以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、印刷データの作成に利用するアプリケーションの機能、アプリケーションを実行する情報処理装置の構成、機能、及び動作、並びに印刷データに基づいて被印刷媒体への印刷等を行う印刷装置の構成、機能、及び動作に関して詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置と組み合わせて使用することが可能な印刷装置の一例を説明する図である。図1に例示した印刷装置10は、情報処理装置1から転送された印刷データに基づいてテープ状の被印刷媒体15への印刷を行うことが可能な装置である。印刷装置10の利用者は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報処理装置1に所定のアプリケーション2を実行させて印刷データを作成し、その印刷データを印刷装置10に送信させることができる。情報処理装置1と印刷装置10とは、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)等の無線通信規格に従った無線通信、又はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の伝送ケーブルにより通信可能に接続される。
印刷装置10は、箱部11と蓋部12とにより構成される装置筐体内に、被印刷媒体15を搬送する搬送機構、被印刷媒体15への印刷を行う印刷機構、被印刷媒体15をカットするカット機構、及び各機構の動作を制御する制御回路等が収容されている。また、印刷装置10の装置筐体内には、テープ状の被印刷媒体15を紙筒等の芯材に巻き付けてロールにしたもの(テープロール)を収容可能な構成になっている。印刷装置10は、印刷データに基づいて、テープロールからほどかれた被印刷媒体15の搬送、被印刷媒体15への印刷、及び被印刷媒体15のカット等の処理を行う。テープロールからほどかれた被印刷媒体15は、装置筐体(箱部11及び蓋部12)に形成された排出口1101から印刷装置10の外部に排出させることができる。
図1に例示した印刷装置10における装置筐体(箱部11)の外面には、いくつかの操作ボタン13と、いくつかの表示ランプ14とが設けられている。操作ボタン13は、例えば、電源のオン・オフを行うボタン、無線通信の切り替えを行うボタン、再印刷を行うボタンを含む。表示ランプ14は、例えば、点灯、消灯、及び点滅することによって、印刷装置10の状態を示す。なお、実施形態に係る情報処理装置1と組み合わせて使用する印刷装置10は、図1に例示したような外観構成のものに限らず、例えば、文字入力のためのキーボード等が設けられたものであってもよい。キーボード等が設けられた印刷装置10は、情報処理装置1から転送された印刷データに基づいて被印刷媒体15への印刷等を行うことに加え、自装置で印刷データを作成して被印刷媒体15への印刷等を行うこともできる。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置及び印刷装置の機能的な構成の一例を説明するブロック図である。
本実施形態の情報処理装置1は、デスクトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、及びスマートフォン等の、外部装置と通信可能な汎用コンピュータであり得る。情報処理装置1は、機能的な側面では、図2に例示したように、制御部21、記憶部22、入力部23、表示部24、及び通信部25を含む。
情報処理装置1の制御部21は、情報処理装置1全体の動作を制御する。制御部21による動作の制御は、例えば、OS(Operating System)のプログラム、及びアプリケーション2等の付加的なアプリケーションプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって行われる。プロセッサは、記憶部22に記憶されたプログラムを読み出して実行する。情報処理装置1の記憶部22は、プロセッサが実行するプログラム、プログラム実行中にプロセッサが参照する情報及び生成した情報等の各種情報を記憶する。記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、主記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)、及び補助記憶装置を含む。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。
情報処理装置1の入力部23は、情報処理装置1に対する入力操作を受け付ける。入力部23は、例えば、キーボード等の文字入力デバイスと、マウスやタッチパッド等のポインティングデバイスとを含む。情報処理装置1の表示部24は、情報処理装置1の状態、入力された情報等を表示する。表示部24は、例えば、ドットマトリクス型の表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等)を含む。表示部24は、例えば、液晶ディスプレイの表示領域上に入力部23として機能するデジタイザ等のポインティングデバイスが配置されたタッチパネルディスプレイであってもよい。タッチパネルディスプレイを備えた情報処理装置1は、例えば、ハードウェアキーボードが省略され、タッチパネルディスプレイを利用したソフトウェアキーボードにより文字入力を行うものであってもよい。
情報処理装置1の通信部25は、印刷装置10を含む外部装置との通信を行う。通信部25は、例えば、Wi-Fi及びBluetooth Low Energy等の無線通信規格に従った無線通信、並びにUSBケーブル等の伝送ケーブルを介した有線での通信のうちの少なくとも1つを行うことが可能なハードウェアインタフェースを含む。
印刷データ作成用のアプリケーション2を実行中の情報処理装置1における制御部21は、例えば、図2に示したように、編集部2101、設定部2102、及び作成部2103を含む。編集部2101は、入力部23により入力された情報に基づいて、被印刷媒体15に印刷する文字や図形等の編集に関する各種処理を行う。編集部2101が行う処理は、文字等を配置するためのテキストボックスを生成する処理を含む。設定部2102は、印刷装置10の動作設定に関する各種処理を行う。印刷装置10の動作設定は、例えば、被印刷媒体15への印刷を行う回数の設定、被印刷媒体15をカットする動作の設定を含む。作成部2103は、編集部2101により編集された被印刷媒体15に印刷する文字や図形等の情報と、設定部2102により設定された印刷装置10の動作設定とに基づいて、印刷装置10に送信する印刷データを作成する。作成部2103で作成した印刷データは、通信部25を介して印刷装置10に送信(転送)される。このように、印刷装置10とは別の情報処理装置1において印刷データを作成することが可能であると、印刷装置10から離れた場所で情報処理装置1を利用して印刷データを作成(用意)しておくことができる。このため、印刷データの作成に関する時間や場所の制約が緩和され、例えば、1個の印刷装置10を複数の利用者で共有する場合等に印刷装置10による被印刷媒体15への印刷を効率よく行うことができる。
なお、図2に例示した情報処理装置1における各機能ブロックと対応する機能は、個別のハードウェアにより実現されるものに限らず、例えば、2つ以上の機能ブロックと対応する機能が1つのハードウェアにより実現されてもよい。また、情報処理装置1におけうr1つの機能ブロックと対応する機能が、2つ以上のハードウェアにより実現されてもよい。例えば、情報処理装置1の制御部21による制御は、上述したCPUと、DSP(Digital Signal Processor)とにより実現されてもよい。
印刷装置10は、機能的な側面では、図2に例示したように、制御部31、記憶部32、入力部33、表示部34、印刷処理部35、及び通信部36を含む。
印刷装置10の制御部31は、印刷装置10全体の動作を制御する。制御部31による動作の制御は、例えば、OSのプログラム、印刷データに基づいて印刷処理部35の動作を制御するアプリケーションプログラムを実行するCPU等のプロセッサによって行われる。プロセッサは、記憶部32に記憶されたプログラムを読み出して実行する。印刷装置10の記憶部32は、プロセッサが実行するプログラム、印刷データ、及び印刷データに基づいて生成した制御データ等の各種情報を記憶する。記憶部32は、例えば、ROM及びRAMを含む。
印刷装置10の入力部33は、印刷装置10に対する入力操作を受け付ける。入力部33は、例えば、図1を参照して上述した操作ボタン13を含む。印刷装置10の表示部34は、印刷装置10の状態、入力された情報等を表示する。表示部34は、例えば、図1を参照して上述した表示ランプ14を含む。印刷装置10は、文字入力や動作設定のための操作を行うことが可能なハードウェアキーボードを入力部33の1つとして含み、そのハードウェアキーボードにより入力された文字や設定情報等を表示することが可能な表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ)を表示部34の1つとして含んでもよい。
印刷装置10の印刷処理部35は、制御部31からの制御情報に基づいて、被印刷媒体15への印刷に関する各種処理(動作)を実施する。印刷処理部35は、例えば、被印刷媒体15を搬送する搬送部3501、被印刷媒体15への印刷を行う印刷部3502、及び被印刷媒体15をカットするカット部3503を含む。なお、印刷装置10は、例えば、カット部3503が省略されたもの、又はカット部3503の被印刷媒体15をカットする動作が非電動のもの等であってもよい。
印刷装置10の通信部36は、情報処理装置1を含む外部装置との通信を行う。通信部36は、例えば、Wi-Fi及びBluetooth Low Energy等の無線通信規格に従った無線通信、並びにUSBケーブル等の伝送ケーブルを介した有線での通信のうちの少なくとも1つを行うことが可能なハードウェアインタフェースを含む。
図3は、情報処理装置で印刷データ作成用のアプリケーションを実行したときに表示される編集画面の例を説明する図である。図3には、マウス、又はタッチパッド等のポインティングデバイスを操作して表示部24の表示画面内のポインタ150を移動させることが可能な情報処理装置1における、表示部24に表示される編集画面100を例示している。
編集画面100は、メニュー領域110と、編集領域120とを含む。メニュー領域110は、被印刷媒体15に印刷する文字や図形等の入力、消去、位置の変更等の、編集に関する処理を選択するための情報が表示される。図3に例示した編集画面100のメニュー領域110は、横書きの文字列を入力するテキストボックスの生成を選択するボタン領域111と、縦書きの文字列を入力するテキストボックスの生成を選択するボタン領域112とを含む。
編集領域120は、被印刷媒体15に印刷する文字や図形等を表示させ、それらの位置や大きさを調整する、編集作業を行うための領域である。編集領域120には、印刷装置10により被印刷媒体15への印刷を行って作成するラベルの平面形状を示すラベル領域130と、ラベル領域130内のうちの印刷可能な領域として設定された領域を示す印刷領域133とが表示される。ラベル領域130は、印刷装置10により文字や図形等が印刷された被印刷媒体15のイメージ(印刷イメージ)を示す領域である。ラベル領域130内は、例えば、被印刷媒体15の被印刷面の色で表示されてもよい。図3の編集領域120内に記載された「搬送方向」及びその上の左向きの矢印は、印刷装置10で被印刷媒体15への印刷を行うときの被印刷媒体15の搬送方向を示している。この「搬送方向」という文字列及び矢印は、編集画面100の一部として表示されていてもよいし、表示されていなくてもよい。
編集領域120内での被印刷媒体15の搬送方向が左右方向である場合、ラベル領域130の縦(上下方向)の寸法は被印刷媒体15の幅に対応し、ラベル領域130の横(左右方向)の寸法は被印刷媒体15の長さに対応する。ラベル領域130の縦の寸法(ラベル幅)及び横の寸法(ラベル長さ)は、例えば、編集画面100内の、メニュー領域110外であり、かつ編集領域120外である領域に表示されるラベル設定部140に対する操作を行って設定することができる。ラベル幅は、印刷データを送信する印刷装置10で使用可能な被印刷媒体15の幅のなかから選択(設定)することができる。ラベル長さは、印刷装置10で1枚のラベルとして作成可能な最小寸法以上の長さに設定することができる。
編集領域120内のラベル領域130は、ラベル設定部140に表示されているラベル幅及びラベル長さと、編集領域120の左方に隣接する第1のルーラー及び編集領域120の上方に隣接する第2のルーラーの縮尺とに従った寸法で表示される。編集領域120内での被印刷媒体15の搬送方向が左方向である場合、ラベル領域130は、左端となる始端131の左右方向の位置が第2のルーラーのメモリ0の位置になり、右端となる終端132の左右方向の位置が第2のルーラーの縮尺とラベル長さとにより特定されるメモリ位置になるように表示される。始端131は、印刷装置10内を搬送される被印刷媒体15における印刷領域133と対応する領域の下流側の端部(先端部)と対応する。
また、図3に例示した編集画面100では、第2のルーラー上のスライダ141を左右方向に移動させる操作でも、ラベル領域130の横の寸法を変更することができる。スライダ141を左右方向に移動させると、ラベル設定部140のラベル長さの値が、移動後のスライダ141のメモリ位置に応じた値に変更される。スライダ141は、例えば、マウスで編集領域120内に例示した矢印形状のポインタ150をスライダ141と重なる位置に移動させる操作をした後、続けて右方向又は左方向にマウスをドラッグすることにより移動する。
ラベル領域130内の印刷領域133は、例えば、ラベル領域130の寸法と、印刷領域133の左方、右方、上方、及び下方に設ける余白の寸法と、第1のルーラー及び第2のルーラーの縮尺とに基づいて特定される寸法で表示される。
なお、図3の編集画面100は、アプリケーション2の実行中に表示部24に表示される、被印刷媒体15への印刷イメージを編集可能な編集画面の一例に過ぎない。編集画面におけるメニュー領域110、編集領域120等の構成、寸法等は適宜変更可能である。
アプリケーション2を実行中の情報処理装置1では、例えば、図3に示したように編集領域120内にラベル領域130及び印刷領域133を表示させた後、印刷領域133内に、被印刷媒体15に印刷する文字や図形等を配置させることができる。このとき、従来のアプリケーションを実行する情報処理装置1の利用者は、まず、横書きの文字列を入力するテキストボックスの生成を選択するボタン領域111内を指し示す位置までポインタ150を移動させてマウスを左クリックする。その後、利用者が、テキストボックスを生成する位置までポインタ150を移動させてマウスを左クリックすると、横書きの文字列を入力可能なテキストボックスがポインタ150の位置に生成される。
アプリケーション2により印刷データを作成する際の主要な作業は、被印刷媒体15に印刷する文字や図形等を入力する作業である。このため、従来のアプリケーションのように、テキストボックスを生成するたびに編集領域120外のボタン領域111又は112までポインタ150を移動させてマウスを左クリックすると、作業効率が低下する。
図4は、一実施形態に係る情報処理装置で編集作業中に行われる処理の第1の例を説明するフローチャートである。図4に例示した処理は、情報処理装置1において本実施形態に係るアプリケーション2(アプリケーションプログラム)を起動すると開始される。アプリケーション2を起動させると、情報処理装置1の表示部24には、例えば、図3に示したような編集画面100が表示される。
アプリケーション2を起動した後、情報処理装置1の制御部21は、入力部23に対する入力操作が行われたか否かを判定し(ステップS101)、入力操作が行われるまでこの判定を繰り返す(ステップS101;NO)。
入力操作が行われると(ステップS101;YES)、制御部21は、その入力操作が画面内の位置を指定する操作であるか否かを判定する(ステップS102)。位置を指定する操作は、例えば、マウスやタッチパッドをクリックする操作、及びタッチパッド若しくはタッチパネルディスプレイをタップする操作等である。ポインタ150の表示位置を変更するだけの操作は、ステップS102において、画面内の位置を指定する操作ではないと判定する。画面内の選択範囲を指定する操作は、ステップS102において、画面内の位置を指定する操作であると判定してもよい。例えば、利用者がマウスをドラッグする操作を行った場合、制御部21は、そのドラッグ操作の開始時におけるポインタ150の位置を始点位置とし、終了時におけるポインタ150の位置を終点位置とする四角形の選択範囲内の位置が指定されたと判定してもよい。
入力操作が画面内の位置を指定する操作ではない場合(ステップS102;NO)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS106)、ステップS101の判定に戻る。例えば、情報処理装置1の利用者がキーボードで文字を入力する操作を行った場合、制御部21は、ステップS102において、入力操作が画面内の位置を指定する操作ではないと判定する。この場合、制御部21は、ステップS106において、例えば、入力された文字を付加した編集画面100を表示部24に表示させる処理を行う。
入力操作が画面内の位置を指定する操作である場合(ステップS102;YES)、制御部21は、次に、指定位置にオブジェクト(編集オブジェクト)があるか否かを判定する(ステップS103)。オブジェクトは、表示部240の表示領域内に表示された情報のうちの、選択する操作に応じて制御部21が編集に関する所定の処理を行うように設定された情報(例えば、アイコン、操作ボタン、及びテキストボックス等)である。オブジェクトは、例えば、ステップS103の判定時に、編集領域120内に既に生成されているテキストボックス、表、及びその他の図形を含む。オブジェクトは、例えば、メニュー領域110内のテキストボックスの生成を選択するボタン領域111、112等の、編集領域120外に配置されている操作ボタン、アイコン等を含む。制御部21は、例えば、入力操作により指定された画面内の位置がオブジェクト毎に設定されるオブジェクト選択範囲のうちのいずれかの範囲内である場合に、指定位置にオブジェクトがあると判定する。また、画面内の選択範囲を指定する入力操作を、位置を指定する操作と判定してステップS103の判定を行う場合には、制御部21は、入力操作により指定された選択範囲内に、オブジェクト選択範囲の一部又は全部が含まれるオブジェクトがある場合に、指定位置にオブジェクトがあると判定する。
指定位置にオブジェクトがある場合(ステップS103;YES)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS106)、ステップS101の判定に戻る。例えば、編集領域120内に既に生成されているテキストボックスに設定されたオブジェクト選択範囲内の位置を指定する入力操作が行われた場合、制御部21は、ステップS103において、指定位置にオブジェクトがあると判定する。この場合、制御部21は、ステップS106において、例えば、指定位置にあるテキストボックスが選択されている状態(文字入力が可能な状態)であるか否かを判定し、選択されている状態である場合には指定位置に基づいて入力位置(カーソル位置)を決定し、選択されていない状態である場合には選択された状態(文字入力が可能な状態)に変更する処理をする。
また、例えば、横書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域111内の位置を指定する入力操作が行われた場合、制御部21は、ステップS103において、指定位置にオブジェクトがあると判定する。この場合、制御部21は、ステップS106において、例えば、ボタン領域111内の表示を、横書き用テキストボックスの生成が選択されたことを示す表示に変更する。このとき制御部21が行うステップS106の処理は、ボタン領域111内の表示を変更した後、テキストボックスを生成する位置を指定する入力操作を受け付けてテキストボックスを生成する処理を含んでもよいし、含まなくてもよい。含まない場合、制御部21は、次の入力操作で指定された画面内の位置に基づいて、後述するステップS105において編集領域120内にテキストボックスを生成することができる。
指定位置にオブジェクトがない場合(ステップS103;NO)、制御部21は、次に、指定位置が編集領域120内であるか否かを判定する(ステップS104)。指定位置が編集領域120内ではない場合(ステップS104;NO)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS106)、ステップS101の判定に戻る。例えば、編集領域120の外側であり、かつオブジェクトのない位置を指定する入力操作が行われた場合、制御部21は、ステップS104において、指定位置が編集領域120内ではないと判定する。この場合、制御部21は、ステップS106において、例えば、選択中のオブジェクトがある場合には選択を解除する処理を行い、選択中のオブジェクトがない場合には何も行わない。
これに対し、指定位置が編集領域120内である場合(ステップS104;YES)、制御部21は、指定位置に基づいて編集領域120内にテキストボックスを生成し(ステップS105)、ステップS101の判定に戻る。すなわち、図4のフローチャートに沿った処理を行う情報処理装置1では、編集領域120内であり、かつオブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合、指定された位置にテキストボックスを生成する。しかも、編集領域120内であり、かつオブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作を行う前に、テキストボックスの生成を選択するボタン領域111内の位置を指定する入力操作を行わなくても、指定された位置にテキストボックスを生成することができる。
このように、本実施形態に係るアプリケーション2を実行する情報処理装置1では、利用者による、メニュー領域110内でテキストボックスの生成を選択する操作を省略し、主要な操作である文字入力を効率よく行うことができる。特に、情報処理装置1がスマートフォンや表示部24の表示領域の寸法が比較的小さいタブレット型コンピュータ等のような、メニュー領域110と編集領域120とを含む編集画面100を、各領域の文字等の情報が視認しやすい大きさで表示領域内に表示することが難しいものである場合に、スクロールや画面を切り替えるための操作を省略することができ、作業効率が一層向上する。
図5は、一実施形態に係る情報処理装置を利用した編集作業の第1の例を説明する図である。図5には、情報処理装置1が図4に例示した処理を行う場合の、テキストボックスを生成して文字を入力する操作と表示部24の表示との関係の一例を示している。図5の(a)及び(b)には、それぞれ、図3に例示した編集画面100のうちの編集領域120、並びに編集領域120に隣接する第1のルーラー及び第2のルーラーの部分を示している。また、図5の(c)には、編集領域120のうちの図5の(b)に示した部分領域120aのみを示している。
図5の(a)には、編集領域120の上方に隣接する第2のルーラーに設けられたスライダ141を移動させる操作をした後、ポインタ150の位置をスライダ141と重なる位置から編集領域120の印刷領域133内に変更した状態を示している。このとき、ポインタ150の位置は、編集領域120外にある横書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域111等を経由せず、ほぼ最短距離で印刷領域133内に変更(移動)されている。このようなポインタ150の位置を変更する操作は、画面内の位置を指定する操作ではない(ステップS102;NO)ので、情報処理装置1の制御部21は、ステップS106において、ポインタ150の表示位置を変更する処理を行う。
ポインタ150の表示位置を印刷領域133内に変更した後、情報処理装置1の利用者がマウスを左クリックする操作を行うと、制御部21は、画面内の位置を指定する入力操作が行われたと判定する(ステップS102;YES)。図5の(a)に例示した編集領域120内にはオブジェクトがなく(ステップS103;NO)、かつポインタ150が指し示す位置は編集領域120内である(ステップS104;YES)。このため、画面内の位置を指定する入力操作が行われると、制御部21は、図5の(b)に例示したように、ポインタ150が指し示す位置を始点とするテキストボックス160を生成する(ステップS105)。図5の(a)及び(b)に例示した編集領域120内のラベル領域130(印刷イメージ)は、被印刷媒体15の搬送方向が左右方向であるため、例えば、制御部21は、横書きのテキストボックス160を生成する。
テキストボックス160を生成した後、入力部23の1つであるキーボードに対する文字入力操作が行われると、制御部21は、画面内の位置を指定する操作ではないと判定する(ステップS102;NO)。このため、制御部21は、図5の(c)に例示したように、文字入力操作により入力された文字「A」、「B」、及び「C」を、横書きでテキストボックス160内に表示する。
図5を参照して上述したように、本実施形態に係る情報処理装置1では、編集領域120外にあるボタン領域111を押す(選択する)操作を行うことなく、テキストボックス160を生成して文字を入力することができる。
なお、本実施形態に係る情報処理装置1で行うことが可能な文字入力のための操作は、図5の(a)~(c)を参照して上述した操作手順に限定されない。例えば、テキストボックス160を生成するためにポインタ150の位置を変更する操作における変更前の位置と変更後の位置とは、図5の(a)に例示した位置関係に限定されない。従って、ポインタ150の位置をラベル領域130内に移動させる操作は、スライダ141によりラベル領域130の左右方向の寸法(ラベル長)を変更する操作の後でなくてもよい。また、例えば、スライダ141によりラベル領域130の左右方向の寸法を変更する操作は、図5の(c)に例示したようなテキストボックス160に文字を入力する操作の後で行ってもよい。
図6は、一実施形態に係る情報処理装置を利用した編集作業の第2の例を説明する図である。図6の(a)及び(b)には、それぞれ、図3に例示した編集画面100のうちの編集領域120、並びに編集領域120に隣接する第1のルーラー及び第2のルーラーの部分を示している。また、図6の(c)には、編集領域120のうちの図6の(b)に示した部分領域120aのみを示している。
図6の(a)には、編集領域120の上方に隣接する第2のルーラーに設けられたスライダ141を移動させる操作をした後、ポインタ150の位置をスライダ141と重なる位置から編集領域120の印刷領域133内に変更した状態を示している。このとき、ポインタ150の位置は、編集領域120外にある横書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域111等を経由せず、ほぼ最短距離で印刷領域133内に変更(移動)されている。このようなポインタ150の位置を変更する操作は、画面内の位置を指定する操作ではない(ステップS102;NO)ので、情報処理装置1の制御部21は、ステップS106において、ポインタ150の表示位置を変更する処理を行う。図6の(a)において実線で示される、表示位置を変更した後のポインタ150は、既に生成されているテキストボックス161内に表示された「2021/01/01」という文字列における「0」と「2」との間を指し示している。図6の(a)に例示した、既に生成されているテキストボックス161は、図4を参照して上述したステップS103の判定においてオブジェクトと認識される情報の1つである。また、図6の(a)に例示したテキストボックス161は、非選択状態であり、この状態で文字入力操作を行ってもテキストボックス161内の文字列は変更されない。
ポインタ150の表示位置をテキストボックス161内に変更した後、情報処理装置1の利用者がマウスを左クリックする操作を行うと、制御部21は、画面内の位置を指定する入力操作が行われたと判定する(ステップS102;YES)。また、ポインタ150が指し示している位置は、編集領域120内のオブジェクトの1つである、既に生成されているテキストボックス161である(ステップS103;YES)。このため、画面内の位置を指定する入力操作が行われると、制御部21は、ステップS106において、図6の(b)に例示したようにテキストボックス161を選択状態にし、ポインタ150が指し示している位置に文字入力位置を示すカーソル162を表示する。なお、図6の(b)では、ポインタ150の表示を省略している。
テキストボックス161を選択状態にした後、入力部23の1つであるキーボードに対するカーソル移動操作や文字入力操作が行われると、制御部21は、画面内の位置を指定する操作ではないと判定する(ステップS102;NO)。この場合、制御部21は、キーボードに対するカーソル移動操作や文字入力操作に応じた処理を行う(ステップS106)。例えば、利用者がテキストボックス161内の文字列を「2021/01/01」から「2021/02/01」に変更する操作を行った場合、制御部21は、図6の(c)に示したように、テキストボックス161内の文字列の表示を「2021/02/01」に変更する。
図6を参照して上述したように、本実施形態に係る情報処理装置1では、画面内の位置を指定する操作により指定された位置が編集領域120内であっても、その位置にオブジェクト(編集オブジェクト)が存在する場合には、そのオブジェクトと関連付けられた処理を行う。このため、編集領域120外にあるボタン領域111を押す(選択する)操作を省略しても、テキストボックスを新たに生成する処理と、既に生成されているテキストボックスに対する処理とを区別し、適切な処理を行うことができる。なお、図6を参照して上述した処理では、画面内の位置を指定する入力操作が行われたときに、テキストボックス161が選択された状態であってもよい。テキストボックス161が選択された状態で位置を指定する入力操作が行われると、情報処理装置1の制御部21は、例えば、カーソル162の位置をポインタ150が指し示す位置に変更する処理を行う。
本実施形態に係る、テキストボックスの生成を選択するボタン領域111、112に対する入力操作を省略してテキストボックスを生成する処理は、図4~図6を参照して上述した処理の第1の例に限らず、適宜変更可能である。例えば、テキストボックスを生成する処理は、編集領域120内で選択範囲を指定する入力操作と関連付けられてもよい。また、図4~図6を参照して上述した処理の第1の例を適用可能な情報処理装置1は、表示部24の表示領域(編集画面100)に表示されたポインタ150をマウスやタッチパッド等のポインティングデバイスで操作するものに限定されない。情報処理装置1は、タブレット型コンピュータやスマートフォン等のタッチパネルディスプレイを備えたものであり、図5の(a)等に例示したような、矢印形状等の特定のポインタ150が表示されないものであってもよい。
図7は、一実施形態に係る情報処理装置で編集作業中に行われる処理の第2の例を説明するフローチャートである。図7に例示した処理は、情報処理装置1において本実施形態に係るアプリケーション2(アプリケーションプログラム)を起動すると開始される。アプリケーション2を起動させると、情報処理装置1の表示部24には、例えば、図3に示したような編集画面100が表示される。
アプリケーション2を起動した後、情報処理装置1の制御部21は、入力部23に対する入力操作が行われたか否かを判定し(ステップS201)、入力操作が行われるまでこの判定を繰り返す(ステップS201;NO)。
入力操作が行われると(ステップS201;YES)、制御部21は、その入力操作が画面内の選択範囲を指定する操作であるか否かを判定する(ステップS202)。選択範囲を指定する操作は、例えば、マウスをドラッグする操作等の、ポインティングデバイスにより四角形状の選択範囲の始点位置と終点位置とを指定する既知の操作のいずれかであればよい。図7に例示した処理のステップS202において、制御部21は、画面内の単一の位置を指定する操作は画面内の選択範囲を指定する操作ではないと判定する。
入力操作が画面内の選択範囲を指定する操作ではない場合(ステップS202:NO)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS206)、ステップS201の判定に戻る。例えば、情報処理装置1の利用者が画面内の位置を指定する操作を行った場合、制御部21は、ステップS202において、入力操作が画面内の選択範囲を指定する操作ではないと判定する。この場合、制御部21は、ステップS206において、例えば、指定された位置と関連付けられた処理の有無を判定し、関連付けられた処理がある場合にはその処理を実行する。
入力操作が画面内の選択範囲を指定する操作である場合(ステップS202;YES)、制御部21は、次に、指定範囲内にオブジェクトが有るか否かを判定する(ステップS203)。オブジェクトは、図4を参照して上述したように、表示部240の表示領域内に表示された情報のうちの、選択する操作に応じて制御部21が所定の処理を行うように設定された情報(例えば、アイコン、操作ボタン、及びテキストボックス等)である。オブジェクトは、例えば、ステップS203の判定時に、編集領域120内に既に生成されているテキストボックス、表、及びその他の図形を含む。オブジェクトは、例えば、メニュー領域110内のテキストボックスの生成を選択するボタン領域111、112等の、編集領域120外に配置されている操作ボタン、アイコン等を含む。制御部21は、例えば、入力操作により指定された画面内の選択範囲内に、オブジェクト毎に設定されるオブジェクト選択範囲のうちのいずれかの範囲の全体が含まれる場合に、指定範囲内にオブジェクトがあると判定する。制御部21は、例えば、入力操作により指定された画面内の選択範囲と、オブジェクト毎に設定されるオブジェクト選択範囲のうちのいずれかの範囲の少なくとも一部分とが重複する場合に、指定範囲内にオブジェクトがあると判定してもよい。
指定範囲内にオブジェクトがある場合(ステップS203;YES)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS206)、ステップS201の判定に戻る。例えば、指定範囲内に、既に生成されているテキストボックスの選択範囲の全体が含まれる場合、制御部21は、ステップS203において、指定範囲内にオブジェクトがあると判定する。この場合、制御部21は、ステップS206において、例えば、指定範囲内のテキストボックスが選択された状態(文字入力が可能な状態)であるか否かを判定し、選択されていない状態である場合には選択された状態に変更する処理をする。
指定範囲内にオブジェクトがない場合(ステップS203;NO)、制御部21は、次に、指定範囲全体が編集領域120内であるか否かを判定する(ステップS204)。指定範囲全体が編集領域120内ではない場合(ステップS204;NO)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS206)、ステップS201の判定に戻る。例えば、入力操作により指定された選択範囲の一部分が編集領域120の外側にはみ出している場合や、指定された選択範囲の全体が編集領域120の外側であり、かつ範囲内に選択可能なオブジェクトがない場合、制御部21は、ステップS204において、指定範囲全体が編集領域120内にあるわけではないと判定する。この場合、制御部21は、ステップS206において、例えば、選択中のオブジェクトがある場合には選択を解除する処理を行い、選択中のオブジェクトがない場合には何も行わない。
これに対し、指定範囲全体が編集領域120内である場合(ステップS204;YES)、制御部21は、指定範囲に基づいて編集領域120内にテキストボックスを生成し(ステップS205)、ステップS201の判定に戻る。すなわち、図7のフローチャートに沿った処理を行う情報処理装置1では、範囲全体が編集領域120内であり、かつオブジェクトを含まない選択範囲を指定する入力操作が行われた場合、指定された選択範囲内にテキストボックスを生成する。しかも、図4を参照して上述した処理と同様、テキストボックスの生成を選択するボタン領域111内の位置を指定する入力操作を行わなくても、指定された選択範囲内にテキストボックスを生成することができる。このように、図7に例示した処理を実行する情報処理装置1は、利用者による、メニュー領域110内でテキストボックスの生成を選択する操作を省略し、主要な操作である文字入力を効率よく行うことができる。また、図7に例示した処理を実行する情報処理装置1では、例えば、指定された選択範囲の寸法に基づいて、テキストボックスの文字サイズ等を設定することができる。
図8は、一実施形態に係る情報処理装置を利用した編集作業の第2の例を説明する図である。図8には、情報処理装置1が図7に例示した処理を行う場合の、テキストボックスを生成する操作と表示部24の表示との関係の一例を示している。図8の(a)及び(b)には、それぞれ、編集画面100における編集領域120のうちの図5の(b)に示した部分領域120aのみを示している。
図8の(a)には、部分領域120a(編集領域120)の印刷領域133内における左上角部に近接する始点位置P1から右下方向にある終点位置P2までポインタ150の位置を移動させて四角形状の選択範囲170を指定する例を示している。マウスで選択範囲170を指定する場合、利用者は、ポインタ150を始点位置P1に移動させる操作をした後、例えば、マウスの左ボタンを押したままポインタ150を終点位置P2まで移動させて左ボタンの押下を解除する操作を行う。このとき、利用者は、ポインタ150を始点位置P1に移動させる前に、編集領域120外にある横書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域111までポインタ150を移動させて位置を指定する操作は行わなくてよい。
図8の(a)に例示した部分領域120aは、指定された選択範囲170内に、既に生成されているテキストボックス等のオブジェクトがなく(ステップS203;NO)、かつ指定された選択範囲170の全体が編集領域120内にある(ステップS204;YES)。このため、選択範囲170を指定する入力操作が完了すると、制御部21は、ステップS205において、指定された選択範囲170に基づいて、編集領域120内にテキストボックスを生成する。このとき、制御部21は、例えば、図8の(b)に例示したように、指定された選択範囲170と略同一の寸法を有するテキストボックス160を生成する。またこのとき、制御部21は、例えば、生成したテキストボックス160に入力して表示する文字のサイズを、そのテキストボックス160からはみ出さずに表示することが可能な文字のサイズのうちの最大のサイズに設定し、そのサイズと対応するカーソル162を表示してもよい。例えば、横書き用テキストボックス160を生成する場合、縦方向のサイズがテキストボックス160の縦の寸法よりも小さい文字サイズのうちの最大文字サイズをテキストボックス160内に表示する文字のサイズに設定することができる。
図9は、一実施形態に係る情報処理装置を利用した編集作業の第3の例を説明する図である。図9の(a)及び(b)には、それぞれ、図3に例示した編集画面100のうちの編集領域120、並びに編集領域120に隣接する第1のルーラー及び第2のルーラーの部分を示している。
図3、図5、図6、及び図8における編集領域120(部分領域120a)内のラベル領域130は、上述したように、被印刷媒体15の搬送方向が左右方向であり、横書き用テキストボックス160,161が生成される。しかしながら、本実施形態に係るアプリケーション2を実行する情報処理装置1では、例えば、図9の(a)に示すように、編集領域120内のラベル領域130の向きを、被印刷媒体15の搬送方向が上下方向になる向き変更可能なことがある。図9の(a)に示したラベル領域130の向きでは、ラベル領域130の上端が始端131になり、下端が終端132となる。ラベル領域130をこのような向きで編集領域120内に表示した場合、編集領域120の左方に隣接する第1のルーラーに設けられるスライダ141により、ラベル領域130の上下方向(被印刷媒体15の搬送方向)の寸法を変更することができる。すなわち、図9の(a)に示したラベル領域130は、左右方向の寸法がラベル幅になり、上下方向の寸法がラベル長さになる。以下の説明では、図9の(a)に例示したような上下方向がラベル長さになるラベル領域130の向きを「縦向き」と記載し、図3に例示したような左右方向がラベル長さになるラベル領域130の向きを「横向き」と記載する。
情報処理装置1を操作して被印刷媒体15に印刷する文字を入力する場合、表示部24に表示される文字が正立するようにラベル領域130(印刷イメージ)の向きを設定することで、印刷イメージとして表示された(入力した)文字を認識しやすくし、入力ミス等を抑制することができる。このため、被印刷媒体15に搬送方向に沿って縦書きの文字列を印刷する場合、図9の(a)及び(b)に示したように、ラベル領域130を縦向きにして被印刷媒体15に印刷する文字を表示することが好ましい。このとき、従来のアプリケーションを実行する情報処理装置1では、まず、例えば、図3に示した編集画面100のメニュー領域110内に設けられた縦書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域112内の位置を指定する入力操作を行う。その後、例えば、図9の(a)に示したように縦書き用テキストボックスを生成する位置にポインタ150を移動させてマスを左クリックすると、図9の(b)に示したような縦書き用テキストボックス163が生成される。
また、アプリケーション2を実行する情報処理装置1では、図3に例示した編集画面100のようなメニュー領域110の2つのボタン領域111、112に対する操作により、横書き用テキストボックスと、縦書き用テキストボックスとのどちらを生成するかを選択することができる。本実施形態に係る情報処理装置1では、このような横書き用と縦書き用のどちらのテキストボックスを生成するかの選択も含めて、ボタン領域111、112に対する操作を省略することがより好ましい。
図10は、一実施形態に係る情報処理装置で編集作業中に行われる処理の第3の例を説明するフローチャートである。図10に例示した処理は、情報処理装置1において本実施形態に係るアプリケーション2(アプリケーションプログラム)を起動すると開始される。アプリケーション2を起動させると、情報処理装置1の表示部24には、例えば、図3に示したような編集画面100が表示される。
アプリケーション2を起動した後、情報処理装置1の制御部21は、入力部23に対する入力操作が行われたか否かを判定し(ステップS301)、入力操作が行われるまでこの判定を繰り返す(ステップS301;NO)。
入力操作が行われると(ステップS301;YES)、制御部21は、まず、その入力操作が横書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域111(横書きボタン)を押す操作であるか否かを判定する(ステップS302)。横書き用テキストボックスの作成を選択するボタン領域111を押す操作である場合(ステップS302;YES)、制御部21は、例えば、ボタン領域111内を選択中であることを示す表示に変更した後、テキストボックスの生成位置を示す入力操作に従って、横書き用テキストボックスを生成する(ステップS308)。ステップS308の後、制御部21は、ステップS301の判定に戻る。
入力操作がボタン領域111を押す操作ではない場合(ステップS302;NO)、制御部21は、次に、その入力操作が縦書き用テキストボックスの生成を選択するボタン領域112(縦書きボタン)を押す操作であるか否かを判定する(ステップS303)。縦書き用テキストボックスの作成を選択するボタン領域112を押す操作である場合(ステップS303;YES)、制御部21は、例えば、ボタン領域112内を選択中であることを示す表示に変更した後、テキストボックスの生成位置を示す入力操作に従って、縦書き用テキストボックスを生成する(ステップS309)。ステップS309の後、制御部21は、ステップS301の判定に戻る。
入力操作がボタン領域112を押す操作ではない場合(ステップS303;NO)、制御部21は、次に、画面内の他の位置を指定する操作であるか否かを判定する(ステップS304)。ステップS304の判定は、図4を参照して上述したステップS102の判定から、ボタン領域111又はボタン領域112を指定する操作の有無の判定を省略した判定と対応する。
入力操作が画面内の位置を指定する操作ではない場合(ステップS304;NO)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS310)、ステップS301の判定に戻る。例えば、情報処理装置1の利用者がキーボードで文字を入力する操作を行った場合、制御部21は、ステップS302~S304のそれぞれにおいて、入力操作が画面内の位置を指定する操作ではないと判定する。この場合、制御部21は、ステップS310において、例えば、入力された文字を付加した編集画面100を表示部24に表示させる処理を行う。
入力操作が画面内の位置を指定する操作である場合(ステップS304;YES)、制御部21は、次に、指定位置にオブジェクトがあるか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305の判定は、上述したステップS103の判定と対応し、判定基準はステップS103の判定基準と実質的に同一である。
指定位置にオブジェクトがある場合(ステップS305;YES)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS310)、ステップS301の判定に戻る。例えば、編集領域120内に既に生成されているテキストボックスに設定されたオブジェクト選択範囲内の位置を指定する入力操作が行われた場合、制御部21は、ステップS305において、指定位置にオブジェクトがあると判定する。この場合、制御部21は、ステップS310において、例えば、指定位置にあるテキストボックスが選択されている状態(文字入力が可能な状態)であるか否かを判定し、選択されている状態である場合には指定位置に基づいて入力位置(カーソル位置)を決定し、選択されていない状態である場合には選択された状態(文字入力が可能な状態)に変更する処理をする。
指定位置にオブジェクトが存在しない場合(ステップS305;NO)、制御部21は、次に、指定位置が編集領域120内であるか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306の判定は、上述したステップS104の判定と対応し、判定基準はステップS104の判定基準と実質的に同一である。
指定位置が編集領域120内ではない場合(ステップS306;NO)、制御部21は、入力操作に応じた処理を行い(ステップS310)、ステップS301の判定に戻る。例えば、編集領域120の外側であり、かつオブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合、制御部21は、ステップS306において、指定位置が編集領域120内ではないと判定する。この場合、制御部21は、ステップS310において、例えば、選択中のオブジェクトがある場合には選択を解除する処理を行い、選択中のオブジェクトがない場合には何も行わない。
指定位置が編集領域120内である場合(ステップS306;YES)、制御部21は、次に、ラベル領域130の向きが横向きと縦向きのどちらであるかを判定する(ステップS307)。ラベル領域130の向きが横向きの場合(ステップS307;横)、制御部21は、指定位置に基づいて編集領域120内に横書き用テキストボックスを生成し(ステップS308)、ステップS301の判定に戻る。ラベル領域130の向きが縦向きの場合(ステップS307;縦)、制御部21は、指定位置に基づいて編集領域120内に縦書き用テキストボックスを生成し(ステップS309)、ステップS301の判定に戻る。
このように、図10に例示した処理を実行する情報処理装置1では、編集領域120内であって、オブジェクトがない位置を指定する操作を行ったときに、ラベル領域130が横向きであれば横書きのテキストボックスを生成し、縦向きであれば縦書きのテキストボックスを生成する。
ラベル領域130が横向きである場合、例えば、図5及び図6等に示したように、ラベル領域130は、縦の寸法(ラベル幅)よりも横の寸法(ラベル長さ)のほうが大きくなることが多い。このような横向きのラベル領域130を見ながら被印刷媒体15に印刷する文字を入力する場合、入力した文字を搬送方向(左右方向)に沿った横書きにすることが多い。このため、ラベル領域130が横向きの場合には横書き用テキストボックスを生成することにより、横書き用と縦書き用のいずれか一方のテキストボックスの生成を選択可能な場合に、効率よく横書き用テキストボックスを生成することができる。
また、ラベル領域130が縦向きである場合、例えば、図9に例示したように、ラベル領域130は、横の寸法(ラベル幅)よりも縦の寸法(ラベル長さ)のほうが大きくなることが多い。このような縦向きのラベル領域130を見ながら被印刷媒体15に印刷する文字を入力する場合、入力した文字を搬送方向(上下方向)に沿った縦書きにすることが多い。このため、ラベル領域130が縦向きの場合には縦書き用テキストボックスを生成することにより、横書き用と縦書き用のいずれか一方のテキストボックスの生成を選択可能な場合に、効率よく縦書き用テキストボックスを生成することができる。
なお、図9に例示した処理は、横書き用テキストボックスの生成と縦書き用テキストボックスの生成とを選択可能な場合の処理の一例に過ぎない。横書き用と縦書き用とを選択可能な場合、ステップS307において、ラベル領域130の向きの代わりに、前回生成したテキストボックスが横書き用と縦書き用のどちらであったかを判定してもよい。このような判定を適用した場合、例えば、ラベル領域130が縦向きであり、かつラベル幅が広い場合に、ラベル幅方向に沿った横書き用テキストボックスを生成するための操作を簡略化することができる。また、ステップS307では、例えば、入力操作により指定された位置がラベル領域130(印刷領域133)を通る基準線に対してどちらの方向であるかに基づいて、生成するテキストボックスを横書き用と縦書き用のどちらにするかを判定してもよい。
図11は、ラベル領域が横向きの場合に生成するテキストボックスを横書きにする例を説明する図である。図12は、ラベル領域が横向きの場合に生成するテキストボックスを縦書きにする例を説明する図である。図11の(a)及び(b)、並びに図12の(a)及び(b)に示した部分領域120aは、それぞれ、図5の(b)に例示した編集領域120内の部分領域120aと対応する。図11の(a)及び図12の(a)に示した「下流」及び「上流」は、ラベル領域130内における2点間の搬送方向での相対的な位置関係を表す。
図11の(a)には、横向きのラベル領域130が示されている。このラベル領域130は、左右方向(被印刷媒体15の搬送方向)における左端が始端131であり、右端が終端132である。被印刷媒体15への印刷は、左端の始端131から右端の終端132に向かって進む。また、図11の(a)には、ラベル領域130における左右方向の中心位置を通る中心線C(基準線)を示しており、中心線Cの下流側にポインタ150が表示されている。
横向きのラベル領域130にテキストボックスを生成して文字を入力するために中心線Cよりも下流側の位置を指定する場合、入力した文字を、印刷領域133内に横書きで表示(印刷)することが一般的である。このため、ラベル領域130の左右方向の中心位置を通る中心線Cよりも下流側にポインタ150が表示された状態でマウスを左クリックした場合、図11の(b)に示すように、ポインタ150が指し示す位置に基づいて、横書き用テキストボックス160を生成する。
図12の(a)には、横向きのラベル領域130が示されている。このラベル領域130は、左右方向(被印刷媒体15の搬送方向)における左端が始端131であり、右端が終端132である。被印刷媒体15への印刷は、左端の始端131から右端の終端132に向かって進む。また、図12の(a)には、ラベル領域130における左右方向の中心位置を通る中心線Cを示しており、中心線Cの上流側にポインタ150が表示されている。
横向きのラベル領域130にテキストボックスを生成して文字を入力するために中心線Cよりも上流側の位置を指定した場合、入力された文字を指定位置から右方向に横書きで表示していくと、数文字入力した段階で印刷領域133からはみ出してしまう。このため、テキストボックスを生成するために中心線Cよりも上流側の位置を指定する場合、入力した文字を、印刷領域133内に縦書きで、終端132から始端131に向かう方向に表示(印刷)することによって、入力した文字を印刷領域133に収めることができる。従って、ラベル領域130の左右方向の中心位置を通る中心線Cよりも上流側にポインタ150が表示された状態でマウスを左クリックした場合、図12の(b)に示すように、ポインタ150が指し示す位置に基づいて、縦書き用テキストボックス163を生成する。
このように、ラベル領域130が横向きである場合には、テキストボックスを生成するために指定した位置がラベル領域130における左右方向の中心位置を通る中心線Cの下流側と上流側とのどちらであるかに基づいて、生成するテキストボックスを横書き用と縦書き用のどちらにするかを判定する。これにより、横書き用と縦書き用のいずれか一方のテキストボックスの生成を選択(指定)するための操作を簡略化することができる。
図13は、ラベル領域が縦向きの場合に生成するテキストボックスを縦書きにする例を説明する図である。図14は、ラベル領域が縦向きの場合に生成するテキストボックスを横書きにする例を説明する図である。図13の(a)及び(b)、並びに図14の(a)及び(b)に示した領域120bは、それぞれ、図9の(a)に例示した編集領域120内の、ラベル領域130を含む部分領域である。
図13の(a)には、縦向きのラベル領域130が示されている。このラベル領域130は、上下方向(被印刷媒体15の搬送方向)における上端が始端131であり、下端が終端132である。被印刷媒体15への印刷は、上端の始端131から下端の終端132に向かって進む。また、図12の(a)には、ラベル領域130における左右方向(ラベル幅方向)の中心位置を通る中心線Cを示しており、中心線Cの右方にポインタ150が表示されている。
縦向きのラベル領域130にテキストボックスを生成して文字を入力するために中心線Cよりも右方の位置を指定する場合、入力した文字を、印刷領域133内で縦書きに、右から左に向かって表示(印刷)していくことによって、入力した文字を印刷領域133に収めることができる。このため、縦向きのラベル領域130の左右方向の中心位置を通る中心線Cよりも右方にポインタ150が表示された状態でマウスを左クリックした場合、図13の(b)に示すように、ポインタ150が指し示す位置に基づいて、縦書き用テキストボックス163を生成する。
図14の(a)には、縦向きのラベル領域130が示されている。このラベル領域130は、上下方向(被印刷媒体15の搬送方向)における上端が始端131であり、下端が終端132である。被印刷媒体15への印刷は、上端の始端131から下端の終端132に向かって進む。また、図14の(a)には、ラベル領域130における左右方向(ラベル幅方向)の中心位置を通る中心線Cを示しており、中心線Cの左方にポインタ150が表示されている。
縦向きのラベル領域130にテキストボックスを生成して文字を入力するために中心線Cよりも左方の位置を指定した場合、入力された文字を指定位置から縦書きで、左に向かって表示していくと、数文字入力した段階で印刷領域133からはみ出してしまう。このため、テキストボックスを生成するために中心線Cよりも左方の位置を指定する場合、入力した文字を、印刷領域133内に横書きで、始端131から終端132に向かう方向に表示(印刷)していくことによって、入力した文字を印刷領域133に収めることができる。従って、縦向きのラベル領域130の左右方向の中心位置を通る中心線Cよりも左方にポインタ150が表示された状態でマウスを左クリックした場合、図14の(b)に示すように、ポインタ150が指し示す位置に基づいて、横書き用テキストボックス160を生成する。
このように、ラベル領域130が縦向きである場合には、テキストボックスを生成するために指定した位置がラベル領域130における左右方向(ラベル幅方向)の中心位置を通る中心線Cの右方と左方とのどちらであるかに基づいて、生成するテキストボックスを縦書き用と横書き用のどちらにするかを判定する。これにより、縦書き用と横書き用のいずれか一方のテキストボックスの生成を選択(指定)するための操作を簡略化することができる。
なお、編集領域120に表示されたラベル領域130の左右方向の中心線の左方と右方のどちらの位置が指定されたかに基づいて生成するテキストボックスを横書き用と縦書き用のどちらにするかを判定する場合、指定する位置が印刷領域133外であってもよい。また、テキストボックスを生成するために指定する位置が印刷領域133の内部と外部のどちらであるかに基づいて、テキストボックスを生成する際の始点の位置を変更してもよい。
図15は、ラベル領域の向きと指定位置とテキストボックスの生成方法との対応関係の一例を説明する図である。
ラベル領域130が横向きの場合、図15に例示したように、テキストボックスを生成するために指定する位置は、基準線(中心線C)よりも左方かつ印刷領域133内、基準線よりも左方かつ印刷領域133外、基準線よりも右方かつ印刷領域133内、及び基準線よりも右方かつ印刷領域133外の4通りに分けられる。なお、基準線(中心線C)上かつ印刷領域133内は、基準線よりも左方かつ印刷領域133内、または基準線よりも右方かつ印刷領域133内のどちらかに含める。また、基準線(中心線C)上かつ印刷領域133外は、基準線よりも左方かつ印刷領域133外、または基準線よりも右方かつ印刷領域133外のどちらかに含める。
図面を参照して上述したテキストボックスの生成方法では、テキストボックスを生成するために指定する位置が印刷領域133内であり、かつ指定された位置を始点とするテキストボックスを生成する例を挙げているが、テキストボックスを生成するために指定する位置は、図15に例示したように、印刷領域133外であってもよい。しかしながら、印刷領域133外の位置を指定した場合に、その位置にテキストボックスを生成すると、テキストボックスに入力された文字の一部が印刷領域133外に表示(レイアウト)されるため、テキストボックスの位置を変更する操作を行う必要がある。
このようなテキストボックスの位置を変更する操作を行う手間を省くために、図15に例示したように、指定した位置が印刷領域133内である場合には指定した位置を始点とするテキストボックスを生成し、指定位置が印刷領域133外である場合には、印刷領域133内の所定の位置を始点とするテキストボックスを生成してもよい。例えば、基準線よりも左方かつ印刷領域133外の位置を指定した場合、印刷領域133の左上角部を始点とする横書き用テキストボックスを生成することにより、テキストボックスに入力された文字の表示開始位置が印刷領域133内になる。また、例えば、基準線よりも右方かつ印刷領域133外の位置を指定した場合、印刷領域133の右上角部を始点とする縦書き用テキストボックスを生成することにより、テキストボックスに入力された文字の表示開始位置が印刷領域133内になる。このため、生成したテキストボックスに入力された文字が印刷領域133外にはみ出すことによりテキストボックスの位置を変更するための付加的な操作が生じることを抑制することができる。
また、詳細な説明は省略するが、ラベル領域130が縦向きの場合も、テキストボックスを生成するための入力操作で印刷領域133外の位置が指定された場合、印刷領域133内の左上角部又は右上角部を始点とするテキストボックスを生成する。これにより、生成したテキストボックスに入力された文字が印刷領域133外にはみ出すことによりテキストボックスの位置を変更するための付加的な操作が生じることを抑制することができる。
また、図7及び図8を参照して上述したように、画面内の選択範囲を指定してテキストボックスを生成する場合、例えば、選択範囲を指定する操作において始点に指定された位置から終点に指定された位置に向かう方向に基づいて、テキストボックスの文字列の方向(横書き又は縦書き)を設定してもよい。
図16は、選択範囲の指定方法とテキストボックスの生成方法との対応関係の一例を説明する図である。図17は、選択範囲の指定方法とテキストボックスの生成方法との対応関係の別の例を説明する図である。
被印刷媒体15に横書きの文字列を印刷する場合、その文字列は、入力順に左から右に向かって配列されるのが一般的である。一方、被印刷媒体15に縦書きの文字列を印刷する場合、その文字列は、入力順に右から左に向かって配列されるのが一般的である。このため、例えば、図7に例示した処理を実行する情報処理装置1においてステップS205でテキストボックスを生成する際には、図16に例示したような選択範囲の始点から終点に向かう方向に応じて、横書きと縦書きのどちらにするかを判定してもよい。図16における選択範囲の始点及び終点は、それぞれ、選択範囲を指定する操作において選択範囲の始点に指定された位置及び終点に指定された位置である。このように横書き及び縦書きの文字配列の傾向に基づいてテキストボックスを生成する範囲を指定することにより、印刷領域133に対する指定範囲の相対的な位置関係によらず、横書き又は縦書きの所望のテキストボックスを容易に生成することができる。
更に、テキストボックスを生成する範囲を指定する入力操作を行う場合、横書きの文字配列及び縦書きの文字配列についてのより具体的な傾向に基づいて、文字列の方向(横書き又は縦書き)と、文字列の回転角度(正立(0度)、左90度回転、倒立(180度)、右90度回転)とを設定してもよい。
横書き用テキストボックス内の文字列は、一般的には、左から右に向かって配列され、右端に到達すると、1段(1行)下の左端に移動することが多い。すなわち、横書き用テキストボックスに入力された文字列は、左上から始まり、右下で終了することが多い。このため、画面内の選択範囲を指定して横書き用テキストボックスを生成する場合、図17に示したように、選択範囲の始点から終点に向かう方向と、横書き用テキストボックスにおける始点位置(左上)から終点位置(右下)に向かう方向とが一致するように文字列を回転させたテキストボックスを生成してもよい。図17における選択範囲の始点及び終点は、それぞれ、選択範囲を指定する操作において選択範囲の始点に指定された位置及び終点に指定された位置である。このようにすることで、文字列が正立する横書き用テキストボックスを生成した後に行うテキストボックスを回転させる入力操作を省略することができる。
また、縦書き用テキストボックス内の文字列は、一般的には、上から下に向かって配列され、下端に到達すると、1列左の上端に移動することが多い。すなわち、縦書きのテキストボックスに入力された文字列は、右上から始まり、左下で終了することが多い。このため、画面内の選択範囲を指定して縦書き用テキストボックスを生成する場合、図17に示したように、範囲指定操作における始点から終点に向かう方向と、縦書き用テキストボックスにおける始点位置(右上)から終点位置(左下)に向かう方向とが一致するように文字列を回転させたテキストボックスを生成してもよい。このようにすることで、文字列が正立する縦書き用テキストボックスを生成した後に行うテキストボックスを回転させる入力操作を省略することができる。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎない。すなわち、本発明に係る印刷データ作成方法、情報処理装置、及びプログラム等は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、様々な変形、変更が可能である。
例えば、上述したようなテキストボックスの生成を選択するボタン領域111、112に対する操作を省略してテキストボックスを生成する場合の生成位置を指定する入力操作と、テキストボックスを生成する位置、文字列の方向(横書き又は縦書き)、及び文字列の回転角度等との関係は、情報処理装置1(アプリケーション2)の利用者が設定・変更可能であってもよい。例えば、ラベル領域130が横向きであって、テキストボックスの生成を選択するボタン領域111、112を押す入力操作が行われていない状態で編集領域120内の位置を指定する操作が行われた場合の処理を、図5を参照して上述したような基準線(中心線C)と指定位置との位置関係によらず常に横書き用テキストボックスを生成する処理と、図11及び図12を参照して上述したような基準線(中心線C)と指定位置との位置関係に応じて横書き用及び縦書き用のいずれか一方のテキストボックスを生成する処理とのどちらにするかを、情報処理装置1の利用者が設定可能(選択可能)であってもよい。
また、図11~図15を参照して上述したような、横書き用及び横書き用のいずれか一方のテキストボックスを生成する判定と関連付けられる基準線は、印刷領域133の左右方向の中心位置を通る中心線Cに限らず、適宜変更可能である。基準線は、例えば、印刷領域133の左端と右端との間の任意の中間位置(例えば、左端からの距離と右端からの距離との比が6:4になる位置等)を通る線であってもよい。
また、上述した実施形態では、図1及び図2に例示したように情報処理装置1が印刷装置10とは別個の装置としているが、これに限らず、例えば、印刷装置10がタッチパネルディスプレイを備え、タッチパネルディスプレイに表示された編集画面100に対する入力操作を行って被印刷媒体15に印刷する文字や図形等を編集することが可能である場合には、その印刷装置10のコンピュータが実行するアプリケーションに上述したテキストボックスの生成処理を適用してもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
コンピュータが、
被印刷媒体への印刷イメージを編集可能な編集画面を表示部に表示し、
前記表示部に表示された編集領域内の位置を指定する入力操作が行われていない状態で、前記編集領域のうち、前記印刷イメージへの編集のための編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合に、指定された前記位置に応じて、前記印刷イメージ内にテキストボックスを生成する、
処理を実行することを特徴とする印刷データ作成方法。
[付記2]
前記コンピュータが、前記編集画面に含まれる前記テキストボックスの生成を選択するためのボタン領域内の位置を指定する入力操作が行われたか否かによらず、前記編集領域のうち、前記編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合に、指定された前記位置に前記テキストボックスを生成する
処理を実行することを特徴とする付記1に記載の印刷データ作成方法。
[付記3]
前記コンピュータが、前記編集領域のうち、前記編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合に、前記編集領域内の前記印刷イメージに対応した前記被印刷媒体が、印刷装置によって搬送される方向に基づいて、横書き用テキストボックスと縦書き用テキストボックスとのいずれか一方を生成するかを判定する、
処理を実行することを特徴とする付記1又は2に記載の印刷データ作成方法。
[付記4]
前記コンピュータが、前記編集領域のうち、前記編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合に、指定された前記位置と前記印刷イメージ内の印刷領域との位置関係に基づいて、テキストボックスを生成する位置を指定する、
処理を実行することを特徴とする付記1又は2に記載の印刷データ作成方法。
[付記5]
前記コンピュータが、指定された前記位置と、前記印刷イメージ内の印刷領域における左右方向の中間位置を通る基準線と、の位置関係に基づいて、横書き用テキストボックスと縦書き用テキストボックスとのいずれか一方を生成するかを判定する、
処理を実行することを特徴とする付記4に記載の印刷データ作成方法。
[付記6]
前記コンピュータが、指定された前記位置が前記印刷イメージ内の印刷領域よりも外側である場合、前記テキストボックスを生成する位置を、指定された前記位置に近い前記印刷領域内の位置に変更する、
処理を実行することを特徴とする付記4又は5に記載の印刷データ作成方法。
[付記7]
前記編集領域のうち、前記編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作は、選択範囲を示す始点位置と終点位置を指定する入力操作を含み、
前記コンピュータが、前記選択範囲を示す始点位置と終点位置を指定する前記入力操作が行われた場合、指定された前記選択範囲と対応するテキストボックスを生成する、
処理を実行することを特徴とする付記1~6のいずれか1つに記載の印刷データ作成方法。
[付記8]
前記コンピュータが、前記選択範囲を示す始点位置と終点位置を指定する前記入力操作が行われた場合、前記編集領域内における前記始点位置から前記終点位置に向かう方向に基づいて、横書き用テキストボックスと縦書き用テキストボックスとのいずれか一方を生成するかを判定する、
処理を実行することを特徴とする付記7に記載の印刷データ作成方法。
[付記9]
前記コンピュータが、前記編集領域内においてける前記選択範囲を示す始点位置から終点位置に向かう方向に基づいて、生成するテキストボックスに入力される入力情報の回転角度を判定する、
処理を更に実行することを特徴とする付記8に記載の印刷データ作成方法。
[付記10]
前記編集オブジェクトは、既に生成されているテキストボックスを含む、
ことを特徴とする付記1~9のいずれか1つに記載の印刷データ作成方法。
[付記11]
前記コンピュータが、前記編集画面上で編集された前記印刷イメージを、前記被印刷媒体への印刷を行う印刷装置に送信する、
処理を更に実行することを特徴とする付記1~10のいずれか1つに記載の印刷データ作成方法。
[付記12]
被印刷媒体への印刷イメージを編集可能な編集画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示された編集領域内の位置を指定する入力操作が行われていない状態で、前記編集領域のうち、前記印刷イメージへの編集のための編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合に、指定された前記位置に応じて、前記印刷イメージ内にテキストボックスを生成する制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記13]
被印刷媒体への印刷イメージを編集可能な編集画面を表示部に表示し、
前記表示部に表示された編集領域内の位置を指定する入力操作が行われていない状態で、前記編集領域のうち、前記印刷イメージへの編集のための編集オブジェクトが存在しない位置を指定する入力操作が行われた場合に、指定された前記位置に応じて、前記印刷イメージ内にテキストボックスを生成する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。