JP7448153B2 - 触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法 - Google Patents

触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7448153B2
JP7448153B2 JP2020150754A JP2020150754A JP7448153B2 JP 7448153 B2 JP7448153 B2 JP 7448153B2 JP 2020150754 A JP2020150754 A JP 2020150754A JP 2020150754 A JP2020150754 A JP 2020150754A JP 7448153 B2 JP7448153 B2 JP 7448153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
producing
hydroxy
acid
zirconium dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020150754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022045196A (ja
Inventor
修 中山
信 徳永
美乃 村山
英治 山本
靖貴 河合
真衣 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushu University NUC
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kyushu University NUC
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyushu University NUC, Kuraray Co Ltd filed Critical Kyushu University NUC
Priority to JP2020150754A priority Critical patent/JP7448153B2/ja
Publication of JP2022045196A publication Critical patent/JP2022045196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7448153B2 publication Critical patent/JP7448153B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は触媒の製造方法及び触媒に関する。また前記触媒を用いた3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法に関する。
特許文献1には、活性炭に白金とビスマスを担持した触媒を用い、3-メチル-1,3-ブタンジオールを酸化して3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸を製造する方法が記載されている。特許文献1に記載の方法を追試したところ、確かに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸は得られるが、1)原料10重量%水溶液では高収率で目的のカルボン酸が得られるものの反応速度が遅い、2)生産性を上げるために原料濃度を上げると収率が大きく低下する、3)バッチ反応操作において触媒を繰り返し使用すると、使用する毎に触媒活性が低下する、という問題があり、改良の余地がある。
一方、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸は、例えば、脱水反応によりセネシオン酸に誘導でき、医薬、香料及び農薬などの合成中間体として有用である。
特開平8-198800号公報
本発明の課題は、高濃度の原料を用いても短時間で反応が進行し、かつ繰り返し使用した後でも活性の低下が小さい触媒の製法方法、並びにその触媒を用いた3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、活性中心となる金属に白金及びビスマス、触媒担体に二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンからなる触媒が酸化反応において優れた活性を有することを見出し、更に検討を重ねて本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1] 下記工程1、工程2及び工程3を含む触媒の製造方法。
工程1:ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)と、二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンとを接触させ、これを乾燥及び焼成して触媒前駆体(1)を得る工程
工程2:工程1で得られた触媒前駆体(1)と、硝酸ビスマスを硝酸で溶解した水溶液(B)とを接触させ、これを乾燥して触媒前駆体(2)を得る工程
工程3:工程2で得られた触媒前駆体(2)を水素雰囲気下で還元処理する工程
[2] 前記二酸化ジルコニウムが単斜晶型の二酸化ジルコニウムである、[1]に記載の触媒の製造方法。
[3] 前記二酸化チタンがルチル型の二酸化チタンである、[1]に記載の触媒の製造方法。
[4] [1]~[3]のいずれかに記載の製造方法により得られた触媒。
[5] [4]に記載の触媒、3-メチル-1,3-ブタンジオール及び水を含有する組成物に酸素を供給する工程を含む、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法。
本発明の製造方法によれば、高濃度の原料を用いても短時間で反応が進行し、かつ繰り返し使用した後でも活性の低下が小さい触媒を製造することが可能となり、更にその触媒を用いることで、高収率及び高効率で3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸を製造することができる。
本発明の触媒の製造方法は、下記工程1、工程2及び工程3を含む触媒の製造方法である。
工程1:ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)と、二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンとを接触させ、これを乾燥して触媒前駆体(1)を得る工程
工程2:工程1で得られた触媒前駆体(1)と、硝酸ビスマスを含む水溶液(B)を硝酸で酸性にした水溶液(C)とを接触させ、水溶液(C)を乾燥して触媒前駆体2を得る工程
工程3:工程2で得られた触媒前駆体(2)を水素雰囲気下で還元処理する工程
工程1において、ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)は、ヘキサクロロ白金(IV)酸6水和物を水に溶解することで得られる。
工程1において、使用する二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンに対する白金の重量%(wt%)は、特に限定されないが、後述する3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造において、高価な白金の使用量を抑えつつ、反応の効率性を得る観点から、0.01~10wt%が好ましく、0.1~7wt%がより好ましく、0.5~5wt%が更に好ましい。
工程1において、二酸化ジルコニウム及び二酸化チタンは特に限定されない。二酸化ジルコニウムの結晶構造として、例えば、単斜晶型、正方晶型、立方晶型、アモルファス型が挙げられ、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸を高効率で製造する観点から、二酸化ジルコニウムは単斜晶型が好ましい。また、二酸化チタンの結晶構造として、例えば、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型、アモルファス型が挙げられ、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸を高効率で製造する観点から、二酸化チタンの結晶構造はルチル型が好ましい。
工程1において、ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)と、二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンとを接触させる操作は、それぞれを接触させる操作であれば特に限定されないが、例えば、ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)に、二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンを添加する操作が挙げられる。
工程1における乾燥は、ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)と、二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンとを含む溶液に含まれる水分を除くことであるが、乾燥して得られた組成物が微量の水分を含んでいてもよく、完全に水分が除かれていてもよい。乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱乾燥が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、電熱線による乾燥、加熱体による接触・非接触乾燥、熱風乾燥が挙げられ、操作の簡便性の点から、加熱体による接触・非接触乾燥が好ましい。
工程1における乾燥において、水分を除くことができれば乾燥温度は特に限定されないが、乾燥温度は40℃~200℃であり、100℃~130℃が好ましい。100℃以上であれば、水分を短時間で効率的に除去することができる。
工程1における焼成は、乾燥後に得られた組成物を焼成する操作である。焼成方法としては、空気雰囲気下、または窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、簡便性の観点から、空気雰囲気下で行うことが好ましい。
焼成温度は200℃~500℃であり、300~500℃が好ましい。
焼成時間は特に制限されないが、通常、1~12時間が好ましく、2~10時間がより好ましく、4~8時間が好ましい。
工程1を経て触媒前駆体(1)が得られる。触媒前駆体(1)は、白金が二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンに担持された組成物である。
工程2は、工程1で得られた触媒前駆体(1)と、硝酸ビスマスを硝酸で溶解した水溶液(B)とを接触させ、これを乾燥して触媒前駆体(2)を得る工程である。
工程2において、硝酸ビスマスを硝酸で溶解した水溶液(B)は、硝酸ビスマス五水和物を硝酸水溶液で溶解することで得られる。
工程2において、触媒前駆体(1)に含まれる白金原子と前記硝酸ビスマスに含まれるビスマス原子とのモル比率は、特に限定されないが、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸を効率的に製造する観点から、白金原子とビスマス原子のモル比率(白金原子/ビスマス原子)は、0.5/1~5.0/1が好ましく、0.9/1~3.8/1がより好ましく、1.2/1~3.0/1が更に好ましく、1.8/1~2.1/1がより更に好ましい。
なお、使用した白金原子及びビスマス原子の重量と、本発明の製造方法にて得られた触媒に担持された白金原子及びビスマス原子の重量及びモル比率は同じである。
工程2において、工程1で得られた触媒前駆体(1)と、硝酸ビスマスを硝酸で溶解した水溶液(B)とを接触させる操作は、それぞれを接触させる操作であれば特に限定されないが、例えば、硝酸ビスマスを硝酸で溶解した水溶液(B)に、工程1で得られた触媒前駆体(1)を添加する操作が挙げられる。
工程2における乾燥は、工程1における乾燥と同じであるため、ここでは省略する。
前記乾燥後、乾燥物を焼成してもよい。この焼成操作は工程1における焼成と同じであるため、ここでは省略する。
工程2を経て触媒前駆体(2)が得られる。触媒前駆体(2)は白金及びビスマスが二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンに担持された組成物である。
工程3は、工程2で得られた触媒前駆体(2)を水素雰囲気下で還元処理する工程である。
工程3において、還元には水素ガスを用い、適宜、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで希釈されていてもよい。
還元する際の温度は200~550℃であることが好ましく、300~400℃がより好ましい。200℃以上であれば、還元により生じる水分子の除去が十分となり、還元に要する時間が短くなり、還元が十分となる。一方、550℃以下であれば、白金のシンタリングによる触媒性能の低下を防ぐことができる。
水素ガス圧力は、0.01~2.0MPaが好ましい。水素ガスが高圧であるほどシンタリングが進行しやすいため、可能な限り大気圧に近い圧力で還元することがより好ましい。
工程1、工程2及び工程3を含む触媒の製造方法で得られた触媒は、後述する3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造において、優れた触媒活性を示す。
本発明の3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法は、上記触媒、3-メチル-1,3-ブタンジオール及び水を含有する組成物に酸素を供給する工程を含む、製造方法である。
本発明において原料として用いられる3-メチル-1,3-ブタンジオールは、例えばイソブテンとホルマリンから工業的に製造され、市販されているものであってもよい。
触媒の量は反応液に対して、好ましくは0.01~20重量%、より好ましくは1~10重量%が適当である。なお、反応液は3-メチル-1,3-ブタンジオール、水、及び必要に応じてその他成分を含み、酸化反応に供される反応液である。
本発明の製造方法における上記工程において、水の存在が必須である。用いる水の量は、基質に対して1重量倍~20重量倍の範囲が好ましく、1重量倍~10重量倍の範囲がより好ましく、4重量倍~9重量倍が更に好ましい。
上記工程における反応は、上記触媒、3-メチル-1,3-ブタンジオール及び水を含有する組成物に酸素を供給して、3-メチル-1,3-ブタンジオールを酸化するものである。酸素源としては、空気、純酸素、または窒素あるいはアルゴン等の不活性ガスと酸素の混合ガスも用いることが出来る。なお、混合ガスを用いる場合、不活性ガスを系外に排出する必要がある。操作の簡便性の観点から、酸素源として空気を用いることが好ましい。
上記工程における反応において、反応温度は50~120℃の範囲が好ましく、より好ましくは70~90℃の範囲である。また反応圧力は、0.1~3.0MPaの範囲が好ましく、0.1~1.0MPaの範囲がより好ましい。
上記工程における反応は、バッチ型及び連続型のいずれで行ってもよく、特に限定されない。
上記反応で生成した3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸は、反応液から酸化反応触媒をろ別した後、ろ液をそのまま蒸留分離したり、或いは、副生成物を有機溶媒で抽出分離し、水を蒸留分離することにより単離される。このようにして単離された3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸は、段数を有する蒸留塔で減圧蒸留することによって更に高純度化することが出来る。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
本発明で使用した原料は下記の通りである。
・塩化白金(IV)酸(田中貴金属工業株式会社製、白金38重量%)
・硝酸ビスマス五水和物(富士フィルム和光純薬工業製、試薬特級)
・硝酸(富士フィルム和光純薬工業製、試薬特級)
・二酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業製、単斜晶型、JRC-ZRO-8)
・二酸化チタン(富士フイルム和光純薬株式会社製、ルチル型)
・活性炭(株式会社MCエバテック、Maxsorb)
・γ-Al(STREM CHEMICALS,INC.)
・SiO(富士シリシア株式会社、Q-15)
・蒸留水(富士フィルム和光純薬工業製)
・3-メチル-1,3-ブタンジオール(株式会社クラレ製)
[測定]
製造例、実施例、及び比較例における各物性の測定は、以下に示す方法に従って行った。
(ガスクロマトグラフィー分析(GC分析);3-メチル-1,3-ブタンジオールの転化率)
分析機器:7820A(アジレント・テクノロジー株式会社製)
検出器:FID
使用カラム:purewax(長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm、ジーエルサイエンス株式会社製)
分析条件:気化室温度200℃、検出器温度250℃
昇温条件:40℃-180℃(20℃/minで昇温)→180℃-240℃(5℃/minで昇温)
内部標準物質:ジグリム
H-NMR分析;3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の収率)
分析機器:日本電子株式会社 Spectrometer ECS-400
測定条件:室温、メタノール-D4
内部標準物質:2-メトキシナフタレン
[実施例1]
・工程1
ヘキサクロロ白金(IV)酸を蒸留水に溶解し、20g/Lの白金水溶液を調製した。この白金水溶液1mLと二酸化ジルコニウム958.6mgを焼成皿(直径9cm、高さ2cm)上で混合した。その焼成皿をホットプレートで40℃に加熱し、ポリプロピレン(PP)製スパチュラを用いて焼成皿上の固形分がパウダー状になるまで1時間撹拌した。その後、ホットプレートを120℃に昇温し、19時間乾燥させた。乾燥後、触媒前駆体の入った焼成皿を小型プログラム電気炉(アズワン株式会社、MMF-1)にセットし、空気雰囲気下、室温(15℃)から1時間かけて400℃まで昇温し、400℃にて4時間焼成することで二酸化ジルコニウムに白金が担持された触媒前駆体(1-I)を得た。
・工程2
工程1で得られた触媒前駆体(1-I)に、硝酸ビスマス五水和物24.9mgを1Nの硝酸水溶液1mLで溶解した溶液を添加し、焼成皿上で混合した。その焼成皿をホットプレートで40℃に加熱し、PP製スパチュラを用いて焼成皿上の固形分がパウダー状になるまで1時間撹拌した。その後、ホットプレートを120℃に昇温し、16.5時間乾燥させ、触媒前駆体(2-I)を得た。
・工程3
工程2で得られた触媒前駆体(2-I)の全量を焼成用アルミナボート(縦3.5cm、横2.8cm、深さ0.9cm)にセットし、これを超精密小型真空雰囲気炉(フルテック株式会社製、FT-01VAC-50)に入れ、水素ガスで3回置換後、水素ガス雰囲気下(20mL/min)、室温(15℃)から5℃/minで350℃まで昇温後、4時間還元処理を行った。還元後は窒素ガスで3回置換を行い二酸化ジルコニウムに白金及びビスマスが担持された触媒を得た(触媒重量に対する金属の担持量は白金2.0wt%、ビスマス1.1wt%;収量:941.9mg)。
[実施例2]
実施例1の二酸化ジルコニウムを二酸化チタン(958.6mg)に変えた以外は同じ操作で触媒を得た。
[比較例1]
実施例1の二酸化ジルコニウムを活性炭(958.6mg)に変えた以外は同じ操作で触媒を得た。
[比較例2]
実施例1の二酸化ジルコニウムをγ-Al(958.6mg)に変えた以外は同じ操作で触媒を得た。
[比較例3]
実施例1の二酸化ジルコニウムをSiO(958.6mg)に変えた以外は同じ操作で触媒を得た。
実施例1,2及び比較例1~3で製造した触媒を表1に示す。触媒重量に対する白金原子及びビスマス原子の担持量をそれぞれ重量%(wt%)で示した。
[実施例3]
磁気撹拌子を備えた東洋高圧製40mLオートクレーブに、3-メチル-1,3-ブタンジオール104.2mg、蒸留水937.4mg、実施例1の触媒48.8mgを加え、空気圧0.9MPa、80℃、900rpmで撹拌した。5時間後、反応を止めるため、オートクレーブを氷水で冷却した。その後、得られた反応溶液をメタノール4mLで希釈し、遠心分離機を用いて反応溶液から触媒を除去した。この触媒にメタノール0.7mL加えて懸濁し、遠心分離後に上澄み液を回収した。この操作を繰り返し3回行い、上澄み液を最初に分離した反応溶液に加えた。その後、回収した溶液のGC分析を行ったところ、3-メチル-1,3-ブタンジオールの転化率は、94%であった。更に、この溶液をエバポレーターで濃縮して得られたサンプルのH-NMR測定を行ったところ、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の収率は67%であった。
[実施例4]
実施例1の触媒48.8mgの代わりに、実施例2の触媒48.8mgに変えた以外は、実施例3と同じ操作を行った。
[実施例5]
3-メチル-1,3-ブタンジオールを208.3mg、蒸留水を833.2mg、実施例1の触媒を97.5mgに変えた以外は実施例3と同じ操作を行った。
[実施例6]
3-メチル-1,3-ブタンジオールを208.3mg、蒸留水を833.2mg、実施例1の触媒48.8mgの代わりに、実施例2の触媒97.5mgに変えた以外は実施例3と同じ操作を行った。
[比較例4]
実施例1の触媒48.8mgの代わりに、比較例1の触媒48.8mgに変えた以外は、実施例3と同じ操作を行った。
[比較例5]
実施例1の触媒48.8mgの代わりに、比較例2の触媒48.8mgに変えた以外は、実施例3と同じ操作を行った。
[比較例6]
実施例1の触媒48.8mgの代わりに、比較例3の触媒48.8mgに変えた以外は、実施例3と同じ操作を行った。
実施例3~6及び比較例4~6の結果を表2に示す。
表2に示すように二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンを担体とする触媒を用いた実施例3及び4は、比較例4~6と比較して、転化率、収率に優れていることが分かる。また、実施例5及び6から、高濃度の原料(3-メチル-1,3-ブタンジオール)を用いた場合も優れた転化率及び収率を示すことが分かる。
[実施例7]
磁気撹拌子を備えた東洋高圧製40mLオートクレーブに、3-メチル-1,3-ブタンジオール104.2mg、蒸留水937.4mg、実施例1の触媒48.8mgを加え、空気圧0.9MPa、80℃、900rpmで撹拌した。12時間後、反応を止めるため、オートクレーブを氷水で冷却した。その後、得られた反応溶液をメタノール4mLで希釈し、遠心分離機を用いて反応溶液から触媒を除去した。この触媒にメタノール0.7mLを加えて懸濁し、遠心分離後に上澄み液を回収した。この操作を繰り返し3回行い、上澄み液を最初に分離した反応溶液に加えたのち、実施例3と同様の操作(GC分析)を行い、3-メチル-1,3-ブタンジオールの転化率及び3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の収率を得た。また、触媒を回収し、これを真空乾燥したのち、再び3-メチル-1,3-ブタンジオール104.15mg、蒸留水937.35mgとともに磁気撹拌子を備えた東洋高圧製40mLオートクレーブに仕込み、空気圧0.9MPa、80℃で12時間撹拌を行った。以降同様の工程を反応回数が合計6回になるまで繰り返した。
[実施例8]
実施例1の触媒48.8mgの代わりに、実施例2の触媒48.8mgに変えた以外は、実施例7と同じ操作を行った。
[比較例7]
実施例1の触媒48.8mgの代わりに、比較例1の触媒48.8mgに変えた以外は、実施例7と同じ操作を行った。
実施例7、実施例8及び比較例7において、実施例1、実施例2及び比較例1の触媒のリサイクル性を評価した結果を表3に示す。
表3の実施例7及び8から、基質濃度を高濃度にした条件で複数回使用しても、本発明の触媒が触媒活性を維持していることが分かる。一方、比較例7から、比較例1の触媒は2回目使用以降、収率が低下していることが分かる。

Claims (5)

  1. 下記工程1、工程2及び工程3を含む触媒の製造方法。
    工程1:ヘキサクロロ白金(IV)酸を含む水溶液(A)と、二酸化ジルコニウムまたは二酸化チタンとを接触させ、これを乾燥及び焼成して触媒前駆体(1)を得る工程
    工程2:工程1で得られた触媒前駆体(1)と、硝酸ビスマスを硝酸で溶解した水溶液(B)とを接触させ、これを乾燥して触媒前駆体(2)を得る工程
    工程3:工程2で得られた触媒前駆体(2)を水素雰囲気下で還元処理する工程
  2. 前記二酸化ジルコニウムが単斜晶型の二酸化ジルコニウムである、請求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 前記二酸化チタンがルチル型の二酸化チタンである、請求項1に記載の触媒の製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の製造方法により得られた触媒。
  5. 請求項4に記載の触媒、3-メチル-1,3-ブタンジオール及び水を含有する組成物に酸素を供給する工程を含む、3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法。
JP2020150754A 2020-09-08 2020-09-08 触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法 Active JP7448153B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020150754A JP7448153B2 (ja) 2020-09-08 2020-09-08 触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020150754A JP7448153B2 (ja) 2020-09-08 2020-09-08 触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022045196A JP2022045196A (ja) 2022-03-18
JP7448153B2 true JP7448153B2 (ja) 2024-03-12

Family

ID=80682186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020150754A Active JP7448153B2 (ja) 2020-09-08 2020-09-08 触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7448153B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117684321B (zh) * 2023-11-08 2024-05-31 中山市福维环境科技有限公司 一种透湿材料及其制备方法与应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001079409A (ja) 1999-08-10 2001-03-27 Samsung Electro Mech Co Ltd ディーゼルエンジン排ガス浄化用触媒
JP2008526720A (ja) 2004-12-30 2008-07-24 アディセオ・アイルランド・リミテッド 2−オキソ−4−メチルチオブタン酸、その塩及び誘導体の合成方法及び利用方法
JP2016120484A (ja) 2014-12-18 2016-07-07 花王株式会社 触媒の調製方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3001170B2 (ja) * 1993-01-23 2000-01-24 財団法人石油産業活性化センター ディーゼル自動車排ガス中のパティキレート除去用触媒
JPH11279110A (ja) * 1998-03-25 1999-10-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd 2−置換カルボン酸類の製造法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001079409A (ja) 1999-08-10 2001-03-27 Samsung Electro Mech Co Ltd ディーゼルエンジン排ガス浄化用触媒
JP2008526720A (ja) 2004-12-30 2008-07-24 アディセオ・アイルランド・リミテッド 2−オキソ−4−メチルチオブタン酸、その塩及び誘導体の合成方法及び利用方法
JP2016120484A (ja) 2014-12-18 2016-07-07 花王株式会社 触媒の調製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022045196A (ja) 2022-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101038676B1 (ko) 알칸을 불포화 카복실산으로 전환시키는 개선된 프로세스
WO2000012209A1 (fr) Procede pour produire un catalyseur a base d'oxyde utilise dans la fabrication d'acrylonitrile ou de methacrylonitrile a partir de propane ou d'isobutane
JP2008545743A (ja) エタンを選択的に酸化してエチレンを製造する方法
CA2876153A1 (en) Process for production of adipic acid from 1,6-hexanediol
JP7448153B2 (ja) 触媒の製造方法、及び触媒、並びに3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸の製造方法
Pan et al. Cu supported over Al-pillared interlayer clays catalysts for direct hydroxylation of benzene to phenol
JP2011032241A (ja) 芳香族置換脂肪族ケトン化合物の製造方法
JP3800205B2 (ja) 不飽和アルコール製造用触媒と不飽和アルコール製造方法
JP6602401B2 (ja) 不飽和アルコールから不飽和カルボン酸への酸化触媒としてのモリブデンとバナジウムの混合酸化物の使用
JP6553804B2 (ja) アクリル酸製造用不均一系触媒及びそれを用いたアクリル酸製造方法
JPH1180059A (ja) カテコールモノエーテル類またはカテコール類の製法
WO2011108509A1 (ja) 低品位グリセリンからのアリルアルコールとプロピレンの製造方法、及びそのための触媒
JP4995479B2 (ja) α,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸骨格を有する酸無水物の製造方法
WO2022255368A1 (ja) 触媒、触媒の製造方法、並びに不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステルの製造方法
JP4608662B2 (ja) 不飽和アルコール製造用触媒およびそれを用いた不飽和アルコール製造法
JP4497457B2 (ja) メタクリル酸エステル製造用触媒の製造方法
JP5479939B2 (ja) α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP7441474B2 (ja) 触媒、イソブチルアルデヒドおよびメタクロレインの製造方法、メタクリル酸の製造方法、及びメタクリル酸エステルの製造方法
JP2009011896A (ja) 酸化触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
US20070038000A1 (en) Method for oxidation of aromatic compound having alkyl substituent, method for production of aromatic aldehyde compound, and method for production of aromatic carboxylic acid ester
JP2005349257A (ja) メタクリル酸エステルの製造方法
JP2022162225A (ja) 1-アルケン-3-オール類の製造方法
JP2010047505A (ja) 不飽和アルコールを製造する方法
JP5416886B2 (ja) パラジウム含有担持触媒、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JPWO2008132820A1 (ja) ケトン化合物またはアルデヒド化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7448153

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150