JP2014141057A - 識別用表示媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に複製できず、真正なものであるか否かが容易に識別でき、且つ、デザインの自由度が高い、真正性識別用表示媒体を提供する。
【解決手段】真正性識別用の表示領域を有する表示媒体であって、前記表示領域において、下地部材、及び前記下地部材の面上に設けられたコレステリック規則性を有する樹脂層を有し、前記コレステリック規則性を有する樹脂層を、垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x1が0.30以上0.40以下であり、y座標の値y1が0.30以上0.40以下であることを特徴とする表示媒体。
【選択図】図2

Description

本発明は、識別用表示媒体に関し、具体的には、当該表示媒体が付された物品の真贋を判別するための、真正性識別用表示媒体に関する。
真正であることが求められる物品の表面に、物品の偽造防止のために、容易に複製できない表示媒体を付することが一般的に行われている。かかる表示媒体は、容易に複製できないこと、真正なものであるか否かが容易に判別できること等の特性が求められる。
そのような表示媒体の例として、特定の偏光のみを反射しそれ以外の偏光を透過する偏光層を用いた表示媒体が知られている(特許文献1及び特許文献2)。かかる表示媒体としては、所望の色彩又は模様を有する下地部材の上に偏光層を設けた構造を有する表示媒体が挙げられる。
特開平11−42875号公報 特開2000−001071号公報
しかしながら、そのような偏光層を物品の表面に用いた場合、偏光層に特徴的な、特定の色彩及び観察角度による色彩の変化が観察される。
このような、偏光層に特徴的な色彩及びその変化は、デザインの自由度を狭めるという問題点がある。例えば、かかる表示媒体は、物品の目立つ場所に設けられる場合が多く、その場合、表示媒体が特徴的な色彩を有すると、物品全体のデザインがかかる色彩により制約されてしまう。特に、従来の、特定の偏光のみを反射する表示媒体においては、黒色を良好に表示させることが困難である。
本発明の目的は、容易に複製できず、真正なものであるか否かが容易に識別でき、且つ、デザインの自由度が高い、真正性識別用表示媒体を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため検討した結果、所定のコレステリック規則性を有する樹脂層を用いることにより、当該課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、下記〔1〕〜〔6〕が提供される。
〔1〕 真正性識別用の表示領域を有する表示媒体であって、
前記表示領域において、下地部材、及び前記下地部材の面上に設けられたコレステリック規則性を有する樹脂層を有し、
前記コレステリック規則性を有する樹脂層を、垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x1が0.30以上0.40以下であり、y座標の値y1が0.30以上0.40以下であることを特徴とする表示媒体。
〔2〕 前記表示領域内の前記下地部材の面を、垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x2及びy座標の値y2が、下記式(A):
(|x2−0.33|−|x1−0.33|)+(|y2−0.33|−|y1−0.33|)≧0 式(A)
の条件を満たす、〔1〕に記載の表示媒体。
〔3〕 前記下地部材の一部又は全部が黒色である、〔1〕又は〔2〕に記載の表示媒体。
〔4〕 前記コレステリック規則性を有する樹脂層が、正面方向から観察した場合、及び斜め方向から観察した場合のいずれにおいても無色である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の表示媒体。
〔5〕 前記コレステリック規則性を有する樹脂層の、垂直方向の反射光の可視光平均反射率が、25%以上である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の表示媒体。
〔6〕 前記コレステリック規則性を有する樹脂層が、1層の、コレステリック液晶組成物の塗膜の硬化物からなる、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の表示媒体。
本発明の表示媒体は、所定のコレステリック樹脂層を有することにより、容易に複製できず、真正なものであるか否かが容易に識別でき、且つ、デザインの自由度が高いという効果を有する。
図1は、本発明の表示媒体の第1実施形態を概略的に示す上面図である。 図2は、図1に示す表示媒体を、図1中の破線に沿って切断した断面を概略的に示す縦断面図である。 図3は、図1に示す表示媒体20の、領域R1内の層、並びに、これらの層を透過し又はこれらの層において反射する光の経路を概略的に示す部分縦断面図である。 図4は、本発明の表示媒体の第2実施形態を概略的に示す縦断面図である。
以下、実施形態及び例示物等を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の表示媒体の説明においては、別に断らない限り、表示媒体は、その観察される面を上に向けて水平に載置したものとして説明する。従って、観察された際に相対的に観察者に近い側(平面図における手前側、縦断面図における上側)を単に上側、相対的に観察者から遠い側を単に下側と表現することがある。
以下の説明において、ある面の特性を評価するに際して、「垂直方向」から観察又は測定を行う場合、当該「垂直方向」とは、その面の法線方向から10°未満の角度を有する方向をいう。
本発明の表示媒体は、真正性識別用の表示領域を有する表示媒体であって、前記表示領域において、下地部材、及び前記下地部材の面上に設けられたコレステリック規則性を有する樹脂層(以下において、コレステリック規則性を有する樹脂層を、単に「コレステリック樹脂層」という場合がある。)を有する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の表示媒体の第1実施形態を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示媒体を、図1中の破線に沿って切断した断面を概略的に示す縦断面図である。図2及びその他の断面図では、図示の便宜のため、幅方向の寸法に対する厚さ方向の寸法の比率を、実際の表示媒体の比率より大きく示している。
図1及び図2に示される表示媒体20は、基材211と、基材211の上面に設けられた下地層221を有し、これらが下地部材を構成する。表示媒体20はさらに、コレステリック樹脂層241を有する。コレステリック樹脂層241は、粘着層231を介して、基材211及び/又は下地層221に粘着している。粘着層は、本発明に必須のものではなく、任意の構成要素である。
図1及び図2に示される通り、表示媒体20は、矩形の境界枠F1及びF2内の領域として、表示領域R1及びR2を有する。表示領域R1及びR2は、基材211の面に平行に二次元的に規定される領域である。
表示領域R1においては、文字L1に対応する領域内のみに下地層221が設けられ、これにより、文字F1に対応する形の模様が形成される。一方、表示領域R2においては、その全領域に下地層221が設けられている。
本発明の表示媒体において、下地部材は、表示媒体20において例示されるように、基材及びその上面に設けられた下地層を有しうる。しかしながら、下地部材の構造はこれに限られない。
例えば、表示領域内において、基材の全面に、下地層が設けられている場合、かかる下地層のみが下地部材として機能する。また、基材として、所望の色、模様等の意匠的特徴を有するものを用いた場合、当該基材のみを、下地部材として用いることもできる。
さらに、下地部材は層状の構造を有するものに限られない。例えば、物品のある部材の表面に直接コレステリック樹脂層を設け、当該部材を下地部材として、本発明の表示媒体を、当該部材を含んだものとして構成することもできる。
さらに、たとえば、基材が視認できない程度に透明な部材であると、当該基材は下地部材として機能し得ないが、当該基材及びコレステリック樹脂層の積層物を、有色の物品のある部材上に貼合することにより、当該部材が下地部材として機能し、当該部材及びコレステリック樹脂層を有する表示媒体を構成し得る。
コレステリック樹脂層は、右円偏光及び左円偏光のうちの一方の円偏光を透過させ、他方の円偏光の一部又は全部を反射させる性質を有する。
本発明の表示媒体において、コレステリック樹脂層は、表示領域において、下地部材の面上に設けられる。但し、コレステリック樹脂層は、表示領域内の下地部材の全部でなく一部のみを覆っていてもよい。下地部材の上面が基材及び下地層により構成される場合、コレステリック樹脂層は、これらの両方にわたって設けられていてもよく、これらの一方の上面上のみに設けられていてもよい。表示媒体20の例について述べると、表示領域R1内のコレステリック樹脂層241は、表示領域R1の全部を覆って設けられている。一方、表示領域R2内のコレステリック樹脂層241は、文字L2に対応する領域内のみに設けられ、これにより、文字L2に対応する形の模様が形成される。
本発明の表示媒体においては、好ましくは、下地部材又はコレステリック樹脂層の一方又は両方により、模様が形成される。当該模様により、真正性の識別をより容易にすることができる。
本発明の表示媒体の、真正性識別の作用を、図3を参照して説明する。実際の表示媒体においては、下記に説明する以外にも、例えば様々な吸収及び反射が発生するが、以下の説明では、作用の説明の便宜上、主な光の経路を概略的に説明する。
図3は、図1に示す表示媒体20の、表示領域R1内の層、並びに、これらの層を透過し又はこれらの層において反射する光の経路を概略的に示す部分縦断面図である。図2において示した粘着層231は、簡略化のため図3においては図示していない。図3に示す例では、コレステリック樹脂層241として、右円偏光の大部分を反射させ、右円偏光の残りの一部及び左円偏光の全部を透過させる層を設けている。
このような表示媒体20の上面に、右円偏光A1Rが入射した場合、その大部分は反射光A2Rとなり(反射は、層の表面だけでなく層の内部でも発生しうるが、模式的な表現として、反射は層の表面において発生しているものとして図示する)、残りの一部は透過光A3Rとなる。透過光A3Rは、コレステリック樹脂層241の下側にある、下地部材の上面(ここでは下地層211の上面)に到達し、ここで一部が吸収され、残りの一部は反射される。反射された光は反射光A4Rとして出射する。
一方、表示媒体20の上面に、左円偏光A1Lが入射した場合、その全部が、コレステリック樹脂層241の下側にある、下地部材の上面(ここでは下地層211の上面)に到達し、ここで一部が吸収され、残りの一部は反射される。反射された光は反射光A2Lとして出射する。
このような作用を有する表示媒体の、真正性識別の操作の例としては、下記(I)及び(II)の操作が挙げられる。
(I)入射光として、右円偏光及び左円偏光の両方を含む光を用い、
(I−R)表示媒体を、右円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合と、
(I−L)表示媒体を、左円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合と
での、観察される像を対比する。
(II)(II−R)入射光として右円偏光のみを含む光を用いて表示媒体を観察した場合と、
(II−L)入射光として左円偏光のみを含む光を用いて表示媒体を観察した場合と
での、観察される像とを対比する。
上記(I)の操作において、入射光としては、自然光等の通常の非偏光を用いうる。このような入射光に照らされた表示媒体を、右円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合((I−R)の場合)、観察者は右円偏光の反射光A2R及びA4Rを観察することとなる。したがって、コレステリック樹脂層241は、光の大部分を反射する層として観察され、表示領域においては、コレステリック樹脂層241における反射に基づく色が主に観察され、下地層221及び基材211の吸収及び反射に基づく色及び模様が僅かに観察される。従って、下地層及び基材により規定される模様が僅かに見える像が観察される。コレステリック樹脂層241の反射率が十分高いと、下地層及び基材により規定される模様は全く観察されない。
一方、入射光に照らされた表示媒体を、左円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合((I−L)の場合)、観察者は左円偏光の反射光A2Lを観察することとなる。したがって、コレステリック樹脂層241は透明な層として観察され、表示領域においては、下地層221及び基材211の吸収及び反射に基づく色及び模様が、像として観察される。
従って、このような像の差異が観察された場合、表示媒体は本発明の構成要素を有する真正なものであると判断することができ、このような像の差異が観察されない場合、表示媒体は、電子印刷などにより作成された、本発明の表示媒体の構成を有しない非真正なものであると判断することができる。
上記(II)の操作において、入射光として右円偏光のみを含む光を用いて表示媒体を観察した場合((II−R)の場合)、右円偏光のみに基づく像を観察することになり、一方、入射光として左円偏光のみを含む光を用いて表示媒体を観察した場合((II−L)の場合)、左円偏光のみに基づく像を観察することになり、それぞれ、上記(I−R)及び(I−L)の場合と同様の像が観察される。したがって、上記(I)の操作と同様に、真正性が識別できる。
なお、表示領域R2においては、逆に、コレステリック樹脂層による円偏光の反射が発生したときに、コレステリック樹脂層により規定される模様が観察される。
本発明の表示媒体が有するコレステリック樹脂層は、これを垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x1が0.30以上0.40以下であり、y座標の値y1が0.30以上0.40以下である。x1の値は、好ましくは0.31以上であり、一方好ましくは0.35以下である。y1の値は、好ましくは0.31以上であり、一方好ましくは0.35以下である。コレステリック樹脂層が、このような色度を有することにより、真正なものであるか否かが容易に識別でき、且つ、デザインの自由度が高いという本発明の効果を得ることができる。x1及びy1の値が、前記所定の範囲を外れた場合、通常の非偏光が入射する状態において表示媒体を観察した際に、下地層等の、コレステリック樹脂層の下側の層の色が反映されず、その結果デザインの自由度が低下する。特に、コレステリック樹脂層の下側の層を黒色とした場合、コレステリック樹脂層により反射された反射光の色が目立ち、下側の黒色が観察され難くなり、その結果黒色を表すことが困難となる。
本願において、色度の測定は、測定対象面の法線に対して5°の方向から光を入射して、測定対象面の垂直方向(より具体的には、入射光の方向と、法線に対して対称な、法線に対して5°の方向)から測定しうる。入射する光は、人工光源D65を用いることができ、色度の数値の測定は、日本分光社製の分光光度計V−550を用いて行うことができる。
コレステリック樹脂層は、垂直方向の反射光の可視光平均反射率が高いものであることが好ましい。可視光平均反射率とは、波長400nm〜800nmにおける反射率の平均値を指す。ある波長における反射率とは、当該波長を有する非偏光の入射光の光束に対する、反射光の光束の割合である。可視光平均反射率が高いと、反射される旋光方向の円偏光が多く反射されることになり、その結果、右円偏光で見た場合と左円偏光で見た場合との像の相違がより明確になる。また、可視光平均反射率が高いと、反射される旋光方向の円偏光が、広い波長において均一に反射されることになり、その結果色目が少なく、下側の層の色をより忠実に反映する表示媒体としうる。その結果、真正性の識別が明確になり、且つ、表示媒体のデザインの自由度が高まる。具体的には、可視光平均反射率は30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましい。可視光平均反射率の上限は、特に限定されないが50%以下としうる。
可視光平均反射率の測定は、色度の測定と同様に、測定対象面の法線に対して5°の方向から光を入射して、測定対象面の垂直方向から測定しうる。入射する光は、人工光源D65を用いることができ、反射率の数値の測定は、日本分光社製の分光光度計V−550を用いて行うことができる。
このような所定の(x1,y1)値を有するコレステリック樹脂層、又はこのような所定の(x1,y1)値を有し且つ好ましい可視光平均反射率を有するコレステリック樹脂層としては、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層を採用しうる。これらの詳細については後述する。但し、本発明に用いるコレステリック樹脂層は、これら(i)及び(ii)のコレステリック樹脂層に限られず、これら以外のコレステリック樹脂層であっても、構成する材料、製造方法等の条件を適宜選択することにより本発明に用いうる場合がある。
本発明の表示媒体においては、下地部材の面を、垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x2及びy座標の値y2が、下記式(A):
(|x2−0.33|−|x1−0.33|)+(|y2−0.33|−|y1−0.33|)≧0 式(A)
の条件を満たすことが好ましい。下地部材の色度(x2,y2)が、コレステリック樹脂層の色度(x1,y1)との関係において、式(A)を満たすことにより、表示媒体の色調を、下地部材の色調を良好に反映したものとしうる。
表示領域内の下地部材の色は、特に限定されないが、その全面又は一部において黒色を有するものを好ましく採用しうる。本発明によれば、下地部材を黒色とした場合であっても、コレステリック樹脂層により反射された反射光の色が目立つということがないため、下地部材の黒色を良好に反映した表示媒体を構成し得る。
本発明の表示媒体が有するコレステリック樹脂層は、正面方向から観察した場合に無色であることが好ましく、正面方向から観察した場合及び斜め方向から観察した場合のいずれにおいても無色であることがより好ましい。無色とは、反射スペクトルの全可視光領域に渡って、反射率の差が少ない色であり、白、黒及び灰色を含み、さらには銀色も含まれる。
コレステリック樹脂層の観察方向において、「正面方向」とは、その面の法線方向から15°未満の角度を有する方向をいう。一方、「斜め方向」とは、その面の法線方向から15〜70°の角度を有する方向をいう。「正面方向から観察した場合に無色」とは、正面方向内のいずれかの方向から観察した場合に無色であることをいい、「斜め方向から観察した場合に無色」とは、斜め方向内のいずれかの方向から観察した場合に無色であることをいう。
正面方向から観察した場合に無色で、斜め方向から観察した場合は着色しているコレステリック樹脂層も、本発明に用いうる。このようなコレステリック樹脂層は、正面方向から観察した場合の選択反射帯域を可視光領域近傍の長波長側に設定することにより得られ、斜め方向の反射帯域が正面方向の反射帯域よりも短波長側にシフトするため着色して観察される。
(各構成要素)
次に、本発明の表示媒体における必須及び任意の構成要素の好ましい例をより具体的に説明する。
(コレステリック樹脂層)
本発明の表示媒体におけるコレステリック樹脂層について説明する。
本発明において、コレステリック規則性を有する樹脂層が有するコレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。
コレステリック樹脂層は、通常円偏光分離機能を有する。すなわち、右円偏光及び左円偏光のうちの一方の円偏光を透過させ、他方の円偏光の一部又は全部を反射させる性質を有する。コレステリック樹脂層における反射は、円偏光を、そのキラリティを維持したまま反射する。コレステリック樹脂層は、この円偏光分離機能を可視光のなるべく広い波長帯域において有し、且つなるべく高い反射率を有し、その結果可視光平均反射率が高いものが、真正性の識別が明確になり、且つ、デザインの自由度が高いため、好ましい。
円偏光分離機能を発揮する波長は、コレステリック樹脂層におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離である。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。
コレステリック樹脂層は、樹脂層形成用の適切な基材上にコレステリック液晶組成物の塗膜を設け、前記塗膜を硬化して得ることができる。得られた層は、そのままコレステリック樹脂層として用いることができる。
または、得られた層を粉砕しフレーク状にし、これを透明樹脂等の適切な媒体中に分散し、この分散物を層状の形状にしたものを、コレステリック樹脂層として用いることもできる。この場合、分散物を層状の形状に形成する方法の例としては、押出成形法及び溶剤キャスト法等の、分散物をフィルム状に成形する方法、並びに、前記分散物を、フレーク状の粉砕物を顔料としたインキとして調製し、これを文字、模様等の形状またはべた状の形状に印刷し、当該形状のコレステリック樹脂層を得る方法を挙げることができる。フレーク状の粉砕物を用いる場合には、その粒径は、装飾性を得る上で1μm以上であることが好ましく、また、フィルムの成形性や印刷適性を得る上で500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
コレステリック樹脂層を形成するためのコレステリック液晶組成物としては、液晶性化合物を含有し、塗膜とした際にコレステリック液晶相を呈しうる組成物を用いることができる。ここで液晶性化合物としては、高分子化合物である液晶性化合物、及び重合性液晶性化合物を用いることができる。高い熱安定性を得る上では、重合性液晶性化合物を用いることが好ましい。かかる重合性液晶性化合物を、コレステリック規則性を呈した状態で重合させることにより、塗膜を硬化させ、コレステリック規則性を呈したまま硬化した非液晶性の樹脂層を得ることができる。なお、ここで便宜上液晶組成物と称する材料は、2以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。
本発明において、コレステリック樹脂層の固有複屈折値Δnは、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.22以上である。このような高いΔn値を有することにより、高い輝度向上効果を得ながら、斜め方向から観察した際の色相変化を小さくすることができる。このような高いΔn値を有するコレステリック樹脂層は、後述するコレステリック液晶組成物(X)のような液晶組成物を用いることにより形成することができる。なお、Δn値が0.30以上の化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。
本発明に好ましく用いうる、可視光平均反射率が高いコレステリック樹脂層としては、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層等が挙げられる。
(i)らせん構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層は、らせん構造のピッチが異なる複数のコレステリック樹脂層を積層することによって得ることができる。積層は、予めらせん構造のピッチが異なる複数のコレステリック樹脂層を作成した後に各層を粘着剤や接着剤を介して固着することによって行なうことができる。又は、あるコレステリック樹脂層を形成した上に他のコレステリック樹脂層を順次形成していくことによって行なうこともできる。
(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、その製法によって特に制限されないが、このようなコレステリック樹脂層の製法の好ましい例としては、コレステリック樹脂層を形成するための重合性液晶性化合物を含有するコレステリック液晶組成物を、好ましくは配向膜等の他の層上に塗布して液晶組成物の層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により、らせん構造のピッチを連続的に変化させた状態で当該層を硬化する方法が挙げられる。かかる操作は、コレステリック樹脂層の反射帯域を拡張する操作であるので、広帯域化処理と呼ばれる。このような広帯域化処理に供するコレステリック液晶組成物の好ましい態様としては、下記に詳述するコレステリック液晶組成物(X)を挙げることが出来る。
(ii)のらせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、1層のみを、本発明の表示媒体に用いるコレステリック樹脂層としてもよく、または複数層を重ねて、本発明の表示媒体に用いるコレステリック樹脂層としてもよい。例えば、可視光波長領域のうちの一部の領域において円偏光分離機能を発揮するコレステリック樹脂層と、他の領域において円偏光分離機能を発揮するコレステリック樹脂層とを組み合わせ、可視光波長領域のうちの広い領域において円偏光分離機能を発揮するコレステリック樹脂層としたものを用いることができる。
本発明の表示媒体に用いるコレステリック樹脂層は、1層のみからなる樹脂層でもよく、上記(i)のコレステリック樹脂層、上記(ii)のコレステリック樹脂層、これらのいずれか又は両方を複数層重ねたもの等の2層以上の層からなる樹脂層であってもよい。コレステリック樹脂層を構成する層の数は、製造のし易さの観点から、1〜100層であることが好ましく、1〜20層であることがより好ましい。上に述べた広帯域化処理の結果、1層のみで高い可視光平均反射率を有するコレステリック樹脂層を得た場合、当該層1層のみを用いるだけでも、好ましい態様の表示媒体を得ることができる。
前記コレステリック液晶組成物(X)は、下記一般式(1)で表される化合物、及び特定の棒状液晶性化合物を含有する。これら各成分について順次説明する。
1−A1−B−A2−R2 (1)
一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基からなる群より選択される基である。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの意味である。
前記アルキル基及びアルキレンオキサイド基は置換されていないか若しくはハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい。前記ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基は炭素原子数1〜2個のアルキル基、アルキレンオキサイド基と結合していてもよい。
1及びR2として好ましいものとしては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基が挙げられる。
また、R1及びR2の少なくとも一方は反応性基であることが好ましい。R1及び/又はR2として反応性基を有することにより、前記一般式(1)で表される化合物が硬化時に液晶層中に固定され、より強固な膜を形成することができる。ここで反応性基とは、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、及びアミノ基を挙げることができる。
一般式(1)において、A1及びA2はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、及び2,6−ナフチレン基からなる群より選択される基を表す。前記1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、及び2,6−ナフチレン基は、置換されていないか若しくはハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で1つ以上置換されていてもよい。A1及びA2のそれぞれにおいて、2以上の置換基が存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
1及びA2として特に好ましいものとしては、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、及び2,6−ナフチレン基からなる群より選択される基が挙げられる。これらの芳香環骨格は脂環式骨格と比較して比較的剛直であり、後述する棒状液晶性化合物のメソゲンとの親和性が高く、配向均一能がより高くなる。
一般式(1)において、Bは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される。
Bとして特に好ましいものとしては、単結合、−OCO−及び−CH=N−N=CH−が挙げられる。
一般式(1)の化合物は、少なくとも一種が液晶性を有することが好ましく、また、キラリティを有することが好ましい。また、コレステリック液晶組成物(X)は、一般式(1)の化合物として、複数の光学異性体の混合物を含有することが好ましい。例えば、複数種類のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含有することができる。一般式(1)の化合物の少なくとも一種は、その融点が、50℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。
一般式(1)の化合物が液晶性を有する場合には、高Δnであることが好ましい。高Δn液晶を含有させることによって、コレステリック液晶組成物(X)としてのΔnを向上させることができ、選択反射帯域の広いコレステリック樹脂層を作製することができる。一般式(1)の化合物の少なくとも一種のΔnは好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上とすることができる。
一般式(1)の化合物として特に好ましい具体例としては、例えば下記の化合物(A1)〜(A9)が挙げられる:
Figure 2014141057
Figure 2014141057
上記化合物(A3)において、「*」はキラル中心を表す。
前記コレステリック液晶組成物(X)は、Δnが0.18以上であって、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有する棒状液晶性化合物を含有する。
前記棒状液晶性化合物としては、式(2)で表される化合物を挙げることができる。
3−C3−D3−C5−M−C6−D4−C4−R4 式(2)
(式中、R3及びR4は反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3及びD4は単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3〜C6は単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又は置換基を有していてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、フェニル類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
前記、メソゲン基Mが有しうる置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−O−R5、−O−C(=O)−R5、−C(=O)−O−R5、−O−C(=O)−O−R5、−NR5−C(=O)−R5、−C(=O)−NR5、または−O−C(=O)−NR5を表す。ここで、R5及びRは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR6−C(=O)−、−C(=O)−NR6−、−NR6−、または−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R6は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。前記「置換基を有してもよい炭素数1〜10個のアルキル基」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基、炭素原子数2〜8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3〜15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明において、該棒状液晶性化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(2)において、メソゲン基Mを中心としてR3−C3−D3−C5−と−C6−D4−C4−R4が異なる構造のことをいう。該棒状液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
本発明において、前記棒状液晶性化合物は、そのΔn値が好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。Δn値が0.30以上の化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高いΔn値を有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光の選択反射性能)を有するコレステリック樹脂層を与えることができる。
本発明において、前記棒状液晶性化合物は、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有するものとすることができる。前記反応性基としては、具体的にはエポキシ基、チオエポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、フマレート基、シンナモイル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、オキサゾリン基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、及びアクリル基が挙げられる。これらの反応性基を有することにより、コレステリック液晶組成物を硬化させた際に、安定した硬化物を得ることができる。1分子中に反応性基が1つ以下の化合物を用いると、コレステリック液晶組成物を硬化させた際に、架橋した硬化物が得られないため実用に耐えうる膜強度が得られないおそれがある。後述する架橋剤を使用した場合でも、膜強度が不足してしまい実用が困難となる場合がある。実用に耐えうる膜強度とは鉛筆硬度(JIS K5400)でHB以上、好ましくはH以上である。膜強度がHBより低いと傷がつきやすくハンドリング性に欠けてしまう。好ましい鉛筆硬度の上限は、光学的性能や耐久性試験に悪影響を及ぼさなければ特に限定されない。
棒状液晶性化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物(B1)〜(B9)が挙げられるが、本発明における棒状液晶性化合物は下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2014141057
前記コレステリック液晶組成物(X)において、(前記一般式(1)の化合物の合計重量)/(棒状液晶性化合物の合計重量)の重量比は0.05〜1、好ましくは0.1〜0.65、より好ましくは0.15〜0.45である。前記重量比が0.05より少ないと配向均一性が不十分となる場合があり、また逆に1より多いと配向均一性が低下したり、液晶相の安定性が低下したり、液晶組成物としてのΔnが低下して所望する光学的性能(例えば、円偏光を選択的に反射させる特性)が得られない場合があり好ましくない。なお、合計重量とは、1種を用いた場合にはその重量を、1種以上用いた場合には合計の重量を示す。
前記コレステリック液晶組成物(X)において、前記一般式(1)の化合物の分子量が600未満、前記棒状液晶化合物の分子量が600以上であることが好ましい。一般式(1)の化合物の分子量が600未満であることにより、それよりも分子量の大きい棒状液晶化合物の隙間に入り込むことができ、配向均一性を向上させることができる。
本発明において、前記コレステリック液晶組成物(X)等のコレステリック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上や耐久性向上のために、任意に架橋剤を含有することができる。当該架橋剤としては、液晶組成物を塗布した液晶層の硬化時に同時に反応したり、硬化後に熱処理を行って反応を促進したり、又は湿気により自然に反応が進行して液晶層の架橋密度を高めることができ、かつ配向均一性を悪化させないものを適宜選択し用いることができ、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。架橋剤の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート型イソシアネート、ビウレット型イソシアネート、アダクト型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のアルコキシシラン化合物;が挙げられる。また、該架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度や耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。
前記架橋剤の配合割合は、コレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中に0.1〜15重量%となるようにすることが好ましい。該架橋剤の配合割合が0.1重量%より少ないと架橋密度向上の効果が得られず、逆に15重量%より多いと液晶層の安定性を低下させてしまうため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、任意に光開始剤を含有することができる。当該光開始剤としては、紫外線又は可視光線によってラジカル又は酸を発生させる公知の化合物が使用できる。具体的には、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ビアセチル、アセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルイソブチルエーテル、テトラメチルチウラムモノ(ジ)スルフィド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、β−アイオノン、β−ブロモスチレン、ジアゾアミノベンゼン、α−アミルシンナックアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp’−ジクロロベンゾフェノン、pp’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(2,6−メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、アントラセンベンゾフェノン、α−クロロアントラキノン、ジフェニルジスルフィド、ヘキサクロルブタジエン、ペンタクロルブタジエン、オクタクロロブテン、1−クロルメチルナフタリン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]や1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(o−アセチルオキシム)などのカルバゾールオキシム化合物、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、3−メチル−2−ブチニルテトラメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−(p−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。また、所望する特性に応じて2種以上の化合物を混合することができ、必要に応じて公知の光増感剤や重合促進剤としての三級アミン化合物を添加して硬化性をコントロールすることもできる。
該光開始剤の配合割合はコレステリック液晶組成物中0.03〜7重量%であることが好ましい。該光開始剤の配合量が0.03重量%より少ないと重合度が低くなってしまい膜強度が低下してしまう場合があるため好ましくない。逆に7重量%より多いと、液晶材料の配向を阻害してしまい液晶相が不安定になってしまう場合があるため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、任意に界面活性剤を含有することができる。当該界面活性剤としては、配向を阻害しないものを適宜選択して使用することができる。当該界面活性剤としては、具体的には、疎水基部分にシロキサン、フッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に使用でき、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。これらの界面活性剤は、OMNOVA社PolyFoxのPF−151N、PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、PF−3320、PF−651、PF−652、ネオス社フタージェントのFTX−209F、FTX−208G、FTX−204D、セイミケミカル社サーフロンのKH−40等を用いることができる。界面活性剤の配合割合はコレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中0.05重量%〜3重量%となるようにすることが好ましい。該界面活性剤の配合割合が0.05重量%より少ないと空気界面における配向規制力が低下して配向欠陥が生じる場合があるため好ましくない。逆に3重量%より多い場合には、過剰の界面活性剤が液晶分子間に入り込み、配向均一性を低下させる場合があるため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、任意にカイラル剤を含有することができる。前記カイラル剤の具体例としては、特開2005−289881号公報、特開2004−115414号公報、特開2003−66214号公報、特開2003-313187号公報、特開2003−342219号公報、特開2000−290315号公報、特開平6−072962号公報、米国特許第6468444号公報、WO98/00428号公報、特開2007−176870号公報、等に掲載されるものを適宜使用することができ、例えばBASF社パリオカラーのLC756として入手できる。
前記カイラル剤は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。前記カイラル剤の含有割合は、前記コレステリック液晶組成物中、通常1〜60重量%である。
本発明において、コレステリック液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有することができる。当該他の任意成分としては、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることができる。これらの任意成分は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
本発明において使用するコレステリック液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記各成分を混合することにより製造することができる。
透明樹脂等のフィルムからなる基材の表面上に、必要に応じて配向膜を設け、さらに必要に応じてコロナ放電処理ラビング処理等の処理を施し、この面上にコレステリック液晶組成物の塗膜を設け、さらに必要に応じて配向処理及び/又は硬化の処理を行うことにより、コレステリック樹脂層を得ることができる。塗布は、公知の方法、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等により実施することができる。
前記配向処理は、例えば塗膜を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、塗膜中のコレステリック液晶組成物を良好に配向させることができる。
前記硬化の処理は、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。加温条件は、具体的には例えば、温度40〜200℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは50〜140℃、時間は1秒〜3分、好ましくは5〜120秒とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、具体的には例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。
ここで、0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返すことにより、らせん構造のピッチの大きさを連続的に大きく変化させた、反射帯域の広い円偏光分離素子とすることができる。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、50〜10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させ、コレステリック樹脂層とすることができる。上記の反射帯域の拡張及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行うこともできる。
本発明において、配向膜等の他の層上へのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返し2層以上のコレステリック樹脂層を形成することもできる。ただし、前記コレステリック液晶組成物(X)等の液晶組成物を用いることにより、1回のみのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化によっても、良好に配向したΔnが0.18以上の棒状液晶性化合物を含み、かつ5μm以上といった厚みのコレステリック樹脂層を容易に形成することができる。
本発明において、コレステリック樹脂層の厚さは、十分な反射率を得る上で0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、膜の透明性を得る上で20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。なお、コレステリック樹脂層の厚さは、本発明の表示媒体が有するコレステリック樹脂層が2以上の層である場合は、各層の厚さの合計を、コレステリック樹脂層が1層である場合にはその厚さをさす。
得られたコレステリック樹脂層は、基材及び配向膜と共にそのまま本発明の表示媒体に用いてもよく、必要に応じて基材等を剥離しコレステリック樹脂層のみを転写して本発明の表示媒体に用いてもよい。
コレステリック樹脂層の形成に用いうる透明樹脂基材は、特に限定されず1mm厚で全光透過率80%以上の基材を使用することができる。具体的には、脂環式オレフィンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、変性アクリルポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルムが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィンポリマー又は鎖状オレフィンポリマーが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィンポリマーが特に好ましい。
コレステリック樹脂層の形成に配向膜を用いる場合、かかる配向膜は、基材表面上に、必要に応じてコロナ放電処理等を施した後、配向膜の材料を水又は溶剤に溶解させた溶液等を、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法を用いて塗布し、乾燥させ、その後乾燥塗膜にラビング処理を施すことにより形成することができる。前記配向膜の材料としては、セルロース、シランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレート、シラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリオキサゾール、環化ポリイソプレンなどを用いることができるが、変性ポリアミドが特に好ましい。
前記変性ポリアミドとしては、芳香族ポリアミド又は脂肪族ポリアミドに変性を加えたものを挙げることができ、脂肪族ポリアミドに変性を加えたものが好ましい。具体的には例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、3元ないし4元共重合ナイロン、脂肪酸系ポリアミド、又は脂肪酸系ブロック共重合体(例えばポリエーテルエステルアミド、ポリエステルアミド)に変性を加えたものを挙げることができる。当該変性としては、末端アミノ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシル変性などの変性、並びにアミド基の一部をアルキルアミノ化又はN−アルコキシアルキル化する変性を挙げることができる。N−アルコキシアルキル化変性ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−66、又はナイロン−12等の共重合ナイロンのアミド基の一部をN−メトキシメチル化したものが挙げられる。前記変性ポリアミドの重量平均分子量は、好ましくは5000〜500000、より好ましくは10000〜200000とすることができる。
配向膜の厚さは、所望する液晶層の配向均一性が得られる膜厚であればよく、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜2μmであることがさらに好ましい。
コレステリック樹脂層のねじれ方向は、使用するカイラル剤の種類(構造)により適宜選択できる。ねじれを右方向とする場合には、右旋性を付与するカイラル剤を用い、ねじれ方向を左方向とする場合には、左旋性を付与するカイラル剤を用いることで実現できる。
(下地部材)
本発明の表示媒体において、下地部材は、典型的には、基材及びその上面に設けられた下地層から構成されたものとしうる。下地部材はまた、下地層のみ、又は基材のみから構成されうる。さらに、物品のある部材の表面に直接コレステリック樹脂層を設けて本発明の表示媒体を構成した場合、表示媒体は、当該部材を下地部材として有しうる。
下地部材を、基材及び/又は下地層から構成する場合、基材は、シート状又はフィルム状の部材とすることができ、下地層は、その上に設けられたシート状又はフィルム状の部材、又は印刷材料により形成された膜とすることができる。かかるシート状又はフィルム状の部材の材料の例としては、紙、プラスチック及び金属を挙げることができる。また、印刷材料の例としては、インキ及びトナーを挙げることができる。印刷材料としてインキを用いる場合、グラビア印刷、スクリーン印刷、およびオフセット印刷等の方法で、下地層を形成することができる。また、印刷材料としてトナーを用いる場合、電子印刷等の方法で、下地層を形成することができる。
下地部材の上側の面(真正性の識別において観察される面)の外観は、模様の無い単色のみからなっていてもよく、模様を伴ない複数の色を有していてもよい。
当該面の色は黒あるいは有色のものが好適に使用でき、また、これに設けられる下地表示部は文字、図形等の模様を有する領域でも、模様がなく単に色彩のみを有する領域でもよい。そのような外観の下地部材を得るための手段としては、インキを用いるグラビア印刷、スクリーン印刷、およびオフセット印刷等の方法やトナーを用いる電子印刷等が挙げられる。
(粘着層)
本発明の表示媒体において、コレステリック樹脂層は、粘着層を介して他の層に粘着し一体化したものとしうる。また、表示媒体がコレステリック樹脂層として複数の層を有する場合、必要に応じて、当該複数のコレステリック樹脂層を、介在する粘着層により一体化したものとしうる。
粘着層は、粘着性を発現するポリマー(以下において単に「主ポリマー」という場合がある。)を含む粘着性組成物を積層させ、必要に応じて硬化させてなる層とすることができる。
前記主ポリマーとしては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチレン−酢酸ビニル系、エチレン−アクリル酸エステル系、エチレン−塩化ビニル系、スチレン−ブタジエン−スチレン等の合成ゴム系、エポキシ系、シリコーン系のポリマーを使用することができる。特に、アクリル系、ウレタン系、エチレン−酢酸ビニル系が好ましく用いられる。
アクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリジコール又はポリプロピレングリコールとのモノエステルなどのヒドロキシル基含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリアミド、メトキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有ビニル単量体;メタクリロキシプロピルメトキシシランなどのケイ素含有ビニル単量体;(メタ)アクリロイルアジリジンなどのアジリジン基含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、メチルスチレンなどの芳香族基含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル;エチレングリコールジ(メタ)アクリリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体;その他酢酸ビニル、塩化ビニル、マクロモノマー、ジビニルベンゼンなどの単一重合体ないし複数の単量体の共重合体を挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の両方を意味し、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。
ウレタン系ポリマーとしては、一般的なポリオールとイソシアネート化合物の反応物を挙げることができる。
ポリオールとしては、メチレンオキサイド鎖、エチレオキサイド鎖、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖などのアルキレンオキサイド鎖の繰り返し構造を単独で、あるいは2種類以上有するポリエーテルポリオール;テレフタル酸、アジピン酸、アジピン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメット酸などの酸化合物とエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオールなどのグリコール成分とのエステル化反応により得られるポリエステルポリオール;上記酸化合物とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールとの反応で得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトンなどのラクトン類の開環重合で得られるポリエステルポリオールなどを挙げることができる。
イソシアネート化合物としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカンメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシナネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族脂肪族ポリイソシアネート;3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネートメチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4’−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。
エチレン−酢酸ビニル系共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−酢酸ビニル−カルボン酸共重合体が挙げられ、好ましくは酢酸ビニルの共重合率が10〜46重量%のものを挙げることができる。
主ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、10,000〜1,000,000であることが好ましく、50,000〜500,000であることがより好ましい。重量平均分子量が10,000より低いと、粘着層の白化が起こりやすいため好ましくない。また、重量平均分子量が1,000,000より大きいとゲル化しやすく、かつ粘着層液粘度が高く取り扱いにくいため好ましくない。
前記粘着性組成物は、前記主ポリマーに加えて、アセトフェノン含有化合物をさらに含有することができる、これらの化合物は、前記主ポリマー100重量部に対して0.5〜10重量部含有することが好ましい。前記アセトフェノン含有化合物とは、アセトフェノン及びアセトフェノンの水素原子の1以上が任意の基で置換された化合物であり、具体的には例えば、アセトフェノンの−CH基が脂環式化合物又はその誘導体で置換された化合物(1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン等)、及びベンゾインエーテル含有化合物(ベンゾインの−OH基の水素原子が他の有機基で置換された構造を有するエーテル、及び当該エーテルの水素原子の1以上が任意の基で置換された化合物)を挙げることができる。
アセトフェノン含有化合物としては、具体的には、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(IRG651 チバスペシャリティケミカルズ(株)製)、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン(DAROCURE1173 チバスペシャリティケミカルズ(株)製)、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(IRG184 チバスペシャリティケミカルズ(株)製)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1−オン(IRG907 チバスペシャリティケミカルズ(株)製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRG2959チバスペシャリティケイミカルズ(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン(IRG369 チバスペシャリティケミカルズ(株)製)などを挙げることができる。ベンゾインエーテル含有化合物としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルブチルエーテルなどを挙げることができる。これらアセトフェノン含有化合物を含有することにより、粘着層としての性能をより良好にすることができる。
前記粘着性組成物には、主ポリマーの種類に応じて、さらに他の配合剤を配合することができる。他の配合剤としては、粘着付与剤、架橋剤又は硬化剤、酸化防止剤、消泡剤、安定剤が挙げられる。
上記粘着付与剤は、軟らかくなりかつ固体表面が濡れやすくなった主ポリマーに、粘着力を付与するものである。このような粘着付与剤としては、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂、水素化石油樹脂などが挙げられる。これらの中でも、透明性や主ポリマーとの相溶性に優れる点で、石油樹脂、水素化石油樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。粘着付与剤の配合量は、主ポリマー100重量部に対して、好ましくは2〜50重量部であり、より好ましくは5〜20重量部である。粘着付与剤の添加量が2重量部より少ないと、粘着付与剤の効果が発現しないおそれがあり、逆に添加量が50重量部を超えると、粘着剤の凝集力の低下による粘着力の低下が見られる傾向があるため好ましくない。
上記架橋剤又は硬化剤としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート等の多官能アクリレート化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネートなどの多官能イソシアネート架橋剤又は硬化剤;エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、などのエポキシ系架橋剤又は硬化剤;ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン系架橋剤又は硬化剤;メラミン樹脂系架橋剤;金属キレート系架橋剤;アミン系架橋剤が用いられる。架橋剤又は硬化剤の配合量は、主ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部であり、より好ましくは0.01〜3重量部である。架橋剤又は硬化剤の添加量が0.001重量部より少ないと、架橋剤の効果が発現せず、耐候性試験などで発泡や剥離が目立つおそれがある。逆に架橋剤又は硬化剤の添加量が10重量部より多くなると、粘着剤の応力緩和性が低下し、ソリなどが目立つおそれがある。
上記酸化防止剤としては、テトラキス(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤の配合量は、粘着層の透明性や粘着力が低下しない範囲である。
前記粘着性組成物は、温度23℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.1〜10MPaであることが好ましい。かかる範囲のせん断貯蔵弾性率とすることにより、粘着性組成物が適度な粘着性を有し得る。ただし、これに限らずより高いせん断貯蔵弾性率を有する、いわゆるホットメルト型接着剤をも本発明において粘着性組成物として用いることができる。
前記粘着性組成物の調製方法は、均一な混合および分散状態が得られる方法であれば限定されず、例えば上記各成分を加熱、攪拌、超音波処理等で混合することにより行うことができる。
本発明において、粘着層の膜厚は5〜30μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。膜厚が5μm以上とすることにより接着強度を確保することができ、一方膜厚が30μm以下とすることにより、透過率などの光学性能を維持することができる。
(任意の層)
本発明の表示媒体には、上に述べた各層に加えて、必要に応じてその他の任意の層を設けることができる。かかる任意の層としては、具体的には例えば、保護層、易接着層、易滑層、ハードコート層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、印刷層、金属層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層などの機能性層を設けることができる。
(第2実施形態)
上で説明した第1実施形態においては、表示媒体は、コレステリック樹脂層として1層のみからなるものを有していたが、本発明はこれに限られず、コレステリック樹脂層の説明において既に述べた通り、コレステリック樹脂層として2以上の層を有していてもよい。
図4は、本発明の表示媒体の第2実施形態を概略的に示す縦断面図である。図4に示される表示媒体40は、基材211と、基材211の上面に設けられた下地層221を有し、これらが下地部材を構成する。これらの構造、並びに表示領域R1及びR2の形及び文字F1及びF2の形は、第1実施形態に係る表示媒体20のそれらと同様である。
表示媒体50は、さらに、粘着剤431を介して基材211及び/又は下地層221に粘着しているコレステリック樹脂層441、粘着剤432を介してコレステリック樹脂層441に粘着しているコレステリック樹脂層442、並びに粘着剤433を介してコレステリック樹脂層442に粘着しているコレステリック樹脂層443を有する。
コレステリック樹脂層441、442及び443は、所望の層の組み合わせとすることができ、それにより可視光平均反射率等の特性を所望の値にすることができる。例えば、これらの層の組み合わせにより、上記(i)のらせん構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層を構成し、高い可視光平均反射率を達成することができる。又は、これらの層のそれぞれを、上記(ii)のらせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層とし、これらの組み合わせにより、さらに高い可視光平均反射率を達成することもできる。
(その他の実施形態)
本発明の表示媒体は、上に述べた各層に加えて、必要に応じて、上に述べた任意の層を有することができる。例えば、表示媒体の傷つき、汚れ、紫外線による劣化等を防ぐために、コレステリック樹脂層よりも上側の最外層としてさらに保護層を設けることができる。
本発明の表示媒体は、上に述べたコレステリック樹脂層と下地部材との組み合わせによる真正性識別手段に加えて、他の真正性識別手段を併せて備えてもよい。例えば、ホログラム、すかし、マイクロ文字、蛍光インキ、磁気インキおよび赤外線反射インキ等の特殊インキによる印刷等の他の真正性識別手段を併せて備えてもよい。さらに、本発明の表示媒体において、任意の場所において反射帯域の異なる別のコレステリック樹脂層を含む部分を設けてもよい。例えば、表示領域内の一部の領域において、上に述べた特定の要件を満たすコレステリック樹脂層以外のコレステリック樹脂層を有していてもよい。
(用途)
本発明の表示媒体は、真正性を識別する必要がある任意の物品に適用しうる。例えば、医薬品、化粧品、香水およびトナーなどの容器、開封シール、包装物、紙幣、証券、金券、旅券、電子機器、バッグ、衣服、布地、クレジットカード、セキュリティカード、情報を図形化したコード(例えばバーコード等の1次元のコード、並びにQRコード(登録商標)等の2次元のコード)を付した物品、並びに各種証明等に施す偽造防止のための表示媒体として使用できる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。
以下の操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中にて行った。
以下の実施例及び比較例において、色度及び可視光平均反射率の測定は、日本分光社製の分光光度計V−550(光源D65)を用いて、測定対象の表面の法線に対して5°の方向から光を入射して、入射光の方向と法線に対して対称な、法線に対して5°の方向から測定した。
(製造例1:コレステリック樹脂層1)
(P1−1:配向膜を有する透明樹脂基材)
脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム(株式会社オプテス製、商品名「ゼオノアフィルムZF14−100」)の両面をコロナ放電処理した。5%のポリビニルアルコールの水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材を調製した。
(P1−2:コレステリック樹脂層の形成)
表1に示す配合割合で各成分を混合して、コレステリック液晶組成物を調製した。表1中の化合物(1)及び(2)は、それぞれ下記の構造を有する化合物である。
Figure 2014141057
Figure 2014141057
化合物(1)は国際公開第WO2009/041512号に、また化合物(2)は特開平11−100575号公報に記載された方法に従い製造したものを使用した。
(P1−1)で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の配向膜を有する面に、コレステリック液晶組成物を♯10のワイヤーバーを使用して塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、当該塗膜に対して0.1〜45mJ/cmの微弱な紫外線による照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した後、窒素雰囲気下で800mJ/cmの紫外線を照射して、厚さ5.0μmのコレステリック樹脂層1を形成し、(コレステリック樹脂層1)/(配向膜)/(透明樹脂基材)の層構成を有する複層物を得た。
(製造例2)
表1に示す配合割合で各成分を混合して、コレステリック液晶組成物を調製した。
製造例1の(P1−1)で調製した、配向膜を有する透明樹脂基材の配向膜を有する面に、コレステリック液晶組成物を♯10のワイヤーバーを使用して塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、当該塗膜に対して窒素雰囲気下で1000mJ/cmの紫外線を照射して、厚さ5.1μmのコレステリック樹脂層2を形成し、(コレステリック樹脂層2)/(配向膜)/(透明樹脂基材)の層構成を有する複層物を得た。
(製造例3及び4)
コレステリック液晶組成物の配合割合を表1に示す通り変更した他は、製造例2と同様にして、厚さ4.9μmのコレステリック樹脂層3を有する複層物(製造例3)および厚さ5.0μmコレステリック樹脂層4を有する複層物(製造例4)を得た。
製造例1〜4で得られたコレステリック樹脂層1〜4はすべて、右円偏光のみを選択的に反射する性質を有していた。
Figure 2014141057
(実施例1)
図1及び図2に概略的に示す構造を有する表示媒体を作製し評価した。
(1−1:下地層の形成)
基材211として、厚さ100μmの無色透明のPET製のシート状を用意した。当該基材211上に、図1に示す矩形の枠F1及びF2で示す形状の、表示領域R1及び表示領域R2を設定した。
下地層用のインキとして、青色のインキを用意した。当該インキを用い、表示領域R1内の文字形状L1内の部分及び表示領域R2の全面に、スクリーン印刷法によりインキの層を設け、基材211及び下地層221を有する下地部材(1−1)を得た。得られた下地部材(1−1)の下地層221を有する領域を肉眼で観察し、色を特定した。
(1−2:粘着層の形成)
粘着剤として、無色透明の粘着剤からなるインキ(SKダイン2094(綜研化学(株)製、アクリル酸エステル共重合体、固形分率25%、溶媒:酢酸エチル/2−ブタノン=93/7)400部とE−AX(綜研化学(株)製、多官能エポキシ架橋剤)1.1部との混合物)を用意した。当該インキを用い、下地部材(1−1)の表示領域R1及びR2内に、スクリーン印刷、及び100℃2分間の乾燥により粘着層231を形成した。表示領域R1においては、粘着層231は下地層221を含む領域内全面を覆って設けた。一方、表示領域R2においては、粘着層231は下地層221上の文字形状L2内のみに設けた。これにより、基材211、下地層221及び厚さ15μmの粘着層231を有する複層物(1−2)を得た。
(1−3:コレステリック樹脂層の転写/表示媒体の作製)
得られた複層物(1−2)の、粘着層231を有する側の面に、製造例1で作製した複層物を、コレステリック樹脂層1側の面が粘着層231に接するように貼付し、その後配向膜及び透明樹脂基材を剥離することにより、コレステリック樹脂層1を転写し、基材211、下地層221、粘着層231及びコレステリック樹脂層1(241)を有し、図1及び図2に示す形状を有する表示媒体20を得た。
(1−4:コレステリック樹脂層の評価)
基材として、厚さ100μmの黒色のPET製のシートを用意した。工程(1−2:粘着層の形成)で用いたものと同じインキを用い、当該黒色の基材の片面全体に、スクリーン印刷により粘着層を形成し、黒色の基材及び粘着層を有する複合物(1−4A)を得た。粘着層の厚さは、工程(1−2)と同じとした。
得られた複層物(1−4A)に、製造例1で作製した複層物を、コレステリック樹脂層1側の面が粘着層に接するように貼付し、配向膜及び透明樹脂基材を剥離することにより、コレステリック樹脂層1を転写し、(黒色の基材)/(粘着層)/(コレステリック樹脂層1)の層構成を有する、評価用の複層物(1−4B)を得た。
得られた複層物(1−4B)の、コレステリック樹脂層1側の面の、色度(x1,y1)及び可視光平均反射率を測定した。また法線方向及び法線方向に対して45°の方向から、この試料を肉眼で観察して色を特定した。結果を表2に示す。
(1−5:下地層の評価)
基材として、工程(1−4:コレステリック樹脂層の評価)で用いたものと同様の黒色の基材を用いた他は、工程(1−1:下地層の形成)と同様にして、黒色の基材及び下地層を有する複層物(1−5)を得た。得られた複層物(1−5)の下地層側の面の、色度(x2,y2)を測定した。また、法線方向から、この試料を肉眼で観察して色を特定した。結果を表2に示す。
(1−6:表示媒体の評価)
工程(1−3)で得られた表示媒体20の、表示領域内の、下地層及びコレステリック樹脂層を有する領域を肉眼で観察し、色を特定し、工程(1−1:下地層の形成)で特定した下地層の色から変化しているか否かを評価した。結果を表2に示す。
左円偏光のみを透過するフィルター1(商品名「TCPL」、株式会社美舘イメージング製)および右円偏光のみを透過するフィルター2(商品名「TCPR」、株式会社美舘イメージング製)を用意した。表示媒体を、コレステリック樹脂層側の面を上に向けて載置し、この上方約1cmの位置にフィルター1をかざし、フィルター1を通して表示媒体を観察した。さらに、フィルター1に代えてフィルター2を用いた他は同様にして、表示媒体を観察した。その結果、フィルター1を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1ははっきりと視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2は全く視認されなかった。これに対し、フィルター2を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1は全く視認されなかった一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2ははっきりと視認された。
(実施例2)
図4に概略的に示す構造を有する表示媒体を作製し評価した。
(2−1:下地層の形成)
下地層用のインキとして、青色のインキに代えて、赤色のインキを用いた他は、実施例1の工程(1−1:下地層の形成)と同様にして、基材211及び下地層221を有する下地部材(2−1)を得た。得られた下地部材(2−1)の下地層221を有する領域を肉眼で観察し、色を特定した。
(2−2:粘着層及びコレステリック樹脂層の形成/表示媒体の作製)
下地部材(2−1)の、下地層221を有する側の面上に、粘着層431、432及び433を介して、コレステリック樹脂層3(441)、コレステリック樹脂層4(442)及びコレステリック樹脂層2(443)を設け、図4に示す断面構造を有する表示媒体40を得た。その具体的な手順は、下記の通りである。
まず、下地部材(1−1)に代えて下地部材(2−1)を用いた他は、実施例1の工程(1−2:粘着層の形成)と同様にして、第1の粘着層431を形成し、基材211、下地層221及び第1の粘着層431を有する複層物(2−2A)を得た。
複層物(1−2)に代えて複層物(2−2A)を用いた点、及び製造例1で作製した複層物に代えて製造例3で作製した複層物を用いた点以外は、実施例1の工程(1−3:コレステリック樹脂層の転写)と同様にして、コレステリック樹脂層3を転写し、基材211、下地層221、第1の粘着層431及びコレステリック樹脂層3(441)を有する複層物(2−2B)を得た。
下地部材(1−1)に代えて複層物(2−2B)を用いた他は、実施例1の工程(1−2:粘着層の形成)と同様にして、第2の粘着層432を形成し、基材211、下地層221、第1の粘着層431、コレステリック樹脂層3(441)、及び第2の粘着層432を有する複層物(2−2C)を得た。
複層物(1−2)に代えて複層物(2−2C)を用いた点、及び製造例1で作製した複層物に代えて製造例4で作製した複層物を用いた点以外は、実施例1の工程(1−3:コレステリック樹脂層の転写)と同様にして、コレステリック樹脂層4を転写し、基材211、下地層221、第1の粘着層431、コレステリック樹脂層3(441)、第2の粘着層432及びコレステリック樹脂層4(442)を有する複層物(2−2D)を得た。
下地部材(1−1)に代えて複層物(2−2D)を用いた他は、実施例1の工程(1−2:粘着層の形成)と同様にして、第3の粘着層433を形成し、基材211、下地層221、第1の粘着層431、コレステリック樹脂層3(441)、第2の粘着層432、コレステリック樹脂層4(442)、及び第3の粘着層433を有する複層物(2−2E)を得た。
複層物(1−2)に代えて複層物(2−2E)を用いた点、及び製造例1で作製した複層物に代えて製造例2で作製した複層物を用いた点以外は、実施例1の工程(1−3:コレステリック樹脂層の転写)と同様にして、コレステリック樹脂層2を転写し、基材211、下地層221、第1の粘着層431、コレステリック樹脂層3(441)、第2の粘着層432、コレステリック樹脂層4(442)、第3の粘着層433、及びコレステリック樹脂層2(443)を有し、図4に示す断面構造を有する表示媒体40を得た。
コレステリック樹脂層3、コレステリック樹脂層4及びコレステリック樹脂層2の合計の厚さは、14.9μmであった。
(2−3:コレステリック樹脂層の評価)
基材として、厚さ100μmの黒色のPET製のシートを用意した。下地部材として当該黒色の基材を用い、当該基材の片面全面に粘着層及びコレステリック樹脂層を設けた他は、工程(2−2:粘着層及びコレステリック樹脂層の形成)と同様にして、(黒色の基材)/(第1の粘着層)/(コレステリック樹脂層3)/(第2の粘着層)/(コレステリック樹脂層4)/(第3の粘着層)/(コレステリック樹脂層2)の層構成を有する、評価用の複層物(2−3)を得た。
得られた複層物(2−3)の、コレステリック樹脂層2側の面の、色度(x1,y1)及び可視光平均反射率を測定した。また法線方向及び法線方向に対して45°の方向から、この試料を肉眼で観察して色を特定した。結果を表2に示す。
(2−4:下地層の評価)
基材として、工程(2−3:コレステリック樹脂層の評価)で用いたものと同様の黒色の基材を用いた他は、工程(2−1:下地層の形成)と同様にして、黒色の基材及び下地層を有する複層物(2−4)を得た。得られた複層物(2−4)の下地層側の面の、色度(x2,y2)を測定した。また、法線方向から、この試料を肉眼で観察して色を特定した。結果を表2に示す。
(2−5:表示媒体の評価)
工程(2−2)で得られた表示媒体の、表示領域内の下地層及びコレステリック樹脂層を有する領域を肉眼で観察し、色を特定し、工程(2−1:下地層の形成)で特定した下地層の色から変化しているか否かを評価した。結果を表2に示す。
実施例1の工程(1−6:表示媒体の評価)で用いたものと同じ、左円偏光のみを透過するフィルター1および右円偏光のみを透過するフィルター2を用意した。表示媒体を、コレステリック樹脂層側の面を上に向けて載置し、この上方約1cmの位置にフィルター1をかざし、フィルター1を通して表示媒体を観察した。さらに、フィルター1に代えてフィルター2を用いた他は同様にして、表示媒体を観察した。その結果、フィルター1を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1ははっきりと視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層により規定される文字L2は全く視認されなかった。これに対し、フィルター2を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1は極く僅かに視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層により規定される文字L2ははっきりと視認された。
(実施例3)
工程(1−1:下地層の形成)及び工程(1−5:下地層の評価)において、下地層用のインキとして、青色のインキに代えて、黒色のインキを用いた他は、実施例1と同様に操作し、表示媒体、並びにコレステリック樹脂層評価用の複層物及び下地層評価用の複層物を作製し評価した。結果を表2に示す。
表示媒体の評価においては、フィルター1を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1ははっきりと視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2は全く視認されなかった。これに対し、フィルター2を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1は全く視認されなかった一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2ははっきりと視認された。
(実施例4)
工程(1−3:コレステリック樹脂層の転写)及び工程(1−4:コレステリック樹脂層の評価)において、製造例1で作製した複層物に代えて製造例2で作製した複層物を用い、コレステリック樹脂層1に代えてコレステリック樹脂層2を転写した他は、実施例1と同様に操作し、表示媒体、並びにコレステリック樹脂層評価用の複層物及び下地層評価用の複層物を作製し評価した。結果を表2に示す。
表示媒体の評価においては、フィルター1を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1ははっきりと視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2は全く視認されなかった。これに対し、フィルター2を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1は視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2も視認された。
(比較例1及び比較例2)
工程(1−3:コレステリック樹脂層の転写)及び工程(1−4:コレステリック樹脂層の評価)において、製造例1で作製した複層物に代えて製造例3で作製した複層物を用い、コレステリック樹脂層1に代えてコレステリック樹脂層3を転写した他は、実施例1と同様に(比較例1)、又は実施例3と同様に(比較例2)操作し、表示媒体、並びにコレステリック樹脂層評価用の複層物及び下地層評価用の複層物を作製し評価した。結果を表2に示す。
比較例1、比較例2とも、表示媒体の評価においては、フィルター1を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1ははっきりと視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2は全く視認されなかった。これに対し、フィルター2を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1は視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2も視認された。
(比較例3及び比較例4)
工程(1−3:コレステリック樹脂層の転写)及び工程(1−4:コレステリック樹脂層の評価)において、製造例1で作製した複層物に代えて製造例4で作製した複層物を用い、コレステリック樹脂層1に代えてコレステリック樹脂層4を転写した他は、実施例1と同様に(比較例3)、又は実施例3と同様に(比較例4)操作し、表示媒体、並びにコレステリック樹脂層評価用の複層物及び下地層評価用の複層物を作製し評価した。結果を表2に示す。
比較例3、比較例4とも、表示媒体の評価においては、フィルター1を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1ははっきりと視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2は全く視認されなかった。これに対し、フィルター2を通して表示媒体を観察した場合には、表示領域R1の下地層221により規定される文字L1は視認された一方、表示領域R2のコレステリック樹脂層241により規定される文字L2も視認された。
Figure 2014141057
※色変化/観察色:下地層をコレステリック樹脂層を通して観察した場合と、通さず観察した場合とでの色変化/下地層をコレステリック樹脂層を通して観察した場合の観察色。
表2に示される結果から明らかな通り、コレステリック樹脂層の(x1,y1)値が本発明の規定の範囲内である本願実施例においては、下地層の色が反映された表示媒体を得ることができ、且つ真正性の識別が可能であった。特に、コレステリック樹脂層として複数の層の組み合わせ又は広帯域化処理された層を有する実施例1〜3においては、可視光平均反射率も良好であった。さらに、コレステリック樹脂層として広帯域化処理された層を有する実施例1及び3においては、可視光平均反射率が特に高く、且つ、法線方向及び45°方向からの観察のいずれにおいても無色であり、高い識別性と高いデザインの自由度とを兼ね備えていた。
20:表示媒体
40:表示媒体
211:基材
221:下地層
231:粘着層
241:コレステリック樹脂層
431:粘着層
441:コレステリック樹脂層
432:粘着層
442:コレステリック樹脂層
433:粘着層
443:コレステリック樹脂層
R1:表示領域
R2:表示領域

Claims (6)

  1. 真正性識別用の表示領域を有する表示媒体であって、
    前記表示領域において、下地部材、及び前記下地部材の面上に設けられたコレステリック規則性を有する樹脂層を有し、
    前記コレステリック規則性を有する樹脂層を、垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x1が0.30以上0.40以下であり、y座標の値y1が0.30以上0.40以下であることを特徴とする表示媒体。
  2. 前記表示領域内の前記下地部材の面を、垂直方向から観察した際の、xy色度図におけるx座標の値x2及びy座標の値y2が、下記式(A):
    (|x2−0.33|−|x1−0.33|)+(|y2−0.33|−|y1−0.33|)≧0 式(A)
    の条件を満たす、請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記下地部材の一部又は全部が黒色である、請求項1又は2に記載の表示媒体。
  4. 前記コレステリック規則性を有する樹脂層が、正面方向から観察した場合、及び斜め方向から観察した場合のいずれにおいても無色である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示媒体。
  5. 前記コレステリック規則性を有する樹脂層の、垂直方向の反射光の可視光平均反射率が、25%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示媒体。
  6. 前記コレステリック規則性を有する樹脂層が、1層の、コレステリック液晶組成物の塗膜の硬化物からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示媒体。
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