JP7449054B2 - 送電装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、無線電力伝送の送受電電力の制御技術に関する。
無線電力伝送システムの技術が広く開発されている。特許文献1には、無線充電規格の標準化団体であるWireless Power Consortium(WPC)が策定する規格(WPC規格)に準拠した送受電の際に受電装置ではない物体である異物を検出する方法が記載されている。この方法では、過去の時点での受電電力と現在の時点での受電電力とを比較して、送電電力を増やす制御が行われたにも関わらず受電電力が増加しない場合や、送電電力を減らす制御が行われたにも関わらず受電電力が減少しない場合に異物が存在すると判定する。
特開2015-165761号公報
送受電の環境が変化すること等によって、同じ電力が送電されたとしても受電電力が徐々に変化することが想定されうる。このときに、過去の時点と現在の時点の時間差が大きいにも関わらず、その過去の時点の情報を基準として異物検出を行うと、異物検出精度が低下してしまいうる。その結果、誤検出による充電停止や、存在する異物を検出できないことによる温度上昇等が発生する等、利便性が低下する諸問題が生じうる。
本発明は、無線電力伝送における利便性を向上させる技術を提供する。
本発明の一態様による送電装置は、受電装置へ無線で送電する送電手段と、前記受電装置と通信する通信手段と、を有し、前記通信手段は、キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信し、前記通信手段は、前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信し、前記通信手段は、前記第2の情報を受信した後に、第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信し、前記送電手段は、前記第2の受電電力と前記第3の受電電力との差が閾値を超えており、かつ、前記第3の情報に対する応答が前記受電装置へ送信されたタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第4の情報であって第4の受電電力の情報を含む第4の情報を受信することなく所定時間が経過した場合に、送電を制限する所定の処理を実行する
本発明によれば、無線電力伝送における利便性を向上させることができる。
無線充電システムの構成を示す図である。 受電装置の構成例を示す図である。 送電装置の構成例を示す図である。 送電装置が実行する処理の流れの例を示すフローチャートである。 送電装置の送電制御処理の流れの例を示すフローチャートである。 送電装置のタイムアウト処理の流れの例を示すフローチャートである。 受電装置が実行する処理の流れの例を示すフローチャートである。 受電装置の受電制御処理の流れの例を示すフローチャートである。 (A)はCalibrationフェーズの通信シーケンスを示す図であり、(B)は機器認証のための通信シーケンスを示す図である。 システムで実行される処理の流れの第1例を示す図である。 システムで実行される処理の流れの第2例を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(システムの構成)
図1に、本実施形態に係る無線充電システム(無線電力伝送システム)の構成例を示す。本システムは、一例において、受電装置101と送電装置102とを含んで構成される。以下では、受電装置101をRXと呼び、送電装置102をTXと呼ぶ場合がある。RXは、送電装置102から受電して内蔵バッテリに充電を行う電子機器である。TXは、充電台103に載置されたRXに対して無線で送電する電子機器である。範囲104は、RXが、TXから送電された電力を受電可能な範囲を示している。なお、RXとTXは無線充電以外のアプリケーションを実行する機能を有しうる。なお、RXは、一例として、スマートフォンであり、TXは、一例として、そのスマートフォンを充電するためのアクセサリ機器である。RXおよびTXは、ハードディスク装置やメモリ装置などの記憶装置であってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であってもよい。また、RXおよびTXは、例えば、撮像装置(カメラやビデオカメラ等)やスキャナ等の画像入力装置であってもよいし、プリンタやコピー機、プロジェクタ等の画像出力装置であってもよい。また、TXがスマートフォンであってもよい。この場合、RXは、別のスマートフォンでもよいし、例えば無線イヤホン等の周辺機器であってもよい。また、RXは、自動車であってもよい。また、TXは、自動車内のコンソール等に設置される充電器であってもよい。
本システムは、WPC(Wireless Power Consortium)が規定するWPC規格に基づいて、無線充電のための電磁誘導方式を用いた無線電力伝送を行うものとする。すなわち、RXとTXは、RXの受電コイルとTXの送電コイルとの間で、WPC規格に基づく無線充電のための無線電力伝送を行う。なお、無線電力伝送方式は、WPC規格で規定された方式に限られず、他の電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界共鳴方式、マイクロ波方式、レーザー等を利用した方式であってもよい。また、本実施形態では、無線電力伝送が無線充電に用いられるものとするが、無線充電以外の用途で無線電力伝送が行われてもよい。
WPC規格では、RXがTXから受電する際に保証される電力の大きさがGuaranteed Power(以下、「GP」と呼ぶ。)と呼ばれる値によって規定される。GPは、例えばRXとTXの位置関係が変動して受電コイルと送電コイルとの間の送電効率が低下したとしても、充電用の回路等のRXの負荷へ出力されることが保証される電力値を示す。例えばGPが5ワットの場合、受電コイルと送電コイルの位置関係が変動して送電効率が低下したとしても、TXは、RX内の負荷へ5ワットを出力することができるように制御して送電を行う。
本実施形態に係るRXとTXは、WPC規格に基づく送受電制御のための通信と、機器認証のための通信とを行う。ここで、WPC規格に基づく送受電制御のための通信について説明する。
WPC規格では、電力伝送が実行されるPower Transferフェーズと実際の電力伝送が行われる前のフェーズとを含んだ、複数のフェーズが規定され、各フェーズにおいて必要な送受電制御のための通信が行われる。電力伝送前のフェーズは、Selectionフェーズ、Pingフェーズ、Configurationフェーズ、Negotiationフェーズ、Calibrationフェーズを含む。Selectionフェーズでは、TXが、Analog Pingを間欠送信し、送電可能範囲内に物体が存在すること(例えば充電台103に受電装置101や導体片等が載置されたこと)を検出する。Pingフェーズでは、TXが、Digital Pingを送信し、そのDigital Pingを受信したRXからの応答を受信することにより、検出された物体がRXであることを認識する。Configurationフェーズでは、RXが識別情報と能力情報をTXへ通知する。Negotiationフェーズでは、RXが要求するGPの値やTXの送電能力等に基づいてGPの値を決定するための交渉が行われる。Calibrationフェーズでは、WPC規格に基づいて、RXが受電電力値をTXへ通知し、TXが送電中に異物検出を行うための調整を行う。Power Transferフェーズでは、送電の継続、および、エラーや満充電による送電停止等のための制御を行う。TXとRXは、これらの送受電制御のための通信を、WPC規格に基づいて無線電力伝送と同じアンテナ(コイル)を用いて信号を重畳するインバンド(In-band)通信により行う。なお、TXとRXとの間で、WPC規格に基づくインバンド通信が可能な範囲は、送電可能範囲とほぼ同様である。すなわち、図1において、範囲104は、TXとRXの送受電コイルにより無線電力伝送とインバンド通信が可能な範囲を表している。なお、以下の説明において、RXが「載置された」とは、RXが範囲104の内側に進入したことを意味し、実際には充電台103の上にRXが載置されない状態をも含むものとする。
TXとRXは、無線電力伝送と異なるアンテナ(コイル)を用いて、送受電制御のための通信(アウトオブバンド(Out-of-band)通信)を行ってもよい。無線電力伝送と異なるアンテナ(コイル)を用いる通信の一例としては、Bluetooth(登録商標) Low Energy規格に準拠する通信方式が挙げられる。また、IEEE802.11規格シリーズの無線LAN(例えばWi-Fi(登録商標))、ZigBee、NFC(Near Field Communication)等の他の通信方式によって行われてもよい。無線電力伝送と異なるアンテナ(コイル)を用いる通信は、無線電力伝送で用いられる周波数とは異なる周波数により行われるようにしてもよい。
本実施形態では、RXは、GPを決定することに先立って、TXとの間で電子証明書を用いたチャレンジ・レスポンス型の通信を行い、TXを機器認証する。すなわち、RXは、TXの機器認証のための通信を行う。そして、RXは、機器認証の結果に基づいて、上述のNegotiationフェーズにおいてTXに要求するGPを決定する。RXは、例えば、機器認証に成功したTXに対して要求するGPを15ワットと決定し、機器認証に成功していないTXに対して要求するGPを5ワットと決定する。なお、TXに対して要求されるGPは、15ワットと5ワットとの組み合わせに限られない。例えば、機器認証が成功したTXに対して要求するGPが、機器認証が成功していないTXに対して要求するGPより大きいような、任意の値の組み合わせが用いられうる。このようにして、RXは、機器認証に成功したTXとの間においてのみ、大きなGPでの送受電が行われるようにしうる。このように、機器認証の結果に基づいてGPを決定することにより、WPC規格等で定められた所定の試験に合格し、大きなGPでの送電が可能であると認められるTXからのみ大きなGPで受電可能とすることができる。
(装置構成)
続いて、本実施形態に係る受電装置101(RX)および送電装置102(TX)の構成について説明する。なお、以下で説明する構成は一例に過ぎず、説明される構成の一部(場合によっては全部が)他の同様の機能を果たす他の構成と置き換えられ又は省略されてもよく、さらなる構成が説明される構成に追加されてもよい。さらに、以下の説明で示される1つのブロックが複数のブロックに分割されてもよいし、複数のブロックが1つのブロックに統合されてもよい。
図2は、本実施形態に係るRXの構成例を示す図である。RXは、一例において、制御部201、バッテリ202、受電部203、検出部204、受電コイル205、通信部206、表示部207、操作部208、メモリ209、タイマ210、および、充電部211を有する。
制御部201は、例えばメモリ209に記憶されている制御プログラムを実行することにより、RXの全体を制御する。制御部201は、一例において、RXにおける機器認証と受電に必要な制御を行う。制御部201は、無線電力伝送以外のアプリケーションを実行するための制御を行ってもよい。制御部201は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部201は、特定用途向け集積回路(ASIC)等の特定の処理に専用のハードウェアや、所定の処理を実行するようにコンパイルされたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のアレイ回路を含んで構成されてもよい。制御部201は、各種処理を実行中に記憶しておくべき情報をメモリ209に記憶させる。また、制御部201は、タイマ210を用いて時間を計測しうる。
バッテリ202は、RX全体に対して、制御と受電と通信に必要な電力を供給する。また、バッテリ202は、受電コイル205を介して受電された電力を蓄電する。受電コイル205において、TXの送電コイル305から放射された電磁波により誘導起電力が発生し、受電部203は、受電コイル205において発生した電力を取得する。受電部203は、受電コイル205において電磁誘導により生じた交流電力を取得する。そして、受電部203は、交流電力を直流または所定周波数の交流電力に変換して、バッテリ202を充電するための処理を行う充電部211に電力を出力する。すなわち、受電部203は、RXにおける負荷に対して電力を供給する。上述のGPは、受電部203から出力されることが保証される電力量である。
検出部204は、WPC規格に基づいて、RXがTXから受電可能な範囲104に載置されているか否かの検出を行う。検出部204は、例えば、受電部203が受電コイル205を介してWPC規格のDigital Pingを受電した時の受電コイル205の電圧値または電流値を検出する。検出部204は、例えば、電圧が所定の電圧閾値を下回る場合又は電流値が所定の電流閾値を超える場合に、RXが範囲104に載置されていると判定しうる。
通信部206は、TXとの間で、インバンド通信によって、上述のようなWPC規格に基づく制御通信を行う。通信部206は、受電コイル205から入力された電磁波を復調してTXから送信された情報を取得し、その電磁波を負荷変調することによってTXへ送信すべき情報を電磁波に重畳することにより、TXとの間で通信を行う。すなわち、通信部206で行う通信は、TXの送電コイル305からの送電に重畳されて行われる。また、通信部206は、TXとの間で、アウトオブバンド通信を行ってもよい。
表示部207は、視覚的、聴覚的、触覚的等の任意の手法で、ユーザに対して情報を提示する。表示部207は、例えば、RXの状態や、図1のようなTXおよびRXを含む無線電力伝送システムの状態を、ユーザに通知する。表示部207は、例えば、液晶ディスプレイやLED、スピーカ、振動発生回路、その他の通知デバイスを含んで構成される。操作部208は、ユーザからのRXに対する操作を受け付ける受付機能を有する。操作部208は、例えば、ボタンやキーボード、マイク等の音声入力デバイス、加速度センサやジャイロセンサ等の動き検出デバイス、又はその他の入力デバイスを含んで構成される。なお、タッチパネルのように、表示部207と操作部208とが一体化されたデバイスが用いられてもよい。メモリ209は、上述のように、各種情報を記憶する。なお、メモリ209は、制御部201と異なる機能部によって得られた情報を記憶してもよい。タイマ210は、例えば起動された時刻からの経過時間を測定するカウントアップタイマや、設定された時間からカウントダウンするカウントダウンタイマ等によって、計時を行う。
図3は本実施形態に係るTXの構成例を示す図である。TXは、一例において、制御部301、電源部302、送電部303、検出部304、送電コイル305、通信部306、表示部307、操作部308、メモリ309、および、タイマ310を有する。
制御部301は、例えばメモリ309に記憶されている制御プログラムを実行することにより、TXの全体を制御する。制御部301は、一例において、TXにおける機器認証と送電に必要な制御とを行う。制御部301は、無線電力伝送以外のアプリケーションを実行するための制御を行ってもよい。制御部301は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部301は、特定用途向け集積回路(ASIC)等の特定の処理に専用のハードウェアや、所定の処理を実行するようにコンパイルされたFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のアレイ回路を含んで構成されてもよい。制御部301は、各種処理を実行中に記憶しておくべき情報をメモリ309に記憶させる。また、制御部301は、タイマ310を用いて時間を計測しうる。
電源部302は、TX全体に対して、制御と送電と通信に必要な電力を供給する。電源部302は、例えば、商用電源またはバッテリである。
送電部303は、電源部302から入力される直流又は交流電力を、無線電力伝送に用いる周波数帯の交流周波数電力に変換し、その交流周波数電力を送電コイル305へ入力することによって、RXに受電させるための電磁波を発生させる。なお、送電部303によって生成される交流電力の周波数は数百kHz(例えば、110kHz~205kHz)程度である。送電部303は、制御部301の指示に基づいて、RXに送電を行うための電磁波を送電コイル305から出力させるように、交流周波数電力を送電コイル305へ入力する。また、送電部303は、送電コイル305に入力する電圧(送電電圧)または電流(送電電流)を調節することにより、出力させる電磁波の強度を制御する。送電電圧または送電電流を大きくすると電磁波の強度が強くなり、送電電圧または送電電流を小さくすると電磁波の強度が弱くなる。また、送電部303は、制御部301の指示に基づいて、送電コイル305からの送電が開始または停止されるように、交流周波数電力の出力制御を行う。
検出部304は、WPC規格に基づいて、範囲104に物体が存在する載置されているかを検出する。検出部304は、例えば、送電部303が、送電コイル305を介してWPC規格のAnalog Pingを送電した時の送電コイル305の電圧値または電流値を検出する。そして、検出部304は、電圧が所定電圧値を下回る場合又は電流値が所定電流値を超える場合に、範囲104に物体が存在すると判定しうる。なお、この物体がRXであるかその他の異物であるかは、続いて通信部306によってインバンド通信で送信されるDigital Pingに対して所定の応答を受信した場合に、その物体がRXであると判定される。
通信部306は、RXとの間で、インバンド通信によって、上述のようなWPC規格に基づく制御通信を行う。通信部306は、送電コイル305から出力される電磁波を変調して、RXへ情報を伝送する。また、通信部306は、送電コイル305から出力されてRXにおいて変調された電磁波を復調してRXが送信した情報を取得する。すなわち、通信部306で行う通信は、送電コイル305からの送電に重畳されて行われる。また、通信部306は、RXとの間で、アウトオブバンド通信を行ってもよい。
表示部307は、視覚的、聴覚的、触覚的等の任意の手法で、ユーザに対して情報を提示する。表示部307は、例えば、TXの状態や、図1のようなTXとRXとを含む無線電力伝送システムの状態を示す情報を、ユーザに通知する。表示部307は、例えば、液晶ディスプレイやLED、スピーカ、振動発生回路、その他の通知デバイスを含んで構成される。操作部308は、ユーザからのTXに対する操作を受け付ける受付機能を有する。操作部308は、例えば、ボタンやキーボード、マイク等の音声入力デバイス、加速度センサやジャイロセンサ等の動き検出デバイス、又はその他の入力デバイスを含んで構成される。なお、タッチパネルのように、表示部307と操作部308とが一体化されたデバイスが用いられてもよい。メモリ309は、上述のように、各種情報を記憶する。なお、メモリ309は、制御部301と異なる機能部によって得られた情報を記憶してもよい。タイマ310は、例えば起動された時刻からの経過時間を測定するカウントアップタイマや、設定された時間からカウントダウンするカウントダウンタイマ等によって、計時を行う。
(送電装置による処理の流れ)
続いて、TXが実行する処理の流れの例について説明する。図4に、TXが実行する処理の流れの例を示す。本処理は、例えばTXの制御部301がメモリ309から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。また、本処理は、TXの電源がオンとされたことに応じて、TXのユーザが無線充電アプリケーションの開始指示を入力したことに応じて、又は、TXが商用電源に接続され電力供給を受けていることに応じて、実行されうる。また、他の契機によって本処理が開始されてもよい。
本処理において、TXは、まず、WPC規格のSelectionフェーズとPingフェーズとして規定されている処理を実行し、RXが載置されるのを待ち受ける(S401)。TXは、このフェーズにおいて、WPC規格のAnalog Pingを繰り返し間欠送信し、送電可能範囲内に存在する物体を検出する。そして、TXは、送電可能範囲内に物体が存在することを検出した場合に、WPC規格のDigital Pingを送信する。TXは、そのDigital Pingに対する所定の応答があった場合に、検出された物体がRXであり、RXが充電台103に載置されたと判定する。
TXは、S401でRXが載置されたことを検出すると、WPC規格で規定されたConfigurationフェーズの通信により、そのRXから識別情報と能力情報とを取得する(S402)。ここで、RXの識別情報は、Manufacturer CodeとBasic Device IDとを含む。RXの能力情報は、対応しているWPC規格のバージョンを特定可能な情報要素、RXが負荷に供給できる最大電力を特定する値であるMaximum Power Value、WPC規格のNegotiation機能を有するか否かを示す情報を含む。なお、これらは一例であり、RXの識別情報及び能力情報は、他の情報によって代替されてもよいし、上述の情報に加えて他の情報を含んでもよい。例えば、識別情報は、Wireless Power ID等の、RXの個体を識別可能な任意の他の識別情報であってもよい。また、TXは、WPC規格のConfigurationフェーズの通信以外の方法でRXの識別情報と能力情報を取得してもよい。
続いて、TXは、WPC規格で規定されたNegotiationフェーズの通信により、RXとの間でNegotiationを実行し、GPの値を決定する(S403)。なお、S403では、WPC規格のNegotiationフェーズの通信に限らず、GPを決定する他の手順が実行されてもよい。また、TXは、RXがNegotiationフェーズに対応していないことを示す情報を(例えばS402において)取得した場合に、Negotiationフェーズの通信を行わず、GPの値を(例えばWPC規格で予め規定された)小さな値としてもよい。
TXは、GPの決定後、その決定したGPに基づいて、キャリブレーションを行う(S404)。キャリブレーションは、TXがRXへ送電した電力について、TXが自装置内で測定した値である送電出力の値と、RXが自装置内で測定した受電電力の値との相関を較正する処理である。例えば、TXは、送電出力の値と受電電力の値の差分として求められる電力損失を、RXから受信した較正の基準値となる受電電力の大きさと、その基準値となる受電電力が得られた際に設定されていた送電出力の大きさとに基づいて推定する。また、キャリブレーション処理において、RXの状態が相異なる2つの状態のそれぞれである際に、TXの送電電力とRXの受電電力とが取得されてもよい。そして、この2組の送電電力と受電電力を用いて、実際に無線で送電されている際の受電電力又は送電電力に対して、キャリブレーションするためのパラメータが算出されてもよい。このパラメータは、送電電力と受電電力の相関を一次関数でグラフ化した場合の、傾きの値と切片の値を指す。また、このようなパラメータを算出するために用いられる組み合わせは、送電電力と受電電力の組に限られず、送電電力と電力損失の組でもよいし、受電電力と電力損失の組でもよい。
キャリブレーションにおいては、図9(A)に示すようにWPC規格のCalibrationフェーズの通信が行われる。この処理では、図9(A)に示すように、まず、RXが、TXに第1の較正の基準値となる軽負荷状態における受電電力を含む情報(以下では「第1較正基準値情報」と呼ぶ。)を送信する(F901)。ここで、第1較正基準値情報は、例えばWPC規格で規定されるメッセージであるReceived Power(mode1)によって送受信されるが、他のメッセージが用いられてもよい。TXは、自装置の送電状態に基づいて、第1較正基準値情報を受け入れるか否かを判定し、受け入れる場合は承諾応答(ACK)を、受け入れない場合は拒否応答(NAK)を、RXへ送信する(F902)。ここで、TXは、例えば、自装置の送電状態が安定していると判断した場合には通知を受け入れ、自装置の送電状態が不安定であると判断した場合には通知を受け入れない。なお、TXによって受け入れられた較正基準値情報を、有効な較正基準値情報と呼ぶ場合がある。RXは、TXからNAKを受信した場合には、第1較正基準値情報を再度送信する。一方、RXは、TXからACKを受信すると、TXに第2の較正の基準値となる負荷接続状態における受電電力を含む情報(以下では「第2較正基準値情報」と呼ぶ。)を送信する(F903)。ここで、第2較正基準値情報は、例えばWPC規格で規定されるメッセージであるReceived Power(mode2)によって送受信されるが、他のメッセージが用いられてもよい。TXは、自装置の送電状態に基づいて、第2較正基準値情報を受け入れるか否かを判定し、F902と同様に、受け入れる場合はACKを、受け入れない場合はNAKを、RXへ送信する(F904)。RXは、TXからNAKを受信した場合には、第2較正基準値情報を再度送信する。TXは、RXに対してACKを送信すると、第1較正基準値情報および第2較正基準値情報に含まれる受電電力に基づいて、その2つの基準値が用いられた際の電力損失をそれぞれ特定する。そして、TXは、この2つの基準値と異なる受電電力時の電力損失を、例えば、特定した2つの電力損失の値に基づく線形補間によって、推定する。なお、TXは、Negotiationフェーズ(S403)の終了後、所定時間以内に第2較正基準値情報に対する応答としてACKを送信できない場合は、キャリブレーションに失敗したと判断して送電を停止しうる。キャリブレーションは、WPC規格以外の方法で行われてもよい。
TXは、キャリブレーションの終了後、送電を開始する(S405)。送電は、WPC規格のPower Transferフェーズの処理により行われる。ただし、これに限られず、WPC規格以外の方法で送電が行われてもよい。
続いて、TXは、RXと機器認証のための通信を行う(S406)。ここで、RXとTXとの間で行われる機器認証のための通信について、図9(B)を用いて説明する。なお、本実施形態の機器認証は、電子証明書を用いたチャレンジ・レスポンス型の機器認証とし、RXがTXを認証するものとする。なお、TXがRXを認証するようにしてもよいし、双方が相手装置を認証するようにしてもよい。RXは、TXに対してチャレンジテキストを送信するイニシエータとして動作し、TXはRXから受信したチャレンジテキストを暗号化してRXに送信するレスポンダとして動作する。まず、RXは、GET_DIGESTSメッセージをTXに送信する(F911)。GET_DIGESTSは、その受信者(TX)が有する電子証明書に関する情報を要求するメッセージである。TXは、GET_DIGESTSに応答して、DIGESTSをRXへ送信する(F912)。DIGESTSとは、その送信者(TX)が所有する電子証明書に関する情報を含んだメッセージである。続いて、RXは、電子証明書に関する詳細な情報を要求するGET_CERTIFICATEメッセージを、TXへ送信する(F913)。TXは、RXからのGET_CERTIFICATEに応答して、CERTIFICATEをRXへ送信する(F914)。そして、RXは、チャレンジテキストを含むCHALLENGEメッセージをTXへ送信し(F915)、TXは、RXから受信したチャレンジテキストを暗号化したCHALLENGE_AUTHを、RXへ送信する(F916)。RXは、TXから受信したCHALLENGE_AUTHの正当性が確認された場合に、機器認証が成功したと判定し、正当性が確認できなかった場合は機器認証が失敗したと判定する。この判定が完了したことにより、機器認証処理が終了する。
なお、イニシエータ(RX)は、相手装置(TX)が機器認証の通信に対応していないことを示すメッセージを受信した場合には、相手装置が機器認証に非対応であると判定する。また、イニシエータ(RX)は、通信の途中で応答を受信しなかった場合は、その応答を得るためのメッセージを再送すること等によってリトライしてもよいし、相手装置(TX)が機器認証に対応していないと判定してもよい。RXは、機器認証に対応していないTXとの間では機器認証のための通信を行わず、機器認証の結果を成功としないようにしてもよい。ここでは、S406において、機器認証に成功したものとする。
図4に戻り、TXは、WPC規格で規定されたNegotiationフェーズの通信により、RXとGPの値を再決定する(S407)。ここではS406の機器認証に成功しているため、GPは5ワットよりも大きい値(例えば15ワット)に決定される。TXは、GPの再決定後、送電制御処理を繰り返し実行する(S408)。なお、TXは、WPC規格のEnd Power TransferをRXから受信した場合は、WPC規格に従って、どの処理フェーズにおいてもその処理を終了し、送電を停止した上で、S401のSelectionフェーズに戻る。なお、満充電となった場合にもRXからEnd Power Transferが送信されるため、S401のSelectionフェーズに戻る。
図5を用いて、TXがS408で実行する送電制御処理の流れの例について説明する。本処理は、例えばTXの制御部301がメモリ309から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。
TXは、処理の開始を契機に、電力損失の推定値の算出が終了するまでのタイマを開始する(S501)。なお、タイマは、本処理の開始を契機に、すなわち、Negotiationフェーズの通信終了を示すWPC規格で規定されたSpecific Request(以下では「SRQ/en」と呼ぶ。)に対してACKを送信したことを契機に、開始されうる。ただし、これに限られず、例えば、電力損失の推定値の算出が終了したこと、すなわち、受信した較正基準値情報に対してACKを送信したことを契機に、タイマが開始されてもよい。また、SRQ/enを受信したタイミングにおいてタイマが開始されてもよい。TXは、タイマを開始すると、RXから送電出力変更指示を受信したか否かを判定する(S502)。ここで、送電出力変更指示は、WPC規格のControl Errorメッセージに、電圧の変更量を示す値であるControl Error Valueが含められることによって行われる。Control Error Valueには、送電出力を上げる場合は正の値、送電出力を下げる場合は負の値、送電出力を変更しない場合は0が格納される。TXは、送電出力変更指示を受信した場合(S502でYES)、指示された変更量に基づいて送電出力を変更し(S503)、処理をS504へ進める。一方、TXは、送電出力変更指示を受信していない場合(S502でNO)は何もせずに、処理をS504へ進める。
S504において、TXは、RXから受電電力情報を受信したか否かを判定する。ここで、受電電力情報は、RXにおいてその時点で実際に受電している受電電力を含む情報である。なお、受電電力情報は、WPC規格で規定されたReceived Power(mode0)メッセージによって送受信されるが、これに限られない。TXは、受電電力情報を受信した場合(S504でYES)、承諾応答を送信し(S505)、処理をS506へ進める。一方、TXは、受電電力情報を受信していない場合(S504でNO)、何もせずに処理をS506へ進める。
S506において、TXは、RXから拡張較正基準値情報を受信したか否かを判定する。ここで、拡張較正基準値情報は、電力損失の推定値を算出するための追加の較正の基準値となる負荷接続状態における受電電力を含む情報である。TXは、拡張較正基準値情報を受信した場合(S506でYES)、処理をS507へ進め、拡張較正基準値情報を受信していない場合(S506でNO)は、処理をS511へ進める。S507では、TXは、S506で受信した拡張較正基準値情報を受け入れるか否かを判定する。ここで、TXは、自装置の送電状態が安定しているか否かにより、拡張較正基準値情報を受け入れるか否かを判定しうるが、これに限らない。例えば、TXは、拡張較正基準値情報の示す受電電力における電力損失が、算出済みの電力損失の推定値から所定値以上離れている場合に、拡張較正基準値情報を受け入れないと判定しうる。
TXは、拡張較正基準値情報を受け入れる場合(S507でYES)、拡張較正基準値情報によって示される受電電力に基づいて、電力損失の推定値を算出し(S508)、RXへ承諾応答(ACK)を送信する(S509)。なお、電力損失の推定値の算出とACKの送信は、その順序が逆であってもよいし、同時に実行されてもよい(処理の期間の少なくとも一部が重複してもよい)。そして、TXは、タイマをリセットして(S513)、処理を終了する。電力損失の推定値は、例えば、S506で受信した拡張較正基準値情報によって示される第1の受電電力における第1の電力損失と、前回の較正基準値情報によって示される第2の受電電力に基づいて推定された第2の電力損失とに基づいて推定される。例えば、第1の受電電力P1に対する第1の電力損失の値L1と、第2の受電電力P2に対する第2の電力損失の値L2とから、P1とP2との間の受電電力Pに対する電力損失の値が、(L2-L1)/(P2-P1)×(P-P1)+L1のように算出される。ただし、電力損失の推定方法は、線形補間に限られない。例えば、Calibrationフェーズ以降で受信された少なくとも1つ以上の較正基準値情報に基づいて、線形近似や多項式近似等の統計解析により電力損失の推定値が算出されてもよい。また、これらの推定方法は、利用可能な較正基準値情報の数やTXの計算資源に応じて選択されてもよい。これにより、計算資源に余裕がある場合は、より多くの較正基準値情報を用いて統計解析を行うことで高精度な推定値を算出することができ、また、計算資源が少ない場合は線形補間等の簡易的な推定を行うことで算出にかかる計算時間を短くすることができる。
一方、TXは、拡張較正基準値情報を受け入れない場合(S507でNO)、RXへ拒否応答(NAK)を送信し(S510)、タイムアウトが発生したか否かを判定する(S511)。TXは、S501におけるタイマの開始後、所定時間以内に電力損失の推定値の算出が終了したか否かによって、タイムアウトが発生したか否かを判定しうる。すなわち、TXは、RXから拡張較正基準値情報を受信しないまま所定時間が経過した場合や、その情報に対して承諾応答(ACK)を送信しないまま所定時間が経過した場合に、タイムアウトが発生したと判定しうる。また、TXは、タイマでの計時に代えて又はこれに加えて、RXから受信した送電出力変更指示の受信回数や、RXから受信した受電電力情報等の較正基準値情報と異なる所定情報の受信回数が所定回数以上となったか否かを判定してもよい。例えば、TXは、S501で、タイマを開始する際に、又はタイマを開始するのに代えて、指示や情報の受信回数を0にリセットし、指示や情報を受信する度に受信回数をカウントアップし、その回数が所定回数に達したか否かをS511において判定してもよい。また、TXは、タイマでの計時に代えて又はこれに加えて、受信した拡張較正基準値情報に対する拒否応答(NAK)の送信回数が所定回数以上となったか否かを判定してもよい。この場合も、TXは、S501でNAKの送信回数を0にリセットし、NAKを送信する度に送信回数をカウントアップし、その回数が所定回数に達したか否かをS511において判定しうる。TXは、タイムアウトが発生したと判定した場合(S511でYES)、タイムアウト処理を実行する(S512)。TXは、タイムアウト処理を完了すると、タイマをリセットして(S513)、本処理を終了する。なお、S512のタイムアウト処理については後述する。一方、TXは、タイムアウトが発生していないと判定した場合(S511でNO)、処理をS502へ戻す。
なお、上述のように、TXは、図5の処理を繰り返し実行する。この処理を繰り返し実行して、拡張較正基準値情報を用いて、電力損失の推定値を逐次的に更新していくことにより、最新の電力損失の推定値に基づいて異物検出を行うことにより、異物検出精度の低下を防ぐことができる。その結果、異物の誤検出による充電停止や、存在する異物を検出できないことによる温度上昇等を防ぎ、利便性を向上させることができる。なお、S513でタイマがリセットされた場合、その時点でS501のタイマの開始が行われてもよい。すなわち、タイマのリセットと再開は同じタイミングであってもよい。なお、有効な較正基準値情報を取得した場合、例えば、その情報を取得したタイミングや、電力損失の推定値を算出したタイミングやACKを送信したタイミングなど、較正基準値情報の取得タイミングに関連する所定のタイミングで、タイマがリセットされうる。また、タイムアウト処理時には、目標値まで下がった受電電力を示す受電電力情報の受信タイミング、有効な拡張較正基準値情報の受信タイミング、それらに対するACKの送信タイミング等の所定のタイミングで、タイマがリセットされうる。
次に、図6を用いて、図5のS512で実行されるタイムアウト処理の流れについて説明する。本処理は、例えばTXの制御部301がメモリ309から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。
TXは、処理の開始後、RXから送電出力変更指示を受信したか否かを判定する(S601)。TXは、送電出力変更指示を受信した場合(S601でYES)、処理をS602へ進め、送電出力変更指示を受信していない場合(S601でNO)、処理をS605へ進める。S602において、TXは、送電出力変更指示が送電出力を上げる指示であるか、すなわち、例えばControl ErrorメッセージにおいてControl Error Valueに正の値が含められているかを判定する。TXは、送電出力変更指示が送電出力を上げることを示すと判定した場合(S602でYES)、送電出力を変更せず(S603)、処理をS605へ進める。すなわち、較正基準値の更新後に新しい較正基準値を得ることのないまま一定の時間が経過するなどによりタイムアウトが発生したと判定される状況において、TXは、送電出力を上げる送電出力変更指示に従わないようにする。これにより、較正基準値の更新後に長い時間が経過して、較正基準値の情報が正確性を欠くことによって異物検出精度が低下した状況では、異物が存在するにもかかわらず、TXは、その異物が存在しないように判定してしまいうる。このため、異物が存在するが検出できない可能性のある環境において、TXが送電出力を上げないようにすることで、温度上昇等が発生することを防ぐことができる。一方、TXは、送電出力変更指示が送電出力を上げることを示すものではないと判定した場合(S602でNO)、指示された変更量に基づいて送電出力を変更し(S604)、処理をS605へ進める。
S605では、TXは、RXから受電電力情報を受信したか否かを判定する(S605)。TXは、受電電力情報を受信した場合(S605でYES)、処理をS606へ進め、受電電力情報を受信していない場合(S605でNO)、処理をS609へ進める。S606では、TXは、受信した受電電力情報に基づいて、受電電力が目標値まで低下したか否かを判定する。ここで、目標値は、ネゴシエーション再実行前のGPの範囲内となる受電電力に設定されうるが、これに限られない。例えば、目標値は、最後に承諾した(ACKを送信した)較正基準値情報によって示される受電電力や、過去に承諾した較正基準値情報の示す受電電力のうち最大の受電電力等に設定されうる。
TXは、受電電力が目標値まで低下したと判定した場合(S606でYES)、承諾応答(ACK)を送信して(S607)、本処理を終了する。一方、TXは、受電電力が目標値まで低下していないと判定した場合(S606でNO)、拒否応答(NAK)を送信し(S608)、処理をS609へ進める。S609では、TXは、拡張較正基準値情報を受信したか否かを判定する。TXは、拡張較正基準値情報を受信した場合(S609でYES)、処理をS610へ進め、拡張較正基準値情報を受信していない場合(S609でNO)、処理をS601へ戻す。TXは、第1較正基準値情報および第2較正基準値情報と同様に、拡張較正基準値情報を受け入れるか否かを判定する(S610)。そして、TXは、拡張較正基準値情報を受け入れる場合(S610でYES)、承諾応答(ACK)を送信し(S611)、その情報に基づいて電力損失の推定値を算出して(S613)、本処理を終了する。一方、TXは、拡張較正基準値情報を受け入れない場合(S610でNO)、拒否応答(NAK)を送信し(S612)、処理をS601へ戻す。本処理の終了後、TXは、処理をS513に進め、その後は図5の処理を繰り返し実行する。
(受電装置による処理の流れ)
続いて、RXが実行する処理の流れの例について説明する。図7に、RXが実行する処理の流れの例を示す。本処理は、例えばRXの制御部201がメモリ209から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。また、本処理は、RXの電源がオンとされたことに応じてバッテリ202またはTXからの給電によりRXが起動したことに応じて、RXのユーザが無線充電アプリケーションの開始指示を入力したことに応じて、実行されうる。また、他の契機によって本処理が開始されてもよい。
RXは、処理の開始後、WPC規格のSelectionフェーズとPingフェーズとして規定される処理を実行して、自装置がTXに載置されるのを待つ(S701)。RXは、例えば、TXからのDigital Pingを検出することによって、TXに載置されたことを検出する。RXは、自装置がTXに載置されたことを検出すると、WPC規格で規定されたConfigurationフェーズの通信により、TXへ識別情報と能力情報を送信する(S702)。RXは、識別情報と能力情報を送信すると、WPC規格で規定されたNegotiationフェーズの通信により、GPを決定する(S703)。ここでは、機器認証のための通信を実行していないため、RXは、GP=5ワットとなるようにネゴシエーションを行うことを決定する。RXは、決定したGPに基づいて、図9(A)を用いて説明したWPC規格のCalibrationフェーズの通信を行う。RXは、キャリブレーションが完了すると、WPC規格で規定されたPower Transferフェーズの通信により、受電を開始する(S705)。RXは、受電の開始後、図9(B)で説明した機器認証のための通信を行う(S706)。この機器認証は成功したものとする。その後、RXは、ネゴシエーションを行い、GPの値をTXと再決定する(S707)。S707では、RXは、機器認証に成功しているため、5ワットよりも大きい値(例えば15ワット)をGPとして決定する。RXは、GPの再決定後、受電制御処理を繰り返し実行する(S708)。なお、RXは、エラーが発生した場合や満充電に達した場合に、WPT規格のEnd Power Transferを送信する。これによりTXからの送電が停止され、無線充電のための一連の処理が終了する。
続いて、図8を用いて、S708で実行される受電制御処理の流れの例について説明する。本処理は、例えばRXの制御部201がメモリ209から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。
RXは、処理の開始後、受電電力がGPよりも小さいか否かを判定する(S801)。RXは、受電電力がGPよりも小さいと判定した場合(S801でYES)、消費電力を上げて(S802)、TXに送電出力を増加することを指示する送電出力変更指示を送信し(S803)、処理をS805へ進める。一方、RXは、受電電力がGP以上であると判定した場合(S801でNO)、消費電力を変更せず、TXに送電出力を維持することを指示する送電出力変更指示を送信し(S804)、処理をS805へ進める。
S805において、RXは、拡張較正基準値情報の送信タイミングに達したか否かを判定する。ここで、拡張較正基準値情報の送信タイミングに達したか否かの判定は、ネゴシエーションの完了後に、所定時間が経過したか否かにより行われうるが、これに限られない。RXは、例えば、TXが電力損失の推定値の算出を完了して、RXが較正基準値情報に対するACKを受信した後に経過した時間が、所定時間に達したか否かにより、S805の判定を実行してもよい。また、RXは、S805の判定を、経過時間以外の指標を用いて実行してもよい。例えば、RXは、ネゴシエーションが完了した時点の受電電力と現在の受電電力との差分が閾値以上であるか否かにより、拡張較正基準値情報の送信タイミングであるか否かを判定してもよい。また、RXは、最後にACKを受信した較正基準値情報の受電電力と、現在の受電電力との差分を用いて、拡張較正基準値情報の送信タイミングであるか否かを判定してもよい。これにより、RXは、受電電力に一定以上の変化があった場合、すなわち、TXにおける電力損失の推定値の誤差が大きいことが想定される場合に、確実に拡張較正基準値情報をTXへ送信することができる。
RXは、拡張較正基準値情報の送信タイミングであると判定した場合(S805でYES)、現在の受電電力を含む拡張較正基準値情報を送信して(S806)、TXから拒否応答(NAK)を受信したか否かを判定する(S807)。RXは、送信した拡張較正基準値情報に対するNAKをTXから受信した場合(S807でYES)は、拡張較正基準値情報を再送信する(S806)。なお、RXは、NAKを受信した場合、RXの再載置等をユーザに促す旨の表示を表示部207によって行ってもよい。これにより、RXの位置ずれ等によってTXにおける送電が不安定となっている場合に、充電開始のための所定の処理をやり直すことが可能となり、安定した充電を再開することができる。一方、拡張較正基準値情報に対してACKを受信した場合(S807でNO)、何もせずに本処理を終了する。
一方、RXは、拡張較正基準値情報の送信タイミングでないと判定した場合(S805でNO)、例えば一定の時間間隔で受電電力情報をTXへ送信し(S808)、TXから拒否応答(NAK)を受信したか否かを判定する(S809)。RXは、送信した受電電力情報に対するNAKをTXから受信した場合(S809でYES)、消費電力を下げ(S810)、TXの送電出力を下げることを指示する送電出力変更指示をTXへ送信し(S811)、本処理を終了する。一方、RXは、受電電力情報に対するACKをTXから受信した場合(S809でNO)、何もせずに本処理を終了する。
なお、送電出力の上昇局面又は下降局面において、RXが定期的に拡張較正基準値情報を送信することにより、較正基準値の受電電力と実際の受電電力が大きく乖離することを防ぐことができる。例えば送電出力の上昇時に、一定期間内に較正基準値情報がRXからTXへ通知される場合、TXは、それまでに取得した較正基準値の受電電力より高く、かつ、それらの較正基準値の受電電力と大きく乖離しない新たな較正基準値を取得することができる。同様に、送電出力の下降時に、一定期間内に較正基準値情報がRXからTXへ通知される場合、TXは、それまでに取得した較正基準値の受電電力より低く、かつ、それらの較正基準値の受電電力と大きく乖離しない新たな較正基準値を取得することができる。そして、TXは、このような新たな較正基準値を用いることにより、その較正基準値がない場合と比して、高精度に電力損失を推定することができる。一般に、較正基準値の受電電力と、実際の受電電力との差が大きくなると、電力損失の推定誤差も大きくなることが予想される。これに対して、一定期間内に現在の受電電力に対応する較正基準値情報をRXからTXへ通知することにより、TXが既存の構成基準値の受電電力と一定以上乖離しない範囲の受電電力の較正基準値を取得することができる。この結果、例えばTXが広範囲な受電電力の較正基準値を満遍なく取得することができ、RXが、較正基準値に対応する受電電力と大幅に乖離した電力を受電することがなくなる。これにより、どの受電電力に対しても高精度に電力損失を推定することができるようになり、異物の誤検出や存在する異物の検出に失敗することを防ぐことが可能となる。また、送電出力の上昇局面又は下降局面において、TXが一定期間内に拡張較正基準値情報を取得できなかった場合は、現在の受電電力が、較正基準値の受電電力と大きく乖離する可能性がある。このため、タイムアウト判定を用いて、タイムアウトした場合に、TXが送電出力を上げない(又は低減する)ことによって、異物の検知精度が低くなりうるような電力での送受電が行われないようにすることができる。
なお、上述のタイムアウトに関連する各処理は、RXの受電電力が既存の較正基準値の受電電力を超える程度に送電出力が上昇(又は下降)する状況においてのみ、実行されてもよい。受電電力が既存の較正基準値の受電電力の範囲内に収まっている場合には、追加の較正基準値を取得せずとも、高精度な電力損失の推定を実行可能であるからである。なお、TXは、例えば較正基準値のそれぞれについて有効期限を設定してもよい。そして、TXは、設定した有効期限を経過した基準値を破棄して、上述の処理を実行してもよい。また、TXは、例えば保持している基準値で特定される受電電力の範囲を超えて受電電力が変化するように送電出力を上昇/下降させる場合に、上述のタイムアウトに関連する各処理を実行するようにしてもよい。
(システムで実行される処理の流れ)
TXとRXが上述の処理を実行する場合の動作シーケンスについて、いくつかの状況を想定して説明する。なお、初期状態として、RXはTXに載置されておらず、TXはRXの要求するGPでの送電を実行可能な程度の十分な送電能力を有しているものとする。
<処理例1>
まず、図10を用いて第1の処理例について説明する。本処理例では、最初のネゴシエーションでGPが5ワットに決定され、送電が開始される。そして、送電開始後、機器認証が成功し、ネゴシエーションの再実行によりGPが15ワットに再決定される。TXは、ネゴシエーションの完了を契機に、すなわち、SRQ/enに対するACK送信を契機に、タイマを開始する。そして、RXにおける受電電力が5ワットから15ワットまで変化する一方で、TXが所定時間内に拡張較正基準値情報を受信できず、ACKも送信できなかったものとする。このとき、本処理例のTXは、機器認証前のGPの範囲内=5ワットを目標値として送電出力を下げるようにする。
TXは、Analog Pingによって物体が載置されるのを待つ(S401、F1001)。TXは、RXが載置されることにより(F1002)、Analog Pingに変化が生じ(F1003)、これにより物体が載置されたことを検知する(F1004)。RXは、続くDigital Pingにより、自装置がTXに載置されたことを検知する(S701、F1005、F1006)。また、TXは、Digital Pingの応答により、載置された物体がRXであることを検知する。続いて、Configurationフェーズの通信により、TXは、RXから識別情報および能力情報を取得する(S402、S702、F1007)。次に、TXとRXは、Negotiationフェーズの通信を実行する(S403、S703、F1008)。なお、この時点では機器認証が成功していないため、このネゴシエーションではGP=5ワットと決定される。
続いて、TX及びRXは、Calibrationフェーズの通信を開始する(S404、S704)。Calibrationフェーズの通信において、TXは、RXから受電電力=500ミリワットである第1較正基準値情報を受信する(F1009)。そして、TXは、例えば自身の送電状態が安定していると判定したことによって、この第1較正基準値情報を受け入れることを決定し、ACKを送信する(F1010)。次に、TXは、RXから送電出力の増加を指示する送電出力変更指示を受信し(F1011)、指示に従って送電出力を増加する(F1012)。その後、TXは、RXから受電電力=5ワットである第2較正基準値情報を受信する(F1013)。TXは、例えば自身の送電状態が安定していると判定したことによって、この第2較正基準値情報を受け入れることを決定し、ACKを送信する(F1015)。また、TXは、第1較正基準値情報と第2較正基準値情報とに基づいて、電力損失の推定値を算出する(F1014)。F1015のACKにより、Power Transferフェーズが開始される(S405、S705)。続いて、機器認証のための通信が行われる(S406、S706、F1016)。この機器認証は成功したものとする。機器認証に成功した場合、TX及びRXは、Negotiationフェーズの通信を再度実行し、GPが再決定される(S407、S707、F1017)。なお、ここでは、GP=15ワットに再決定されたものとする。GPが再決定されると、TXおよびRXは、それぞれ、送電制御処理および受電制御処理を開始する(S408、S708)。
TXは送電制御処理を開始すると、電力損失の推定値の算出が終了するまでのタイマを開始する(S501、F1018)。TXは、RXから送電出力の増加を指示する送電出力変更指示を受信すると、指示に従って送電出力を増加する(S503、S802、S803、F1019、F1020)。続いて、TXはRXから受電電力=15ワットである受電電力情報を受信し(S808、F1021)、この受電電力情報に対するACKを送信する(S505、F1022)。TXは、RXから送電出力を変更しないことを指示する送電出力変更指示を受信すると(S804、F1023)、指示に従って送信出力の変更を行わない。その後、TXは、例えばタイマ開始から拡張較正基準値情報を受信しないまま所定時間が経過したことを契機に、タイムアウトが発生したと判定して、タイムアウト処理を開始する(S512、F1024)。TXは、タイムアウト処理の開始後、RXから受電電力=15ワットの受電電力情報を受信すると(S808、F1025)、目標値の5ワットまでRXの受電電力を低下させるために、NAKを送信する(S608、F1026)。RXは、消費電力を下げ(S810、F1027)、送電出力の低減を指示する送電出力変更指示をTXへ送信する(S811、F1028)。TXは、この送電出力変更指示を受信すると、その指示に従って送電出力を下げる(S604、F1029)。続いて、TXは、RXから受電電力=10ワットである受電電力情報を受信すると(S808、F1030)、目標値の5ワットよりも大きい受電電力であるため、引き続きRXに受電電力を下げさせるためにNAKを送信する(S608、F1031)。RXは、消費電力を下げ(S810、F1032)、送電出力の低減を指示する送電出力変更指示をTXへ送信する(S811、F1033)。TXは、この送電出力変更指示を受信すると、その指示に従って送電出力を下げる(S604、F1034)。その後、TXは、受電電力=5ワットの受電電力情報を受信すると(S808、F1035)、目標値の5ワット以下の受電電力となったため、RXへACKを送信して、その出力で送電を継続する(S607、F1036)。
以上に説明した動作によれば、TXは相対的に高い送電出力での高速充電の開始後、電力損失の推定値の算出ができない場合に、送電出力を高速充電開始前の出力の範囲内まで下げる。これにより、異物の誤検出や未検出が発生しうることを想定しながら、適切な送電出力での送受電を継続することができる。また、送電出力の上昇局面又は下降局面において、RXが定期的に拡張較正基準値情報を送信することにより、較正基準値の受電電力と実際の受電電力が大きく乖離することを防ぐことができる。これにより、上昇又は下降した受電電力に対しても高精度に電力損失を推定することができるようになり、異物の誤検出や存在する異物の検出に失敗することを防ぐことが可能となる。また、送電出力の上昇局面又は下降局面において、TXが一定期間内に拡張較正基準値情報を取得できなかった場合に、タイムアウトが発生したと判定し、TXが送電出力を上げない(又は低減する)ようにする。これにより、異物の検知精度が低くなりうるような電力での送受電が行われないようにすることができる。
<処理例2>
次に、図11を用いて第2の処理例について説明する。本処理例では、処理例1と異なり、タイムアウトが発生したときに、TXが、直前に取得した有効な拡張較正基準値情報の受電電力を目標値として、送電出力を下げるようにする。ここでは、GPの再決定後、RXにおける受電電力が5ワットから10ワットまで変化した際に、TXが、RXの受電電力が10Wの拡張較正基準値情報を受信して、電力損失の推定値の算出を行ってACKを送信したものとする。この場合、TXは、ACK送信を契機にタイマをリセットし、再度タイマを開始する。その後、RXにおける受電電力が10ワットから15ワットに変化するが、TXが、所定時間内に拡張較正基準値情報が受信できなかったとする。この場合、TXは、最後に取得した有効な拡張較正基準値情報の受電電力である10ワットを目標値として、送電出力を下げる。
F1101~F1120の処理は、図10のF1001~F1020と同様である。このため、これらの処理については説明を省略する。
F1121において、RXは、受電電力=7Wの受電電力情報をTXへ送信する(S808)。TXは、この受電電力情報を受信すると、この時点ではタイムアウトしていないため、ACKを送信する(S505、F1122)。その後、RXは、受電電力がGPに達していないため、送電出力の増加を指示する送電出力変更指示をTXへ送信する(S802、S803、F1123)。TXは、この送電出力変更指示を受信すると、この指示に従って送電出力を増加する(S503、F1124)。
その後、RXは、拡張較正基準値情報の送信タイミングとなったことに応じて、拡張較正基準値情報をTXへ送信する(S806、F1125)。なお、ここでの拡張較正基準値情報は、RXの受電電力=10ワットを示すものとする。TXは、拡張較正基準値情報を受信すると、例えば自身の送電状態が安定していると判定したことによって、この較正基準値情報を受け入れることを決定し、電力損失の推定値を算出し(S508、F1126)、ACKを送信する(S509、F1127)。
TXは、ACKの送信後、タイマをリセットして、再度タイマを開始する(S513、S501、F1128、F1129)。その後、RXは、受電電力=13ワットである受電電力情報をTXへ送信する(S808、F1130)。TXは、タイマの満了前にこの受電電力情報を受信すると、ACKを送信する(S505、F1131)。その後、TXは、F1129のタイマ開始から拡張較正基準値情報を受信しないまま所定時間が経過したことを契機に、タイムアウトが発生したと判定し、タイムアウト処理を開始する(S512、F1132)。
その後、RXは、受電電力がGPに達していないため、送電出力の増加を指示する送電出力変更指示をTXへ送信する(S802、S803、F1133)。TXは、この送電出力変更指示を受信するが、タイムアウト発生後であるため、その指示には従わず送電出力の変更を行わない(S603、F1134)。この後に、RXは、受電電力=13ワットの受電電力情報をTXへ送信する(S808、F1135)。TXは、この受電電力情報を受信すると、タイムアウト処理の開始後であるため、RXに受電電力を目標値の10ワットまで下げさせるためにNAKを送信する(S608、F1136)。RXは、このNAKを受信すると、消費電力を下げ(S810、F1137)、送電出力の低減を指示する送電出力変更指示をTXへ送信する(S811、F1138)。TXは、この送電出力変更指示を受信すると、その指示に従って、送電出力を下げる(S604、F1139)。その後、RXは、送電出力の低下に伴って受電電力が10ワットまで下がったことを示す受電電力情報をTXへ送信する(S808、F1140)。TXは、この受電電力=10ワットの受電電力情報を受信すると、目標値である10ワット以下の受電電力となったため、ACKを送信する(S607、F1041)。そして、TXは、送電出力を維持して送電を継続する。
以上に説明した動作によれば、TXは相対的に高い送電出力での高速充電の開始後、電力損失の推定値の算出ができない場合に、電力損失の推定値が算出済みである受電電力を得られるように、送電出力を下げる。これにより、異物の誤検出や未検出が発生しうることを想定しながら、適切な送電出力での送受電を継続することができる。また、送電出力の上昇局面又は下降局面において、RXが定期的に拡張較正基準値情報を送信することにより、較正基準値の受電電力と実際の受電電力が大きく乖離することを防ぐことができる。これにより、上昇又は下降した受電電力に対しても高精度に電力損失を推定することができるようになり、異物の誤検出や存在する異物の検出に失敗することを防ぐことが可能となる。また、送電出力の上昇局面又は下降局面において、TXが一定期間内に拡張較正基準値情報を取得できなかった場合に、タイムアウトが発生したと判定し、TXが送電出力を上げない(又は低減する)ようにする。これにより、異物の検知精度が低くなりうるような電力での送受電が行われないようにすることができる。
なお、TXは、上述のタイマの開始タイミングを、機器認証およびネゴシエーションの再実行前としてもよい。例えば、TXは、第2較正基準値情報を受信してキャリブレーションが終了したことを契機に、すなわち、第2較正基準値情報に対するACKを送信したことを契機に、タイマを開始してもよい。このとき、TXは、機器認証が成功していない受電装置との間のGPである5ワットより小さい受電電力(例えば3ワット)でキャリブレーションが終了した場合にタイマを開始しうる。そして、TXは、所定時間内に(例えば受電電力=5ワットなどの)拡張較正基準値情報を受信できない場合は、第2較正基準値情報の受電電力=3ワットを目標値として送電出力を下げる。このように、送電出力を高速充電開始前であるキャリブレーション完了時点の出力に下げることで、送電出力が小さく、一般に誤差変動が大きい傾向にある状態において、適切な出力で送受電を継続することができる。
また、TXは、上述のタイマを、受電電力の変化量が閾値以上となったことを契機に開始するようにしてもよい。すなわち、TXは、受電電力の変化量が閾値以上となる前には、図5や図6におけるタイムアウトに関連する処理を実行しないようにしてもよい。例えば、TXは、キャリブレーションの終了直後の受電電力からの変化量が閾値以上となる受電電力を示す受電電力情報や較正基準値情報を受信したことを契機に、又は、これらに対して応答を送信したことを契機に、タイマを開始しうる。また、TXは、有効な拡張較正基準値情報を取得した際の受電電力からの変化量が閾値以上となる受電電力を示す受電電力情報や較正基準値情報を受信したことを契機に、又は、これらに対して応答を送信したことを契機に、タイマを開始してもよい。また、TXは、有効な較正基準値情報の受電電力のいずれかからの変化量が閾値以上となる受電電力を示す受電電力情報や較正基準値情報を受信したことを契機に、又は、これらに対して応答を送信したことを契機に、タイマを開始してもよい。これにより、電力損失の推定値の算出を行った受電電力からの変化が軽微であり、異物検出の精度が十分に確保されていると考えられる場合に、不要なタイムアウトが発生し、送電出力が不必要に変更されることを抑制することができる。なお、受電電力の変化量に関する閾値は、事前に決定された固定の値が用いられてもよいし、Power Transferフェーズを開始するまでの任意の通信により、TXとRXとの間で決定された値が用いられてもよい。また、TXは、有効な拡張較正基準値情報を取得してからの受電電力の変化量が閾値以上となる前には、図5や図6におけるタイムアウトに関連する処理を実行しないようにしうる。
また、TXは、上述のタイマを、送電出力の変化量が閾値以上となったことを契機に開始してもよい。すなわち、TXは、送電出力の変化量が閾値以上となる前には、図5や図6におけるタイムアウトに関連する処理を実行しないようにしてもよい。例えば、TXは、キャリブレーションの終了直後の送電出力からの変化量が閾値以上となったことを契機に、又は、有効な較正基準値情報を取得した際の送電出力からの送電出力の変化量が閾値以上となったことを契機に、タイマを開始しうる。一例において、TXは、上述の送電出力変更指示によって送電出力が増加された場合に1だけ増加し、送電出力変更指示によって送電出力が低減された場合に1だけ減少する値が正の所定値又は負の所定値に達した場合に、タイマを開始しうる。また、TXは、送電出力変更指示によって送電出力を変化させるべき量を示す値が指定されている場合には、その指定されている値を累積加算し、その値が正の所定値又は負の所定値に達した場合に、タイマを開始しうる。また、TXは、自装置の送電出力を監視して、その変化量が所定値に達したことを契機にタイマを開始しうる。これにより、電力損失の推定値の算出後、送電出力の変更が軽微であり、受電電力の変化も軽微であると想定される場合に、不要なタイムアウトが発生し、送電出力が不必要に変更されることを抑制することができる。また、TXは、有効な拡張較正基準値情報を取得してからの送電出力の変化量が閾値以上となる前には、図5や図6におけるタイムアウトに関連する処理を実行しないようにしうる。
また、TXは、上述のタイマを、電力損失の推定値の算出後、拡張較正基準値情報を受信したことを契機に開始してもよい。すなわち、TXは、拡張較正基準値情報が受信される前までは、図5や図6におけるタイムアウトに関連する処理を実行しないようにしうる。これにより、算出済みの電力損失の推定値を用いて異物検出を実行可能な場合に、RXが推定値を算出させる意思がある時のみ、タイムアウトを設けることができる。これにより、不要なタイムアウトが発生し、送電出力が不必要に変更されることを抑制することができる。
また、TXは、所定の条件を満たす場合は、上述のタイマを開始しなくてもよい。すなわち、TXは、所定の条件が満たされない間は、図5や図6におけるタイムアウトに関連する処理を実行しないようにしうる。TXは、例えば、過去に取得した有効な較正基準値情報の受電電力の近傍の受電電力で送受電が行われている場合や、複数の較正基準値情報によって推定値が計算されている範囲内の受電電力での送受電が行われている場合に、タイマを開始しないようにしうる。また、TXは、過去に取得した有効な較正基準値情報によって推定値の計算が行われた回数が所定回数以上となった場合に、タイマを開始しないようにしてもよい。これにより、異物検出の精度が十分に確保されている場合に、不要なタイムアウトが発生し、送電出力が不必要に変更されることを抑制することができる。
また、上述の例では、タイムアウトの発生後、目標値を電力損失の推定値の算出を行った受電電力の範囲内となるようにすると説明したが、その範囲外でも電力損失の推定値を算出した受電電力との差分が閾値未満となる受電電力を目標値として用いてもよい。これにより、算出済みの推定値を用いた異物検出の精度に大きな影響を与えない範囲で、可能な限り高速な充電を継続することができる。
また、上述の例では、タイムアウトの発生後、受電電力が目標値となるようにTXが送電出力を変更すると説明したが、TXとRXとの間でネゴシエーションを再度実行し、GPを目標値に変更してもよい。このとき、目標値が、有効な較正基準値情報によって示される受電電力の最小値と最大値との間の範囲内の値になるように、ネゴシエーションが行われうる。これにより、RXが受電可能な受電電力の最大値を目標値以下に抑えることで、異物検出の精度が低下することを抑制しながら、充電を継続することができる。
また、TXは、タイムアウトの発生後、充電処理において何らかの問題が発生していると判断して、送電を停止してもよい。これにより、異物の未検出や誤動作等による問題が発生することを抑制することができる。また、TXは、送電停止後に、S401のSelectionフェーズに処理を戻してもよい。これにより、RXの位置ずれ等によって送電を継続することが困難となった場合に、充電開始のための所定の処理をやり直し、適切に充電を再開することができる。
また、上述の例では、TXは、タイムアウトの発生後に、受電電力が目標値となるように送電出力を変更するため、受電電力情報に対してRXへ拒否応答(NAK)を送信するようにしたが、このときに付加情報を含めた応答を送信してもよい。例えば、TXは、送電出力変更の通知や、送電出力変更の理由、受電電力の目標値、タイムアウトの判定基準、追加較正基準値情報の送信要求等を、拒否応答に含めて送信しうる。なお、これらの情報は、拒否応答とは異なる別の応答信号/メッセージによって送信されてもよい。また、全部の付加情報が1つの応答信号またはメッセージによって送信されてもよいし、複数の応答信号またはメッセージによって分散的に送信されてもよい。このような付加情報により、RXは、例えば表示部207を用いて、高速充電が制限されていることを表示等によってユーザに通知することが可能となり、ユーザ利便性を向上させることができる。また、RXは、付加情報の受信を契機に追加較正基準値情報を送信することができ、TXにおける送電出力の変更を回避し、高速な充電を継続可能とすることができる。
また、TXは、タイムアウトの発生後、表示部307を用いて高速充電を継続するか否かをユーザに問い合わせ、操作部308を介して受け付けた指示に基づいて、送電出力を変更するか否かを決定してもよい。例えば、TXは、問い合わせを開始してから所定時間以内に高速充電の継続を指示された場合は、送電出力を変更せず、受電電力情報に対して承諾応答(ACK)を送信しうる。また、この処理は、RXの表示部207および操作部208を用いて行われてもよい。例えば、RXは、上述の付加情報を受信したことを契機に、ユーザへの問い合わせを開始し、所定時間以内に高速充電の継続を指示された場合は、送電出力の低減を指示する送電出力変更指示を送信しないようにしうる。これにより、異物混入等が発生していないとユーザが判断できる場合に、不要な送電出力の変更を抑制し、高速な充電を継続することができる。
上述の例では、RXにおける受電電力を上昇させる際に、所定時間以上、較正基準値情報が受け入れられない場合に送電出力を下げる(上げない)ようにしたが、RXにおける受電電力を下降させる際にも同様の処理が行われてもよい。すなわち、送電出力変更の目標値は、その時点の受電電力よりも大きい受電電力となってもよく、TXはRXにおける受電電力が上昇するように送電出力を上げてもよい。例えば、TXは、過去に取得した有効な較正基準値情報の示す受電電力のうちの最大の受電電力を目標値として用いうる。この場合、RXは、TXに対して、送電出力の増加を指示する送電出力変更指示を送信する。これにより、異物を精度良く検出できる受電電力で、可能な限り高速な充電を継続することができる。
なお、上述の例では、TXが、電力損失の推定値を算出すると説明したが、これに限られない。すなわち、TXは、送電出力とその送電出力で得られるRXの受電電力とを関連付ける情報を取得すれば足りる。例えば、TXは、第1の較正基準値の受電電力Pr1とその際の送電出力Pt1との組み合わせ、及び、第2の較正基準値の受電電力Pr2とその際の送電出力Pt2との組み合わせを取得するだけでもよい。この場合も、例えばPr1とPr2との間の受電電力Pr3について、(Pt2-Pt1)/(Pr2-Pr1)×(Pr3―Pr1)+Pt1の値と、実際の送電電力とを比較して、その差の絶対値が所定値を超えた場合に、異物があると検出することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
101:受電装置、102:送電装置、201:制御部、203:受電部、206:通信部、207:表示部、208:操作部、301:制御部、303:送電部、306:通信部、307:表示部、308:操作部、310:タイマ

Claims (13)

  1. 受電装置へ無線で送電する送電手段と、
    前記受電装置と通信する通信手段と、
    を有し、
    前記通信手段は、キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信し、
    前記通信手段は、前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信し、
    前記通信手段は、前記第2の情報を受信した後に、第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信し、
    前記送電手段は、前記第2の受電電力と前記第3の受電電力との差が閾値を超えており、かつ、前記通信手段が前記第3の情報を受信したタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第4の情報であって第4の受電電力の情報を含む第4の情報を受信することなく所定時間が経過した場合に、送電を制限する所定の処理を実行する、
    とを特徴とする送電装置。
  2. 受電装置へ無線で送電する送電手段と、
    前記受電装置と通信する通信手段と、
    を有し、
    前記通信手段は、キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信し、
    前記通信手段は、前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信し、
    前記通信手段は、前記第2の情報を受信した後に、第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信し、
    前記送電手段は、前記第2の受電電力と前記第3の受電電力との差が閾値を超えており、かつ、前記第3の情報に対する応答が前記受電装置へ送信されたタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第4の情報であって第4の受電電力の情報を含む第4の情報を受信することなく所定時間が経過した場合に、送電を制限する所定の処理を実行する、
    ことを特徴とする送電装置。
  3. 受電装置へ無線で送電する送電手段と、
    前記受電装置と通信する通信手段と、
    を有し、
    前記通信手段は、キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信し、
    前記通信手段は、前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信し、
    前通信手段は、前記受電装置からControl Error情報を受信し、
    前記送電手段は、前記通信手段が前記第2の情報を受信した際の送電電力からの、前記Control Error情報に基づいて生じる送電電力の変化量が閾値以上となるタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第3の情報であって第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信することなく所定の期間が経過した場合、送電を制限する所定の処理を実行することを特徴とする送電装置。
  4. 前記所定の処理は、前記受電装置における受電電力が、前記第2の受電電力となるまで送電電力を低下させる処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の送電装置。
  5. 前記受電装置との間で認証を実行する実行手段をさらに有し、
    前記所定の処理は、前記受電装置における受電電力が、認証に成功していない装置において受電されるべき受電電力となるまで送電電力を低下させる処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の送電装置。
  6. 前記所定の処理は、前記受電装置にControl Error情報を送信させる拒否応答を送信して、送電電力を低下させる処理である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の送電装置。
  7. 前記所定の処理において、前記受電装置から送電電力を増加させるための前記Control Error情報を受信した場合であっても、前記送電手段における送電出力を増加させない、ことを特徴とする請求項3又は6に記載の送電装置。
  8. 前記所定の処理において、前記通信手段は、送電電力の交渉を行うための通信を実行する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の送電装置。
  9. 前記所定の処理は、送電を停止させる処理である、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の送電装置。
  10. 電装置によって実行される方法であって、
    キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信する第1の受信工程と、
    前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信する第2の受信工程と、
    前記第2の情報を受信した後に、第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信する第3の受信工程と、
    前記第2の受電電力と前記第3の受電電力との差が閾値を超えており、かつ、前記第3の情報が受信されたタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第4の情報であって第4の受電電力の情報を含む第4の情報が受信されることなく所定時間が経過した場合に、送電を制限する所定の処理を実行する実行工程と、
    を有することを特徴とする方法。
  11. 送電装置によって実行される方法であって、
    キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信する第1の受信工程と、
    前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信する第2の受信工程と、
    前記第2の情報を受信した後に、第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信する第3の受信工程と、
    前記第2の受電電力と前記第3の受電電力との差が閾値を超えており、かつ、前記第3の情報に対する応答が受電装置へ送信されたタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第4の情報であって第4の受電電力の情報を含む第4の情報を受信することなく所定時間が経過した場合に、送電を制限する所定の処理を実行する実行工程と、
    を有することを特徴とする方法。
  12. 送電装置によって実行される方法であって、
    キャリブレーション情報を意味する第1の情報であって第1の受電電力の情報を含む第1の情報を受信する第1の受信工程と、
    前記第1の情報を受信した後に、キャリブレーション情報を意味する第2の情報であって第2の受電電力の情報を含む第2の情報を受信する第2の受信工程と、
    電装置からControl Error情報を受信する第3の受信工程と、
    前記第2の情報を受信した際の送電電力からの、前記Control Error情報に基づいて生じる送電電力の変化量が閾値以上となるタイミングから、キャリブレーション情報を意味する第3の情報であって第3の受電電力の情報を含む第3の情報を受信することなく所定の期間が経過した場合、送電を制限する所定の処理を実行する実行工程と、
    を有することを特徴とする方法。
  13. コンピュータを、請求項1からのいずれか1項に記載の送電装置として機能させるためのプログラム。
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