JP7442758B1 - 攪拌装置 - Google Patents

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Abstract

薄膜旋回型の攪拌装置であって、筒状部の側面は、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成されている。第一領域は、筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置され、第二領域は、第一領域の上端から筒状部の上端及び第一領域の下端から筒状部の下端まで配置されている。第一領域の幅をWpとし、回転部材の全高をHとするとき、0<Wp<0.5Hの関係を満たす。

Description

本発明は、乳化及び分散処理を行うための攪拌装置であって、例えば、導電材を含むスラリーの製造等に用いられる装置に関する。
ポータブル電子機器用電源のほか、電気自動車用電源、風力・太陽光発電設備によって発電された電力の蓄積等、リチウムイオン二次電池や燃料電池に代表される電池需要は、今後増大することが予測される。また、電池自体の小型化、軽量化、安全性といった特性の一層の向上だけでなく、これら特性を備えた電池を効率的かつ低コストで生産することが要請されている。
この課題を解決する有効な手段として、特許文献1に開示された高速攪拌機が提案されている。この高速攪拌機は、円筒状の攪拌槽内に回転軸を同心に設け、攪拌槽よりわずかに小径の回転羽根を該回転軸に取付け、回転羽根の高速回転により被処理液を攪拌槽の内面に薄膜円筒状に拡げながら攪拌する高速攪拌機であって、当該回転羽根は、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えるというものである。この高速攪拌機によると、円筒体に多数の小孔を穿設した簡単な構造で、すぐれた攪拌作用を奏させることができる効果がある。また被処理液に対して衝突する面がないので、固体成分を含有する液を処理しても摩耗が少なく、回転羽根の金属成分が被処理液中に混入するおそれが少ない利点がある。
また、特許文献2に開示された攪拌装置システムは、特許文献1の高速攪拌機を使用するものであり、この攪拌装置システムを用いて電池電極用塗料を製造すると、電池の安全性を高度に維持しつつ、電池の高性能化に適した電極用塗料を効率的に製造することができるという利点がある。
特開平11-347388号公報 国際公開第2010/018771号公報
近年、カーボンナノチューブ(CNT)等の線状カーボンを電池や樹脂等への添加剤等として適用することが試みられている。一般に、CNT等の線状カーボンは、従来のカーボン材料に比べて比表面積が大きい等、優れた特性を有するため、リチウムイオン二次電池の導電性材料の一部をCNT等に置換えて使用すると、その性能を向上させることが期待できる。しかし、CNT等の線状カーボンは、比表面積が大きいこと等に起因して凝集力が強く、均一に混合、分散されたスラリーを作製することが困難である。この問題を解決するために本発明の発明者らが鋭意検討したところ、回転羽根(回転部材)の多孔円筒部(筒状部)の半径方向に多数貫通して設けた小孔の配置等を見直すことにより、上記課題を解決できることを見出した。
具体的には、本発明の攪拌装置は、容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、前記回転部材は、前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部有し、前記筒状部の側面は、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成された第二領域で構成され、前記第一領域は、前記筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置され、前記第二領域は、前記第一領域の上端から前記筒状部の上端及び前記第一領域の下端から前記筒状部の下端まで配置され、前記第一領域の幅をWpとし、前記回転部材の全高をHとするとき、0<Wp<0.5Hの関係を満たすことを特徴とする。
好ましくは、前記攪拌装置は、前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔の開口率をP1とし、前記第二領域の内外方向に貫通する複数の孔の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、かつP1>0
の関係を満たすことを特徴とする。
また、前記攪拌装置においては、前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きいことが好ましく、前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の内方向の開口数が、外方向の開口数より多いことが好ましく、前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の貫通経路が前記筒状部内で分岐していることが好ましい。
さらに、前記回転部材は、前記筒状部の内側に、当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有し、前記筒状部の内空間は、当該水平部によって上部空間と下部空間に区画されていることが好ましい。
前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の貫通経路が前記筒状部内で分岐しており、個々の孔の内方向の開口が前記上部空間及び前記下部空間にそれぞれ配置されていることが好ましく、前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、内方向の開口が前記上部空間に配置された孔と、内方向の開口が前記下部空間に配置された孔とが、前記筒状部の周方向に対して交互に並ぶように配列していることが好ましい。
一般に、容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置(薄膜旋回型攪拌装置)においては、容器の底部に設けられた供給口から容器内に供給された攪拌対象が、高速で回転する回転部材の筒状部の内周面及び外周面に連れられて容器内を高速で旋回する。このとき、回転部材の筒状部の内側に存在する攪拌対象は、回転部材の回転によって付加される遠心力の作用によって、回転部材の筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔から容器と回転部材との間(クリアランス部)に供給される。さらに、クリアランス部に供給された攪拌対象は、容器の内面に密着し、薄膜状となって旋回する。これにより、容器と回転部材との間に供給されて薄膜状となった攪拌対象は、回転部材の表面側と容器の内面側との間で旋回の速度差が生じ、これに起因するせん断力を受けて攪拌される。
ここで、上述のように、回転部材の筒状部の側面が、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が第一領域の開口率より小さくなるように形成された第二領域で構成され、第一領域が前記筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置され、第二領域が、第一領域の上端から筒状部の上端及び第一領域の下端から筒状部の下端まで配置され、第一領域の幅をWpとし、回転部材の全高をHとするとき、
0<Wp<0.5H
の関係を満たすと、回転部材によって付加される遠心力によって、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、回転部材の筒状部の側面の内外方向に貫通する複数の孔の内、筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域に形成される孔から集中的に供給されることになる。これにより、クリアランス部においては、回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じる。これにより、回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率が向上する。また、クリアランス部においては、回転部材の外側と容器の内面側との間で旋回の速度差が生じることによって、攪拌対象と容器の内面及び回転部材との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生するが、上述のように回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇が抑制される。
また、一般に、薄膜旋回型攪拌装置においては、回転部材の筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔の開口率は、攪拌対象に対して付加されるせん断力及び回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度に影響する。具体的には、筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔の開口率が小さくなると、筒状部と攪拌対象と接触面積が大きくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も大きくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、筒状部と攪拌対象と接触面積が小さくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も小さくなる。一方、筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔の開口率が小さくなると、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、攪拌対象の供給速度が大きくなる。以上のように、攪拌対象に対して付加されるせん断力と回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度は、トレードオフの関係にある。
ここで、上述のように、前記第一領域の複数の孔の開口率をP1とし、前記第二領域の複数の孔の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、かつP1>0
の関係を満たすように、複数の孔の開口率の小さい第二領域を配置していると、第二領域に対向するクリアランス部に存在する攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる。一方、第二領域においては、複数の孔の開口率が小さく、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるが、この点については、上述の通り、クリアランス部においては、回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じることによりカバーされる。すなわち、回転部材の筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域に形成される孔から集中的にクリアランス部に供給された攪拌対象が、筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する攪拌対象の流れによって、第二領域と対向するクリアランス部に供給されることによってカバーされる。
また、本発明の攪拌装置においては、回転部材の筒状部の第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きくなっているので、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給を促進し、クリアランス部における回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力をより高めることができ、これにより攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れを促進する。この結果、回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより促進され、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果をより高めることができる。
回転部材の筒状部の第一領域の内外方向に貫通する複数の孔について、個々の孔の内方向の開口面積を外方向の開口面積より大きくする方法としては、個々の孔の内方向の開口数を外方向の開口数より多くすることが好ましく、より具体的には、個々の孔の貫通経路を回転部材の筒状部内で分岐させることが好ましい。
また、本発明の攪拌装置においては、回転部材は、筒状部の内側に回転部材の回転軸と直交する水平部を有し、筒状部の内空間は、水平部によって上部空間と下部空間に区画されていることが好ましい。このように、筒状部の内空間が、水平部によって上部空間と下部空間に区画されていると、回転部材の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、より確実に行われるようになり、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果を、より確実に発現させることができるようになる。
このとき、第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、
(1)個々の孔の貫通経路が筒状部内で分岐しており、個々の孔の内方向の開口が上部空間及び下部空間にそれぞれ配置されている、又は、
(2)内方向の開口が上部空間に配置された孔と、内方向の開口が下部空間に配置された孔とが、筒状部の周方向に対して交互に並ぶように配列している、
という構成にすれば、上部空間及び下部空間にそれぞれ存在する攪拌対象が、第一領域に形成される孔からクリアランス部に集中的に供給される際に、相互に混合されるようになる。これにより、回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、上部空間側と下部空間側で分断された形で行われることを回避でき、上部空間側と下部空間で循環する攪拌対象が適度に入れ替わるような形で、回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環を行うことができるようになる。これにより、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果をより確実に発現させることができるようになる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明に係る攪拌装置を示す構成図である。 本発明に係る攪拌装置を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例1に係る回転部材を使用したときの攪拌対象の流動状態を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例2に係る回転部材を示す断面図である。 本発明の実施例3に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例3に係る回転部材を示す断面図である。 本発明の実施例4に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例4に係る回転部材を示す断面図である。 比較例に係る回転部材を示す図である。 比較例に係る回転部材を使用したときの攪拌対象の流動状態を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。図1及び図2に示すように、攪拌装置1は、円筒状の容器2と、この容器2の底面を含む外周面に冷却水を供給かつ排出する水冷配管6が接続された外層4と、容器2の内面22とわずかの間隙sを有して容器2と同心にて高速回転可能な回転部材800(810、820、830)と、この回転部材800を端部に支持して正逆高速回転駆動可能なシャフト10と、堰板12を介して容器2の上部に設けられ製品を排出する排出管13を有する上部容器14と、この上部容器14を密閉する蓋16とを備え、容器2の底部に原料の供給をする供給管17、18が弁19、20を介して設けられている。なお、図1又は図2では、回転部材800の筒状部(後述)の内外方向に貫通する複数の孔、蓋、弁などを便宜上、省略している。図2に示すように、容器2の内径をDとし、筒状部の外径をφとすると、上記隙間s=(D-φ)/2の関係がある。
上部容器14は、図2に示すように、その周面に冷却水が供給される冷却水室15を備えている。堰板12は、被処理液(攪拌対象)が流出管13から排出可能なように、開口部11を有する。
また、回転部材800は、周速10~50m/secの高速度で駆動されるようになっている。さらに、攪拌装置1は、容器2、上部容器14、蓋16及びシャフト10をガスケットで気密シールし、バルブを介して真空排気装置を設ければ真空排気可能にすることもできる。
次に本実施形態に係る高速攪拌装置の動作について説明する。図2を参照して、先ず、被処理液の条件設定のために、容器2を密閉する堰板12を設置する。次に、容器2内に所定量の被処理液Lを供給管17、18から導入する。次いで、図示しないモーターに接続されたシャフト10が高速回転駆動して回転部材800が高速回転する。
このとき、被処理液Lは、回転部材800の高速回転によって円周方向に付勢されて回転する。この回転によって生じる遠心力によって、被処理液Lは容器2の内面に厚さtの薄膜円筒状となって旋回する。さらに、攪拌後の被処理液Lは、堰板12を越えて連続的に上部容器14に流入し、流出管13から容器2の外に排出される。
次に、本発明の攪拌装置及び比較例の攪拌装置に使用する回転部材の詳細について説明する。
(実施例1)
図3は実施例1の回転部材800を示している。図3(a)は回転部材800の断面図であり、図3(b)のA-Aにおける断面を示している。図3(b)は回転部材800の上面図である。図3(c)は回転部材800の側面図である。回転部材800は、図3に示すように、筒状部801を有し、筒状部801の側面には、図3(c)中の一点鎖線で示すように、筒状部の周方向に帯状に区画され、筒状部801の内外方向に貫通する複数の孔802が形成された第一領域803が設けられている。また、第一領域803は、筒状部801の高さ方向の中央を含むようにして設けられている。第一領域803の上端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の上側の接線(図3(c)中の上側の一点鎖線)で規定される一方、第一領域803の下端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の下側の接線(図3(c)中の下側の一点鎖線)で規定される。第一領域803の幅Wpは、上記複数の孔802の開口縁の上側の接線と下側の接線の間隔で規定される。第一領域803内では、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となっている。また、本実施例では、第一領域803内で、複数の孔802が1列に配列した例を示したが、必要に応じて2列以上とすることも許容される。この場合、第一領域803の上端は、複数の孔802の最上列の開口縁の上側の接線で規定される一方、第一領域803の下端は、複数の孔802の最下列の開口縁の下側の接線で規定される。
図3(c)に示すように、筒状部801の側面には、第一領域803の上端(上側の接線)から筒状部801の側面の上端までと、第一領域803の下端(下側の接線)から筒状部801の側面の下端まで、第二領域804が配置されている。第二領域804では、内外方向に貫通する複数の孔802の開口率が、第一領域803の開口率より小さくなるように複数の孔802が形成され、図3に示した例では、無開口(開口率=0)としているが、これに限られるものではない。なお、開口率Pは、
P=S1/S2
S1:対象領域(第一領域又は第二領域)の複数の孔の開口面積の総和
S2:対象領域(第一領域又は第二領域)の面積の総和
によって規定される。また、本実施例では、上方側及び下方側の第二領域804の開口率Pは同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
第二領域804の幅Wnは、第一領域803の上端(複数の孔802の開口縁の上側の接線)と筒状部801の側面の上端までの幅Wn1と、第一領域803の下端(複数の孔802の開口縁の下側の接線)と筒状部801の側面の下端までの幅Wn2との和(Wn=Wn1+Wn2)によって規定される。また、回転部材の全高Hは、筒状部801の側面の高さで規定され、
H=Wp+Wn
の関係を満たす。
ここで、第一領域の幅Wpは、
0<Wp<0.5H
の関係を満たす。なお、本実施例では、上方側及び下方側の第二領域804の幅Wn1,Wn2は同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
以上の回転部材800の構成であると、回転部材800によって付加される遠心力によって、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部(段落0012参照)に供給される攪拌対象が、回転部材800の筒状部801の複数の孔802の内、筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域803に形成される孔802から集中的に供給されることになる。これにより、クリアランス部においては、筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域804と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、図4に示すように、筒状部801の高さ方向の中央から筒状部801の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じる。これにより、図4に示す回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率が向上する。
一般に、クリアランス部においては、回転部材800側と容器2の内面側との間で攪拌対象の旋回速度に差が生じることによって、攪拌対象と回転部材800及び容器2の内面との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生する。このため、上述のように回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少するとともに、図4に示すように、相対的に温度の高い攪拌対象Fhと相対的に温度の低い攪拌対象Flが入れ替わるような形の流れが生じるため、攪拌対象の温度上昇が抑制される。
第一領域の幅Wpは、
好ましくは、0<Wp<0.3H
より好ましくは、0<Wp<0.2H
さらに好ましくは、0<Wp<0.1H
の関係を満たすと、上述の攪拌対象に対す処理効率が向上する効果及び攪拌対象の温度上昇が抑制される効果がより高められる。一方、第一領域の幅Wpが過剰に小さくなると、第一領域803に形成される孔802からクリアランス部への攪拌対象の供給が阻害されるので、第一領域の幅Wpは、
好ましくは、Wp>0.01H
より好ましくは、Wp>0.02H
さらに好ましくは、Wp>0.03H
の関係を満たすことが望ましい。
また一般に、薄膜旋回型攪拌装置においては、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pは、攪拌対象に対して付加されるせん断力及び回転部材の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度に影響する。具体的には、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pが小さくなると、筒状部802と攪拌対象と接触面積が大きくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も大きくなるのに対し、孔の開口率Pが大きくなると、筒状部801と攪拌対象と接触面積が小さくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も小さくなる。一方、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pが小さくなると、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、攪拌対象の供給速度が大きくなる。以上のように、攪拌対象に対して付加されるせん断力と回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度は、トレードオフの関係にある。このため、本実施例では、第一領域803の複数の孔802の開口率をP1とし、第二領域804の複数の孔802の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、かつP1>0
の関係を満たすように設定している。このように、複数の孔802の開口率の小さい第二領域804を配置していると、第二領域804に対向するクリアランス部に存在する攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる。
一方、第二領域804においては、複数の孔802の開口率が小さく、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるが、この点については、上述の通り、クリアランス部においては、回転部材800の筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域804と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、図4に示すように、筒状部801の高さ方向の中央から筒状部801の上端及び下端方向に向けてそれぞれ移動する流れが生じることによりカバーされる。すなわち、回転部材800の筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域803に形成される孔802から集中的にクリアランス部に供給された攪拌対象が、筒状部801の上端及び下端方向に向けてそれぞれ移動する流れによって、第二領域804と対向するクリアランス分に供給されることによってカバーされる。
また、本実施例においては、回転部材800の筒状部801の第一領域803の内外方向に貫通する複数の孔802は、個々の孔の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きくなっているので(図3(a)参照)、回転部材800の筒状部801内側からクリアランス部への攪拌対象の供給を促進し、クリアランス部における回転部材800の筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力をより高めることができるようになる。これにより、攪拌対象が旋回しながら筒状部801の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが促進される。この結果、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより促進され、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより高めることができる。なお、上記本発明の効果より高めるために、第一領域803と第二領域804の複数の孔802の開口率を、
好ましくは、0≦P2/P1<0.25、かつP1>0
より好ましくは、0≦P2/P1<0.1、かつP1>0
さらに好ましくは、0≦P2/P1<0.05、かつP1>0
の関係を満たすように設定することが望ましい。
回転部材800の第一領域803の内外方向に貫通する複数の孔802について、個々の孔の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きくする方法として、本実施例では、個々の孔の内方向の開口数が、外方向の開口数より多くなるようにしている。具体的には、当該個々の孔は、貫通経路805が筒状部801の内部で分岐しており、内方向の開口数が2である一方、外方向の開口数が1となっている。
また、本実施例においては、回転部材800は、筒状部801の内側に、回転部材800の回転軸と直交する水平部806を有し、筒状部801の内空間は、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されている。上述のように、筒状部801の内空間が、水平部806によって上部空間と下部空間に区画されていると、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより確実に行われるようになり、上述した攪拌対象にする処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより確実に発現させることができるようになる。なお、水平部806による上部空間807と下部空間808の区画は、上部空間807と下部空間808が隔絶されて、水平部806を経由した撹拌対象の流通が遮断されていることが好ましい。なお、図示の例では、水平部806は、シャフト10と当接するボス28を含んでいる。
また、本実施例においては、第一領域803の内外方向に貫通する複数の孔802の内方向の開口が、上部空間807及び下部空間808にそれぞれ配置されていて、これら2つの内方向の開口と外方向の1つの開口を繋ぐ開口貫通経路805が筒状部801の内部で結合している。このため、上部空間及び下部空間にそれぞれ存在する攪拌対象が、第一領域に形成される孔からクリアランス部に供給される際に、相互に混合されるようにすることができる。これにより、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、上部空間807側と下部空間808側で分断された形で行われることを回避することができるとともに、上部空間側807と下部空間808で循環する攪拌対象が適度に入れ替わるような形で、回転部材の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環を行うことができるようになる。この結果、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより確実に発現させることができるようになる。
(実施例2)
図5は実施例2の回転部材810を示している。図5(a)は回転部材810の断面図であり、図5(b)のA-Aにおける断面を示している。図5(b)は回転部材810の上面図である。図5(c)は回転部材810の側面図である。また、図6は回転部材810の断面図であり、図5(b)のB-Bにおける断面を示している。
回転部材810は、第一領域803の内外方向に貫通する複数の孔802の構造及び配列が実施例1の回転部材800と異なる以外、実施例1の回転部材800と同じである。具体的には、回転部材810は、複数の孔802の内方向の開口が上部空間807及び下部空間808にそれぞれ配置されているが、貫通経路805が筒状部801の内部で結合しておらず、内方向の開口と外方向の開口が一対一に繋がっている。また、複数の孔802の内方向の開口は、筒状部801の傾斜部811上で斜めに開口するように設けられており、これにより個々の孔802の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きくなっている。さらに、図5(c)に示すように、内外方向に貫通する複数の孔802が、内方向の開口が上部空間807に配置された孔と、内方向の開口が下部空間808に配置された孔とが、筒状部801の周方向に対して交互に並ぶように配列している。以上の構成により、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果を発現させることができるようになる。
(実施例3)
図7は実施例3の回転部材820を示している。図7(a)は回転部材820の断面図であり、図7(b)のA-Aにおける断面を示している。図7(b)は回転部材820の上面図である。図7(c)は回転部材820の側面図である。また、図8は回転部材820の断面図であり、図7(b)のB-Bにおける断面を示している。
回転部材820は、第一領域803の内外方向に貫通する複数の孔802の構造及び配列が実施例2の回転部材810と異なる以外、実施例2の回転部材810と同じである。具体的には、複数の孔802の内方向の開口と外方向の開口を繋ぐ貫通経路805が、筒状部801内を斜めに貫通していて、図7(c)に示すように、内外方向に貫通する複数の孔802が、内方向の開口が上部空間807に配置された孔と、内方向の開口が下部空間808に配置された孔とが、筒状部801の周方向に対して同一線上で交互に並ぶように配置されている。以上の構成により、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果を発現させることができるようになる。
(実施例4)
図9は実施例4の回転部材830を示している。図9(a)は回転部材830の断面図であり、図9(b)のA-Aにおける断面を示している。図9(b)は回転部材830の上面図である。図9(c)は回転部材830の側面図である。実施例4は、容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、回転部材は、容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有するとともに、筒状部の内側に回転部材の回転軸と直交する水平部を有しており、筒状部の内空間は、水平部によって上部空間と下部空間に区画されており、筒状部の上部空間に対向する側面及び下部空間に対向する側面は、それぞれ、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、第一領域は、筒状部の上部空間の側面及び下部空間の側面の水平部側にそれぞれ配置され、第二領域は、筒状部の上部空間の側面の前記第一領域の上端から筒状部の上端及び筒状部の下部空間の側面の前記第一領域の下端から筒状部の下端までそれぞれ配置され、第一領域に形成され複数の孔は、筒状部の周方向の3列以下の列上に配列していることを特徴とする攪拌装置である。
図10は回転部材830の断面図であり、図9(b)のB-Bにおける断面を示している。回転部材830は、図9に示すように、筒状部801を有し、筒状部801の内側に、回転部材830の回転軸と直交する水平部806を有し、筒状部801の内空間は、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されている。回転部材830の筒状部801の側面には、図9(c)中の一点鎖線で示すように、筒状部の周方向に帯状に区画され、筒状部801の内外方向に貫通する複数の孔802が形成された第一領域803が設けられている。第一領域803は、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の水平部側(筒状部801の高さ方向の中央側)にそれぞれ配置されている。
筒状部801の上部空間807の側面における第一領域803の上端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の上側の接線(図9(c)中の上側の一点鎖線)で規定される一方、第一領域803の下端は、水平部806の上部空間807側の面を基準とする高さ位置(図9(c)中の下側の一点鎖線)で規定される。筒状部801の上部空間807の側面における第一領域803の幅Wp1は、上記複数の孔802の開口縁の上側の接線と水平部806の上部空間807側の面を基準とする高さ位置の間隔で規定される。第一領域803内では、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となっている。
筒状部801の下部空間808の側面における第一領域803の下端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の下側の接線(図9(c)中の下側の一点鎖線)で規定される一方、第一領域803の上端は、水平部806の下部空間808側の面を基準とする高さ位置(図9(c)中上側の一点鎖線)で規定される。筒状部801の下部空間808の側面における第一領域803の幅Wp2は、上記複数の孔802の開口縁の上側の接線と水平部806の部空間807側の面を基準とする高さ位置の間隔で規定される。第一領域803内では、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となっている。なお、本実施例では、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の第一領域803の幅Wp1,Wp2は同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。また、本実施例では、第一領域803内で、複数の孔802が1列に配列した例を示したが、必要に応じて2列以上とすることも許容される。この場合、第一領域803の上端は、複数の孔802の最上列の開口縁の上側の接線で規定される一方、第一領域803の下端は、複数の孔802の最下列の開口縁の下側の接線で規定される。
図9(c)に示すように、筒状部801の側面には、上部空間807の側面における第一領域803の上端から筒状部801の側面の上端までと、下部空間808の側面における第一領域803の下端から筒状部801の側面の下端まで、それぞれ第二領域804が配置されている。第二領域804では、内外方向に貫通する複数の孔802の開口率が、第一孔形成形成領域803の開口率より小さくなるように複数の孔802が形成され、図3に示した例では、無開口(開口率=0)としているが、これに限られるものではない。なお、開口率Pは、
P=S1/S2
S1:対象領域(第一領域又は第二領域)の複数の孔の開口面積の総和
S2:対象領域(第一領域又は第二領域)の面積の総和
によって規定される。また、本実施例では、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の第一領域803及び第二領域804の開口率Pは同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
第二領域804の幅は、上部空間807の側面における第一領域803の上端(複数の孔802の最上列の開口縁の上側の接線)と筒状部801の側面の上端までの幅Wn1、又は下部空間808の側面における第一領域803の下端(複数の孔802の最下列の開口縁の下側の接線)と筒状部801の側面の下端までの幅Wn2によって、それぞれ規定される。なお、本実施例では、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の第二領域804の幅Wn1,Wn2は同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。また、本実施例では、各第一領域803内で、複数の孔802が1列に配列した例を示したが、必要に応じて2列以上とすることも許容され、3列以下の列上に配列していれば良い。好ましくは、第一領域803に形成され複数の孔が、筒状部801の周方向の2列以下の列上に配列していることが好ましく、より好ましくは1列上に配列していることが好ましい。
(比較例)
図11は比較例の回転部材8を示している。図11(a)は回転部材8の断面図であり、図11(b)のA-Aにおける断面を示している。図11(b)は回転部材8の上面図である。図11(c)は回転部材8の側面図である。回転部材8は、回転部材8の筒状部24の側面が、第一領域と第2孔形成領域に区画されておらず、筒状部24の高さ方向の中央を含む部分を除き、筒状部24の側面のほぼ全体に亘って内外方向に貫通する複数の孔30が形成されている。また、回転部材8は、水平部26に貫通孔32形成されており、上部空間81と下部空間82が連通している。なお、この比較例は、本発明に対する先行技術ではないことに留意されたい。
回転部材8によると、回転部材8の筒状部24の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、筒状部24の側面のほぼ全体に亘って内外方向に貫通する複数の孔30から比較的均等に供給される。このため、本比較例では、実施例のように攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが促進されず、図12に示すように、クリアランス部において乱流が生じる。これにより、本比較例では、攪拌対象にする処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果を十分に発現させることができない。
本発明に係る攪拌装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る攪拌装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 攪拌装置
2 容器
4 外層
6 水冷配管
8、800、810、820 回転部材
10 シャフト
12 堰板
13 排出管
14 上部容器
16 蓋
17、18 供給管
19、20 弁
22 容器内面
24、801 筒状部
26、806 水平部
28 ボス
30 小孔
32 貫通孔
81、807 上部空間
82、808 下部空間
803 第一領域
804 第二領域
805 貫通経路
811 傾斜部

Claims (8)

  1. 容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、
    前記回転部材は、
    前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有し、
    前記筒状部の側面は、
    前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、
    前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、
    前記第一領域は、前記筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置され、
    前記第二領域は、前記第一領域の上端から前記筒状部の上端及び前記第一領域の下端から前記筒状部の下端まで配置され、
    前記第一領域の上端から下端までの幅をWpとし、前記筒状部の全高をHとするとき、
    0<Wp<0.5H
    の関係を満たすことを特徴とする攪拌装置。
  2. 前記第一領域の開口率をP1とし、前記第二領域の開口率をP2とするとき、
    0≦P2/P1<0.5、かつP1>0
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  3. 前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  4. 前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の内方向の開口数が、外方向の開口数より多いことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  5. 前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の貫通経路が前記筒状部内で分岐していることを特徴とする請求項4に記載の攪拌装置。
  6. 前記回転部材は、前記筒状部の内側に当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有し、前記筒状部の内空間は、当該水平部によって上部空間と下部空間に区画されていることを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  7. 前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、個々の孔の貫通経路が前記筒状部内で分岐しており、
    個々の孔の内方向の開口が前記上部空間及び前記下部空間にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項6に記載の攪拌装置。
  8. 前記第一領域の内外方向に貫通する複数の孔は、内方向の開口が前記上部空間に配置された孔と、内方向の開口が前記下部空間に配置された孔とが、前記筒状部の周方向に対して交互に並ぶように配列していることを特徴とする請求項6に記載の攪拌装置。
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