JP7457874B2 - クラッチ制御装置 - Google Patents
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Description
本願は、2021年3月31日に、日本に出願された特願2021-062004号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
この構成によれば、クラッチ駆動機構(クラッチアクチュエータ)におけるフリクション分のパラメータ値を加味して、クラッチ制御を行うことが可能となる。このため、応答性の高いクラッチ制御を実現することができる。
また、クラッチ装置の切断および接続のそれぞれに待機状態を設ける。これにより、フリクションを含む外乱があっても制御荷重を安定して保持し、かつ消費電力の低減を図ることができる。
この構成によれば、以下のように電気モータを駆動制御することが可能となる。すなわち、駆動源である電気モータの駆動を電流値で制御する際、前記フリクション分の電流値を上乗せする等の処理を行う。これにより、クラッチアクチュエータにおけるフリクションに基づく駆動の遅れを抑制する。このため、応答性の高いクラッチ制御を実現することができる。
この構成によれば、ノーマルクローズのクラッチ装置が接続状態にあるとき、すなわちクラッチアクチュエータの非駆動時に、フリクション検知を行う。これにより、例えば、当該クラッチ制御装置を搭載した車両の走行時に、フリクション検知を行うことが可能となる。これにより、車両の走行中の状態に応じたフリクションを検知可能となる。このため、車両走行時に適したクラッチ制御を実現することができる。
この構成によれば、第一の時間を短時間に設定すれば、制御パラメータを急峻に変化させることが可能となる。このとき、クラッチ装置の次の作動状態に応じた目標値の手前の中間値に向けて、制御パラメータを急峻に変化させる。また、制御パラメータが目標値に近付いた際には、制御パラメータの変化を減速して、スムーズに目標値に収束させることが可能となる。その結果、クラッチアクチュエータにおけるフリクションに基づく駆動の遅れを抑制する。このため、応答性の高いクラッチ制御を実現することができる。
図1に示すように、本実施形態は、鞍乗り型車両の一例としての自動二輪車1に適用されている。自動二輪車1の前輪2は、左右一対のフロントフォーク3の下端部に支持されている。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して、車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に支持されている。ステアリングステム4のトップブリッジ上には、バータイプの操向ハンドル4aが取り付けられている。
図2を併せて参照し、変速機21は、有段式のトランスミッションである。変速機21は、メインシャフト22およびカウンタシャフト23ならびに両シャフト22,23に跨る変速ギヤ群24を有する。カウンタシャフト23は、変速機21ひいてはパワーユニットPUの出力軸を構成している。カウンタシャフト23の左端部は、変速機ケース17の後部左側に突出し、前記チェーン式伝動機構を介して後輪12に連結されている。
図3に示すように、上記変速システム30は、クラッチアクチュエータ50、制御部40、各種センサ41~46,57d,58d、各種装置47,48,50を備えている。
制御部40は、点火装置47および燃料噴射装置48を作動制御するとともに、クラッチアクチュエータ50を作動制御する。この制御は、加速度センサ41、ギヤポジションセンサ42、およびシフト荷重センサ43(例えばトルクセンサ)からの検知情報、ならびにスロットル開度センサ44、車速センサ45およびエンジン回転数センサ46等からの各種の車両状態検知情報等に基づいてなされる。
加速度センサ41は、車体の挙動を検知する。ギヤポジションセンサ42は、シフトドラム32の回転角から変速段を検知する。シフト荷重センサ43は、チェンジ機構25のシフトスピンドル31(図2参照)に入力された操作トルクを検知する。スロットル開度センサ44は、スロットル開度を検知する。車速センサ45は、車速を検知する。エンジン回転数センサ46は、エンジン回転数を検知する。
制御部40の処理は、電源がON(自動二輪車1のメインスイッチがON)の場合に所定の周期で繰り返し実行される。
図2、図11に示すように、実施形態のクラッチ装置26は、複数のクラッチ板35を軸方向で積層した多板クラッチであり、右カバー17a内の油室に配置された湿式クラッチである。クラッチ装置26は、クラッチアウタ33と、クラッチセンタ34と、複数のクラッチ板35と、を備えている。
クラッチアウタ33は、クランクシャフト14から回転動力が常時伝達されて駆動する。クラッチセンタ34は、クラッチアウタ33内に配置されてメインシャフト22に一体回転可能に支持される。複数のクラッチ板35は、クラッチアウタ33及びクラッチセンタ34の間に積層されてこれらを摩擦係合させる。
図2、図11に示すように、レリーズ機構38は、リフターシャフト39と、レリーズシャフト53と、を備えている。
リフターシャフト39は、メインシャフト22の右側部内に軸方向で往復動可能に保持される。レリーズシャフト53は、リフターシャフト39と軸方向を直交させて配置され、右カバー17aの外側部に軸心回りに回動可能に保持される。
図中線C3は、上下方向に延びるレリーズシャフト53の中心軸線を示す。レリーズシャフト53は、メインシャフト22の軸方向視(車両側面視)で、垂直方向に対して上側ほど後側に位置するように軸方向を後傾させている(図1参照)。レリーズシャフト53の上部は、右カバー17aの外側に突出し、このレリーズシャフト53の上部に、従動クラッチレバー54が一体回転可能に取り付けられている。従動クラッチレバー54は、前記クラッチレバーと操作ケーブル(不図示)を介して連結されている。
図4に示すように、本実施形態のクラッチ制御装置40Aは、三種のクラッチ制御モードを有している。クラッチ制御モードは、自動制御を行うオートモードM1、手動操作を行うマニュアルモードM2、および一時的な手動操作を行うマニュアル介入モードM3、を有している。クラッチ制御モードは、前記三種のモード間で、クラッチ制御モード切替スイッチ49(図3参照)およびクラッチ操作子の操作に応じて適宜遷移する。なお、マニュアルモードM2およびマニュアル介入モードM3を含む対象をマニュアル系M2Aという。
図1に示す自動二輪車1において、操向ハンドル4aの左グリップの基端側(車幅方向内側)には、クラッチ手動操作子としてのクラッチレバー(不図示)が取り付けられている。
図2を併せて参照し、前記クラッチレバーは、クラッチ装置26のレリーズシャフト53に取り付けられた従動クラッチレバー54に対し、操作ケーブル(不図示)を介して連結されている。従動クラッチレバー54は、レリーズシャフト53における右カバー17aの上部に突出した上端部に、一体回転可能に取り付けられている。
図1に示すように、クランクケース15右側の右カバー17aの後上部には、クラッチアクチュエータ50が取り付けられている。
図5、図6を併せて参照し、クラッチアクチュエータ50は、モータ52と、減速機構51と、を備えている。
モータ52は、例えばDCモータであり、例えばレリーズシャフト53と軸方向を平行にして配置されている。モータ52は、駆動軸55を上方に突出させるように配置されている。減速機構51は、モータ52の駆動力をレリーズシャフト53に伝達する。
駆動ギヤ55aは、各モータ521,522の駆動軸55に一体に設けられる。第一リダクションギヤ57aは、各駆動ギヤ55aが噛み合う。第一小径ギヤ57bは、第一リダクションギヤ57aと同軸に設けられる。第二リダクションギヤ58aは、第一小径ギヤ57bが噛み合う。第二小径ギヤ58bは、第二リダクションギヤ58aと同軸に設けられる。被動ギヤ63aは、第二小径ギヤ58bが噛み合う。ギヤケース59は、各ギヤを収容する。
図15~図17に示すように、クラッチアクチュエータ50は、車両側面視で、燃料タンク18右側のニーグリップ部18aの鉛直下方に配置されている。クラッチアクチュエータ50は、図16の車両上面視で、燃料タンク18右側のニーグリップ部18aよりも車幅方向外側に張り出して配置されている。図中線L1は、運転者の脚の大腿部、線L2は、膝から下の下腿部、線L3は、足首から先の足部をそれぞれイメージしている。
図6~図8に示すように、レリーズシャフト53は、クラッチアクチュエータ50からの入力と、乗員の操作による入力と、を個別に受けて回動可能とするために、複数の要素に分割されている。
レリーズシャフト53は、上部を構成する上部レリーズシャフト61と、下部を構成する下部レリーズシャフト62と、中間レリーズシャフト63と、を備えている。中間レリーズシャフト63は、上部レリーズシャフト61の下端部と下部レリーズシャフト62の上端部とに跨って配置される。
下部レリーズシャフト62の上端部には、断面扇形をなして軸方向に延びるクラッチ側カム62bが設けられている。クラッチ側カム62bは、周方向又は軸方向で手動操作側カム61bを避けた範囲に設けられている。
中間レリーズシャフト63には、断面扇形をなして軸方向に延びる制御操作側カム63bが設けられている。
中間レリーズシャフト63の制御操作側カム63bは、以下の部位に対して、軸方向でクリアランスを空けて係合している。その部位とは、上部レリーズシャフト61の手動操作側カム61b、および下部レリーズシャフト62のクラッチ側カム62bである。
また、被動ギヤ63aは、第二小径ギヤ58bにギヤ歯を接触させるのみである。これにより、制御ギヤである被動ギヤ63aのフリクションを極力低減し、レリーズシャフト53の制御の精度を向上させている。
次に、実施形態のクラッチ制御について、図12のグラフを参照して説明する。図12のグラフは、前記オートモードM1におけるクラッチ特性をイメージしている。図12のグラフにおいて、縦軸は従動クラッチレバー54に付与されるトルク(Nm)およびクラッチ容量(%)、横軸は従動クラッチレバー54の作動角(deg)をそれぞれ示している。従動クラッチレバー54の作動角は、下部レリーズシャフト62の作動角である。
以下、従動クラッチレバー54のトルクを従動クラッチレバートルクという。従動クラッチレバー作動角と従動クラッチレバートルクとの相関をグラフ中線L11で示す。従動クラッチレバー作動角とクラッチ容量との相関をグラフ中線L12で示す。線L11は、マニュアル操作が介入しない状態でクラッチ装置26を断接する際の、クラッチアクチュエータ50の出力値(基準出力値)を示す線でもある。
半クラッチ領域Bにおいて、クラッチ容量は、従動クラッチレバートルクの増加に反比例するように、従動クラッチレバー作動角の増加に伴い急峻に減少する。半クラッチ領域Bの初期の減速領域B1において、クラッチ容量は、従動クラッチレバートルクの増加が緩やかなることに伴い、減少を緩やかにする。
逆に、クラッチ装置26が切断状態から接続側へ作動する際、タッチポイントTPおよび作動開始位置SPは以下のように定まる。すなわち、クラッチ装置26が接続し始めるポイントがタッチポイントTPである。また、クラッチ装置26が完全に接続するポイントが作動開始位置SPである。
係る制御では、まず、クラッチスプリング37の弾発力に基づき、予めクラッチスプリング荷重を設定する。次に、従動クラッチレバートルクに応じて、クラッチ装置26に作用するリフト荷重(クラッチスプリング荷重に抗する操作荷重)を推定する。そして、クラッチスプリング荷重からリフト荷重を減じた荷重を、実際にクラッチ装置26に作用させるクラッチ押付荷重とする。
前述のように、クラッチ切断領域Cでは、クラッチ装置26のリフトに伴う従動クラッチレバートルクの増加が少ない。このため、クラッチ切断領域Cでは、従動クラッチレバー作動角に基づき、モータ52への供給電力を制御する。これにより、クラッチ装置26が接続を開始するタッチポイントTP以降において、クラッチ装置26の切れ量をより細かく制御することが可能となる。
実施形態では、従動クラッチレバー作動角(減速機構51のギヤ軸の回転角)を検出し、以下のように制御する。すなわち、予め設定した(又は学習した)タッチポイントTPまでの領域(半クラッチ領域B)では、電流値の基準を増した制御とした。タッチポイントTP以降の領域(クラッチ切断領域C)では、作動角の基準を増した制御とした。
次に、実施形態のタッチポイントTP等における電流と角度とを学習する制御について、図14のグラフを参照して説明する。図14のグラフは、図12、図13に示したクラッチ特性を示す相関線L11が、クラッチ板35の摩耗やエンジン13の温度(例えば冷却水温)に応じて変化する様を示す。図14において、縦軸は従動クラッチレバートルク(Nm)、横軸は従動クラッチレバー作動角(deg)をそれぞれ示している。
別案として、以下の部分を作動開始位置SPとして学習してもよい。その部分とは、クラッチ遊び領域からから電流をランプで増加させ、前記回転角度センサの角速度が加速したところから減速し始める部分(最高速度になる部分)である。
逆に、以下の部分をタッチポイントTPとして学習してもよい。その部分とは、クラッチ切断状態(領域で保持)からランプで電流を減少させ、前記回転角度センサの角速度が加速したところから減速し始める部分(最高速度になる部分)である。
レバー作動角とモータ電流との関係から、クラッチ装置26が接続を開始するタッチポイントTPでのモータ電流とレバー作動角とを学習する。これにより、フリクションや磨耗、温度の影響を踏まえて、クラッチ制御を行うことが可能となる。
実施形態では、例えば自動二輪車1の走行中(クラッチ接続状態)において、クラッチアクチュエータ50のフリクション分の電流値(以下、フリクション値という。)を検知する。
フリクション値の検知手法としては、以下を例示する。すなわち、車両走行中のクラッチ接続状態において、モータ52への電流(負荷)をランプ上昇させる。図中電流値F1は、以下の電流値である。すなわち、減速機構51の伝動要素(リダクション軸57,58の少なくとも一方)の回転を、角度センサ57d,58dが検知したとき(図中tb参照)の電流値である。
制御部40は、前記電流値をフリクション値F1として学習(記憶)する。この学習は、例えば、レリーズシャフト53における手動操作側カム61bおよび制御操作側カム63bが、クラッチ側カム62bに当たらない方向(離れる方向、クラッチ切断方向とは逆の戻り方向)に回動することでなされる。
図中線L1は、基準電流ライン(フリクションを含まない設計値)であり、リフター荷重とモータ電流とがほぼ比例することを示す。クラッチ制御装置40Aにおいて、リフター荷重が0の状態(クラッチ接続状態、図中A位置)から、モータ電流が間欠的に供給されることで、以下の作用がある。すなわち、リフター荷重が矢印Bで示すように上昇し、クラッチ装置26が切断側に作動する。このときのモータ電流の平均値を結ぶように延びる直線を、切断電流ラインLF1Aとする。図中縦線Lcは、モータ電流0Aを示すラインである。図中線LF1は、基準電流ラインL1に前記フリクション値F1を上乗せした直線である。この線LF1に、さらにリフター荷重に応じて増加するメカニカルフリクションFm分を上乗せしたラインが、前記切断電流ラインLF1Aとなる。クラッチ装置26の切断側への作動は、切断電流ラインLF1Aに沿うように、モータ電流が供給されることでなされる。
図20は、クラッチ装置26が、接続状態から切断状態を経て、再度接続状態に戻るまでの作動状態の遷移と、それに伴うリフター荷重(目標値)およびモータ電流の変化と、を示している。縦軸はリフター荷重(N)およびモータ電流(A)を示し、横軸は時間(sec)を示す。
クラッチ装置26の上記した作動状態には、保持余裕待機フェーズP1と、荷重上昇フェーズP2と、上昇時保持余裕待機フェーズP3と、荷重低下(下降)フェーズP4と、がある。
基準電流ラインL1は、リフター荷重に相当する出力(フリクションを含まない設計値)をクラッチアクチュエータ50に発生させる電流値を示す。
接続電流ラインLF2は、保持余裕電流ラインLF2bよりも第二規定量G(<E)だけ低い電流値を示す。接続電流ラインLF2は、基準電流ラインL1からフリクション値F2(=F1でもよい)を差し引いた電流値に相当する。
切断電流ラインLF1Aは、基準電流ラインL1よりも「フリクション値F1+メカニカルフリクションFm」に相当する分だけ高い電流値を示す。
目標電流TGからフリクション値等が差し引かれる際にも、目標電流TGの変化にレートリミットRLを設定することで、目標電流TGを保持余裕電流ラインLF2bに緩やかに収束させる。
目標電流TGから第二規定量Gが差し引かれる際にも、目標電流TGの変化にレートリミットRLを設定することで、以下の作用がある。すなわち、目標電流TGを接続電流ラインLF2に緩やかに収束させる。
目標電流TGに第二規定量Gが上乗せされる際にも、目標電流TGの変化にレートリミットRLを設定することで、目標電流TGを保持余裕電流ラインLF2bに緩やかに収束させる。
この構成によれば、クラッチ駆動機構(クラッチアクチュエータ50)におけるフリクション分のパラメータ値F1,F2を加味して、クラッチ制御を行うことが可能となる。このため、応答性の高いクラッチ制御を実現することができる。
この構成によれば、以下のように電気モータ52を駆動制御することが可能となる。すなわち、駆動源である電気モータ52の駆動を電流値で制御する際、前記フリクション分の電流値F1,F2を上乗せする等の処理を行う。これにより、クラッチアクチュエータ50におけるフリクションに基づく駆動の遅れを抑制する。このため、応答性の高いクラッチ制御を実現することができる。
この構成によれば、ノーマルクローズのクラッチ装置26が接続状態にあるとき、すなわちクラッチアクチュエータ50の非駆動時に、フリクション検知を行う。これにより、例えば、当該クラッチ制御装置40Aを搭載した車両の走行時に、フリクション検知を行うことが可能となる。これにより、車両の走行中の状態に応じたフリクションを検知可能となる。このため、車両走行時に適したクラッチ制御を実現することができる。
この構成によれば、第一の時間t1を短時間に設定すれば、制御パラメータを急峻に変化させることが可能となる。このとき、クラッチ装置26の次の作動状態に応じた目標値の手前の中間値Jに向けて、制御パラメータを急峻に変化させる。また、制御パラメータが目標値に近付いた際には、制御パラメータの変化を減速して、スムーズに目標値に収束させることが可能となる。その結果、クラッチアクチュエータ50におけるフリクションに基づく駆動の遅れを抑制する。このため、応答性の高いクラッチ制御を実現することができる。
上記実施形態のようにクラッチ操作を自動化した鞍乗り型車両への適用に限らない。例えば、マニュアルクラッチ操作を基本としながら、所定の条件下でマニュアルクラッチ操作を行わずに、駆動力を調整して変速を可能とする鞍乗り型車両(いわゆるクラッチ操作レスの変速装置を備える鞍乗り型車両)にも適用可能である。
また、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれ、かつ電気モータを原動機に含む車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
13 エンジン(原動機)
21 変速機(出力対象)
26 クラッチ装置
40 制御部
40A クラッチ制御装置
50 クラッチアクチュエータ
51 減速機構(伝動機構)
52 電気モータ(駆動源)
57,58 第一および第二リダクション軸(伝動要素)
57d,58d 第一および第二回転角度センサ(駆動検知センサ)
F1,F2 フリクション分のパラメータ値
H 規定値
J 中間値
t1,t2 第一および第二の時間
Claims (4)
- 原動機(13)と出力対象(21)との間との間の動力伝達を断接するクラッチ装置(26)と、
前記クラッチ装置(26)を作動させるための駆動力を出力するクラッチアクチュエータ(50)と、
前記クラッチアクチュエータ(50)を駆動制御する制御部(40)と、を備え、
前記クラッチアクチュエータ(50)は、前記駆動力を出力する駆動源(52)と、前記駆動源(52)と前記クラッチ装置(26)との間に配置される伝動機構(51)と、を備え、
前記制御部(40)は、前記駆動源(52)の制御パラメータの変化に対する前記伝動機構(51)の駆動の遅れに基づき、前記クラッチアクチュエータ(50)のフリクション分のパラメータ値(F1,F2)を検知し、前記フリクション分のパラメータ値(F1,F2)の少なくとも一部を含んだ制御パラメータで、前記駆動源(52)の駆動を制御し、
前記クラッチ装置(26)は、前記クラッチアクチュエータ(50)の駆動力を含む操作入力によって切断状態となり、前記操作入力がないときに接続状態となるノーマルクローズクラッチであり、
前記クラッチ装置(26)が、前記接続状態から前記切断状態を経て、再度前記接続状態に戻るまでの作動状態の中には、
前記クラッチ装置(26)の前記接続状態で、前記フリクション分を含まない基準の制御パラメータよりも第一規定量(E)だけ低い電流が付与される第一待機フェーズと、
前記クラッチ装置(26)の前記切断状態で、電気モータ(52)の目標荷重ライン(LFT)に一定値以上の荷重上昇がなくなったとき、目標電流(TG)から前記フリクション分のパラメータ値(F1,F2)および前記第一規定量(E)が差し引かれる第二待機フェーズと、があるクラッチ制御装置。 - 前記駆動源(52)は、電流供給により駆動する前記電気モータ(52)であり、
前記伝動機構(51)は、伝動要素(57,58)の駆動を検知する駆動検知センサ(57d,58d)を備え、
前記制御部(40)は、前記フリクション分のパラメータ値(F1,F2)を検知する手法として、前記電気モータ(52)にフリクション検知用の電流制御を行い、前記駆動検知センサ(57d,58d)が、前記伝動要素(57,58)の駆動を検知したときの電流値を、前記フリクション分のパラメータ値(F1,F2)として検知する請求項1に記載のクラッチ制御装置。 - 前記制御部(40)は、前記フリクション分のパラメータ値(F1)を検知する手法として、前記クラッチ装置(26)が前記接続状態にあるときに、前記電気モータ(52)にフリクション検知用の電流を供給し、前記駆動検知センサ(57d,58d)が、前記伝動要素(57,58)の駆動を検知したときの前記電流値を、前記フリクション分のパラメータ値(F1)として検知する請求項2に記載のクラッチ制御装置。
- 前記制御部(40)は、
前記クラッチアクチュエータ(50)の駆動によって前記クラッチ装置(26)の作動状態が切り替わる際、前記制御パラメータを、前記フリクション分のパラメータ値(F1,F2)に応じて増減させるとともに、
前記増減のし始めには、前記クラッチ装置(26)の次の作動状態に応じた目標値から予め定めた規定値(H)を引いた中間値(J)を設定し、前記中間値(J)まで、第一の時間(t1)で前記制御パラメータを変化させ、前記中間値(J)以降は、前記第一の時間(t1)よりも長い第二の時間(t2)で、前記制御パラメータを変化させる請求項1から3の何れか一項に記載のクラッチ制御装置。
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