本発明の一実施形態に係るエレベータのドア制御システム1について、図1乃至図8を参照して説明する。説明の都合上、上下方向及び左右方向は、図1に記載の方向を基準とし、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向として説明する。
まず、本実施形態のエレベータのドア制御システム1が設けられるエレベータEの概要について説明する。
図1及び図2に示すように、エレベータEは、人又は荷物が載る箱形のかご2と、かご2が移動する昇降路3と、昇降路3の延伸方向に離間して複数配置される乗場4と、乗場4及びかご2の間を開閉するドア5と、を備える。また、エレベータEは、エレベータE全体を制御する制御部6と、乗場4に設けられる乗場呼部7と、かご2内に設けられるかご内操作盤8と、を備える。昇降路3は、上下方向に延びる筒状体であり、内部をかご2が移動可能である。
図1に示すように、かご2は、人又は荷物を出し入れ可能な開口部2aを有する箱形であり、乗場4で開口部2aを介してかご2に人又は荷物を出し入れ可能なように構成されている。本実施形態でかご2は、昇降路3の上部に設けられる巻上機にロープを介して接続されており、巻上機の駆動によって、昇降路3内を上下に移動可能である。巻上機は、後述するように制御部6によって制御される。
かご内操作盤8は、かご2内の人が操作可能なように、かご2内に設けられている操作部分である。かご内操作盤8には、かご2の行き先に関する入力と、ドア5の開閉に関する入力と、を別個にすることができる。具体的に、かご内操作盤8は、かご2の行き先階を入力可能な行先階ボタンと、ドア5の開閉に関する入力を可能な開閉ボタンと、を備える。
乗場4は、昇降路3に面しており、該昇降路3内を移動するかご2が停止する場所である。また、乗場4には、昇降路3の内外を連通する連通口4aが形成されている。具体的に、乗場4は、床面41と、上下方向に延び、昇降路3と乗場4を仕切る壁体42と、該壁体42に設けられ、左右に離間して配置される一対の横枠431及び両横枠431の上端部に亘って延びる上枠432を備える三方枠43と、を備え、三方枠43によって連通口4aが画定されている。壁体42は、前後方向で昇降路3と反対側に位置する前端面を備え、前端面には、乗場呼部7が設けられる。本実施形態の乗場呼部7は、連通口4aの左側に配置されたボタンである。
乗場呼部7は、乗場4の人がかご2を乗場4に呼ぶための呼入力をすることができる操作部分である。乗場呼部7は、かご2を呼ぶための呼ボタンを備え、具体的には、上階に向かうかご2を呼ぶための上呼ボタン71と、下階に向かうかご2を呼ぶための下呼ボタン72と、を備える。なお、乗場呼部7には、ドア5を開くための独立した操作部分は設けられていない。後述するように、戸開操作受付状態の場合には、呼ボタンがドア5を開くための入力を受け付ける操作部分として機能し、呼受付状態の場合には、呼ボタンがかご2を呼ぶための入力を受け付ける操作部分として機能する。
ドア5は、乗場4及びかご2の間を開閉するドア本体51と、ドア本体51を駆動させるドア駆動部52と、を備え、ドア本体51が左右方向に移動することで、乗場4及びかご2の間を開閉する。本実施形態のドア5は、右側に位置し、開く際に右側に移動する右ドア本体51Rと、左側に位置し、開く際に左側に移動する左ドア本体51Lと、を備える、いわゆるセンターオープン式のドア5である。
ドア本体51は、かご2に設けられて、開口部2aを開閉する板状のかごドア511と、乗場4に設けられて、連通口4aを開閉する板状の乗場ドア512と、かごドア511及び乗場ドア512の間に配置されるセーフティシュー513(図6乃至図8参照)と、を備える。本実施形態で、かごドア511、乗場ドア512、及び、セーフティシュー513は、それぞれ一対設けられ、ドア5が閉じた状態において左右に並んで配置されている。セーフティシュー513は、ドア本体51が閉じる際に、閉じ方向の先端に位置し、ドア本体51の端面に人や物が当たった場合に、開き方向に押し込まれることで、ドア本体51の端面に人や物が当たったことを検知する部材である。乗場ドア512は、付勢手段(図示しない)によって常時閉じる方向に付勢された状態であり、かごドア511は、乗場ドア512に係合して、開閉時に付勢に抗って乗場ドア512を開く方向に押すドアキャッチ(図示しない)を備える。ドア本体51の開閉方向における移動については後述する。
ドア駆動部52は、ドア本体51の上方に設けられ、ドア本体51を開閉方向に駆動させるように構成されている。具体的にドア駆動部52は、モータ部521と、モータ部521の駆動力を伝達するベルト522と、ベルト522とドア本体51を連結するドア連結部523と、を備える。本実施形態で、ドア連結部523は、かごドア511に連結されており、ドア駆動部52は、かごドア511を開閉方向に駆動させる。ドア駆動部52は、後述するように、制御部6によって制御される。また、図2に示すように、本実施形態では、ドア駆動部52のモータ部521の回動量を検出して出力するエンコーダ524が設けられている。
このようなドア5が開く際には、まず、ドア駆動部52がかごドア511を開く方向に駆動させる。すると、かごドア511が乗場ドア512に先立って開く方向に移動する。そして、ドアキャッチが乗場ドア512に係合して乗場ドア512を開く方向に押圧することで、乗場ドア512とかごドア511が一緒に開く方向に移動する。なお、ドアキャッチが乗場ドア512に係合した際に、乗場ドア512の上部に設けられるインターロック(図示しない)の回路が開く。乗場4とかご2の間を完全に開く全開位置まで移動すると、ドア駆動部52の駆動は停止する。本実施形態では、かごドア511が全開位置に達したことを検知する、開状態検知部としての近接スイッチ(図示しない)が設けられる。なお、開状態検知部を近接スイッチとして構成する場合に限らず、リミットスイッチなどによってドアが全開位置に達したことを検知する構成とすることもできる。
図3及び図6に示すように、ドア5が閉じる際には、ドア駆動部52がかごドア511を閉じる方向に駆動させることで、かごドア511はドア駆動部52の駆動によって閉じる方向に移動し、乗場ドア512は、付勢力によってドアキャッチに追従して閉じる方向に移動する。閉じる方向に移動する際には、セーフティシュー513が閉じる方向の先端側に位置する。
図4及び図7に示すように、ドアキャッチと乗場ドア512の係合が解除される位置までドア本体51が閉じると、乗場ドア512は、ドアキャッチからの押圧力をうけなくなるので、付勢力によって閉じる方向に移動し、かごドア511に先立って、乗場4とかご2の間を完全に閉じる(右ドア本体51Rと左ドア本体51Lが当接する)全閉位置まで移動する。ドアキャッチと乗場ドア512の係合が解除された後で、かごドア511が全閉位置まで移動する間に乗場ドア512の上部に設けられるインターロック(図示しない)の回路が閉じる。そして、図5及び図8に示すように、ドア駆動部52は、かごドア511を乗場4とかご2の間を完全に閉じる全閉位置まで移動させて、駆動を停止する。このように、本実施形態のドア5は、乗場ドア512がかごドア511に先立って全閉位置まで移動するように構成されている。なお、かごドア511が全閉位置まで移動したことは、かごドア511が全閉位置に移動したことを検出する近接スイッチによって判断される。このような構成に限らず、後述するエンコーダ524が検出したドア駆動部52のモータ部521の回動量に基づいて判断することもできる。
制御部6は、乗場呼部7及びかご内操作盤8にされた入力に基づいて、かご2の移動及びドア5の開閉に関する制御をする。具体的に、制御部6は、乗場呼部7に呼の入力がされた場合、又は、かご内操作盤8に行き先階が入力された場合に、巻上機を駆動させて、かご2を呼の入力がされた乗場4又は行き先階に移動させる制御をする。また、制御部6は、かご内操作盤8に入力されたドア5の開閉に関する入力、セーフティシュー513の開き方向への押込み、及び、乗場呼部7にされたドア5の開閉に関する入力に基づいてドア5の開閉のための制御を行う。ドア5の開閉に関する制御については後述する。
制御部6は、乗場呼部7に呼入力がされた場合に、ドア5を開くよう制御する戸開操作受付状態と、乗場呼部7に呼入力がされた場合に、乗場4にかご2を呼ぶよう制御する呼受付状態と、を有し、戸開操作受付状態と呼受付状態は、ドア5の位置に基づいて切り替えられる。制御部6は、戸開操作受付状態の乗場呼部7に呼入力がされた場合、かご内操作盤8にドア5を開く入力がされた場合、又は、セーフティシュー513が開き方向に押し込まれた場合に、閉じかけたドア5を反転戸開させる、又は、開いたドア5が開いた状態を維持する(閉じない)ようにドア駆動部52を制御する。
戸開操作受付状態と呼受付状態の切り替わりについて説明する。図9に示すように、かご2が乗場4に着床すると、制御部6は、呼受付状態から戸開操作受付状態に切り替わる。その後、図3及び図6に示すドア5が閉じ始めるタイミングT1から、図5及び図8に示すドア5が完全に閉じるタイミングT3までの間である戸閉動作中に、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。具体的には、戸閉動作中のドア5の位置に乗場4からみた見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。
本実施形態の制御部6は、乗場4においてかご2に正対した状態でみた、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングと略同時に、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。即ち、本実施形態では、図4及び図7に示すように、かご2の開口部2a又は乗場4の連通口4aの全部がドア5で塞がれた、遮りタイミングT2で戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。本実施形態の遮りタイミングT2では、ドアキャッチと乗場ドア512の係合が解除され、乗場ドア512が全閉位置に位置するが、かごドア511は完全に閉じていない状態であり、つまり、一対の乗場ドア512同士が互いに当接するが、一対のかごドア511同士は開閉方向で離れている状態である。このように、制御部6は、戸閉動作中のドア5が乗場4とかご2の間を遮る位置よりも戸開側に位置している場合には、再戸開を受け付ける状態(戸開操作受付状態)であり、呼を受け付けず、戸閉動作中のドア5が乗場4とかご2の間を遮る位置よりも戸閉側に位置している場合には、呼を受け付ける状態(呼受付状態)であり、再戸開を受け付けない。
制御部6は、エンコーダ524の出力に基づいてドア5がかご2を遮る位置に到達しているか否かを判断する。具体的に、エンコーダ524の出力に基づいて、かごドア511の全開位置からの移動距離を把握し、該移動距離が全開位置から乗場ドア512とドアキャッチの係合が解除されるまでの距離よりも長い場合に、ドア5がかご2を遮る位置に到達していると判断して、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。本実施形態で、制御部6は、遮りタイミングT2で、戸開操作受付状態から呼受付状態に即座に切り替わる。即ち、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる際に、乗場呼部7への入力が無効化される時間がない。
以上のようなエレベータのドア制御システム1でのドア5の開閉について説明する。
かご2が着床してから、ドア5が閉じ始めるタイミングT1までは、乗場呼部7に呼入力がされた場合、かご内操作盤8にドア5を開く入力がされた場合、又は、セーフティシュー513が開き方向に押し込まれた場合に、制御部6は、ドア5が開いた状態を維持するようにドア駆動部52を制御する。
図3及び図6に示すように、ドア5が閉じ始めてからドア5がかご2を遮る位置に到達するまでの間(タイミングT1から遮りタイミングT2の間)は、乗場呼部7に呼入力がされた場合、かご内操作盤8にドア5を開く入力がされた場合、又は、セーフティシュー513が開き方向に押し込まれた場合に、制御部6は、ドア5の閉じる方向への移動を中止しドア5を再度全開位置まで移動させる、反転戸開をするようにドア駆動部52を制御する。
図5及び図8に示すように、ドア5がかご2を遮ってからドア5が完全に閉じる位置に移動するまでの間(遮りタイミングT2からタイミングT3の間)に乗場呼部7に呼入力がされた場合には、制御部6は、ドア5の閉じ方向への移動を継続するようドア駆動部52を制御しつつ、次の呼を設定する。即ち、複数の昇降路3と各昇降路3内を移動するかご2を有するエレベータEの場合には、別の昇降路3を移動するかご2を呼が設定された乗場4に移動させる制御を行う。ドア5がかご2を遮ってからドア5が完全に閉じる位置に移動するまでの間(遮りタイミングT2からタイミングT3の間)に、かご内操作盤8にドア5を開く入力がされた場合、又は、セーフティシュー513が開き方向に押し込まれた場合に、制御部6は、ドア5が反転戸開をするようにドア駆動部52を制御する。
以上のような構成のエレベータのドア制御システム1によれば、乗場4から見た見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミング、即ち、ドア5がかご2を遮る程度まで閉じ方向に移動したときに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わるので、乗場4の利用者が戸開操作受付状態であるか呼受付状態であるかを直感的に判断できる。よって、乗場4の利用者の意図に沿ってエレベータEを制御できる。
また、乗場4から見た見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングで戸開操作受付状態から、即座に呼受付状態に切り替わるので、戸開操作受付状態と呼受付状態の間に操作を無効化する時間を設ける場合に比べて、次のかご2を早く呼ぶことができるので、利用者の待ち時間を抑制できる。
さらに、制御部6は、ドア5がかご2を遮ってからドア5が完全に閉じる位置に移動するまでの間に、セーフティシュー513が開き方向に押し込まれた場合に、ドア5が反転戸開をするようにドア駆動部52を制御するので、乗場4の利用者の意図に沿ってエレベータEを制御しつつも、物などがドア5に挟まった場合でも再戸開できる。
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態において、制御部6は、乗場4においてかご2に正対した状態でみた、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、図10に示すように、ドア5に対して斜めの位置から見た見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる構成とすることもできる。具体的には、乗場4のうち、乗場呼部7を操作する利用者が立つ、操作位置Pから見た見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる構成とすることができる。操作位置Pとは、乗場呼部7に正対し、かつ、乗場呼部7を操作する操作者が腕を伸ばした場合に、乗場呼部7を操作できる程度の距離L1(例えば成人の腕の長さである60~70cm程度)に乗場呼部7から離れた位置である。上記実施形態のようにセンターオープン式のドア5を操作位置Pから見た場合には、左ドア本体51Lの右側端部と右ドア本体51Rの左側端部が重なったときに、ドア5がかご2を遮る状態となる。よって、操作位置Pから見て、左ドア本体51Lの右側端部と右ドア本体51Rの左側端部が重なる程度までドア5が移動したときに、制御部6は、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。このような構成によれば、乗場呼部7を操作する操作者が立つ操作位置Pからの見た目に基づいて戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えられるので、利用者が戸開操作受付状態であるか呼受付状態であるかを直感的に判断できる。
また、ドア5が左右両方に移動して開閉するセンターオープン式のドア5を有するエレベータEについて説明したが、ドア5が左右の一方向にのみ移動して開閉する、サイドオープン式のドア5を有するエレベータEに本発明を適用することもできる。例えば、図11乃至図13に示すように、サイドオープン式のドア5は、閉じる際に左側から右側に移動し、全閉位置において、右側の端部が連通口4aの右側の端部よりも右側に位置する。このようなサイドオープン式のドア5では、図12に示すように、三方枠43の右側の横枠431(ドア5の開閉方向で閉じる側の横枠431)とドア5の右側端部(閉じ方向の先端)であるセーフティシュー513が前後方向で重なったときに、乗場4においてかご2に正対した状態で見てドア5がかご2を遮る状態となる。つまり、制御部6は、三方枠43の右側の横枠431とドア5の右側端部であるセーフティシュー513が前後方向で重なったときに、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。
さらに、サイドオープン式のドア5を有するエレベータEにおいて、乗場4においてかご2に正対した状態でみた、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる場合について説明したが、ドア5に対して斜めの位置から見た見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる構成とすることもできる。具体的には、図14に示すように、乗場呼部7を操作する利用者が立つ、操作位置Pから見た見かけ上のドア5がかご2を遮るタイミングに基づいて、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる構成とすることができる。サイドオープン式のドア5を操作位置Pから見た場合には、ドア5の右側端部(閉じ方向の先端部)とかご2の開口部2aの外縁部分とが重なったときにドア5がかご2を遮る状態となる。よって、操作位置Pから見て、右側端部とかご2の開口部2aの外縁部分が重なる程度までドア5が移動したときに、制御部6は、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わる。このような構成によれば、乗場呼部7を操作する操作者が立つ操作位置Pからの見た目に基づいて戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えられるので、利用者が戸開操作受付状態であるか呼受付状態であるかを直感的に判断できる。なお、ドアの開閉方向が左右逆であってもよい。
また、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングと同時に戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えられる場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、戸閉動作中において、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングより早く戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替える構成とすることもできる。このような構成によれば、ドア5がかご2を遮る位置に到達するよりも早くに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えられるので、乗場4の利用者がかご2を呼ぼうとして反転戸開させてしまうことを確実に抑制できる。なお、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングより早く戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替える場合には、ドア5が閉まり始めてからドア5がかご2を遮る位置に到達するまでのいずれかのタイミングで戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えるよう構成することができ、好ましくは、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングよりも0.3~1.0秒早くに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えることができる。また、ドア5がかご2を遮る位置よりも0.1mm~70.0mm手前の位置に到達したときに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えるよう構成することもできる。なお、この場合の見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングは、乗場4においてかご2に正対した状態でみた、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングとして設定することもできるし、操作位置Pから見た、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングとして設定することもできる。
さらに、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングよりも後に戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替える構成とすることもできる。このような構成によれば、ドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングよりも遅くに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えられるので、乗場4の利用者が戸閉動作中のドア5を反転戸開させようとしてかご2を呼んでしまうことを確実に抑制できる。なお、見かけ上のドア5がかご2を遮るタイミングより遅く戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替える場合には、ドア5がかご2を遮る位置から全閉位置に到達するまでのいずれかのタイミングで戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えるよう構成することができ、好ましくは、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングよりも0.3~1.0秒遅くに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えることができる。また、ドア5がかご2を遮る位置よりも0.1mm~70.0mm超えた位置に到達したときに戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替えるよう構成することもできる。なお、この場合の見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングは、乗場4においてかご2に正対した状態でみた、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングとして設定することもできるし、操作位置Pから見た、見かけ上のドア5がかご2を遮る位置に到達するタイミングとして設定することもできる。
また、ドア5がかご2を遮る位置に到達したことをドア駆動部52のエンコーダ524で判断する場合について説明したが、このような構成に限らず、エンコーダ524以外の手段によって判断する構成とすることもできる。例えば、開状態検知部としての近接スイッチが非検知状態になってからの経過時間に基づいてドア5がかご2を遮る位置に到達したことを判断する構成とすることもできる。このような構成であれば、ドア5が閉じ始めてからの時間に基づいてドア5がかご2を遮る位置に到達したことを判断できるので、簡単な構成で確実にドア5がかご2を遮る位置に到達したことを判断できる。さらに、かご2内にカメラを設け、該カメラが撮像した映像に基づいて、ドア5がかご2を遮ったことを判定する構成とすることもできる。このような構成によれば、映像に基づいてドア5がかご2を遮る位置に到達したことを判断できるので、乗場4の利用者の意図に沿ってエレベータEを制御できる。また、乗場ドア512の上部に設けられたインターロックの回路が閉じた場合にドア5がかご2を遮る位置に到達したことと判断するように構成することもできる。
さらに、ドア駆動部52はかごドア511を移動させ、乗場ドア512がかごドア511に従動する場合について説明したが、このような構成に限らず、ドア駆動部52が乗場ドア512を移動させ、かごドア511が乗場ドア512に従動するように構成することもできる。
また、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わったことを乗場4の利用者に報知する報知手段を備える構成とすることもできる。このような構成によれば、戸開操作受付状態から呼受付状態に切り替わったことを確実に乗場4の利用者に報知することができる。報知手段としては、例えば、アナウンスによる報知や、光による報知を採用することができる。
さらに、乗場呼部7は、上呼ボタン71と下呼ボタンとを備える場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、端階などでは上呼ボタン71又は下呼ボタン72のみを備える構成であってもよいし、近づけた手を検知するセンサのようなボタン以外の構成であってもよい。
また、セーフティシュー513の位置はあくまで一例であり、図示された態様に限定されない。例えば、センターオープン式のエレベータにおいて、セーフティシュー513が左ドア本体51L又は右ドア本体51Rのいずれかにのみ設けられる構成とすることもできるし、両方に設けられる場合であっても、全閉位置において左右対称に位置する場合に限らず、左右非対称に位置する構成とすることもできる。