[第1実施例]
図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理装置10はCPU12を含む。CPU12には、バス30を介してRAM14、タッチパネル制御回路16および描画コントローラ18が接続される。また、タッチパネル制御回路16にはタッチパネル20が接続され、描画コントローラ18にはディスプレイ22が接続される。
この第1実施例では、情報処理装置10が電子黒板に適用される場合について説明するが、電子黒板のみならず、タブレット端末、スマートフォン、PCなどの各種の情報機器ないし電子機器に適用され、手書き入力に応じて、手書きの文字、図形、記号等がディスプレイ22に描画(表示)される。
また、この第1実施例では、入力手段の一例として、タッチパネル20が用いられる場合について説明するが、タッチパネル20以外の入力手段として、たとえばコンピュータマウス、タッチパッド、ペンタブレットなどのポインティングデバイスを用いてもよい。また、情報処理装置10には、他の入力手段として、操作パネルのようなハードウェアキーが設けられたり、ハードウェアのキーボードが接続されたりすることがある。
図1に戻って、CPU12は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。RAM14は、CPU12のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
タッチパネル制御回路16は、タッチパネル20に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル20のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU12に出力する。
タッチパネル20は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル20としては、静電容量方式のタッチパネルがディスプレイ22の表示面上に設けられる。
描画コントローラ18は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU12の指示の下、GPUは、RAM14に記憶された手書き入力データ74および画像生成データ80(図7参照)を用いてディスプレイ22に画面(後述するタッチ画面100)を表示するための画面データをVRAMに生成し、生成した画面をディスプレイ22に表示する。ディスプレイ22としては、たとえばLCDやEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
このような構成の情報処理装置10では、手書き入力モードにおいて、ユーザがタッチパネル20を利用して文字、図形、記号など(以下、「文字等」ということがある。)を手書き入力(タッチ入力)すると、タッチパネル制御回路16は、そのタッチ入力を検出してタッチ位置に対応するタッチ座標データをCPU12に出力する。CPU12は、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチ座標データに基づいてディスプレイ22に手書きの文字等を描画(表示)する。つまり、CPU12の指示の下、描画コントローラ18において手書きの文字等がVRAM上に描画され、VRAM上に描画された手書きの文字等を含む画像に対応する画像データがディスプレイ22に出力される。したがって、ユーザが手書きした文字等を含む画像がディスプレイ22に表示される。以下、この明細書においては、ユーザが文字を手書きすることを前提とし、手書き文字を含む画像を「手書き画像」と呼ぶことにする。
たとえば、手書き入力モードでは、図2に示すような画面(タッチ画面)100がディスプレイ22に表示される。タッチ画面100の左端部には、それぞれ所定の機能を発揮するボタン(機能ボタン)や描画の属性を設定するためのボタン(属性ボタン)を含むツールバー102が表示される。
また、タッチ画面100の中央下端部には、ボタン104aおよびボタン104bが表示される。ボタン104aは、頁送りのために設けられるボタン(アイコン)である。ボタン104bは頁戻しのために設けられるボタン(アイコン)である。
たとえば、ユーザは、専用のペン120でタッチパネル20を操作する。ただし、ユーザは、手指で操作することもできる。タッチパネル20を用いた操作(入力)としては、タップ(短押し)、スライド(ドラッグ)、フリック、ロングタッチ(長押し)などがあり、この第1実施例では、これらを「タッチ入力」または単に「入力」のように総称する。また、タッチパネル20をタッチしていない状態からタッチしている状態に変化することをタッチオン(ペンダウン)と言い、タッチパネル20をタッチしている状態からタッチしていない状態に変化することをタッチオフ(ペンアップ)と言う。継続的なタッチ入力つまりスライドやフリックによる入力に対しては、タッチパネル20は、現在のタッチ位置に対応するタッチ座標データを所定周期よりも短い周期で出力する。たとえば、所定周期は、1〜数フレームであり、1フレームは1/30秒または1/60秒である。
このような情報処理装置10では、タッチ画面100に描画した手書き画像の一部または全部をコピー(複製)またはカット(切り取り)して、別の頁(たとえば、新しい頁)にペーストする(貼り付ける)という使用方法が想定される。
たとえば、学校や塾の教室などにおいて情報処理装置10の一例である電子黒板を利用して授業の内容を板書する場合、ユーザ(教師等)は、タッチパネル20のタッチ画面100に表示された頁に、板書をしながら授業ないし講義を進める。この場合、同じ頁にテーマや項目の異なる情報を板書することがあり、異なる情報を別々の頁に分けたいことがあり、また、先に板書した内容を使用してさらに授業を進めるときに、一部の情報を別の頁に抜き出したいこともある。このような場合に、上記の使用方法が想定される。
なお、会議において議事録を作成する場合にも同様に、異なる情報を別々の頁に分けたいことや一部の情報を別の頁に抜き出したいことがあり、上記の使用方法が想定される。
この場合、従来の電子黒板では、最初のステップで、ユーザは、範囲選択ボタンを押下して範囲選択ツールを選択し、タッチ画面100に描画された手書き画像から所望の範囲の画像を選択する。次に、第2のステップで、ユーザは、コピーボタン(切り取りボタン)を押下してコピー(またはカット)ツールを選択し、先に選択した範囲の画像(以下、「選択画像」という)をコピーする(切り取る)。続いて、第3のステップで、新規頁作成ボタンを押下して新規頁を作成(追加)する。さらに、第4のステップで、作成した新規頁に移動する。そして、第5のステップで、新規頁にコピー(またはカット)した選択画像を貼り付ける。
ただし、第3のステップは、最初のステップまたは第2のステップの前に実行されてもよい。
このように、従来の電子黒板では、上記のような使用方法を実施する場合にユーザの手数が多いため、改善の余地がある。
そこで、この第1実施例では、ユーザに煩わしい操作をさせることなく、表示面に描画された手書き画像の一部又は全部を新しい頁に簡単に貼付けるようにしてある。
簡単に説明すると、この第1実施例では、タッチ画面100に描画された手書き画像から、ユーザが選択した一部または全部の画像(選択画像)をタッチ画面100に表示された現行頁とは異なる新しい頁に貼り付ける機能(以下、「新規貼り付け機能」と呼ぶことがある)を有するボタンが設けられる。ただし、新しい頁とは、手書き画像が描画されていない頁を意味し、新規に追加された頁(新規頁)も含まれる。
図3(A)は、手書き入力モードで手書きを開始する前にディスプレイ22の表示面(表示領域)に表示されたタッチ画面100の一例である。つまり、描画アプリケーションを実行し、手書き入力モードを開始した当初のタッチ画面100である。このタッチ画面100(ディスプレイ22の表示領域)の左端部には、上述したようなツールバー102が表示される。また、タッチ画面100(ディスプレイ22の表示領域)の下端部の中央に、ボタン104aおよびボタン104bが表示される。さらに、ボタン104aとボタン104bの間には、頁番号(ここでは、1/4)が表示される。
この第1実施例では、描画コントローラ18に設けられたVRAM上の一頁の大きさは、ディスプレイ22の表示領域の大きさと同じに設定され、予め複数頁(たとえば、4頁分)の領域がVRAM上に設けられている。描画アプリケーションが実行された当初においては、そのうちの最初の頁がディスプレイ22に表示される。ただし、保存ファイル(セーブデータ)を開いた場合には、セーブしたときの頁がディスプレイ22に表示される。
図3(A)に示すようなタッチ画面100において、ユーザは、ペン120を用いて文字、図形または記号を手書き(板書)する。
また、図3(B)に示すように、ツールバー102は、複数のボタン102a、102b、102c、102d、102e、102f、…を含み、それぞれ、独立して押下(タッチオン)できるように構成されている。具体的には、ボタン102aは、所定の線色又は線種を選択するためのボタンである。ボタン102bは、ボタン102aとは異なる線色又は線種を選択するためのボタンである。ボタン102cは、タッチ画面100(ディスプレイ22の表示領域)内の所望の範囲を指定する機能を選択するためのボタンである。ボタン102dは、タッチ画面100(ディスプレイ22の表示領域)内に描画された手書き画像を選択(指示)する機能を選択するためのボタンである。ボタン102eは、消しゴム機能を選択するためのボタンである。ボタン102fは、タッチ画面100(ディスプレイ22の表示領域)内に描画された手書き画像のうち、選択された一部または全部の手書き画像を、新しい頁に貼り付ける機能を選択するためのボタン(新規貼り付けボタン)である。
また、図示は省略するが、タッチ画面100には、他の線種、他の線色、線幅を選択するためのボタンや上記以外のツール(切り取り、移動など)や機能(新規頁を開く、保存、削除、取り消し、一つ前に戻すなど)を選択するためのボタンなども設けられる。
たとえば、図4に示すタッチ画面100では、それぞれテーマや項目の異なる5種類の情報に関する手書き画像110a〜110eが描画されている。ただし、図4では、同一の図形および記号(丸、三角、バツ、四角および星)の集合を表示することにより、テーマや項目が同じである一まとまりの情報を表現してあるが、実際には、文字、図形または記号が手書きされる。以下、同じである。
ここで、図5(A)に示すように、ボタン102fがタップ(押下)されると、新規貼り付け機能が選択される。次に、図5(B)に示すように、ペン120で手書き画像110aの全体を囲むように、範囲が指定される。この実施例では、ユーザがペン120でタッチオンすると、指定する範囲の第1基準位置(この実施例では、四角枠の一つの頂点)が決定される。ユーザが、タッチオンに続いて、斜め方向にドラッグすると、ドラッグに従って範囲を指定するための枠(図5(B)では、点線の四角枠)が表示される。つまり、第1基準位置と現在のタッチ位置とを対角とする四角枠が表示される。そして、ユーザがタッチオフすると、指定する範囲の第2基準位置が決定される。第2基準位置は、第1基準位置に対角に位置する頂点である。したがって、第1基準位置と第2基準位置によって決定される四角枠が指定する範囲(指定範囲)として決定される。
すると、指定範囲に含まれる手書き画像(ここでは、手書き画像110a)を新しい頁に貼り付けることが選択される。以下、第1実施例では、指定範囲に含まれる手書き画像を選択画像と呼ぶことにする。また、第1実施例では、選択画像の複製が新しい頁に貼り付けられる。ただし、選択画像を切り取って新しい頁に貼り付けるようにしてもよい。また、新しい頁に貼り付けられる選択画像は、複製元の選択画像と同じサイズ(等倍)であるが、所定の倍率でサイズを変更(拡大または縮小)するもようにしてもよい。所定の倍率は予め設定してもよいし、貼り付け時に設定してもよい。
図6(A)に示すように、選択画像は、新しい頁の中央に貼り付けられる。ただし、これは一例であり、貼り付け位置は任意に設定することができる。図6(A)には、予め用意されている4つの頁のうちの二頁目に選択画像が貼り付けられた場合のタッチ画面100の例が示される。ユーザは、二頁目であることを、ボタン104aとボタン104bの間に表示された頁番号(ここでは、2/4)から知ることができる。
ここで、第1実施例の情報処理装置10では、選択画像は、新しい頁のうち、最も頁番号の若い頁に貼り付けられる。したがって、図4に示した一頁目に戻って、新規貼り付け機能を選択し、手書き画像110bについて、上記と同様のタッチ入力を行うと、図6(B)に示すように、手書き画像110bの複製が三頁目に貼り付けられる。ただし、三頁目に手書き画像が描画されていないことが前提である。また、手書き画像が描画されている頁であれば、任意の頁に描画された手書き画像を選択して、選択画像を新しい頁に貼り付けることができる。
同様に、手書き画像が描画されていない場合には、四頁目にも一頁目(二頁目または三頁目でも可能)に描画された手書き画像(110a−110e)の複製を貼り付けることができる。
ただし、選択画像を貼り付けるための新しい頁が存在しない場合には、情報処理装置10は、新規頁を追加して、追加した新規頁に選択画像を追加するようにしてある。
情報処理装置10の上記のような動作は、CPU12がRAM14に記憶された情報処理プログラムを実行することにより実現される。この第1実施例では、情報処理プログラムの一例として、手書き文字を描画したり保存したりする描画アプリケーションについてのプログラム(手書き制御処理プログラム)が実行される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
図7は図1に示したRAM14のメモリマップ40を示す。図7に示すように、RAM14は、プログラム記憶領域50およびデータ記憶領域70を含む。プログラム記憶領域50には、手書き制御処理プログラムが記憶される。手書き制御処理プログラムは、入力検出プログラム52、描画プログラム54、表示プログラム56、範囲指定プログラム58、新規貼り付けプログラム60および保存プログラム62を含む。
入力検出プログラム52は、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチパネル20におけるタッチ入力の位置を示すタッチ座標データを取得し、データ記憶領域70に時系列に従って記憶するためのプログラムである。ただし、入力検出プログラム52は、情報処理装置10に接続されたハードウェアのキーボードや情報処理装置10に設けられたハードウェアの操作パネルないし操作ボタンからの入力を検出するためのプログラムでもある。
描画プログラム54は、入力検出プログラム52に従って検出されたタッチ座標データが示す手書き画像を描画するためのプログラムである。具体的には、描画プログラム54が実行されると、CPU12の指示の下、描画コントローラ18において、GPUが手書き画像をVRAMに描画する。つまり、手書き画像に対応する画像データが生成される。表示プログラム56は、描画プログラム54に従って生成された画面データをディスプレイ22に出力するためのプログラムである。したがって、手書き画像がディスプレイ22の表示面に表示される。
範囲指定プログラム58は、ユーザのタッチ入力に従ってディスプレイ22の表示領域における範囲を指定するためのプログラムである。この第1実施例では、タッチオンの位置とタッチオフの位置に基づいて決定される四角枠の範囲が指定範囲である。
新規貼り付けプログラム60は、選択画像を新しい頁に貼り付けるためのプログラムである。具体的には、新規貼り付けプログラム60は、範囲指定プログラム58に従って指定された指定範囲に含まれる手書き画像に対応する画像データ(タッチ位置データ)をコピーし、コピーしたタッチ位置データを、新しい頁のうち最も頁番号が若い頁のタッチ位置データとして貼り付ける。ただし、新しい頁が存在しない場合には、新規貼り付けプログラム60は、新規頁を追加する。
保存プログラム62は、保存ボタン(図示せず)がタッチオンされることにより、頁毎の手書き画像に対応する画像データを1つの画像ファイルとして、情報処理装置10の内部メモリや情報処理装置10に着脱可能な外部メモリのような不揮発性メモリに保存(上書き)するためのプログラムである。ただし、不揮発性メモリとしては、HDD、SDカードまたはフラッシュメモリのようなメモリカード、CDまたはDVDなどのディスク記憶媒体などを用いることができる。また、最初に画像データを保存する場合には、自動的に、または、ユーザによって、ファイル名が付けられる。
なお、図示は省略するが、手書き制御処理プログラムには、各種の機能を選択および実行するためのプログラムや描画属性を設定および変更するためのプログラムなども記憶される。
データ記憶領域70には、タッチ座標データ72、手書き入力データ74、枠データ76および画像生成データ80などが記憶される。
タッチ座標データ72は、入力検出プログラム52に従って検出(取得)された現在の(現フレームにおける)タッチ座標データである。手書き入力データ74は、頁毎に、手書き画像についてのタッチ座標データを時系列に従って記憶したデータである。したがって、新規頁が追加されると、手書き入力データ74に含まれる頁も追加される。
なお、入力検出プログラム52に従って検出(取得)されたタッチ座標データのうち、手書き画像についてのタッチ座標データ以外のタッチ座標データは、CPU12の処理に使用された後、消去される。つまり、タッチ画面100に表示されたツールバー102、104a、104bが押されたことを判断された後、削除される。
枠データ76は、指定範囲を示す枠(四角枠)の位置および範囲を既定するためのデータである。この第1実施例では、枠データ76は、指定範囲を指定した際のタッチオンの位置とタッチオフの位置を示すタッチ座標データで構成される。選択画像データ78は、枠データ76が示す指定範囲に含まれる手書き画像の画像データ(タッチ座標データ)であり、この実施例では、手書き入力データ74からコピーされ、記憶される。画像生成データ80は、タッチ画面100のような各種の画面についての画面データを生成するためのポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータである。
なお、データ記憶領域には、手書き制御処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、手書き制御処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
図8および図9は図1に示したCPU12の手書き制御処理を示すフロー図である。たとえば、描画アプリケーションが起動され、ユーザの指示によって、またはデフォルトの設定によって、手書き入力モードが選択される。すると、図8および図9に示すように、CPU12は、手書き制御処理を開始し、ステップS1で、初期処理を実行する。初期処理では、データ記憶領域70のタッチ座標データ72を消去したり、画像生成データ80を不揮発性のメモリから読み出したりした上で、初期のタッチ画面100をディスプレイ22の表示面に表示する。つまり、CPU12の指示の下、描画コントローラ18によって、図3(A)に示したような初期のタッチ画面100がディスプレイ22の表示面に表示される。
次に、ステップS3では、タッチ入力があるかどうかを判断する。つまり、CPU12は、現在のタッチ座標データ72が記憶されているかどうか、つまり、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチパネル20におけるタッチ入力の位置を示すタッチ座標データを取得したかどうかを判断する。以下、タッチ入力があるかどうかを判断する場合について同様である。
ステップS3で“NO”であれば、つまり、タッチ入力が無ければ、同じステップS3に戻り、タッチ入力が有るのを待機する。一方、ステップS3で“YES”であれば、つまりタッチ入力が有れば、ステップS5で、新規貼り付けボタンが押されたかどうかを判断する。つまり、CPU12は、新規貼り付け機能が選択されたかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、取得したタッチ座標データが示すタッチ位置がボタン102fの表示領域を指示するかどうかを判断する。以下、ボタン(102a〜102f、104a、104b、…)が押されたかどうかを判断する場合について同様である。
ステップS5で“NO”であれば、つまり新規貼り付けボタンが押されていなければ、ステップS7で、他のボタンが押されたかどうかを判断する。つまり、CPU12は、ボタン102fを除く、ボタン(102a〜102e、104a、104b、…)がオンされたかどうかを判断する。
ステップS7で“YES”であれば、つまり新規貼り付けボタン以外の他のボタンが押されれば、ステップS9で、押された他のボタンに割り当てられた処理を実行して、ステップS3に戻る。たとえば、ステップS9では、CPU12は、押されたボタン(ここでは、102a〜102e、104a、104b、…)に従って線種、線色、線幅を変更したり、ユーザのタッチ入力に従って、手書き画像の消去を実行したり、手書き画像の範囲を指定したりする。
一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり他のボタンが押されていなければ、ボタン(102a〜102f、104a、104b、…)の表示領域以外でタッチ入力されれば、手書きについてのタッチ入力であると判断して、ステップS11で、手書き入力データ74を記憶する。ステップS11では、現在の頁に対応して、タッチ座標データを時系列に従ってデータ記憶領域70に記憶する。そして、ステップS13で、手書き画像を表示して、ステップS3に戻る。ステップS13では、CPU12は、描画コントローラ18は、手書き入力データ74に従って手書き画像の画像データをVRAMに描画し、ディスプレイ22に出力する。したがって、手書き入力中では、タッチ入力に従う複数の点によって線(軌跡)が描画され、一本または複数の線によって文字等が描画される。
また、ステップS5で“YES”であれば、つまり新規貼り付けボタンが押されれば、ステップS15で、範囲の指定があるかどうかを判断する。このステップS15では、CPU12は、ボタン102fがタッチオンされた後に、上記のように、タッチオン、ドラッグおよびタッチオフのタッチ入力が順に行われ、範囲の指定があるかどうかを判断する。
ステップS15で“YES”であれば、つまり範囲指定があれば、ステップS17で、指定範囲内の選択画像をコピー(複製)して、図9に示すステップS19に進む。図示は省略するが、CPU12は、ステップS15において、範囲の指定があると判断したときに、タッチオンの位置およびタッチオフの位置に対応するタッチ座標データを枠データ76としてデータ記憶領域70に記憶する。そして、枠データ76が示す指定範囲に含まれる手書き画像の画像データ(タッチ座標データ)が選択画像の画像データとしてコピーされる。
図9に示すように、ステップS19では、新しい頁があるかどうかを判断する。つまり、CPU12は、手書き画像が描画されていない頁が存在するかどうかを判断する。ステップS19で“YES”であれば、つまり新しい頁があれば、ステップS21で、新しい頁に移動し(切り替え)、ステップS25に進む。ただし、新しい頁が複数ある場合には、CPU12は、頁番号の若い頁に移動する。一方、ステップS19で“NO”であれば、つまり手書き画像が描画されていない頁が無ければ、ステップS23で、新規頁を追加し、追加した新規頁に移動して、ステップS25に進む。ステップS23では、CPU12は、新規頁を既存の最終頁の後に追加する。または、任意の頁番号を指定して新規頁を挿入(追加)するように構成してもよい。ステップ25では、ステップS17においてコピーした選択画像を新しい頁(新規頁)の所定位置(この実施例では、ディスプレイ22の表示領域の中央)に貼り付ける(描画する)。
次のステップS27では、画像ファイルを保存するかどうかを判断する。つまり、CPU12は、保存ボタンが押されたかどうかを判断する。ステップS27で“YES”であれば、つまり保存ボタンが押されれば、ステップS29で、画像ファイルの保存処理を行って、ステップS31に進む。ここでは、CPU12は、上述したように、頁毎の手書き画像の画像データを1つの画像ファイルとして不揮発性メモリに保存する。一方、ステップS27で“NO”であれば、つまり保存ボタンが押されていなければ、そのままステップS31に進む。
ステップS31では、手書き制御処理を終了するかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、ユーザによって、手書き制御処理(描画アプリケーション)の終了が指示されたかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり手書き制御処理の終了指示が無ければ、図8に示したステップS3に戻る。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり手書き制御処理の終了指示が有れば、手書き制御処理を終了する。
この第1実施例によれば、新規貼り付け機能を選択し、所望の範囲を指定するだけで、指定範囲内の選択画像を新しい頁に貼り付けるので、ディスプレイ22に表示された手書き画像の一部又は全部を別の頁に簡単に貼り付けることができる。つまり、ユーザの手数を減らし、情報処理装置10の使い勝手を向上させることができる。
また、第1実施例によれば、選択画像を貼り付けるための新しい頁が存在しない場合には、自動的に新規頁を追加するので、その手間を省くことができる。
なお、この第1実施例では、最初にタッチ画面100に表示される頁を含めて予め4つの頁が用意されるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、最初にタッチ画面100に表示される頁だけが用意されるようにしてもよいし、二頁以上の任意の数の頁が用意されるようにしてもよい。
また、第1実施例では、選択画像を貼り付ける頁は、頁番号が最も若い新しい頁または追加した新規頁に設定したが、新しい頁または新規頁をユーザが選択するようにしてもよい。かかる場合には、新規貼り付け機能が選択され、範囲が指定された後に、または範囲が指定される前に、貼り付ける頁を選択するようにすればよい。
また、第1実施例では、ツールバー102はタッチ画面100の左端部に固定的に表示されるように示したが、ツールバー102はタッチ画面100すなわちディスプレイ22の表示領域の任意の位置に移動可能である。また、ツールバー102は、常に表示される必要はなく、必要なときだけ表示されるようにしてもよい。
[第2実施例]
第2実施例の情報処理装置10は、範囲を指定(選択画像を選択)した後に、新規貼り付け機能を選択するようにした以外は、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
なお、この第2実施例の情報処理装置10では、ユーザが範囲を指定した後に新規貼り付け機能を選択するため、ツールバー102に新規貼り付け機能についてのボタン102fを表示する必要はない。
図10(A)に示すように、第2実施例では、タッチ画面100において、範囲を指定するためのボタン102cが押下されると、範囲指定の機能が選択される。続いて、所望の範囲が指定される。範囲の指定方法については、第1実施例で説明した場合と同じである。範囲が指定されると、図10(B)に示すように、たとえば、タッチ画面100に指定範囲を示す枠(範囲指定枠)130が表示され、この範囲指定枠130の近傍にツールバー106が表示される。
なお、この第2実施例では、範囲指定枠130を表示するようにしてあるが、これに限定される必要はない。範囲が指定されたことに応じて、選択画像を点滅させたり、選択画像の明度を高くしたりして、選択画像を識別可能に表示するようにしてもよい。
ここで、ツールバー106は、選択画像に関して実行可能な機能を選択するためのボタンを含み、第2実施例では、新規貼り付け機能、削除機能、コピー機能、切り取り機能、…、回転機能についてのボタン106a、106b、106c、106d、…、106nが含まれる。したがって、選択画像について、新規貼り付け、削除、コピー、切り取り、…、回転を選択的に実行することができる。
ツールバー106が表示され、ボタン106aが押下されると、新規貼り付け機能が選択される。すると、範囲指定枠130内に含まれる選択画像(ここでは、手書き画像110a)が図6(A)に示したように、新しい頁に貼り付けられる。選択画像を新しい頁に貼り付ける動作および新しい頁が無い場合に新規頁を追加して、この新規頁に選択画像を貼り付ける動作については第1実施例で示した場合と同じである。
なお、ボタン106bが押下されると、選択画像が削除される。また、ボタン106cが押下されると、選択画像がコピーされる。さらに、ボタン106dが押下されると、選択画像が切り取られる。そして、ボタン106nが押下されると、選択画像を任意の角度で回転させることができる。これらについては、本願発明の本質的な内容ではないため、詳細な説明は省略する。
以下、フロー図を用いて、第2実施例におけるCPU12の手書き制御処理について説明するが、第1実施例で示した手書き制御処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図11に示すように、CPU12は、手書き制御処理を開始すると、ステップS1で、初期処理を実行する。次に、ステップS3でタッチ入力があるかどうかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、同じステップS3に戻る。一方、ステップS3で“YES”であれば、ステップS15で、範囲指定があるかどうかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、ステップS7に進む。ステップS7〜S13については、第1実施例で説明したとおりであるので、説明を省略する。
一方、ステップS15で“YES”であれば、ステップS51で、指定された範囲に従って範囲指定枠130を表示し、ステップS53で、タッチ画面100において範囲指定枠130の近傍に、選択画像に関する機能についてのツールバー106を表示する。
続くステップS5では、新規貼り付けボタン(ボタン106a)が押された(タッチオンされた)かどうかを判断する。このステップS5で“NO”であれば、ステップS55で、他のボタンが押されたかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、ボタン106a以外のボタン102a〜102e、104a、104b、106b〜106nが押されたかどうかを判断する。
ステップS55で“NO”であれば、つまり他のボタンが押されていなければ、そのままステップS5に戻る。一方、ステップS55で“YES”であれば、つまり他のボタンが押されれば、ステップS57で、押されたボタンに割り当てられた処理(機能)を実行して、ステップS3の前に戻る。
また、ステップS5で“YES”であれば、ステップS17に進む。なお、ステップS17以降の処理は、第1実施例の手書き制御処理と同じであるため、重複した説明は省略する。
この第2実施例によれば、範囲を指定した後に、新規貼り付け機能を選択するだけなので、第1実施例と同様に、ディスプレイ22に表示された手書き画像の一部又は全部を別の頁に簡単に貼り付けることができる。つまり、ユーザの手数を減らし、情報処理装置10の使い勝手を向上させることができる。
また、第2実施例によれば、ユーザにより指定された範囲を示す範囲指定枠130がタッチ画面100に表示されるので、ユーザが選択した選択画像を確認することができ、所望の手書き画像を確実に別の頁に貼り付けることができる。
なお、この第2実施例では、ツールバー102のボタン102fに代えて、ツールバー106のボタン106aを表示するようにしたが、ツールバー102にボタン102fを残すようにしてもよい。かかる場合には、第1実施例で示したように、範囲指定する前に、新規貼り付け機能を選択したり、範囲指定した後に、新規貼り付け機能を選択したりすることができる。
[第3実施例]
第3実施例の情報処理装置10は、範囲を指定(選択画像を選択)した後に、新規貼り付け機能を選択するようにしており、この新規貼り付け機能の選択方法が異なる以外は、第2実施例の情報処理装置10と同じであるため、異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
この第3実施例の情報処理装置10では、図12(A)に示すように、タッチ画面100(ディスプレイ22の表示領域)の左下に、予め新規貼り付け機能が割り当てられたボタン(アイコン)108が表示される。
たとえば、図12(B)に示すように、タッチ画面100内に描画された手書き画像のうち、指定された範囲に含まれる選択画像がボタン108上に移動されると、つまり選択画像がドラッグ・アンド・ドロップされると、当該選択画像が新しい頁に貼り付けられる。
ただし、範囲の指定(選択画像の選択)、選択画像を新しい頁に貼り付ける動作および新しい頁が無い場合に新規頁を追加して、この新規頁に選択画像を貼り付ける動作については第2実施例で示した場合と同じである。
以下、フロー図を用いて、第3実施例におけるCPU12の手書き制御処理について説明するが、第2実施例で示した手書き制御処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする
図13に示すように、CPU12は、手書き制御処理を開始すると、ステップS1で、初期処理を実行する。次に、ステップS3でタッチ入力があるかどうかを判断する。ここで“NO”であれば、同じステップS3に戻るが、“YES”であれば、ステップS15で、範囲の指定があるかどうかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、ステップS7で、他のボタンが押されたかどうかを判断する。一方、ステップS15で“YES”であれば、ステップS51で、範囲指定枠130を表示する。
続くステップS71では、選択画像のドラッグが開始されたかどうかを判断する。このステップS71で“NO”であれば、つまり選択画像のドラッグが開始されていなければ、そのまま同じステップS71に戻る。一方、ステップS71で“YES”であれb、つまり選択画像のドラッグが開始されれば、ステップS73で、選択画像が新規貼り付けボタン(ボタン108)上でドロップされたかどうかを判断する。
ステップS108で“NO”であれば、つまり選択画像が新規貼り付けボタン(ボタン108)上でドロップされていなければ、ステップS75で、ユーザのタッチ入力(ドラッグ)に選択画像を移動させて、ステップS73に戻る。一方、ステップS73で“YES”であれば、つまり選択画像が新規貼り付けボタン(ボタン108)上でドロップされれば、ステップS17に進む。
なお、ステップS17以降の処理は、第1実施例で示した内容と同じ(第2実施例も同じ)であるため、以降の説明については省略する。
また、図13に示す手書き制御処理では、選択画像が新規貼り付けボタン(ボタン108)上でドロップされることを前提として説明してあるが、選択画像が新規貼り付けボタン(ボタン108)上以外でドロップされた場合には、最初からドラッグを開始してもよいし、範囲の指定からやり直すようにしてもよい。
この第3実施例によれば、範囲指定枠内の選択画像を新規貼り付け機能を割り当てたボタン108上にドラッグ・アンド・ドロップするだけで、この選択画像を新しい頁に貼り付けることができるので、第1実施例および第2実施例と同様に、ディスプレイ22に表示された手書き画像の一部又は全部を別の頁に簡単に貼付けることができる。つまり、ユーザの手数を減らし、情報処理装置10の使い勝手を向上させることができる。
[第4実施例]
第4実施例の情報処理装置10は、選択画像を貼り付ける頁を選択可能にした以外は、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
第4実施例では、図6(A)に示したように、ボタン102fが押下されることにより、新規貼り付け機能が選択され、図6(B)に示したように、範囲が指定(選択画像が選択)されると、図14に示すように、選択画像を貼り付ける頁を選択するためのメニュー(プルダウンメニュー)140がタッチ画面100上に表示される。たとえば、プルダウンメニュー140は、範囲の指定を終了した位置(タッチオフの位置)の近傍に表示される。図14に示すように、プルダウンメニュー140には、現行頁(ここでは、一頁)以外の別の頁(ここでは、二頁〜四頁)および新規頁が表示される。ユーザは、所望の頁を選択することができる。このプルダウンメニュー140において、他の頁が選択された場合には、選択された他の頁に移動し、当該他の頁の中央に選択画像が貼り付けられる。また、プルダウンメニュー140において、新規頁が選択された場合には、新規頁が追加され、追加された新規頁の中央に選択画像が貼り付けられる。
以下、フロー図を用いて、第4実施例におけるCPU12の手書き制御処理について説明するが、第1実施例で示した手書き制御処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。第4実施例では、ステップS1〜ステップS17までの処理が第1実施例と同じであるため、これらについては図示および説明を省略する。
CPU12は、ステップS17の処理を終えると、図15に示すように、ステップS91で、頁選択メニュー(プルダウンメニュー140)をタッチ画面100上であり、範囲の指定を終了したときの位置(タッチオフの位置)の近傍に表示する。次のステップS93では、頁が選択されたかどうかを判断する。つまり、CPU12は、プルダウンメニュー140に記載されたいずれかの頁が選択(タッチオン)されたかどうかを判断する。
ステップS93で“NO”であれば、つまり頁が選択されていなければ、そのまま同じステップS93に戻って、頁が選択されるのを待機する。一方、ステップS93で“YES”であれば。つまり頁が選択されれば、ステップS95で、新規頁が選択されたかどうかを判断する。
ステップS95で“NO”であれば、つまり新規頁以外の頁が選択されれば、ステップS97で、選択された頁に移動し、ステップS25に進む。一方、ステップS95で“YES”であれば、つまり新規頁が選択されれば、ステップS23で、新規頁を追加するとともに、当該新規頁に移動して、ステップS25に進む。
なお、ステップS25以上の処理については、第1実施例と同じであるた、重複した説明は省略する。
第4実施例によれば、貼り付ける頁を選択できるので、ディスプレイ22に表示された手書き画像の一部または全部を、少ない手数でユーザの意図した頁に貼り付けることができる。
なお、第4実施例では、第1実施例の情報処理装置10において、貼り付ける頁を選択可能にした場合について説明したが、第2実施例および第3実施例においても、ステップS17以上の処理は、第1実施例と同じであるため、貼り付ける頁を選択することが可能である。
なお、上述の実施例では、テーマや項目の異なる複数の情報を、テーマや項目毎に選択して新しい頁に貼り付けるように説明したが、これに限定される必要はない。この発明に従えば、ユーザが指定した範囲に含まれる選択画像を新しい頁に貼り付けることができる。
また、第1実施例〜第4実施例に示した態様は、いずれか2つ以上を同時に採用することも可能である。
さらに、上述の実施例で挙げた具体的な数値、画面構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
また、上述の実施例では、VRAM上における一頁分の大きさと、ディスプレイ22の表示領域の大きさが同じである場合について説明したが、これに限定される必要はない。たとえば、図16に示すように、ディスプレイ22の表示領域よりもVRAM上における一頁分の大きさが大きく設定されてもよい。