JP7462954B2 - 根管充填材組成物及びその製造方法 - Google Patents

根管充填材組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、根管充填材組成物及びその製造方法に係り、より詳細には、アルミニウム原子またはシリコン原子が固溶したセメント及び吸湿性液体を含む根管充填材組成物及びその製造方法に関する。
歯のう蝕が歯の最も内側の歯髄にまで進んだ場合には、歯髄を除去し、根管に水硬性セメントを詰めて密閉する形態の根管治療を行う。このような根管充填材は、生組織に直接接触するため、高い生体適合性、残存細菌による感染を防ぐための高い密閉性及び抗菌性、根管内にセメントを完全に充填するための作業性、並びに根管内で水硬化する間に充填材が消失されないように速い硬化特性を有することが好ましい。また、根管内でセメントが硬化した後に、外部応力によってクラックまたは破断が発生した場合、密閉性が低下して感染の原因になるので、適切な圧縮強度を示さなければならない。
このような生体適合性、密閉性及び抗菌性などを満たす根管充填材の材料であるケイ酸カルシウムセメントと放射線不透過性物質である酸化ビスマスとが含まれている形態のMTA(Mineral Trioxide Aggregate)が広く用いられている。MTA内のケイ酸カルシウムセメントが水硬化過程中にC-S-Hゲル(Calcium-silicate-hydrate gel)を形成して高い強度を示し、その過程で副産物として水酸化カルシウムを形成しながらアルカリ性pH環境を作って抗菌性を与える。
しかし、このようなMTAの利点にも拘らず、3時間以上の長い硬化時間を有するという欠点があり、硬化過程中に、充填材の一部が口腔内の体液によって洗い流される可能性がある。これにより、密閉効果が減少して細菌感染が発生するおそれがあり、硬化した充填材の見掛け密度が減少するにつれて外部応力によって容易にクラックが発生するおそれがあるため、感染の危険性がある。
したがって、従来の根管充填材組成物の問題を解決するために、十分な作業時間と速い硬化時間を持ちながら高い圧縮強度を示す根管充填材組成物の開発が求められている。
本発明の目的は、アルミニウムが固溶したトリカルシウムシリケート、アルミニウムが固溶したジカルシウムシリケート、及びシリコンが固溶したトリカルシウムアルミネートを含むセメントを製造することにより、硬化時間と圧縮強度が向上した根管充填材組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、十分な作業時間を確保することができる、保管安定性が向上した根管充填材組成物を提供することにある。
本発明のある観点によれば、セメント;及び吸湿性液体;を含み、前記セメントは、アルミニウム原子が固溶(solid solution)したトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO)(Al solid-soluted C3S);アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(2CaO・SiO)(Al solid-soluted C2S);並びにアルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)及びアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)よりなる群から選ばれた1種以上の間に位置し、シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al)(Si solid-soluted C3A);を含むものである、根管充填材組成物を提供する。
アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケートは、前記トリカルシウムシリケートのシリコン原子の一部が前記アルミニウム原子で置換(substitution)されたものであるか、或いは、前記アルミニウム原子が前記トリカルシウムシリケートの結晶格子に侵入(interstition)したものであり得る。
アルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケートは、前記ジカルシウムシリケートのシリコン原子の一部が前記アルミニウム原子で置換されたものであるか、或いは、前記アルミニウム原子が前記ジカルシウムシリケートの結晶格子に侵入したものであり得る。
シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネートは、前記トリカルシウムアルミネートのアルミニウム原子の一部が前記シリコン原子で置換されたものであるか、或いは前記シリコン原子がトリカルシウムアルミネートの結晶格子に侵入したものであり得る。
シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネートは、シリコン(Si)が0.1~5重量%固溶し得る。
アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケートまたはアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケートは、アルミニウムが0.1~5重量%固溶し得る。
前記根管充填材組成物は、放射線不透過性物質、リン酸カルシウム化合物及び硬化調節剤の中から選ばれた1種以上をさらに含むことができる。
前記根管充填材組成物は、前記セメント100重量部;前記吸湿性液体10~100重量部;並びに前記放射線不透過性物質20~200重量部、前記リン酸カルシウム化合物1~50重量部及び前記硬化調節剤0.1~20重量部のうちの1種以上;を含むことができる。
前記セメントは、アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)とアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)との重量の和(Al solid-soluted C3S+Al solid-soluted C2S、C)と、シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A、A)の重量比(C:A)が99:1~70:30であり得る。
前記セメントは、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を熱処理によって反応させた後、急冷して製造した物質であり得る。
前記吸湿性液体は、ポリプロピレングリコールを含むことができる。
前記吸湿性液体は、ポリプロピレングリコールを含み、エタノール、プロパノール、植物性油脂、動物性油脂、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びグリセリンの中から選ばれた1種以上をさらに含むことができる。
前記リン酸カルシウム化合物は、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、第四リン酸カルシウム、水酸化燐灰石、燐灰石、リン酸八カルシウム(octacalcium phosphate)、二相性リン酸カルシウム(biphasic calcium phosphate)、無定形リン酸カルシウム(amorphous calcium phosphate)、カゼインホスホペプチド-無定形リン酸カルシウム(caseinphosphopeptide-amorhpous calcium phosphate)及びバイオアクティブガラスの中から選ばれた1種以上を含むことができる。
前記放射線不透過性物質は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化バリウム、ヨードホルム、酸化タンタル、及びタングステン酸カルシウムの中から選ばれた1種以上を含むことができる。
前記硬化調節剤は、硫酸カルシウム二水和物、硫酸カルシウム半水和物、塩化カルシウム、及びギ酸カルシウムの中から選ばれた1種以上を含むことができる。
本発明の他の観点によれば、(a)セメントを製造するステップと;(b)前記セメント及び吸湿性液体を含む組成物を製造するステップと;を含み、前記セメントは、アルミニウム原子が固溶(solid solution)したトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO)(Al solid-soluted C3S);アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(2CaO・SiO)(Al solid-soluted C2S);並びにアルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)及びアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)よりなる群から選ばれた1種以上の間に位置し、シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al)(Si solid-soluted C3A);を含むものである、根管充填材組成物の製造方法を提供する。
ステップ(a)は、(a-1)酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を焼成させるステップと;(a-2)焼成された混合物を急冷させるステップと;を含むことができる。
ステップ(a-2)において、前記急冷は、100℃/分~200℃/分の冷却速度で行われ得る。
本発明は、アルミニウムが固溶したトリカルシウムシリケート、アルミニウムが固溶したジカルシウムシリケート、及びシリコンが固溶したトリカルシウムアルミネートを含むセメントを製造し、これを根管充填材組成物として用いることにより、硬化時間及び圧縮強度を向上させるという効果がある。
また、本発明の根管充填材物は、十分な作業時間を確保して作業性及び保管安定性を向上させることができるという効果がある。
本発明の製造例2により製造されたセメントのSEM画像である。 製造例1によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 製造例2によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 製造例3によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 製造例4によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 比較製造例1によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 比較製造例2によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 比較製造例3によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 比較製造例4によって製造されたセメントのX-ray diffraction(XRD)分析結果である。 製造例2、製造例3及び比較製造例2によって製造されたセメントのXRDパターンのC3S主要ピークを示すものである。 製造例2及び製造例3によって製造されたセメントのXRDパターン中のC3Aのピークを示すものである。 製造例2によって製造されたセメントとC3Sのラマンスペクトルを示すものである。 実施例5によって製造された組成物の根管充填後の象牙質(Dentin)及びGP(glycerol phosphate disodium salt)との界面を観察した画像である。 発明の実施例5の組成物による根管充填後の充填状態を確認するために放射線撮影した画像である。
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
しかし、以下の説明は、本発明を特定の実施形態について限定するものではなく、本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にするおそれがあると判断された場合、その詳細な説明を省略する。
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
以下、本発明の根管充填材組成物について説明する。
本発明は、セメント;及び吸湿性液体;を含み、 前記セメントは、アルミニウム原子が固溶(solid solution)したトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO)(Al solid-soluted C3S);アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(2CaO・SiO)(Al solid-soluted C2S);並びにアルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)及びアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)よりなる群から選ばれた1種以上の間に位置し、シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al)(Si solid-soluted C3A);を含むものである、根管充填材組成物を提供する。
前記固溶(solid solution)は、既存の結晶構造を破壊することなく、結晶構造内に他の元素の原子が混入して分布するため、固体状態の溶液のような状態になることを意味する。原子の間の隙間に他の元素の原子が入り込んでいる形態の侵入型(Interstition)と、整然と並んでいる固体の原子を押し出し、その位置に代わりに入る形態の置換型(Substitution)がある。
アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケートは、前記トリカルシウムシリケートのシリコン原子の一部が前記アルミニウム原子で置換(substitution)されたものであるか、或いは、前記アルミニウム原子が前記トリカルシウムシリケートの結晶格子に侵入(interstition)したものであり得る。
アルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケートは、前記ジカルシウムシリケートのシリコン原子の一部が前記アルミニウム原子で置換されたものであるか、或いは、前記アルミニウム原子が前記ジカルシウムシリケートの結晶格子に侵入したものであり得る。
シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネートは、前記トリカルシウムアルミネートのアルミニウム原子の一部が前記シリコン原子で置換されたものであるか、或いは、前記シリコン原子トリカルシウムアルミネートの結晶格子に侵入したものであり得る。
シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネートは、シリコン(Si)が0.1~5重量%、好ましくは0.1~4.0重量%、さらに好ましくは0.1~2重量%固溶し得る。
アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート、またはアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケートは、アルミニウムが0.10~5重量%、好ましくは0.1~4.0重量%、さらに好ましくは0.1~2重量%固溶し得る。
前記根管充填材組成物は、放射線不透過性物質、リン酸カルシウム化合物、硬化調節剤などをさらに含むことができる。
前記根管充填材組成物は、前記セメント100重量部;前記吸湿性液体10~100重量部;並びに前記放射線不透過性物質20~200重量部、前記リン酸カルシウム化合物1~50重量部及び前記硬化調節剤0.1~20重量部のうちの1種以上;を含むことができる。
前記セメントは、アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)とアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)との重量の和(Al solid-soluted C3S+Al solid-soluted C2S、C)と、シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A、A)の重量比(C:A)が99:1~70:30であり得る。
前記セメントは、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を熱処理で反応させた後、急冷して製造した物質であり得る。
前記熱処理は焼成することを含むことができ、前記急冷は焼成温度から100℃/分以上の冷却速度で行うことができる。
前記吸湿性液体は、吸湿性を有し、ポリプロピレングリコールを含むことができ、好ましくは、前記吸湿性液体は、ポリプロピレングリコールを含み、エタノール、プロパノール、植物性油脂、動物性油脂、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどをさらに含むことができる。
前記リン酸カルシウム化合物は、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、第四リン酸カルシウム、水酸化燐灰石、燐灰石、リン酸八カルシウム(℃tacalcium phosphate)、二相性リン酸カルシウム(biphasic calcium phosphate)、無定形リン酸カルシウム(amorphous calcium phosphate)、カゼインホスホペプチド-無定形リン酸カルシウム(caseinphosphopeptide-amorhpous calcium phosphate)、バイオアクティブガラスなどを使用することができる。
前記放射線不透過性物質は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化バリウム、ヨードホルム、酸化タンタル、タングステン酸カルシウムなどを使用することができる。
前記硬化調節剤は、硫酸カルシウム二水和物、硫酸カルシウム半水和物、塩化カルシウム、ギ酸カルシウムなどを使用することができる。
また、本発明の根管充填材組成物の製造方法について説明する。
まず、セメントを製造する(ステップa)。
前記セメントは、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を熱処理で反応させた後、急冷して製造することができる。
詳細には、ステップ(a)は、2ステップで行われ得る。
まず、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を焼成させる(ステップa-1)。
前記アルミニウム原子が固溶したトリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)、アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)、及びシリコン原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A)構造を持つセメントの焼成温度は、1200℃~1550℃、好ましくは1300℃~1500℃、より好ましく1400℃~1500℃であり得る。1200℃以下の温度では、トリカルシウムシリケートよりはジカルシウムシリケートの形成が主となってセメントの強度が低くなり好ましくなく、1550℃以上の温度では、トリカルシウムシリケートの形成はなされるが、焼成中にセメントの成分中のジカルシウムシリケート、トリカルシウムシリケートが分解されてセメントの強度が低くなり好ましくない。
前記アルミニウム原子が固溶したトリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)、アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)、及びシリコン原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A)構造を持つセメントの焼成温度までの昇温速度は、1℃/min~20℃/min、好ましくは2℃/min~10℃/minであり得る。焼成昇温速度が1℃/min以下の場合には、時間があまりかかって生産性が低下して好ましくなく、焼成昇温速度が20℃/min以上の場合には、混合原料間の反応時間が十分でないため、一部の原料物質がそのまま残ってセメントの強度が低くなり好ましくない。
前記アルミニウム原子が固溶したトリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)、アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)及びシリコン原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A)構造を持つセメントの形成温度範囲内での焼成時間は、0.5時間~24時間、好ましくは1時間~12時間であり得る。0.5時間以下では、混合原料間の反応時間が十分でないため、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの一部の原料物質がそのまま残ってセメントの強度が低くなり好ましくなく、24時間以上では、過剰なエネルギーの消費が必要とされるため、経済的でなくて好ましくない。
その後、焼成された混合物を急冷させる(ステップa-2)。
前記急冷は、100℃/分~200℃/分の冷却速度で行われ得る。
次に、前記急冷について具体的に説明する。前記アルミニウム原子が固溶したトリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)、アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)及びシリコン原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A)構造を持つセメントの冷却速度は、焼成温度でのAl solid-soluted C3SまたはAl solid-soluted C2S及びSi solid-soluted C3A構造を常温で維持するために急冷することが好ましい。このため、前記セメント製造ステップの急冷が焼成温度から100℃/分以上の冷却速度で行われることが好ましい。速度が100℃/分未満と遅い場合には、アルミニウム原子またはシリコン原子が格子構造内に固溶した状態を維持することができず、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素を形成してセメントの強度を低下させることができる。
前記セメントは、アルミニウム原子が固溶(solid solution)したトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO)(Al solid-soluted C3S);アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(2CaO・SiO)(Al solid-soluted C2S);並びにアルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)及びアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)よりなる群から選ばれた1種以上の間に位置し、シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al)(Si solid-soluted C3A);を含むことができる。
最後に、前記セメント及び吸湿性液体を含む組成物を製造する(ステップb)。
ステップ(b)において、放射線不透過性物質、リン酸カルシウム化合物、硬化調節剤をさらに混合して組成物を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施例を挙げて説明する。しかし、これらの実施例は、例示のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
製造例1:普通ポルトランドセメント(Ordinary Portland Cement、OPC)
酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%の混合の前に、100℃の条件で24時間以上維持して水分を蒸発させた。原料を均一に混合粉砕するために、V型ミキサーにサイズ10mm、5mm及び1mmのセラミックボールを原料体積と同一に入れた後、50rpmで4時間混合した。
その後、セラミックボールを除去し、原料全体的に反応が一定に現れるようにするために、原料をチューブ形状の圧粉体(green compact)に製造して白金坩堝に入れ、1500℃で1時間30分焼成した。その後、試料を直ちに収去して空気中で冷却ファンを用いて150℃/分の速度で25℃まで急冷した。焼成されたセメントを1次乾式粉砕した後、1次粉砕されたセメントをサイズ10mm、5mm及び1mmのセラミックボールを用いて24時間粉砕した。粉砕した原料をふるい分け、平均粒度10μmのセメント粉末を製造した。
製造されたセメント粉末に対してCuKα1の波長(1.54056Å)、2ρ=25~50°、スキャン速度5°/分の条件でXRD分析を行った。
製造例2:アルミニウムが固溶したトリカルシウムシリケート、アルミニウムが固溶したジカルシウムシリケート、及びシリコンが固溶したトリカルシウムアルミネートを含むセメントの製造
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム70.8wt%、二酸化ケイ素25.2wt%及び酸化アルミニウム4.0wt%を使用する以外は、製造例1と同様にして、製造例2のセメントを製造した。前記製造例2のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
製造例3:アルミニウムとシリコン原子が過固溶したセメント
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム65.0wt%、二酸化ケイ素27.7wt%及び酸化アルミニウム7.3wt%の割合の粉末を使用する以外は、製造例1と同様にして、セメントを製造した。前記製造例3のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
製造例4:シリコン原子が固溶したセメント
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム70.5wt%、二酸化ケイ素22.5wt%及び酸化アルミニウム7.0wt%の割合の粉末を使用する以外は、製造例1と同様にして、セメントを製造した。前記製造例4のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
比較製造例1:二酸化ケイ素を含むセメント
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム73.7wt%と二酸化ケイ素26.3wt%の割合の粉末を使用する以外は、製造例1と同様にして、セメントを製造した。前記比較製造例1のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
比較製造例2:アルミン酸カルシウムが除外されたセメント
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム70.8wt%及び二酸化ケイ素29.2wt%の割合の粉末を使用し、1500℃で焼成した後、急冷する代わりに、25℃/分の速度で空冷する以外は、製造例1と同様にして、セメントを製造した。前記比較製造例2のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
比較製造例3:二酸化ケイ素が含まれたセメント
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム67.5wt%、二酸化ケイ素25.5wt%、酸化アルミニウム4.5wt%及び酸化鉄2.5wt%の割合の粉末を使用し、1500℃で焼成した後、急冷する代わりに、25℃/分の速度で空冷する以外は、製造例1と同様にして、セメントを製造した。前記比較製造例3のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
比較製造例4:セメント
製造例1の酸化カルシウム72.0wt%、二酸化ケイ素26.3wt%、酸化アルミニウム1.0wt%、酸化鉄0.4wt%及び酸化マグネシウム0.3wt%を使用する代わりに、酸化カルシウム70.8wt%、二酸化ケイ素25.2wt%及び酸化アルミニウム4.0wt%を使用し、1500℃で焼成した後、急冷する代わりに、25℃/分の速度で空冷する以外は、製造例1と同様にして、セメントを製造した。前記比較製造例4のセメント粉末も製造例1と同様の方法で分析した。
表1は、製造例1~4及び比較製造例1~4によって製造されたセメントの構成成分、含有量、焼成温度及び冷却方法をまとめて示す。
実施例1:製造例2のセメントを含む根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメント50wt%、ポリプロピレングリコール(Mn:425g/mol、水分含量<0.05wt%)20wt%、酸化ジルコニウム27wt%及び硫酸カルシウム二水和物3wt%の総質量100gを準備し、100rpmで4時間混合した後、組成物の内部に形成された気泡を除去し且つ充填密度を高めるために、真空(-0.095±0.005MPa)状態で30分間維持した。
その後、容器に前記組成物を充填して根管充填材組成物を製造した。
実施例2:製造例3のセメントを含む根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、製造例3によって製造されたセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
実施例3:製造例4のセメントを含む根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、製造例4によって製造されたセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
実施例4:根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメント50wt%とポリプロピレングリコール20wt%の代わりに、製造例2によって製造されたセメント60wt%とポリプロピレングリコール10wt%を使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
実施例5:根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメント50wt%の代わりに、製造例2によって製造されたセメント48wt%とバイオアクティブガラス((SiO(NaO)(CaO)(P)2wt%を使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
実施例6:根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメント50wt%の代わりに、製造例2によって製造されたセメント48wt%と第三リン酸カルシウム2wt%を使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
比較例1:製造例1のセメントを含む根管充填材組成物
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、製造例1によって製造されたセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
比較例2:比較製造例2のセメントを含む根管充填材組成物
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、比較製造例2のセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
比較例3:比較製造例3のセメントを含む根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、比較製造例3によって製造されたセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
比較例4:比較製造例4のセメントを含む根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、比較製造例4によって製造されたセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
比較例5:比較製造例1のセメントを含む根管充填材組成物の製造
製造例2によって製造されたセメントの代わりに、比較製造例1によって製造されたセメントを使用する以外は、実施例1と同様にして、根管充填材組成物を製造した。
表2は、実施例1~6と比較例1~5によって製造された根管充填材組成物の組成及び含有量を示す。
[試験例]
試験例1:セメントの構成確認
図1は製造例2によって製造されたセメントの断面のSEM画像を示すものであり、表3はEDS分析結果を示すものである。図1において、アルミニウムが固溶したトリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)、アルミニウムが固溶したジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)及びシリコンが固溶したトリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A)をそれぞれC3、C2及びAで表示した。
図1を参照すると、製造例2によって製造されたセメントの断面は、自形のアルミニウム原子が固溶したトリカルシウムシリケートと他形のアルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケートの間を埋めるシリコン原子が固溶したトリカルシウムアルミネートで構成されていることが分かる。
また、急冷した製造例2のセメント断面では、空冷(徐冷)しながら生成されるトリカルシウムアルミネート(C3A)内のジカルシウムシリケート(C2S)析出相またはトリカルシウムシリケート(C3S)内のトリカルシウムアルミネート(C3A)析出相などが現れておらず、メルト状態で徐冷するとき、一般的にC3Aが結晶化されながらラメラ構造を持つのとは異なり、ラメラ構造が現れていない。
また、表3のEDS分析結果を参照すると、製造例2によって製造されたセメントがAl solid-soluted C3S、Al solid-soluted C2S及びSi solid-soluted C3Aで構成されていることが分かる。C3とC2の場合には、カルシウム、シリコン及び酸素の原子比がC3S及びC2Sと化学量論的によく一致しており、余分なアルミニウムは平衡状態の化合物を形成せず、C3S及びC2S構造内に固溶していることを確認することができた。
試験例2:セメントのXRD分析
図2a乃至図2dは製造例1~4によって製造されたXRDパターンを示すものであり、図2e乃至図2hは比較製造例1~4によって製造されたXRDパターンを示すものである。図2iは製造例2、製造例3及び比較製造例2によって製造されたセメントのXRDパターンにおけるC3Sピークを拡大して示すものであり、図2jは製造例2及び製造例3によって製造されたセメントのXRDパターンにおけるC3Aピークを拡大して示すものである。
図2a乃至図2hを参照すると、比較製造例1と比較製造例2を除くすべてのセメントに対してトリカルシウムシリケート(C3S)、ジカルシウムシリケート(C2S)及びトリカルシウムアルミネート(C3A)が生成されたことを確認することができ、比較製造例1と比較製造例2によって製造されたセメントは、酸化アルミニウムを含まないため、C3SとC2Sのみ生成されたことを確認することができた。
図2b及び図2cを参照すると、同様の方法でセメントを製造するとき、製造例2と比較して二酸化ケイ素と酸化アルミニウムを増量した製造例3のXRD分析の結果、二酸化ケイ素の(101)面と酸化アルミニウムの(311)面及び(220)面に該当するピークが現れた。このような結果からみて、セメント製造の際に、C3S、C2S及びC3Aの形成に参加していない余分の二酸化ケイ素または酸化アルミニウムが存在する場合、それぞれの結晶構造がXRDパターン上に現れなければならない。しかし、製造例2によって製造されたセメントのXRDパターンでは、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムのピークが現れていないことを確認することができた。
これは、C3S、C2S及びC3Aの形成にすべて消費されたか或いは焼成過程で分解され、酸化アルミニウムは、トリカルシウムシリケート及びジカルシウムシリケートの格子内に固溶し、アルミニウムが固溶したトリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)、アルミニウムが固溶したジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)を形成するものと分析され、二酸化ケイ素中のシリコン原子は、原子サイズが似ているトリカルシウムアルミネートマトリックスのアルミニウム位置に置換され、マトリックス内に分布してシリコンが固溶したトリカルシウムアルミネートを形成するものと判断される。
また、図2iを参照すると、比較製造例2は、酸化アルミニウムを除いて酸化カルシウムと二酸化ケイ素のみを用いてセメントを焼成した。焼成の後、ゆっくりと空冷したため、C3S及びC2Sが十分に形成できた。これに対し、製造例2と製造例3のセメントは、焼成の後に急冷したため、C3Aの完全な結晶構造を生成するための駆動力が維持されず、比較製造例2と急冷した製造例2及び製造例3のC3Sの主要ピークが一致しないことが分かる。
これにより、製造例2と製造例3のセメント内のC3S格子変形を確認することができ、添加された酸化アルミニウムの分率が増加するにつれて格子変形が大きくなることからみて、C3S格子構造内にアルミニウム原子が固溶し、アルミニウム原子が固溶したトリカルシウムシリケートを形成したものと判断することができる。
図2jを参照すると、製造例2と製造例3を比較するとき、二酸化ケイ素の含有量が増加するにつれてC3Aの主要ピークの位置が変化した。つまり、C3S格子構造の変形と同様に、C3A構造にも格子変形が起こったことを確認することができた。
試験例3:セメントのラマン分析
図3は製造例2によって製造されたセメントとC3S粉末のラマンスペクトルを示すものである。
セメントで最も多くの含有量を占めているC3S粉末とセメント粉末のラマンスペクトルを比較した。その結果、C3S、C2S及びC3Aのピークが現れていること、及びC3SとC2Sピークにおける互いに異なる振動数の変化が確認された。800~900cm-1で現れるSi-Oストレッチングバイブレーションピークで最も多くの変化を示し、特にC3Sの849cm-1のピークで、セメントの場合は856cm-1に振動数が増加してSi-Oの結合長さが減少する形態の変形が現れた。
また、Si-Oの曲げによる542cm-1のピークでは、製造されたセメントの場合は536cm-1に振動数が減少して結合強度が弱化される形態の変形を示した。
このような結果に基づいて、C3S構造内にアルミニウム原子が侵入することにより、構造内に存在するSiO分子の収縮と膨張が起こっていると判断することができた。
試験例4:根管充填材組成物の物性分析
下記表4は実施例1~6と比較例1~5によって製造された歯科用組成物の硬化時間、流れ性及び圧縮強度の分析結果をまとめて示す。
試験例4-1:硬化時間の分析
根管充填材に対するISO6876:2012の基準に基づいて硬化時間を評価した。評価の前に、直径10mmと深さ1mmの溝が付いている石膏モールドを湿度95%以上の37±1℃のオーブンで24時間保管した。溝に組成物を埋めて表面を平らにした後、湿度95%以上の37±1℃のオーブンで保管しながら硬化時間を評価した。このため、重量100±5gと針直径2±0.1mmのギルモア針を使用し、試料の表面に15秒間のせて硬化か否かを評価した。組成物の表面に押痕が現れない保管時間を硬化時間にして3回測定した平均値は、前記表4に示されている通りである。
前記表4によれば、実施例1~6の根管充填材組成物が比較例よりも速い硬化時間を示した。比較例2で製造された根管充填材組成物は、C2Sの含有量が高く、C3Aが存在しないため、硬化時間が遅延したと判断することができ、比較例3で製造された根管充填材組成物は、C3S、C2S及びC3Aの水硬化反応に参加しない二酸化ケイ素と酸化アルミニウムがセメント内に存在するため、C-S-Hゲルの形成が妨げられたと判断することができる。実施例1乃至3のセメントは、トリカルシウムシリケート(C3S)またはジカルシウムシリケート(C2S)内に固溶しているアルミニウム原子の一部が、C-S-Hゲルの形成時に、Dreierketten chainのシリコンと置換できるので、C-S-Hゲルの間隔を拡張し、ゲルの長さを増大して硬化反応を促進し、圧縮強度を向上させることができる。しかし、実施例1と実施例2を比較すると、実施例2の場合、アルミニウムとシリコン原子の固溶にも拘らず、セメント内に残存する二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムによってC-S-Hゲルの形成が妨げられ、実施例1と比較して硬化反応が遅く行われ得る。
試験例4-2:流れ性の分析
根管充填材組成物に対する流れ性の評価は、ISO6876:2012の基準に基づいて幅40mm×40mm、厚さ5mm及び重量20gのガラス板を2枚用いた。0.05±0.005mlの根管充填材組成物を1枚のガラス板上にのせた後、他のガラス板で試料を覆い、10分間100gのおもりをのせておいた。おもりを除去した後、2枚のガラス板の間の根管充填材組成物の最大直径と最小直径を測定した。このとき、最大直径と最小直径の偏差が1mm以下である結果のみを選択して合計3回測定した平均値は、表4に示されているとおりである。
前記表4を参照すると、根管充填材の流れ性は、セメントの含有量と吸湿性液体の含有量に影響されるため、セメントと吸湿性液体の含有量が同じである実施例1~3と比較例1~5では、流れ性には大きい差を示していないことが分かる。しかし、セメントの含有量を増加させた実施例4~6の歯科用組成物は、流れ性が確然に減少することを確認することができた。
試験例4-3:圧縮強度の分析
根管充填材組成物の圧縮強度試験片は、ISO6876:2012の基準に基づいて石膏モールドの直径4mmと深さ6mmの穴に試料を埋め、湿度95%以上の37±1℃のオーブンで7日間保管した後、分離して製造した。分離された試験片は、インストロンタイプの万能試験機を用いて1mm/minの速度で圧縮強度試験を行いあ、5回測定した平均値は、前記表4に示されている通りである。
前記表4を参照すると、圧縮強度の試験結果は、セメントの含有量が高い実施例によって製造された根管充填材組成物が、他の条件で製造された根管充填材組成物に比べて高い圧縮強度を示した。
試験例5:根管充填臨床試験
図4は実施例5の組成物による根管充填後の組成物と象牙質(Dentin)及びGPとの界面を観察した画像であり、図5は発明の実施例5の組成物による根管充填後の充填状態を確認するために放射線撮影画像を示すものである。
本発明の実施例5によって製造された根管充填材組成物をシリンジに注入し、分配用チップを装着して根管に充填した。図4を参照すると、歯の象牙質層とガタパーチャ(gutta-percha)の間に実施例5の根管充填材組成物が稠密に付着して界面を形成することを確認することができる。象牙質とガタパーチャの間で根管充填材組成物が強い界面を形成しなければ、施術後、微細漏れを引き起こして二次う蝕の発生可能性がある。
図5は実施例5によって製造された根管充填材組成物を根管に充填して撮影したX線画像である。根管の微細な部分まで組成物がよく満たされていることを確認することができた。
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
本発明は、アルミニウムが固溶したトリカルシウムシリケート、アルミニウムが固溶したジカルシウムシリケート及びシリコンが固溶したトリカルシウムアルミネートを含むセメントを製造し、これを根管充填材組成物として用いることにより、硬化時間及び圧縮強度を向上させるという効果がある。
また、本発明の根管充填材物は、十分な作業時間を確保して作業性及び保管安定性を向上させることができるという効果がある。

Claims (16)

  1. セメント;及び
    吸湿性液体;を含み、
    前記セメントは、
    アルミニウム原子が固溶(solid solution)したトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO)(Al solid-soluted C3S);
    アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(2CaO・SiO)(Al solid-soluted C2S);および
    シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al )(Si solid-soluted C3A)を含み、
    ここで、シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al )(Si solid-soluted C3A)は、アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)と、アルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)の間に位置し、
    前記セメントは、トリカルシウムアルミネート(C3A)内のジカルシウムシリケート(C2S)析出相およびトリカルシウムシリケート(C3S)内のトリカルシウムアルミネート(C3A)析出相を含まない、
    根管充填材組成物。
  2. アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケートは、前記トリカルシウムシリケートのシリコン原子の一部が前記アルミニウム原子で置換(substitution)されたものであるか、或いは、前記アルミニウム原子が前記トリカルシウムシリケートの結晶格子に侵入(interstition)したものであることを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  3. アルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケートは、前記ジカルシウムシリケートのシリコン原子の一部が前記アルミニウム原子で置換されたものであるか、或いは、前記アルミニウム原子が前記ジカルシウムシリケートの結晶格子に侵入したものであることを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  4. シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネートは、前記トリカルシウムアルミネートのアルミニウム原子の一部が前記シリコン原子で置換されたものであるか、或いは、前記シリコン原子がトリカルシウムアルミネートの結晶格子に侵入したものであることを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  5. シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネートは、シリコン(Si)が0.1~5重量%固溶したことを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  6. アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケートまたはアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケートは、アルミニウムが0.1~5重量%固溶したことを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  7. 前記根管充填材組成物が、放射線不透過性物質、リン酸カルシウム化合物及び硬化調節剤の中から選ばれた1種以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  8. 前記根管充填材組成物が、前記セメント100重量部;
    前記吸湿性液体10~100重量部;並びに
    前記放射線不透過性物質20~200重量部、前記リン酸カルシウム化合物1~50重量部及び前記硬化調節剤0.1~20重量部のうちの1種以上;を含むことを特徴とする、請求項7に記載の根管充填材組成物。
  9. アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)とアルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)との重量の和(Al solid-soluted C3S+Al solid-soluted C2S、C)と、シリコン原子が固溶した前記トリカルシウムアルミネート(Si solid-soluted C3A、A)の重量比(C:A)が99:1~70:30であることを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  10. 前記セメントが、酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を熱処理によって反応させた後、急冷して製造した物質であることを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  11. 前記吸湿性液体がポリプロピレングリコールを含むことを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  12. 前記吸湿性液体が、ポリプロピレングリコールを含み、エタノール、プロパノール、植物性油脂、動物性油脂、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びグリセリンの中から選ばれた1種以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の根管充填材組成物。
  13. 前記リン酸カルシウム化合物が、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、第四リン酸カルシウム、水酸化燐灰石、燐灰石、リン酸八カルシウム(octacalcium phosphate)、二相性リン酸カルシウム(biphasic calcium phosphate)、無定形リン酸カルシウム(amorphous calcium phosphate)、カゼインホスホペプチド-無定形リン酸カルシウム(caseinphosphopeptide-amorhpous calcium phosphate)、及びバイオアクティブガラスの中から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする、請求項7に記載の根管充填材組成物。
  14. 前記放射線不透過性物質が、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化バリウム、ヨードホルム、酸化タンタル及びタングステン酸カルシウムの中から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする、請求項7に記載の根管充填材組成物。
  15. 前記硬化調節剤が、硫酸カルシウム二水和物、硫酸カルシウム半水和物、塩化カルシウム及びギ酸カルシウムの中から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする、請求項7に記載の根管充填材組成物。
  16. (a)酸化カルシウム、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む混合物を焼成させるステップ、および焼成された混合物を100℃/分~200℃/分の冷却速度で急冷させるステップを含むセメントを製造するステップと;
    (b)前記セメント及び吸湿性液体を含む組成物を製造するステップと;を含み、
    前記セメントは、
    アルミニウム原子が固溶(solid solution)したトリカルシウムシリケート(3CaO・SiO)(Al solid-soluted C3S);
    アルミニウム原子が固溶したジカルシウムシリケート(2CaO・SiO)(Al solid-soluted C2S);および
    シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al )(Si solid-soluted C3A)を含み、
    ここで、シリコン(Si)原子が固溶したトリカルシウムアルミネート(3CaO・Al )(Si solid-soluted C3A)は、アルミニウム原子が固溶した前記トリカルシウムシリケート(Al solid-soluted C3S)と、アルミニウム原子が固溶した前記ジカルシウムシリケート(Al solid-soluted C2S)の間に位置し、
    前記セメントは、トリカルシウムアルミネート(C3A)内のジカルシウムシリケート(C2S)析出相およびトリカルシウムシリケート(C3S)内のトリカルシウムアルミネート(C3A)析出相を含まない、根管充填材組成物の製造方法。
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