以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1、図2および図3は本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1を示している。スクリーン印刷装置1は印刷対象物としての基板KB(図2および図3)の上面に、半田ペースト等のペーストPstを印刷する装置である。
図1、図2および図3において、スクリーン印刷装置1は、印刷部2とステンシル交換部3を備えている。ステンシル交換部3は、印刷部2に隣接して設けられている。
印刷部2は、図2、図3および図4に示すように、印刷部カバー2Kによって覆われた基台11上に基板搬送保持部12を有している。図5において、基板搬送保持部12は搬入コンベア12A、中間コンベア12B、搬出コンベア12C、基板保持部12Dおよび多段テーブル12Eを備えている。搬入コンベア12A、中間コンベア12Bおよび搬出コンベア12Cはこの順でX軸方向(左右方向とする)に並んでおり、搬入コンベア12A、中間コンベア12B、搬出コンベア12Cの順に基板KBを受け渡して搬送する。
基板保持部12Dは中間コンベア12Bとともにユニットを構成しており、中間コンベア12Bが搬入コンベア12Aから受け取った基板KBを中間コンベア12Bから持ち上げた状態に支持するとともに、その基板KBの両側をクランプして保持する。多段テーブル12Eは基台11上に設けられており、中間コンベア12Bと基板保持部12Dから成るユニットの全体を、基台11に対して水平面内方向と上下方向とに移動させる。
図2、図3および図4において、基板搬送保持部12の上方にはステンシルガイド13が設けられている。ステンシルガイド13は、図6に示すように、Y軸方向(前後方向とする)に延びてX軸方向に対向するように平行に配置された一対の前後方向ガイド部13aと、一対の前後方向ガイド部13aの前方端部(ステンシル交換部3とは反対の側の端部)をX軸方向に延びて設けられた左右方向ガイド部13bを有している。一対の前後方向ガイド部13aのそれぞれは断面がL字状となっており、水平部13Hと水平部13Hの外側に形成された垂直部13Vとを有している。一方、左右方向ガイド部13bは一対の前後方向ガイド部13aそれぞれの水平部13Hと連接した水平部のみから成っている。
ステンシルガイド13の上方にはステンシル保持部14が配置されている。図7に示すように、ステンシル保持部14は平面視において矩形形状を有しており、その左右のY軸辺がステンシルガイド13の一対の前後方向ガイド部13aの上方に位置し、前側のX軸辺が左右方向ガイド部13bの上方に位置している。ステンシルガイド13上の所定の位置(ステンシル設置位置)には、ステンシル保持部14によって四辺が押さえられる矩形のステンシル15が設置されている。
図8において、ステンシル15は矩形の金属板から構成されている。ステンシル15の中央部には、基板KBの表面に形成された電極パターン(図示せず)の配置に応じた配置のパターン開口15Kが形成されている。ステンシル15の四辺(周辺部)には、ステンシル15を厚さ方向に貫通した複数の係合孔15Hが設けられている。これら複数の係合孔15Hは、ステンシル15の四辺それぞれに沿って並んで設けられている。
ステンシルガイド13が有する一対の前後方向ガイド部13aの後端側はステンシル交換部3の近傍位置まで延びており、ステンシル設置位置とステンシル交換部3との間で移動されるステンシル15の移動経路となっている。一対の前後方向ガイド部13aの上面には段差によるガイド13G(図6)がY軸方向に延びており、ステンシル設置位置とステンシル交換部3との間で移動するステンシル15の左右の側面を案内する。
図9において、ステンシル保持部14の下面には、複数の係合突起14Tが下方に延びて設けられている。これら複数の係合突起14Tは、ステンシル保持部14の形状(四辺)に沿って配置されている。ステンシル保持部14のY軸方向に並んだ複数の係合突起14Tの列(左右の列それぞれ)はY軸方向に延びた連結部材14K(図9および図10)によって連結されており、ステンシル保持部14のX軸方向に並んだ複数の係合突起14Tの列(前後の列それぞれ)はX軸方向に延びた連結部材14Kによって連結されている。
図10において、ステンシル保持部14のY軸方向に並んだ複数の係合突起14Tの列(左右の2列)それぞれと、ステンシル保持部14のX軸方向に並んだ複数の係合突起14Tの列(前後の2列)それぞれは、ステンシル保持部14の内部に設けられた張力付与シリンダ14Aによって3つの連結部材14Kをそれぞれ水平方向に移動させることで、ステンシル保持部14の中央部から遠ざかる方向(X軸方向もしくはY軸方向)に移動させることができる。具体的には、ステンシル保持部14のY軸方向に並んだ2つの係合突起14Tの列は、X軸方向の互いに相反する方向に移動させることができ、ステンシル保持部14のX軸方向に並んだ2つの係合突起14Tの列は、Y軸方向の互いに相反する方向に移動させることができる。
図6、図7および図11において、ステンシル保持部14の上方には、左右の2つのステンシル保持部昇降シリンダ31と、前後左右の4つのステンシル保持部押さえシリンダ32が設けられている。2つのステンシル保持部昇降シリンダ31と4つのステンシル保持部押さえシリンダ32はそれぞれ、ステンシルガイド13の左右の前後方向ガイド部13aが有する垂直部13Vに固定して設けられている。左右の2つのステンシル保持部昇降シリンダ31は、ステンシル保持部14のY軸方向に延びる左右の2つの直線部分の中間部の上方に設けられている。4つのステンシル保持部押さえシリンダ32は、ステンシル保持部14の四隅もしくはその近傍の上方に設けられている。
ステンシル保持部昇降シリンダ31の出力軸である昇降ロッド31Rの下端はステンシル保持部14に固定されている。昇降ロッド31Rはステンシル保持部14のY軸方向の中間位置に結合されている。ステンシル保持部14は、左右の2つのステンシル保持部昇降シリンダ31の昇降ロッド31Rを同期して作動させることで、水平姿勢を維持したままステンシルガイド13の上方で昇降させることができる。4つのステンシル保持部押さえシリンダ32それぞれは、その出力軸である押さえロッド32Rを作動させることで、ステンシル保持部14の四隅を下方に押圧することができる。
ステンシル保持部14は、ステンシル設置位置にステンシル15が位置した状態で、ステンシル保持部14の下面に設けられた複数の係合突起14Tを、ステンシル15に形成された複数の係合孔15Hに上方から嵌入させている。ステンシル保持部14は、左右の2つのステンシル保持部昇降シリンダ31と4つのステンシル保持部押さえシリンダ32によって、ステンシルガイド13に押し付けられている。このためステンシル15は、その四辺のうちの三辺が、ステンシルガイド13とステンシル保持部14とによって挟まれた状態となっている。
このように、ステンシル15の三辺がステンシルガイド13とステンシル保持部14とによって挟まれた状態で、張力付与シリンダ14Aは、Y軸方向に沿った2つの係合突起14TとX軸方向に沿った2つの係合突起14Tの列それぞれを、ステンシル保持部14の中央部から遠ざかる方向に移動させている(図12中に示す矢印Ts)。これによりステンシル15には面内方向の張力(面内張力)が外側に引き伸ばす方向に与えられており(図12)、ステンシル15は平面状態に保持されている。なお、各係合突起14Tは、ステンシルガイド13の2つの前後方向ガイド部13aの水平部13Hと左右方向ガイド部13bのそれぞれに設けられた逃げ溝13M(図6、図7および図9)内に位置しており、ステンシルガイド13と干渉しないようになっている(図10)。
図3、図4および図13において、ステンシル保持部14の上方には、印刷ヘッド16、スクレイパユニット17、ステンシル上面クリーナ18および気体吹付け部19が設けられている。ステンシル保持部14の下方には、ステンシル移動機構21およびカメラ22(図3、図4および図11)と、ステンシル下面クリーナ23(図3、図4および図14)が設けられている。
図5、図11、図13および図14において、印刷ヘッド16は、X軸方向に延びてY軸方向に移動自在に設けられたスキージベース41と、スキージベース41の下方に設けられた2つのスキージ42と、スキージベース41の上面側に設けられたスキージ昇降駆動部43を備えている。2つのスキージ42は、図13および図14に示すように、Y軸方向に対向して配置されている。スキージ昇降駆動部43は、2つのスキージ42をスキージベース41の下方に個別に昇降させる。
図13において、スキージベース41はY軸方向に延びた形状を有している。スキージベース41は、Y軸方向に延びてX軸方向に対向するように平行に配置された2つのスキージベースガイド44によって左右の両端部が支持されている。2つのスキージベースガイド44のうちの一方の外側(X軸方向の外側)には、Y軸方向に延びたスキージベース移動ボール螺子45が設けられている。スキージベース移動ボール螺子45は、スキージベース41に設けられたスキージベースナット46に螺合している。スキージベース移動ボール螺子45にはスキージベース駆動モータ47が連結されており、スキージベース駆動モータ47が作動してスキージベース移動ボール螺子45が回転すると、スキージベースナット46を介してスキージベース41がY軸方向に移動する。
スクレイパユニット17は、ステンシル15上のペーストPstを回収するペースト回収部として機能するものであり、図11、図13および図14に示すように、X軸方向に延びたスクレイパベース51、スクレイパベース51に設けられたスクレイパ昇降シリンダ52、スクレイパ昇降シリンダ52によって昇降されるスクレイパ保持部53およびスクレイパ保持部53に保持されたスクレイパ54を備えている。スクレイパベース51は、スキージベース41と同様に、2つのスキージベースガイド44によって左右の両端部が支持されている。スクレイパベース51は、スキージベース41に設けられたスクレイパユニット連結部41R(図11)によってスキージベース41に連結され、そのスキージベース41に連結された状態で、スキージベース41と一体となってY軸方向に移動する。スクレイパ昇降シリンダ52を作動させてスクレイパ保持部53を昇降させると、スクレイパ54が昇降する。
ステンシル上面クリーナ18は、スクレイパユニット17によってペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングする機能を有するものであり、図11、図13および図14に示すように、スキージベース41に取り付けられている。このためステンシル上面クリーナ18は、スキージベース41と一体となってY軸方向に移動し、印刷ヘッド16とともにステンシル設置位置に設置されたステンシル15に対して移動する。ステンシル上面クリーナ18は、スキージベース41に設けられ上面クリーナ昇降部18Kを介してスキージベース41に取り付けられており、上面クリーナ昇降部18Kを作動させることで、ステンシル上面クリーナ18をスキージベース41に対して昇降させることができる。
図14において、ステンシル上面クリーナ18は、クリーニングペーパーPRを送出する送出ローラR1と、送出ローラR1から送出されるクリーニングペーパーPRを巻き取る巻取ローラR2を備えている。送出ローラR1と巻取ローラR2の間のクリーニングペーパーPRには、吸引口を下方に向けたノズル部NZが上方から押し付けられてテンションが加えられており、ノズル部NZの吸引口が押し付けられた部分はペーストPstの拭取り面となっている。ノズル部NZはクリーニングペーパーPRを介して吸引口から空気を(これによりステンシル15の上面に付着したペーストPstを)吸引する。
気体吹付け部19は、ペーストPstで汚れる前(すなわち使用前、あるいはステンシル15に最初のペーストPstが供給される前)のステンシル15の上面をクリーニングする使用前ステンシルクリーナとして機能する。気体吹付け部19は、図2、図6、図13および図15に示すように、ステンシル15の移動経路の上方をステンシル15の移動方向(X軸方向)に対して交差する横方向に延びた管状部19Pと、管状部19Pの一端側に繋がるバルブ部19Vを備えている。管状部19Pは2つの前後方向ガイド部13aの後端側に、2つの前後方向ガイド部13aを跨ぐようにして設けられている。
図11、図12および図13において、気体吹付け部19の下面側には、X軸方向に並んで設けられた複数の気体噴出孔19Nが設けられている。管状部19Pにはバルブ部19Vを介して高圧気体を供給することができ、これにより複数の気体噴出孔19Nから下方に向かって高圧気体を噴射させることができる(図15)。なお、使用前ステンシルクリーナとしてはステンシル15の上面に気体を吹き付けるもの(ブローするもの)の他、ステンシル15の上面を吸引するもの、ブラッシングするもの、またはステンシル15の上面を拭き取るもの等であってもよい。よって、上述の実施の形態の場合、使用前ステンシルクリーナとして、ステンシル上面クリーナ18を用いることも可能である。
ステンシル移動機構21は、ステンシル交換部3が備える後述の収納体72とステンシル設置位置との間でステンシル15を移動させる機能を有する。詳細には、収納体72からステンシル15を引き出してステンシル設置位置へ移動させ、ステンシル設置位置からステンシル15を収納体72に戻す機能を有する。ステンシル移動機構21は、図4、図7および図11に示すように、X軸方向に延びて設けられた移動ベース61と、移動ベース61に設けられた昇降アクチュエータ62によって昇降自在な引出しプレート63を備えている。
図7において、移動ベース61は、Y軸方向に延びてX軸方向に対向するように平行に配置された2つの移動ベースガイド64によって左右の両端部が支持されている。2つの移動ベースガイド64のうちの一方の外側(X軸方向の外側)には、Y軸方向に延びた移動ベース移動ボール螺子65が設けられている。移動ベース移動ボール螺子65は、移動ベース61に設けられた移動ベースナット66に螺合している。移動ベース移動ボール螺子65には移動ベース駆動モータ67が連結されており、移動ベース駆動モータ67が作動して移動ベース移動ボール螺子65が回転すると、移動ベースナット66を介して移動ベース61がY軸方向に移動する。
図4、図7、11および図15において、引出しプレート63の上面には、X軸方向に並んで設けられた2つのステンシル移動用係合突起63Tが形成されている。引出しプレート63の上面にはまた、ステンシル15の下面を吸着するための吸着開口63Kが形成されている(図7)。ステンシル移動機構21は、移動ベース61のY軸方向への移動によって引出しプレート63をY軸方向に移動させることができ、昇降アクチュエータ62による引出しプレート63の昇降動作によって、引出しプレート63をZ軸方向に移動させることができる。
図4、図5、図7および図11において、カメラ22は、ステンシル移動機構21を構成する移動ベース61の前端部に取り付けられている。このためカメラ22は、ステンシル移動機構21と一体となってY軸方向に移動する。また、カメラ22は自身が移動ベース61に沿ってX軸方向に移動自在である。従ってカメラ22は、ステンシル移動機構21によるY軸方向への移動とカメラ22自身のX軸方向への移動とによってXY面内を移動できる。
図5および図7に示すように、カメラ22は、下方に撮像光軸を向けた下方撮像カメラ22Aと、上方に撮像光軸を向けた上方撮像カメラ22Bから成る。下方撮像カメラ22Aは基板KBの上面に設けられた位置合わせマーク(図示せず)を上方から撮像し、上方撮像カメラ22Bはステンシル設置位置に設置されたステンシル15の下面に設けられた位置合わせマーク(図示せず)を下方から撮像する。
図2、図4および図14において、ステンシル下面クリーナ23は、図示しないステンシル下面クリーナガイドによって、ステンシルガイド13の下方の領域を、Y軸方向に移動自在に設けられている。ステンシル下面クリーナ23は、自身に設けられた移動ベース連結部23R(図14)によってステンシル移動機構21の移動ベース61と連結可能であり、ステンシル移動機構21の移動ベース61と連結された状態で、移動ベース61と一体となってY軸方向に移動する。
ステンシル下面クリーナ23は、ステンシル上面クリーナ18と同様の構成要素を有して構成されている。すなわち、クリーニングペーパーPRを送出する送出ローラR1と、送出ローラR1から送出されるクリーニングペーパーPRを巻き取る巻取ローラR2を備えており、送出ローラR1と巻取ローラR2の間のクリーニングペーパーPRには吸引口を上方に向けたノズル部NZが下方から押し付けられてテンションが加えられている。ノズル部NZの吸引口が押し付けられた部分はペーストPstの拭取り面となっている。ノズル部NZはクリーニングペーパーPRを介して吸引口から空気を(これによりステンシル15の下面に付着したペーストPstを)吸引する。ステンシル下面クリーナ23では、ステンシル上面クリーナ18とは異なり、ノズル部NZが押し付けられたクリーニングペーパーPRの上面側がペーストPstの拭取り面となっている。
ステンシル下面クリーナ23は、移動ベース61によってY軸方向に移動されないときは、ステンシル設置位置の前方のクリーナ待機位置に位置されて待機している(図2)。ステンシル下面クリーナ23は、上述のステンシル下面クリーナガイドに設けられた下面クリーナ昇降部(図示せず)によって、ステンシルガイド13に対して(すなわちステンシル設置位置に設置されたステンシル15に対して)昇降自在となっている。
次に、ステンシル交換部3について説明する。ステンシル交換部3は印刷部2の後部に隣接して設けられており、図16および図17に示すように、筐体71、収納体72、昇降機73、第1の物体検出部としての下側センサ75、第2の物体検出部としての上側センサ76およびタッチパネル77を備えている。筐体71は収納体72を収納可能な内部空間SPを有しており、筐体71の後面側の下部には、内部空間SPに対して収納体72を出し入れ可能な入口71Aが設けられている。
図2および図3において、筐体71の内部空間SPのうち、入口71Aから上方に離れた領域は作業空間SP1となっており、その作業空間の下部の領域は下部空間SP2となっている。すなわち本実施の形態において、入口71Aは、筐体71内の内部空間SPの下部空間SP2にアクセス可能な位置に形成されている。
図2、図3、図15、図17において、筐体71の前面側の上部にはステンシル通過開口71Bが設けられている。ステンシル通過開口71Bは入口71Aよりも高い位置(作業空間)に、作業空間SP1が外部(筐体71の前方)と連通するように設けられている。ステンシル通過開口71Bは、ステンシル15が前後方向に通過できる大きさを有している。
ステンシル移動機構21は、ステンシル通過開口71Bの高さに位置された収納体72(詳細にはら収納体72の棚部72S)に収納されているステンシル15をステンシル通過開口71Bから前方へ引き出してステンシル設置位置に設置し、ステンシル設置位置に位置したステンシル15をステンシル通過開口71Bから収納体72に(詳細には収納体72の棚部72Sに)収納する(戻す)。このように本実施の形態において、ステンシル交換部3は、ステンシル移動機構21とともに、収納体72に収納された部材(ステンシル15)を収納体72から取り出して供給する部材供給装置78を構成している(図15)。
図18において、収納体72は前後方向に開口した方形筒状の形状を有しており、内部には上下方向に並んだ複数の棚部72Sが設けられている。各棚部72Sには、ステンシル設置位置に設置されるステンシル15が水平姿勢で載置(収納)されている。収納体72には通常、基板KBの品種に応じた複数種類(複数枚)のステンシル15が収納されている。このように、本実施の形態において、収納体72は、ステンシル設置位置に設置されるステンシル15を挿抜自在に収納した構成となっている。
図17において、昇降機73は、水平面内に拡がった形状を有する収納体支持部である昇降体81、X軸方向に延びて昇降体81を支持する昇降体支持部82、昇降体支持部82の一端側に設けられたナット部83、ナット部83に螺合して上下方向に延びたボール螺子84およびボール螺子84を回転駆動する昇降体昇降モータ85を備えている。昇降体昇降モータ85が作動するとボール螺子84が回転し、これによりナット部83を介して昇降体支持部82が上下することで、昇降体支持部82に連結された昇降体81が昇降する。昇降機73は、収納体72を支持する昇降体81を作業空間SP1と下部空間SP2にわたって昇降させることにより、筐体71の入口71Aから搬入された収納体72を、筐体71の入口71Aとその入口71Aから離れた位置である作業空間SP1との間で移動させる収納体移動機構として機能する。
昇降体81は昇降体昇降モータ85の作動方向(すなわちボール螺子84の回転方向)に応じて上昇または下降する。昇降体81が筐体71内において定められた下降限度位置にあるとき、作業者は入口71Aから収納体72を昇降体81の上面に載置して収納体72を筐体71内にセットすることができる(図19(a))。また、昇降体81が下降限度位置にあるとき、作業者は昇降体81に載置された収納体72を入口71Aから取り出すことができる。このように本実施の形態において、下降限度位置に位置した昇降体81の上面は、筐体71の内部に収納体72をセットする位置である「収納体セット位置」となっている。
昇降機73は、収納体セット位置に収納体72がセットされた状態で昇降体81を持ち上げ、収納体72内のこれからステンシル設置位置に設置させようとするステンシル15(設置対象ステンシル15Pと称する)を所定の作業高さHsに位置させる(図19(a)→図19(b))。ここで「作業高さHs」とは、ステンシル移動機構21がステンシル通過開口71Bを通じて収納体72とステンシル設置位置との間で移動させることができる高さであり、設置対象ステンシル15Pを作業高さHsに位置させることで、ステンシル移動機構21は、設置対象ステンシル15Pを収納体72とステンシル設置位置との間で移動させることが可能となる。図19(b)は、設置対象ステンシル15Pを作業高さHsに位置させた状態を示している。
下側センサ75と上側センサ76はそれぞれ光学的に物体を検出するエリアセンサから成る。図17および図20(a),(b)において、下側センサ75は、X軸方向対向して配置された下側投光部75Aと下側受光部75Bから構成されており、X軸方向に光(下側光L1)を投受光してXZ面にほぼ平行なセーフティライトカーテン(下側ライトカーテンM1と称する。図20(b))を形成することによって、入口71Aを通過する物体(作業者の手等)を検出する。一方、上側センサ76は、X軸方向に対向して配置された上側投光部76Aと上側受光部76Bから構成されており、X軸方向に光(上側光L2)を投受光してXY面にほぼ平行なセーフティライトカーテン(上側ライトカーテンM2と称する。図20(a))を形成することによって、内部空間SPにおいて下部空間SP2から作業空間SP1へ移動する物体(作業者の手等)を検出する。
ここで、上側センサ76は、収納体セット位置にセットされた収納体72とステンシル移動機構21との間であって、作業空間SP1と下部空間SP2を分ける高さの位置(詳細には、収納体セット位置にセットされた収納体72の上面の高さよりも高く、ステンシル移動機構21により移動されるステンシル15の高さよりも低い高さの位置)に上側ライトカーテンM2を形成するように設けられている。一方、下側センサ75は、入口71Aを覆う位置に下側ライトカーテンM1が形成されるように設けられている(図20(b))。
前述のように、筐体71の内部空間SPのうち、上側ライトカーテンM2よりも上側の空間が作業空間SP1であり、上側ライトカーテンM2よりも下側の空間が下部空間SP2であるので、収納体セット位置は下部空間SP2内に位置する。上側ライトカーテンM2を形成する検査光(上側光L2)の少なくとも一部が遮光された場合には、このことをもって、下部空間SP2から作業空間SP1に向かって物体(具体的には作業者の手)が進入したことが検知される。また、下側ライトカーテンM1を形成する検査光(下側光L1)の少なくとも一部が遮光された場合には、このことをもって、筐体71の外部から下部空間SP2に向かって物体(作業者の手)が進入したことが検知される。
図21において、スクリーン印刷装置1の印刷部2が備える制御部90は、基板搬送保持制御部91、ステンシル搬送設置制御部92、印刷動作制御部93、撮像制御部94、クリーナ制御部95、ペースト回収制御部96および昇降機制御部97を備えている。基板搬送保持制御部91は基板搬送保持部12による基板KBの搬送および保持の動作と、保持した基板KBのステンシル15に対する位置合わせ動作の各制御を行う。
ステンシル搬送設置制御部92は、ステンシル移動機構21と張力付与シリンダ14Aによるステンシル15の搬送動作と設置動作制御を行う。詳細には、移動ベース駆動モータ67による移動ベース61のY軸方向への移動動作の制御と、昇降アクチュエータ62による引出しプレート63の昇降動作の制御と、吸着開口63Kを介したステンシル15の下面の吸着制御と、張力付与シリンダ14Aによるステンシル設置位置に位置したステンシル15への面内張力の付与動作の制御を行う。
印刷動作制御部93は、印刷ヘッド16による印刷動作制御を行う。詳細には、スキージベース駆動モータ47によるスキージベース41のY軸方向への移動動作の制御と、スキージ昇降駆動部43によるスキージ42の昇降動作の制御を行う。
撮像制御部94は、カメラ22による、基板搬送保持部12によって保持された基板KBの撮像と、ステンシル設置位置に設置されたステンシル15の撮像の制御を行う。詳細には、移動ベース駆動モータ67よる移動ベース61のY軸方向への移動動作の制御と、移動ベース61に沿ったカメラ22のX軸方向への移動動作と、下方撮像カメラ22Aによる下方撮像カメラ22Aの下方の領域の撮像動作の制御と、上方撮像カメラ22Bによる上方撮像カメラ22Bの上方の領域の撮像動作の制御とを行う。
クリーナ制御部95は、気体吹付け部19によるステンシル15の上面のクリーニング動作と、ステンシル上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニング動作と、ステンシル下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニング動作の各制御を行う。詳細には、気体吹付け部19によるステンシル15の上面のクリーニング動作では、バルブ部19Vを作動させることで、管状部19P内に高圧空気を供給し、気体噴出孔19Nから気体を噴出させる。
クリーナ制御部95は、ステンシル上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニング動作では、スキージベース駆動モータ47によるスキージベース41のY軸方向への移動動作の制御と、上面クリーナ昇降部18Kによるステンシル上面クリーナ18の昇降動作の制御と、ステンシル上面クリーナ18における送出ローラR1と巻取ローラR2の動作の制御およびノズル部NZによる空気の吸引動作の各制御を行う。ステンシル下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニング動作では、移動ベース駆動モータ67による移動ベース61のY軸方向への移動動作の制御と、移動ベース連結部23Rによる移動ベース61へのステンシル下面クリーナ23の連結動作と、ステンシル下面クリーナ23における送出ローラR1と巻取ローラR2の動作の制御およびノズル部NZによる空気の吸引動作の各制御を行う。
図21において、クリーナ制御部95は、使用前クリーニング制御部95a、通常クリーニング制御部95bおよび収納前クリーニング制御部95cを備えている。使用前クリーニング制御部95aは、ステンシル設置位置に新たに設置しようとするステンシル15に対して行うクリーニングの制御を行う機能部である。通常クリーニング制御部95bは、ステンシル設置位置に設置したステンシル15に対し、基板KBに対するペーストPstの印刷作業の合間のときに行う通常クリーニングの制御を行う機能部である。また、収納前クリーニング制御部95cは、ステンシル設置位置に設置したステンシル15に対し、ステンシル移動機構21によってステンシル15をステンシル設置位置から収納体72へ移動させる前、すなわち、ステンシル15をステンシル交換部3の収納体72内に収納する(戻す)直前に行うクリーニングの制御を行う機能部である。
クリーナ制御部95は、ステンシル下面クリーナ23を少なくとも第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかで動作させてステンシル15の下面のクリーニングを行わせることができるようになっている。ここで、「第2の動作モード」は「第1の動作モード」よりもクリーニング時間が長く(具体的には、第1の動作モードよりもステンシル下面クリーナ23をステンシル15に対して相対的に往復させる回数が多く)、収納体72に戻される前のステンシル15に対しては少なくとも第2のモードでクリーニングを行わせるようになっている。また、クリーナ制御部95は、ステンシル下面クリーナ23にステンシル15の下面をクリーニングさせるとき、第2の動作モードでは、第1の動作モードよりも強い吸引力でクリーニングを行わせるようになっている。
また、ステンシル下面クリーナ23は、クリーニングペーパーPRに洗浄用の液体を供給する図示しない液体供給部を有している。そして、液体を浸み込ませたクリーニングペーパーPRでクリーニングを行う湿式クリーニングと、液体を浸み込ませていないクリーニングペーパーPRでクリーニングを行う乾式クリーニングとを実行可能になっている。なお、第2の動作モードによるステンシル15のクリーニングに湿式クリーニングを含めるようにしてもよい。
ペースト回収制御部96は、スクレイパユニット17によるステンシル15の上面のクリーニング動作を行う。詳細には、スキージベース駆動モータ47によるスキージベース41のY軸方向への移動動作の制御と、スクレイパユニット連結部41Rによるスキージベース41へのスクレイパベース51の連結動作と、スクレイパ昇降シリンダ52によるスクレイパ54の昇降動作の制御とを行う。
昇降機制御部97は、昇降機73による収納体72の昇降動作を制御する。この昇降機73の動作制御は、具体的には、昇降体昇降モータ85の動作を制御することによって行う。図21において、昇降機制御部97は安全制御部97aを備えている。
安全制御部97aは、下側センサ75と上側センサ76の各動作および昇降機73とステンシル移動機構21への電力供給停止制御を、次に示す第1の運用モードまたは第2の運用モードに基づいて行う。なお、これら第1の運用モードと第2の運用モードは任意に切り替えることが可能である。
安全制御部97aは、第1の運用モードでは、原則として、下側センサ75を常時オン(物体検出を有効)にし、上側センサ76を常時オフ(物体検出を無効)にする(図20(b))。そして、下側センサ75が物体を検出した場合には、昇降機73への動力用電力の供給を停止させるとともに、タッチパネル77を通じて警報音を発生させることによって、作業者に注意を喚起する。但し、入口71Aから収納体72または収納体72からステンシル15を出し入れする場合にはそのときだけ上側センサ76をオンにし、下側センサ75をオフにする(図20(a))。このオンオフの切り替えは、タッチパネル77や印刷部2のタッチパネル(図示せず)から要求があったときのほか、収納体72の交換作業に無人搬送システムが採用されている場合において、その無人搬送システムから収納体72の交換要求があった場合等に行う。
このように安全制御部97aは、第1の運用モードでは、入口71Aから収納体72が搬入もしくは搬出されるは下側センサ75による物体検出を無効にするとともに、上側センサ76が物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させ、入口71Aから収納体72が搬入もしくは搬出されるとき以外は上側センサ76による物体検出を無効にするとともに下側センサ75が物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させるようになっている。
一方、安全制御部97aは、第2の運用モードでは、現場の作業者の作業性を考慮し、収納体72が下部空間SP2に位置していて昇降機73が停止しているときは、常時、下側センサ75をオフにし、上側センサ76をオンにするようになっている(図20(a))。この運用モードでは、作業者がいつでも収納体72やステンシル15の出し入れすることが可能であり、印刷部2が作業空間SP1においてステンシル15の出し入れを行うとき以外は、昇降機73は下部空間SP2に収納体72を位置させて停止し、待機することになる。昇降機73が作動するときは、下側センサ75をオンにし、上側センサをオフにする(図20(b))。
このように安全制御部97aは、第2の運用モードでは、収納体72が筐体71の入口71Aから搬入もしくは搬出可能な位置で停止しているときは下側センサ75による物体検出を無効にするとともに上側センサ76が物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させ、昇降機73が作動するときは上側センサ76による物体検出を無効にするとともに下側センサ75が物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させるようになっている。
ここで、上記の「物体検出を無効にする」処理は、エリアセンサが光(下側センサ75では下側光L1、上側センサ76では上側光L2)を投光または受光しないようにしてセンシングそのものを行わないようにことによって行うほか、センシングは行うが、制御の側(後述する制御部90)において、センシングの結果を無視することによって行うことができる。
図21において、制御部90にはタッチパネル77が電気的に接続されている。タッチパネル77は、スクリーン印刷装置1に対する入力装置および出力装置として機能する。
次に、スクリーン印刷装置1の動作を説明する。ここでは、運用モードが第1の運用モードに設定されているものとする。作業者は、収納体72を筐体71内の下部空間SP2にセットするときには、スクリーン印刷において必要となるステンシル15を予め収納体72に収納(収納体72の棚部72Sに載置)しておく。
運用モードが第1の運用モードに設定されている場合には、作業者が収納体72を収納体セット位置にセットする際、下側センサ75はオン、上側センサ76はオフになっている(図20(b))。このため作業者は先ず、タッチパネル77から収納体出し入れ開始入力を行う。安全制御部97aは、収納体出し入れ開始入力が行われたことを検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替え、下側センサ75をオンからオフにする一方、上側センサ76をオフからオンする(図20(a))。この場合、安全制御部97aは、上側センサ76をオフからオンに切り替えた後に、下側センサ75をオンからオフに切り替える。下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態が切り替えられたら、作業者は入口71Aから筐体71の下部空間SP2内に収納体72をセットすることが可能となる。
作業者は、収納体出し入れ開始入力を行ったら、収納体72を下部空間SP2にセットする(図19(a))。この収納体72をセットする作業の間、作業者が誤って作業空間SP1内へ手を差し入れてしまった場合には、これが上側センサ76によって物体の進入として検出され、安全制御部97aによって、ステンシル移動機構21への動力用電力の供給が停止されるので、作業者の安全が図られる。
作業者は、収納体72を収納体セット位置にセットした後、入口71Aから手を抜き去ったら、タッチパネル77から、収納体出し入れ終了入力を行う。安全制御部97aは、収納体出し入れ終了入力が行われたことを検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替え、下側センサ75をオフからオンにする一方、上側センサ76をオンからオフにする(図20(b))。この場合、安全制御部97aは、下側センサ75をオフからオンに切り替えた後に、上側センサ76をオンからオフに切り替える。収納体出し入れ終了入力の後、作業者が誤って入口71Aに手を差し入れてしまった場合には、これが下側センサ75によって物体の進入として検出され、安全制御部97aによって昇降機73への動力両電力の供給が停止されるので、作業者の安全が図られる。
作業者によってセット終了の入力がなされて入口71Aにおける物体検出が有効になったら、昇降機制御部97は、昇降機73を作動させて収納体72を持ち上げ、設置対象ステンシル15Pを作業高さHsに位置させる(図19(a)→図19(b))。このとき上側センサ76はオフであるので、収納体72が下部空間SP2から作業空間SP1に移動しても、ステンシル移動機構21の動作は規制されない。
制御部90は、設置対象ステンシル15Pの高さが作業高さHsになったら、ステンシル移動機構21によって、設置対象ステンシル15Pをステンシル設置位置の側に搬送する。具体的には、制御部90は先ず、ステンシル搬送設置制御部92から移動ベース駆動モータ67を作動させて、移動ベース61を後方(ステンシル交換部3の側)に移動させる。そして、移動ベース61に取り付けられた引出しプレート63の上面にX軸方向に並んで設けられた2つのステンシル移動用係合突起63Tを、収納体72内の設置対象ステンシル15Pの前縁側に設けられた2つの係合孔15Hの下方に位置させる。
2つのステンシル移動用係合突起63Tが2つの係合孔15Hの下方に位置したら、制御部90は昇降アクチュエータ62を作動させて、2つのステンシル移動用係合突起63Tをステンシル15の前縁側の2つの係合孔15Hに下方から係合させる(図22)。そして、吸着開口63Kからステンシル15の下面を吸着したうえで、移動ベース駆動モータ67を作動させて、移動ベース61を前方(マスク設置位置の側)へ移動させる。これによりステンシル15は移動ベース61とともに前方へ移動する。このときステンシル15(設置対象ステンシル15)は、その左右の両辺が一対の前後方向ガイド部13aの段差によるガイド13Gによって案内されるので、まっすぐに前方へ引き出される(図15)。
このようにしてステンシル15がステンシル移動機構21によって収納体72から引き出されたら、制御部90は昇降機制御部97から昇降機73を制御して、昇降体81を下降限度位置まで降ろす(図19(b)→図19(a))。作業者は、昇降体81が下降限度位置まで降りたことを確認したら、タッチパネル77から収納体出し入れ開始入力を行う。安全制御部97aは、収納体出し入れ開始入力が行われたことを検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替え、下側センサ75をオンからオフにする一方、上側センサ76をオフからオンにする(図20(a))。この場合、安全制御部97aは、上側センサ76をオフからオンに切り替えた後に、下側センサ75をオンからオフに切り替える。下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態が切り替えられたら、作業者は入口71Aから筐体71の下部空間SP2内に収納体72を取り出しあるいは交換することが可能となる。
作業者は、収納体出し入れ開始入力を行ったら、収納体72を下部空間SP2から取り出す。この作業の間、作業者が誤って作業空間SP1内へ手を差し入れてしまった場合には、これが上側センサ76によって物体の進入として検出され、安全制御部97aによって、ステンシル移動機構21への動力用電力の供給が停止されるので、作業者の安全が図られる。
上記のようにしてステンシル15が前方へ向けて引き出される過程において、クリーナ制御部95は、使用前クリーニング制御部95aより気体吹付け部19を制御して、ステンシル15の上面をクリーニングする。具体的には、気体吹付け部19を構成するバルブ部19Vを制御して、管状部19Pの気体噴出孔19Nから高圧気体GSを噴射させる(図15)。
使用前クリーニング制御部95aは、気体吹付け部19による高圧気体GSの噴射が、高圧気体GSの噴射領域をステンシル15が通過し始めてから通過し終わるまでの間、連続して実行されるようにする。すなわち気体吹付け部19は、ステンシル15の移動経路の上方(ステンシル設置位置と収納体72の間)をステンシル15の移動方向に対して交差する横方向に延びて設けられた管状部19Pの気体噴出孔19Nから、ステンシル移動機構21によって移動するステンシル15をクリーニングするようになっている。これによりステンシル15の上面に付着していたごみや埃等の異物が高圧気体GSによって吹き飛ばされて除去される。
このように本実施の形態において、気体吹付け部19は、ステンシル移動機構21がステンシル15を収納体72から引き出してステンシル設置位置へ移動させる間にステンシル15の上面に気体(高圧気体GS)を吹き付けるものとなっている。そして、このように、本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1では、ペーストPstで汚れる前のステンシル15をクリーニングする使用前ステンシルクリーナとしての気体吹付け部19を備えており、気体吹付け部19がステンシル15の上面に気体を吹き付けてクリーニングするので、収納体72から引き出されたステンシル15の上面にごみや埃等の異物が付着していた場合であってもこれが吹き飛ばされて除去される。このため、収納体72内のステンシル15の上面にごみや埃等の異物が付着していた場合であっても印刷の品質が低下することを防止できる。
制御部90は、移動ベース61を前方へ移動させて収納体72内のステンシル15を前方へ引き出し、移動ベース61が所定の停止位置に位置したところで移動ベース61を停止させる(図23)。移動ベース61が停止位置に停止したときには、ステンシル15はまだ、ステンシル設置位置には到達していない。移動ベース61を停止位置に停止させたら、吸着開口63Kによるステンシル15の吸着を解除する。そして、昇降アクチュエータ62を作動させて引出しプレート63を下降させ、2つのステンシル移動用係合突起63Tを、ステンシル15の前縁側の2つの係合孔15Hから下方に離脱させる。
制御部90は、2つのステンシル移動用係合突起63Tを2つの係合孔15Hから離脱させたら、ステンシル15をその位置に位置させたまま、移動ベース61を停止位置から後方へ移動させる。そして、2つのステンシル移動用係合突起63Tが、ステンシル15の後縁側の2つの係合孔15Hの下方に位置する位置に、引出しプレート63を位置決めする。制御部90は、引出しプレート63を位置決めしたら、昇降アクチュエータ62を作動させて、2つのステンシル移動用係合突起63Tを、ステンシル15の後縁側の2つの係合孔15Hに下方から係合させる(図24)。
制御部90は、2つのステンシル移動用係合突起63Tがステンシル15の後縁側の2つの係合孔15Hに係合したら、吸着開口63Kからステンシル15の下面を吸着したうえで、移動ベース駆動モータ67を作動させて、移動ベース61を前方へ移動させる。これによりステンシル15は移動ベース61とともに前方へ移動する。そして、ステンシル15がステンシル設置位置したところで、移動ベース61を停止させる(図25および図26(a))。
制御部90は、上記のようにしてステンシル15をステンシル設置位置に位置させたら、吸着開口63Kによるステンシル15の吸着を解除したうえで引出しプレート63を下降させる。これにより2つのステンシル移動用係合突起63Tがステンシル15の後縁側の2つの係合孔15Hから下方に離脱したら、移動ベース駆動モータ67を作動させて、移動ベース61を後方へ移動させる。
制御部90は、移動ベース61を後方へ移動させたら、左右の2つのステンシル保持部昇降シリンダ31を作動させて、ステンシル保持部14を下降させる。そして、ステンシル保持部14の下面に設けられた複数の係合突起14Tをステンシル15に形成された複数の係合孔15Hに上方から嵌入させる(図26(a)→図26(b))。
ステンシル保持部14の複数の係合突起14Tがステンシル15の複数の係合孔15Hに上方から嵌入したら、制御部90は4つのステンシル保持部押さえシリンダ32それぞれのピストンロッド(押さえロッド32R)を作動させて、ステンシル保持部14の四隅を下方に押圧する(図26(c))。これによりステンシル15は、4つのステンシル保持部押さえシリンダ32により、ステンシル保持部14を介して、ステンシルガイド13の上面に押し付けられた状態となる。
ステンシル15がステンシル保持部14を介してステンシルガイド13の上面に押し付けたられたら、制御部90は張力付与シリンダ14Aを作動させて、Y軸方向に沿った2つの係合突起14TとX軸方向に沿った2つの係合突起14Tの列それぞれを、ステンシル保持部14の中央部から遠ざかる方向に移動させる(図26(d)および図12中に示す矢印Ts)。これによりステンシル15には面内方向の張力(面内張力)が与えられ、ステンシル15はステンシル設置位置に設置された状態となる。
制御部90は、ステンシル15をステンシル設置位置に設置したら、搬入コンベア12Aによって外部から基板KBを搬入し、基板KBを中間コンベア12Bに受け渡させる。中間コンベア12Bが基板KBを受け取ったら、その基板KBを基板保持部12Dによって保持する。
制御部90は、基板KBを保持したら、移動ベース駆動モータ67を作動させて移動ベース61をY軸方向に移動させるとともに、カメラ22を移動ベース61に沿ってX軸方向に移動させることによって、カメラ22を基板KBとステンシル15の間に位置させる。そして、下方撮像カメラ22Aによって基板KBの上面に設けられた前述の位置合わせマークを撮像するとともに、上方撮像カメラ22Bによってステンシル15の下面に設けられた前述の位置合わせマークを撮像することで、基板KBとステンシル15の間の位置ずれを把握する。
制御部90は、基板KBとステンシル15の間の位置ずれを把握したら、多段テーブル12Eを作動させることによって、その位置ずれがなくなるように(基板KB側の位置合わせマークとステンシル15側の位置合わせマークが平面視において一致するように)、基板保持部12Dを水平面内方向に移動させて、基板KBをステンシル15に対して位置合わせする。そして、基板KBをステンシル15に対して位置合わせしたら、多段テーブル12Eを作動させて、基板保持部12Dを上昇させる。
基板保持部12Dを上昇させることによって基板KBの上面がステンシル15の下面に接触したら、制御部90は印刷ヘッド16によりスキージングを行う。印刷ヘッド16によるスキージングでは、先ず、図示しないペースト供給手段によって、ペーストPstの上面にペーストPstを供給する(あるいは後述するようにスクレイパユニット17によって掬い取ったペーストPstを下す)。そして、印刷ヘッド16が備える2つのスキージ42のうちの一方をスキージベース41の下方に下降させ、そのスキージ42の下端がステンシル15の上面に当接したら(図27(a)→図27(b))、スキージ42をY軸方向に移動させる。
スキージ42のY軸方向への移動は、スキージベース駆動モータ47を作動させて、スキージベース41をY軸方向へ移動させることによって行う(図27(c)中に示す矢印F)。このスキージングによりスキージ42はステンシル15上を摺動し、ステンシル15上のペーストPstをY軸方向に掻き寄せるので(図27(c))、ペーストPstはステンシル15に形成されたパターン開口15Kを通じて基板KBの上面の電極パターンに塗布される。
制御部90は、上記のようにして基板KBにペーストPstを塗布したら、多段テーブル12Eを作動させることによって、基板KBをステンシル15から下方に分離させて基板KBを版離れさせる。基板KBが版離れしたら、中間コンベア12Bを作動させて基板KBを搬出コンベア12Cに受け渡し、搬出コンベア12Cは受け取った基板KBを外部に搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの印刷作業が終了する。
クリーナ制御部95は、基板KBに対するペーストPstの印刷作業の合間の時間、通常クリーニング制御部95bからステンシル下面クリーナ23を制御して、ステンシル15の表面(下面)のクリーニング(通常クリーニング)を行う。クリーナ制御部95は、ステンシル下面クリーナ23によりステンシル15の下面のクリーニングを行うときは、先ず、移動ベース駆動モータ67を作動させることによって移動ベース61をY軸方向に移動させ、移動ベース61をステンシル設置位置の前方のクリーナ待機位置に位置させておいたステンシル下面クリーナ23に近づける。そして、移動ベース連結部23Rを作動させることによって、ステンシル下面クリーナ23を移動ベース61に連結させる。
ステンシル下面クリーナ23が移動ベース61に連結したら、クリーナ制御部95は、移動ベース61をY軸方向に移動させて、ステンシル下面クリーナ23のノズル部NZをステンシル15の下方に位置させる。そして、前述の図示しない下面クリーナ昇降部を作動させることによって、クリーニングペーパーPRを介してステンシル下面クリーナ23のノズル部NZをステンシル15の下面に当接させる。
クリーナ制御部95は、クリーニングペーパーPRを介してステンシル下面クリーナ23のノズル部NZをステンシル15の下面に当接させたら、ノズル部NZが空気を吸引するように制御しつつ、移動ベース61をY軸方向に往復移動させる。具体的には、移動ベース61をY軸方向の後方に移動させた後(図28(a)および図29)、移動ベース61を前方に移動させる(図28(b))。これにより、ステンシル15のパターン開口15Kを通ってステンシル15の裏面に付着したペーストPstがクリーニングペーパーPRによって拭き取られ、ステンシル15の裏面から除去される。通常クリーニングは、このようなステンシル15の下面のクリーニングを、基板KBに対するペーストPstの印刷作業の合間のときに行うものであり、ステンシル設置位置に設置したステンシル15に対し、ノズル部NZをY軸方向に1回あるいは2回程度往復させて行う。
このようにステンシル下面クリーナ23は、クリーニングペーパーPRをステンシル15の表面(下面)に接触させて相対的に往復移動させることでステンシル15の表面(下面)に付着したペーストPstを拭き取る(ステンシル15の下面を拭き取る)構成となっている。
クリーナ制御部95は、上記の要領で通常クリーニングを行うほか、印刷すべき全ての基板KBに対してペーストPstのスキージングを実行した後には、ステンシル設置位置に設置しているステンシル15に対し、収納前クリーニングを実行する。収納前クリーニングでは、収納前クリーニング制御部95cよりステンシル下面クリーナ23を制御して、ステンシル15を念入りにクリーニングするほか、ステンシル上面クリーナ18によって、ステンシル15の上面をクリーニングする。
クリーナ制御部95は、収納前クリーニングを行うときは、先ず、スクレイパユニット17によって、ステンシル15の上面に残っているペーストPstを掬い取る。ペーストPstを掬い取るときには、クリーナ制御部95は、スキージベース駆動モータ47を作動させることによってスキージベース41をY軸方向へ移動させ、スキージベース41をスクレイパユニット17に近づける。そして、スキージベース41に設けられたスクレイパユニット連結部41Rを作動させることによって、スクレイパユニット17をスキージベース41に連結させる。
スクレイパユニット17をスキージベース41に連結させたら、ペースト回収制御部96が、ステンシル15上のペーストPstを回収するペースト回収工程を実行する。ペースト回収工程では、スキージベース41のY軸方向への移動動作と、スクレイパ昇降シリンダ52によるスクレイパ54のZ軸方向への移動動作とを連動させることによって、スクレイパ54によってステンシル15上のペーストPstが掬い取られるようにする。具体的には、ペースト回収制御部96は先ず、スクレイパ昇降シリンダ52を作動させてスクレイパ54の先端部をステンシル15の上面に当接させる(図30(a)。図中に示す矢印D1)。このときスクレイパ54の先端部が、ペーストPstの近傍に位置するようにする。なお、ペーストPstの位置は、直前のスキージングにおいてスキージ42を停止させた位置から求めることができる。
ペースト回収制御部96は、スクレイパ54の先端部をステンシル15の上面に当接させたら、スキージベース41をY軸方向に移動させて、スクレイパ54がステンシル15上のペーストPstの下側に入り込むようにする(図30(b)。図中に示す矢印D2)。そして、スクレイパ54がペーストPstの下側に入り込んだら、スクレイパ昇降シリンダ52を作動させて、スクレイパ54を上昇させる(図30(c)。図中に示す矢印D3)。これによりステンシル15上のペーストPstは、スクレイパ54によって掬い取られた状態となる。
ペースト回収制御部96がスクレイパユニット17を作動させてペーストPstの回収を行ったら、クリーナ制御部95は、ペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングするステンシル上面クリーニング工程を実行し、併せて、ステンシル15の下面をクリーニングするステンシル下面クリーニング工程を実行する。ステンシル上面クリーニング工程はステンシル上面クリーナ18によって実行し、ステンシル下面クリーニング工程はステンシル下面クリーナ23によって実行する。ステンシル上面クリーニング工程では、クリーナ制御部95は、先ず、上面クリーナ昇降部18Kを作動させて、ステンシル上面クリーナ18のノズル部NZがクリーニングペーパーPRを介してステンシル15の上面に当接するようにする。
クリーナ制御部95は、ステンシル上面クリーナ18のノズル部NZがクリーニングペーパーPRを介してステンシル15の上面に当接したら、ノズル部NZが空気を吸引するように制御しつつ、スキージベース41をY軸方向に往復移動させる(図31(a),(b))。これによりステンシル15の上面に付着したペーストPstはクリーニングペーパーPRによって拭き取られ、ステンシル15の上面から除去される。一方、ステンシル下面クリーニング工程の手順は、前述の通常クリーニングの場合と同様である。
このように、本実施の形態では、ステンシル15上のペーストPstを回収するペースト回収部としてのスクレイパユニット17を備えており、ステンシル上面クリーナ18は、スクレイパユニット17によってステンシル15の上面に残っているペーストPstが掬い取られた後、ステンシル15の上面をクリーニングするようになっている。また、ステンシル上面クリーナ18は、クリーニングペーパーPRをステンシル15の表面(上面)に接触させて相対的に往復移動させることでステンシル15の表面(上面)に付着したペーストPstを拭き取る(ステンシル15の上面を拭き取る)構成となっている。
このように本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1(およびスクリーン印刷方法)では、ペースト回収部としてのスクレイパユニット17によって、ステンシル15上のペーストPstを回収し、ステンシル上面クリーナ18が、スクレイパユニット17によってペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングするようになっているので、使用済みのステンシル15を再使用可能な状態で回収することができる。
上述の収納前クリーニングでは、ステンシル15の下面のクリーニングが、通常クリーニングのときよりも念入りに行われるようにする。具体的には、ステンシル下面クリーナ23のステンシル15に対する往復回数を8~10往復とするなど、通常クリーニングのときよりもステンシル15に対する往復回数を多くする。(これにより往復移動の総時間、すなわちペーストPstの拭取り時間も長くなる)。このように本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1では、収納体72に戻される前のステンシル15に対しては少なくとも通常よりも長い時間をかけてクリーニングするようになっているので、この面でも、使用済みのステンシル15を再使用可能な状態で回収することができる。
ここで、ステンシル上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニングは、ステンシル下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニングとは独立して行うことが可能であるが、ステンシル上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニングを、ステンシル下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニングと同期させて行うことが、クリーニングに要する時間短縮の観点から好ましい。この場合、ステンシル上面クリーナ18のノズル部NZとステンシル下面クリーナ23のノズル部NZとによってステンシル15を上下から挟むようにし、ステンシル15の上下両面に付着したペーストPstが上下の2つのステンシルクリーナによって同時に拭き取られていくようにすることが好ましい(図31(a),(b))。
このように本実施の形態において、クリーナ制御部95は、ステンシル下面クリーナ23を少なくとも第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかで動作させてステンシル15の下面のクリーニングを行わせ、収納体72に戻される前のステンシル15に対しては少なくとも第2のモードでクリーニングを行わせるようになっている。なお、通常クリーニングにおいても念入りに(すなわち第2の動作モード)でステンシル15の下面をクリーニングしても構わないが、スクリーン印刷装置1におけるタクトを考慮すると、通常クリーニングのときは作業時間の短い第1の動作モードでクリーニングを行うようにすることが好ましい。
制御部90は、クリーナ制御部95において、上記の要領によりステンシル15の収納前クリーニングを行ったら、ステンシル15をステンシル交換部3に収納する(戻す)。ステンシル15をステンシル交換部3に収納する手順は、ステンシル15をステンシル交換部3から引き出してステンシル設置位置に設置したときの手順と逆の手順となる。ステンシル15をステンシル交換部3に収納するときには、昇降機73の昇降体81を下降限度位置から上昇させ、ステンシル15を戻そうとする収納体72の棚部72Sが作業高さHsに位置するようにしておく。
次に、運用モードが第2の運用モードに設定されている場合について説明する。運用モードが第2の運用モードに設定されている場合には、作業者が収納体72を収納体セット位置にセットする際、下側センサ75はオフ、上側センサ76はオンになっている(図20(a))。このため作業者は、タッチパネル77から特別な入力操作を行うことなく、筐体71の入口71Aから筐体71の下部空間SP2内に収納体72をセットすることができる。この収納体72をセットする作業の間、作業者が誤って作業空間SP1内へ手を差し入れてしまった場合には、これが上側センサ76によって物体の進入として検出され、安全制御部97aによって、ステンシル移動機構21への動力用電力の供給が停止されるので、作業者の安全が図られる。
作業者は、収納体72を筐体71の下部空間SP2内にセットしたら、タッチパネル77から収納体出し入れ終了入力を行う。安全制御部97aは、収納体出し入れ終了入力が行われたことを検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替え、下側センサ75をオフからオンにする一方、上側センサ76をオンからオフにする(図20(b))。そして、昇降機制御部97は昇降機73を作動させて収納体72を作業高さHsまで上昇させる(図19(b))。
収納体72が作業高さHsまで上昇され、ステンシル移動機構21によってステンシル15が引き出されたら、昇降機制御部97は、昇降体81を(すなわち収納体72を)下降限度位置まで降ろす(図19(a))。昇降機73が収納体72を昇降させている間、作業者が誤って入口71Aに手を差し入れてしまった場合には、これが下側センサ75によって物体の進入として検出され、安全制御部97aによって昇降機73への動力両電力の供給が停止されるので、作業者の安全が図られる。
安全制御部97aは、昇降体81を下降限度位置まで降ろしたら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替え、下側センサ75をオンからオフにする一方、上側センサ76をオフからオンにする(図20(a))。下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態が切り替えられたら、作業者は入口71Aから筐体71の下部空間SP2内に収納体72を取り出しあるいは交換することが可能となる。
このように、本実施の形態では、第1の運用モードと第2の運用モードのいずれにおいても、作業者が筐体71の入口71Aから収納体72を出し入れ(搬入もしくは搬出)する場面では、作業者が作業空間SP1内に手を差し入れた際に昇降機73への動力用電力の供給が停止されて作業者の安全が図られ、昇降機73が筐体71内で収納体72を昇降させる場面では、作業者が入口71Aから手を差し入れた際に昇降機73への動力用電力の供給を停止されて作業者の安全が図られるようになっている。このため、筐体71の内部で収納体72を昇降させる構成において、作業者が稼動状態にある機構に手を触れてしまうことが防止され、筐体71への収納体72の出し入れをする作業者の安全を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1(およびスクリーン印刷方法)では、ペースト回収部としてのスクレイパユニット17によって、ステンシル15上のペーストPstを回収し、ステンシル上面クリーナ18が、スクレイパユニット17によってペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングするようになっている。このため、使用済みのステンシル15を再使用可能な状態で回収することができる。
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、ステンシル上面クリーナ18は、クリーニングペーパーPRをステンシル15の上面に接触させて相対的に往復移動させることでステンシル15の上面に付着したペーストPstを拭き取る構成となっていたが、これは一例であり、ステンシル15がステンシル設置位置から移動されるとき、ステンシル15の上面をクリーニングすることができるのであれば、他の構成を有していても構わない。また、上述の実施の形態では、ステンシル上面クリーナ18によって上面をクリーニングされたステンシル15は、ステンシル移動機構21によって収納体72に収納(回収)されるものとなっていたが、ステンシル上面クリーナ18によってステンシル15の上面がクリーニングされた後、作業者の手作業によって回収されるようになっていてもよい。