間に設けられており、吸引ホース(52)により吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体(54)と、
蓄積体(54)に設けられており、蓄積体(54)に蓄積したアスベストを排出する排出口(54a)と、
排出口を開閉する開閉装置(56)と、
排出口(54a)から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体(61)と、
除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置(58)と、を備えており、
蓄積体(54)の下部には突出部(54b)が設けられており、排出口(54a)は突出部(54b)の先端に形成されており、
収容体(61)の開口部(61a)には逆止弁(61c、61d)が設けられており、
突出部(54b)は、逆止弁(61c、61d)を介して収容体(61)の内部に挿通可能であることを特徴とする。
(第の発明)
本願の第の発明は、前述した第の発明に係るアスベスト回収装置(51)において、
収容体(61)に収容されたアスベストの重量が所定の重量に達したことを検出する第2センサ(62)と、
第2センサ(62)が収容体(61)に収容されたアスベストの重量が所定の重量に達したことを検出したときに密封装置(57)を作動させる制御部(64)と、
を備えていることを特徴とする。
(第の発明)
前述した目的を達成するため、本願の第の発明に係るアスベスト回収システム(1)は、
構造物(10)から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収システム(1)であって、
アスベストを吸引する吸引ホース(52)と、吸引ホース(52)の内部を負圧にする負圧発生装置(81)との間に設けられており、吸引ホース(52)により吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体(54)と、
蓄積体(54)に設けられており、蓄積体(54)に蓄積したアスベストを排出する排出口(54a)と、
排出口を開閉する開閉装置(56)と、
排出口(54a)から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体(61)と、
除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置(58)と、
を備えているアスベスト回収装置と、
吸引ホース(52)を挿通可能な挿通孔(72)が形成されており、かつ、構造物(10)の開口部(12)を閉塞可能な閉塞部材(70)と、を備えており、
閉塞部材(70)は、
構造物(10)の内部と外部とに連通する通気口(77)と、
通気口(77)に設けられており、アスベストの粒子を濾過するフィルタ(78)と、を備えていることを特徴とする。
(第の発明)
本願の第の発明は、前述した第の発明に係るアスベスト回収システム(1)において、
閉塞部材(70)には、第1および第2の貫通孔(73,74)が形成されており、
第1の貫通孔(73)から挿通可能であり、左腕に装着するための第1のグローブ(75)と、
第2の貫通孔(74)から挿通可能であり、右腕に装着するための第2のグローブ(76)と、を備えていることを特徴とする。
(第の発明)
本願の第の発明は、前述した第5または第6の発明に係るアスベスト回収システム(1)において、
構造物(10)に付着しているアスベストに対して高圧水を噴射してアスベストを除去する除去装置(25)を備えていることを特徴とする。
(第の発明)
本願の第の発明は、前述した第から第の発明のいずれか1つに係るアスベスト回収システム(1)において、
アスベストの飛散を抑制するための飛散抑制剤を構造物(10)に付着しているアスベストに供給する飛散抑制剤供給装置(30)を備えていることを特徴とする。
(第の発明)
本願の第の発明は、前述した第の発明に係るアスベスト回収システム(1)において、
飛散抑制剤供給装置(30)は、泡状の飛散抑制剤を供給することを特徴とする。
(第10の発明)
本願の第10の発明は、前述した第から第までの発明のいずれか1つに係るアスベスト回収システム(1)において、
構造物(10)は煙突であることを特徴とする。
(第11の発明)
本願の第11の発明は、前述した第から第10までの発明のいずれか1つに係るアスベスト回収システム(1)において、
吸引ホース(52)からアスベスト回収装置(51)に至るまでの経路には、吸引ホース(52)により吸引されたアスベストが外気に触れる箇所が存在しないことを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号および語句は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1の発明の効果)
本願の第1の発明によれば、吸引ホースにより吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体の排出口を開閉する開閉装置を備えているため、排出口を閉口することができるので、蓄積体に蓄積されたアスベストが蓄積体の排出口から外部へ飛散するおそれがない。
しかも、除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置を備えているため、吸引されたアスベストを凝固させることができるので、収容体に収容されたアスベストが収容体の外部へ飛散するおそれをより一層なくすことができる。
従って、アスベスト回収作業を行う作業者がアスベストを吸引することにより健康を害するおそれがない。
さらに、蓄積体に蓄積したアスベストの蓄積量が所定の蓄積量に達したときに、蓄積体の排出口を自動的に開口することができるため、作業者が開閉装置を手動で操作することによりアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(第2の発明の効果)
本願の第2の発明によれば、蓄積体の排出口から排出されるアスベストを収容する収容体の開口部を密封する密封装置を備えているため、密封装置により収容体の開口部を密封することができるので、収容体に収容されたアスベストが収容体の外部へ飛散するおそれがない。
しかも、除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置を備えているため、吸引されたアスベストを凝固させることができるので、収容体に収容されたアスベストが収容体の外部へ飛散するおそれをより一層なくすことができる。
従って、アスベスト回収作業を行う作業者がアスベストを吸引することにより健康を害するおそれがない。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、蓄積体の下部に設けられた突出部を、収容体の開口部に設けられた逆止弁を介して収容体の内部に挿通することができるため、収容体の開口部を蓄積体の突出部から外すときに逆止弁が開口部を閉口するので、アスベストが収容体から漏れるおそれがない。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、収容体に収容されたアスベストの重量が所定の重量に達したときに、収容体の開口部を自動的に密封することができるため、作業者が密封装置を手動で操作することによりアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、構造物の開口部を閉塞する閉塞部材を介して吸引ホースを挿通することができるため、除去されたアスベストが構造物の開口部から漏れるおそれがないので、吸引ホースを操作する作業者がアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
しかも、閉塞部材に設けられた通気口には、アスベストの粒子を濾過するフィルタが設けられているため、除去したアスベストが通気口を介して構造物の外部へ漏れないようにすることができるので、吸引ホースを扱う作業者がアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、吸引ホースによってアスベストを吸引する作業を行う作業者は、第1のグローブを装着した左腕を閉塞部材の第1の貫通孔から挿通し、第2のグローブを装着した右腕を閉塞部材の第2の貫通孔から挿通して吸引ホースを操作することができるため、作業者がアスベストに触れないので、作業者が健康を害するおそれがない。
また、作業者が吸引ホースを操作してアスベストを吸引することができるため、吸引ホースを操作しないで固定して作業を行う場合と比較すると、アスベストを効率的に吸引することができるので、作業効率を高めることができる。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、構造物に付着しているアスベストに対して高圧水を噴射してアスベストを除去する除去装置を備えているため、アスベストに高圧水を噴射することにより、アスベストを効率良く除去することができる。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、アスベストの飛散を抑制するための飛散抑制剤を構造物に付着しているアスベストに供給する飛散抑制剤供給装置を備えているため、飛散抑制剤をアスベストに噴射してからアスベストを除去すれば、アスベストが飛散しないようにすることができるため、作業者がアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(第の発明の効果)
本願の第の発明によれば、泡状の飛散抑制剤をアスベストに噴射することにより、飛散抑制剤をアスベストの表面から深い箇所まで浸透させることができるため、アスベストを除去したときのアスベストの飛散抑制効果を高めることができる。
(第10の発明の効果)
本願の第10の発明によれば、煙突から除去されたアスベストを作業者が吸引して健康を害さないようにすることができる。
(第11の発明の効果)
本願の第11の発明によれば、吸引ホースからアスベスト回収装置に至るまでの経路には、吸引ホースにより吸引されたアスベストが外気に触れる箇所が存在しないため、作業者および作業現場の周囲に居る者がアスベストを吸引することにより健康を害するおそれがない。
さらに、従来のように、作業現場に隔離区域を設け、その隔離区域の内面全体を養生シートで覆う必要がないため、その分、作業効率を高めることができ、かつ、作業コストを低減することができる。
本発明の実施形態に係るアスベスト回収システムの説明図である。 (A)は図1に示すアスベスト回収システムに備えられたアスベスト回収装置の説明図であり、(B)は(A)のうち、蓄積体および収容体の接続部分を拡大して示す説明図である。 (A)は図2に示すアスベスト回収装置に備えられた密封装置の動作を示す模式図であり、(B)は密封装置が収容体の開口部を密封した状態を示す模式図であり、(C)は密封装置の変更例を示す模式図である。 (A)は蓄積体の突出部が収容体の逆止弁を介して内部に挿入された状態を示す模式図であり、(B)は逆止弁の模式図である。 図1に示すアスベスト回収システムに備えられた閉塞部材の説明図であり、(A)は閉塞部材の正面図、(B)は閉塞部材の平面図である。 図5に示す閉塞部材の使用方法を示す平面説明図である。 図5に示す閉塞部材の使用方法を示す側面説明図である。 アスベスト除去方法の工程図である。 図2に示すアスベスト回収装置に備えられた制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 アスベスト回収経路の説明図である。 従来のアスベスト回収システムを示す説明図である。
[アスベスト回収システムの構成]
本実施形態のアスベスト除去方法を実行するためのアスベスト回収システムの構成について図1を参照しつつ説明する。図1は、アスベスト回収システム1の説明図である。
建造物90には煙突10が設けられている。煙突10は、先端が開口された筒状の壁11を有する。壁11の内面には、レベル1のアスベスト含有吹付け材が吹付けられている。煙突10の側方には足場91が組まれており、建造物90の屋上には足場92が組まれている。足場92の上には、作業部屋40が設けられている。作業部屋40には滑車23,24が設けられている。煙突10の近傍には、作業車20と、作業車50と、作業車80とが配置されている。作業車20には、高圧水供給装置21と、飛散抑制剤供給装置30とが搭載されている。飛散抑制剤供給装置30に接続されたホース31の先端には、液状の飛散抑制剤を泡状に変換する変換器32が接続されている。変換器32は、煙突10の先端を閉塞した蓋26に隙間無く挿通されている。飛散抑制剤供給装置30から供給される液状の飛散抑制剤は、変換器32によって泡状に変換され、その泡状に変換された飛散抑制剤の泡33は、煙突10の内部に供給され、所定時間を掛けて煙突10の内部に充填される。
飛散抑制剤の種類は、アスベストの粒子の飛散を効果的に抑制できるものであれば限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアルコール、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を主成分とする水溶性樹脂などを使用することができる。煙突10は、本発明の構造物の一例である。
高圧水供給装置21に接続された高圧ホース22は、滑車23,24を介して煙突10の内部に延びており、その高圧ホース22の先端には、アスベストを除去する除去装置25が接続されている。除去装置25は、高圧水供給装置21から供給される高圧水を煙突10の壁11の内面に噴射し、その内面に吹付けられたアスベスト含有吹付け材を水の圧力によって剥離して除去する。除去装置25としては、公知の装置(例えば、特開2008-149264号公報に記載の筒状構造物内壁洗浄装置)を用いることができる。除去装置25は、基部と、この基部から煙突10の壁11に向けて放射状に延びた噴射ノズルと、上記基部を水平方向に回転させるエアモータとを備えている。各噴射ノズルは、高圧水供給装置21から高圧ホース22を介して供給される高圧水を煙突10の壁11の内面に噴射し、壁11の内面に吹付けられたアスベスト含有吹付け材を水圧によって除去する。除去装置25の能力は、例えば、245MPaの高圧水を噴射し、最高吐出流量が50リットル/分である。また、作業車20には、除去装置25に設けられたエアモータに圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置(図示省略)が搭載されている。
煙突10の下部の壁11には、煙突10の内部および外部に連通する開口部12が形成されており、その開口部12には、開口部12を閉塞する閉塞部材70が取付けられている。閉塞部材70には、煙突10の下部に蓄積され、水および飛散抑制剤と混合されたアスベストAsを吸引する吸引ホース52が挿通されている。吸引ホース52は、作業車50に搭載されたアスベスト回収装置51と接続されている。アスベスト回収装置51は、吸引ホース53を介して、作業車80に搭載された負圧発生装置81と接続されている。負圧発生装置81は、吸引ホース52の内部を負圧にし、かつ、吸引ホース52に吸引された水および飛散抑制剤に混合されたアスベストからアスベストおよび飛散抑制剤を除去する機能を備えている。負圧発生装置81には、アスベストと共に吸引した気体を大気へ排気するための排気パイプ82が備えられている。
本実施形態では、排気パイプ82にはヘパフィルタ(図示せず)が取付けられている。ヘパフィルタは、JISZ8122に規定されており、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ、初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。つまり、ヘパフィルタを用いることにより、0.3μm以下のアスベスト粒子を99.97%以上濾過することができるため、排気パイプ82から大気中に排出されたアスベスト粒子を作業者が吸い込んで健康を害するおそれがなくなる。
上述したように、本実施形態のアスベスト回収システム1は、煙突10の内面に高圧水を噴射してアスベストを除去する除去装置25と、この除去装置25へ高圧水を供給する高圧水供給装置21と、アスベストの飛散を抑制する飛散抑制剤を供給する飛散抑制剤供給装置30と、この飛散抑制剤供給装置30から供給される飛散抑制剤を泡状の飛散抑制剤に変換して煙突10の内部に供給する変換器32と、煙突10の下部に形成された開口部12を閉塞する閉塞部材70と、閉塞部材70に挿通された吸引ホース52と、この吸引ホース52が接続されたアスベスト回収装置51と、このアスベスト回収装置51に接続された負圧発生装置81とを備えている。
(閉塞部材)
ここで、閉塞部材70の構造について図5を参照しつつ説明する。
閉塞部材70は、煙突10の下部の壁11に形成された開口部12(図7)に合致した形状に形成されている。本実施形態では、開口部12は矩形に形成されており、閉塞部材70は、開口部12に合致した矩形で板状に形成されている。閉塞部材70は、開口部12に合致した矩形で板状の本体71を備えている。本体71には、吸引ホース52を挿通するために貫通形成された挿通孔72と、第1の貫通孔73と、第2の貫通孔74と、通気口77と、この通気口77に取付けられたフィルタ78とを備えている。本実施形態では、フィルタ78は、前述したヘパフィルタである。このため、通気口77から煙突10の外へ排出されたアスベスト粒子を作業者が吸い込んで健康を害するおそれがなくなる。また、本体71は、アクリルなどの合成樹脂により透明に形成されている。
第1の貫通孔73からは、作業者Pの左腕に装着する第1のグローブ75が突出しており、第2の貫通孔74からは、作業者Pの右腕に装着する第2のグローブ76が突出している。第1のグローブ75および第2のグローブ76は、それぞれ少なくとも肘よりも肩に近い部分から指先までを密閉する構造になっている。また、第1のグローブ75の周囲は、第1の貫通孔73の周囲と密着しており、第1のグローブ75と第1の貫通孔73との間には隙間が形成されていない。また、第2のグローブ76の周囲は、第2の貫通孔74の周囲と密着しており、第2のグローブ76と第2の貫通孔74との間には隙間が形成されていない。
つまり、本体71と、第1のグローブ75と、第2のグローブ76とは、いわゆるグローブボックスの構造を利用して構築することができる。グローブボックスとは、外気と遮断された状況下で作業が可能となるように、内部に手だけが入れられるよう設計された密閉容器である。また、挿通孔72の周縁からは、挿通孔72の径よりも小径のスカート部72aが形成されている。本実施形態では、スカート部72aはゴム製であり、挿通孔72に挿通された吸引ホース52の外周面に密着し、吸引ホース52と挿通孔72との間に隙間が形成されないようになっている。
つまり、閉塞部材70は、アスベストの吸引作業を行うときに、アスベストが開口部12を通じて煙突10の外部に漏れない構造になっている。
また、本体71は、透明であるため、アスベストの吸引作業中に、吸引ホース52の位置を閉塞部材70の外から視認することができる。
(アスベスト回収装置)
ここで、アスベスト回収装置51の構成について図2を参照しつつ説明する。
アスベスト回収装置51は、吸引ホース52によって吸引されたアスベストを回収する装置である。アスベスト回収装置51は、蓄積体54と、第1センサ55と、開閉装置56と、密封装置57と、凝固剤供給装置58と、フィルタ59と、収容体61と、第2センサ62と、制御部64とを備えている。
蓄積体54は、吸引ホース52と、負圧発生装置81(図1)と接続された吸引ホース53との間に設けられている。本実施形態では、蓄積体54は、ホッパの形状に形成されている。蓄積体54の下部には筒状の突出部54bが設けられており、その突出部54bの先端(図2(B)では下端)には、蓄積体54に蓄積されたアスベストAsを排出するための排出口54aが閉塞可能に開口形成されている。
吸引ホース53は、蓄積体54の上部に取付けられている。こうすることにより、吸引ホース52から排出された、水および飛散抑制剤と混合されたアスベストAsが、吸引された勢いで直接吸引ホース53に入らないようにすることができる。蓄積体54と吸引ホース53との接続箇所には、蓄積体54の内部に吸引されたアスベストAsを濾過するフィルタ59が設けられている。フィルタ59の目を細かくすると吸引力が低下し、目を粗くすると濾過されないアスベストAsの粒子が大きくなるため、フィルタ59の種類は、吸引力および濾過能力を考慮して決定する。例えば、フィルタ59としてデミスターなどの金網を用いることができる。
第1センサ55は、蓄積体54に蓄積されたアスベストAsが所定量に達したことを検知するセンサである。例えば、第1センサ55は、近接センサである。また、近接センサに代えてリミットスイッチを用いることもできる。通常、蓄積体54の排出口54aは開口しており、蓄積体54に蓄積されたアスベストは、蓄積体54の下部に配置された収容体61に落下する。
収容体61は、収容体61の重量が所定量に達したことを検知する第2センサ62の上に載置されている。収容体61の上部61bには、蓄積体54の排出口54aから排出されるアスベストAsを受入れる開口部61aが密封可能に開口している。本実施形態では、収容体61は運搬可能な袋状に形成されている。例えば、収容体61は、アスベストの粒子が漏れることのない材料、例えば、ポリエチレンにより形成することができる。収容体61の肉厚が薄い場合は、収容体61を二重にすることにより、破損を防止し、アスベストが漏れないようにする。また、本実施形態では、収容体61の容量は、基本的に作業者が手で持ち上げて回収するため、回収されたアスベストを持ち上げることができる容量、例えば、20~40リットルである。また、収容体61としてさらに大きい容量(例えば、1立方メートル)のものを用いる場合は、ポリエチレンなどにより形成された収容体61を、通称、フレコン(株式会社ナシヨナルマリンプラスチツクの登録商標で、フレキシブルコンテナバッグの略称)と呼ばれるものに入れ、クレーンなどを使って運搬するようにしても良い。
蓄積体54の底部には、蓄積体54の排出口54aを開閉する開閉装置56が設けられている。開閉装置56は、通常は開作動しており、収容体61の重量が所定量に達したことを第2センサ62が検知したときに閉作動し、蓄積体54の排出口54aを閉塞する。例えば、開閉装置56は、シャッター式またはバタフライ式の弁56aと、この弁を開閉駆動するソレノイドやモータなどのアクチュエータ(図示せず)とを備えている。また、第2センサ62は、例えば、重量センサである。
開閉装置56の下方には、収容体61の開口部61aを密封する密封装置57が設けられている。本実施形態では、密封装置57は、ヒート式または超音波式の溶着装置であり、収容体61の開口部を密封し、アスベストが漏れないようにする。図3に示すように、密封装置57は、金属プレート57aと、加熱プレート57bと、加熱プレート57bを矢印の方向へ往復移動させるためのモータやソレノイドなどのアクチュエータ(図示せず)とを備えている。開閉装置56が閉作動し、蓄積体54の排出口54aが閉塞されると、密封装置57が作動し、加熱プレート57bが金属プレート57aの方へ移動し、金属プレート57aおよび加熱プレート57b間で、収容体61の開口部61aを溶着して密封する。密封が終了すると、加熱プレート57bが原点に復帰する。
また、密封装置57は、収容体61の開口部61aを着脱可能に構成されている。図2(B)に示すように、蓄積体54の筒状の突出部54bが収容体61の開口部61aに挿入されるため、図3(A)に示すように、開口部61aは突出部54bに対応した円形になっている。このように、開口部61aが円形になった状態で溶着しても良いが、図3(C)に示すように、収容体61の開口部61aを構成する長手面が相対向するように、収容体61を密封装置57にセットし、相対向する長手面を相互に溶着する構造でも良い。また、密封装置57は、収容体61の開口部61aを絞り込んでから結束部材によって結束する構造でも良い。また、開口部61aの絞り込んだ部分を溶着する構造でも良い。
凝固剤供給装置58は、ホース60によって蓄積体54と接続されている。ホース60の先端には、水および飛散抑制剤と混合したアスベストAsを凝固させる凝固剤を噴射する噴射ノズル65が取付けられている。噴射ノズル65の噴射孔は、蓄積体54の排出口54aの方に向いており、排出口54aが開口しているときに、排出口54aから収容体61の開口部61aを通じて、収容体61に収容されているアスベストAsに凝固剤を噴射する。つまり、収容体61に収容されているアスベストAsを凝固させる。噴射ノズル65は、開閉装置56または密封装置57に設けることもできる。
凝固剤の種類および濃度は、収容体61の開口部61aからアスベストAsが大気中に飛散しないように調整する。凝固剤としては、例えば、高分子ポリマーを用いることができる。第2センサ62および凝固剤供給装置58は、基台63の上に配置されている。
制御部64は、開閉装置56と、密封装置57と、凝固剤供給装置58と、負圧発生装置81とに接続されており、接続された各装置を制御する。制御部64は、各装置を制御するための制御プログラムやテーブルなどが格納されたROMと、このROMから読出された制御プログラムを展開して格納するRAMと、このRAMに展開された制御プログラムを実行するCPUとを備えている。また、RAMは、CPUの処理結果などを一時的に格納する。
[アスベスト回収方法]
次に、アスベスト回収方法について図8を参照しつつ説明する。
(工程1)
最初に、アスベストを除去して回収するための準備を行う。具体的には、図1に示すように、煙突10の側方に足場91を組み、煙突10が設置された建造物90の屋上に煙突10の先端の周囲を囲むように足場92を組む。また、足場92の上に作業部屋40を設置し、作業部屋40に滑車23,24を取付ける。また、煙突10の近傍に作業車20,50,80を配置する。また、煙突10の先端に蓋26を被せて煙突10の先端を閉塞し、その蓋26に変換器32を隙間無く挿通する。また、煙突10の下部の壁11に形成された開口部12を閉塞部材70によって隙間無く閉塞する。
(工程2)
次に、高圧ホース22を滑車23,24に架け渡し、その高圧ホース22を除去装置25に接続する。次に、除去装置25を煙突10の底部まで下降させる。
(工程3)
次に、飛散抑制剤供給装置30から飛散抑制剤を変換器32へ供給し、変換器32によって飛散抑制剤を泡状に変換し、その泡状の飛散抑制剤を煙突10の内部に充填する。泡状の飛散抑制剤が煙突10の内部に充填されるまでに要する時間は、煙突10の容積、変換器32が吐出する飛散抑制剤の単位時間当りの量などに応じて予め実験により求めておくことができる。
(工程4)
次に、泡状の飛散抑制剤が煙突10の壁11の内面に吹付けられたアスベストに浸透するまで所定時間待機する。この所定時間は、吹付けられているアスベストの種類または厚さに応じて、予め実験により求めておくことができる。
(工程5)
次に、高圧水供給装置21を作動させ、高圧水を高圧ホース22を介して除去装置25へ供給する。また、圧縮空気供給装置を作動させ、圧縮空気を除去装置25のエアモータへ供給する。これにより、除去装置25の各噴射ノズルは、水平方向に回転しながら高圧水を煙突10の壁11の内面に噴射し、アスベストを剥離して除去する。
また、負圧発生装置81およびアスベスト回収装置51を作動させ、除去されて煙突10の底部に蓄積され、水および飛散抑制剤と混合したアスベストAsを吸引し、アスベスト回収装置51に回収する。アスベストAsの吸引作業を行う作業者Pは、前述したように、左腕を第1のグローブ75(図5)に挿通し、右腕を第2のグローブ76に挿通する。そして、図6および図7に示すように、作業者Pが両手で吸引ホース52を操作し、煙突10の底部に蓄積したアスベストAsを吸引ホース52によって吸引する。
また、アスベストを除去しながら、除去装置25を所定の上昇速度にて煙突10の上方へ上昇させる。除去装置25の上昇は、作業部屋40に入っている作業者、または、作業車20の近傍にいる作業者が、高圧ホース22を引き上げることにより行う。また、除去装置25を引き上げるためのワイヤを除去装置25に取付け、そのワイヤを巻き取る巻取り装置を作業部屋40または地上に配置し、その巻取り装置を作動させて除去装置25を上昇させることもできる。除去装置25の上昇速度は、除去装置25の除去能力、アスベストの種類、アスベストの厚さなどに応じて、予め実験により求めておくことができる。
(工程6)
次に、煙突10の内部を撮影し、アスベストの除去状態を確認する。例えば、除去装置25、または、除去装置25を吊り下げていた高圧ホース22またはワイヤにカメラおよび照明器具を取付け、そのカメラおよび照明器具を煙突10の内部で昇降させ、煙突10の内面を撮影し、その撮影画像を、作業現場に設けたモニタに映し、その映った画像を見て、アスベストの除去状態を確認する。その結果、アスベストが残存していることが分かった場合は、再度、工程2~工程6を実行する。この場合、残存しているアスベストに飛散抑制剤が浸透している場合は、工程3,4を省略し、工程2,5,6のみを実行しても良い。
(工程7)
次に、飛散抑制剤を煙突10の内面にコーティングする。例えば、除去装置25の各噴射ノズルから飛散抑制剤を煙突10の内面に噴射する。また、飛散抑制剤を噴射する噴射ノズルを除去装置25に取付け、その噴射ノズルから飛散抑制剤を煙突10の内面に噴射することもできる。この場合、飛散抑制剤の噴射速度は、高圧水を噴射してアスベストを除去するときのような噴射速度である必要はなく、噴射した飛散抑制剤が煙突10の内面に届く噴射速度であれば良い。また、除去装置25に代えて、飛散抑制剤を噴射する専用装置を煙突10の内部に吊り下げ、飛散抑制剤を噴射しながら、その専用装置を昇降させる方法でも良い。
[制御部の処理内容]
次に、上述した工程5において制御部64(図2)が実行する処理内容について図9を参照しつつ説明する。以下の説明では、制御部64が実行する処理ステップをSと略す。
制御部64は、負圧発生装置81(図1)に対して作動命令を出力し、アスベストの吸引を開始させる(S1)。このS1の処理は、制御部64に接続された吸引スイッチ(図示せず)がオンしたときに開始する。この吸引スイッチは、吸引ホース52を操作する作業者の近傍に配置することもできる。続いて、制御部64は、第1センサ55(図2)がオンしたか否かを判定し(S2)、オンしていないと判定した場合は(S2:No)、開閉装置56(図2)を閉作動させ、蓄積体54の底部を閉口する(S3)。つまり、制御部64は、蓄積体54に蓄積されたアスベストが、第1センサ55がオンする所定量に達するまでは開閉装置56を閉作動させて排出口54aが閉塞された状態を保持し、蓄積体54にアスベストが所定量蓄積されるように制御する。
また、制御部64は、第1センサ55がオンしたと判定した場合は(S2:Yes)、開閉装置56を開作動させ、蓄積体54の排出口54aを開口する(S4)。つまり、制御部64は、蓄積体54に蓄積されたアスベストが、第1センサ55がオンする所定量に達したときは開閉装置56を開作動させて排出口54aを開口させ、蓄積体54に蓄積されたアスベストを収容体61の開口部61aに落下させる。続いて、制御部64は、アスベスト回収装置51に設けられた凝固剤供給装置58を作動させ、凝固剤を噴射ノズル65から収容体61の内部に噴射させる(S5)。続いて、制御部64は、第2センサ62(図2)がオンしたか否かを判定し(S6)、オンしたと判定した場合は(S6:Yes)、開閉装置56を閉作動させて排出口54aを閉塞する(S7)。つまり、制御部64は、収容体61に回収されたアスベストが所定の重量に達したと判定した場合は、蓄積体54の排出口54aを閉塞し、蓄積体54に蓄積されたアスベストが収容体61に落下しないように制御する。
また、制御部64は、第2センサ62がオンしていないと判定した場合は(S6:No)、S1~S5を実行する。つまり、制御部64は、収容体61に回収されたアスベストが所定の重量に達したと判定するまで、アスベストの吸引および凝固剤の噴射を継続する。
そして、制御部64は、負圧発生装置81および凝固剤供給装置58を停止させ(S8)、アスベストの吸引および凝固剤の噴射を停止させる。続いて、制御部64は、密封装置57(図2)を作動させ(S9)、収容体61の開口部61aを密封する。続いて、制御部64は、収容体61がアスベストで満杯になったことを報知する(S10)。例えば、制御部64には、収容体61がアスベストで満杯になったことを報知する報知ランプおよび報知スピーカが接続されており、その報知ランプを点灯させ、かつ、報知スピーカから所定の音を出力することにより、収容体61がアスベストで満杯になったことを周囲の作業者に報知する。報知ランプおよび報知スピーカは、吸引ホース52を操作する作業者の近傍に配置することもできる。
作業者は、密封装置57から収容体61を取外し、その収容体61を所定の場所まで運搬する。このとき、収容体61の開口部61aは、密封装置57によって密封されているため、収容体61からアスベストが外部に漏れるおそれがないので、収容体61を運搬する作業者および周囲の人の健康が害されるおそれがない。
そして、アスベストの回収作業を継続する場合は、作業者は、新たな収容体61を密封装置57および蓄積体54の突出部54bにセットし、制御部64に接続された吸引スイッチ(図示せず)をオンし、制御部64に前述したS1~S10を実行させる。
図10は、アスベスト回収経路の説明図である。前述した煙突10のようなアスベストの除去および回収を行う作業現場Wは、吸引ホース52によりアスベスト回収装置51と接続されており、アスベスト回収装置51は、吸引ホース53により負圧発生装置81と接続されている。アスベスト回収経路は、作業現場Wからアスベスト回収装置51に至る回収経路R1と、アスベスト回収装置51から負圧発生装置81に至る回収経路R2とから構成されている。作業現場W、吸引ホース52,53、作業者P、アスベスト回収装置51および負圧発生装置81が置かれている環境をEとすると、回収経路R1,R2では、回収されるアスベストが外気に触れる箇所が存在しないため、作業者Pを初めとして環境Eに存在する者がアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
従って、本来であれば、煙突10のアスベストはレベル1の区分であるため、レベル1に対応した作業環境(作業現場の養生、作業者の防護服など)を作る必要があるが、本実施形態のアスベスト回収装置51およびアスベスト回収システム1によれば、レベル3の区分に対応した作業環境を作れば良い。このため、作業効率を高めることができ、かつ、作業コストを低減することができる。
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のアスベスト回収装置51によれば、吸引ホース52により吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体54の排出口54aを開閉する開閉装置56を備えているため、排出口54aを閉口することができるので、蓄積体54に蓄積されたアスベストが蓄積体54の排出口54aから外部へ飛散するおそれがない。
しかも、除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置58を備えているため、吸引されたアスベストを凝固させることができるので、収容体61に収容されたアスベストが収容体61の外部へ飛散するおそれをより一層なくすことができる。
従って、アスベスト回収作業を行う作業者がアスベストを吸引することにより健康を害するおそれがない。
(2)また、前述した実施形態のアスベスト回収装置51によれば、蓄積体54の排出口54aから排出されるアスベストを収容する収容体61の開口部61aを密封する密封装置56を備えているため、密封装置56により収容体61の開口部61aを密封することができるので、収容体61に収容されたアスベストが収容体61の外部へ飛散するおそれがない。
しかも、除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置58を備えているため、吸引されたアスベストを凝固させることができるので、収容体61に収容されたアスベストが収容体61の外部へ飛散するおそれをより一層なくすことができる。
従って、アスベスト回収作業を行う作業者がアスベストを吸引することにより健康を害するおそれがない。
(3)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収装置51によれば、蓄積体54に蓄積したアスベストの蓄積量が所定の蓄積量に達したときに、蓄積体54の排出口54aを自動的に開口することができるため、作業者Pが開閉装置56を手動で操作することによりアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(4)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収装置51によれば、収容体61に収容されたアスベストの重量が所定の重量に達したときに、収容体61の開口部61aを自動的に密封することができるため、作業者Pが密封装置57を手動で操作することによりアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(5)また、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、煙突10の開口部12を閉塞する閉塞部材70を介して吸引ホース52を挿通することができるため、除去されたアスベストが煙突10の開口部12から漏れるおそれがないので、吸引ホース52を操作する作業者Pがアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(6)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、吸引ホース52によってアスベストAsを吸引する作業を行う作業者Pは、第1のグローブ75を装着した左腕を閉塞部材70の第1の貫通孔73から挿通し、第2のグローブ76を装着した右腕を閉塞部材70の第2の貫通孔74から挿通して吸引ホース52を操作することができるため、作業者Pがアスベストに触れないので、作業者Pが健康を害するおそれがない。
また、作業者Pが吸引ホース52を操作してアスベストAsを吸引することができるため、吸引ホースを操作しないで固定して作業を行う場合と比較すると、アスベストAsを効率的に吸引することができるので、作業効率を高めることができる。
(7)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、閉塞部材70は、煙突10の内部と外部とに連通する通気口77を備えているため、煙突10の内部を負圧にすることができる。
従って、負圧発生装置81の吸引効率を良くすることができるため、作業効率を良くすることができる。
(8)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、閉塞部材70に設けられた通気口77には、アスベストの粒子を濾過するフィルタ78が設けられているため、除去したアスベストが通気口を介して構造物の外部へ漏れないようにすることができるので、吸引ホース52を扱う作業者Pがアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(9)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、煙突10の内面に付着しているアスベストに対して高圧水を噴射してアスベストを除去する除去装置25を備えているため、アスベストに高圧水を噴射することにより、アスベストを効率良く除去することができる。
(10)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、アスベストの飛散を抑制するための飛散抑制剤を煙突10の内面に付着しているアスベストに供給する飛散抑制剤供給装置30を備えているため、飛散抑制剤をアスベストに噴射してからアスベストを除去すれば、アスベストが飛散しないようにすることができるため、作業者Pがアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(11)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、泡状の飛散抑制剤をアスベストに噴射することにより、飛散抑制剤をアスベストの表面から深い箇所まで浸透させることができるため、アスベストを除去したときのアスベストの飛散抑制効果を高めることができる。
(12)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、吸引ホース52からアスベスト回収装置51に至るまでの回収経路R1と、アスベスト回収装置51から負圧発生装置81に至る回収経路R2とには、吸引ホース52,53により吸引されたアスベストが外気に触れる箇所が存在しないため、作業者Pおよび作業現場Wの周囲に居る者がアスベストを吸引することにより健康を害するおそれがない。
また、レベル3の区部に対応した作業環境を作れば良いため、レベル1やレベル2のような対策を施す必要がない。このため、従来のように、煙突10の下部に形成された開口部12と連通した隔離区域700と、その隔離区域700の隣に設けるセキュリティゾーン800と、そのセキュリティゾーン800に設けるエアーシャワー装置801とが不要であるため、その分、作業コストを低減することができる。
さらに、隔離区域での作業を定期的に中断したり、作業員を交替させたりする必要がないため、作業効率を高めることもできる。
(13)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、煙突10の先端に蓋26をしてアスベストを除去することができるため、除去されたアスベストAsの粒子が煙突10の先端から飛散しないように万全を期すことができる。
さらに、煙突10の内部の負圧を大きくすることができるため、負圧発生装置81の吸引効率を良い一層良くすることができるため、作業効率をより一層高めることができる。
(14)さらに、前述した実施形態のアスベスト回収システム1によれば、煙突10のアスベストを除去する工程を行った後に、飛散抑制剤を煙突10の内面にコーティングする工程7を有するため、煙突10を解体したときに、煙突10の内面に残留していたアスベストが飛散し難いようにすることができる。
従って、煙突10を解体する作業者がアスベストを吸引して健康を害しないようにすることができる。
〈他の実施形態〉
(1)図4に示すように、開口部61aに逆止弁61c、61dが設けられた収容体61を用い、蓄積体54の突出部54bを逆止弁61c、61dを介して収容体61の内部に挿通する構成を用いることもできる。逆止弁61c、61dは、それぞれ開閉可能であり、かつ、開閉方向が異なっている。また、逆止弁61c、61dは、それぞれ剛性を有し、通常は、開口部61aを閉塞した状態になっており、上下方向に相互に重なっている。収容体61の開口部61aを蓄積体54の突出部54bから外すと、逆止弁61c、61dは、それぞれ原点に復帰し、開口部61aを閉塞する。
この構成を備えたアスベスト回収装置51によれば、収容体61の開口部61aを蓄積体54の突出部54bから外すときに逆止弁61c、61dが開口部61aを閉塞するので、アスベストが収容体61から漏れるおそれがない。また、密封装置57を設ける必要がないため、その分、アスベスト回収装置51のコストを低減することができる。なお、逆止弁の構造は、図4に示した構造以外の公知の構造でも良い。
(2)煙突10の内面に吹付けられたアスベストの種類、アスベストの厚さ、飛散抑制剤がアスベストに浸透する時間、煙突10の容積などの外部要因と、飛散抑制剤を煙突10に充填するために必要な飛散抑制剤の容量との関係を実験により求め、上記外部要因が分かれば、飛散抑制剤の必要な容量が分かるようにしておくこともできる。
例えば、上記外部要因と飛散抑制剤の容量との対応関係をテーブルにして制御部64のRAMに記憶しておき、制御部64に接続された入力部(例えば、数値入力キーなど)から上記外部要因の各値を入力すると、制御部64がRAMの上記テーブルを参照し、入力された外部要因に対応する飛散抑制剤の容量を、制御部64に接続された表示部(例えば、液晶表示装置など)に表示するように構成することもできる。
また、飛散抑制剤供給装置30が供給する飛散抑制剤の容量が、上記の必要な容量に達したときに、飛散抑制剤供給装置30が自動的に飛散抑制剤の供給を停止するように構成することもできる。
(3)吸引ホース52によってアスベストAsを吸引する前に、吸引ホース52によって飛散抑制剤を吸引し、飛散抑制剤を吸引ホース52の内面にコーティングしておくコーティング工程を加えることもできる。このコーティング工程を加えれば、アスベストAsの吸引を行った後に吸引ホース52を外した際に、吸引ホース52の内部に残っていたアスベストAsが吸引ホース52の先端から外部に漏れにくいようにすることができるため、作業現場にいる者がアスベストを吸引して健康を害するおそれがない。また、吸引ホース53の内面に飛散抑制剤をコーティングしておくこともできる。
(4)除去装置25に変換器32を取付け、変換器32から泡状の飛散抑制剤を噴射しながら除去装置25を煙突10の内部で昇降させ、泡状の飛散抑制剤を煙突10の内部に充填させることもできる。また、除去装置25に設けられた各噴射ノズルから飛散抑制剤を煙突10の内面に噴射し、その噴射した飛散抑制剤をアスベストに浸透させることもできる。この場合、いくつかの噴射ノズルを変換器32と同じ仕様にし、その噴射ノズルから泡状の飛散抑制剤を噴射するように構成することもできる。
(5)除去装置25にカメラおよび照明器具を取付け、アスベストの除去状態を確認しながらアスベストを除去することもできる。また、カメラのレンズに付着した汚れを払拭する装置を取付け、その装置により、定期的または汚れを確認したときにレンズを払拭し、撮影に障害が出ないようにすることもできる。また、上記照明器具の光を出射する面に付着した汚れを払拭する装置を取付けることもできる。
(6)アスベスト回収装置51の内部の気体を外部へ吸引する吸引装置を設け、アスベスト回収装置51の内部に浮遊しているアスベスト粒子を吸引することもできる。この場合、その吸引装置とアスベスト回収装置51とを接続する排気パイプに前述したヘパフィルタを設けることにより、吸引したアスベスト粒子が大気中に漏れないようにすることもできる。
また、密封装置57の周囲、または、開閉装置56および密封装置57の周囲を覆う部材を設け、その部材に吸引装置を接続することもできる。この構成によれば、密封装置57から収容体61を着脱する際に、密封装置57また開閉装置56からアスベストが漏れた場合であっても、その漏れたアスベストを吸引することができるため、収容体61を着脱する者が、アスベストを吸引して健康を害するおそれがない。
(7)収容体61に回収されたアスベストの重量が所定の重量になったときに、負圧発生装置81の動作を一時的に停止させ、凝固剤供給装置58を動作させ、収容体61に凝固剤を噴射し、凝固剤の噴射が終了してから、負圧発生装置81の動作を再開させる方法を用いることもできる。また、凝固剤を噴射する噴射ノズル65を開閉装置56または密封装置57を構成する所定の部材に設け、噴射ノズル65の噴射孔が収容体61の内部に向いているように構成することもできる。
1 アスベスト回収システム
10 煙突
12 開口部
21 高圧水供給装置
25 除去装置
26 蓋
30 飛散抑制剤供給装置
32 変換器
51 アスベスト回収装置
52 吸引ホース
53 吸引ホース
54 蓄積体
54a 排出口
54b 突出部
55 第1センサ
56 開閉装置
57 密封装置
58 凝固剤供給装置
59 フィルタ
61 収容体
61a 開口部
61b 上部
62 第2センサ
64 制御部
65 噴射ノズル
70 閉塞部材
72 挿通孔
73 第1の貫通孔
74 第2の貫通孔
75 第1のグローブ
76 第2のグローブ
81 負圧発生装置
As アスベスト
P 作業者

Claims (11)

  1. 構造物から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置であって、
    前記アスベストを吸引する吸引ホースと、前記吸引ホースの内部を負圧にする負圧発生装置との間に設けられており、前記吸引ホースにより吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体と、
    前記蓄積体に設けられており、前記蓄積体に蓄積したアスベストを排出する排出口と、
    前記排出口を開閉する開閉装置と、
    前記排出口から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体と、
    前記除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を前記吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置と、
    前記蓄積体に蓄積したアスベストの蓄積量が所定の蓄積量に達したことを検出する第1センサと、
    前記第1センサが前記蓄積体に蓄積したアスベストの蓄積量が所定の蓄積量に達したことを検出したときに前記開閉装置を開作動させる制御部と、
    を備えていることを特徴とするアスベスト回収装置。
  2. 構造物から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置であって、
    前記アスベストを吸引する吸引ホースと、前記吸引ホースの内部を負圧にする負圧発生装置との間に設けられており、前記吸引ホースにより吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体と、
    前記蓄積体に設けられており、前記蓄積体に蓄積したアスベストを排出する排出口と、
    前記排出口から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体と、
    前記収容体に形成されており、前記排出口から排出されるアスベストを受入れる開口部と、
    前記開口部を密封する密封装置と、
    前記除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を前記吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置と、
    を備えていることを特徴とするアスベスト回収装置。
  3. 構造物から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収装置であって、
    前記アスベストを吸引する吸引ホースと、前記吸引ホースの内部を負圧にする負圧発生装置との間に設けられており、前記吸引ホースにより吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体と、
    前記蓄積体に設けられており、前記蓄積体に蓄積したアスベストを排出する排出口と、
    前記排出口を開閉する開閉装置と、
    前記排出口から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体と、
    前記除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を前記吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置と、を備えており
    前記蓄積体の下部には突出部が設けられており、前記排出口は前記突出部の先端に形成されており、
    前記収容体の開口部には逆止弁が設けられており、
    前記突出部は、前記逆止弁を介して前記収容体の内部に挿通可能であることを特徴とするアスベスト回収装置。
  4. 前記収容体に収容されたアスベストの重量が所定の重量に達したことを検出する第2センサと、
    前記第2センサが前記収容体に収容されたアスベストの重量が所定の重量に達したことを検出したときに前記密封装置を作動させる制御部と、
    を備えていることを特徴とする請求項2に記載のアスベスト回収装置。
  5. 構造物から除去されたアスベストを回収するアスベスト回収システムであって、
    前記アスベストを吸引する吸引ホースと、前記吸引ホースの内部を負圧にする負圧発生装置との間に設けられており、前記吸引ホースにより吸引されたアスベストを蓄積する蓄積体と、
    前記蓄積体に設けられており、前記蓄積体に蓄積したアスベストを排出する排出口と、
    前記排出口を開閉する開閉装置と、
    前記排出口から排出されるアスベストを収容する運搬可能な収容体と、
    前記除去されたアスベストを凝固させる凝固剤を前記吸引されたアスベストに供給する凝固剤供給装置と、
    を備えているアスベスト回収装置と、
    前記吸引ホースを挿通可能な挿通孔が形成されており、かつ、前記構造物の開口部を閉塞可能な閉塞部材と、を備えており、
    前記閉塞部材は、
    前記構造物の内部と外部とに連通する通気口と、
    前記通気口に設けられており、アスベストの粒子を濾過するフィルタと、を備えていることを特徴とするアスベスト回収システム
  6. 前記閉塞部材には、第1および第2の貫通孔が形成されており、
    前記第1の貫通孔から挿通可能であり、左腕に装着するための第1のグローブと、
    前記第2の貫通孔から挿通可能であり、右腕に装着するための第2のグローブと、を備えていることを特徴とする請求項5に記載のアスベスト回収システム。
  7. 前記構造物に付着しているアスベストに対して高圧水を噴射して前記アスベストを除去する除去装置を備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のアスベスト回収システム。
  8. 前記アスベストの飛散を抑制するための飛散抑制剤を、前記構造物に付着しているアスベストに供給する飛散抑制剤供給装置を備えていることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のアスベスト回収システム。
  9. 前記飛散抑制剤供給装置は、泡状の前記飛散抑制剤を供給することを特徴とする請求項8に記載のアスベスト回収システム。
  10. 前記構造物は煙突であることを特徴とする請求項から請求項9までのいずれか1項に記載のアスベスト回収システム。
  11. 前記吸引ホースから前記アスベスト回収装置に至るまでの経路には、前記吸引ホースにより吸引されたアスベストが外気に触れる箇所が存在しないことを特徴とする請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載のアスベスト回収システム。
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