JP7465205B2 - セッター - Google Patents

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本発明はセッターに関し、特に、各種材料の焼成に使用される、セラミックス製のセッターに関する。
被焼成物を載置して、被焼成物を焼成するために使用されるセッターは、例えばローラーハースキルン(以下、RHK)で用いられる。そして、このようなセッターとしては、高温で使用でき、耐久性にも優れる点から、セラミックス製のものが広く用いられている。
近年、生産性向上のため、RHKでのさらなる高速焼成化、また一つのセッターに多くの被焼成物を積載する積載量向上化等が検討されており、これらを達成する対策として、いくつかの技術が知られている。
具体的に述べれば、RHKでの更なる高速焼成化を実現するための対策の一例として、セッターの肉薄化による、セッターの低熱量化がある。
このセッターの肉薄化に関し、特許文献1には、「被焼成物を載置し、前記被焼成物と共に焼成炉内に収容される焼成用道具材であって、前記焼成用道具材は炭化珪素焼結体からなり、かつ、少なくとも被焼成物を載置する部分の厚みが0.2mm以上1mm以下、かつ気孔率が15%以上60%以下である焼成用道具材」が示されている。
また、一つのセッターに多くの被焼成物を積載する積載量向上化を実現するための対策の一例として、セッターの大型化がある。
しかしながら、セッターの大型化に伴い、それに伴う強度確保のためにセッターの肉厚を厚くする必要があり、セッターの肉厚を厚くすると、急速な昇降温による熱衝撃に弱く、亀裂、破損が生じるという新たな課題が生じる。
例えば、急激な加熱に起因する割れ、大型化による機械的強度の低下に起因する割れを防止するものとして、特許文献2には、「中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有するサセプタであって、中央部の孔と外周端の間に、基板ホルダーを収納するための孔と接触しないようにスリットが設けられてなるサセプタ」が示されている。
また、軽量化のために、多数の小さい貫通孔を設ける方法が、例えば、特許文献3に提案されている。具体的には、特許文献3には、「加熱支持板として、厚みが4mm以下であり、且つ、孔径が0.1~5mmの貫通孔が形成されており、この加熱支持板とセラミック成形体との接触面における貫通孔の占有総面積を5%以上とする」ことが示されている。
特開2019-11238号公報 特開2014-207357号公報 特開2004-175631号公報
ところで、特許文献1に記載のセッターを、被焼成物(積載物)が多い場合、また重い場合に対応して大型で薄いものとすると、セッターが薄肉のため、亀裂、破損が生じる虞があり、大型化には強度の点で不向きである。なお、薄肉のセッターは、熱処理中に反りやすいので、多数の被焼成物を載置した場合に、これら被焼成物の位置ずれやセッターからの落下が懸念される。
また、特許文献2記載の発明はサセプタに関する発明であり、これをRHKで用いるセッターに応用するには、さらなる改良が必要であり、そのまま使用することはできない。
例えば、特許文献2の発明では、円形のサセプタの中心部に位置する穴に、スリットを形成しているが、RHKで用いるセッターは矩形状であり、スリットを入れる場合に、どのようなスリットを、いかなる位置に形成するのが良いか、特許文献2には示されていない。
更に、特許文献3に記載の加熱支持板には、直径5mm以下の小さい貫通孔が多数設けられ、軽量化が図られている。
しかしながら、RHK内で搬送されるセッターは、搬送の進行方向に向かって温度差が発生するため、熱膨張差により矩形が台形に変形する。そのため、セッターのエッジ部分に引張応力が発生し、何らかの対策がなされていない限り、割れの発生が起こるが、この点について特許文献3には示されていない。
したがって、上記した高速焼成化、積載量向上化のためには、セッターの大型化、耐熱衝撃性、反り低減、軽量化を図る必要があるところ、貫通孔とスリットが不可欠であると考えられるが、特許文献1、特許文献2、特許文献3のいずれの文献に記載された技術を適用しても、上記したような課題を解決できる提案はなされていない。
本発明者らは、上記課題を解決するために、貫通孔とスリットを設けることによって、矩形セッターの耐熱衝撃性を鋭意研究し、矩形の矩形セッターの特定位置に貫通孔とスリットを設けることによって、矩形のセッターの耐熱衝撃性の向上を図ることができることを知見し、本発明を想到した。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、貫通孔とスリットを設けることによって、耐熱衝撃性を向上させるセラミックス製の矩形のセッターを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかるセッターは、矩形の載置面を有する、セラミックス製の板状のセッター本体と、前記セッター本体を厚さ方向に貫通し、前記載置面と前記セッター本体の裏面に開口を有する円形の複数の貫通孔と、前記板状のセッター本体の角部に位置する貫通孔を除いて、前記載置面の外縁部に最も近い貫通孔から前記外縁部に向けて延設され、前記外縁部と貫通孔とを連通し、外縁部に開口を有するスリットと、を備え、前記載置面の外縁部に最も近い貫通孔には前記スリットが形成され、前記板状のセッター本体の角部に位置する貫通孔には、前記スリットが形成されていないことに特徴を有する。
本発明にかかるセッターは、上記構成の貫通孔とスリットを備えるため、耐熱衝撃性を向上させることができ、セッターの割れを抑制できる。
また、前記載置面の外縁部に最も近い位置に複数の貫通孔がある場合には、前記スリットは、最も近い位置にある複数の貫通孔のすべてと、前記外縁部と連通することが望ましい。
また、前記載置面の外縁部に最も近い位置に複数の貫通孔がある場合には、前記スリットは、最も近い位置にある複数の貫通孔うち、一定の間隔で配置された貫通孔と、前記外縁部と連通するように構成しても良い。
更に、前記載置面の外縁部に最も近い貫通孔に隣接する貫通孔から前記外縁部に向けて延設され、前記外縁部と隣接する貫通孔とを連通し、外縁部に開口を有する第2のスリットを備えるように構成しても良い。
また、スリットが形成されていない前記貫通孔の数は、前記スリットが形成された貫通孔の数の1.4倍以上1.9倍以下であることが望ましい。
本発明によれば、上記したように、貫通孔とスリットを特定の構成で設けることによって、耐熱衝撃性を向上させることのできるセラミックス製の矩形のセッターを得ることができる。
本発明の一実施形態に係るセッターの概略平面図である。 一実施形態に係るセッターの第1の変形例を示す概略図である。 一実施形態に係るセッターの第2の変形例を示す概略図である。 解析で用いた、1/4モデルを説明するための概略説明図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるセッターを図1乃至図3に基づいて説明する。
本発明にかかるセッター1は、図1に示すように、矩形の載置面1aを有する、セラミックス製の板状のセッター本体1Aを備えている。即ち、セッター本体1Aは、平面視上(上面から見た形状)載置面が矩形であり、互いに対向する載置面1a(表面)および裏面を有しており、厚さが略一定の平板に形成されている。
尚、載置面1aが矩形である場合(セッター本体1Aが矩形の板状体である場合)には、ハンドリング時に、より強度のある辺(短辺)を手で保持する必要があるが、載置面1aが正方形である場合(セッター本体1Aが正方形の板状体である場合)には、ハンドリング時に、より強度のある辺(短辺)を手で保持することを制限する必要がない点で、より望ましい。
また、セッター本体1Aは、平面視上(上面から見た形状)載置面が矩形に形成されているのは、RHKで用いるのに適した形状であり、円形のセッターは適さない。
また、セッター本体1Aは、セラミックス製であることが好ましい。材質の一例として、アルミナ、ジルコニア、ムライト、炭化ケイ素が挙げられる。
本発明のセッターにあっては、セッターに一般的に用いられている素材を用いることができ、材質は限定されないが、軽量で強度にも優れた炭化ケイ素を好適に用いることができる。尚、本発明のセッターは、単体のセラミックスでもよいが、その表面に各種コーテイングを施したものでもよい。
更に、セッター本体1Aの載置面1aには、セッター本体1Aの厚さ方向に貫通する円形の貫通孔2が複数形成されている。即ち、これら複数の貫通孔2は、前記載置面1aと前記セッター本体の裏面(図示せず)に開口している。
また、前記貫通孔2は、図1に示すように、載置面1aの外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)と平行に列をなして配置され、全体として、碁盤の目状(格子状)に配置されている。
このように、セッター本体1Aの載置面1aには、セッター本体1Aの厚さ方向に貫通する円形の貫通孔2が複数形成され、貫通孔2によって、セッター1の軽量化、熱容量の低減効果を図ることができる。
前記貫通孔2は、真円が望ましい。周方向に対して特定の一方向に応力が集中することがないからである。ただし、製造上生じる誤差の範囲での変形、または楕円形状であることは許容される。
また、前記貫通孔2は、載置面1aの開口から裏面の開口まで略垂直方向に、ほぼ一定の口径で形成されると好ましいが、垂直方向からのずれや径の大きさのずれは、製造上生じる誤差の範囲で許容される。
更に、前記貫通孔2は、前記したように、複数形成されることが好ましく、特に、セッター本体1に形成される貫通孔2が4個以下の場合には、軽量化の効果が得られにくく、熱容量の低減効果を図ることができため、好ましくない。したがって、貫通孔2が4個を超える個数形成されているのが好ましい。
セッター本体1に形成される貫通孔2の直径は、10mm~14mmが好ましい。貫通孔2の直径が10mm未満の場合には、応力が集中しやすく好ましくない。また、貫通孔2の直径が14mm超える場合には、積載物落下の危険性と貫通孔同士の距離が近くなり穴と穴の間に応力が集中しやすくなるため、これも好ましくない。
そしてまた、前記載置面1aの外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)に最も近い貫通孔2(2b、2c、2d、2e)から、外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)に向けて、スリット3が形成されている。このスリット3は、外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)と貫通孔2(2b、2c、2d、2e)とを連通し、外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)に開口している。
尚、前記スリット3は、前記載置面1aと前記セッター本体の裏面(図示せず)に開口している。
外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)と貫通孔2(2b、2c、2d、2e)とがスリット3を介して連通しているため、この貫通孔2の周縁部に発生した応力が、スリット3に伝播して、外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)に発散される。
そのため、セッター本体1A全体で応力が適切に分散され、クラックの発生が抑制される。
ここで、前記スリット3は、外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)に複数形成されることが好ましい。外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)の夫々に形成されるスリット3が一つのみでは、スリット3の近傍と、スリット3から離れた箇所での応力差が大きく、クラックの発生低減効果が得られにくい。
即ち、図1に示すように、載置面1aの外縁部1Bに最も近い位置に複数の貫通孔2がある場合には、前記スリット3は、最も近い位置にある複数の貫通孔2のすべてと、前記外縁部1Bと連通することが望ましい。
尚、図1において、セッター本体1Aの角部に形成された貫通孔2g(2)には、スリット3が形成されていないが、これは、セッターを手で持って搬送する際に、四角の対向する2か所を持つことが多く、角部にスリットが入っていると、強度が著しく低下するためである。ただし、スリットを入れたものでも、本発明の効果が得られるので、図1で、貫通孔2g(2)にスリット3が形成されていても、格別不都合ではない。
上記説明では、図1に基づいて、スリット3が最も近い位置にある複数の貫通孔2のすべてと連通した場合を例にとって説明した。この場合、スリット3の長さ寸法(外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)と貫通孔2(2b、2c、2d、2e)との距離)は、同一に形成されている。
しかしながら、図2に示すように、スリット3と長さ寸法の異なる第2のスリット3Aを設けても良い。この第2のスリット3Aは、載置面1aの外縁部1Bに最も近い貫通孔2に隣接する貫通孔2Aから前記外縁部1Bに向けて延設され、前記外縁部1Bと隣接する貫通孔2Aとを連通し、外縁部1Bに開口を有するように形成されている。
図2に示すように、スリット3と、スリット3よりも長い第2のスリット3Aが形成されている場合には、セッター本体1Aの内側の応力が外縁部1Bに伝播されるため、好ましい。
しかしながら、使用者がセッター1を、スリットを覆うように掴んだ時、スリットに荷重がかかるので、長いスリットほど不利である。一方、短すぎるスリットでは、セッター本体1Aの内側の応力が十分に外縁部1Bに伝播されない。
そのため、短いスリット3と長いスリット(第2のスリット3A)の組み合わせを最適化する(例えば、図2に示すように、短いスリット3と長いスリット(第2のスリット3A)を交互に配置する)ことで、上記2つの相反する作用効果のバランスをとるのが望ましい。
また、図3に示すように、スリット有無を交互に配置してもよい。
即ち、載置面1aの外縁部1B(各辺1b、1c、1d、1e)に最も近い位置に複数の貫通孔2がある場合には、前記スリット3は、最も近い位置にある複数の貫通孔2うち、一定の間隔で配置された貫通孔2Bと、前記外縁部1Bと連通するように構成しても良い。
この図3に示したセッター1は、スリットが少ないので、スリット部の破損のリスクは小さく、特に、薄肉のセッターには好適といえる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明は下記に示す実施例により制限されるものではない。ここでは、数値計算による構造解析を行い、応力の発生状態を確認した。以下、解析条件を示す。
セッターの材質は多孔質の炭化ケイ素である。そして、物性値として、以下を適用した。すなわち、かさ比重2.47g/cm、見かけ気孔率23.4%、熱膨張係数4.3×10-3(at 1000℃)、熱伝導率154W/mK(at 25℃)、比熱容量0.69J/gK(at 25℃)、ヤング率160GPa、ポアソン比0.16、とした。
汎用の解析ソフトを用いて、数値解析を実行した。まず、セッターがRHK内を移動する状態を想定した非定常伝熱解析を、3次元ソリッド、輻射熱、初期設定温度1260℃、送り速度180mm/minで計算した。
次に、セッター内の平面方向における温度分布と応力分布について、静解析を行ったが、この時、セッターの自重と260g×4枚の板を被載置物と想定した荷重を設定した。また、RHKでの焼成状態を想定して、RHK内でのセッターの送り速度は180mm/min、焼成時の最高温度は1260℃とした。
解析するセッターの形状については、矩形のセッターの一辺の長さをL1、これと垂直な辺の長さをL2とおき、セッターの肉厚をtとし、L1とL2が共にL=304mm、t=4mm、の正方形セッターを設定した。またセッター上の積載物(被焼成物)のサイズは、一辺が282mmの矩形の板とした。
なお、さらにその上に焼成物などが載っている場合もあるが、セッターに与える荷重はごくわずかとなるため、温度分布の評価ができるよう矩形の板のみ載せた状態で比較した。
セッター1の貫通孔2およびスリット3のサイズについては、図4に示すように、rは貫通孔2の半径、aはセッターの載置面の中心から最も離れた貫通孔2の中心までの距離、wはスリット3の幅、lはスリット3の長さ、n1はスリット3が形成されていない貫通孔の数、n2はスリット3が形成されている貫通孔の個数、sはスリットの本数とする。
尚、図4は、上記符号r、a、w、lを説明する図であって、セッター1の1/4を示している。
解析例1は、L=304mm、t=4mm、貫通孔の無い無垢のセッターの場合である。この解析例1の発生応力σ1を1として、解析例2~12(解析例n(n=2~12))の夫々の発生応力をσnとし、そして解析例2~12のそれぞれの発生応力σnとの比σn/σ1を応力比として求め、この値で耐熱衝撃性(小さいほど耐熱衝撃性に優れる)を判断した。
応力比σn/σ1<0.7となる形状が望ましいが、過酷な条件で使用することを考えると、σn/σ1<0.5となることがより好ましい。
0.7≦σn/σ1は×、0.5≦σn/σ1<0.7は〇、そして、σn/σ1<0.5は◎、として、◎と〇を合格とした。表1に、各条件と応力比と応力比の判定結果を示す。
Figure 0007465205000001
解析例2、3は、スリットが形成されてない貫通孔2を均等に並べた、従来技術(比較例)の範疇にある形状である。ここで、解析例1の応力比は0.889、解析例2の応力比は0.833、そして、解析例3の応力比は0.479であったことから、ここでは、rは5mm(解析例1)よりも7mm(解析例2、3)の方が、相対的な応力は下がっていることがみてとれる。
解析例4~6は、解析例3の条件でW=3mmのスリットを入れた形状である。解析例4~6は、解析例1~3より応力比が小さいものとなった。
特に解析例5は、図2に示すような、長さの異なるスリット(34mmと68mm)を交互に入れたものであり、解析例4~6の中で最も応力比が下がった。
なお、解析例6は、図3に示すように、セッターの載置部の貫通孔を間引いた形状であるが、解析例6は、解析例4、5よりは応力比が大きいものとなった。
ここで、解析例4、5、6について、スリットが形成されていない貫通孔の数n1と、スリットが形成された貫通孔の数n2の比(n1/n2)をとった場合、解析例4は1.86、解析例5は1.43、解析例6は1である。
表1の結果から、応力比をより効果的に下げることのできる(n1/n2)は、1.43~1.86、セラミックスの加工誤差も誤差を考慮して、1.4~1.9の範囲が、より好ましいものといえる。
解析例7~9は、rを大きく取り、セッターの剛性と熱容量の低下を図ったものである。いずれも応力比が0.7を超えるものであった。また、貫通孔2の径を大きくすることは、被焼成物を正しく保持できない虞れがあり、好ましいものではない。
解析例10、11は、セッターの外縁部(一辺)につき1本のスリットと、先端に貫通孔の有無と、を比較したものである。また、解析例12は、複数のスリットと先端を穴形状にしたものである。
いずれも解析例1よりも応力比が高くなり、本発明との差が明確になった。
すなわち、貫通孔のみ、またはスリットのみ、のセッターでは、発生応力抑制効果が弱いことがわかった。
また、解析例4、5、6、12の結果より、単にセッターの外周部にスリットと貫通孔が存在するだけでは、応力抑制効果は期待できず、載置部にも貫通孔が必要であることがわかった。
その他、本発明の好ましい態様について補足する。本発明のセッター本体は、その厚さが2mm以上6mm以下であると好ましい。本発明は、2mm以下の薄肉セッターでは、いわゆる初期反り反りが大きく、セッター内に内在する応力がもともと高いので、貫通孔を多数設けると、破損のリスクが上がる。そもそも、薄肉なので、貫通孔を多数設けて軽量化するメリットが少ない。好適には4~5mmである。
本発明のセッター本体は、一辺の長さLが150mm以上400mm以下であることが好ましく、より好ましくは200mm以上350mm以下である。本発明は、大面積のセッターで、軽量化のために貫通孔を設けたときに、特にエッジ部のクラック発生を効果的に抑制するものであるので、あまりに小さいセッターでは、本発明を採用するメリットがうすい。しかしながら、あまりに大面積であると、セッターの一辺に発生する応力が大きすぎて、本発明の応力低減効果が追い付かない。
1 セッター
1A セッター本体
1B 外縁部
1a 載置部
1b、1c、1d、1e 載置面の一辺
2 貫通孔
2b、2c、2d、2e 外縁部の外縁部に最も近い貫通孔
2g セッター本体の角部に位置する貫通孔
3 スリット

Claims (5)

  1. 矩形の載置面を有する、セラミックス製の板状のセッター本体と、
    前記セッター本体を厚さ方向に貫通し、前記載置面と前記セッター本体の裏面に開口を有する円形の複数の貫通孔と、
    前記板状のセッター本体の角部に位置する貫通孔を除いて、前記載置面の外縁部に最も近い貫通孔から前記外縁部に向けて延設され、前記外縁部と貫通孔とを連通し、外縁部に開口を有するスリットと、を備え、
    前記載置面の外縁部に最も近い貫通孔には前記スリットが形成され、前記板状のセッター本体の角部に位置する貫通孔には、前記スリットが形成されていないことを特徴とするセッター。
  2. 前記載置面の外縁部に最も近い位置に複数の貫通孔がある場合には、
    前記スリットは、
    最も近い位置にある複数の貫通孔のすべてと、前記外縁部と連通することを特徴とする請求項1記載のセッター。
  3. 前記載置面の外縁部に最も近い位置に複数の貫通孔がある場合には、
    前記スリットは、
    最も近い位置にある複数の貫通孔うち、一定の間隔で配置された貫通孔と、前記外縁部と連通することを特徴とする請求項1記載のセッター。
  4. 更に、前記載置面の外縁部に最も近い貫通孔に隣接する貫通孔から前記外縁部に向けて延設され、前記外縁部と隣接する貫通孔とを連通し、外縁部に開口を有する第2のスリットを備えることを特徴とする請求項1記載のセッター。
  5. スリットが形成されていない前記貫通孔の数は、前記スリットが形成された貫通孔の数の1.4倍以上1.9倍以下であることを特徴とする請求項1に記載のセッター。
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