JP7464059B2 - 表示媒体、及び表示セット - Google Patents

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Description

本発明は、表示媒体と、その表示媒体を通して観察されるための表示物品と、それらを組み合わせて含む表示セットとに関する。
円偏光板は、一般に、右回りの回転方向を有する円偏光(即ち、右円偏光)及び左回りの回転方向を有する円偏光(即ち、左円偏光)の一方を選択的に透過させる機能を有する。このような機能を活用して、従来から、円偏光板は、真正性の識別用途に用いられることがあった(特許文献1及び2)。
特許第4172199号公報 特許第5828182号公報
本発明者は、前記の円偏光板の機能は、真正性の識別用途以外の用途においても活用しうると考え、新たな表示態様を創出することを試みた。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、従来には無い新たな表示態様を実現できる表示セット、並びに、当該表示セットに適用できる表示媒体及び表示物品を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、円偏光分離機能を有する偏光分離層を備える基材と、特定の円偏光分離機能を有する2種類以上の顔料を含む反射層と、を備える表示媒体と;下地物品と円偏光分離機能を有する顔料を含む表示層とを備える表示物品と;を組み合わせて備える表示セットが、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 基材と、前記基材に設けられた反射層と、を備え、
前記基材が、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる偏光分離層を備え、
前記反射層が、一方の回転方向DBRの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第一反射顔料と、一方の回転方向DBLの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第二反射顔料と、を含み、
前記第一反射顔料が反射できる円偏光の回転方向DBRと、前記第二反射顔料が反射できる円偏光の回転方向DBLとが、逆であり、
前記第一反射顔料が反射できる円偏光の色相と、前記第二反射顔料が反射できる円偏光の色相とが、異なる、表示媒体。
〔2〕 前記偏光分離層が円偏光を反射できる波長範囲の波長幅が、70nm以上である、〔1〕に記載の表示媒体。
〔3〕 前記偏光分離層が、コレステリック規則性を有する樹脂の層である、〔1〕又は〔2〕に記載の表示媒体。
〔4〕 前記第一反射顔料及び前記第二反射顔料が、コレステリック規則性を有する樹脂のフレークを含有する、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の表示媒体。
〔5〕 前記基材が、位相差層を備える、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の表示媒体。
〔6〕 測定波長590nmにおける前記位相差層の面内レターデーションが、「{(2n+1)/2}×590nm-30nm」以上、「{(2n+1)/2}×590nm+30nm」以下である(ただし、nは、0以上の整数を表す。)、〔5〕に記載の表示媒体。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の表示媒体を通して観察されるための表示物品であって、
前記表示物品が、下地物品と、前記下地物品に設けられた表示層とを備え、
前記表示層が、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる表示顔料を含む、表示物品。
〔8〕 前記表示層が、前記表示顔料として、一方の回転方向DDRの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第一表示顔料と、一方の回転方向DDLの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第二表示顔料と、を含み、
前記第一表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDRと、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDLとが、逆であり、
前記第一表示顔料が反射できる円偏光の色相と、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の色相とが、異なる、〔7〕に記載の表示物品。
〔9〕 〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の表示媒体と、〔7〕又は〔8〕に記載の表示物品と、を含む、表示セット。
〔10〕 一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる偏光分離層と、位相差層と、を備える基材を備える表示媒体を通して観察されるための表示物品であって、
前記表示物品が、下地物品と、前記下地物品に設けられた表示層とを備え、
前記表示層が、一方の回転方向DDRの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第一表示顔料と、一方の回転方向DDLの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第二表示顔料と、を含み、
前記第一表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDRと、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDLとが、逆であり、
前記第一表示顔料が反射できる円偏光の色相と、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の色相とが、異なる、表示物品。
〔11〕 一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる偏光分離層と、位相差層と、を備える基材を備える表示媒体と、〔10〕に記載の表示物品と、を含む、表示セット。
本発明によれば、従来には無い新たな表示態様を実現できる表示セット、並びに、当該表示セットに適用できる表示媒体及び表示物品を提供できる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体を一側から見た模式的な平面図である。 図3は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体を他側から見た模式的な平面図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体を一側から見た模式的な平面図である。 図8は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体を他側から見た模式的な平面図である。 図9は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体を模式的に示す断面図である。 図10は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体を模式的に示す断面図である。 図11は、本発明の第三実施形態に係る表示セットを模式的に示す断面図である。 図12は、本発明の第三実施形態に係る表示セットが含む表示物品を模式的に示す断面図である。 図13は、本発明の第三実施形態に係る表示セットが含む表示物品を模式的に示す平面図である。 図14は、図11に示される表示セットを図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。 図15は、本発明の第三実施形態に係る表示セットを模式的に示す断面図である。 図16は、図15に示される表示セットを図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。 図17は、本発明の第四実施形態に係る表示セットを模式的に示す断面図である。 図18は、図17に示される表示セットを図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。 図19は、本発明の第四実施形態に係る表示セットを模式的に示す断面図である。 図20は、図19に示される表示セットを図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。 図21は、実施例1で製造した表示セットを模式的に示す断面図である。 図22は、実施例2で製造した表示セットを模式的に示す断面図である。 図23は、実施例3で製造した表示セットを模式的に示す断面図である。 図24は、比較例1で製造した表示セットを模式的に示す断面図である。 図25は、比較例2で製造した表示セットを模式的に示す断面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
以下の説明において、層の面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
以下の説明において、「円偏光」には、本発明の効果を著しく損なわない範囲であれば、楕円偏光も包含される。
[1.表示セットの概要]
本発明の一実施形態に係る表示セットは、表示媒体と表示物品とを含む。表示媒体は、偏光分離層を備える基材と、この基材に設けられた反射層とを備える。通常、基材は、第一面及び当該第一面とは反対側にある第二面を有する部材であり、第一面及び第二面の少なくとも一方に反射層が設けられる。また、表示物品は、下地物品と、この下地物品に設けられた表示層とを備える。
表示媒体が備える基材は、右回りの円偏光(即ち、右円偏光)及び左回りの円偏光(即ち、左円偏光)の両方を含む非偏光等の照射光の一部を透過させることができる。具体的には、基材が備える偏光分離層が、右回り及び左回りの一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を透過させうる。したがって、基材は、照射光に対して透明又は半透明な部材でありうる。
さらに、表示媒体が備える反射層は、右回り及び左回りの一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる複数の顔料を、含む。以下、反射層に含まれる顔料を「反射顔料」と呼ぶことがある。この反射顔料として、反射層は、一方の回転方向DBRの円偏光を反射できる第一反射顔料と、当該回転方向DBRとは逆の回転方向DBLの円偏光を反射できる第二反射顔料とを、組み合わせて含む。また、これらの第一反射顔料及び第二反射顔料は、反射できる円偏光の色相が異なるように、組み合わせられる。以下の説明では、反射顔料が反射できる円偏光の色相を「反射顔料の色相」ということがある。よって、第一反射顔料が反射できる円偏光の色相を「第一反射顔料の色相」ということがある。また、第二反射顔料が反射できる円偏光の色相を「第二反射顔料の色相」ということがある。
この表示媒体を反射層側から観察した場合、観察者は、通常、基材を透過することなく反射層に進入して反射した反射光を見る。反射層では、第一反射顔料及び第二反射顔料の両方で強い光の反射が生じうるので、反射層からの反射光には、第一反射顔料が反射した回転方向DBRの円偏光及び第二反射顔料が反射した回転方向DBLの円偏光が組み合わせて含まれうる。よって、観察者は、第一反射顔料の色相と第二反射顔料の色相との混色に呈色した反射層を視認できる。
他方、表示媒体を反射層とは反対側から観察した場合、観察者は、通常、基材を透過してから反射層に進入して反射した反射光を見る。基材の偏光分離層が右回り及び左回りの一方の回転方向Dの円偏光を反射するので、基材で反射された円偏光は反射層に進入できない。そのため、反射層では、右円偏光を反射できる反射顔料及び左円偏光を反射できる反射顔料のうち、一方では光の反射が生じないか、反射が弱い。そうすると、反射層からの反射光には、回転方向DBRの円偏光及び回転方向DBLの円偏光の一方が含まれないか、または、含まれるとしてもその光束は小さい。よって、観察者は、第一反射層の色相及び第二反射層の色相の片方の色相に呈色した反射層を視認できる。
したがって、表示媒体を右円偏光及び左円偏光の両方を含む光の下で観察した場合、反射層側から観察して視認される反射層の色相と、反射層とは反対側から観察して視認される反射層の色相とが、異なりうる。よって、基材が透明又は半透明でありながら、片方の面(例えば、オモテ面)から観察して視認される表示媒体の像と、もう片方の面(例えば、ウラ面)から観察して視認される表示媒体の像とが、異なりうる。
また、右円偏光及び左円偏光の両方を含む照射光の下では、前記のように基材が透明又は半透明であるので、表示媒体の少なくとも一部も透明又は半透明でありうる。したがって、観察者は、表示媒体を通して表示物品を観察することができる。
表示物品の表示層は、右回り及び左回りの一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる顔料を含む。以下、表示層に含まれる顔料を「表示顔料」と呼ぶことがある。この表示顔料で反射した円偏光は、表示媒体の基材で遮られることがありうる。したがって、表示媒体を通して観察して視認される表示物品の像と、表示媒体を通さないで観察して視認される表示物品の像とは、異なりうる。
例えば、表示層が、表示顔料として、一方の回転方向DDRの円偏光を反射できる第一表示顔料と、当該回転方向DDRとは逆の回転方向DDLの円偏光を反射できる第二表示顔料とを、組み合わせて含む場合、表示媒体を通さないで観察して視認される表示層の色は、第一表示顔料が反射した円偏光の色相と第二表示顔料が反射した円偏光の色相との混色でありうる。他方、表示媒体を通して観察して視認される表示層の色は、表示媒体の基材で遮られない円偏光の色相になりうるので、第一表示顔料が反射した円偏光の色相及び第二表示顔料が反射した円偏光の色相の片方の色相でありうる。よって、視認される表示物品の像に現れる表示層の色相が相違しうるので、表示媒体を通して観察して視認される表示物品の像と、表示媒体を通さないで観察して視認される表示物品の像とが、異なりうる。以下の説明では、表示顔料が反射できる円偏光の色相を「表示顔料の色相」ということがある。よって、第一表示顔料が反射できる円偏光の色相を「第一表示顔料の色相」ということがある。また、第二表示顔料が反射できる円偏光の色相を「第二表示顔料の色相」ということがある。
また特に、基材が位相差層を備える場合には、表示媒体の向きに応じて、視認される表示層の色を変化させうる。位相差層は、当該位相差層を透過する光の偏光状態を変化させるので、基材で遮られる円偏光の回転方向は、その円偏光の進行方向により異なりうる。例えば、位相差層を備える基材の片方の面に照射される右円偏光が基材によって遮られる場合、その基材は、基材のもう片方の面に照射された左円偏光を遮ることができる。よって、表示媒体は、表裏の向きによって、遮る円偏光を右円偏光と左円偏光とで切り替えることができる。したがって、表示媒体を通して観察して視認される表示層の色を、表示媒体の向きに応じて、第一表示顔料の色相と第二表示顔料の色相との間で変化させることができる。よって、表示媒体を通して観察して視認される表示物品の像が、表示媒体の向きに応じて、異なりうる。
このように、本発明の一実施形態に係る表示セットでは、表示媒体の向きに応じて、視認される表示媒体の像が異なりうる。更には、表示媒体を通して観察して視認される表示物品の像と、表示媒体を通さないで表示物品を観察して視認される表示物品の像とが、異なりうる。更に、特に表示媒体の基材が位相差層を備える場合、表示媒体の向きに応じて、表示媒体を通して観察して視認される表示物品の像が異なりうる。よって、このように異なる像の組み合わせにより、相補的なデザインが実現可能となり、従来には無かった新たな表示態様を達成でき、ひいては複雑且つ自由度の高い意匠を作成できる。
また、前記のように、表示媒体の基材が位相差層を備える場合、表示媒体を通して観察して視認される表示物品の像が、表示媒体の向きに応じて、異なりうる。したがって、表示媒体の反射層に依らず、視認される表示物品の像の組み合わせによっても、相補的なデザインが実現可能となる。そこで、本発明の別の実施形態として、偏光分離層及び位相差層を備える基材を備える表示媒体と;第一表示顔料及び第二表示顔料を組み合わせて含む表示層を備える表示物品と;を含む表示セットを実施してもよい。この表示セットにおいて、表示媒体は、反射層を備えなくてもよく、右回り及び左回りの一方の回転方向の円偏光を反射できる反射顔料のみを含んでいてもよい。また、表示物品の表示層が含む第一表示顔料及び第二表示顔料は、第一表示顔料の色相と第二表示顔料の色相とが異なるように、組み合わせることが好ましい。
[2.表示媒体に係る第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体100を模式的に示す断面図である。また、図2は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体100を一側(第一反射層120が設けられた側)から見た模式的な平面図である。さらに、図3は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体100を他側(第二反射層130が設けられた側)から見た模式的な平面図である。
図1~図3に示すように、本発明の第一実施形態に係る表示媒体100は、第一面110U及び第二面110Dを有する基材110と、基材110の第一面110Uに設けられた反射層としての第一反射層120と、基材110の第二面110Dに設けられた反射層としての第二反射層130と、を備える。
基材110は、第一面110Uと、当該第一面110Uの反対側にある第二面110Dとを有する部材であり、偏光分離層111を備える。本実施形態では、オモテ面及びウラ面の一方として第一面110Uを有し、且つ、オモテ面及びウラ面の他方として第二面110Dを有するシート状の基材110を例に示して説明する。
偏光分離層111は、円偏光分離機能を有する。「円偏光分離機能」とは、右回り及び左回りのうちの一方の回転方向の円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させる機能を意味する。よって、偏光分離層111は、当該円偏光分離機能を発揮できる波長範囲において、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。円偏光分離機能を発揮できる波長範囲とは、具体的には、入射角5°で測定される反射スペクトルにおいて、通常35%~50%、好ましくは40%~50%の最大反射率(スペクトルの最大強度)を有するピークの半値全幅の波長範囲(即ち、前記反射スペクトルにおいて、「最小強度+(最大強度-最小強度)/2」以上の強度を示す波長範囲)を表す。以下の説明では、このように偏光分離層111が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲を、適宜「偏光分離波長範囲」ということがある。
肉眼で視認できる表示態様を実現する観点から、偏光分離波長範囲は、可視波長領域にあることが好ましい。可視波長領域とは、通常、400nm以上780nm以下の波長域をいう。
偏光分離波長範囲の波長幅は、広いことが好ましい。具体的な偏光分離波長範囲の波長幅は、好ましくは70nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、特に好ましくは400nm以上である。偏光分離波長範囲の波長幅が広いことにより、偏光分離層111によって反射できる円偏光の色の範囲を広くできるので、第一反射層120及び第二反射層130等の反射層及び表示物品の表示層(図1~図3では図示せず。)の色の自由度を高めることができ、意匠性の高い表示態様が可能になる。偏光分離波長範囲の波長幅の上限は、特段の制限はないが、例えば、600nm以下でありうる。偏光分離波長範囲の波長幅は、実施例で説明する方法によって測定できる。
偏光分離層111としては、コレステリック規則性を有する樹脂の層が好ましい。コレステリック規則性を有する樹脂を、以下、適宜「コレステリック樹脂」ということがある。コレステリック規則性とは、ある平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。即ち、ある層の内部の分子がコレステリック規則性を有する場合、分子は、層の内部のある第一の平面上では分子軸が一定の方向になるよう並ぶ。層の内部の、当該第一の平面に重なる次の第二の平面では、分子軸の方向が、第一の平面における分子軸の方向と、少し角度をなしてずれる。当該第二の平面にさらに重なる次の第三の平面では、分子軸の方向が、第二の平面における分子軸の方向から、さらに角度をなしてずれる。このように、重なって配列している平面において、当該平面中の分子軸の角度が順次ずれて(ねじれて)いく。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は、通常はらせん構造であり、光学的にカイラルな構造である。
通常、コレステリック樹脂の層は、円偏光分離機能を発揮できる。コレステリック樹脂の層における反射は、円偏光を、そのキラリティを維持したまま反射する。
コレステリック樹脂の層が円偏光分離機能を発揮する具体的な波長は、一般に、コレステリック樹脂の層におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離である。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。ピッチを調整する方法としては、例えば、特開2009-300662号公報に記載の方法を用いうる。具体例を挙げると、コレステリック液晶組成物において、カイラル剤の種類を調整したり、カイラル剤の量を調整したりする方法が挙げられる。特に、層内において、らせん構造のピッチの大きさが連続的に変化していると、単一のコレステリック樹脂の層により広い波長範囲に亘る円偏光分離機能を得ることができる。
広い波長範囲で円偏光分離機能を発揮できるコレステリック樹脂の層としては、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂の層、及び、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂の層、等が挙げられる。
(i)らせん構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂の層は、例えば、らせん構造のピッチが異なる複数のコレステリック樹脂の層を積層することによって得ることができる。積層は、予めらせん構造のピッチが異なる複数のコレステリック樹脂の層を作製した後に、各層を粘着剤又は接着剤を介して固着することによって行なうことができる。または、積層は、あるコレステリック樹脂の層を形成した上に、別のコレステリック樹脂の層を順次形成していくことによって行なうこともできる。
(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂の層は、例えば、液晶組成物の層に、1回以上の活性エネルギー線の照射処理及び/又は加温処理を含む広帯域化処理を施した後で、その液晶組成物の層を硬化させて得ることができる。前記の広帯域化処理によれば、らせん構造のピッチを厚み方向において連続的に変化させることができるので、コレステリック樹脂の層が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲(反射帯域)を拡張することができ、そのため、広帯域化処理と呼ばれる。
コレステリック樹脂の層は、1層のみからなる単層構造の層でもよく、2層以上の層を含む複層構造の層であってもよい。コレステリック樹脂の層に含まれる層の数は、製造のし易さの観点から、1~100であることが好ましく、1~20であることがより好ましい。
コレステリック樹脂の層の製造方法に制限はないが、通常は、コレステリック液晶組成物を用いて製造しうる。コレステリック液晶組成物とは、当該液晶組成物に含まれる液晶化合物を配向させた場合に、液晶化合物がコレステリック規則性を有した液晶相(コレステリック液晶相)を呈することができる組成物をいう。ここで便宜上「液晶組成物」と称する材料は、2以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。具体的なコレステリック樹脂の層の製造方法としては、例えば、特開2014-174471号公報、特開2015-27743号公報に記載の方法が挙げられる。このようなコレステリック液晶組成物を用いる製造方法では、コレステリック規則性におけるねじれ方向は、液晶組成物が含むカイラル剤の構造により適宜選択できる。例えば、ねじれを右回りとする場合には、右旋性を付与するカイラル剤を含むコレステリック液晶組成物を用い、ねじれ方向を左回りとする場合には、左旋性を付与するカイラル剤を含むコレステリック液晶組成物を用いうる。
偏光分離層111の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下である。偏光分離層111の厚みが前記範囲の下限値以上である場合、一側を観察して視認される表示媒体100の像と他側を観察して視認される表示媒体100の像との違いを特に明確にできる。他方、偏光分離層111の厚みが前記範囲の上限値以下である場合、透明性を高めることができる。
基材110は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、任意の層(図示せず。)を備えていてもよい。任意の層としては、偏光分離層111を支持する支持層、偏光分離層111を他の層と接着する接着層、などが挙げられる。これら任意の層は、面内レターデーションが小さいことが好ましい。任意の層の具体的な面内レターデーションは、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下、特に好ましくは5nm以下であり、理想的には0nmである。このように面内レターデーションが小さい層は、光学等方性の層であるので、当該任意の層による偏光状態の変化を抑制できる。
反射層としての第一反射層120は、基材110の第一面110Uに設けられている。第一反射層120は、基材110の第一面110Uに、直接に設けられていてもよく、間接的に設けられていてもよい。ある面に層が「直接に」設けられるとは、その面と層との間に他の層が無いことをいう。また、ある面に層が「間接的に」設けられるとは、その面と層との間に他の層(接着層等)があることをいう。
第一反射層120は、基材110の第一面110Uの一部に設けられていてもよく、第一面110Uの全体に設けられていてもよい。通常、厚み方向から見て、第一反射層120は、基材110の偏光分離層111に重なるように設けられる。すなわち、表示媒体100の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、第一反射層120の全体と、偏光分離層111の一部又は全体とで、通常、同じになっている。さらに、第一反射層120は、表示媒体100の意匠に応じた平面形状を有しうる。本実施形態においては、図2に示すように、文字「B」の平面形状を有する第一反射層120を例に示して説明する。この例においては、第一反射層120の全体が、厚み方向から見て、基材110の偏光分離層111の一部に重なっている。
第一反射層120は、図1に示すように、第一反射顔料121及び第二反射顔料122を含む。図1では、説明のため、1個の第一反射顔料121及び1個の第二反射顔料122のみを示すが、通常、第一反射層120には第一反射顔料121及び第二反射顔料122がそれぞれ複数含まれうる。
第一反射顔料121は、円偏光分離機能を有する。よって、第一反射顔料121は、当該円偏光分離機能を発揮できる波長範囲において、一方の回転方向DBRの円偏光を反射し、その回転方向DBRとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。以下の説明では、第二反射層130に含まれる第一反射顔料131が反射できる円偏光の回転方向と区別するため、第一反射層120に含まれる第一反射顔料121が反射できる円偏光の回転方向を、適宜、符号「DBR1」で示す。また、第一反射顔料121、第二反射顔料122、並びに、後述する第一反射顔料131及び第二反射顔料132等の反射顔料が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲を、適宜「反射波長範囲」ということがある。
第二反射顔料122は、円偏光分離機能を有する。よって、第二反射顔料122は、当該円偏光分離機能を発揮できる反射波長範囲において、一方の回転方向DBLの円偏光を反射し、その回転方向DBLとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。以下の説明では、第二反射層130に含まれる第二反射顔料132が反射できる円偏光の回転方向と区別するため、第一反射層120に含まれる第二反射顔料122が反射できる円偏光の回転方向を、適宜、符号「DBL1」で示す。本実施形態において、第二反射顔料122が反射できる円偏光の回転方向DBL1は、第一反射顔料121が反射できる円偏光の回転方向DBR1と、逆である。
第一反射顔料121及び第二反射顔料122の反射波長範囲は、通常、基材110に含まれる偏光分離層111の偏光分離波長範囲と重複する。反射波長範囲の一部と偏光分離波長範囲の一部とが重複していてもよく、反射波長範囲の全部と偏光分離波長範囲の一部とが重複していてもよく、反射波長範囲の一部と偏光分離波長範囲の全部とが重複していてもよく、反射波長範囲の全部と偏光分離波長範囲の全部とが重複していてもよい。中でも、反射波長範囲の全部が偏光分離波長範囲の一部又は全部と重複していることにより、反射波長範囲が偏光分離波長範囲内にあることが好ましい。よって、好ましくは、反射波長範囲の下限が、偏光分離波長範囲の下限以上であり、また、反射波長範囲の上限が、偏光分離波長範囲の上限以下である。この場合、一側を観察して視認される表示媒体100の像と他側を観察して視認される表示媒体100の像との違いを特に明確にできる。
前記の第一反射顔料121及び第二反射顔料122の組み合わせは、第一反射顔料121の色相(即ち、第一反射顔料121が反射できる円偏光の色相)と、第二反射顔料122の色相(即ち、第二反射顔料122が反射できる円偏光の色相)とが、異なるように選択される。「色相が異なる」とは、肉眼で見分けられる程度に色相が異なることをいう。一般に、円偏光分離機能を発揮できる波長範囲が異なる2つの顔料は、色相が異なりうる。「円偏光分離機能を発揮できる波長範囲が異なる」とは、円偏光分離機能を発揮できる波長範囲の最小波長、最大波長、中心波長及び波長幅のうち、少なくとも1つが異なることを表し、好ましくは2以上が異なることを表し、特に好ましくは全てが異なることを表す。また、これら最小波長、最大波長、中心波長及び波長幅が異なる程度は、肉眼での見分けが可能である範囲で制限はなく、例えば、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上などでありうる。よって、通常は、第一反射顔料121の反射波長範囲と第二反射顔料122の反射波長範囲とは、異なる。
第一反射層120における第一反射顔料121及び第二反射顔料122の配置は、観察時に所望のデザインの第一反射層120を視認できるように、適切に設定しうる。例えば、第一反射顔料121及び第二反射顔料122がそれぞれ第一反射層120の全体に均一に分散した状態で含まれうる。
第一反射層120における第一反射顔料121及び第二反射顔料122の量は、観察時に所望の色相の第一反射層120を視認できるように、適切に設定しうる。例えば、第一反射顔料121の色相と、第二反射顔料122の色相と、それら両者の混色とが、肉眼で区別できるように比率を設定しうる。
別の反射層としての第二反射層130は、基材110の第二面110Dに設けられている。第二反射層130は、基材110の第二面110Dに、直接に設けられていてもよく、間接的に設けられていてもよい。第二反射層130は、第一面110Uではなく第二面110Dに形成されていること以外は、第一反射層120と同じように形成しうる。
よって、第二反射層130は、基材110の第二面110Dの一部に設けられていてもよく、第二面110Dの全体に設けられていてもよい。また、第二反射層130は、厚み方向から見て、通常、基材110の偏光分離層111に重なるように設けられる。本実施形態においては、図3に示すように、文字「E」の平面形状を有する第二反射層130を例に示して説明する。
第二反射層130は、図1に示すように、第一反射顔料131及び第二反射顔料132を含む。図1では、説明のため、1個の第一反射顔料131及び1個の第二反射顔料132のみを示すが、通常、第二反射層130には第一反射顔料131及び第二反射顔料132がそれぞれ複数含まれうる。第二反射層130が含む第一反射顔料131及び第二反射顔料132は、それぞれ、第一反射層120が含む第一反射顔料121及び第二反射顔料122と同じでありうる。
したがって、第一反射顔料131及び第二反射顔料132は、円偏光分離機能を有する。よって、第一反射顔料131は、当該円偏光分離機能を発揮できる反射波長範囲において、一方の回転方向DBRの円偏光を反射し、その回転方向DBRとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。また、第二反射顔料132は、当該円偏光分離機能を発揮できる反射波長範囲において、一方の回転方向DBLの円偏光を反射し、その回転方向DBLとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。以下の説明では、第一反射層120に含まれる第一反射顔料121が反射できる円偏光の回転方向DBR1と区別するため、第二反射層130に含まれる第一反射顔料131が反射できる円偏光の回転方向を、適宜、符号「DBR2」で示す。また、第一反射層120に含まれる第二反射顔料122が反射できる円偏光の回転方向DBL1と区別するため、第二反射層130に含まれる第二反射顔料132が反射できる円偏光の回転方向を、適宜、符号「DBL2」で示す。本実施形態において、第二反射顔料132が反射できる円偏光の回転方向DBL2は、第一反射顔料131が反射できる円偏光の回転方向DBR2と、逆である。また、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の反射波長範囲は、通常、基材110に含まれる偏光分離層111の偏光分離波長範囲と重複する。さらに、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の組み合わせは、第一反射顔料131の色相(即ち、第一反射顔料131が反射できる円偏光の色相)と、第二反射顔料132の色相(即ち、第二反射顔料132が反射できる円偏光の色相)とが、異なるように選択される。
第二反射層130が含む第一反射顔料131の色相は、第一反射層120が含む第一反射顔料121の色相と、同じでもよく、異なっていてもよい。また、第二反射層130が含む第二反射顔料132の色相は、第一反射層120が含む第二反射顔料122の色相と、同じでもよく、異なっていてもよい。第一反射顔料121、第二反射顔料122、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の具体的な種類及びその組み合わせは、観察時に所望のデザインの第一反射層120及び第二反射層130を視認できるように、適切に設定しうる。
第二反射層130に含まれる第一反射顔料131及び第二反射顔料132の配置及び量は、第一反射層120に含まれる第一反射顔料121及び第二反射顔料122の配置及び量と同じく、観察時に所望のデザイン及び色相の第二反射層130を視認できるように、適切に設定しうる。
第一反射顔料121、第二反射顔料122、第一反射顔料131及び第二反射顔料132等の反射顔料としては、例えば、コレステリック樹脂のフレークを含有する顔料を用いうる。コレステリック樹脂のフレークが、コレステリック樹脂の微小な層を含むので、前記フレークを含有する顔料は、コレステリック樹脂の層自体と同じく、円偏光分離機能を発揮できる。通常、フレークを含有する顔料を含む反射層を形成する際に与えられるせん断力によって、フレークの主面と、そのフレークを含有する顔料を含む反射層の層平面とは、平行に又は平行に近くなるように配向される。しかし、そのフレークの配向方向にはバラツキが生じうるので、反射層の全体としては、フレークによって反射される円偏光が散乱を生じうる。この散乱が生じると、反射層は、周囲とは異なる像として視認されうる。よって、偏光分離層111で反射される円偏光の色と反射層で反射される円偏光の色とが同じになる場合であっても、前記の散乱により、第一反射層120及び第二反射層130等の反射層は視認されることができる。
コレステリック樹脂のフレークの粒径は、装飾性を得る上で、1μm以上が好ましい。中でも、フレークの粒径は、当該フレークを含有する顔料を含む反射層の厚み以上であることが望ましい。この場合、各フレークを、フレークの主面と反射層の層平面とが平行又は鋭角をなすように配向させやすい。そのため、フレークが効果的に受光できるようになるので反射層の円偏光分離機能を高めることができる。フレークの粒径の上限は、成形性及び印刷適性を得る観点から、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。ここで、フレークの粒径とは、当該フレークの同面積の円の直径をいう。
コレステリック樹脂のフレークとしては、例えば、上述したコレステリック樹脂の層の破砕物を用いうる。このようなフレークは、例えば、特許第6142714号公報に記載の製造方法により製造できる。
第一反射層120及び第二反射層130等の反射層は、第一反射顔料121、第二反射顔料122、第一反射顔料131及び第二反射顔料132等の反射顔料に組み合わせて、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、反射顔料を結着させるバインダーが挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリエステル系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリビニル系ポリマー等の重合体が挙げられる。バインダーの量は、反射顔料100重量部に対して、好ましくは20重量部以上、より好ましくは40重量部以上、特に好ましくは60重量部以上であり、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは800重量部以下、特に好ましくは600重量部以下である。
第一反射層120及び第二反射層130等の反射層は、例えば、反射顔料、溶媒、及び、必要に応じて任意の成分を含むインキを塗布し、乾燥させることにより、製造しうる。溶媒としては、水等の無機溶媒を用いてもよく、ケトン溶媒、アルキルハライド溶媒、アミド溶媒、スルホキシド溶媒、ヘテロ環化合物、炭化水素溶媒、エステル溶媒、およびエーテル溶媒などの有機溶媒を用いてもよい。溶媒の量は、反射顔料100重量部に対して、好ましくは40重量部以上、より好ましくは60重量部以上、特に好ましくは80重量部以上であり、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは800重量部以下、特に好ましくは600重量部以下である。
前記のインキは、バインダーとしての重合体の代わりに、又は重合体と組み合わせて、その重合体の単量体を含みうる。この場合、インキを塗布し、乾燥させた後で単量体を重合させることにより、反射層を形成できる。単量体を含む場合は、インキは、重合開始剤を含むことが好ましい。
図4及び図5は、本発明の第一実施形態に係る表示媒体100を模式的に示す断面図である。この図4及び図5では、偏光分離層111、第一反射層120及び第二反射層130において反射する光の経路を概略的に示す。実際の表示媒体100では、下記に説明する以外にも、様々な光の吸収及び反射が発生しうるが、以下の説明では、作用の説明の便宜上、主な光の経路を概略的に説明する。
図4では、表示媒体100の第一反射層120側に、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光等の照射光LI1が照射された場合を示す。この図4に示すように、第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアでは、照射光LI1は、基材110の偏光分離層111に進入する。照射光LI1の一部は、回転方向Dの円偏光LR1として偏光分離層111で反射される。反射された円偏光LR1以外の光LT1は、偏光分離層111を透過して、表示媒体100の外部に出ていく。偏光分離層111により円偏光LR1が反射されるので、偏光分離層111を透過して表示媒体100から出る光LT1の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
また、図4に示すように、第一反射層120が設けられたエリアでは、第一反射層120及び偏光分離層111がこの順に並んでいるので、照射光LI1は、第一反射層120に進入する。照射光LI1が第一反射顔料121(図4では図示せず)及び第二反射顔料122(図4では図示せず)により反射されるので、第一反射層120で反射された反射光LR2には、第一反射顔料121で反射された回転方向DBR1の円偏光と第二反射顔料122で反射された回転方向DBL1の円偏光とが含まれる。よって、第一反射層120での反射光LR2の色相は、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色になる。また、第一反射層120で反射された反射光LR2以外の光LT2は、基材110の偏光分離層111に進入する。進入した光LT2には、偏光分離層111が反射しうる回転方向Dの円偏光LR3が含まれうる。そのため、光LT2の一部は、回転方向Dの円偏光LR3として偏光分離層111で反射されうる。また、反射された円偏光LR3以外の光LT3は、偏光分離層111を透過して、表示媒体100の外部に出ていく。第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアと同じく、表示媒体100から出る光LT3の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
さらに、図4に示すように、第二反射層130が設けられたエリアでは、偏光分離層111及び第二反射層130がこの順に並んでいるので、照射光LI1は、基材110の偏光分離層111に進入する。照射光LI1の一部は、回転方向Dの円偏光LR4として偏光分離層111で反射される。反射された円偏光LR4以外の光LT4は、偏光分離層111を透過して、第二反射層130に進入する。しかし、偏光分離層111により円偏光LR4が反射されるので、第二反射層130に進入する光LT4は、回転方向Dの円偏光を含まないか、少量しか含まない。ここで、第二反射層130に含まれる第一反射顔料131(図4では図示せず)が反射できる円偏光の回転方向DBR2と、第二反射顔料132(図4では図示せず)が反射できる円偏光の回転方向DBL2とは、逆である。よって、回転方向DBR2及び回転方向DBL2の一方は回転方向Dと一致し、回転方向DBR2及び回転方向DBL2の他方は回転方向Dと逆になる。そうすると、第二反射層130に進入する光LT4は、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の一方が反射できる円偏光を、含まないか、少量しか含まない。したがって、第二反射層130に進入した光LT4の全て又は大部分は、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の一方では反射されずに、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の他方によって反射される。このため、第二反射層130での反射光LR5の色相は、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の他方の色相になる。また、第二反射層130に進入した光LT4のうち、反射光LR5以外の光LT5は、第二反射層130を透過して表示媒体100の外部に出ていく。第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアと同じく、表示媒体100から出る光LT5の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
このように、表示媒体100の第一反射層120側を右円偏光及び左円偏光の両方を含む照射光LI1で照らして観察すると、観察者は、図2に示すように、第一反射層120及び第二反射層130を視認できる。この際、観察者は、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色した第一反射層120を視認する。また、観察者は、第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色した第二反射層130を視認する。第二反射層130は、具体的には、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる反射顔料の色相に呈色する。
他方、図5では、表示媒体100の第二反射層130側に、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光等の照射光LI2が照射された場合を示す。この図5に示すように、第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアでは、照射光LI2は、図4に示す場合と同じく、基材110の偏光分離層111に進入する。照射光LI2の一部は、回転方向Dの円偏光LR6として偏光分離層111で反射される。反射された円偏光LR6以外の光LT6は、偏光分離層111を透過して、表示媒体100の外部に出ていく。偏光分離層111を透過して表示媒体100から出る光LT6の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
また、図5に示すように、第一反射層120が設けられたエリアでは、偏光分離層111及び第一反射層120がこの順に並んでいるので、図4に示す場合の第二反射層130が設けられたエリアと同じく、光の反射及び透過が生じうる。すなわち、照射光LI2の一部は、回転方向Dの円偏光LR7として偏光分離層111で反射される。反射された円偏光LR7以外の光LT7は、偏光分離層111を透過して、第一反射層120に進入する。第一反射層120に進入した光LT7の全て又は大部分は、第一反射顔料121(図5では図示せず)及び第二反射顔料122(図5では図示せず)の一方では反射されずに、第一反射顔料121及び第二反射顔料122の他方によって反射される。このため、第一反射層120での反射光LR8の色相は、第一反射顔料121及び第二反射顔料122の他方の色相になる。また、第一反射層120に進入した光LT7のうち、反射光LR8以外の光LT8は、第一反射層120を透過して表示媒体100の外部に出ていく。表示媒体100から出る光LT8の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
さらに、図5に示すように、第二反射層130が設けられたエリアでは、第二反射層130及び偏光分離層111がこの順に並んでいるので、図4に示す場合の第一反射層120が設けられたエリアと同じく、光の反射及び透過が生じうる。すなわち、照射光LI2が第一反射顔料131(図5では図示せず)及び第二反射顔料132(図5では図示せず)により反射されるので、第二反射層130での反射光LR9の色相は、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色になる。また、第二反射層130で反射された反射光LR9以外の光LT9は、基材110の偏光分離層111に進入する。進入した光LT9の一部は、回転方向Dの円偏光LR10として偏光分離層111で反射されうる。また、反射された円偏光LR10以外の光LT10は、偏光分離層111を透過して、表示媒体100の外部に出ていく。表示媒体100から出る光LT10の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
このように、表示媒体100の第二反射層130側を右円偏光及び左円偏光の両方を含む照射光LI2で照らして観察すると、観察者は、図3に示すように、第一反射層120及び第二反射層130を視認できる。この際、観察者は、第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色した第一反射層120を視認する。第一反射層120は、具体的には、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる反射顔料の色相に呈色する。また、観察者は、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色した第二反射層130を視認する。
したがって、本実施形態に係る表示媒体100は、基材110が透明又は半透明でありながら、第一反射層120側から観察して視認される像に現れる第一反射層120の色相と、第二反射層130側から観察して視認される像に現れる第一反射層120の色相とが、異なる。さらに、第一反射層120側から観察して視認される像に現れる第二反射層130の色相と、第二反射層130側から観察して視認される像に現れる第二反射層130の色相とが、異なる。よって、表示媒体100によれば、基材110が透明又は半透明でありながら、オモテ面から観察して視認される表示媒体の像とウラ面から観察して視認される表示媒体の像とを相違させられるという、特異的な表示態様が可能である。
本実施形態のように表示媒体100に複数の反射層120及び130が設けられている場合、それら反射層の形状、寸法、材料、並びに、当該反射層が反射する円偏光の波長及び反射率は、同一でもよく、異なっていてもよい。
[3.表示媒体に係る第二実施形態]
第一実施形態では、位相差層を備えない基材110を備える表示媒体100を例に示したが、基材は、位相差層を備えていてもよい。以下、このように位相差層を備える基材を用いた実施形態について、説明する。
図6は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体200を模式的に示す断面図である。また、図7は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体200を一側(第一反射層120が設けられた側)から見た模式的な平面図である。さらに、図8は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体200を他側(第二反射層130が設けられた側)から見た模式的な平面図である。
図6~図8に示すように、本発明の第二実施形態に係る表示媒体200は、位相差層212を備える基材210を、位相差層212を備えない基材110の代わりに備えること以外は、第一実施形態に係る表示媒体100と同じに設けられている。よって、本実施形態に係る表示媒体200は、第一面210U及び第二面210Dを有する基材210と、基材210の第一面210Uに設けられた反射層としての第一反射層120と、基材210の第二面210Dに設けられた反射層としての第二反射層130と、を備える。
基材210は、偏光分離層111に組み合わせて位相差層212を備えること以外は、第一実施形態で説明した基材110と同じに設けられている。基材210は、偏光分離層側の面としての第一面210Uを有し、位相差層側の面としての第二面210Dを有する。基材210の「偏光分離層側の面」とは、基材210のオモテ面及びウラ面のうち、偏光分離層111までの距離が位相差層212までの距離よりも短い方の面を表す。また、基材210の「位相差層側の面」とは、基材210のオモテ面及びウラ面のうち、偏光分離層111までの距離が位相差層212までの距離よりも長い方の面を表す。
位相差層212は、偏光分離層111の片側に設けられた特定の範囲の面内レターデーションReを有する層である。厚み方向から見て、位相差層212の一部又は全体は、偏光分離層111の一部又は全体に重なる。すなわち、表示媒体200の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、位相差層212の一部又は全体と、偏光分離層111の一部又は全体とで、同じである。さらに、厚み方向から見て、位相差層212の一部又は全部は、第一反射層120及び第二反射層130に重なるように設けられる。すなわち、表示媒体200の厚み方向に対して垂直な面内方向での位置が、位相差層212の一部又は全体と、第一反射層120の全体及び第二反射層130の全体とで、通常、同じになっている。本実施形態では、厚み方向から見て、位相差層212の全体と偏光分離層111の全体とが重なり、且つ、位相差層212の一部と第一反射層120及び第二反射層130の全体とが重なった例を示して説明する。
位相差層212の面内レターデーションReの範囲は、表示媒体200の一側を観察して視認される像と、表示媒体200の他側を観察して視認される像とが、所望の意匠性が得られる程度に相違する範囲で設定しうる。通常は、位相差層212の面内レターデーションReは、偏光分離層111を透過した円偏光の回転方向を反転させられるように設定される。
位相差層212の面内レターデーションReの具体的な範囲を挙げると、測定波長590nmにおいて、好ましくは「{(2n+1)/2}×590nm-30nm」以上、より好ましくは「{(2n+1)/2}×590nm-20nm」以上、特に好ましくは「{(2n+1)/2}×590nm-10nm」以上であり、好ましくは「{(2n+1)/2}×590nm+30nm」以下、より好ましくは「{(2n+1)/2}×590nm+20nm」以下、特に好ましくは「{(2n+1)/2}×590nm+10nm」以下である。ここで、nは、0以上の整数を表す。測定波長590nmにおいて前記範囲の面内レターデーションReを有する位相差層212は、通常、可視波長領域の広い範囲で1/2波長板として機能できるので、位相差層212によって広範な色の円偏光の偏光状態を適切に調整できる。よって、第一反射層120及び第二反射層130等の反射層及び表示物品の表示層(図6~図8では図示せず。)の色の自由度を高めることができるので、意匠性の高い表示態様が可能になる。
位相差層212は、逆波長分散性を有することが好ましい。逆波長分散性とは、測定波長450nm及び550nmにおける面内レターデーションRe(450)及びRe(550)が、下記式(R1)を満たすことをいう。
Re(450)<Re(550) (R1)
逆波長分散性を有する位相差層212は、広い波長範囲においてその光学的機能を発揮できる。よって、逆波長分散性を有する位相差層212を用いることにより、可視波長領域の広い範囲で1/2波長板として機能できるので、位相差層212によって広範な色の円偏光の偏光状態を適切に調整できる。よって第一反射層120及び第二反射層130等の反射層及び表示物品の表示層(図6~図8では図示せず。)の色の自由度を高めることができるので、意匠性の高い表示態様が可能になる。
位相差層212としては、例えば、延伸フィルムを用いることができる。延伸フィルムは、樹脂フィルムを延伸して得られるフィルムであり、樹脂の種類、延伸条件、厚み等の要素を適切に調整することで、任意の面内レターデーションを得ることができる。樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂を用いる。この熱可塑性樹脂は、重合体と、必要に応じて任意の成分を含みうる。重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、及び脂環式構造含有重合体などが挙げられる。また、重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び加工性の観点から、脂環式構造含有重合体が好適である。脂環式構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する重合体であり、例えば、特開2007-057971号公報に記載のものを用いうる。
位相差層212としての延伸フィルムは、前記の樹脂から樹脂フィルムを製造した後で、その樹脂フィルムに延伸処理を施して、製造できる。延伸フィルムとしての位相差層212の製造方法の具体例としては、例えば、国際公開第2019/059067号に記載の方法が挙げられる。
延伸フィルムの厚みは、特段の制限は無いが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、特に好ましくは200μm以下である。
位相差層212としては、例えば、液晶硬化層を用いてもよい。液晶硬化層とは、液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された層である。通常、液晶組成物の層を形成し、その液晶組成物の層に含まれる液晶化合物の分子を配向させた後に、液晶組成物の層を硬化させることにより、液晶硬化層が得られる。この液晶硬化層は、液晶化合物の種類、液晶化合物の配向状態、厚み等の要素を適切に調整することで、任意の面内レターデーションを得ることができる。
液晶化合物の種類は任意であるが、逆波長分散性を有する位相差層212を得たい場合には、逆波長分散性液晶化合物を用いることが好ましい。逆波長分散性液晶化合物とは、ホモジニアス配向した場合に、逆波長分散性を示す液晶化合物をいう。また、液晶化合物をホモジニアス配向させる、とは、当該液晶化合物を含む層を形成し、その層における液晶化合物の分子の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向を、前記層の面に平行なある一の方向に配向させることをいう。逆波長分散性液晶化合物の具体例としては、例えば、国際公開第2014/069515号、国際公開第2015/064581号などに記載された化合物が挙げられる。
液晶硬化層の厚みは、特段の制限は無いが、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
このような位相差層212を偏光分離層111と組み合わせて備える基材210は、表裏の向きによって、遮る円偏光を右円偏光と左円偏光とで切り替えることができる。具体的には、偏光分離層111が反射できる回転方向Dの円偏光とその逆の回転方向の円偏光とを含む照射光が、基材210の第一面210U(即ち、偏光分離層側の面)に照射された場合、基材210は、回転方向Dの円偏光を反射し、それ以外の円偏光を透過させうる。他方、照射光が、基材210の第二面210D(即ち、位相差層側の面)に照射された場合、基材210は、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射し、それ以外の円偏光を透過させうる。したがって、位相差層212を備える基材210を用いた本実施形態の表示媒体200では、第一実施形態で説明した表示媒体100とは、第一反射層120及び第二反射層130で反射する偏光が異なりうる。よって、本実施形態の表示媒体200では、第一実施形態で説明した表示媒体100とは異なる表示態様を達成できる。以下、図面を示してその表示態様を具体的に説明する。
図9及び図10は、本発明の第二実施形態に係る表示媒体200を模式的に示す断面図である。この図9及び図10では、偏光分離層111、第一反射層120及び第二反射層130において反射する光の経路を概略的に示す。実際の表示媒体200では、下記に説明する以外にも、様々な光の吸収及び反射が発生しうるが、以下の説明では、作用の説明の便宜上、主な光の経路を概略的に説明する。
図9では、表示媒体200の第一反射層120側に、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光等の照射光LI3が照射された場合を示す。この図9に示すように、第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアでは、偏光分離層111及び位相差層212がこの順に並んでいるので、照射光LI3は、基材210の偏光分離層111に進入する。照射光LI3の一部は、回転方向Dの円偏光LR11として偏光分離層111で反射される。反射された円偏光LR11以外の光LT11は、偏光分離層111を透過し、更に位相差層212を透過して、表示媒体200の外部に出ていく。偏光分離層111により円偏光LR11が反射されるので、偏光分離層111を透過した直後の時点では、偏光分離層111を透過する光LT11の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。しかし、位相差層212を透過することによってその回転方向が反転させられるので、位相差層212を透過して表示媒体200から出る光LT11に含まれる一部又は全部の円偏光は、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光となっている。
また、図9に示すように、第一反射層120が設けられたエリアでは、第一反射層120、偏光分離層111及び位相差層212がこの順に並んでいるので、照射光LI3は、第一反射層120に進入する。照射光LI3が第一反射顔料121(図9では図示せず)及び第二反射顔料122(図9では図示せず)により反射されるので、第一反射層120での反射光LR12の色相は、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色になる。また、第一反射層120で反射された円偏光LR12以外の光LT12は、基材210の偏光分離層111に進入する。進入した光LT12の一部は、回転方向Dの円偏光LR13として偏光分離層111で反射されうる。また、反射された円偏光LR13以外の光LT13は、偏光分離層111及び位相差層212を透過して、表示媒体200の外部に出ていく。第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアと同じく、表示媒体200から出る光LT13の一部又は全部は、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光となっている。
さらに、図9に示すように、第二反射層130が設けられたエリアでは、偏光分離層111、位相差層212及び第二反射層130がこの順に並んでいるので、照射光LI3は、基材210の偏光分離層111に進入する。照射光LI3の一部は、回転方向Dの円偏光LR14として偏光分離層111で反射される。反射された円偏光LR14以外の光LT14は、偏光分離層111を透過し、更に位相差層212を透過して、第二反射層130に進入する。偏光分離層111を透過した光LT14は、位相差層212を透過することによりその円偏光の回転方向が反転させられるので、位相差層212を透過して第二反射層130に進入する時点では、光LT14は、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を含まないか、少量しか含まない。よって、第二反射層130に進入する光LT14は、第一反射顔料131(図9では図示せず)及び第二反射顔料132(図9では図示せず)の一方が反射できる円偏光を、含まないか、少量しか含まない。したがって、第二反射層130に進入した光LT14の全て又は大部分は、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の一方では反射されずに、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の他方によって反射される。このため、第二反射層130での反射光LR15の色相は、第一反射顔料131及び第二反射顔料132の他方の色相になる。また、第二反射層130に進入した光LT14のうち、反射光LR15以外の光LT15は、第二反射層130を透過して表示媒体200の外部に出ていく。第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアと同じく、表示媒体200から出る光LT15の一部又は全部は、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光となっている。
このように、表示媒体200の第一反射層120側を右円偏光及び左円偏光の両方を含む照射光LI3で照らして観察すると、観察者は、図7に示すように、第一反射層120及び第二反射層130を視認できる。この際、観察者は、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色した第一反射層120を視認する。また、観察者は、第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色した第二反射層130を視認する。第二反射層130は、具体的には、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光を反射できる反射顔料の色相に呈色する。
他方、図10では、表示媒体200の第二反射層130側に、右円偏光及び左円偏光の両方を含む非偏光等の照射光LI4が照射された場合を示す。この図10に示すように、第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアでは、位相差層212及び偏光分離層111がこの順に並んでいるので、照射光LI4は、位相差層212を透過して、偏光分離層111に進入する。照射光LI4の一部は、回転方向Dの円偏光LR16として偏光分離層111で反射され、位相差層212を透過することによってその回転方向が反転させられる。反射された円偏光LR16以外の光LT16は、偏光分離層111を透過して、表示媒体200の外部に出ていく。偏光分離層111により円偏光LR16が反射されるので、偏光分離層111を透過して表示媒体200から出る光LT16の一部又は全部は、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
また、図10に示すように、第一反射層120が設けられたエリアでは、位相差層212、偏光分離層111及び第一反射層120がこの順に並んでいるので、照射光LI4は、位相差層212を透過して、偏光分離層111に進入する。照射光LI4の一部は、回転方向Dの円偏光LR17として偏光分離層111で反射され、位相差層212を透過することによってその回転方向が反転させられる。反射された円偏光LR17以外の光LT17は、偏光分離層111を透過して、第一反射層120に進入する。第一反射層120に進入する光LT17は、回転方向Dの円偏光を含まないか、少量しか含まない。よって、第一反射層120に進入する光LT17は、第一反射顔料121(図10では図示せず)及び第二反射顔料122(図10では図示せず)の一方が反射できる円偏光を、含まないか、少量しか含まない。したがって、第一反射層120に進入した光LT17の全て又は大部分は、第一反射顔料121及び第二反射顔料122の一方では反射されずに、第一反射顔料121及び第二反射顔料122の他方によって反射される。このため、第一反射層120での反射光LR18の色相は、第一反射顔料121及び第二反射顔料122の他方の色相になる。また、第一反射層120に進入した光LT17のうち、反射光LR18以外の光LT18は、第一反射層120を透過して表示媒体200の外部に出ていく。表示媒体200から出る光LT18の一部又は全部は、第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアと同じく、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
さらに、図10に示すように、第二反射層130が設けられたエリアでは、第二反射層130、位相差層212及び偏光分離層111がこの順に並んでいるので、照射光LI4は、第二反射層130に進入する。照射光LI4が第一反射顔料131(図10では図示せず)及び第二反射顔料132(図10では図示せず)により反射されるので、第二反射層130での反射光LR19の色相は、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色になる。また、第二反射層130で反射された反射光LR19以外の光LT19は、基材210の位相差層212を透過して、偏光分離層111に進入する。進入した光LT19の一部は、回転方向Dの円偏光LR20として偏光分離層111で反射され、位相差層212を透過することによってその回転方向が反転させられる。反射された円偏光LR20以外の光LT20は、偏光分離層111を透過して、表示媒体200の外部に出ていく。表示媒体200から出る光LT20の一部又は全部は、第一反射層120及び第二反射層130が設けられていないエリアと同じく、回転方向Dと逆の回転方向の円偏光となっている。
このように、表示媒体200の第二反射層130側を右円偏光及び左円偏光の両方を含む照射光LI4で照らして観察すると、観察者は、図8に示すように、第一反射層120及び第二反射層130を視認できる。この際、観察者は、第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色した第一反射層120を視認する。第一反射層120は、具体的には、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる反射顔料の色相に呈色する。また、観察者は、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色した第二反射層130を視認する。
したがって、本実施形態に係る表示媒体200は、図9に示すように表示媒体200の第一反射層120側に照射光LI3が照射された場合、第二反射層130が、回転方向Dと「同じ」回転方向の円偏光を反射できる反射顔料の色相に呈色する。この点は、図4に示すように、同様に照射光LI1が照射された場合に第二反射層130が回転方向Dとは「逆の」回転方向の円偏光を反射できる反射顔料の色相に呈色していた第一実施形態と相違する。
また、本実施形態に係る表示媒体200は、図9に示すように表示媒体200の第一反射層120側に照射光LI3が照射された場合、表示媒体200を透過して出ていく光LT11、LT13及びLT15の一部又は全部が、回転方向Dと「同じ」回転方向の円偏光であった。この点は、図4に示すように、同様に照射光LI1が照射された場合に表示媒体100を透過して出ていく光LT1、LT3及びLT5の一部又は全部が、回転方向Dと「逆の」回転方向の円偏光であった第一実施形態と相違する。
よって、第二実施形態に係る表示媒体200によれば、前記のような第一実施形態との相違点を活用して、第一実施形態で説明した表示媒体100とは異なる表示態様を達成できる。
また、第二実施形態に係る表示媒体200によれば、第一実施形態で説明したのと同じ利点を得ることができる。
[4.表示媒体に係る変形例]
表示媒体は、上述した第一実施形態及び第二実施形態で説明したものに限定されない。
例えば、上述した実施形態では第一反射層120及び第二反射層130を組み合わせて備える表示媒体100及び200を示したが、表示媒体には第一反射層120及び第二反射層130の一方のみを設けてもよい。
また、例えば、表示媒体は、上述した基材110及び210、並びに、第一反射層120及び第二反射層130等の反射層に組み合わせて、更に任意の要素を備えていてもよい。具体例を挙げると、表示媒体は、第一反射層120及び第二反射層130以外に、円偏光分離機能を有する任意の層を基材の面に備えていてもよい。例えば、第一反射顔料121及び第二反射顔料122の一方を含み他方を含まない任意の層を備えていてもよい。
また、例えば、表示媒体は、円偏光分離機能を有さない顔料及び染料等の着色剤を含む任意の非キラル層を基材の面に備えていてもよい。この非キラル層は、通常、オモテ面から観察した場合も、ウラ面から観察した場合も、視認されうる。
さらに、例えば、表示媒体は、上述した層同士を貼り合わせるための接着層を備えていてもよい。具体例を挙げると、表示媒体は、基材と第一反射層との間に接着層を備えていてもよく、基材と第二反射層との間に接着層を備えていてもよい。この接着層は、基材110及び210が備えうる任意の層と同じく、面内レターデーションが小さいことが好ましい。
また、例えば、表示媒体は、上述した各層を保護するカバー層を備えていてもよい。これらのカバー層は、上述した層の外側に設けられることが好ましい。具体例を挙げると、表示媒体は、カバー層、第二反射層、基材、第一反射層及びカバー層を、厚み方向でこの順に備えうる。このようなカバー層は、透明の材料によって形成でき、例えば樹脂によって形成できる。
さらに、例えば、表示媒体は、本発明の効果を著しく阻害しない限りにおいて、上述した各層の間、及び、表示媒体の最外層として、面内レターデーションが小さい任意の層を備えていてもよい。このように面内レターデーションが小さい任意の層を、以下「低Re層」ということがある。この低Re層の具体的な面内レターデーションは、通常0nm以上5nm以下である。低Re層が設けられる位置は、例えば、第一反射層の基材とは反対側の位置、第一反射層と基材との間の位置、偏光分離層と位相差層との間の位置、基材と第二反射層との間の位置、第二反射層の基材とは反対側の位置、などが挙げられるが、これに限定されない。低Re層は、光透過性が高いことが好ましく、当該低Re層の全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。このような低Re層の材料としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ガラス、ポリカーボネート(PC)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。具体的な材料は、表示媒体の用途、求められる質感、耐久性、機械的強度に応じて、適切に選択しうる。
[5.表示セットに係る第三実施形態]
上述した表示媒体は、当該表示媒体を通して観察されるための表示物品と組み合わせた表示セットとして使用しうる。表示媒体と組み合わせられる表示物品は、下地物品と、この下地物品に設けられた表示層とを備える。表示層は、右回り及び左回りの一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる表示顔料を、含む。以下、このように表示媒体及び表示物品を含む表示セットの実施形態について、図面を示して詳細に説明する。
図11は、本発明の第三実施形態に係る表示セット300を模式的に示す断面図である。図11に示すように、本発明の第三実施形態に係る表示セット300は、表示媒体100と、表示物品400とを含む。本実施形態では、第一実施形態で説明した表示媒体100を備える表示セット300を例に示して説明する。
図12は、本発明の第三実施形態に係る表示セット300が含む表示物品400を模式的に示す断面図である。また、図13は、本発明の第三実施形態に係る表示セット300が含む表示物品400を模式的に示す平面図である。図12及び図13に示すように、表示物品400は、下地物品410と、当該下地物品410に設けられた表示層としての第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440とを備える。
下地物品410は、第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440といった表示層が設けられる物品であり、その範囲に制限は無い。下地物品410の例としては、衣類等の布製品;カバン、靴等の皮革製品;ネジ等の金属製品;値札等の紙製品;カード、プラスチック紙幣類のプラスチック製品;タイヤ等のゴム製品;が挙げられるが、これらの例に限定されない。
表示層としての第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440は、いずれも、円偏光分離機能を有する表示顔料を含む。表示顔料は、円偏光分離機能を発揮できる波長範囲において、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。以下の説明では、表示顔料が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲を、適宜「表示波長範囲」ということがある。
表示顔料の表示波長範囲は、通常、表示媒体100の基材110に含まれる偏光分離層111の偏光分離波長範囲と重複する。表示波長範囲の一部と偏光分離波長範囲の一部とが重複していてもよく、表示波長範囲の全部と偏光分離波長範囲の一部とが重複していてもよく、表示波長範囲の一部と偏光分離波長範囲の全部とが重複していてもよく、表示波長範囲の全部と偏光分離波長範囲の全部とが重複していてもよい。
表示顔料の種類は、当該表示顔料が所望の色相の円偏光を反射できるように選択しうる。各表示層における表示顔料の配置及び量は、観察時に所望のデザイン及び色相の表示層を視認できるように、適切に設定しうる。
表示層は、例えば第一表示層420のように、回転方向及び色相が異なる第一表示顔料421及び第二表示顔料422を組み合わせて含んでいてもよい。具体的には、第一表示顔料421は、円偏光分離機能を発揮できる波長範囲において、一方の回転方向DDRの円偏光を反射し、その回転方向DDRとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。また、第二表示顔料422は、円偏光分離機能を発揮できる表示波長範囲において、一方の回転方向DDLの円偏光を反射し、その回転方向DDLとは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる。そして、これらの第一表示顔料421が反射できる円偏光の回転方向DDRと、第二表示顔料422が反射できる円偏光の回転方向DDLとが、逆である。また、第一表示顔料421の色相(即ち、第一表示顔料421が反射できる円偏光の色相)と、第二表示顔料422の色相(即ち、第二表示顔料422が反射できる円偏光の色相)とが、異なっている。
また、表示層は、例えば第二表示層430のように、表示媒体100の基材110に含まれる偏光分離層111が反射できる円偏光の回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光を反射し、その回転方向DD3とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第三表示顔料431を含んでいてもよい。
さらに、表示層は、例えば第三表示層440のように、表示媒体100の基材110に含まれる偏光分離層111が反射できる円偏光の回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光を反射し、その回転方向DD4とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第四表示顔料441を含んでいてもよい。
図11及び図12では、説明のため、第一表示顔料421、第二表示顔料422、第三表示顔料431及び第四表示顔料441等の表示顔料をそれぞれ1個ずつ示すが、通常、第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440には、各表示顔料がそれぞれ複数含まれうる。
前記の第一表示顔料421、第二表示顔料422、第三表示顔料431及び第四表示顔料441のような表示顔料としては、例えば、第一反射顔料121及び131並びに第二反射顔料122及び132等の反射顔料と同じものを用いうる。よって、第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440等の表示層は、第一実施形態で説明した第一反射層120と同じく、コレステリック樹脂のフレークを含有する層として形成しうる。
本実施形態では、図13に示すように、文字「M」の平面形状を有する第一表示層420と、文字「S」の平面形状を有する第二表示層430と、文字「I」の平面形状を有する第三表示層440とが、シート状の下地物品410上に設けられた表示物品400を例に示して説明する。
表示セット300は上述した構成を有する表示媒体100及び表示物品400の組み合わせを有する。よって、このような表示セット300を観察する観察者は、下記に説明する像を視認できる。
図11に示すように、表示媒体100が第二反射層130側で表示物品400に対向する向きで、表示媒体100と表示物品400とを重ねた場合を説明する。この場合、通常、観察者は、図中上方から表示セット300を観察する。よって、観察者は、表示媒体100を第一反射層120側から観察すると同時に、その表示媒体100を通して表示物品400を観察する。
図14は、図11に示される表示セット300を図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。図14に示すように、表示セット300を前記のように観察した観察者が視認する像には、表示媒体100の第一反射層120及び第二反射層130、並びに、表示物品400の第一表示層420及び第三表示層440が現れるが、表示物品400の第二表示層430は現れない。また、視認される像において、第一反射層120は第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色しており、第二反射層130は第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色しており、第一表示層420は第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色しており、第三表示層440は第四表示顔料441の色相に呈色している。このような像が視認される仕組みは、下記の通りである。
図11に示す態様において図中上方から表示媒体100に照射光が照射された場合、その照射光は、偏光分離層111で一部の円偏光が反射され、反射された円偏光以外の光が表示物品400へ進入する。このように表示物品400へ進入する光の一部又は全部は、偏光分離層111で反射される円偏光の回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光となっている(図4の光LT1、LT3及びLT5を参照)。
表示物品400の第一表示層420は、回転方向DDRの円偏光を反射できる第一表示顔料421と、その回転方向DDRとは逆の回転方向DDLの円偏光を反射できる第二表示顔料422とを組み合わせて含む。よって、表示媒体100を透過して第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の一方では反射されずに、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の他方によって反射される。具体的には、第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422のうち、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる方の表示顔料によって反射される。そして、この反射した光は、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光であるので、表示媒体100の偏光分離層111を透過して、観察者によって視認されうる。したがって、観察者は、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相(通常は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422のうち、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる方の表示顔料の色相)に呈色した第一表示層420を視認できる。
また、表示物品400の第二表示層430は、回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光を反射し、その回転方向DD3とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第三表示顔料431を含む。よって、表示媒体100を透過して第二表示層430に進入した光の全て又は大部分は、第二表示層430で反射を生じないか反射が弱い。また、仮に第二表示層430で光の反射が生じても、その反射した光は、回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光であるので、表示媒体100の偏光分離層111で一部又は全部が反射される。したがって、第二表示層430で反射して表示媒体100を透過できる光が無いか弱いから、観察者は、第二表示層430の像を視認できない。
さらに、表示物品400の第三表示層440は、回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光を反射し、その回転方向DD4とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第四表示顔料441を含む。よって、表示媒体100を透過して第三表示層440に進入した光の全て又は大部分は、第三表示層440で大きな反射を生じる。そして、この反射した光は、回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光であるので、表示媒体100の偏光分離層111を透過して、観察者によって視認されうる。したがって、観察者は、第四表示顔料441の色相に呈色した第三表示層440を視認できる。
また、表示媒体100の第一反射層120は、基材110を通さずに観察者によって観察されるので、第一実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色した第一反射層120を視認できる。
さらに、表示媒体100の第二反射層130は、基材110を通して観察者によって観察されるので、第一実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色した第二反射層130を視認できる。
よって、観察者は、図14に示すように、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色した第一反射層120の像(文字「B」)、第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色した第二反射層130の像(文字「E」)、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色した第一表示層420の像(文字「M」)、及び、第四表示顔料441の色相に呈色した第三表示層440の像(文字「I」)を視認できる。
次に、表示媒体100を裏返した場合について説明する。図15は、本発明の第三実施形態に係る表示セット300を模式的に示す断面図である。図15に示すように、表示媒体100が第一反射層120側で表示物品400に対向する向きで、表示媒体100と表示物品400とを重ねた場合、通常、観察者は、図中上方から表示セット300を観察する。よって、観察者は、表示媒体100を第二反射層130側から観察すると同時に、その表示媒体100を通して表示物品400を観察する。
図16は、図15に示される表示セット300を図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。図16に示すように、表示セット300を前記のように観察した観察者が視認する像には、表示媒体100の第一反射層120及び第二反射層130、並びに、表示物品400の第一表示層420及び第三表示層440が現れるが、表示物品400の第二表示層430は現れない。また、視認される像において、第一反射層120は第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色しており、第二反射層130は第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色しており、第一表示層420は第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色しており、第三表示層440は第四表示顔料441の色相に呈色している。このような像が視認される仕組みは、下記の通りである。
図15に示す態様において図中上方から表示媒体100に照射光が照射された場合、その照射光は、偏光分離層111で一部の円偏光が反射され、反射された円偏光以外の光が表示物品400へ進入する。このように表示物品400へ進入する光の一部又は全部は、偏光分離層111で反射される円偏光の回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光となっている(図5の光LT6、LT8及びLT10を参照)。
よって、図11に示す向きで観察した場合と同じく、表示媒体100を透過して第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の一方では反射されずに、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の他方によって反射される。したがって、観察者は、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色した第一表示層420を視認できる。
また、図11に示す向きで観察した場合と同じく、表示媒体100を透過して第二表示層430に進入した光の全て又は大部分は、第二表示層430で反射を生じないか反射が弱いので、観察者は、第二表示層430の像を視認できない。
さらに、図11に示す向きで観察した場合と同じく、表示媒体100を透過して第三表示層440に進入した光の全て又は大部分は、第三表示層440で大きな反射を生じるので、観察者は、第四表示顔料441の色相に呈色した第三表示層440を視認できる。
また、表示媒体100の第一反射層120は、基材110を通して観察者によって観察されるので、第一実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色した第一反射層120を視認できる。
さらに、表示媒体100の第二反射層130は、基材110を通さずに観察者によって観察されるので、第一実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色した第二反射層130を視認できる。
よって、観察者は、図16に示すように、第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色した第一反射層120の像(文字「B」)、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色した第二反射層130の像(文字「E」)、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色した第一表示層420の像(文字「M」)、及び、第四表示顔料441の色相に呈色した第三表示層440の像(文字「I」)を視認できる。
以上のように、本実施形態に係る表示セット300では、表示媒体100の向きに応じて視認される像を相違させることができる。よって、このように異なる像の組み合わせにより、従来には無かった新たな表示態様を実現でき、複雑且つ自由度の高い意匠を作成することができる。特に、右円偏光及び左円偏光の両方を含む照射光下の環境において、表示媒体100の基材110が透明又は半透明でありながら、表示媒体100の向きに応じて前記のように像の相違が生じることは、一般の観察者には意外性のある表示となりうるので、その観察者に大きなインパクトを与えることが期待できる。
前記の第三実施形態では、第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440を組み合わせて備える表示物品400を例に挙げて説明したが、第一表示層420、第二表示層430及び第三表示層440の少なくとも一つを含む表示物品を用いてもよい。更に、例えば、表示物品400は、下地物品410に設けられた非キラル層を備えていてもよい。
[6.表示セットに係る第四実施形態]
第三実施形態で説明した表示セット300が含む表示媒体100は、位相差層を備えていなかったが、位相差層を含む表示媒体と表示物品とを組み合わせて表示セットを得てもよい。位相差層を含む表示媒体を含む表示セットでは、通常、表示物品の表示層で反射される回転方向Dの円偏光の一部又は全部は、表示媒体の基材を、下記(i)及び(ii)の一方の順で透過でき、他方の順では透過できない。
(i)偏光分離層及び位相差層の順。
(ii)位相差層及び偏光分離層の順。
よって、位相差層を含む表示媒体を含む表示セットによれば、このような表示媒体の機能を活用して、第三実施形態で説明したのとは異なる態様で、表示媒体の表裏の向きによって視認される当該表示物品の像を相違させることができる。以下、この表示セットの実施形態について、図面を示して詳細に説明する。
図17は、本発明の第四実施形態に係る表示セット500を模式的に示す断面図である。図17に示すように、本発明の第四実施形態に係る表示セット500は、表示媒体200と、表示物品400とを含む。本実施形態では、第二実施形態で説明した表示媒体200と、第三実施形態で説明した表示物品400とを備える表示セット500を例に示して説明する。このような表示セット500を観察する観察者は、下記に説明する像を視認できる。
図17に示すように、表示媒体200が第二反射層130側で表示物品400に対向する向きで、表示媒体200と表示物品400とを重ねた場合を説明する。この場合、通常、観察者は、図中上方から表示セット500を観察する。よって、観察者は、表示媒体200を第一反射層120側から観察すると同時に、その表示媒体200を通して表示物品400を観察する。
図18は、図17に示される表示セット500を図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。図18に示すように、表示セット500を前記のように観察した観察者が視認する像には、表示媒体200の第一反射層120及び第二反射層130、並びに、表示物品400の第一表示層420及び第二表示層430が現れるが、表示物品400の第三表示層440は現れない。また、視認される像において、第一反射層120は第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色しており、第二反射層130は第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色しており、第一表示層420は第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色しており、第二表示層430は第三表示顔料431の色相に呈色している。このような像が視認される仕組みは、下記の通りである。
図17に示す向きで表示媒体200を設置した場合、表示媒体200の厚み方向においては、偏光分離層111、位相差層212及び表示物品400がこの順に並ぶ。よって、表示媒体200に照射された照射光は、偏光分離層111で一部の円偏光が反射され、反射された円偏光以外の光が位相差層212を透過した後に、表示物品400へ進入する。このように表示物品400へ進入する光の一部又は全部は、偏光分離層111で反射される円偏光の回転方向Dと同じ回転方向の円偏光となっている(図9の光LT11、LT13及びLT15を参照)。
表示物品400の第一表示層420は、回転方向DDRの円偏光を反射できる第一表示顔料421と、その回転方向DDRとは逆の回転方向DDLの円偏光を反射できる第二表示顔料422とを組み合わせて含む。よって、表示媒体200を透過して第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の一方では反射されずに、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の他方によって反射される。具体的には、第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422のうち、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光を反射できる方の表示顔料によって反射される。そして、この反射した光は、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光であるので、表示媒体200の位相差層212を透過することによってその回転方向が反転され、偏光分離層111を透過して、観察者によって視認されうる。したがって、観察者は、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相(通常は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422のうち、回転方向Dと同じ回転方向の円偏光を反射できる方の表示顔料の色相)に呈色した第一表示層420を視認できる。
また、表示物品400の第二表示層430は、回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光を反射し、その回転方向DD3とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第三表示顔料431を含む。よって、表示媒体200を透過して第二表示層430に進入した光の全て又は大部分は、第二表示層430で大きな反射を生じる。そして、この反射した光は、回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光であるので、表示媒体200の位相差層212を透過することによってその回転方向が反転され、偏光分離層111を透過して、観察者によって視認されうる。したがって、観察者は、第三表示顔料431の色相に呈色した第二表示層430を視認できる。
さらに、表示物品400の第三表示層440は、回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光を反射し、その回転方向DD4とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第四表示顔料441を含む。よって、表示媒体200を透過して第三表示層440に進入した光の全て又は大部分は、第三表示層440で反射を生じないか反射が弱い。また、仮に第三表示層440で光の反射が生じても、その反射した光は、回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光であるので、表示媒体200の位相差層212を透過することによってその回転方向が反転されて、偏光分離層111で一部又は全部が反射される。したがって、第三表示層440で反射して表示媒体200を透過できる光が無いか弱いから、観察者は、第三表示層440の像を視認できない。
また、表示媒体200の第一反射層120は、基材210を通さずに観察者によって観察されるので、第二実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色した第一反射層120を視認できる。
さらに、表示媒体200の第二反射層130は、基材210を通して観察者によって観察されるので、第二実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色した第二反射層130を視認できる。
よって、観察者は、図18に示すように、第一反射顔料121の色相と第二反射顔料122の色相との混色に呈色した第一反射層120の像(文字「B」)、第一反射顔料131の色相及び第二反射顔料132の色相の片方の色相に呈色した第二反射層130の像(文字「E」)、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色した第一表示層420の像(文字「M」)、及び、第三表示顔料431の色相に呈色した第二表示層430の像(文字「S」)を視認できる。
次に、表示媒体200を裏返した場合について説明する。図19は、本発明の第四実施形態に係る表示セット500を模式的に示す断面図である。図19に示すように、表示媒体200が第一反射層120側で表示物品400に対向する向きで、表示媒体200と表示物品400とを重ねた場合、通常、観察者は、図中上方から表示セット500を観察する。よって、観察者は、表示媒体200を第二反射層130側から観察すると同時に、その表示媒体200を通して表示物品400を観察する。
図20は、図19に示される表示セット500を図中上方から観察した場合に視認される像を模式的に示す平面図である。図20に示すように、表示セット500を前記のように観察した観察者が視認する像には、表示媒体200の第一反射層120及び第二反射層130、並びに、表示物品400の第一表示層420及び第三表示層440が現れるが、表示物品400の第二表示層430は現れない。また、視認される像において、第一反射層120は第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色しており、第二反射層130は第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色しており、第一表示層420は第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色しており、第三表示層440は第四表示顔料441の色相に呈色している。このような像が視認される仕組みは、下記の通りである。
図19に示す向きで表示媒体200を設置した場合、表示媒体200の厚み方向においては、位相差層212、偏光分離層111及び表示物品400がこの順に並ぶ。よって、表示媒体200に照射された照射光は、位相差層212を透過し、偏光分離層111で一部の円偏光が反射された後に、表示物品400へ進入する。このように表示物品400へ進入する光の一部又は全部は、偏光分離層111で反射される円偏光の回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光となっている(図10の光LT16、LT18及びLT20を参照)。
よって、表示媒体200を透過して第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の一方では反射されずに、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の他方によって反射される。具体的には、第一表示層420に進入した光の全て又は大部分は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422のうち、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる方の表示顔料によって反射される。したがって、観察者は、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相(通常は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422のうち、回転方向Dとは逆の回転方向の円偏光を反射できる方の表示顔料の色相)に呈色した第一表示層420を視認できる。
また、表示物品400の第二表示層430は、回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光を反射し、その回転方向DD3とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第三表示顔料431を含む。よって、表示媒体200を透過して第二表示層430に進入した光の全て又は大部分は、第二表示層430で反射を生じないか反射が弱い。また、仮に第二表示層430で光の反射が生じても、その反射した光は、回転方向Dと同じ回転方向DD3の円偏光であるので、表示媒体200の偏光分離層111で一部又は全部が反射される。したがって、第二表示層430で反射して表示媒体200を透過できる光が無いか弱いから、観察者は、第二表示層430の像を視認できない。
さらに、表示物品400の第三表示層440は、回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光を反射し、その回転方向DD4とは逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第四表示顔料441を含む。よって、表示媒体200を透過して第三表示層440に進入した光の全て又は大部分は、第三表示層440で大きな反射を生じる。そして、この反射した光は、回転方向Dとは逆の回転方向DD4の円偏光であるので、表示媒体200の偏光分離層111を透過し、更に位相差層212を透過して、観察者によって視認されうる。したがって、観察者は、第四表示顔料441の色相に呈色した第三表示層440を視認できる。
また、表示媒体200の第一反射層120は、基材210を通して観察者によって観察されるので、第二実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色した第一反射層120を視認できる。
さらに、表示媒体200の第二反射層130は、基材210を通さずに観察者によって観察されるので、第二実施形態で説明したように、観察者は、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色した第二反射層130を視認できる。
よって、観察者は、図20に示すように、第一反射顔料121の色相及び第二反射顔料122の色相の片方の色相に呈色した第一反射層120の像(文字「B」)、第一反射顔料131の色相と第二反射顔料132の色相との混色に呈色した第二反射層130の像(文字「E」)、第一表示顔料421の色相及び第二表示顔料422の色相の片方の色相に呈色した第一表示層420の像(文字「M」)、及び、第四表示顔料441の色相に呈色した第三表示層440の像(文字「I」)を視認できる。
以上のように、本実施形態に係る表示セット500では、表示媒体200の向きに応じて視認される像を相違させることができる。特に、本実施形態に係る表示セット500では、表示媒体200の第一反射層120側から観察して視認される表示物品400の第一表示層420の像は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の一方の色相を呈するのに対し、表示媒体200の第二反射層130側から観察して視認される表示物品400の第一表示層420の像は、第一表示顔料421及び第二表示顔料422の他方の色相を呈する。このように、本実施形態の表示セット500では、表示媒体200の向きに応じて、視認される第一表示層420の色相を第一表示顔料421の色相と第二表示顔料422の色相との間で切り替えることができる。
また、本実施形態に係る表示セット500では、表示媒体200の第一反射層120側から観察して視認される表示物品400の像には、第二表示層430が現れる一方で第三表示層440が現れないのに対し、表示媒体200の第二反射層130側から観察して視認される表示物品400の像には、第二表示層430が現れない一方で第三表示層440が現れる。このように、本実施形態の表示セット500では、表示媒体200の向きに応じて、視認される表示層を第二表示層430と第三表示層440との間で切り替えることができる。
したがって、第四実施形態に係る表示セット500によれば、第三実施形態に係る表示セット300と同じ利点を得ることができ、更には、第三実施形態に係る表示セット300よりも複雑且つ自由度の高い意匠を作成することができる。
この第四実施形態に係る表示セット500は、第三実施形態に係る表示セット300と同じく、変更して実施してもよい。また、第四実施形態に係る表示セット500において、表示媒体200には第一反射層120及び第二反射層130等の反射層を設けなくてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下の操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中にて行った。
以下の説明において、粘着剤としては、別に断らない限り、日東電工社製の透明延着テープ「LUCIACS CS9621T」(厚み25μm、可視光透過率90%以上、面内レターデーション3nm以下)を用いた。
[コレステリック樹脂の層が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲の測定方法]
複層フィルムのコレステリック樹脂の層を、粘着層付き黒色PETフィルム(巴川製紙所社製)に、粘着層を介して貼り合せた。その後、支持フィルムを剥離して、試料フィルムを得た。この試料フィルムのコレステリック樹脂の層の反射スペクトルを、分光光度計(日本分光社製「V570」)を用いて、入射角5°で測定した。得られた反射スペクトルから、円偏光分離機能を発揮できる波長範囲、並びに、その波長範囲の中心波長及び波長幅を求めた。具体的には、反射スペクトルにおいて、最大反射率としての最大強度が35%~50%であるピークを特定した。そして、反射スペクトルの最小強度を示すベースと、最大強度を示す前記ピークのピークトップとを特定し、「最小強度+(最大強度-最小強度)/2」以上の強度を示す波長範囲を、円偏光分離機能を発揮できる波長範囲として得た。また、この波長範囲の最小波長λ1及び最大波長λ2の平均値((λ1+λ2)/2)を、前記波長範囲の中心波長として計算した。さらに、この波長範囲の最小波長λ1と最大波長λ2との差を、前記波長範囲の波長幅として計算した。
[顔料に含まれるコレステリック樹脂のねじれ方向の測定]
顔料を製造するためのコレステリック樹脂の層に非偏光を照射し、その反射光を、右円偏光板及び左円偏光板を介して観察して、反射光が右円偏光及び左円偏光のいずれであるかを特定した。顔料での反射光が右円偏光である場合、顔料に含まれるコレステリック樹脂のねじれ方向は右捩じれと判断した。また、顔料での反射光が左円偏光である場合、顔料に含まれるコレステリック樹脂のねじれ方向は左捩じれと判断した。
[顔料の平均粒子径の測定]
レーザー・散乱法により各顔料の粒子径分布を測定し、粒子径分布から平均粒子径を測定した。測定機器として、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、LA-960)を用いた。
[顔料の色相の評価]
自然光下、顔料の目視観察を行い、どのような色相が目視可能か評価した。
[面内レターデーションの測定方法]
面内レターデーションは、測定波長590nmにおいて、位相差計(Axometrics社製「Axoscan」)を用いて測定した。
[製造例1:右円偏光を反射できるコレステリック樹脂の層の製造]
下記式(X1)で表される光重合性の液晶化合物100部と、下記式(X2)で表される光重合性の非液晶化合物25部と、カイラル剤(BASF社製「LC756」)8部と、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)5部と、界面活性剤(AGCセイミケミカル社製「S-420」)0.15部と、溶媒としてのシクロペンタノン130部及び1,3-ジオキソラン190部とを混合して、液晶組成物を調製した。
Figure 0007464059000001
Figure 0007464059000002
支持フィルムとして、長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「A4100」;厚み100μm)を用意した。この支持フィルムをフィルム搬送装置の繰り出し部に取り付け、当該支持フィルムを長尺方向に搬送しながら以下の操作を行った。
支持フィルムの表面に、搬送方向と平行な長尺方向へラビング処理を施した。次に、ラビング処理を施した支持フィルムの面に、ダイコーターを用いて液晶組成物を塗工して、液晶組成物の層を形成した。この液晶組成物の層に、120℃で4分間加熱する配向処理を施した。その後、液晶組成物の層に、広帯域化処理を施した。この広帯域化処理では、5mJ/cm~30mJ/cmの弱い紫外線照射と100℃~120℃の加温処理とを交互に複数回繰り返すことで、反射帯域を所望の帯域幅に制御した。その後、800mJ/cmの紫外線を液晶組成物の層に照射して、液晶組成物の層を硬化させた。これにより、支持フィルム及びコレステリック樹脂の層を備える複層フィルムを得た。この複層フィルムのコレステリック樹脂の層が円偏光分離機能を発揮できる偏光分離波長範囲を、上述した測定方法で測定した。測定の結果、コレステリック樹脂の層は、450nmから700nmまでの波長範囲に、非偏光に対する最大反射率が40%以上となる偏光分離波長範囲を有していた。
[製造例2:位相差フィルムの製造]
環式構造含有重合体としてのノルボルネン系重合体を含む樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZEONORフィルム」;押出成形によって製造されたフィルム。未延伸品)を用意した。この樹脂フィルムを、延伸温度130℃で3.9倍に一方向に延伸して、位相差フィルムを得た。この位相差フィルムの厚みは38μm、面内レターデーションは280nmであった。
[製造例3:コレステリック樹脂のフレークを含有する顔料の製造]
下記式(X3)で示される液晶化合物(X3)と、下記式(X4)で表される化合物(X4)と、カイラル剤としてのBASF社製「LC756」と、カイラル剤としての下記式(X5)で表される化合物(X5)と、重合開始剤としてのBASF社製「IRGACURE184」と、レベリング剤としてのAGCセイミケミカル社製「サーフロンS420」と、溶媒としてのシクロペンタノンとを、下記表1に示す量で混合して、液晶組成物を調製した。
Figure 0007464059000003
Figure 0007464059000004
Figure 0007464059000005
支持フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製「コスモシャイン(登録商標)A4100」、厚み100μm)を準備し、片面をラビング処理した。支持フィルムのラビング処理面上に液晶組成物を塗布し、液晶組成物の層を形成した。塗布液の塗布は、ダイコーターを用いて、乾燥前の液晶組成物の層の膜厚が15μmとなるように、吐出量を調整して行った。
次いで、支持フィルム上に形成された液晶組成物の層を、オーブンにて140℃で2分間加熱して、乾燥処理及び配向処理を行った。
その後、液晶組成物の層側から、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射し、液晶組成物の層を硬化させた。紫外線照射の条件は、窒素ガス雰囲気下、波長365nmにおける照度280mW/cm、波長365nmにおける露光量2300mJ/cmとした。これにより、支持フィルムとコレステリック樹脂の層とを備える複層フィルムを得た。コレステリック樹脂の層の厚みは、3μmであった。こうして得られたコレステリック樹脂の層が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲、及び、コレステリック樹脂のねじれ方向を、上述した測定方法で測定した。
コレステリック樹脂の層を支持フィルムから剥がし、粉砕して、コレステリック樹脂のフレークを得た。得られたフレークを篩を用いて分級し、篩を通過したフレークのみを回収して、顔料I~Vを得た。こうして得られた各顔料の平均粒子径及び色相を、上述した方法で評価した。結果を、下記表1に示す。表1において、「中心波長」、[波長範囲]及び「波長範囲の幅」は、それぞれ、その顔料が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲の中心波長、その顔料が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲、及び、その顔料が円偏光分離機能を発揮できる波長範囲の幅を表す。
Figure 0007464059000006
[製造例4:インキRGの製造]
右円偏光を反射できる赤色顔料としての顔料Iを5部、左円偏光を反射できる緑色顔料としての顔料IVを5部、スクリーンインキ(十条ケミカル社製「No.2500メジウム」)85部、及び、当該スクリーンインキの専用希釈剤(テトロン標準溶剤)5部を混合して、インキRGを得た。このインキRGに含まれる顔料Iの色相と顔料IVの色相との混色は、黄色となる。
[製造例5:インキGRの製造]
右円偏光を反射できる緑色顔料としての顔料IIIを5部、左円偏光を反射できる赤色顔料としての顔料IIを5部、スクリーンインキ(十条ケミカル社製「No.2500メジウム」)85部、及び、当該スクリーンインキの専用希釈剤(テトロン標準溶剤)5部を混合して、インキGRを得た。このインキGRに含まれる顔料IIIの色相と顔料IIの色相との混色は、黄色となる。
[製造例6:インキBRの製造]
右円偏光を反射できる青色顔料としての顔料Vを5部、左円偏光を反射できる赤色顔料としての顔料IIを5部、スクリーンインキ(十条ケミカル社製「No.2500メジウム」)85部、及び、当該スクリーンインキの専用希釈剤(テトロン標準溶剤)5部を混合して、インキBRを得た。このインキBRに含まれる顔料Vの色相と顔料IIの色相との混色は、赤紫色となる。
[実施例1]
(表示セットの概要説明)
図21は、実施例1で製造した表示セット1を模式的に示す断面図である。図21に示すように、実施例1で製造した表示セット1は、表示媒体10及び表示物品20を含む。表示媒体10は、偏光分離層11を備える基材12;基材12の第一面12Uに設けられた第一反射層としての文字層B(R,G);並びに、基材12の第二面12Dに設けられた第二反射層としての文字層E(G,R)を備える。実施例1で製造した表示媒体10は、支持層及び粘着剤を含んでいたが、図21ではそれらの図示を省略する。また、表示物品20は、下地物品21;並びに、この下地物品21に設けられた表示層としての文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)を備える。以下、この表示セット1の製造方法を説明する。
(表示媒体の製造)
製造例1で製造した複層フィルムのコレステリック樹脂の層と、光学等方性フィルム(ポリ塩化ビニル製フィルム)とを、粘着剤を介して貼合し、複層フィルムの支持フィルムを剥離した。これにより、図21に示すように、光学等方性フィルムとしての支持層(図示せず。)、粘着剤(図示せず。)、及び、コレステリック樹脂の層としての偏光分離層11を、この順で備える基材12を得た。
基材12の第一面12Uに、製造例4で製造したインキRGで文字「B」を印刷し、乾燥して、第一反射層としての文字層B(R,G)を形成した。また、基材12の第二面12Dに、製造例5で製造したインキGRで文字「E」を印刷し、乾燥して、第二反射層としての文字層E(G,R)を形成した。これにより、文字層B(R,G)、偏光分離層11、及び文字層E(G,R)を厚み方向でこの順で備える表示媒体10を得た。
(表示物品の製造)
樹脂製の黒色シートの片面に、製造例6で製造したインキBRで文字「M」を印刷し、乾燥して、表示層としての文字層M(B,R)を形成した。また、黒色シートの片面に、製造例5で製造したインキGRで文字「S」を印刷し、乾燥して、表示層としての文字層S(G,R)を形成した。さらに、黒色シートの片面に、製造例4で製造したインキRGで文字「I」を印刷し、乾燥して、表示層としての文字層I(R,G)を形成した。これにより、黒色シートとしての下地物品21の片面に、文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)を備える表示物品20を得た。
(観察)
図21に示すように、文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)が上向きとなるように、表示物品20をテーブル(図示せず。)上に置いた。この表示物品20上に、文字層B(R,G)側を上にして、表示媒体10を置いた。非偏光の照明下において、これら表示媒体10及び表示物品20からなる表示セット1を上方から観察した。観察の結果、文字層B(R,G)は黄色、文字層E(G,R)は赤色、文字層M(B,R)は赤色、文字層S(G,R)は赤色、文字層I(R,G)は緑色で視認された。
その後、表示媒体10を裏返して表示物品20上に置き直し、表示セット1を再び観察した。観察の結果、文字層B(R,G)は緑色、文字層E(G,R)は黄色、文字層M(B,R)は赤色、文字層S(G,R)は赤色、文字層I(R,G)は緑色で視認された。
実施例1の結果をまとめると、下記の表2の通りである。
Figure 0007464059000007
[実施例2]
(表示セットの概要説明)
図22は、実施例2で製造した表示セット2を模式的に示す断面図である。図22に示すように、実施例2で製造した表示セット2は、表示媒体30及び表示物品20を含む。表示物品20は、実施例1と同じである。また、表示媒体30は、位相差層13を備える基材14を基材12の代わりに備えること以外は、実施例1の表示媒体10と同じである。実施例2で製造した表示媒体30は、支持層及び粘着剤を含んでいたが、図22ではそれらの図示を省略する。
表示媒体30は、具体的には、下記の手順で製造した。製造例1で製造した複層フィルムのコレステリック樹脂の層と、光学等方性フィルム(ポリ塩化ビニル製フィルム)とを、粘着剤を介して貼合し、複層フィルムの支持フィルムを剥離した。支持フィルムを剥がすことで現れたコレステリック樹脂の層の面と、製造例2で製造した位相差フィルムとを、粘着剤を介して貼合した。これにより、図22に示すように、光学等方性フィルムとしての支持層(図示せず。)、粘着剤(図示せず。)、コレステリック樹脂の層としての偏光分離層11、粘着剤(図示せず。)、及び、位相差フィルムとしての位相差層13とを、この順で備える基材14を得た。
基材14の偏光分離層側の面としての第一面14Uに、製造例4で製造したインキRGで文字「B」を印刷し、乾燥して、第一反射層としての文字層B(R,G)を形成した。また、基材14の位相差層側の面としての第二面14Dに、製造例5で製造したインキGRで文字「E」を印刷し、乾燥して、第二反射層としての文字層E(G,R)を形成した。これにより、文字層B(R,G)、偏光分離層11、位相差層13、及び文字層E(G,R)を厚み方向でこの順で備える表示媒体30を得た。
(観察)
図22に示すように、文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)が上向きとなるように、表示物品20をテーブル(図示せず。)上に置いた。この表示物品20上に、文字層B(R,G)側を上にして、表示媒体30を置いた。非偏光の照明下において、これら表示媒体30及び表示物品20からなる表示セット2を上方から観察した。観察の結果、文字層B(R,G)は黄色、文字層E(G,R)は緑色、文字層M(B,R)は青色、文字層S(G,R)は緑色、文字層I(R,G)は赤色で視認された。
その後、表示媒体30を裏返して表示物品20上に置き直し、表示セット2を再び観察した。観察の結果、文字層B(R,G)は緑色、文字層E(G,R)は黄色、文字層M(B,R)は赤色、文字層S(G,R)は赤色、文字層I(R,G)は緑色で視認された。
実施例2の結果をまとめると、下記の表3の通りである。
Figure 0007464059000008
[実施例3]
(表示セットの概要説明)
図23は、実施例3で製造した表示セット3を模式的に示す断面図である。図23に示すように、実施例3で製造した表示セット3は、表示媒体40及び表示物品20を含む。表示物品20は、実施例1と同じである。また、表示媒体40は、文字層B(R,G)の代わりに文字層B(G,R)を備えること以外は、実施例2の表示媒体30と同じである。実施例3で製造した表示媒体40は、支持層及び粘着剤を含んでいたが、図23ではそれらの図示を省略する。
文字層B(G,R)は、インキRGの代わりに、製造例5で製造したインキGRを用いたこと以外は、実施例2で形成された文字層B(R,G)と同じ方法で形成した。
(観察)
図23に示すように、文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)が上向きとなるように、表示物品20をテーブル(図示せず。)上に置いた。この表示物品20上に、文字層B(G,R)側を上にして、表示媒体40を置いた。非偏光の照明下において、これら表示媒体40及び表示物品20からなる表示セット3を上方から観察した。観察の結果、文字層B(G,R)は黄色、文字層E(G,R)は緑色、文字層M(B,R)は青色、文字層S(G,R)は緑色、文字層I(R,G)は赤色で視認された。
その後、表示媒体40を裏返して表示物品20上に置き直し、表示セット3を再び観察した。観察の結果、文字層B(R,R)は赤色、文字層E(G,R)は黄色、文字層M(B,R)は赤色、文字層S(G,R)は赤色、文字層I(R,G)は緑色で視認された。
実施例3の結果をまとめると、下記の表4の通りである。
Figure 0007464059000009
[比較例1]
(表示セットの説明)
図24は、比較例1で製造した表示セット4を模式的に示す断面図である。図24に示すように、比較例1で製造した表示セット4は、表示媒体50及び表示物品20を含む。表示物品20は、実施例1と同じである。また、表示媒体50は、直線偏光子51と1/4波長板52とを組み合わせて備える円偏光フィルター53を基材12の代わりに備えること以外は、実施例1の表示媒体10と同じである。比較例1で製造した表示媒体50は、支持層及び粘着剤を含んでいたが、図24ではそれらの図示を省略する。
表示媒体50は、具体的には、下記の手順で製造した。特許第5828182号公報の実施例1に記載の、わずかに黒味を帯びた円偏光フィルター53を用意した。この円偏光フィルター53は、右円偏光を透過し、左円偏光を吸収できるものであった。この円偏光フィルター53の直線偏光子51側の面53Uに、製造例4で製造したインキRGで文字「B」を印刷し、乾燥して、文字層B(R,G)を形成した。また、1/4波長板52側の面53Dに、製造例5で製造したインキGRで文字「E」を印刷し、乾燥して、文字層E(G,R)を形成した。これにより、文字層B(R,G)、円偏光フィルター53及び文字層E(G,R)を厚み方向でこの順で備える表示媒体50を得た。
(観察)
図24に示すように、文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)が上向きとなるように、表示物品20をテーブル(図示せず。)上に置いた。この表示物品20上に、文字層B(R,G)側を上にして、表示媒体50を置いた。非偏光の照明下において、これら表示媒体50及び表示物品20からなる表示セット4を上方から観察した。観察の結果、文字層B(R,G)は黄色、文字層E(G,R)は緑色、文字層M(B,R)は青色、文字層S(G,R)は緑色、文字層I(R,G)は赤色で視認された。
その後、表示媒体50を裏返して表示物品20上に置き直し、表示セット4を再び観察した。観察の結果、文字層B(R,G)は黄色、文字層E(G,R)は黄色、文字層M(B,R)は赤紫色、文字層S(G,R)は黄色、文字層I(R,G)は黄色で視認された。
比較例1の結果をまとめると、下記の表5の通りである。
Figure 0007464059000010
[比較例2]
(表示セットの説明)
図25は、比較例2で製造した表示セット5を模式的に示す断面図である。図25に示すように、比較例2で製造した表示セット5は、表示媒体60及び表示物品20を含む。表示物品20は、実施例1と同じである。また、表示媒体60は、文字層B(R,G)の代わりに文字層B(G,R)を備えること以外は、比較例1の表示媒体50と同じである。比較例2で製造した表示媒体60は、支持層及び粘着剤を含んでいたが、図25ではそれらの図示を省略する。
文字層B(G,R)は、インキRGの代わりに、製造例5で製造したインキGRを用いたこと以外は、比較例1で形成された文字層B(R,G)と同じ方法で形成した。
(観察)
図25に示すように、文字層M(B,R)、文字層S(G,R)及び文字層I(R,G)が上向きとなるように、表示物品20をテーブル(図示せず。)上に置いた。この表示物品20上に、文字層B(G,R)側を上にして、表示媒体60を置いた。非偏光の照明下において、これら表示媒体60及び表示物品20からなる表示セット5を上方から観察した。観察の結果、文字層B(G,R)は黄色、文字層E(G,R)は緑色、文字層M(B,R)は青色、文字層S(G,R)は緑色、文字層I(R,G)は赤色で視認された。
その後、表示媒体60を裏返して表示物品20上に置き直し、表示セット5を再び観察した。観察の結果、文字層B(G,R)は黄色、文字層E(G,R)は黄色、文字層M(B,R)は赤紫色、文字層S(G,R)は黄色、文字層I(R,G)は黄色で視認された。
比較例2の結果をまとめると、下記の表6の通りである。
Figure 0007464059000011
100 表示媒体
110 基材
110U 基材の第一面
110D 基材の第二面
111 偏光分離層
120 第一反射層
121 第一反射顔料
122 第二反射顔料
130 第二反射層
131 第一反射顔料
132 第二反射顔料
200 表示媒体
210 基材
210U 基材の第一面
210D 基材の第二面
212 位相差層
300 表示セット
400 表示物品
410 下地物品
420 第一表示層
421 第一表示顔料
422 第二表示顔料
430 第二表示層
431 第三表示顔料
440 第三表示層
441 第四表示顔料
500 表示セット

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の第一面の一部に設けられた第一反射層と、前記基材の第二面の一部に設けられた第二反射層とを備え、
    前記基材が、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる偏光分離層を備え、
    前記第一反射層及び前記第二反射層が、一方の回転方向DBRの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第一反射顔料と、一方の回転方向DBLの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第二反射顔料と、を含み、
    前記第一反射顔料が反射できる円偏光の回転方向DBRと、前記第二反射顔料が反射できる円偏光の回転方向DBLとが、逆であり、
    前記第一反射顔料が反射できる円偏光の色相と、前記第二反射顔料が反射できる円偏光の色相とが、異なる、表示媒体。
  2. 前記偏光分離層が円偏光を反射できる波長範囲の波長幅が、70nm以上である、請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記偏光分離層が、コレステリック規則性を有する樹脂の層である、請求項1又は2に記載の表示媒体。
  4. 前記第一反射顔料及び前記第二反射顔料が、コレステリック規則性を有する樹脂のフレークを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の表示媒体。
  5. 前記基材が、位相差層を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示媒体。
  6. 測定波長590nmにおける前記位相差層の面内レターデーションが、「{(2n+1)/2}×590nm-30nm」以上、「{(2n+1)/2}×590nm+30nm」以下である(ただし、nは、0以上の整数を表す。)、請求項5に記載の表示媒体。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の表示媒体と、表示物品と、を含む表示セットであって、
    前記表示物品、下地物品と、前記下地物品に設けられた表示層とを備え、
    前記表示層が、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる表示顔料を含む、表示物品である、表示セット
  8. 前記表示物品は、前記表示層が、前記表示顔料として、一方の回転方向DDRの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第一表示顔料と、一方の回転方向DDLの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第二表示顔料と、を含み、
    前記第一表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDRと、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDLとが、逆であり、
    前記第一表示顔料が反射できる円偏光の色相と、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の色相とが、異なる、請求項7に記載の表示セット
  9. 表示媒体と、表示物品と、を含む表示セットであって、
    前記表示媒体は、一方の回転方向Dの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる偏光分離層と、位相差層と、を備える基材を備える表示媒体であり、
    前記表示物品、下地物品と、前記下地物品に設けられた表示層とを備え、
    前記表示層が、一方の回転方向DDRの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第一表示顔料と、一方の回転方向DDLの円偏光を反射し、その逆の回転方向の円偏光を透過させることができる第二表示顔料と、を含み、
    前記第一表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDRと、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の回転方向DDLとが、逆であり、
    前記第一表示顔料が反射できる円偏光の色相と、前記第二表示顔料が反射できる円偏光の色相とが、異なる、表示物品である、表示セット
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