JP7444507B2 - 自動ドア、及び自動ドア用保護センサ - Google Patents

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本発明は使用時の安全性を高めた自動ドア、及び自動ドアの使用時の安全性を高めた自動ドア用保護センサに関するものである。
2017年に日本工業規格JIS―A4722(歩行者用自動ドアセット-安全性)が制定された。この規格は自動ドアに特有な危険源を考慮して作成されたもので、自動ドアの使用時の安全性を確保するための要求事項及び試験方法について規定している。各要求事項には通常複数の選択肢が準備されているが、例えば引き戸、開き戸の場合、最も典型的な例では扉の移動領域やその近傍が光、電波などの遮断もしくは反射、又はその他の原理によって検出機能が作動する電気的検知保護装置により監視されることが条件である。また各面が所定の大きさと所定の拡散反射率を有する基準体と呼ばれる直方体の箱を、扉の移動領域やその近傍の床面上の所定の範囲内に置いたとき、保護装置が基準体を検知することを確認しなくてはならないと規定されている。自動ドアの開閉を制御するコントローラもしくは保護装置本体に、保護装置が検知したとき発光するLED等を内蔵させて、検知確認に利用する方法は考えられる。しかしコントローラも保護装置も一般的に扉の上面より高い位置に設置されるため、基準体を床面上の所定の範囲内で移動させて位置決めしながら、扉より上方のコントローラや保護装置上の小さいLEDを見上げて、保護装置の検知の有無を確認することになる。このような作業は非常に手間がかかる他、自動ドアの施工者や点検者等にとって体への負担も大きい。
また保護装置のリセット後は、全ての保護装置の機能確認を実行し、安全機能が正しく働いているときに限り、自動ドアの運転を開始すること、さらには少なくとも1サイクルごとに扉の終端移動位置又は停止位置のいずれかにおいて、全ての保護装置の機能確認を実行し、安全機能が正しく働いているときに限り、自動ドアの運転を継続するようにしなくてはならない。これらの条件は上記JIS規格で新たに追加されたものであるが、上記JIS規格に対応した自動ドアの安全機能が正しく働いているときの扉の動きと、上記JIS規格に対応していない従来の自動ドアの扉の動きとは違いがないため、自動ドアの施工者や管理者等にとって、扉の動きを見ただけでは上記JIS規格に対応した安全機能が正しく働いているか否かの判別ができないという問題がある。全ての保護装置の安全機能を確認して問題のないときに発光するLED等をコントローラに内蔵させて、安全機能が正しく働いていることを確認する方法は考えられるが、自動ドアの運転時にコントローラは蓋で覆われていて見えないため、利用できる場面は限定されてしまう。
日本工業規格JIS―A4722(歩行者用自動ドアセット-安全性)
従来の自動ドアでは、扉の移動領域やその近傍の所定の範囲が電気的検知保護装置によって確実に監視されていることを、自動ドアの施工者や点検者等が容易に確認することができなかった。また電気的検知保護装置の機能確認を実行し、安全機能が正しく働いているときに限り、自動ドアの運転を開始もしくは継続する自動ドアを実現しても、実際の運転中に安全機能が正しく確実に働いていることを自動ドアの施工者、点検者、管理者等が容易に確認することができなかった。
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
ヒンジ部を中心に回動する扉と、前記扉を駆動する駆動部と、運転モードを有し、少なくとも前記運転モードにおいて、前記駆動部による前記扉の駆動を制御するコントローラと、前記扉を通行する通行人を検出して、起動信号を前記コントローラに送る起動センサと、前記扉の表面と裏面それぞれの上部の前記ヒンジ部近傍に取付けられた保護センサと、を有する自動ドアにおいて、前記保護センサは、それぞれが取付けられた扉面側の前記扉近傍の人等の対象物を検出する扉部検出面と、前記ヒンジ部近傍の人の手指等の対象物を検出するヒンジ部検出面とを有し、前記コントローラは、前記運転モードにおいて、前記扉の駆動を開始する前に、前記保護センサの検出機能に異常がないことを確認し、正常の場合には前記扉の駆動を開始し、異常がある場合には前記扉の駆動を停止すると共に、前記コントローラは、前記扉の回動中に、前記扉の進行方向の面側に取付けられた前記保護センサが前記扉近傍の対象物又は前記ヒンジ部近傍の対象物を検出した場合、前記扉を停止、又は反転、又は低速動作への切換えのいずれかの保護動作を行なうことを特徴とする自動ドア。
また、本発明は以下の構成も具備するものである。
本発明の第1の手段は、扉と、前記扉を駆動する駆動部と、運転モードを有し、少なくとも前記運転モードにおいて前記扉の駆動を制御するコントローラと、前記扉周辺の所定の領域内の人を検出する1個以上の保護センサと、音発生部とを有し、前記コントローラは、前記保護センサの状態に応じて、前記音発生部から所定の音を発生させることを特徴とする自動ドアである。
第1の手段の自動ドアによれば、音発生部からの音を聞くだけで、自動ドアの扉の移動領域やその近傍の人を検出して保護するための保護センサの状態を容易に知ることができるので、自動ドアの安全性を高めることができる。
第2の手段は、第1の手段に対し、保護センサ設定モードをさらに有し、前記保護センサ設定モードにおいて、前記コントローラは、前記保護センサの検出中と非検出中とで、前記音発生部から発生させる音を変化させることを特徴とする自動ドアである。
また第3の手段は、第2の手段に対し、前記保護センサ設定モードにおいて、前記コントローラは、前記保護センサの検出中には前記音発生部から音を発生させ、非検出中には音の発生を停止させることを特徴とする自動ドアである。
第2の手段の自動ドアによれば、保護センサ設定モードにおいて、保護センサの検出中と非検出中とで、音発生部から発生する音が変化する。従って自動ドアの施工者や点検者等は、床面に置いた基準体の位置を変化させながら音発生部から発生する音を聞くだけで、目線を上下させることなく自動ドアの保護センサの検出領域を容易に確認することができる。
また第3の手段の自動ドアによれば、保護センサの検出中には音が発生し、非検出中には音が発生しないので、両者を直感的に判別しやすい。そのため保護センサの検出領域を更に容易に確認することができる。
第4の手段は、第2又は第3の手段に対し、前記扉を通行する通行人を検出して起動信号を前記コントローラに送る起動センサをさらに有し、前記保護センサ設定モードにおいて、前記コントローラは、前記保護センサの検出中又は非検出中に前記音発生部から発生させる音と異なる音を、前記起動センサの検出中に前記音発生部から発生させることを特徴とする自動ドアである。
第5の手段は、第4の手段に対し、前記起動センサと、前記保護センサの少なくとも1つとが、一体型のセンサであることを特徴とする自動ドアである。
第4の手段の自動ドアによれば、保護センサ設定モードにおいて、保護センサの検出中又は非検出中に音発生部から発生する音のどちらとも異なる音が、起動センサの検出中に音発生部から発生する。従って自動ドアの施工者や点検者等は、例えば床面に置いた被検出体の位置を変化させながら音発生部から発生する音を聞くだけで、目線を上下させることなく自動ドアの起動センサの検出領域も容易に確認することができる。
また第5の手段の自動ドアによれば、起動センサと、保護センサの少なくとも1つとが、一体型のセンサとなっている。これにより低コスト化が可能となり、センサの取付け作業も容易となる。また起動センサの検出中と保護センサの検出中とで異なる音が音発生部から発生するので、自動ドアの施工者や点検者等は、例えば床面に置いた基準体もしくは被検出体の位置を変化させながら、音発生部から発生する音を聞き分けるだけで、目線を上下させることなく自動ドアの起動センサと保護センサの検出領域を容易に確認することができる。
第6の手段は、第2乃至5の何れかの手段に対し、前記保護センサ設定モードにおいて、前記扉の駆動は停止されることを特徴とする自動ドアである。
第6の手段の自動ドアによれば、保護センサ設定モードにおいて扉の駆動は停止される。保護センサの検出範囲は扉からの距離で規定される場合が多いため、扉を停止させることで、容易に正確な検出領域の確認が可能となる。また保護センサの検出領域確認の際に、自動ドアの施工者や点検者等が扉に衝突されたり挟まれたりする恐れも無くなるので、安心して安全に検出領域の確認作業を進めることができる。
第7の手段は、第1乃至6の何れかの手段に対し、前記運転モードにおいて、前記コントローラは前記扉の駆動を開始する前に、全ての前記保護センサが正常に機能しているかを確認し、正常の場合と異常がある場合とで前記音発生部から異なる音を発生させると共に、正常の場合には前記扉の駆動を開始し、異常がある場合には前記扉の駆動を停止することを特徴とする自動ドアである。
また第8の手段は、第7の手段に対し、正常の場合は前記音発生部から短時間音を発生させ、異常がある場合は長時間音を発生させることを特徴とする自動ドアである。
第7の手段の自動ドアによれば、運転モードにおいて、コントローラは扉の駆動を開始する前に全ての保護センサの自己診断結果を確認して、正常の場合と異常がある場合とで音発生部から異なる音を発生させると共に、正常の場合には扉の駆動を開始し、異常がある場合には扉の駆動を停止する。これにより自動ドアの管理者や点検者等は、扉の駆動が開始されるべきタイミングで音発生部から発生する音を聞くだけで、保護センサの安全機能に問題がないか否かが確認できる。
また第8の手段の自動ドアによれば、全ての保護センサが正常の場合は前記音発生部から短時間音を発生させ、異常がある場合は長時間音を発生させる。これにより、保護センサが正常の場合は音発生部から短時間しか音が発生しないので、自動ドアの通行人は音が発生しても余り気になることはないが、自動ドアの管理者等は音発生部から発生する音を聞くことで、保護センサの安全機能に問題がないことを容易に確認できる。また保護センサに異常がある場合は音発生部から長時間音が発生するので、自動ドアの管理者等は早く異常に気付くことができる。
第9の手段は、第1乃至8の何れかの手段に対し、前記運転モードにおいて、前記コントローラは前記扉の駆動中に、前記所定の領域のうち前記扉の進行方向の所定の領域内の人を検出する前記保護センサが検出した場合は、前記音発生部から音を発生させると共に、保護動作を行なうことを特徴とする自動ドアである。
第9の手段の自動ドアによれば、運転モードにおいて、コントローラは扉の駆動中に、保護センサが扉の進行方向側の所定の領域内に人を検出した場合、扉が人に衝突する恐れがあるため、音発生部から音を発生させて扉付近の人に警告すると共に、その人を保護するために扉を急停止させる、扉を反転させる、扉を低速作動に切換える、等の所定の保護動作を行なうことで、扉付近の人の安全を確保できる。人が扉の開閉動作に気付かずに扉に向かってくる場合等には、警告音を発生して危険を知らせることが特に有効であり、自動ドアの安全性を更に高めることができる。
第10の手段は、第1乃至9の何れかの手段に対し、前記運転モードにおいて、前記コントローラは、前記自動ドアの電源が入れられてから全ての前記保護センサの自己診断が完了し扉の駆動の準備ができるまでの間、前記音発生部から音を発生させることを特徴とする自動ドアである。
第10の手段の自動ドアによれば、運転モードにおいて、コントローラは自動ドアの電源が入れられてから全ての保護センサの自己診断が完了して扉の駆動の準備ができるまでの間、音発生部から音を発生させる。運転モードにおいても電源投入時には通常運転中に比べて保護センサの自己診断に長い時間がかかるので、すぐには通行できない状態となるが、電源投入時の運転準備中であることを音で自動ドアの管理者や通行者に伝えることで、不要な混乱を避けることができる。
第11の手段は、第1乃至10の何れかの手段に対し、前記運転モードにおいて、前記コントローラは、前記自動ドアに前記保護センサに関連のない不具合が発生したときも、前記音発生部から音を発生させることを特徴とする自動ドアである。
また第12の手段は、第11の手段に対し、前記運転モードにおいて、前記コントローラは、前記不具合の内容に応じて、前記音発生部から複数種類の音を発生させることを特徴とする自動ドアである。
第11の手段の自動ドアによれば、運転モードにおいて、自動ドアに不具合が発生した場合、その原因が保護センサに関連していなくても、音を発生させて自動ドアの管理者等に知らせる。従って他の例えば発光部を発光させて知らせる方法に比べて、管理者等は自発的に発光部の状態を見に行かなくても、音発生部からの音は自動ドアの周辺にいるだけで自然に聞こえるため自動ドアの不具合の発生に早く気付くことができる。
また第12の手段の自動ドアによれば、自動ドアの管理者等は自動ドアの不具合の内容まで音発生部から発生する音を聞くだけで、設定器等を使用しなくても容易に把握できるので、例えば修理を依頼する際に不具合の内容を早く的確に伝えることができる。また発光部を発光させて不具合の内容を知らせる方法に比べて、音を利用した方が多くの種類の音のパターンの違いを識別しやすいため、管理者等に不具合の内容をより詳細に区別して把握させることができる。
第13の手段は、第1内至12の何れかの手段に対し、前記音発生部は、前記コントローラ又は前記保護センサに搭載されている自動ドアである。
第13の手段の自動ドアによれば、音発生部はコントローラ又は保護センサに搭載され、専用の回路基板や配線を必要としないので、低コスト化が可能となる。
第14の手段は、第1乃至13の何れかの手段に対し、光を発光する発光部をさらに有し、前記コントローラは、前記保護センサの状態に応じて前記音発生部から所定の音を発生させると共に、前記保護センサの状態に応じて前記発光部から所定の光を発光させることを特徴とする自動ドアである。
また第15の手段は、第14の手段に対し、前記コントローラは、前記音発生部からの音の発生を停止する設定が可能であることを特徴とする自動ドアである。
また第16の手段は、第14又は15の手段に対し、前記発光部は、前記自動ドアの電源スイッチ周辺、又は前記保護センサに搭載されていることを特徴とする自動ドアである。
第14の手段の自動ドアによれば、音発生部から発生する音に加えて、発光部から発光する光によっても自動ドアの保護センサの状態を知ることができるので、自動ドアの安全性を更に高めることができる。
また第15の手段の自動ドアによれば、音発生部からの音の発生を停止する設定ができるため、夜間など必要に応じて音の発生を停止することができる。例えば保護センサ設定モードでは音を発生させ、運転モードでは必要に応じて音の発生を停止させてもよい。また例えば運転モードにおいて自動ドアの電源を入れた後、数回の扉開閉動作が終了するまでは音を発生させて保護センサの安全機能に異常がないことを音で確認し、その後自動ドアの電源を切るまで音の発生を停止させてもよい。音の発生を停止させているときでも、自動ドアの保護センサの状態は発光部から発光する光によって確認することができる。
また第16の手段の自動ドアによれば、発光部は自動ドアの横枠の外側にある電源スイッチ周辺、又は保護センサに搭載されている。これにより発光部は、運転モードでも横枠の蓋を開けることなく、自動ドアの周囲から目視可能な位置にあるため、自動ドアの管理者や点検者等は保護センサの状態を容易に確認することができる。
第17の手段は、第1乃至16の何れかの手段に対し、前記自動ドアは、引き戸、開き戸、折戸、回転ドアの何れかであることを特徴とする自動ドアである。
第17の手段の自動ドアによれば、自動ドアは引き戸、開き戸、折戸、回転ドア等の種類により、扉の形状や動きは異なるが、扉周辺の所定の領域内の人を検出する1個以上の保護センサを有しており、コントローラは保護センサの状態に応じて音発生部から所定の音を発生させる。従って音発生部から発生する音を聞くだけで、施工者や点検者等は自動ドアの種類によらず自動ドアの保護センサの状態を容易に知ることができるので、自動ドアの安全性を高めることができる。
上記課題を解決するために、第18の手段は、運転モードと設定モードを有し、自動ドアの扉周辺の所定の領域内の人を検出する自動ドア用保護センサであって、音発生部をさらに有し、前記設定モードにおいて、前記保護センサの検出状況に応じて、前記音発生部から音を発生することを特徴とする自動ドア用保護センサである。
第19の手段は、第18の手段に対し、前記運転モードにおいて、診断開始の信号を受信すると、センサが正常に機能しているかを自己診断し、少なくとも正常の場合には所定の信号を送信することを特徴とする自動ドア用保護センサである。
第20の手段は、第18または19の手段に対し、通行人を検出して起動信号を送信する起動センサと一体化されていることを特徴とする自動ドア用保護センサである。
第18の手段の自動ドア用保護センサによれば、設定モードにおいて、保護センサの音発生部からの音を聞くだけで保護センサの検出状況を容易に知ることができるので、保護センサの検出領域を容易に確認することができる。
また第19の手段の自動ドア用保護センサによれば、運転モードにおいて、自動ドアのコントローラから診断開始の信号を受信すると、センサが正常に機能していることを自動診断し、少なくとも正常の場合には所定の信号をコントローラに送信するので、自動ドアのコントローラは保護センサが正常に機能していることを示す所定の信号を受信した場合に限って、自動ドアの開閉動作を開始することができ、安全な自動ドアを実現することができる。
また第20の手段の自動ドア用保護センサによれば、通行人を検出して自動ドアの開動作を開始するための起動センサと一体化されているので、2つのセンサをそれぞれ取り付ける場合に比べて低コストで取付け作業も容易となる。
本発明の自動ドアは、音発生部を有し、保護センサの状態に応じて音発生部から所定の音を発生させる。例えば保護センサ設定モードにおいて、保護センサの検知中に音を発生させ、非検知中には音を発生させないようにすれば、自動ドアの施工者や点検者等が床面上の基準体を移動させて位置決めしながら音発生部からの音を確認するだけで、扉の移動領域やその近傍の所定の領域が保護センサによって確実に監視されていることを容易に確認することができる。また例えば運転モードにおいて、扉を駆動する前に必ず保護センサの自己診断を行い、結果が正常の場合のみ音発生部から短時間音を発生させると共に扉の開閉動作を開始するようにすれば、自動ドアの施工者、点検者、管理者等は自動ドアの保護センサによる安全機能が確実に働いていることを、音発生部からの音を聞くだけで容易に確認できる。
すなわち本発明によれば、自動ドアの安全上最も重要な保護センサの状態を、音発生部からの音により、自動ドアの施工者、点検者、管理者等に知らせることが出来るので、自動ドアの安全性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る自動ドアの概要を例示する全体図である。 本発明の実施形態に係る自動ドアの概要を例示するブロック図である。 本発明の実施形態に係る自動ドアの保護センサ設定モードにおける動作を例示するフローチャート等である。 本発明の実施形態に係る自動ドアの運転モードにおける電源投入から運転準備完了までの動作を例示するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る自動ドアの運転モードにおける運転準備完了後の動作を例示するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る自動ドアの運転モードにおける音発生部からの発生音のパターンを例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係る自動ドアの概要を例示する全体図である。 本発明の第2の実施形態に係る自動ドアの概要を例示するブロック図である。
以下、本発明の自動ドアに係る実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の実施形態1の自動ドア1の概要を例示する全体図である。自動ドア1は左右1対の扉2が両端のヒンジ部を中心に回動する両開きの開き戸である。扉2の上方の横枠11の内部には、図示省略したアーム等を介して扉2を開閉駆動する1対の駆動部3と、駆動部3による扉2の駆動を制御する1対のコントローラ4が取付けられている。1対のコントローラ4は結線により接続され、1対の扉2の開閉のタイミングを制御しているが、一対のコントローラ4を集約して1つのコントローラ4としてもよい。また横枠11の中央部には通行人を検出する起動センサ5が取付けられており、通行人を検出するとコントローラ4が適切なタイミングで扉2を開動させる。なお扉2の駆動部3はアーム等を介するものに限定されず、扉2の回転軸を直接回転駆動する方法などでもよい。
扉2の上部のヒンジ部近傍には保護センサ6が取付けられている。保護センサ6は人が開閉中の扉2に衝突したり、ヒンジ部に手や指を挟まれて怪我をしないように、扉2の周辺の人等を検出するセンサであり、左右の扉2の両面に1個ずつ、計4個の保護センサ6が使用される。保護センサ6は高速回転するポリゴンミラーにレーザ光を反射させることで、所定の面上でスキャンするようにレーザ光を放射させ、放射されたレーザ光が人等に当たって戻るまでの時間をTOF(Time of Flight)方式で計測して、人等の存在や位置を検出するものである。図1(b)に示すように扉近傍の人を検出する扉部検出面6Sと、ヒンジ部近傍の人の手や指等を検出するヒンジ部検出面6Hを、1つの保護センサ6で同時にカバーすることができる。このような保護センサ6を使用すれば、ヒンジ部をゴム等のカバーで覆うといった、手間のかかる上に、上手に施工しないと見た目が悪くなりやすい保護方法は不要となる。
ところで自動ドア1のコントローラ4は運転モードと設定モードを有している。運転モードは自動ドア1を自動ドアとして使用する際のモードであり、コントローラ4は扉2の開閉駆動を制御しており、通行人は自動ドア1を自由に通行することができる。これに対し設定モードは自動ドア1の施工や修理、点検等の作業の際に主に利用するモードであり、作業の種類によって色々な設定モードが準備されるが、例えば保護センサ6の調整や確認を行なう際には保護センサ設定モードに切替えると、扉2の駆動は停止された状態となり、安全かつ確実に保護センサ6の調整や設定、確認等の作業を行なうことが可能となる。
例えば保護センサ6の扉部検出面6Sの大きさと位置を、扉2の大きさと保護センサ6の取付け位置や周囲の環境等に合せて調整する際には、コントローラ4を保護センサ設定モードにして扉2の駆動を停止させ、さらに保護センサ6を検出範囲設定モードとした後、扉2を閉じた状態で例えば扉2の戸先に沿って手を上下させて、保護センサ6に戸先位置を記憶させ、戸先よりも距離の近い扉部検出面6Sの範囲内で保護センサ6が人等を検出したときは保護対象として検出信号を出力し、戸先よりも距離の遠い扉部検出面6Sの範囲外で検出したときは無視して検出信号を出力しないようにすることが可能となる。また保護センサ6は床面までの距離を計測できるので、床面より少し上の例えば10cm上までを扉部検出面6Sと設定し、床面からの高さ10cm以上の扉部検出面6Sの範囲内で保護センサ6が人等を検出したときは保護対象として検出信号を出力し、床面から高さ10cm未満の扉部検出面6Sの範囲外で検出したときは無視して検出信号を出力しないようにすることができる。
また4個の保護センサ6は自己診断機能を有すると共に、コントローラ4と通信可能な状態で接続されており、コントローラ4から自己診断を要求する診断開始の信号を受信すると、保護センサ6はすぐに自己診断を行なって、少なくとも診断結果が正常の場合には診断結果を示す所定の信号をコントローラ4に送信する。診断結果が異常の場合にも診断結果を示す所定の信号をコントローラ4に送信してもよい。なおコントローラ4が自己診断を要求する診断開始の信号を送信してから、所定の時間内に保護センサ6から診断結果を示す所定の信号を受信しない場合、コントローラ4は保護センサ6に異常が発生したと判断する。
扉2の開閉動作時に保護センサ6による保護安全機能に異常があると、自動ドア1の通行者や周囲の人に危険が及ぶ可能性があるため、コントローラ4は駆動部3を制御して扉2の開動作もしくは閉動作を開始する前に、保護センサ6の検出機能に異常がないことを、保護センサ6から受信した自己診断結果に基づいて毎回確認している。保護センサ6の検出機能の確認は扉2の開動作と閉動作のどちらか一方を開始する前のみでもよいが、開動作と閉動作の両方を開始する前に毎回確認することで、自動ドア1の安全性を更に高めることができる。
上述のように保護センサ6は扉部検出面6Sの外側の例えば床面まで検出可能であり、保護センサ6の検出範囲設定時には扉部検出面6Sの外側の周辺環境まで含めて記憶させている。従って自己診断時の周辺環境と検出範囲設定時に記憶された周辺環境に差が無いことの確認結果等も保護センサ6の自己診断に利用可能である。ただし保護センサ6の自己診断の方法はこれに限定されるものではなく、保護センサの方式や構造、設計思想等に合せて適切な方法を選択したり組合せたりしてもよい。
図1(a)に示すようにJIS-A4722では開き戸の場合、扉周辺の所定の領域、具体的には扉2の両面から少なくとも200mmまでの範囲の床面上の保護センサ検出領域6Pに基準体12の一部が侵入または存在するとき、保護センサ6が基準体12を検出しなくてはならないと規定している。従って少なくとも図1(d)に示すように扉2の両面の検出領域6Pに接するように、すなわち扉2の表面から少なくとも200mm離れた線に接する位置に基準体12を置き、矢印Cの方向に移動させ、扉2の戸先から戸尻まで全ての範囲で保護センサ6が基準体12を検出することを確認する必要がある。このとき自動ドア1が保護センサ設定モードに設定されると、扉2の動きを停止させるので、扉2に対する基準体12の位置決めが容易となり確認作業が進めやすくなる。なお基準体12は底面以外の各面が所定の波長において所定の2つの範囲の拡散反射率を有する面から構成された700mm×300mm×200mmの直方体の箱である。
自動ドア1のコントローラ4には音発生部7が搭載されており、保護センサ設定モードにおいて、コントローラ4は保護センサ6が検出中には音発生部7から音を発生させ、非検出中には音発生部7からの音の発生を停止させる。これにより自動ドア1の施工者や点検者等は、扉2の周囲の床面上に基準体12を置いて所定の領域内を移動させながら、自動ドア1の音発生部7から発生する音を聞くだけで、保護センサ6の検出領域6Pを確認できる。施工者や点検者等は基準体12を置く床面のみに集中して作業ができ、上方の保護センサ6やコントローラ4を見上げる必要もないので、施工者や点検者等の工数や体への負担も小さくて済む。また自動ドア1に対し音発生部7は1箇所のみでよいため低コストであり、音発生部7からの音は自動ドア1の周辺ではどこでも聞くことができるので、保護センサ6の検出領域6Pの確認作業も効率的に進めることができる。なお音発生部7はコントローラ4に搭載するのが好適であるが、これには限定されず、例えば保護センサ6もしくは起動センサ5に搭載されていてもよいし、設定器10に搭載されていてもよい。また、図1(c)に示す保護センサ6の扉部検出面6S及びヒンジ部検出面6Hと扉2の表面の角度θは、調整可能とされており、保護センサ6の検出領域が規格を満足しない場合は、角度θを調整して、再度検出領域の確認を行なう。
音発生部7は典型的には安価なブザー等でよいが、音を発生するものであればこれには限定されず、スピーカでも何でもよい。特に音発生部7から音声を発生させる場合は、スピーカを用いるとよい。また典型的には保護センサ6の検出中には連続音を発生させ、非検出中には音の発生を停止させることが考えられるが、これには限定されず、検出中と非検出中とで発生させる音を変化させることで、両者の区別が付けばよい。例えば、検出中は無音期間の短い断続音、非検出中は無音期間の長い断続音等としてもよいし、検出中と非検出中とで音の周波数を変えたりしてもよい。
またJIS-A4722では、自動ドア1のコントローラ4が運転モードに設定され、扉2の開閉動作中に保護センサ6が扉2の進行方向に基準体12を検出した場合、コントローラ4は保護動作として、扉2が基準体12に接触する前に停止するか、製品文書に記載されたとおりに反転するか、又は低速作動に切り換わらなければならないと規定している。これらの自動ドア1の動作中に保護センサ6が扉2の進行方向の人等を検出した場合の保護動作は、基本的には自動ドア1の設計検証段階で保証されるものだが、保護センサ6の検出領域6Pに問題がある可能性もあるため、施工、点検等の際に動作を確認して問題があれば、検出領域6Pの再確認を行ない、必要であれば保護センサ6の扉部検出面6Sと扉2の角度θを調整して、保護センサ6の検出領域6Pの位置や大きさを修正してもよい。
また例えば横枠11の外側の自動ドア1の電源スイッチ近傍で、少なくとも横枠11の外部から目視可能な位置、できれば更に扉2が開く側の自動ドアの正面から目視可能な位置に発光部8を設けて、コントローラ4が保護センサ設定モードにおいて、保護センサ6の検出中には発光部8から光を発光させ、非検出中には発光部8からの光の発光を停止させるようにしてもよい。これによれば、扉2の周囲の床面上に基準体12を置いて所定の領域内を移動させながら、自動ドア1の発光部8の発光を目視確認することでも、保護センサ6の検出領域を確認することができる。これによれば施工者や点検者等が聴覚障害者の場合や、自動ドア1の施工時に周囲の雑音が大きすぎて音発生部7からの音が聞こえにくい場合や、逆に夜間など音の発生が許容されない等で音発生部7からの音の発生を停止させた場合でも、保護センサ6の検出領域6Pを比較的容易に確認することができる。ここで発光部8を自動ドア1の電源スイッチ近傍としたのは、発光部8への配線が容易であり、横枠11の外側にあって横枠の蓋を閉じた状態でも、発光部8が外から見えやすい位置となるためである。なお発光部8は保護センサ6の外部から目視可能な位置に設けてもよい。また発光部8は4個の保護センサ6のうち、少なくとも1個に設けて、全ての保護センサ6のうち何れかが基準体12を検出したとき、発光部8から光を発光させてもよい。しかし例えば4個の保護センサ6のそれぞれに発光部8を設ければ、基準体12を扉2の近傍の所定の領域内で移動させたとき、その基準体12を検出する保護センサ6は作業する人から比較的見やすい位置にあるため、発光部8を1個の保護センサ6のみに設けた場合や、発光部8が自動ドア1の電源スイッチ近傍の1箇所にしかない場合に比べると、発光部8の目視確認は容易となる。しかし扉2の上部の保護センサ6上の発光部8、もしくは扉2よりも上方の自動ドア1の電源スイッチ近傍の発光部8と、床面上の基準体12とを、交互に見ながら保護センサ6の検出領域6Pを確認するのは、音発生部7から発生する音で確認する場合と比べると、手間がかかる上に、施工者や点検者等の体への負担が大きい。従って音発生部7と発光部8は併用することが好ましく、必要に応じて音発生部7からの音の発生を停止できると更によい。
また保護センサ設定モードにおいて、コントローラ4は起動センサ5の検出中にも音発生部7から音を発生させ、非検出中には音発生部7からの音の発生を停止させてもよい。このとき起動センサ5の検出中に音発生部7から発生させる音は、少なくとも保護センサ6の検出中又は非検出中に音発生部7から発生させる音とは異なる音を発生させるとよい。これにより自動ドア1の施工者や点検者等は音発生部7から発生する音を聞くだけで、保護センサ6の検出中か、起動センサ5の検出中かを聞き分けることができる。なお、このとき保護センサ6の非検出中に音発生部7から発生する音も停止させる方が好ましい。そうすれば2種類の音を聞き分けるだけ、保護センサ6の検出中か起動センサ5の検出中かを容易に判別できる。
自動ドア1の通行者が開く扉2に衝突しないタイミングで開動作を開始させるためには、起動センサ5の検出領域を適切に設定する必要がある。起動センサには検出中に内蔵の発光部を点灯させる機能を有するものが多く、従来は起動センサの取扱説明書等を参考にして検出領域を設定した後に、施工者や点検者等が自動ドアの周辺を移動しながら発光部を見るなどして、起動センサ5の検出領域が適切か否かを経験的に判断していたが、周囲の環境等によっては発光部の点灯が見づらいこともあった。これに対し自動ドア1では起動センサ5の検出時にも音発生部7から音を発生させるので、自動ドア1の施工者や点検者等が容易に起動センサ5の検出領域を確認することができる。このときJIS-A1551(自動ドア開閉装置の試験方法)の図6に規定された被検出体を使用することが望ましく、これにより起動センサ5の検出領域を正確に確認することができる。しかし簡易的な確認には保護センサ6の検出領域を確認する際と同様に、基準体12を利用してもよい。
図2は自動ドア1の概要を例示するブロック図である。左右2つの扉2をそれぞれ駆動する2つの駆動部3と、運転モードと設定モードを有し少なくとも運転モードにおいて左右2つの駆動部3を介して左右2つの扉2の駆動を制御する左右2つのコントローラ4(1)と4(2)が設けられている。このうち4(1)がマスターコントローラ、4(2)がスレーブコントローラであるが、これらは一体化した1つのコントローラ4として構成してもよい。左右2つの扉2のそれぞれの裏表両面の上部に取付けられた計4つの保護センサ6は、コントローラ4(1)に接続されている。この例では例えば一方の扉2の表面と裏面にそれぞれ取付けられた一対の保護センサ6(1)、6(2)のうち一方の保護センサ6(1)をコントローラ4(1)に直接接続し、他方の保護センサ6(2)は保護センサ6(1)経由でコントローラ4(1)に接続している。また他方の扉2の表面と裏面にそれぞれ取付けられた一対の保護センサ6(3)、6(4)のうち一方の保護センサ6(3)をコントローラ4(1)に直接接続し、他方の保護センサ6(4)は保護センサ6(3)経由でコントローラ4(1)に接続している。しかし保護センサ6の接続方法もこれには限定されず、全ての保護センサ6がコントローラ4(1)もしくはコントローラ4(2)、又はそれらを一体化したコントローラ4に接続されていればよい。なお以降の説明におけるコントローラ4は、マスターコントローラ4(1)とスレーブコントローラ4(2)に分割されたものでも、一体化されたものでもよい。
コントローラ4には音発生部7と発光部8が接続され、保護センサ6の状態や起動センサ5の状態、駆動部3による扉2の駆動状態等に応じて、音発生部7から音を発生させ、発光部8から光を発光させる。コントローラ4にはさらに送受信機9が接続されている。送受信機9と設定器10とは無線で接続して、相互に情報の送受信を行なうことができる。コントローラ4は運転モードと、保護センサ設定モードを含む各種の設定モードを有しており、例えばコントローラ4の内部の回路基板上にマウントしたディップスイッチを操作することにより設定を切替えることができる。また設定器10を用いて、無線で送受信機9を介してコントローラ4の設定を切替えることも可能である。また設定器10はコントローラ4から受信した各種情報を、設定器10上の表示部に表示することもできる。
保護センサ設定モードに切替えられると、コントローラ4は駆動部3による扉2の駆動を停止させる。なおコントローラ4の制御ソフトウェアを簡単にするために、保護センサ設定モードにおいて駆動部3への電流供給をハードウェア的に遮断してもよい。
次に、保護センサ設定モードにおける動作について図3を用いて説明する。図3(a)は保護センサ設定モードにおける動作を例示するフローチャートである。コントローラ4が保護センサ設定モードに設定されて(STEP1)、コントローラ4が駆動部3による扉2の駆動を停止したら(STEP2)、扉2に取付けられた保護センサ6の扉部検出面6Sとヒンジ部検出面6Hの検出範囲設定を開始する(STEP3)。検出範囲の設定は左右の扉2に取付けられた4つの保護センサ6についてそれぞれ行う。まず扉2を全閉状態にして1つの保護センサ6を検出状態とし、戸先に沿って手等を上下に動かして保護センサ6から照射されたレーザ光を遮り、レーザ光の戻り時間に基づいて戸先方向の検出範囲を設定する。また床面で反射したレーザ光の戻り時間より床面までの距離を検出して、床面より少し上側までの検出範囲を設定する(STEP4)。これにより扉部検出面6Sの検出範囲が設定される。同様に検出状態で扉2を全閉状態から全開状態までの範囲で動かし、その際に記憶させた全範囲の扉2の周辺環境に合せて検出範囲を設定する(STEP5)。これによりヒンジ部検出面6Hの検出範囲が設定される他、例えば全開付近で保護センサ6の検出範囲に壁等がある場合でも、その影響を周辺環境の一部として排除し、保護センサ6の検出対象物のみを検出することができる。
残りの3つの保護センサ6についても同様の手順を繰り返して、一連の4つの保護センサ6の検出範囲の設定が完了したら、次に4つの保護センサ6の検出領域6Pを順次確認する(STEP6)。検出領域を確認する施工者や点検者等の作業者が、所定の基準体12の少なくとも一部が扉2近傍で保護センサ6が検出すべき検出領域6Pに入るように、基準体12を床面上に位置決めして置いたとき(STEP7)、保護センサ6が基準体12を検出しなければ(STEP8でnoの場合)、コントローラ4が音発生部7から音を発生させないことから、作業者は保護センサ6が正しく検出できていないことを容易に確認できるので、再度保護センサ6の検出範囲の設定をやり直す(STEP3)。一方、保護センサ6が基準体12を検出すれば(STEP8でyesの場合)、検出中にコントローラ4は音発生部7のブザーをONして例えば図3(b)のような連続音(ブザー音(b))を発生させる(STEP9)ので、作業者は保護センサ6が正しく検出していることを容易に確認できる。これで保護センサ6の所定の検出領域6Pの全ての範囲での確認が終了していなければ(STEP10でnoの場合)、作業者は基準体12を床面上の所定の検出領域内6Pで次の位置に位置決めし(STEP7)、そこでも保護センサ6が基準体12を検出して(STEP8でyes)、コントローラ4が音発生部7のブザーをONしてブザー音(b)を発生させることを確認(STEP9)する。これらのステップを繰り返し、所定の検出領域6Pの全ての範囲で確認できたら(STEP10でyesの場合)、保護センサ6の検出面6S、6Hの検出範囲の設定と床面上の検出領域6Pの確認が完了する。
同様の手順を繰り返して4つの保護センサ6全ての検出面6S、6Hの検出範囲の設定と床面上の検出領域6Pの確認が完了したら、次に起動センサ5の検出領域を自動ドア1の設置環境に合せて取扱説明書等を参考に設定し(STEP11)、起動センサ5の検出領域の確認を開始する(STEP12)。被検出体を起動センサ5が検出すべき領域内において所定の速度で移動させているとき(STEP13)、起動センサ5が被検出体を検出すれば(STEP14でyesの場合)、検出中にコントローラ4は音発生部7のブザーをONして例えば図3(c)のような断続音(ブザー音(c))を発生させる(STEP15)ので、作業者は起動センサ5が正しく検出していることを確認できる。逆に被検出体を起動センサ5が検出すべきでない領域において所定の速度で移動させているとき(STEP13)、起動センサ5が検出しなければ(STEP14でnoの場合)、ブザーはOFFとなり(STEP16)音発生部7から音は発生しないので、作業者は起動センサ5が正しく非検出となっていることを確認できる。以上のように被検出体を起動センサ5の検出領域及びその周辺において所定の速度で移動させて、起動センサ5の検出状態を確認し、起動センサ5の検出領域の確認が終了すれば(STEP17でyesの場合)、保護センサ6と起動センサ5の両センサの検出領域の確認が完了する(STEP18)。なお簡易的には起動センサ5の検出領域も保護センサ6の検出領域の確認と同様に、基準体を検出領域及びその周辺に位置決めしながら、音発生部7から発生する音により確認してもよい。
次にコントローラ4を運転モードに設定したときの動作を図4~図6により説明する。図4は自動ドア1の電源投入時から運転準備が完了するまでの動作を説明するフローチャートであり、図5は運転準備完了後の動作を説明するフローチャートである。また図6は自動ドア1の運転モードにおいて音発生部7から発生させる音を(1)から(5)までにパターン化して例を示したもので、図4、図5のフローチャートの中のブザー音(1)からブザー音(5)にそれぞれ対応している。
図4のフローチャートにおいて、例えば自動ドア1のコントローラ4の回路基板上のディップスイッチの設定を運転モードとし(STEP21)、扉2を閉じた状態で自動ドア1に電源を投入すると(STEP22)、全ての保護センサ6が保護センサ電源投入時自己診断を開始する(STEP23)。電源投入時の自己診断には時間がかかるため、自己診断が完了するまで(STEP25)音発生部7からブザー音(1)を発生させ続け(STEP24)、自動ドア1の管理者等に自己診断中であることを知らせるとよい。自己診断結果がOKの場合(STEP26)、自動ドア1が閉完了の状態でなければ自動ドア1の扉2を低速で閉動作させて(STEP27)、閉完了になるまで(STEP29)音発生部7からブザー音(2)を発生させ続け(STEP28)、管理者等に運転準備中であることを知らせるとよい。閉完了状態になれば運転準備は完了する(STEP30)。なお保護センサ6の電源投入時自己診断結果がNGの場合(STEP26)、扉2を動かすと危険なので、自動ドア1の運転を停止させ(STEP31)、音発生部7から管理者等に異常発生を知らせるブザー音(4)を長時間、例えば管理者等が異常に気付いて自動ドア1の電源を切るまで発生させ続ける。管理者等が何も対処しない場合は、例えば10分~30分程度の範囲の所定の時間で音の発生を停止させてもよい。LED等の発光部8から発光する光のみで異常発生を知らせる場合は、管理者等が発光部8を見ないと異常発生に気付かないのに対し、音で知らせる場合は管理者等が自動ドア1の近くにいれば自然にブザー音(4)が耳に入ってくるため異常発生に早く気付くという利点がある。音と光を併用すればさらによい。この場合、発光部8からの発光は管理者等が異常に気付いて自動ドア1の電源を切ったりするまで継続して発生させ続けてもよい。
次に図5のフローチャートを説明する。自動ドア1は運転準備が完了すると(STEP41)起動信号を待機する状態となる(STEP42)。自動ドア1の起動センサ5が通行人を検出して起動信号がコントローラ4に送られると(STEP42でyesの場合)、コントローラ4は扉2の開動作を開始する前に、全ての保護センサ6に開閉前自己診断をさせる(STEP43)。全ての保護センサ6の自己診断結果がOKの場合(STEP44)、コントローラ4は音発生部7からブザー音(3)を短時間発生させた後に(STEP45)、扉2の開動作を開始するので(STEP46)、自動ドア1の管理者等はブザー音(3)を聞くだけで、全ての保護センサ6の自己診断結果に問題が無い状態で、自動ドア1が安全に運転されていることを確認できる。このとき開動作開始前に毎回ブザー音(3)が発生するが、音の発生は短時間なので、余り気になることはない。ただしそれでも毎回のブザー音(3)が気になる場合は、ブザー音(3)の発生のみを停止する設定ができるようにしておきブザー音(3)の発生を停止もよいし、自動ドア1の電源投入後の最初の数回の開動作時のみブザー音(3)を発生させるなど、音発生部7からの音の発生回数を制限してもよい。なお保護センサ6の中に自己診断結果がNGのものがあった場合(STEP44)、扉2を動かすのは危険なので、自動ドア1の運転を停止させ(STEP56)、音発生部から管理者等に異常発生を知らせるブザー音(4)を長時間発生させ続ける(STEP57)。ブザー音(4)は、例えば管理者等が自動ドア1の電源を切るか、全てのブザー音を停止する設定をするまで発生させ続けてもよいし、異常発生後に所定時間(例えば10分~30分程度)経過したら自動的に停止させてもよい。
また扉2の開動作を開始した後に(STEP46)、保護センサ6が例えば扉2の進行方向の所定の領域内に人等を検出したときは(STEP47でyesの場合)、扉2と人等が衝突する恐れがあるため、コントローラ4は音発生部7からブザー音(5)を発生させる(STEP58)と共に、扉2を停止させる、又は反転させる、又は減速して低速動作に切り換える等の所定の保護動作を行なう(STEP59)。ブザー音(5)により、例えば携帯端末を見ながら前方や周囲を見ずに扉2に接近した人等にも警告を与えられるので、自動ドア1の安全性を更に高めることができる。ブザー音(5)は保護センサ6が検出している限り継続して発生させてもよいし、保護動作が完了したら停止させてもよい。また開動作開始後に(STEP46)、保護センサ6が扉2の進行方向に人等を検出しないときは(STEP47でnoの場合)、扉2を開完了させ(STEP48)、所定の時間待機した後(STEP49)、コントローラ4は扉2の閉動作を開始する前に、全ての保護センサ6に開閉前自己診断をさせる(STEP50)。全ての保護センサ6の自己診断結果がOKの場合(STEP51)、コントローラ4は音発生部7からブザー音(3)を短時間発生させた後に(STEP52)、扉2の閉動作を開始するので(STEP53)、自動ドア1の管理者等はブザー音(3)を聞くだけで、全ての保護センサ6の自己診断結果に問題が無い状態で、自動ドア1が安全に運転されていることを確認できる。閉動作開始時のブザー音(3)も開動作開始時のブザー音(3)と同様に、ブザー音(3)の発生のみを停止する設定ができるようにしてもよいし、自動ドア1の電源投入後の最初の数回の閉動作時のみブザー音(3)を発生させるなど、発生回数を制限してもよい。なお保護センサ6の中に自己診断結果がNGのものがあった場合は(STEP51)、扉2を動かすのは危険なので、自動ドア1の運転を停止させ(STEP60)、音発生部から管理者等に異常発生を知らせるブザー音(4)を発生させ続ける(STEP61)。ブザー音(4)は、例えば管理者等が自動ドア1の電源を切るか、全てのブザー音を停止する設定をするまで発生させ続けてもよいし、異常発生後に所定時間(例えば10分~30分程度)経過したら自動的に停止させてもよい。
また扉2の閉動作を開始した後に(STEP53)、保護センサ6が例えば扉2の進行方向の所定の領域内に人等を検出したときは(STEP54でyesの場合)、扉2と人等が衝突する恐れがあるため、コントローラ4は音発生部7からブザー音(5)を発生させる(STEP62)と共に、扉2を停止させる、又は反転させる、又は減速して低速動作に切り換える等の所定の保護動作を行なう(STEP63)。ブザー音(5)により、例えば携帯端末を見ながら前方や周囲を見ずに扉2に接近した人等にも警告を与えられるので、更に自動ドア1の安全性を高めることができる。ブザー音(5)は保護センサ6が検出している限り継続して発生させてもよいし、保護動作が完了したら停止させてもよい。閉動作開始後に(STEP53)、保護センサ6が扉2の進行方向に人等を検出しないときは(STEP54でnoの場合)、扉2を閉完了させ(STEP55)、起動信号を待機する状態に戻る(STEP42)。
ここまでの説明では、保護センサ6の検出状態や自己診断時不具合発生状態、起動センサ5の検出状態、もしくは駆動部3による扉2の駆動状態等に応じて、音発生部7から音を発生させていたが、これには限定されず、自動ドア1に保護センサ6に関連のない不具合が発生したときにも、音発生部7から音を発生させてもよい。例えば駆動部3のモータの回転や電流等に異常が発生したときや、起動センサ5、コントローラ4、図示省略した電気錠等に不具合が発生したとき等に、不具合の発生箇所や不具合の内容に応じて、それぞれ異なる複数種類の音を音発生部7から発生させてもよい。これにより自動ドア1の管理者や点検者等は、自動ドア1に何らかの不具合が発生したことを速やかに認識できるだけでなく、音発生部7から発生する音の発生パターンや周波数等によって不具合の発生箇所や内容を容易に把握できるので、修理等の際に有効な情報が得られる。またこの時さらに発光部8を不具合の発生箇所や不具合の内容に応じてそれぞれ異なる複数種類の発光パターンで発光させてもよい。これによれば音と光の両方で不具合の発生箇所や内容を把握することができる。
なお、例えば発光部8が単一光源の場合、発光パターンだけで人が違いを識別できる数に比べると、音発生部7の音発生パターンにより人が違いを識別できる数の方が多いため、音発生部7を使用した方が不具合の発生箇所や不具合の内容をより詳細に把握することができる。音の場合は周波数やリズム等の違いも利用できることに加え、例えば単純なオン・オフの繰り返し回数により不具合の種類を表す場合にも、光では音に比べてゆっくりした繰返しでないとオン・オフの回数を目で認識できないため、回数が多くなると注意力が散漫となり、識別できる数には限界があるのに対し、音では光よりオン・オフの周波数が早くても、オン・オフの回数を耳で認識しやすいため、繰返しの数が多くなっても回数を把握することが比較的容易だからである。
ただし音の発生が周囲の迷惑となるような場合は、音発生部7からの音の発生を停止させ、発光部8からの光の発光のみで不具合の発生箇所や不具合の内容を知らせてもよい。
なお設定器10を使用すればコントローラ4から不具合の発生箇所や不具合の内容、発生状況等について更に詳細な情報を得ることが可能である。
以下、本発明の自動ドアに係る第2の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第2の実施形態)
実施形態1が開き戸であったのに対して、実施形態2は図7に示すように引き戸であり、さらに実施形態1ではコントローラと保護センサや起動センサが直接接続されていたのに対して、実施形態2ではコントローラと保護センサや起動センサがCANネットワークを介して接続されている点で異なっている。しかしコントローラが保護センサの状態に応じて音発生部から音を発生させる点など、本発明の要部に係る構成は実施形態1と同様であるため、同様の部分については概要のみを説明し、詳細の説明は省略する。
図7は本発明の実施形態2の自動ドア21の概要を例示する全体図である。自動ドア21は引分けの引き戸であり、固定された左右のFIX32の間の開口部を横幅方向へスライドして開閉する左右の扉22と、上部の横枠31を有している。横枠31の内部には、扉22を駆動する駆動部23と、駆動部23を介して扉22の開閉動作を制御するコントローラ24が配設され、コントローラ24は音発生部27を含むように構成されている。
また開口部の内外の上方中央部にはそれぞれ起動センサ25が配設されており、例えば照射した近赤外光線の反射により人等を検出する。起動センサ25の検出領域は自動ドア21の通路を前後左右に分割した複数の小領域を組合せて構成され、扉22に向かって近付いてくる通行人を検出して扉22を開動作させる起動領域25Dと、扉22の閉動作中に開口部及びその近傍の通行人等を検出したら扉22が通行人等に衝突するのを防止するための保護動作をさせる閉動作保護領域25Pとに分かれている。すなわち起動センサ25は、起動センサ25dと閉動作保護センサ25pの2つの機能を兼用した一体型のセンサである。JIS-A4722では引き戸の場合、扉22の閉動作時の戸先移動領域及びその両面から200mm以上の範囲と定められた床面上の閉動作保護領域25Pに基準体34の全体が位置するとき、閉動作保護センサ25pの機能により検出されなければならないと規定している。
内外の2つの起動センサ25の起動センサ25dと閉動作保護センサ25pの両方の機能の検出状態を同時に確認することで、通行者のゆっくりした通過や立ち止まりを認識することができるため、より安全性の高い自動ドア21を実現することができる。なお起動センサ25の検出領域は通路の前後方向に調整可能であり、扉22の手前側の閉動作保護領域25Pと奥側の閉動作保護領域25Pを、例えば手前側の1つの起動センサ25の閉動作保護センサ25pの機能のみで検出することもできる。このとき反対側の起動センサ25は起動センサ25dの機能のみを使用してもよい。
また左右のFIX32の、扉22が平行してスライドする側の面の上方に2つの保護センサ26が配設されており、例えば照射した近赤外光線の反射により人等を検出する。保護センサ26はFIX32の近傍で扉22の戸尻側にいる人を検出して、開動作中の扉22がその人に衝突するのを防止するための開動作保護センサ26pの機能を有するセンサである。JIS-A4722では、扉22の開動作時戸尻移動領域及びそのFIX32と反対側の表面から200mm以上の範囲と定められた床面上の開動作保護領域26Pに全体が位置するように置かれた基準体34は、保護センサ26により検出されなければならないと規定している。ただし、開動作時戸尻移動領域及びその近傍に人が侵入するのを防止する防護柵を設置する場合、保護センサ26は配設しなくてもよい。
また自動ドア21の電源スイッチ近傍にはさらに発光部28が配設されており、自動ドア21が運転中で横枠31が蓋で覆われていても、発光部28の発光状態を目視により確認することが可能である。発光部28はコントローラ24に直接接続されているが、CANネットワークを介して接続されていてもよい。なお発光部28は起動センサ25dと閉動作保護センサ25pの2つの機能を兼用した一体型の起動(保護)センサ25、もしくは保護センサ26に、外部から発光部28の発光状態を目視可能な状態で内蔵され、CANネットワークを介してコントローラ24に接続されていてもよい。
また音発生部27も同様にコントローラ24以外の、起動センサ25dと閉動作保護センサ25pの2つの機能を兼用した一体型の起動(保護)センサ25、もしくは保護センサ26に内蔵され、CANネットワークを介してコントローラ24に接続されていてもよい。
図8は本発明の実施形態2の自動ドア21の概要を例示するブロック図である。自動ドア21は、駆動部23を介して扉22の開閉動作を制御するコントローラ24と、起動センサ25dと閉動作保護センサ25pの機能を一体化した起動センサ25、開動作保護センサ26pの機能を有する保護センサ26、図示省略した電気錠等をCANネットワーク33で接続している。CANネットワークで接続された各ブロックは互いに通信しており、コントローラ24は各ブロックが正常に機能していることを確認しながら、扉22の開閉を制御している。また音発生部27はコントローラ24に内蔵されており、コントローラ24は保護センサ26や起動センサ25の状態等に応じて音発生部27から所定の音を発生させる。発光部28はコントローラ24に接続され、自動ドア21の電源スイッチ近傍に配設されており、コントローラ24は保護センサ26や起動センサ25の状態等に応じて発光部28から所定の光を発光させる。コントローラ24にはさらに送受信機29が接続され、送受信機29と無線で接続された設定器30を用いてコントローラ24の設定を変更することができる。ただしコントローラ24の内部の回路基板上にマウントしたディップスイッチを操作することにより設定を切替えることも可能である。コントローラ24は運転モードと、保護センサ設定モードを含む各種の設定モードを有している。
なお音発生部27や発光部28が起動センサ25や保護センサ26に内蔵されている場合でも、コントローラ24と起動センサ25や保護センサ26は全てCANネットワーク33に接続されているので、コントローラ24は音発生部27からの音の発生や発光部28からの光の発光を容易に制御することができる。
自動ドア21を保護センサ設定モードにすると、駆動部23による扉22の駆動は停止される。また起動センサ25の閉動作保護センサ25pの機能、又は保護センサ26の開動作保護センサ26pの機能の少なくとも一方が検出中のとき、コントローラ24は音発生部27から音を発生させ、両方とも非検出中のときには音の発生を停止させる。これにより自動ドア21の施工者や点検者等は、自動ドア21の周囲の床面上に置いた基準体34を、少なくとも閉動作保護領域25Pと開動作保護領域26Pの内部の全領域を移動させながら、音発生部27から発生する音を聞くだけで、保護センサの保護領域を確認することができる。なお基準体34は底面以外の各面が所定の波長において所定の2つの範囲の拡散反射率を有する面から構成され、保護センサの保護領域は基準体34の全ての関連する面を用いて確認する。また起動センサ25の起動センサ25dの機能が検出中のときに、閉動作保護センサ25pの機能が検出中のときとは異なる音を音発生部27から発生させる。これにより自動ドア21の施工者や点検者等は、音発生部27から発生する音を聞くだけで起動領域25Dを容易に確認することができる。
自動ドア21を保護センサ設定モードにしたとき、起動センサ25の閉動作保護センサ25pの機能、又は保護センサ26の開動作保護センサ26pの機能の少なくとも一方が検出中のとき、コントローラ24はさらに発光部28から光を発光させ、両方とも非検出中のときには光の発光を停止させてもよい。これにより自動ドア21の施工者や点検者等は音が聞こえにくい状況においても、自動ドア21の周囲の床面上に基準体34を置いて、少なくとも閉動作保護領域25Pと開動作保護領域26Pの内部の全領域を移動させながら、発光部28から発光する光を見ることで、保護センサの保護領域を確認することができる。また起動センサ25の起動センサ25dの機能が検出中のときに、閉動作保護センサ25pの機能が検出中のときとは異なる光を発光部28から発光させる。これにより自動ドア21の施工者や点検者等は音が聞こえにくい状況においても、発光部28から発光する光を見ることで起動領域25Dを容易に確認することができる。起動領域25Dを正確に確認する際は、JIS-A1551の図6に規定された被検出体を使用することが望ましい。しかし簡易的な確認には基準体34を使用してもよい。起動センサ検出中と保護センサ検出中で異なる光を発生させる場合、両者の発光色を異なるものとしてもよいし、例えば保護センサ検出中は連続発光させ起動センサ検出中は断続的に発光させるなど、発光パターンを変えてもよい。また音の発生が許容されない場合には、音発生部27からの音の発生を停止させ、発光部28からの光の発生だけで保護センサの保護領域や起動センサの検出領域を確認してもよい。
自動ドア21を運転モードにしたとき、コントローラ24は駆動部23を介して扉22の駆動を開始する前に、少なくとも2つの起動センサ25の閉動作保護センサ25pの機能と2つの保護センサ26が全て正常に機能していることをCANネットワーク33を介して確認する。全ての保護センサが正常と確認された場合には、音発生部27から短時間音を発生させると共に、扉22の開動作又は閉動作を開始する。この開閉動作開始前の音の発生は短時間なので余り気にはならないが、それでも音が問題となる場合は設定変更により音の発生を停止もよいし、例えば自動ドア21に電源投入後の最初の数回の開閉動作時のみ音を発生させるなど、音の発生回数を制限してもよい。一方、1つでも保護センサに異常が確認された場合には、音発生部27から長時間音を発生させると共に、扉22の駆動を停止する。この場合の音は、例えば管理者等が自動ドア21の電源を切るか、全ての音を停止する設定をするまで発生させ続けてもよいし、異常発生後に所定時間(例えば10分~30分程度)経過したら自動的に停止させてもよい。このように音発生部27から発生する音を聞くだけで、全ての保護センサが正常に機能しているか否かを容易に確認することができる。
また扉22の駆動を開始する前に全ての保護センサが正常に機能していることが確認された場合、扉22の開動作又は閉動作を開始する際に、発光部28から短時間光を発光させる一方、1つでの保護センサに異常が確認された場合、扉22の駆動を停止し、発光部28から長時間光を発光させてもよい。この場合の光は、例えば管理者等が自動ドア21の電源を切るまで発光させ続けてもよい。音発生部27からの音の発生を設定により停止させた場合でも、発光部28からの発光を確認することで、全ての保護センサが正常に機能しているか否かを容易に確認することができる。
運転モードにおいて、扉22の閉動作中に起動センサ25の閉動作保護センサ25pの機能が扉22の進行方向の閉動作保護領域25Pに人等を検出した場合、コントローラ24は音発生部27から警告音を発生させると共に、閉動作保護領域25P内の人を保護するために、扉22を停止させる、反転させる、減速させる等の保護動作を行なう。また扉22の開動作中に保護センサ26が扉22の進行方向の開動作保護領域26Pに人等を検出した場合、コントローラ24は音発生部27から警告音を発生させると共に、開動作保護領域26P内の人を保護するために、扉22を停止させる、反転させる、減速させる等の保護動作を行なう。警告音としては例えば連続音を発生させてもよいし、退避を促す音声を発生させてもよい。
運転モードにおいて、扉22の閉動作開始前に起動センサ25の閉動作保護センサ25pの機能が扉22の進行方向の閉動作保護領域25Pに人等を検出した場合、コントローラ24は音発生部27から警告音を発生させると共に、閉動作保護領域25P内の人を保護するために、扉22を減速閉動作させる等の保護動作を行なう。また扉22の開動作開始前に保護センサ26が扉22の進行方向の開動作保護領域26Pに人等を検出した場合、コントローラ24は音発生部27から警告音を発生させると共に、開動作保護領域26P内の人を保護するために、扉22を減速開動作させる等の保護動作を行なう。警告音としては例えば連続音を発生させてもよいし、退避を促す音声を発生させてもよい。
音発生部27から警告音を発生させることにより、自動ドア21の安全性をより高めることができる。
また運転モードにおいて、自動ドア21の電源が入れられてから、コントローラ24がネットワーク33を介して全ての保護センサの自己診断結果の確認も含め、扉22の駆動の準備が完了するまでの間、音発生部27から音を発生させ、準備が完了すると音発生部27からの音の発生を停止させる。これにより自動ドア21に電源を入れてから、運転状態になったことを、音発生部27からの音を聞くだけで容易に確認することができる。
ここまでの説明では、保護センサ26の検出状態や自己診断時不具合発生状態もしくは起動センサ5の検出状態に応じて、音発生部27から音を発生させていたが、これには限定されず、自動ドア21に保護センサ26に関連のない不具合が発生したときにも、音発生部27から音を発生させてもよい。例えば駆動部23のモータの回転や電流等に異常が発生したときや、起動センサ25、コントローラ24、図示省略した電気錠等に不具合が発生したとき等に、不具合の発生箇所や不具合の内容に応じて、それぞれ異なる複数種類の音を音発生部27から発生させてもよい。音の種類によって不具合の発生箇所や内容を容易に把握できるので、修理等の際に有効な情報が得られる。またこの時さらに発光部28を不具合の発生箇所や不具合の内容に応じてそれぞれ異なる複数種類の発光パターンで発光させてもよい。これによれば音と光の両方で不具合の発生箇所や内容を把握することができる。ただし音の発生が問題となる場合は、音発生部7からの音の発生を停止させ、発光部8からの光の発光のみで不具合の発生箇所や不具合の内容を知らせてもよい。
第1の実施形態では自動開き戸、第2の実施形態では自動引き戸を例に説明したが、本発明の適用範囲はこれには限定されず、自動回転ドア、自動折り戸、自動バランスドア等の自動ドアにも適用可能である。すなわち自動ドアの種類により扉周辺の保護領域と保護センサの配置は異なるが、保護センサの状態に応じて音発生部から所定の音を発生させること等により、第1、第2の実施形態で説明したことと同様の効果を得ることができる。
1 :自動ドア(開き戸)
2 :扉
3 :駆動部
4 :コントローラ
5 :起動センサ
6 :保護センサ
6S :保護センサ扉部検出面
6H :保護センサヒンジ部検出面
6P :保護センサ検出領域
7 :音発生部
8 :発光部
9 :送受信機
10 :設定器
11 :横枠
12 :基準体
21 :自動ドア(引き戸)
22 :扉
23 :駆動部
24 :コントローラ
25 :起動センサ
25P :閉動作保護領域
26 :保護センサ
26P :開動作保護領域
27 :音発生部
28 :発光部
31 :横枠
32 :FIX
33 :ネットワーク
34 :基準体

Claims (9)

  1. ヒンジ部を中心に回動する扉と、
    前記扉を駆動する駆動部と、
    運転モードを有し、少なくとも前記運転モードにおいて、前記駆動部による前記扉の駆動を制御するコントローラと、
    前記扉を通行する通行人を検出して、起動信号を前記コントローラに送る起動センサと、
    前記扉の表面と裏面それぞれの上部の前記ヒンジ部近傍に取付けられた保護センサと、を有する自動ドアにおいて、
    前記保護センサは、それぞれが取付けられた扉面側の前記扉近傍の人等の対象物を検出する扉部検出面と、前記ヒンジ部近傍の人の手指等の対象物を検出するヒンジ部検出面とを有し、
    前記コントローラは、前記運転モードにおいて、前記扉の駆動を開始する前に、前記保護センサの検出機能に異常がないことを確認し、正常の場合には前記扉の駆動を開始し、異常がある場合には前記扉の駆動を停止すると共に、
    前記コントローラは、前記扉の回動中に、前記扉の進行方向の面側に取付けられた前記保護センサが前記扉近傍の対象物又は前記ヒンジ部近傍の対象物を検出した場合、前記扉を停止、又は反転、又は低速動作への切換えのいずれかの保護動作を行なうことを特徴とする自動ドア。
  2. 前記保護センサはレーザ光を放射させ、放射された前記レーザ光が前記通行人等に当たって戻るまでの時間を計測して、前記扉部検出面と前記ヒンジ部検出面の前記対象物の存在と位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア。
  3. 前記保護センサの調整や確認のための保護センサ設定モードをさらに有し、
    前記保護センサ設定モードにおいて、前記保護センサの扉部検出面の外側の周辺環境まで含めて記憶させ、
    前記運転モードにおいて前記扉を回動させる前の周辺環境と、前記保護センサ設定モードにおいて記憶させた周辺環境との差に基づいて、前記保護センサの検出機能に異常があるか、ないかを確認することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の自動ドア。
  4. 音発生部をさらに有するとともに、
    前記保護センサ設定モードにおいて、前記コントローラは、前記保護センサの検出中と非検出中とで、前記音発生部から発生させる音を変化させることを特徴とする請求項3に記載の自動ドア。
  5. 前記保護センサ設定モードにおいて、前記コントローラは、前記保護センサの検出中には前記音発生部から音を発生させ、非検出中には音の発生を停止させることを特徴とする請求項4に記載の自動ドア。
  6. 前記保護センサ設定モードにおいて、前記コントローラは、前記保護センサの検出中又は非検出中に前記音発生部から発生させる音と異なる音を、前記起動センサの検出中に前記音発生部から発生させることを特徴とする請求項4又は5に記載の自動ドア。
  7. 音発生部をさらに有するとともに、
    前記運転モードにおいて、前記コントローラは、前記保護動作と同時に前記音発生部から音を発生させることを特徴とする請求項1に記載の自動ドア。
  8. 音発生部をさらに有するとともに、
    前記運転モードにおいて、前記コントローラは全ての前記保護センサの検出機能が正常の場合と、異常がある場合とで、前記音発生部から発生させる音を変化させることを特徴とする請求項1に記載の自動ドア。
  9. 前記コントローラは、前記音発生部からの音の発生を停止する設定が可能であることを特徴とする請求項4乃至8の何れか1項に記載の自動ドア。
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