JP7463848B2 - 等速ジョイントの組立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、等速ジョイントの組立方法に関するものである。
等速ジョイントにおいて、外側ジョイント部材にブーツを固定するためにブーツクランプを用いている。ブーツクランプの一つとして、特許文献1に記載されているように、Ω状カシメ部を有するΩタイプのブーツクランプが用いられている。
Ωタイプのブーツクランプは、長手方向の端部がオーバーラップしている。ここで、オーバーラップしている内側部分を内側重合部と称し、外側部分を外側重合部と称する。内側重合部と外側重合部との周方向間を中間部と称する。
オーバーラップしている内側重合部と外側重合部との幅方向のずれを抑制するために、内側重合部の先端側には、幅狭の舌状延長部を有している。舌状延長部が、中間部にガイドされることで、内側重合部が幅方向に位置決めされている。ここで、ブーツクランプの大部分、すなわち外側重合部、中間部および内側重合部は、同幅を有しているのに対して、舌状延長部は、幅狭である。
また、特許文献2に記載のトリポード型等速ジョイントのように、外側ジョイント部材の外周面が、円形に対して異形の外形に形成されたものがある。この場合、ブーツは、径方向厚みが厚い厚肉部と径方向厚みが薄い薄肉部を有することになる。
特開2012-225360号公報 特開2015-200383号公報
Ω状カシメ部のカシメを行うことによりブーツクランプを縮径させる構造上、内側重合部の周方向端面と中間部の周方向端面とは、隙間を有して対向している。カシメ後においても、隙間が残っている。
トリポード型等速ジョイントのように、ブーツの径方向厚みが周方向において異なる場合に、ブーツの薄肉部に隙間が位置してしまうと、ブーツによるシール面圧が低下するおそれがある。特に、樹脂ブーツを用いる場合には、当該課題が顕著に表れる。
そこで、シール面圧を確保するために、ブーツクランプの締結荷重を大きくしたり、ブーツの材料を柔らかくしたりすることが考えられる。しかし、ブーツクランプの締結荷重を大きくするには、ブーツクランプの耐荷重を大きくする必要がある。また、特にブーツの樹脂化によって、ブーツの材料を柔らかくすることは容易ではない。そこで、隙間が薄肉部に位置しないようにすることで、ブーツによるシール面圧を確保することが求められる。
本発明は、ブーツによるシール面圧を確保することができる等速ジョイントの組立方法を提供することを目的とする。
等速ジョイントの組立方法は、円筒形に対して異形の外形に形成された等速ジョイントの外側ジョイント部材の外周面にブーツを嵌合させた状態で、前記ブーツの外周面にΩタイプのブーツクランプを締結する方法である。
ここで、前記ブーツは、径方向厚みが厚い厚肉部および径方向厚みが薄い薄肉部を有する。前記ブーツクランプは、長手方向一方に位置する内側重合部と、前記長手方向他方に位置し、前記内側重合部に対して径方向外側に重ねて配置され、Ω状カシメ部を有する外側重合部と、前記内側重合部と前記外側重合部との周方向間に位置し、前記外側重合部側にガイド凹所を有する中間部と、前記内側重合部の周方向端面からさらに延在し、前記内側重合部より幅狭に形成され、前記ガイド凹所にガイドされる舌状延長部とを備える。また、前記内側重合部の周方向端面と前記中間部の周方向端面とは隙間を有して周方向に対向している。
前記組立方法は、前記外側ジョイント部材に前記ブーツを装着した状態で、前記外側ジョイント部材の外周面における基準位置を周方向の所定角度に位置決めする第一位置決め工程と、周方向において前記隙間が前記ブーツの前記厚肉部に位置するように、前記ブーツクランプの前記Ω状カシメ部を、周方向において前記外側ジョイント部材の前記基準位置を基準とした指定範囲に位置決めする第二位置決め工程と、前記Ω状カシメ部に対してカシメを行うカシメ工程とを備える。
つまり、Ω状カシメ部の組付位置が指定されることによって、内側重合部の周方向端面と中間部の周方向端面との隙間が厚肉部に位置するようにできる。その結果、ブーツによるシール面圧を確保することができる。
トリポード型等速ジョイントの軸方向断面図である。 図1のII方向から見た図である。 外側ジョイント部材を軸方向(図1のII方向)から見た図である。 ブーツの径方向切断面のみを示す図であって、図1のIV-IV切断面図である。 カシメ後におけるブーツクランプを軸方向(図1のII方向)から見た図である。 ブーツクランプを展開した図であって、上段(A)は正面図、下段(B)は平面図である。 図5のVII部分の拡大図である。 図7の一点鎖線で囲まれた部分のVIII方向から見た図である。 等速ジョイントの組立方法を示すフローチャートである。 周方向において、外側ジョイント部材の基準位置P1とブーツクランプのΩ状カシメ部の位置決め対象位置P2とが一致する場合における等速ジョイントの軸方向から見た図である。 周方向において、外側ジョイント部材の指定範囲θの一方境界位置にブーツクランプのΩ状カシメ部の位置決め対象位置P2が一致する場合における等速ジョイントの軸方向から見た図である。 図11とはブーツクランプを反転させて組み付けられた状態であって、周方向において、外側ジョイント部材の指定範囲θの他方境界位置にブーツクランプのΩ状カシメ部の位置決め対象位置P2が一致する場合における等速ジョイントの軸方向から見た図である。
(1.等速ジョイント1の構成)
等速ジョイント1の構成について、図1および図2を参照して説明する。等速ジョイント1は、等速ジョイント本体10を有するユニットであって、例えば、自動車用のドライブシャフトやプロペラシャフト等である。等速ジョイント1は、等速ジョイント本体10、シャフト20、ブーツ30、ブーツクランプ40,50を備える。
等速ジョイント本体10は、例えば、トリポード型等速ジョイントである。本例では、等速ジョイント本体10は、ダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイントである。等速ジョイント本体10は、外側ジョイント部材11、トリポード12、ローラユニット13を備える。なお、等速ジョイント本体10は、トリポード型等速ジョイント以外であっても、円筒形に対して異形の外形に形成された外側ジョイント部材11を有するものであれば良い。また、トリポード型等速ジョイントにおいても、ダブルローラタイプに限られず、シングルローラタイプや他の種としても良い。
外側ジョイント部材11は、少なくとも一方に開口を有する筒状に形成されている。本例においては、外側ジョイント部材11は、他方に底面を有する筒状に形成されている。ただし、外側ジョイント部材11は、両方に開口を有する筒状としても良い。図2に示すように、外側ジョイント部材11の外周面は、円筒形に対して異形の外形に形成されている。さらに、外側ジョイント部材11の内周面には、軸方向に延びる3個の軌道溝11aが形成されている。
トリポード12は、中心軸から径方向外方に向かって突出する3個のトリポード軸部12aを有している。3個のトリポード軸部12aは、周方向に等間隔に位置する。ここで、トリポード軸部12aの外周面は、部分球面状に形成されている。
ローラユニット13は、トリポード軸部12aの外周面に支持され、且つ、外側ジョイント部材11の軌道溝11aを転動する。ローラユニット13は、ダブルローラタイプを構成しており、外ローラ13a、内ローラ13b、複数の転動体13cを備える。外ローラ13aおよび内ローラ13bは、筒状に形成されており、複数の転動体13cは、外ローラ13aの内周面と内ローラ13bの外周面との間に挟まれている。
シャフト20は、トリポード12の中心孔に固定されている。ブーツ30は、外側ジョイント部材11とシャフト20とにより形成される開口を閉塞する。ブーツ30は、樹脂により形成されている。従って、樹脂製のブーツ30は、一般に、ゴム製ブーツに比べて硬い。
ブーツ30は、大径筒部31、小径筒部32、蛇腹部33を備える。大径筒部31は、外側ジョイント部材11の外周面のうち開口付近に嵌合される。小径筒部32は、シャフト20の外周面に嵌合される。蛇腹部33は、大径筒部31と小径筒部32との間を連結する。蛇腹部33は、外側ジョイント部材11とシャフト20とが角度を有する状態で軸方向に相対移動する場合に、両者の移動に追従して変形する。
ブーツクランプ40は、ブーツ30の大径筒部31の外周面を締結する。ブーツクランプ40の締結により、ブーツ30の大径筒部31を外側ジョイント部材11の外周面に密着させて、シール面圧を確保することができる。ブーツクランプ50は、ブーツ30の小径筒部32の外周面を締結する。ブーツクランプ50の締結により、ブーツ30の小径筒部32をシャフト20の外周面に密着させて、シール面圧を確保することができる。ここで、ブーツクランプ40,50は、Ωタイプのブーツクランプである。Ωタイプのブーツクランプ40,50は、Ω状カシメ部を有しており、治具によるカシメを行うことで締結することができる。
(2.外側ジョイント部材11の形状)
外側ジョイント部材11の形状について、図3を参照して説明する。図3に示すように、外側ジョイント部材11の内周面には、3個の軌道溝11aが形成されている。外側ジョイント部材11の外周面は、円筒形に対して異形の外形を有する。外側ジョイント部材11の外周面は、3個の第一外周部11b、3個の第二外周部11c、6個の第三外周部11dを備える。さらに、外側ジョイント部材11は、各部11b,11c,11dを軸方向に延びるように有している。
第一外周部11bは、外側ジョイント部材11の外接円Cよりも内側に位置しており、周方向において軌道溝11aと同一位置に位置する。外接円Cは、外側ジョイント部材11の中心軸を中心とした円となる。第一外周部11bは、平面状に形成されている。詳細には、第一外周部11bは、軌道溝11aの溝底面と略平行な平面状に形成されている。ここで、第一外周部11bの周方向中央が、後に説明する外側ジョイント部材11の基準位置P1に設定されている。
第二外周部11cは、外側ジョイント部材11の外接円Cよりも内側に位置しており、周方向において隣り合う第一外周部11bの間に位置する。第二外周部11cは、湾曲した凹面状に形成されている。また、第二外周部11cの周方向の角度は、第一外周部11bの周方向の角度より小さい。
第三外周部11dは、外側ジョイント部材11の外接円Cを構成する。第三外周部11dは、第一外周部11bと第二外周部11cとの周方向間に位置する。第三外周部11dは、外側ジョイント部材11の外接円Cに沿った形状、すなわち湾曲した凸面状に形成されている。第三外周部11dの周方向の角度は、第一外周部11bおよび第二外周部11cに比べて小さい。
(3.ブーツ30の大径筒部31の形状)
ブーツ30の大径筒部31の形状について、図2および図4を参照して説明する。ブーツ30の大径筒部31は、円筒状の外周面311、および、円筒面に対して異形の内周面312を有する。
ブーツ30の大径筒部31は、3個の第一厚肉部31a、3個の第二厚肉部31b、6個の薄肉部31cを備える。3個の第一厚肉部31aは、120度間隔に位置し、3個の第二厚肉部31bは、周方向に隣り合う第一厚肉部31aの間に位置する。6個の薄肉部31cは、第一厚肉部31aと第二厚肉部31bとの周方向間に位置する。ここで、第一厚肉部31aおよび第二厚肉部31bは、相対的に径方向厚みが厚い部位であり、薄肉部31cは、相対的に径方向厚みが薄い部位である。
第一厚肉部31aの内周面は、図2および図4に示すように、第一外周部11bと同様に、平面状に形成されている。従って、第一厚肉部31aの周方向中央が、最大厚みの部位となる。そして、第一厚肉部31aは、周方向の端に向かって、すなわち、周方向において薄肉部31cに向かって厚みが薄くなるように形成されている。また、第一厚肉部31aの内周面は、図2に示すように、外側ジョイント部材11の第一外周部11bに当接する面である。つまり、第一厚肉部31aは、周方向において外側ジョイント部材11の3個の軌道溝11aに対応して位置する。
第二厚肉部31bの内周面は、図2および図4に示すように、第二外周部11cを転写した形状、すなわち、内側に湾曲した凸面状に形成されている。従って、第二厚肉部31bの周方向中央が、最大厚みの部位となる。そして、第二厚肉部31bは、周方向の端に向かって、すなわち、周方向において薄肉部31cに向かって薄くなるように形成されている。また、第二厚肉部31bの内周面は、図2に示すように、外側ジョイント部材11の第二外周部11cに当接する。また、第二厚肉部31bは、第一厚肉部31aよりも小さな角度に形成されている。
薄肉部31cは、図2および図4に示すように、周方向全長に亘ってほぼ一定の径方向厚みを有する。従って、薄肉部31cの外周面および内周面は、ブーツ30の大径筒部31の外周面311の円中心を中心とした円弧状に形成されている。薄肉部31cは、図2に示すように、外側ジョイント部材11の第三外周部11dに当接する。また、薄肉部31cは、第一厚肉部31aおよび第二厚肉部31bよりも小さな角度に形成されている。
(4.ブーツクランプ40の構成)
ブーツクランプ40について、図5および図6を参照して説明する。ブーツクランプ40は、上述したように、Ωタイプのブーツクランプである。ブーツクランプ40は、図6に示すような長尺状のバンド部材を曲げ形成することで、図5に示すような環状に形成される。従って、図5に示すように、ブーツクランプ40の長手方向の両端が、オーバーラップしている。ここで、ブーツクランプ40は、金属により形成されており、例えばプレス加工により成形されている。
ブーツクランプ40は、内側重合部41、外側重合部42、中間部43、舌状延長部44を備える。図6に示すように、長手方向において、舌状延長部44、内側重合部41、中間部43、外側重合部42の順に位置する。また、内側重合部41、外側重合部42、中間部43は、所定幅W1を有するのに対して、舌状延長部44は、所定幅W1よりも小さな幅W2を有する。所定幅W1は、ブーツ30によるシール面圧を確保する観点から決定されている。
内側重合部41は、長手方向一方に位置し、オーバーラップ部分において径方向内側に位置する部分である。さらに、内側重合部41は、長手方向に配列された複数の係止突起41aを有する。内側重合部41は、長手方向一方の端に、周方向端面41bを有する。
外側重合部42は、長手方向他方に位置し、オーバーラップ部分において径方向外側に位置する部分である。つまり、外側重合部42は、内側重合部41に対して径方向外側に重ねて配置されている。外側重合部42は、Ω状カシメ部42aを有する。Ω状カシメ部42aは、図5に示すように、径方向外側に突出した部位である。Ω状カシメ部42aは、図6に示すように、カシメ前において逆U字形状に形成されている。Ω状カシメ部42aの基端(径方向内側部分)を近づけるようにカシメを行うことによって、ブーツクランプ40を縮径させることができる。
さらに、外側重合部42は、Ω状カシメ部42aよりも長手方向他端側に(図6の右側)、内側重合部41の複数の係止突起41aに係合する複数の係止凹所42bを備える。複数の係止凹所42bは、長手方向に配列されている。従って、Ω状カシメ部42aのカシメ前後において、内側重合部41の係止突起41aと外側重合部42の係止凹所42bとの位置は、変わらない。
中間部43は、内側重合部41と外側重合部42との周方向間に位置し、図5に示すように環状において最大の範囲を占める部分である。中間部43は、外側重合部42側にガイド凹所43aを有する。ガイド凹所43aは、ブーツクランプ40の幅方向の中央に、ブーツクランプ40の長手方向に延びるように形成されている。
中間部43は、ガイド凹所43aの径方向外側に、ガイド押さえ43bを有する。また、中間部43は、内側重合部41とは、段差を有することなく同一面上に形成されている。一方、中間部43は、外側重合部42に対して、段差を有している。従って、中間部43は、外側重合部42側に周方向端面43cを有する。そして、中間部43の周方向端面43cは、内側重合部41の周方向端面41bに、周方向に対向している。
舌状延長部44は、図6に示すように、内側重合部41の周方向端面41bからさらに長手方向に延在する。舌状延長部44は、内側重合部41より幅狭に形成されており、内側重合部41の幅方向の中央から延在している。舌状延長部44は、図5に示すように、中間部43のガイド凹所43aに挿入されることで、ガイド凹所43aにガイドされる。また、図5に示すように、舌状延長部44は、中間部43のガイド押さえ43bによって、径方向外側へ変形することを規制されている。つまり、舌状延長部44は、ガイド押さえ43bによって、全長に亘って、ガイド凹所43aに位置する状態となる。
ここで、ブーツクランプ40には、図5に示すように、環状状態において周方向の位置決め対象位置P2が設定されている。位置決め対象位置P2は、外側ジョイント部材11の基準位置P1に対して、位置決めするための位置である。本例では、位置決め対象位置P2は、Ω状カシメ部42aの周方向中央に設定されている。
(5.隙間Spの詳細説明)
上述したように、内側重合部41の周方向端面41bと中間部43の周方向端面43cとは周方向に対向している。そして、Ω状カシメ部42aのカシメを行うことによりブーツクランプ40を縮径するという構造上、内側重合部41の周方向端面41bと中間部43の周方向端面43cとの間には、隙間Spが形成される。この隙間Spの詳細について、図7および図8を参照して説明する。
図7に示すように、中間部43と外側重合部42とは、段差を有している。つまり、ブーツクランプ40の内周面は、内側重合部41、中間部43、舌状延長部44により構成されている。ここで、ブーツ30によるシール面圧を確保するために、Ω状カシメ部42aのカシメ荷重が規定されている。そして、ブーツクランプ40は、形状バラツキを有する。そのため、所望のカシメ荷重とするためには、隙間Spが存在してしまう。
ブーツクランプ40の内周面において、ブーツクランプ40とブーツ30との最大接触幅は、当該隙間Sp以外では、所定幅W1となる。しかし、当該最大接触幅は、隙間Spの部位では、舌状延長部44の幅W2となる。
また、隙間Spは、Ω状カシメ部42aに対して周方向にずれた位置に位置する。詳細には、隙間Spは、Ω状カシメ部42aに対して、中間部43側にずれた位置に位置する。本例では、Ω状カシメ部42aと隙間Spとの周方向の角度は、第一厚肉部31aの角度の半分以下に設定されている。
(6.隙間Spの位置の概要)
周方向において、隙間Spの位置では、ブーツクランプ40とブーツ30との最大接触幅が所定幅W1より小さいため、ブーツクランプ40がブーツ30を押し付ける力が、他の部位よりも小さくなる。
例えば、隙間Spが、図4に示すブーツ30の大径筒部31の薄肉部31cに位置する場合には、ブーツ30の種類によっては、シール面圧を確保できないおそれがある。しかし、隙間Spが厚肉部31a,31bに位置する場合には、ブーツクランプ40の隙間Sp以外の部位がブーツ30を押し付ける力が伝達される。その結果、ブーツ30によるシール面圧は、確保できる。従って、隙間Spが厚肉部31a,31bに位置することが重要である。
(7.組立方法)
隙間Spが厚肉部31a,31bに位置するように、等速ジョイント1を組み立てる方法について、図9-図12を参照して説明する。ここでは、等速ジョイント本体10の組立、シャフト20の装着、ブーツ30の装着までは、完成している状態から始める。以下、既に完成している中間品を、事前組立ユニットと称する。つまり、事前組立ユニットは、図1に示す等速ジョイント1において、ブーツクランプ40,50のみが装着されていない状態となる。
図9に示すように、事前組立ユニットを位置決めする(S1:第一位置決め工程)。詳細には、外側ジョイント部材11の外周面における基準位置P1を周方向の所定角度に位置決めする。
ここで、目的は、上述したように、隙間Spが、厚肉部31a,31bに位置することである。ただし、ブーツ30は、外側ジョイント部材11に装着された状態であるため、ブーツ30の大径筒部31の内周面312の周方向位置を直接的には把握することは容易ではない。そこで、ブーツ30の大径筒部31の内周面312をほぼ転写した形状である外側ジョイント部材11の外周面を利用して、事前組立ユニットを位置決めする。
基準位置P1は、外側ジョイント部材11の外周面の任意の位置に設定することができる。ただし、位置決めの容易化のために、基準位置P1は、図3および図10に示すように、平面状に形成されている第一外周部11bに設定されている。特に、基準位置P1は、第一外周部11bの周方向中央に設定されている。例えば、第一外周部11bに平面状の位置決め治具を当接することにより、外側ジョイント部材11を回転方向において所定状態に位置決めすることができる。
続いて、ブーツクランプ40を位置決めする(S2:第二位置決め工程)。ブーツクランプ40は、事前組立ユニットに対して同軸上に位置決めされる。具体的には、図10-図12に示すように、Ω状カシメ部42aを、周方向において外側ジョイント部材11の基準位置P1を基準とした指定範囲θに位置決めする。本例では、Ω状カシメ部42aの位置決め対象位置P2、すなわち、Ω状カシメ部42aの周方向中央が、指定範囲θに位置決めされる。指定範囲θは、基準位置P1を中心とした角度を有している。
基準位置P1は、外側ジョイント部材11の第一外周部11bの周方向中央に位置する。従って、ブーツ30の大径筒部31において、基準位置P1に接触する部位は、第一厚肉部31aのうちの最大厚みの位置である。つまり、指定範囲θは、ブーツ30の大径筒部31の最大厚みの位置を含む範囲となる。
ここで、ブーツクランプ40の位置決めは、例えば、Ω状カシメ部42aを保持することにより、事前組立ユニットに対する位置を特定することができる。図10は、周方向において、外側ジョイント部材11の基準位置P1とΩ状カシメ部42aの位置決め対象位置P2とが一致する状態である。つまり、図10は、位置決め対象位置P2が、指定範囲θの中央に位置する状態である。
図11は、周方向において、外側ジョイント部材11の指定範囲θの一方境界位置にΩ状カシメ部42aの位置決め対象位置P2が一致する状態である。図12は、図11とはブーツクランプ40を反転させて組み付けられた状態であって、周方向において、外側ジョイント部材11の指定範囲θの他方境界位置にΩ状カシメ部42aの位置決め対象位置P2が一致する状態である。
図10-図12の何れにおいても、Ω状カシメ部42aのカシメ前において、周方向において隙間Spがブーツ30の厚肉部31a,31bに位置するようにされている。本例では、隙間Spが、第一厚肉部31aに位置するようにされている。また、本例では、Ω状カシメ部42aと隙間Spとは、周方向において同一の第一厚肉部31aに位置している。
さらには、基準位置P1を第一外周部11bの周方向中央に設定し、指定範囲θの中央を基準位置P1に設定することによって、ブーツクランプ40の装着向きが、図11に示す状態であっても、図12に示す状態であっても、隙間Spが第一厚肉部31aに位置決めできる。
図10-図12に示すように、隙間Spは、第一厚肉部31aの最大厚みの位置からずれて位置する。これは、ブーツクランプ40の装着向きを両方向許容することに加えて、Ω状カシメ部42aと隙間Spがずれているためである。
そして、事前組立ユニットおよびブーツクランプ40の位置決めが完了すると、軸方向において、ブーツクランプ40をブーツ30の大径筒部31の位置に位置決めし、Ω状カシメ部42aに対してカシメを行う(S3:カシメ工程)。
なお、ブーツクランプ50については、ブーツクランプ40と同様に組み付ける。ただし、ブーツクランプ40は、ブーツ30の小径筒部32を締結する。そして、ブーツ30の小径筒部32は、断面円形のシャフト20の外周面に装着されている。従って、ブーツクランプ50は、ブーツクランプ40のように、周方向の位置決めは不要である。
完成した等速ジョイント1は、図10-図12に示すようになる。Ω状カシメ部42aのカシメ後において、隙間Spは、第一厚肉部31aに位置する。つまり、Ω状カシメ部42aの組付位置が指定されることによって、隙間Spが第一厚肉部31aに位置するようにできる。その結果、ブーツ30によるシール面圧を確保することができる。
なお、隙間Spは、第二厚肉部31bに位置するようにしても良い。ただし、第一厚肉部31aは、第二厚肉部31bよりも角度が大きいことに加えて、平面状であることから、隙間Spを第一厚肉部31aに位置することが好ましい。
1:等速ジョイント、 10:等速ジョイント本体、 11:外側ジョイント部材、 11a:軌道溝、 11b:第一外周部、 11c:第二外周部、 11d:第三外周部、 12:トリポード、 13:ローラユニット、 20:シャフト、 30:ブーツ、 31:大径筒部、 311:外周面、 312:内周面、 31a:第一厚肉部、 31b:第二厚肉部、 31c:薄肉部、 32:小径筒部、 33:蛇腹部、 40:ブーツクランプ、 41:内側重合部、 41a:係止突起、 41b:周方向端面、 42:外側重合部、 42a:Ω状カシメ部、 42b:係止凹所、 43:中間部、 43a:ガイド凹所、 43b:ガイド押さえ、 43c:周方向端面、 44:舌状延長部、 50:ブーツクランプ、 C:外接円、 P1:基準位置、 P2:位置決め対象位置、 Sp:隙間、 W1:所定幅、 θ:指定範囲

Claims (6)

  1. 円筒形に対して異形の外形に形成された等速ジョイントの外側ジョイント部材の外周面にブーツを嵌合させた状態で、前記ブーツの外周面にΩタイプのブーツクランプを締結する等速ジョイントの組立方法であって、
    前記ブーツは、径方向厚みが厚い厚肉部および径方向厚みが薄い薄肉部を有し、
    前記ブーツクランプは、
    長手方向一方に位置する内側重合部と、
    前記長手方向他方に位置し、前記内側重合部に対して径方向外側に重ねて配置され、Ω状カシメ部を有する外側重合部と、
    前記内側重合部と前記外側重合部との周方向間に位置し、前記外側重合部側にガイド凹所を有する中間部と、
    前記内側重合部の周方向端面からさらに延在し、前記内側重合部より幅狭に形成され、前記ガイド凹所にガイドされる舌状延長部と、
    を備え、
    前記内側重合部の周方向端面と前記中間部の周方向端面とは隙間を有して周方向に対向しており、
    前記組立方法は、
    前記外側ジョイント部材に前記ブーツを装着した状態で、前記外側ジョイント部材の外周面における基準位置を周方向の所定角度に位置決めする第一位置決め工程と、
    周方向において前記隙間が前記ブーツの前記厚肉部に位置するように、前記ブーツクランプの前記Ω状カシメ部を、周方向において前記外側ジョイント部材の前記基準位置を基準とした指定範囲に位置決めする第二位置決め工程と、
    前記Ω状カシメ部に対してカシメを行うカシメ工程と、
    を備える、等速ジョイントの組立方法。
  2. 前記第二位置決め工程は、前記Ω状カシメ部の周方向中央を、周方向において前記基準位置を基準とした前記指定範囲に位置決めする、請求項1に記載の等速ジョイントの組立方法
  3. 前記ブーツの前記厚肉部は、周方向において、周方向中央を最大厚みとし前記薄肉部に向かって厚みが薄くなるように形成されており、
    前記隙間は、前記Ω状カシメ部に対して周方向にずれた位置に位置し、
    前記指定範囲は、周方向において前記ブーツの前記厚肉部のうち前記最大厚みの位置を含む範囲であり、
    前記Ω状カシメ部が前記指定範囲に組み付けられた場合に、周方向において前記隙間が前記ブーツの前記厚肉部のうち前記最大厚みの位置からずれて位置する、請求項1または2に記載の等速ジョイントの組立方法。
  4. 前記等速ジョイントは、トリポード型等速ジョイントであり、
    前記ブーツは、円筒状の外周面、および、円筒面に対して異形の内周面を有し、
    前記ブーツは、
    周方向において前記外側ジョイント部材の3個の軌道溝に対応して位置する3個の第一厚肉部と、
    周方向に隣り合う前記第一厚肉部の間に位置し、前記第一厚肉部よりも小さな角度に形成された3個の第二厚肉部と、
    前記第一厚肉部と前記第二厚肉部との周方向間に位置し、前記第一厚肉部および前記第二厚肉部よりも小さな角度に形成された前記薄肉部と、
    を備え、
    前記Ω状カシメ部および前記隙間は、周方向において同一の前記第一厚肉部に位置しており、
    前記第二位置決め工程は、周方向において前記隙間が前記ブーツの前記第一厚肉部に位置するように、前記ブーツクランプの前記Ω状カシメ部を、周方向において前記外側ジョイント部材の前記基準位置を基準とした前記指定範囲に位置決めする、請求項1-3の何れか1項に記載の等速ジョイントの組立方法。
  5. 前記第一厚肉部の内周面は、平面状に形成され、
    前記第二厚肉部の内周面は、内側に湾曲した凸面状に形成され、
    前記基準位置は、前記外側ジョイント部材において前記第一厚肉部が当接する平面上の位置である、請求項4に記載の等速ジョイントの組立方法。
  6. 前記ブーツは、樹脂ブーツである、請求項1-5の何れか1項に記載の等速ジョイントの組立方法。
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