(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における部品搭載装置1を含む部品実装システムJSを示している。部品実装システムJSは基板KBに形成された電極DKに部品BHを搭載して実装基板JKを製造するシステムである。部品実装システムJSは、印刷装置2、複数の部品搭載装置1およびリフロー装置3がこの順で直列に並べられて成る実装ライン4と、実装ライン4を構成する各装置と通信可能な状態に繋がる管理コンピュータ5とを有して構成されている。
印刷装置2は、基板KBの表面に形成された電極DKにペースト状の半田をスクリーン印刷によって塗布する。部品搭載装置1は、印刷装置2から基板KBを受け取り、半田が塗布された電極DKに部品BHを搭載する(構成の詳細な説明は後述)。リフロー装置3は最も下流側に位置する部品搭載装置1から基板KBを受け取り、半田をリフローすることによって部品BHを電極DKに接合する。これにより実装基板JKが製造される。
管理コンピュータ5は、印刷装置2、複数の部品搭載装置1およびリフロー装置3のそれぞれに作業指示を行う作業指示部5A、各部品搭載装置1における部品BHの段取りの情報である部品段取り情報を記憶する部品段取り情報記憶部5Bおよび各部品搭載装置1における部品補充作業の支援を行う部品補充作業支援部5Cを備えている(図2も参照)。部品補充作業支援部5Cには、有線または無線によってハンディスキャナHSが接続されている。
ここで、図2を用いて部品搭載装置1について説明する。部品搭載装置1は、上流側に位置する装置(印刷装置2または他の部品搭載装置1)から搬入した基板KBに部品BHを搭載して下流側に搬出する部品搭載作業を繰り返し実行する。ここでは説明の便宜上、部品搭載装置1における基板KBの搬送方向(作業者ORから見た左右方向)をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平方向(作業者ORから見た前後方向)をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。
図2において、部品搭載装置1は、基台11、基台カバー12、基板搬送コンベア13、部品供給ユニット14、搭載ヘッド15、ヘッド移動機構16、基板認識カメラ17、部品認識カメラ18および搭載装置制御部19を備えている。基台11は床面FL上に設置されており、基台カバー12は基台11の上方空間を覆って設けられている。基板搬送コンベア13は基台11上の基台カバー12によって覆われた空間内をX軸方向に延びて設けられている。基板搬送コンベア13は、上流側から送られてきた基板KBを搬入したうえで、所定の作業位置に位置決めする。
図2において、基台11の手前側(作業者ORの側)にはフィーダ台車21が連結されている。フィーダ台車21は上部に平板状のフィーダベース22を備えている。部品供給ユニット14はテープフィーダから成り、フィーダベース22に着脱自在に装着されている。
フィーダベース22には複数の部品供給ユニット14をX軸方向に並べて取り付けることができる。フィーダ台車21を基台11に連結させると、フィーダベース22に取り付けられた複数の部品供給ユニット14が一括して基台11に接続される。
図2において、フィーダ台車21には、部品BHを封入したキャリアテープ31が巻き付けられたリール32が回転自在に保持されている。各リール32から引き出されたキャリアテープ31は対応する部品供給ユニット14に取り付けられる。
キャリアテープ31は、図3(a),(b)に示すように、ベーステープ33とトップテープ34を有して構成されている。ベーステープ33には、上方に開口した多数の部品収納用のポケット35がベーステープ33の長手方向に一列かつ等間隔に設けられている。
キャリアテープ31の各ポケット35には部品BHが1個ずつ収納されている。ベーステープ33のポケット35の列と平行に並ぶ位置には、複数の送り孔36が一列かつ等間隔に並んで設けられている。トップテープ34は、ベーステープ33の上面の送り孔36を塞がない位置に貼り付けられており(図3(b))、各ポケット35から部品BHが脱落するのを防止している。
部品供給ユニット14はキャリアテープ31を前方(基板搬送コンベア13に向く方向)、すなわち搬送路41Lの下流へ搬送し、各ポケット35を部品取り出し位置14Kに順次位置決めする。トップテープ34は部品取り出し位置14Kの手前側でベーステープ33から剥離される。このため各ポケット35内の部品BHは部品取り出し位置14Kにおいて取り出しが可能な状態となる。
このように本実施の形態において、各部品供給ユニット14は、部品BHを封入したキャリアテープ31を部品BHの取り出しが可能な状態にして部品取り出し位置14Kに位置決め(供給)する部品供給装置となっている。
図2において、搭載ヘッド15は下方に延びた複数のノズル15Nを備えている。各ノズル15Nは搭載ヘッド15に対する昇降動作とZ軸まわりの回転動作が可能である。搭載ヘッド15は各部品供給ユニット14が部品取り出し位置14Kに位置決めした部品BHを各ノズル15Nの下端に吸着させてピックアップする。ヘッド移動機構16は例えばXY移動機構から成り、搭載ヘッド15を水平面内方向および上下方向に移動させる。
図2において、基板認識カメラ17は搭載ヘッド15に取り付けられている。基板認識カメラ17は撮像光軸を下方に向けており、搭載ヘッド15とともに移動することによって、基板搬送コンベア13によって作業位置に位置決めされた基板KBを撮像する。
図2において、部品認識カメラ18は基台11上の基板搬送コンベア13とフィーダベース22の間の領域に設けられている。部品認識カメラ18は撮像光軸を上方に向けており、複数のノズル15Nそれぞれに部品BHを吸着させた搭載ヘッド15が部品認識カメラ18の上方領域をX軸方向に通過するように移動したとき、各部品BHを下方から撮像する。
搭載装置制御部19は部品搭載装置1が備える各部の動作を制御する。搭載装置制御部19は、予め記憶したプログラムおよびデータに基づいて各部を作動させることによって、基板KBに部品BHを搭載する部品搭載作業を実行する。
図2において、基台カバー12にはタッチパネル19Dが設けられている。タッチパネル19Dは搭載装置制御部19と繋がっている。このため搭載装置制御部19は、タッチパネル19Dを通じて作業者ORに所要の指示を与えることができる。また作業者ORは、タッチパネル19Dから操作を行うことによって、搭載装置制御部19に所要の入力を行うことができる。
部品搭載作業では、先ず基板搬送コンベア13が作動し、上流側から送られてきた基板KBを受け取って作業位置に位置決めする。基板KBが作業位置に位置決めされたらヘッド移動機構16が搭載ヘッド15を基板KBの上方に移動させて、基板認識カメラ17に基板KBを撮像させる。基板認識カメラ17が撮像した基板KBの画像は搭載装置制御部19に送られる。搭載装置制御部19は基板認識カメラ17が撮像した画像に基づいて基板KBを認識する。
搭載装置制御部19が基板KBを認識したら、搭載ヘッド15は実装ターンを繰り返し実行する。搭載ヘッド15はひとつの実装ターンにおいて、部品供給ユニット14が部品取り出し位置14Kに位置決め(供給)した部品BHをピックアップする動作、部品認識カメラ18の上方をX軸方向に通過するように移動して部品認識カメラ18に部品BHを撮像させる動作、基板KB上に定められた部品搭載位置に部品BHを搭載する動作をこの順で行う。
部品認識カメラ18が撮像した部品BHの画像は搭載装置制御部19に送られる。搭載装置制御部19は部品認識カメラ18が撮像した部品BHの画像に基づいて部品認識を行う。搭載ヘッド15は部品BHを基板KBに搭載するとき、搭載装置制御部19が行った部品認識の結果に基づいて、部品BHの基板KBに対する位置補正等を行う。
このように実施の形態1において、搭載ヘッド15は、部品取り出し位置14Kに位置決めされた部品BHを取り出して基板KBに搭載する部品搭載部となっている。
上記の実装ターンが繰り返し実行されることによって、基板KBに搭載すべき部品BHが全て搭載されたら、基板搬送コンベア13は、基板KBを下流側に搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの部品搭載作業が終了する。
このような構成の部品搭載装置1において、実施の形態1では、部品供給ユニット14の構成、動作および制御について特徴があり、以下にその説明を行う。部品供給ユニット14は、図4に示すように、本体部41、シャッタ部42、テープ送り部43、テープ搬送部44、カバー部材45、補充テープストッパ46、補充テープ検出部47、操作部48、表示部49およびユニット制御部50を備えている。
図4において、本体部41には、キャリアテープ31の搬送路41Lが形成されている。搬送路41Lは、本体部41の後端部(作業者OR側の端部)に設けられたテープ挿入口41G(図5も参照)から本体部41の前端部に設けられたテープ排出口41Hへ通じている。搬送路41Lは、テープ挿入口41Gに挿入されたキャリアテープ31は搬送路41Lの下流へ搬送されてテープ排出口41Hから排出される。搬送路41Lは、テープ挿入口41Gから下流に向かって水平方向に延びた後、本体部41の前後方向の中央付近で前方斜め方向へ上昇して延びている。そして、最前端部の領域は、本体部41の上面に露出した状態となっている。
図4において、本体部41の下部には下方に突出した係合部41Kが設けられている。本体部41は(すなわち部品供給ユニット14は)、係合部41Kがフィーダベース22の上面に設けられた図示しないスロット状の被係合部に係合されることで、フィーダベース22に取り付けられる。
図4において、シャッタ部42は、本体部41内におけるテープ挿入口41Gに近傍に設けられている。シャッタ部42はシャッタ51とシャッタ駆動部52を備えている。シャッタ51はテープ挿入口41Gの近傍の搬送路41L上に(搬送路41Lにキャリアテープ31が挿入されている場合にはそのキャリアテープ31の上に)下端を当接させてテープ挿入口41Gを閉止する閉止位置と、閉止位置から上方に持ち上げられてテープ挿入口41Gを開放する開放位置との間で移動自在になっている。シャッタ駆動部52はユニット制御部50に制御されて動作し、シャッタ51を持ち上げて開放位置に位置させる。また、シャッタ51の持ち上げを解除してシャッタ51を自重もしくは図示しない弾性体の力によって下方へ移動させることで、閉止位置に位置させる。
図4において、テープ送り部43は本体部41の後下部であって、シャッタ部42よりも下流の位置に設けられている。テープ送り部43は、第1のスプロケット61、第1の駆動部62およびエンコーダ63を備えている。
第1のスプロケット61は、第1の駆動部62の出力軸にワンウェイクラッチ(図示省略)を介して連結されている。ワンウェイクラッチは、出力軸のキャリアテープ31を送る方向への回転は第1のスプロケット61へ伝達するが、その逆は伝達しない。従って、第1の駆動部62が出力軸をキャリアテープ31の送り方向へ回転させると第1のスプロケット61も同じ方向へ回転するが、出力軸が停止している状態で第1のスプロケット61にキャリアテープ31の送り方向の力が加わると第1のスプロケット61はその方向へ回転する。
第1の駆動部62はユニット制御部50に制御されて動作し、第1のスプロケット61を回転駆動する。エンコーダ63は、第1のスプロケット61の回転を検出してその情報をユニット制御部50に送信する。
テープ送り部43の下方には、搬送路41L内のキャリアテープ31を第1のスプロケット61へ押し付けるテープ押し付け機構64が配置されている。テープ押し付け機構64は図示しない弾性部材によって第1のスプロケット61に向かって常時付勢されている。テープ挿入口41Gから挿入されたキャリアテープ31はテープ押し付け機構64を押し下げながら第1のスプロケット61とテープ押し付け機構64の間に差し込まれる。
第1のスプロケット61が有する外周歯のうち、第1のスプロケット61の回転中心の直下に位置する外周歯(最下部の外周歯)は搬送路41L内に位置している。このため、第1の駆動部62の作動によって第1のスプロケット61が回転すると、第1のスプロケット61の最下部の外周歯がキャリアテープ31の送り孔36に係合して下流へ移動させるので、キャリアテープ31はその全体が下流へ進行する。
また、第1のスプロケット61は、作業者ORによってテープ挿入口41Gからキャリアテープ31が挿入されて外周歯が押されると回転する。ユニット制御部50は、テープ搬送部44(後述)の動作と非同期で第1のスプロケット61が回転したこと、すなわち、テープ挿入口41Gからキャリアテープ31が挿入されたことをエンコーダ63で検出したら、第1の駆動部62を起動させてキャリアテープ31を搬送路41Lの下流へ引き込み、キャリアテープ31の先端が補充テープストッパ46または部品取り出し位置14Kに到達する位置へ搬送する。
第1のスプロケット61は、キャリアテープ31の送り孔36に係合する複数の外周歯を備えている。この外周歯の長さはそのキャリアテープ31の厚さ未満であり、第1のスプロケット61の下方で先行するキャリアテープ31(「先行テープ31A」と称する)と補充用のキャリアテープ(補充テープ31B)が重なっている場合、外周歯は補充テープ31Bにのみ係合する。
図4において、テープ搬送部44は本体部41の前上部に設けられている。テープ搬送部44は、第2のスプロケット71と、第2の駆動部72を備えている。第2の駆動部72はユニット制御部50に制御されて作動し、第2のスプロケット71を回転駆動する。
第2のスプロケット71が有する外周歯のうち、第2のスプロケット71の回転中心の直上に位置する外周歯(最上部の外周歯)は、本体部41の上面から上方に突出している。このため、第2のスプロケット71の外周歯はテープ送り部43によって搬送されてきたキャリアテープ31の送り孔36に挿入される。そして、第2の駆動部72によって第2のスプロケット71を駆動する(図4において時計方向に回転させる)と、キャリアテープ31は下流へ搬送される。
図4において、カバー部材45は、本体部41の前方端部の上面を上方から覆って設けられている。カバー部材45と本体部41の上面との間にはキャリアテープ31が通過できる高さの隙間が形成されており、テープ搬送部44によって搬送されるキャリアテープ31はこの隙間を通って下流へ進行する。
カバー部材45には、部品収納用のポケット35を開放して収納された部品BHを露出させる露出部(図示せず)を備えている。カバー部材45は、部品取り出し位置14Kの上方に当たる位置に、部品取り出し位置14Kに位置決めされた部品BHをノズル15Nによって吸着して取り出すことができるようにするための部品取り出し口(図示せず)が設けられている。カバー部材45と本体部41の上面との間の隙間を通過したキャリアテープ31(ベーステープ33)は、本体部41の前端から外部に排出される(図4)。
露出部としては、本体部41の上面との間の隙間を通過するキャリアテープ31からトップテープ34を剥離するブレードやトップテープを切り開くカッター、もしくはトップテープ34を引っ張ってキャリアテープ31から引き剥がすローラ等を用いることができる。なお、露出部は必ずしもカバー部材45に設ける必要はなく、本体部41に設けてもよい。
補充テープストッパ46は、第1のスプロケット61の最下部の外周歯よりも下流の位置に設けられている。作業者ORは、搬送路41L内に先行テープ31Aがある場合であっても補充テープ31Bをテープ挿入口41Gから挿入することができる。この場合、補充テープ31Bは先行テープ31Aの上面側に重なるように挿入され、第1のスプロケット61を回転させながら奥の方へ押し込むことができる。
補充テープ31Bを上記のように押し込んでいくと、その先端部は補充テープストッパ46に当接して待機状態となる。このように補充テープ31Bを保持する位置を「待機位置41T」と称する(図4)。本実施の形態では、待機位置41Tを搬送路41L内に設けたが、補充テープ31Bを搬送路41Lの下流へ搬送可能な状態で保持できる位置であれば搬送路41Lの外に設けてもよい。また、テープ送り部43は、待機位置41Tに位置しているキャリアテープ31を搬送路41Lへ引き込んで下流側(本体部41の下流)へ送るテープ送り部として機能する。
図4において、補充テープ検出部47は、補充テープストッパ46のやや上流側(本体部41の後側)に設けられている。補充テープ検出部47は上下移動自在なプローブの下端にローラを有した構成を有しており、搬送路41L内を進行するキャリアテープ31がローラに当接してこれを押し上げると、プローブもローラと一体となって上方に押し上げられるようになっている。そして、プローブの押し上げ量(ローラの高さ)に基づいて、待機位置41Tにおけるキャリアテープ31の有無や本数(1本か2本か)を検出できるようになっている。
図4において、操作部48は本体部41の後上部に設けられている(図5も参照)。操作部48には作業者ORが手動によって操作することができる複数のボタンが設けられている。作業者ORは操作部48からボタンの操作を行うことによって、種々の操作入力を行うことができる。
図4において、表示部49は本体部41の後上部に、操作部48に隣接して設けられている(図5も参照)。実施の形態1では、表示部49は、図6(a)に示すように、2つの7セグメントLED照明装置49Dが横方向に並べられた構成を有しており、図6(b),(c),(d),(e),(f)に示すようにアラビア数字のほか、図6(g),(h),(i)に示すように複数種の文字(アルファベット)を表示することができる。
図4において、本体部41の前端下部にはユニット側コネクタ50Cが設けられている。ユニット側コネクタ50Cはフィーダ台車21側のコネクタ(図示せず)と嵌合する。また、フィーダ台車21が基台11側のコネクタと嵌合するとフィーダ台車21側のコネクタと基台11側が通信可能な状態で接続される。これにより、部品供給ユニット14が備える制御部(ユニット制御部50)と、部品搭載装置1側の制御部(搭載装置制御部19)とが相互に通信可能な状態となる。
図7は、管理コンピュータ5を含めた部品搭載装置1の制御系統を示している。図7において、部品搭載装置1が備える搭載装置制御部19は、フィーダベース22に取り付けられた複数の部品供給ユニット14それぞれのユニット制御部50と繋がっている。
図7において、各部品供給ユニット14のユニット制御部50は、記憶部81、テープ受け入れ処理部82、作業開始検出部83およびタイマ84、残り時間表示処理部85を備えている。記憶部81には、部品供給ユニット14がキャリアテープ31を搬送するのに必要な種々のデータが記憶されている。記憶部81に記憶されるデータの中には、テープ受け入れ許可フラグ81Fと、作業設定時間81Tが含まれている(図7)。
テープ受け入れ許可フラグ81Fは、部品供給ユニット14が作業者ORによる部品補充作業を受け付け可能な状態であることを意味するフラグである。テープ受け入れ許可フラグ81Fは、管理コンピュータ5(詳細には作業指示部5A)によって設定される。管理コンピュータ5は、部品補充作業を受け付け可能な状態に設定するときはテープ受け入れ許可フラグ81Fを「1」に、受け付けない状態に設定するときは「0」にする。すなわち、管理コンピュータ5によって部品BHの補充が必要と判断された部品供給ユニット14についてはテープ受け入れ許可フラグ81Fを「1」に設定して作業者ORによる部品補充作業を受け入れられる状態にする。また、部品補充作業の必要のない部品供給ユニット14については作業者ORが誤って部品補充作業を要求してもそれを受け付けないようにしている。
管理コンピュータ5の作業指示部5Aは、各部品搭載装置1に備えられた複数の部品供給ユニット14のそれぞれについてのキャリアテープ31(先行テープ31A)の部品BHの残量を監視しており、部品BHの補充が必要と判断した部品供給ユニット14に対してはそのユニット制御部50にテープ受け入れ許可フラグ81Fを「1」に設定させる命令を送信する。
また作業指示部5Aは、部品供給ユニット14のテープ挿入口41Gに補充テープ31Bが挿入されて部品補充作業が完了すると、その部品供給ユニット14のユニット制御部50にテープ受け入れ許可フラグ81Fを「0」に設定させる命令を送信する。
また、作業指示部5Aは、テープ受け入れ許可フラグ81Fを「1」に設定した部品供給ユニット14に対する部品補充作業を作業者ORに通知する機能を有している。具体的には、部品搭載装置1のタッチパネル19D、工場に設置されたモニタ(図示せず)、作業者ORが携行する携行端末等に部品BHを補充すべき部品供給ユニット14の位置や補充すべき部品BHの名称や保管場所等の通知を行う。
作業設定時間81Tは、作業者ORが部品供給ユニット14に対して行う作業について設定される時間である。具体的には、部品供給ユニット14のシャッタ51が開かれてから閉じられるまでの時間、すなわち、作業者ORが部品供給ユニット14のテープ挿入口41Gから補充テープ31Bを挿入する作業(部品補充作業)を行うことができる時間である。この作業設定時間81Tは操作部48からの操作によって任意の値に設定することができる。
テープ受け入れ処理部82は、シャッタ部42、補充テープストッパ46、テープ送り部43を制御する。テープ受け入れ処理部82は、シャッタ部42によるテープ挿入口41Gの開閉動作を制御する。具体的には、シャッタ駆動部52にシャッタ51の持ち上げ動作と持ち上げの解除動作とを行わせることによって、テープ挿入口41Gが開いた状態と閉じた状態とを切り替える。なお、シャッタ51は、テープ挿入口41Gからキャリアテープ31を挿入できる時間として設定された時間を除いては、通常、テープ挿入口41Gを閉止する閉止位置に位置している。すなわち、テープ受け入れ処理部82は部品供給ユニット14へのキャリアテープ31の受け入れを可否する機能を備えている。
テープ受け入れ処理部82は、テープ挿入口41Gから挿入されたキャリアテープ31が第1のスプロケット61を回転させた状態をエンコーダ63が検出すると第1の駆動部62を作動させて第1のスプロケット61を回転させる。これによりキャリアテープ31は下流へ搬送される。テープ受け入れ処理部82は、キャリアテープ31が挿入されたことによって待機位置41Tのキャリアテープ31が何本になるのかということと、キャリアテープ31が挿入されたタイミングにおいて搬送路41Lにおける先行テープ31Aはどのような状態なのかという二つの条件によって第1の駆動部62を停止させる制御を行う。
テープ受け入れ処理部82は、補充テープ検出部47が2本目のキャリアテープ31を検出すると、待機位置41Tに先行テープ31Aが存在する状態で補充テープ31Bが挿入されたと判断し、補充テープ31Bの先端が補充テープストッパ46に到達するところで第1の駆動部62を停止する。これにより、テープ受け入れ処理部82は、補充テープ31Bを待機位置41Tで停止させる。
一方、テープ受け入れ処理部82は、補充テープ検出部47が検出したキャリアテープが1本であり、かつ、先行テープ31Aの後端は既に待機位置41Tを通過しているが搬送路41Lにまだ存在する場合も補充テープ31Bが挿入されたと判断し、補充テープ31Bの先端が補充テープストッパ46に到達するところで第1の駆動部62を停止する。これにより、テープ受け入れ処理部82は、補充テープ31Bを待機位置41Tで停止させる。
また、テープ受け入れ処理部82は、補充テープ検出部47が検出したキャリアテープ31が1本であり、かつ、先行テープ31Aが搬送路41Lに存在しない場合は先行テープ31Aがない状態で補充テープ31Bが挿入されたと判断し、補充テープ31Bの先端がテープ搬送部44の第2のスプロケット71に係合する位置に到達するところで第1の駆動部62を停止する。これにより、テープ受け入れ処理部82は、補充テープ31Bを待機位置41Tで停止させることなくテープ搬送部44まで搬送する。
テープ受け入れ処理部82は、補充テープ31Bが待機位置41Tに待機している状態で、補充テープ検出部47が待機位置41Tのキャリアテープ31の本数が2本から1本に変化したことを検出、すなわち、先行テープ31Aの終端部が補充テープ検出部47の位置を通過したことを検出すると、補充テープストッパ46を解除して補充テープ31Bが下流へ移動できる状態にする。更に、先行テープ31Aが下流へ移動すると、テープ受け入れ処理部82は第1の駆動部62を駆動して、補充テープ31Bを下流へ搬送する。これにより、補充テープ31Bは先行テープ31Aに追従するようにして搬送路41L内を移動する。そして、補充テープ31Bが第2のスプロケット71に係合してテープ搬送部44で搬送されるようになると第1の駆動部62を停止する。
このように実施の形態1において、テープ送り部43は、待機位置41Tに位置しているキャリアテープ31を搬送路41Lへ引き込んで下流側(本体部41の前方)へ送る機能を有するものとなっている。また、テープ受け入れ処理部82はテープ送り部43によるキャリアテープ31の搬送を制御する機能を有する。
管理コンピュータ5は、キャリアテープ31(先行テープ31A)の搬送が進んで部品切れが近くなり、部品BHの補充が必要となった部品供給ユニット14を発見した場合には、その部品供給ユニット14のテープ受け入れ許可フラグ81Fを「1」に設定させるとともに、部品補充作業の内容(部品供給ユニット14の位置と補充すべき部品BHの情報)を作業者ORに通知する。
作業者ORは、通知された部品補充作業を確認して、部品BHの補充が必要となった部品供給ユニット14(以下、「部品補充作業対象ユニット」と称する)の位置を把握するとともに、補充すべき部品BHが封入されているキャリアテープ31のリール32を用意する。そして、そのリール32の側面に貼り付けられているバーコード32C(図3(a)および図5)を前述のハンディスキャナHSによってスキャンすることによって、用意した部品BHの情報の読み取りを行う。このようにして読み取った部品BHの情報(「読み取り部品情報」と称する)は、ハンディスキャナHSを通じて管理コンピュータ5の部品補充作業支援部5Cに送られる。
管理コンピュータ5の部品段取り情報記憶部5Bには、部品BHの部品名とフィーダベース22上における部品供給位置との対応関係、並びに当該部品供給位置に装着された部品補充対象ユニットのテープ受け入れ可否に関する情報(供給部品情報)が記憶されている。部品補充作業支援部5Cは、ハンディスキャナHSから読み取り部品情報を受け取ったら、その読み取り部品情報に含まれる部品名で供給部品情報を検索し、供給部品情報にその部品名が存在し、かつ、その部品名に対応する部品供給位置に装着されている部品補充対象ユニットが「テープ受け入れ可能状態」であるか否かを確認する。
部品補充作業支援部5Cは、供給部品情報にその部品名が存在し、かつ、対応する部品補充対象ユニットが「テープ受け入れ可能状態」である場合には、作業者ORが正しいリール32を用意できていると判断して、部品補充対象ユニットに対して表示部49のLED照明を点滅させる指令(部品補充対象ユニット通知指令)を送信する。この指令を受けた部品補充対象ユニットは表示部49のLED照明を点滅させてその所在を作業者ORに認識させる。
更に、部品補充作業支援部5Cは、LED照明を点滅させる指令を送った部品補充対象ユニットから部品補充作業開始の合図となる信号を受信、すなわち作業者ORが操作部48を操作して送信させた部品補充作業開始の合図となる信号を検出したら補充作業開始許可信号を送信する。これにより、作業者ORが、多数並設された部品供給ユニット14の中から部品補充対象ユニットに設定されたものを正しく選択した場合に限り、補充作業開始許可信号を送信するようにしている。
作業開始検出部83は、部品供給ユニット14に対して作業者ORによる部品補充作業(補充テープ31Bを部品供給ユニット14に補充する作業)が開始したことを検出する。作業開始検出部83は、部品補充作業支援部5Cから補充作業開始許可信号を受信したこともって、部品補充作業の開始を検出する。なお、本実施の形態では、作業開始検出部83は部品補充作業支援部5Cからの補充作業開始許可信号で間接的に部品補充作業の開始を検出しているが、部品補充対象ユニットの操作部48に対して部品補充作業の開始の操作が行われたことを直接検出することをもって部品補充作業の開始を検出するようにしてもよい。また、作業開始検出部83は、シャッタ駆動部52によってシャッタ51が開放位置へ移動することをもって部品補充作業の開始を検出するようにしてもよい。
部品補充対象ユニットのユニット制御部50は、部品補充作業支援部5Cからの補充作業開始許可信号を受信したら、テープ受け入れ処理部82によってシャッタ駆動部52を作動させてシャッタ51を開放位置へ移動させる。これにより部品補充対象ユニットはテープ挿入口41Gが開いた状態(テープ受け入れ可能状態)になり、作業者ORは補充テープ31Bをテープ挿入口41Gから挿入することが可能となる。
タイマ84は、部品補充作業の開始からの経過時間を計測する。タイマ84は、作業開始検出部83が部品補充作業の開始を検出したら、時間の計測を開始する。そして、記憶部81に記憶されている前述の作業設定時間81Tが経過したら計測を終了する。すなわちタイマ84は、部品補充作業の開始からの経過時間を計測する計測部となっている。
残り時間表示処理部85は、表示部49に部品補充作業のために残された残り時間を表示(報知)させる。 具体的には、残り時間表示処理部85は、作業設定時間81Tからタイマ84で計測した時間を差し引くことで残り時間を計算し、残り時間に応じた数字を表示部49に表示させる。本実施の形態では、残り時間が5秒未満になったら1秒刻みで「4」,「3」,「2」,「1」,「0」とカウントダウン表示する(図6(b)→図6(c)→図6(d)→図6(e)→図6(f))。また、表示部49は上述したカウントダウン表示のほか、補充テープ31Bの挿入が正常に行われたことを意味する「On」の文字を表示し(図6(h))、エラーを意味する「ER」の文字を表示する(図6(i))。
このように実施の形態1において、表示部49と残り時間表示処理部85は、タイマ84が計測する時間に基づいて、作業設定時間81Tの残り時間が少なくなったこと(少なくなってきている状態)を作業者ORに報知する報知部として機能する。
次に、シャッタ51の動作を説明する。図8(a)に示すように、テープ挿入口41Gにキャリアテープ31(先行テープ31A)が挿入されていてシャッタ51がテープ挿入口41Gを閉止している状態では、作業者ORは補充テープ31Bをテープ挿入口41Gから挿入して待機位置41Tに位置させることはできない(テープ受け入れ禁止状態)。一方、この状態からテープ受け入れ処理部82がシャッタ駆動部52を作動させてシャッタ51を持ち上げさせると(図8(b)中に示す矢印A1)、テープ挿入口41Gが開き(図8(b))、作業者ORは補充テープ31Bをテープ挿入口41Gから挿入して待機位置41Tに位置させることが可能となる(テープ受け入れ可能状態)。
シャッタ51が開いた後、テープ挿入口41Gから補充テープ31Bが挿入され(図8(b)→図8(c))、その補充テープ31Bの先端部が補充テープストッパ46に当接したら(図8(c))、テープ受け入れ処理部82はシャッタ駆動部52を作動させ、シャッタ51の持ち上げを解除してシャッタ51を下降(落下)させ(図8(d)中に示す矢印A2)、テープ挿入口41Gを閉じる(図8(d))。これにより、それ以上のキャリアテープ31の挿入が禁止される(禁止状態)。
このように、実施の形態1において、シャッタ部42(シャッタ51およびシャッタ駆動部52)とテープ受け入れ処理部82は、キャリアテープ31を待機位置41Tに受け入れることを禁止する禁止状態とキャリアテープ31を待機位置41Tに受け入れることを許容する受け入れ可能状態とを択一的に切り替える切り替え部90となっている(図7)。
次に、図9のフローチャートを用いて、実施の形態1における部品搭載装置1が備える部品供給ユニット14に対して作業者ORが行う部品補充作業の流れを、部品補充作業の対象となっている部品供給ユニット14が備える表示部49に表示される表示内容の変化とともに説明する。
作業者ORは先ず、作業指示部5Aから通知された部品補充作業の内容を部品搭載装置1のタッチパネル19D、工場に設置されたモニタ、携帯端末等で確認して補充すべき部品BHを収納したリール32を準備するとともに部品補充対象ユニットのフィーダベース22上での位置を把握する。次に作業者ORはリール32のバーコード32CをハンディスキャナHSによって読み取る操作を行うことによって、部品情報入力を行う(ステップST1)。ハンディスキャナHSによって読み取られた部品BHの情報(読み取り部品情報)は部品補充作業支援部5Cに送信される。
読み取り部品情報を受け取った部品補充作業支援部5Cは、その読み取り部品情報で特定される部品BHが作業指示部5Aから通知された部品補充作業の対象かどうかを確認する(ステップST2)。すなわち、部品補充作業支援部5Cは、読み取り部品情報に含まれる部品名で部品段取り情報記憶部5Bに記憶されている供給部品情報を検索し、供給部品情報にその部品名が存在し、かつ、その部品名に対応する部品供給位置に装着されている部品補充対象ユニットが「テープ受け入れ可能状態」の場合は、部品補充対象ユニットのユニット制御部50に部品補充ユニット通知指令を送信する。ユニット制御部50は部品補充対象ユニット通知指令を受信したら、表示部49のLED照明を点滅させて作業者ORにその所在を通知する(ステップST3)。
部品補充対象ユニットの表示部49のLED照明が点滅を始めたら、作業者ORは、そのLED照明が点滅している部品供給ユニット14の操作部48を操作することによって、フィーダベース22に並んで装着されている複数の部品供給ユニット14の中から、ひとつの部品供給ユニット14(作業者ORが間違えなければ部品補充対象ユニット)を選択する(ステップST4)。このようして作業者ORが部品供給ユニット14を選択したら、その選択した部品供給ユニット14の識別情報が管理コンピュータ5の部品補充作業支援部5Cに送信される。
部品補充作業支援部5Cは、ステップST2で部品補充対象ユニット通知指令を送信した部品供給ユニット14とステップST4によって識別情報を送信した部品供給ユニット14とが一致するかどうかを確認する(ステップST5)。そして、一致しなかった場合は、部品補充作業支援部5Cは、作業者ORが誤って選択した部品供給ユニット14(識別情報を送ってきた部品供給ユニット14)にエラーを送信する。そして、エラーを受信した部品供給ユニット14のユニット制御部50は、表示部49に「ER」の文字を表示させてエラー報知を行ったうえで(図6(i)。ステップST6)、ステップST4に戻る。
一方、一致した場合は、部品補充作業支援部5Cは、部品補充対象ユニットのユニット制御部50に補充作業開始許可信号を送信する。そして、部品作業開始許可信号を受信した部品補充対象ユニットのテープ受け入れ処理部82は、シャッタ駆動部52にシャッタ51を開かせるとともに、その部品供給ユニット14が備える表示部49に「OP」の文字を表示させる(図6(g)。ステップST7)。
また、これと同時に、作業開始検出部83は、補充作業開始許可信号の受信によって部品補充作業が開始されたことを検出したら、タイマ84をスタートさせる。残り時間表示処理部85は、作業設定時間81Tの残り時間をタイマ84で計測し、残り時間が少なくなったら表示部49に残り時間に応じて「4」→「3」→「2」→「1」→「0」のようにカウントダウン表示を行わせる(ステップST8)。これにより、作業者ORに部品補充作業を行うのに残された時間を認知させて迅速な作業を促す。
作業者ORは、ステップST7で部品補充対象ユニットの表示部49に「OP」の文字が表示されたらこれを目視で確認した後(ステップST9)、その部品補充対象ユニットのテープ挿入口41Gにバーコードを読み取ったリール32から引き出した補充テープ31Bを挿入する(ステップST10)。この作業者ORによる補充テープ31Bの挿入が部品補充対象ユニットの補充テープ検出部47によって検出されたら、部品補充対象ユニットのユニット制御部50は、表示部49に、補充テープ31Bが正常に補充されたことを示す「On」の文字を表示させる(図6(h)。ステップST11)。作業者ORは、補充テープ31Bを挿入した部品供給ユニット14の表示部49に「On」と表示されたことをもって、部品供給ユニット14に補充テープ31Bが受け入れられたことを確認する(ステップST12)。これにより一連の部品補充作業が終了する。
ここで、部品補充作業支援部5Cは、ステップST2で読み取り部品情報に含まれる部品名が供給部品情報に含まれていない場合、またはその部品名は供給部品情報に含まれているがその部品名に対応する部品供給ユニット14が「テープ受け入れ可能状態」でない場合には、補充を行うべき部品BHを作業者ORが誤っていると判断して、補充作業開始許可信号を出力しない。このため、いずれの部品供給ユニット14のシャッタ51も開放位置へ移動しないので、補充テープ31Bを待機位置41Tに位置させることはできず、作業者ORが補充テープ31Bを誤って別の部品供給ユニット14に補充してしまう作業ミスは未然に防止される。
図10は、図9で説明した処理の流れに対応したユニット制御部50による補充テープ31Bの受け入れ処理の流れを示したものである。図10において、テープ受け入れ処理部82は、先ず、補充作業開始許可信号が送信されてくるのを待つ作業開始待ちを行う(ステップST21)。そして、管理コンピュータ5から補充作業開始許可信号が送信されてきたら(ステップST22)、テープ受け入れ処理部82はシャッタ駆動部52を作動させてシャッタ51を開放位置へ移動させ、補充対象ユニットをテープ受け入れ可能状態へ移行させる(ステップST23)。
また、作業開始検出部83は、補充作業開始許可信号の受信によって部品補充作業が開始されたことを検出して、タイマ84による作業設定時間81Tの計測を開始させる(ステップST24)。そして、テープ受け入れ処理部82は、シャッタ駆動部52を作動させてシャッタ51を開いたら表示部49に、補充テープ31Bの受け入れ可能状態を示す「OP」の文字を表示させる(ステップST25)。
部品補充対象ユニットの残り時間表示処理部85は、タイマ84による時間計測が開始されたら、残り時間を計測し、残り時間が少なくなったら「4」→「3」→「2」→「1」→「0」のように表示部49にカウントダウン表示させる(ステップST26)。そして、残り時間がなくなったら、テープ受け入れ処理部82はシャッタ駆動部52を作動させてシャッタ51を閉じ、補充テープ31Bの受け入れ禁止状態に移行する(ステップST27)。
部品補充対象ユニットのテープ受け入れ処理部82は、補充テープの受け入れ禁止状態に移行したら、タイマ84による時間計測を停止するとともにリセットし(ステップST28)、表示部49の表示をオフにしたうえで(図6(a))、一連の処理を終了する(ステップST29)。このようにシャッタ51が閉じて表示部49の表示がオフになった場合において、シャッタ51を再度開かせたい場合には、作業者ORは図9に示すフローチャートのステップST1の操作をもう一度行う必要がある。なお、ステップST29では、表示部49の表示をオフにする代わりに、そのときの部品供給ユニット14の運転状態を示す表示に変更する(切り替える)ようにしてもよい。
ここで、上記のステップST23でシャッタ51が開かれてからステップST27でシャッタ51が閉じられるまでの間に、作業者ORがテープ挿入口41Gから挿入した補充テープ31Bが補充テープ検出部47によって検出された場合には(ステップST30)、その時点で割り込み処理が開始される。割り込み処理では、ユニット制御部50は、シャッタ51を閉じてテープ受け入れ禁止状態へ移行する(ステップST31)。これにより補充テープ31Bの後、更にテープ挿入口41Gからキャリアテープ31が挿入されることが禁止される。
また、ステップST31において、テープ受け入れ処理部82はテープ受け入れ許可フラグ81Fを「0」に設定するとともに、搭載装置制御部19へその旨を通知する。これにより部品搭載装置1や管理コンピュータ5(作業指示部5A)にも部品補充作業が終了したことが通知される。
テープ受け入れ処理部82は、ステップST31でテープ受け入れ禁止状態に移行したら、タイマ84による時間計測を停止するとともにリセットし(ステップST32)、表示部49に、補充テープ31Bが正常に挿入されたことを示す「On」の文字を表示させる(図6(h)。ステップST33)。そして、予め定めた時間が経過したら(ステップST34)、割り込み処理を終了して前述のステップST29に進み、部品補充対象ユニットの表示部49の表示をオフにして、一連の処理を終了する。
このように実施の形態1では、作業者ORが部品供給ユニット14に対して行う作業(ここでは補充テープ31Bを待機位置41Tに待機させる作業)について設定された作業設定時間81Tを記憶する記憶部81と、その作業が可能になった状態(作業可能状態)を検出する作業開始検出部83と、その作業が可能になった状態が作業開始検出部83で検出されてからの時間を計測する計測部としてのタイマ84と、タイマ84が計測する時間に基づいて、作業設定時間81Tの残り時間が少なくなったこと(少なくなってきている状態)を作業者ORに報知する報知部(表示部49と残り時間表示処理部85)を備えた構成となっている。そして、更に、部品供給ユニット14は、補充テープ31Bを待機させる待機位置41Tにキャリアテープ31に受け入れることを禁止する禁止状態と補充テープ31Bを待機位置41Tに受け入れることを許容する受け入れ可能状態とを択一的に切り替える切り替え部90を備えており、切り替え部90によって受け入れ可能状態となったときからの時間をタイマ84によって計測し、そのタイマ84が計測する時間に基づいて、作業設定時間81Tの残り時間が少なくなったことを作業者ORに報知部としての表示部49によって報知(表示)するようになっている。
このため作業者ORは残り時間がなくなる前に作業を終えようと努めることになり、結果として作業のやり直し回数が減少し、生産性が向上する。このように実施の形態1における部品搭載装置1によれば、作業者ORに迅速な作業を促して部品搭載装置1の作業効率を高めることができる。
上述の説明では、記憶部81、タイマ84および表示部49はいずれも部品供給ユニット14に備えられていたが、これら記憶部81、タイマ84および表示部49の一部または全部が部品供給ユニット14の外部(例えば管理コンピュータ5)に設けられていてもよい。特に、表示部49(報知部)については、部品供給ユニット14が装着される装着部であるフィーダベース22に設けられていてもよいし、部品供給ユニット14の上方を覆うカバー(基台カバー12)に設けられていてもよい。或いは、基台カバー12に設けられたタッチパネル19Dを表示部49として用いるようにしてもよい。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における部品搭載装置が実施の形態1における部品搭載装置1と異なるところは、部品供給ユニット14の作業開始検出部83による部品補充作業の開始を検出する条件と部品供給ユニット14をテープ受け入れ可能状態に移行させるための作業者ORの作業手順である。従って以下の説明では、実施の形態1の場合と同じ構成要素については実施の形態1の場合と同じ符号を付してその説明を省略する。
図11に示すフローチャートを用いて、実施の形態2における部品搭載装置1が備える部品供給ユニット14に対して作業者ORが行う部品補充作業の流れを、部品補充作業の対象となっている部品供給ユニット14が備える表示部49に表示される表示内容の変化とともに説明する。図11のフローチャートは実施の形態1における図9のフローチャートに対応しており、これと共通する制御内容は同じステップ番号を付して示している。また、補充テープ受け入れ処理(図10)についても、ステップST23以外は実施の形態1と同じである。
実施の形態2では、作業開始検出部83が部品補充作業の開始を検出する条件が実施の形態1と異なっている。実施の形態1では、作業開始検出部83が部品補充作業の開始を検出するためには、部品情報の入力(ステップST1)と部品補充対象ユニットの選択(ステップST4)の2つの手順を経る必要があったが、実施の形態2では、部品情報の入力(ステップST1)のみで部品補充作業の開始を検出するようにした。これにより作業者ORの作業を少なくして効率化を図るものである。このため、実施の形態2の作業開始検出部83はユニット制御部50が部品補充対象ユニット通知指令を受信したことをもって部品補充作業の開始を検出するようにしている。
図11に示すように、実施の形態2では、部品補充作業支援部5Cは、実施の形態1と同様に読み取り部品情報に含まれる部品名が適切であり、対応する部品補充対象ユニットが「テープ受け入れ可能状態」の場合は、部品補充対象ユニットのユニット制御部50に部品補充対象ユニット通知指令を送信する(ステップST2)。部品補充対象ユニットのユニット制御部50のテープ受け入れ処理部82は、部品補充対象ユニット通知指令を受信すると、部品補充対象ユニットを補充テープ受け入れ可能状態へ移行し、表示部49に「OP」(図6(g))を表示させる(ステップST7)。なお、図11に示すステップST7以降のステップST8~ステップST12については実施の形態1と同じである)。
次に、図10を援用して補充テープ受け入れ処理を、実施の形態1と相違するステップST23の説明を行う。実施の形態1のステップST23では、テープ受け入れ処理部82は、管理コンピュータ5から補充作業開始許可信号を受信したらシャッタ駆動部52を作動させているが、実施の形態2のステップST23では部品補充対象ユニット通知指令を受信したらシャッタ駆動部52を作動させるようになっている。その他のステップは実施の形態1と同じである。
実施の形態2においても実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができるが、実施の形態2では、実施の形態1におけるステップST4の作業者ORによる部品供給ユニット14の選択を含むステップST3~ステップST6の工程が不要であるので、全体として作業者ORの作業工数が削減されるという利点がある。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3における部品搭載装置が実施の形態1における部品搭載装置1と異なるところは、部品供給ユニット14における補充テープ31Bの受け入れ部分の構造とその動作の制御に関する部分のみである。以下の説明では、実施の形態1の場合と同じ構成要素については実施の形態1の場合と同じ符号を付してその説明を省略する。
図12は、実施の形態3における部品搭載装置が備える部品供給ユニット14Aを示している。図12に示すように、実施の形態3における部品供給ユニット14Aは、実施の形態1におけるシャッタ部42、補充テープストッパ46および補充テープ検出部47は備えておらず、代わりにテープ挿入ガイド91とテープ挿入検出部92とロック機構93を備えている(図13も参照)。
テープ挿入ガイド91は、本体部41に設けられた搬送路41Lのうち、本体部41の最も後部に位置する領域(「ガイド下方領域41R」と称する)の上方に設けられている。テープ挿入ガイド91は、テープ挿入口41Gから挿入されるキャリアテープ31の両サイド部の下面を支持する左右一対の部材から成っている。テープ挿入ガイド91は、作業者ORがキャリアテープ31を搬送路41Lに挿入するとき、そのキャリアテープ31の両サイドを下方から支持して案内する。
上記のように、テープ挿入ガイド91は左右一対の部材から成っているため、テープ挿入ガイド91を通じて搬送路41L内に挿入したキャリアテープ31は、その後に(詳細にはそのキャリアテープ31が第1のスプロケット61によって搬送されるようになった後に)手動で下方へ引っ張り下ろすことによって(図14(a)中に示す矢印P)、ガイド下方領域41R上へ移動させることができる。これによりテープ挿入ガイド91を空き状にすることができ(図14(a)→図14(b))、テープ挿入ガイド91を通じて先行テープ31Aの後に補充テープ31Bを挿入することが可能となる。
図12および図14(a),(b)において、テープ挿入検出部92は、第1のスプロケット61の最下端の外周歯とテープ挿入ガイド91との間の位置に設けられている。テープ挿入検出部92は、テープ挿入ガイド91を通じてテープ挿入口41Gから挿入されたキャリアテープ31を検出し、キャリアテープ31がテープ挿入口41Gから挿入された旨の情報をユニット制御部50Aに送信する。なお、テープ挿入検出部92は、先行テープ31Aがガイド下方領域41R上に引っ張り下ろされた場合には、その先行テープ31Aを検出しなくなる(図14(b))。
ロック機構93は、第1のスプロケット61がテープ挿入ガイド91に沿って搬送路41Lに挿入された補充テープ31Bで押されて回転するのを防止する。ユニット制御部50Aのテープ受け入れ処理部82は、ロック機構93を第1のスプロケット61の回転を阻止する状態と回転を許容する状態とに切り替える。
テープ受け入れ処理部82は、管理コンピュータ5から補充作業開始許可信号が送信されてきたらロック機構93を第1のスプロケット61の回転を阻止する状態から回転を許容する状態へ切り替える。これにより、部品供給ユニット14はテープ受け入れ可能状態に切り替えられる。また、ユニット制御部50Aは、テープ挿入ガイド91(待機位置41T)から補充テープ31Bがなくなったことがテープ挿入検出部92で検出されたら、ロック機構93を第1のスプロケット61の回転を阻止する状態に切り替える。これにより、部品供給ユニット14はテープ受け入れ禁止状態に切り替えられ、作業者ORがキャリアテープ31を誤ってセットしようとしても受け入れないようにしている。
テープ受け入れ処理部82は、テープ受け入れ可能状態の部品供給ユニット14のテープ挿入ガイド91に補充テープ31Bが挿入され、その補充テープ31Bによって第1のスプロケット61が回転させられたことがエンコーダ63によって検出された場合、すなわち補充テープ検出部47によって検出された場合には、第1の駆動部62を作動させて第1のスプロケット61を所定回転数だけ回転させる。これにより補充テープ31Bは待機位置41Tへ引き込まれた状態となる(図12)。
一方、テープ受け入れ禁止状態では、テープ挿入口41Gから挿入されたキャリアテープ31の先端が第1のスプロケット61に到達したとしてもロック機構93によって第1のスプロケット61の回転は阻止されているのでエンコーダ63は反応せず、従って第1の駆動部62も起動しない。このため、キャリアテープ31は待機位置41Tにセットされない。これにより誤って挿入されたキャリアテープ31が待機位置41Tまで引き込まれてしまう事態が防止される。
このように、実施の形態3における部品供給ユニット14Aは、実施の形態1の場合のような、テープ挿入口41Gからのキャリアテープ31の挿入を機械的に阻止し得る機構(実施の形態1におけるシャッタ部42に相当する機構)は備えていないが、テープ挿入口41Gから挿入されたキャリアテープ31に対し、第1のスプロケット61を回転させないことでシャッタ部42と同様の効果を得られる構成となっている。この場合、テープ挿入検出部92、ロック機構93、テープ送り部43およびユニット制御部50Aが、キャリアテープ31を待機位置41Tに受け入れることを禁止する禁止状態とキャリアテープ31を待機位置41Tに受け入れることを許容する受け入れ可能状態とを択一的に切り替える切り替え部90Aとして機能する(図13)。
また、補充テープ受け入れ処理については、ステップST23とステップST27とステップST31の処理以外は図10と同一である。以下、図10を援用して説明を行う。
実施の形態3のステップST23は次のようになる。管理コンピュータ5から補充作業許可信号が送信されてきたら(ステップST22)、テープ受け入れ処理部82は、ロック機構93を第1のスプロケット61の回転を阻止する状態から回転を許容する状態へ切り替える。これにより、部品補充対象ユニットをテープ受け入れ可能状態へ移行させる(ステップST23)。
実施の形態のステップST27は次のようになる。テープ受け入れ処理部82は残り時間がなくなるとシャッタ51を閉じて部品補充対象ユニットをテープ受け入れ禁止状態に移行させているが、本実施の形態では、テープ受け入れ処理部82がロック機構93を第1のスプロケット61の回転を阻止する状態へ切り替える。これにより部品補充対象ユニットはテープ受け入れ禁止状態となる(ステップST27)。
実施の形態3のステップST31は次のようになる。ステップST23からステップST27の間に、作業者ORがテープ挿入口41Gから挿入した補充テープ31Bが補充テープ検出部47によって検出された場合には(ステップST30)、その時点で割り込み処理が開始される。割り込み処理では、ユニット制御部50Aは、第1の駆動部62を作動させて第1のスプロケット61を所定量だけ回転させる。これにより補充テープ31Bを待機位置41Tにセットされる。
実施の形態3においても、実施の形態1の場合と同様に、残り時間表示処理部85は、作業設定時間81Tの残り時間に応じて「4」→「3」→「2」→「1」→「0」のように表示部49にカウントダウン表示させ、作業者ORが部品補充作業を行うのに残された時間を表示(報知)して作業者ORに迅速な作業を促す。
このように、実施の形態3においても、部品供給ユニット14は、補充テープ31Bを待機させる待機位置41Tにキャリアテープ31に受け入れることを禁止する禁止状態と補充テープ31Bを待機位置41Tに受け入れることを許容する受け入れ可能状態とを択一的に切り替える切り替え部90Aを備えており、受け入れ可能状態となったときからの時間を計測部としてのタイマ84によって計測し、そのタイマ84が計測する時間に基づいて、作業設定時間81Tの残り時間が少なくなったこと(少なくなってきている状態)を作業者ORに表示部49によって報知(表示)するようになっている。これにより実施の形態1の場合と同様に、作業者ORに迅速な作業を促して部品搭載装置1の作業効率を高めることができ、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態3では、補充テープ検出部47で補充テープ31Bがテープ挿入口41Gに挿入されたことを検出するようにしているが、テープ挿入検出部92で検出するようにしてもよい。また、作業開始検出部83は、部品補充作業支援部5Cからの補充作業開始許可信号で間接的に部品補充作業の開始を検出しているが、部品補充対象ユニットの操作部48に対して部品補充作業の開始の操作が行われたことを直接検出することをもって部品補充作業の開始を検出するようにしてもよい。また、作業開始検出部83は、ロック機構93が第1のスプロケット61の回転を阻止する状態から回転を許容する状態への切り替わりを検出することをもって部品補充作業の開始を検出するようにしてもよい。
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態1,2,3では、表示部49は作業設定時間81Tの残り時間を表示する照明(LED照明)であったが、表示部49は、計測部であるタイマ84が計測する時間に基づいて、作業設定時間81Tの残り時間が少なくなったことを作業者ORに報知するものであればよく、上述した例に限定されない。例えば、光を点滅させること或いは光の点滅の周期を変化させることによって残り時間が少なくなったことを報知する照明等であってもよい。
また、上述の実施の形態1,2,3では、作業者ORが部品補充対象ユニットに部品BHの情報を入力する工程(ステップST1)では、その部品BHを封入したキャリアテープ31が巻き付けられたリール32に貼り付けられたバーコード32CをハンディスキャナHSによって読み取るようになっていたが、これは一例であり、他の方法によってもよい。例えば、バーコード32C以外の情報タグ、例えば無線タグから部品BHの情報を読み取るようにしてもよいし、カメラ等によって情報タグを撮像して部品BHの情報を読み取るようにしてもよい。