JP2024078519A - 攪拌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CNT等の線状カーボンが、均一に混合、分散されたスラリーを作製できる攪拌装置を提供する。【解決手段】容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、前記回転部材は、前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有し、前記筒状部には、前記回転部材の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。【選択図】 図3

Description

本発明は、乳化及び分散処理を行うための攪拌装置であって、例えば、導電材を含むスラリーの製造等に用いられる装置に関する。
ポータブル電子機器用電源のほか、電気自動車用電源、風力・太陽光発電設備によって発電された電力の蓄積等、リチウムイオン二次電池や燃料電池に代表される電池需要は、今後増大することが予測される。また、電池自体の小型化、軽量化、安全性といった特性の一層の向上だけでなく、これら特性を備えた電池を効率的かつ低コストで生産することが要請されている。
この課題を解決する有効な手段として、特許文献1に開示された高速攪拌機が提案されている。
この高速攪拌機は、円筒状の攪拌槽内に回転軸を同心に設け、攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取付け、回転羽根の高速回転により被処理液を攪拌槽の内面に薄膜円筒状に拡げながら攪拌する高速攪拌機であって、当該回転羽根は、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えるというものである。
この高速攪拌機によると、円筒体に多数の小孔を穿設した簡単な構造で、すぐれた攪拌作用を奏させることができる効果がある。また被処理液に対して衝突する面がないので、固体成分を含有する液を処理しても摩耗が少なく、回転羽根の金属成分が被処理液中に混入するおそれが少ない利点がある。
また、特許文献2に開示された攪拌装置システムは、特許文献1の高速攪拌機を使用するものであり、この攪拌装置システムを用いて電池電極用塗料を製造すると、電池の安全性を高度に維持しつつ、電池の高性能化に適した電極用塗料を効率的に製造することができるという利点がある。
特開平11-347388号公報 国際公開第2010/018771号公報
近年、カーボンナノチューブ(CNT)等の線状カーボンを電池や樹脂等への添加剤として適用することが試みられている。
一般に、CNT等の線状カーボンは、従来のカーボン材料に比べて比表面積が大きい等、優れた特性を有するため、リチウムイオン二次電池の導電性材料の一部をCNTに置換えて使用すると、その性能を向上させることが期待できる。
しかし、CNT等の線状カーボンは、比表面積が大きいこと等に起因して凝集力が強く、均一に混合、分散されたスラリーを作製することが困難である。
この問題を解決するために本発明の発明者らが鋭意検討したところ、攪拌容器又は回転羽根(回転部材)の形状や、回転羽根の多孔円筒部(筒状部)の半径方向に多数貫通して設けた小孔の配置等を見直すことにより、上記課題を解決できることを見出した。
具体的には、本発明の攪拌装置は、容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、前記回転部材は、前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有し、前記筒状部には、前記回転部材の中心軸方向に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
好ましくは、前記容器の内壁には、前記容器の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている(請求項2)。
また、本発明の攪拌装置は、容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、前記回転部材は、前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有し、前記容器の内壁には、前記容器の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている(請求項3)。
また、本発明の攪拌装置は、前記筒状部の外周面には、前記多角形の頂点によって構成される辺が、前記回転部材の中心軸方向と平行に形成されており(請求項4)、前記容器の内壁には、前記多角形の頂点によって構成される辺が、前記容器の中心軸方向と平行に形成されている(請求項5)。
より好ましくは、前記回転部材の筒状部には、内外方向に貫通する複数の孔が形成されている(請求項6)。
さらに好ましくは、前記回転部材の筒状部には、内外方向に貫通する複数の孔が形成されており、前記筒状部の外周面において、前記孔と前記多角形の頂点によって構成される辺とが、前記筒状部の周方向に対して交互に配列している(請求項7)。
また、前記攪拌装置においては、前記回転部材は、前記筒状部の内側に当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有しており、前記筒状部の内空間は、前記水平部によって上部空間と下部空間に区画されており、前記筒状部の上部空間に対向する側面及び下部空間に対向する側面は、それぞれ、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、前記第一領域は、前記筒状部の上部空間の側面及び下部空間の側面の前記水平部側にそれぞれ配置され、前記第二領域は、前記筒状部の上部空間の側面の前記第一領域の上端から前記筒状部の上端及び前記筒状部の下部空間の側面の前記第一領域の下端から前記筒状部の下端までそれぞれ配置され、前記第一領域に形成される内外方向に貫通する複数の孔は、前記筒状部の周方向に対して、3列以下の列上に配列していることが好ましい(請求項8)。
また、前記攪拌装置においては、前記第一領域の開口率をP1とし、前記第二領域の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5
P1>0
の関係を満たすことが好ましい(請求項9)。
さらに、前記回転部材の前記筒状部の側面は、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、前記第二領域は、前記筒状部の上端から前記第一領域の上端まで及び前記筒状部の下端から前記第一領域の下端からまでそれぞれ配置され、前記第一領域の上端から下端までの幅をWpとし、前記筒状部の全高をHとするとき、
0<Wp<0.5H
の関係を満たすことことが好ましい(請求項10)。
このとき、前記第一領域の開口率をP1とし、前記第二領域の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5
P1>0
の関係を満たすことが好ましい(請求項11)。
さらに、前記第一領域は、前記筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置されていることが好ましく(請求項12)、前記回転部材は、前記筒状部の内側に当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有しており、前記第一領域は、前記筒状部の前記水平部が接続された部分に配置されていることが好ましい(請求項13)。
また、前記攪拌装置においては、前記筒状部に形成された外形が多角形状となる部分又は前記容器の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方が、セラミックスで形成されていることが好ましい(請求項14)。
一般に、容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置(薄膜旋回型攪拌装置)においては、容器の底部に設けられた供給口から容器内に供給された攪拌対象が、高速で回転する回転部材の筒状部の内周面及び外周面に連れられて容器内を高速で旋回する。
このとき、回転部材の筒状部の内側に存在する攪拌対象は、回転部材の回転によって付加される遠心力の作用によって、回転部材の筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔から容器と回転部材との間(クリアランス部)に供給される。
さらに、クリアランス部に供給された攪拌対象は、容器の内面に密着し、薄膜状となって旋回する。
これにより、容器と回転部材との間に供給されて薄膜状となった攪拌対象は、回転部材の表面側と容器の内面側との間で旋回の速度に差が生じ、これに起因するせん断力を受けて攪拌される。
ここで、上述のように、回転部材が、容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部有し、筒状部には、回転部材の中心軸方向に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていると、クリアランス部の間隔が、多角形の頂点となる部分で狭く、隣接する頂点を結ぶ辺の中央部分で広くなるので、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に攪拌対象に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができ、特に多角形の頂点となる部分と対向する攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができるようになる。
さらに、筒状部と共に、容器の内壁において、容器の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていると、クリアランス部に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に生じる乱流がより顕著となり、攪拌対象が受けるせん断力をより一層高めることができ、特に多角形の頂点となる部分と対向する攪拌対象が受けるせん断力をより一層高めることができるようになる。
また、上述のように、回転部材が、容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部有し、容器の内壁には、容器の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていると、回転部材に当該外形が多角形状となる部分を形成したときと同様に、クリアランス部の間隔が、多角形の頂点となる部分で狭く、隣接する頂点を結ぶ辺の中央部分で広くなるので、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に攪拌対象に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができるようになる。
より好ましくは、回転部材の筒状部に、内外方向に貫通する複数の孔が形成されていると、回転部材の筒状部の内側から、多角形の頂点となる部分で狭く、隣接する頂点を結ぶ辺の中央部分で広くなるクリアランス部に対して、効率的に攪拌対象を供給することができるので、攪拌対象が攪拌される際に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができる効果を損なうことなく、クリアランス部に対して攪拌対象を供給することができるようになる。
また、回転部材の筒状部の外周面に、多角形の頂点によって構成される辺が回転部材の中心軸方向と平行に形成されていると、多角形の頂点となる部分で狭く、隣接する頂点を結ぶ辺の中央部分で広くなる回転部材と容器の内壁面との間隔を、筒状部の中心軸方向に対して幅広く確保することができるため、攪拌対象が攪拌される際に生じる乱流がより顕著となる領域が十分に確保され、攪拌対象が受けるせん断力をより一層高めることができるようになる。
さらに、容器の内壁に、多角形の頂点によって構成される辺が、容器の中心軸方向と平行に形成されていると、回転部材の筒状部の外周面に当該辺を回転部材の中心軸方向と平行に形成したときと同様に、多角形の頂点となる部分で狭く、隣接する頂点を結ぶ辺の中央部分で広くなる回転部材と容器の内壁面との間隔を、筒状部の中心軸方向に対して幅広く確保することができるため、攪拌対象が攪拌される際に生じる乱流がより顕著となる領域が十分に確保され、攪拌対象が受けるせん断力をより一層高めることができるようになる。
より好ましくは、回転部材の筒状部には、内外方向に貫通する複数の孔が形成されており、筒状部の外周面において、孔と多角形の頂点によって構成される辺とが、前記筒状部の周方向に対して交互に配列していると、回転部材の筒状部の内側から、回転部材と容器の内壁面との間隔が最も広くなる多角形の辺の中央部分を経由して回転部材と容器の内壁面との間隔に対して効率的に攪拌対象を供給することができるので、攪拌対象が攪拌される際に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができる効果をより損なうことなく、攪拌対象を供給することができるようになる。
また、回転部材が、筒状部の内側に回転部材の回転軸と直交する水平部を有しており、筒状部の内空間は、水平部によって上部空間と下部空間に区画されており、筒状部の上部空間に対向する側面及び下部空間に対向する側面は、それぞれ、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、第一領域は、筒状部の上部空間の側面及び下部空間の側面の水平部側にそれぞれ配置され、第二領域は、筒状部の上部空間の側面の第一領域の上端から筒状部の上端及び筒状部の下部空間の側面の第一領域の下端から筒状部の下端までそれぞれ配置され、第一領域に形成される内外方向に貫通する複数の孔は、前記筒状部の周方向に対して、3列以下の列上に配列していると、回転部材によって付加される遠心力によって、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、回転部材の筒状部の側面の内外方向に貫通する複数の孔の内、筒状部の高さ方向の中央付近に配置される第一領域に形成される孔から集中的に供給されることになる。
これにより、クリアランス部においては、回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じる。
これにより、回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率が向上する。
また、クリアランス部においては、回転部材の外側と容器の内面側との間で旋回の速度差が生じることによって、攪拌対象と容器の内面及び回転部材との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生するが、上述のように回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇が抑制される。
一般に、薄膜旋回型攪拌装置においては、回転部材の筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔の開口率は、攪拌対象に対して付加されるせん断力及び回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度に影響する。
具体的には、筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔の開口率が小さくなると、筒状部と攪拌対象と接触面積が大きくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も大きくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、筒状部と攪拌対象と接触面積が小さくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も小さくなる。
一方、筒状部に形成された内外方向に貫通する複数の孔の開口率が小さくなると、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、攪拌対象の供給速度が大きくなる。
以上のように、攪拌対象に対して付加されるせん断力と回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度は、トレードオフの関係にある。
ここで、上述のように、第一領域の複数の孔の開口率をP1とし、第二領域の複数の孔の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、P1>0
の関係を満たすように、複数の孔の開口率の小さい第二孔領域を配置していると、第二領域に対向するクリアランス部に存在する攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる。
一方、第二領域においては、複数の孔の開口率が小さく、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるが、この点については、上述の通り、クリアランス部においては、回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じることによりカバーされる。
すなわち、回転部材の筒状部の高さ方向の中央付近に配置される第一領域に形成される孔から集中的にクリアランス部に供給された攪拌対象が、筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する攪拌対象の流れによって、第二領域と対向するクリアランス部に供給されることによってカバーされる。
また、本発明の攪拌装置においては、回転部材の筒状部の側面は、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、第二領域は、筒状部の上端から第一領域の上端まで及び筒状部の下端から第一領域の下端からまでそれぞれ配置され、第一領域の上端から下端までの幅をWpとし、筒状部の全高をHとするとき、
0<Wp<0.5H
の関係を満たしているので、
上述の回転部材の通り、筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率がより向上する。
また、クリアランス部においては、回転部材の外側と容器の内面側との間で旋回の速度差が生じることによって、攪拌対象と容器の内面及び回転部材との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生するが、上述のように回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇がより抑制される。
ここで、上述のように、前記第一領域の複数の孔の開口率をP1とし、前記第二領域の複数の孔の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、P1>0
の関係を満たすように、複数の孔の開口率の小さい第二領域を配置していると、第二領域に対向するクリアランス部に存在する攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる。
一方、第二成領域においては、複数の孔の開口率が小さく、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるが、この点については、上述の通り、クリアランス部においては、回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じることによりカバーされる。
すなわち、回転部材の筒状部の高さ方向の中央付近に配置される第一領域に形成される孔から集中的にクリアランス部に供給された攪拌対象が、筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する攪拌対象の流れによって、第二孔領域と対向するクリアランス部に供給されることによってカバーされる。
さらに、第一領域が、筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置されていると、回転部材によって付加される遠心力によって、回転部材の筒状部の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、回転部材の筒状部の側面の内外方向に貫通する複数の孔の内、筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域に形成される孔から集中的に供給されることになる。
これにより、クリアランス部においては、回転部材の筒状部の第一領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じる。
これにより、回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率が向上する。
また、クリアランス部においては、回転部材の外側と容器の内面側との間で旋回の速度差が生じることによって、攪拌対象と容器の内面及び回転部材との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生するが、上述のように回転部材の筒状部の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇が抑制される。
また、第一領域が、筒状部の水平部が接続された部分に配置されていると、筒状部の内空間が、水平部によって上部空間と下部空間に区画されて、回転部材の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、より確実に行われるようになり、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果を、より確実に発現させることができるようになる。
さらに、前記筒状部に形成された外形が多角形状となる部分又は前記容器の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方が、セラミックスで形成されていると、筒状部に形成された外形が多角形状となる部分又は前記容器の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の耐摩耗性が向上する。
また、当該部分をセラミックスで形成すると、金属で形成する場合にくらべて放熱性が低下により攪拌対象の温度上昇の問題が生じるが、上記回転部材の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環よって攪拌対象の温度上昇が抑制される効果により、セラミックスで形成されたことによる放熱性の低下の問題が相殺されるといった効果が得られる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明に係る攪拌装置を示す構成図である。 本発明に係る攪拌装置を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例1に係る攪拌容器を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る回転部材及び攪拌容器を組み合わせた状態を示す図である。 本発明の実施例1に係る回転部材及び攪拌容器を使用したときの攪拌対象の流動状態を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例3に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例4に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例5に係る回転部材を示す図である。 本発明の実施例6に係る回転部材を示す図である。 比較例に係る回転部材を示す図である。 比較例に係る回転部材及び攪拌容器を使用したときの攪拌対象の流動状態を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1及び図2に示すように、攪拌装置1は、円筒状の容器2と、この容器2の底面を含む外周面に冷却水を供給かつ排出する水冷配管6が接続された外層と、容器2の内面22と僅かの間隙を有して容器2と同心にて高速回転可能な回転部材800と、この回転部材800を端部に支持して正逆高速回転駆動可能なシャフト10と、堰板12を介して容器2の上部に設けられ製品を排出する排出管13を有する上部容器14と、この上部容器14を密閉する蓋とを備え、容器2の底部に原料の供給をする供給管17、18が弁19、20を介して設けられている。
なお、図1及び図2では、回転部材800の筒状部の内外方向に貫通する複数の孔、蓋、弁などを便宜上、省略して記載している。
上部容器14は、図2に示すように、その周面に冷却水が供給される冷却水室15を備えている。
堰板12は、被処理液の条件設定時(バッチ運転時)に、図2に示すように、攪拌軸に対してわずかな隙間しかない小径穴のものを使用し、条件設定後、図1に示すように、連続処理するときは、被処理液が流出管13から排出可能なように、所定の開口部11を有する堰板12が設置可能になっている。上部容器14は、図2に示すように、その周面に冷却水が供給される冷却水室15を備えている。
堰板12は、被処理液の条件設定時(バッチ運転時)に、図2に示すように、攪拌軸に対してわずかな隙間しかない小径穴のものを使用し、条件設定後、図1に示すように、連続処理するときは、被処理液が流出管13から排出可能なように、所定の開口部11を有する堰板12が設置可能になっている。上部容器14は、図2に示すように、その周面に冷却水が供給される冷却水室15を備えている。
堰板12は、被処理液の条件設定時(バッチ運転時)に、図2に示すように、攪拌軸に対してわずかな隙間しかない小径穴のものを使用し、条件設定後、図1に示すように、連続処理するときは、被処理液が流出管13から排出可能なように、所定の開口部11を有する堰板12が設置可能になっている。上部容器14は、図2に示すように、その周面に冷却水が供給される冷却水室15を備えている。
堰板12は、被処理液(攪拌対象)が流出管13から排出可能なように、開口部11を有する。
また、回転部材800は、周速10~50m/secの高速度で駆動されるようになっている。
さらに、攪拌装置1は、容器2、上部容器14、蓋16及びシャフト10をガスケットで気密シールし、バルブを介して真空排気装置を設ければ真空排気を可能にすることもできる。
次に本実施形態に係る高速攪拌装置の動作について説明する。
図2を参照して、先ず、被処理液の条件設定のために、容器2を密閉する堰板12を設置する。
次に、容器2内に所定量の被処理液Lを供給管17、18から導入する。次いで、図示しないモーターに接続されたシャフト10が高速回転駆動して回転部材800が高速回転する。
このとき、被処理液Lは、回転部材800の高速回転によって円周方向に付勢されて回転する。この回転によって生じる遠心力によって、被処理液Lは容器2の内面に厚さtの薄膜円筒状となって旋回する。
さらに、攪拌後の被処理液Lは、堰板12を越えて連続的に上部容器14に流入し、流出管13から容器2の外に排出される。 回転羽根8は、図6の(a)、(b)及び(c)に示すように、外周側の多孔円筒部24をアーム26でボス28と一体にしてホイール状にしたもので、多孔円筒部24には、アーム26が連設されている部分以外の円筒状部分に、無数の小孔30が穿設されており、アーム26には適数の連通孔32が設けられている。
本装置に適用できる被処理液Lは特に限定されないが、導電性カーボンを含む被処理液Lに対して適用した場合、導電性カーボンの物性を損なうことなく分散処理を施すことができるので好ましい。
導電性カーボンとしては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)を使用するのが好ましく、特にCNTを使用するのが好ましい。
一般に、CNT等の線状カーボンは、従来のカーボン材料に比べて比表面積が大きい等、優れた特性を有するため、リチウムイオン二次電池の導電性材料の一部をCNTに置換えて使用すると、その性能を向上させることが期待できる。
しかし、CNT等の線状カーボンは、比表面積が大きいこと等に起因して凝集力が強く、均一に混合、分散されたスラリーを作製することが困難であるが、本装置を使用して分散処理を施すと、この問題を解決できるので好ましい。
(実施例1)
次に、本発明の攪拌装置及び比較例の攪拌装置に使用する回転部材の詳細について説明する。
図3は実施例1の回転部材800を示している。図3(a)は回転部材800の断面図であり、図3(b)のA-Aにおける断面を示している。図3(b)は回転部材800の上面図である。図3(c)は回転部材800の側面図である。
回転部材800は、図3に示すように、筒状部801を有し、筒状部801の内側に、回転部材801の回転軸と直交する水平部806を有し、筒状部801の内空間は、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されている。
回転部材800の筒状部801の側面には、図3(c)中の一点鎖線で示すように、筒状部の周方向に帯状に区画され、筒状部801の内外方向に貫通する複数の孔802が形成された第一領域803が設けられている。
第一領域803は、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の水平部側(筒状部801の高さ方向の中央側)にそれぞれ配置されている。
筒状部801には、図3(b)に示すように、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
筒状部801の側面には、図3(c)に示すように、多角形の頂点809によって構成される辺810が、回転部材800の中心軸方向と平行に形成されている。
本実施例では、正20角形となる部分が示された例を示したが、多角形の角数は必要に応じて変更することができる。
ただし、多角形の角数が過剰に大きくなると、回転部材800の外形が円形に近づき、本発明の効果が低下するので、多角形の角数は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下であることが好ましい。
筒状部801の上部空間807の側面における第一領域803の上端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の上側の接線(複数の孔802の最上列の開口縁の上側の接線、図3(c)中の上側の一点鎖線)で規定される一方、第一領域803の下端は、水平部806の中央線を基準とする高さ位置(図3(c)中の高さ方向中央の一点鎖線)で規定される。
筒状部801の上部空間807の側面における第一領域803の幅Wp1は、上記複数の孔802の開口縁の上側の接線と水平部806の中央線を基準とする高さ位置の間隔で規定される。
第一領域803内では、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となっている。
筒状部801の下部空間808の側面における第一領域803の下端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の下側の接線(複数の孔802の最下列の開口縁の下側の接線、図3(c)中の下側の一点鎖線)で規定される一方、第一領域803の上端は、水平部806の中央線を基準とする高さ位置(図3(c)中上側の一点鎖線)で規定される。
筒状部801の下部空間808の側面における第一領域803の幅Wp1は、上記複数の孔802の開口縁の下側の接線と水平部806の中央線を基準とする高さ位置の間隔で規定される。
第一領域803内では、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となっている。
なお、本実施例では、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の第一領域803の幅Wp1は同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
また、本実施例では、第一領域803内で、複数の孔802が1列に配列した例を示したが、3列以下に配列させればよく、好ましくは2列以下、より好ましくは1列に配列させることが好ましい。
図3(c)に示すように、筒状部801の側面には、上部空間807の側面における第一領域803の上端から筒状部801の側面の上端までと、下部空間808の側面における第一領域803の下端から筒状部801の側面の下端まで、それぞれ第二領域804が配置されている。
第二領域804では、内外方向に貫通する複数の孔802の開口率が、第一領域803の開口率より小さくなるように複数の孔802が形成され、図3に示した例では、無孔(開口率=0)としているが、これに限られるものではない。
なお、開口率Pは、
P=S1/S2
S1:第一領域又は第二領域の複数の孔の開口面積の総和
S2:第一領域又は第二領域の面積の総和
によって規定される。
また、本実施例では、第一領域803及び第二領域804の開口率Pは、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面において、それぞれ同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
第二領域804内では、複数の孔802が形成される場合、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となる。
第二領域804の幅Wp2は、上部空間807の側面における第一領域803の上端(複数の孔802の最上列の開口縁の上側の接線)と筒状部801の側面の上端までの幅、又は下部空間808の側面における第一領域803の下端(複数の孔802の最下列の開口縁の下側の接線)と筒状部801の側面の下端までの幅によって、それぞれ規定される。
なお、本実施例では、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面の第二領域804の幅Wp2は同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
また、容器2の内壁面には、図4に示すように、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
当該外形が多角形状となる部分は、容器2の内壁面の内、回転部材800の外形が多角形となる部分と対向する部分に形成されている(図示せず)。
さらに、容器2の内壁面には、図1に示すように、多角形の頂点812によって構成される辺813が、容器2の中心軸方向と平行に形成されている。
本実施例では、正20角形となる部分が示された例を示したが、多角形の角数は必要に応じて変更することができる。
ただし、多角形の角数が過剰に大きくなると、容器2の外形が円形に近づき、本発明の効果が低下するので、多角形の角数は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下であることが好ましい。
なお、本実施例では、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に断面における外形が多角形状となる部分が形成されている例を示したが、少なくとも筒状部801の側面又は容器2の内壁面のいずれか一方に、外形が多角形状となる部分が形成されていれば良く、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に外形が多角形状となる部分が形成されていると本発明の効果が特に高められるので好ましい。
以上の回転部材800及び容器2の構成であると、図5に示すように、回転部材800の外形における多角形の頂点809と、容器2の内壁面における隣接する多角形の頂点812同士を結ぶ直線の中央が対向する場合に、クリアランスの間隔が最も小さくなる狭小部814を形成する一方で、回転部材800の外形における隣接する多角形の頂点809同士を結ぶ直線の中央と、容器2の内壁面における多角形の頂点812が対向する場合に、クリアランスの間隔が最も大きくなる広大部815を形成する。
上述のように、回転部材800が、容器2の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部801有し、筒状部には、回転部材800の中心軸方向に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていると、クリアランス部の間隔が、多角形の頂点809となる部分で狭く、隣接する多角形の頂点809を結ぶ辺の中央部分で広くなるので、回転部材800による遠心力によって回転部材800と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができるようになり、特に多角形の頂点となる部分において攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができるようになる。
また、回転部材800によって付加される遠心力によって、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、回転部材800の筒状部801の複数の孔802の内、筒状部801の高さ方向の中央付近に配置される第一領域803に形成される孔802から集中的に供給されることになる。
これにより、クリアランス部においては、筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域804と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、図6に示すように、筒状部801の高さ方向の中央から筒状部801の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じる。
これにより、図6に示す回転部材801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率が向上する。
一般に、クリアランス部においては、回転部材800側と容器2の内面側との間で攪拌対象の旋回速度に差が生じることによって、攪拌対象と回転部材800及び容器2の内面との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生する。
このため、上述のように回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少するとともに、図6に示すように、相対的に温度の高い攪拌対象Fhと相対的に温度の低い攪拌対象Flが入れ替わるような形の流れが生じるため、攪拌対象の温度上昇が抑制される。
また一般に、薄膜旋回型攪拌装置においては、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pは、攪拌対象に対して付加されるせん断力及び回転部材の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度に影響する。
具体的には、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pが小さくなると、筒状部802と攪拌対象と接触面積が大きくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も大きくなるのに対し、孔の開口率Pが大きくなると、筒状部801と攪拌対象と接触面積が小さくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も小さくなる。
一方、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pが小さくなると、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、攪拌対象の供給速度が大きくなる。
以上のように、攪拌対象に対して付加されるせん断力と回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度は、トレードオフの関係にある。
このため、本実施例では、第一領域803の複数の孔802の開口率をP1とし、第二領域804の複数の孔802の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、P1>0
の関係を満たすように設定している。
このように、複数の孔802の開口率の小さい第二領域804を配置していると、第二領域804に対向するクリアランス部に存在する攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる。
一方、第二領域804においては、複数の孔802の開口率が小さく、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるが、この点については、上述の通り、クリアランス部においては、回転部材800の筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域804と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、図6に示すように、筒状部801の高さ方向の中央から筒状部801の上端及び下端方向に向けてそれぞれ移動する流れが生じることによりカバーされる。
すなわち、回転部材800の筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域803に形成される孔802から集中的にクリアランス部に供給された攪拌対象が、筒状部801の上端及び下端方向に向けてそれぞれ移動する流れによって、第二領域804と対向するクリアランス部に供給されることによってカバーされる。
この結果、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより促進され、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより高めることができる。
なお、上記本発明の効果より高めるために、第一領域803と第二領域804の複数の孔802の開口率を、
好ましくは、
0≦P2/P1<0.25、P1>0
より好ましくは、
0≦P2/P1<0.1、P1>0
さらに好ましくは、
0≦P2/P1<0.05、P1>0
の関係を満たすように設定することが望ましい。
また、本実施例においては、回転部材800の筒状部801の内空間は、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されているが、水平部806を無孔として上部空間807と下部空間808とを隔絶すると、水平部806を経由した上部空間807と下部空間808との間の攪拌対象の流通が遮断される。
これにより、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより確実に行われるようになり、上述した攪拌対象にする処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより確実に発現させることができるようになる。
また、本実施例においては、第一領域803は、筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置されている。
このように、第一領域803が、筒状部801の水平部806が接続された部分に配置されていると、筒状部801の内空間が、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されて、回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、より確実に行われるようになり、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果を、より確実に発現させることができるようになる。
さらに、回転部材800は、筒状部801の内側に当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有している場合、第一領域803を筒状部801の水平部806が接続された部分に配置することもできる。
このように、筒状部801の内空間が、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されて、回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、より確実に行われるようになり、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果を、より確実に発現させることができるようになる。
また、筒状部801に形成された外形が多角形状となる部分又は容器2の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方を、セラミックスで形成することもできる。
このように、筒状部801に形成された外形が多角形状となる部分又は容器2の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方が、セラミックスで形成されていると、筒状部801に形成された外形が多角形状となる部分又は容器2の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の耐摩耗性が向上する。
また、当該部分をセラミックスで形成すると、金属で形成する場合にくらべて放熱性の低下により攪拌対象の温度上昇の問題が生じるが、回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環よって攪拌対象の温度上昇が抑制される効果により、セラミックスで形成されたことによる放熱性の低下の問題が相殺されるといった効果も得られる。
セラミックスの形成は、回転部材800又は容器2の全体をセラミックスで形成する必要は無く、回転部材800又は容器2の表面部分にセラミックス層を形成してもよい。
セラミックス層を形成する方法としては、セラミックスの溶射、セラミックス材の積層といった方法を採用することができる。
使用できるセラミックスとしては、酸化ジルコニウム(ZrO2)の他、酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化チタン(TiC)、窒化ケイ素(Si3N4)等を使用することができる。
なお、本実施例においては、回転部材800の直径が77mmで、容器2の内壁面の直径が80mmのものを使用しており、狭小部814の幅が1mm、広大部815の幅が2mmに設定されているが、回転部材800及び容器2の寸法、狭小部814及び広大部815の幅は必要に応じて増減させることができる。
狭小部814の幅は、好ましくは0.1~3mm、より好ましくは0.5~2mmに設定するのが好ましい。
一方、広大部815の幅は、好ましくは0.5~5mm、より好ましくは1~4mmに設定するのが好ましい。
(実施例2)
実施例2の攪拌装置は、回転部材800を除いて、実施例1の攪拌装置と同じ構成を有している。
図7は実施例2の回転部材800を示している。図7(a)は回転部材800の断面図であり、図7(b)のA-Aにおける断面を示している。図7(b)は回転部材800の上面図である。図7(c)は回転部材800の側面図である。
回転部材800の筒状部801の側面は、筒状部801の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔802が形成された第一領域803と、筒状部801の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔802が第一領域803の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域804で構成され、第二領域804は、筒状部801の上端から第一領域803の上端まで及び筒状部801の下端から第一領域803の下端からまでそれぞれ配置され、第一領域803の上端から下端までの幅をWpとし、筒状部の全高をHとするとき、
0<Wp<0.5H
の関係を満たしている。
具体的には、回転部材800は、図7に示すように、筒状部801を有し、筒状部801の側面には、図7(c)中の一点鎖線で示すように、筒状部の周方向に帯状に区画され、筒状部801の内外方向に貫通する複数の孔802が形成された第一領域803が設けられている。
また、第一領域803は、筒状部801の高さ方向の中央を含むようにして設けられている。
第二領域804は、第一領域803の上端及び下端にそれぞれ隣接して設けられている。
筒状部801には、図7(b)に示すように、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
筒状部801の側面には、図7(c)に示すように、多角形の頂点809によって構成される辺810が、回転部材800の中心軸方向と平行に形成されている。
本実施例では、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が正20角形となる部分が形成された例を示したが、多角形の角数は必要に応じて変更することができる。
ただし、多角形の角数が過剰に大きくなると、回転部材800の外形が円形に近づき、本発明の効果が低下するので、多角形の角数は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下であることが好ましい。
第一領域803の上端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の上側の接線(複数の孔802の最上列の開口縁の上側の接線、図7(c)中の上側の一点鎖線)で規定される一方、第一領域803の下端は、筒状部801の側面上に配列した複数の孔802の開口縁の下側の接線(複数の孔802の最下列の開口縁の下側の接線、図7(c)中の下側の一点鎖線)で規定される。
第一領域803の幅Wpは、複数の孔802の開口縁の上側の接線と下側の接線の間隔で規定される。
第一領域803内では、隣接する複数の孔802同士の間隔及び、複数の孔802が配列する列の間隔は一様となっている。
また、本実施例では、第一領域803内で、複数の孔802が2列に配列した例を示したが、必要に応じて1列又は3列以上とすることも許容される。
図7(c)に示すように、筒状部801の側面には、第一領域803の上端(上側の接線)から筒状部801の側面の上端までと、第一領域803の下端(下側の接線)から筒状部801の側面の下端まで、第二領域804が配置されている。
第二領域804では、内外方向に貫通する複数の孔802の開口率が、第一領域803の開口率より小さくなるように複数の孔802が形成され、図7に示した例では、無孔(開口率=0)としているが、これに限られるものではない。
なお、開口率Pは、
P=S1/S2
S1:第一領域又は第二領域の複数の孔の開口面積の総和
S2:第一領域又は第二領域の面積の総和
によって規定される。
また、本実施例では、上方側及び下方側の第二領域804の開口率Pは同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
第二領域804の幅Wnは、第一領域803の上端(複数の孔802の開口縁の上側の接線)と筒状部801の側面の上端までの幅Wn1と、第一領域803の下端(複数の孔802の開口縁の下側の接線)と筒状部801の側面の下端までの幅Wn2との和(Wn=Wn1+Wn2)によって規定される。
また、回転部材の全高Hは、筒状部801の側面の高さで規定され、
H=Wp+Wn
の関係を満たす。
ここで、第一領域の幅Wpは、
0<Wp<0.5H
の関係を満たす。
なお、本実施例では、上方側及び下方側の第二領域804の幅Wp2は同一に設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
以上の回転部材800及び容器2の構成であると、実施例1の図5に示すように、回転部材800の外形における多角形の頂点809と、容器2の内壁面における隣接する多角形の頂点812同士を結ぶ直線の中央が対向する場合に、クリアランスの間隔が最も小さくなる狭小部814を形成する一方で、回転部材800の外形における隣接する多角形の頂点809同士を結ぶ直線の中央と、容器2の内壁面における多角形の頂点812が対向する場合に、クリアランスの間隔が最も大きくなる広大部815を形成する。
上述のように、回転部材800が、容器2の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部801有し、筒状部には、回転部材800の中心軸方向に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていると、クリアランス部の間隔が、多角形の頂点809となる部分で狭く、隣接する多角形の頂点809を結ぶ辺の中央部分で広くなるので、回転部材800による遠心力によって回転部材800と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができるようになる。
特に多角形の頂点となる部分において攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができるようになる。
また、回転部材800によって付加される遠心力によって、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、回転部材800の筒状部801の複数の孔802の内、筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域803に形成される孔802から集中的に供給されることになる。
これにより、クリアランス部においては、筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域804と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、実施例1の図6に示すように、筒状部801の高さ方向の中央から筒状部801の上端及び下端方向に向けて移動する流れが生じる。
これにより、図6に示すように、回転部材801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進され、攪拌対象に対する処理効率が向上する。
一般に、クリアランス部においては、回転部材800側と容器2の内面側との間で攪拌対象の旋回速度に差が生じることによって、攪拌対象と回転部材800及び容器2の内面との間で大きな摩擦が生じ、高温の熱が発生する。
このため、上述のように回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が促進されると、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少するとともに、図6に示すように、相対的に温度の高い攪拌対象Fhと相対的に温度の低い攪拌対象Flが入れ替わるような形の流れが生じるため、攪拌対象の温度上昇が抑制される。
第一領域の幅Wpは、好ましくは、
0<Wp<0.3H
より好ましくは、
0<Wp<0.2H
さらに好ましくは、
0<Wp<0.1H
の関係を満たすと、上述の攪拌対象に対す処理効率が向上する効果及び攪拌対象の温度上昇が抑制される効果がより高められる。
一方、第一領域の幅Wpが過剰に小さくなると、第一領域803に形成される孔802からクリアランス部への攪拌対象の供給が阻害されるので、第一領域の幅Wpは、好ましくは、
Wp>0.01H
より好ましくは、
Wp>0.02H
さらに好ましくは、
Wp>0.03H
の関係を満たすことが望ましい。
また一般に、薄膜旋回型攪拌装置においては、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pは、攪拌対象に対して付加されるせん断力及び回転部材の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度に影響する。
具体的には、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pが小さくなると、筒状部802と攪拌対象と接触面積が大きくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も大きくなるのに対し、孔の開口率Pが大きくなると、筒状部801と攪拌対象と接触面積が小さくなる分、攪拌対象に対して付加されるせん断力も小さくなる。
一方、筒状部801に形成された複数の孔802の開口率Pが小さくなると、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるのに対し、孔の開口率が大きくなると、攪拌対象の供給速度が大きくなる。
以上のように、攪拌対象に対して付加されるせん断力と回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度は、トレードオフの関係にある。
このため、本実施例では、第一領域803の複数の孔802の開口率をP1とし、第二領域804の複数の孔802の開口率をP2とするとき、
0≦P2/P1<0.5、P1>0
の関係を満たすように設定している。
このように、複数の孔802の開口率の小さい第二領域804を配置していると、第二領域804に対向するクリアランス部に存在する攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる。
一方、第二領域804においては、複数の孔802の開口率が小さく、回転部材800の筒状部801の内側からクリアランス部への攪拌対象の供給速度が小さくなるが、この点については、上述の通り、クリアランス部においては、回転部材800の筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力が、第二領域804と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力に比べて高くなるため、攪拌対象が旋回しながら、図6に示すように、筒状部801の高さ方向の中央から筒状部801の上端及び下端方向に向けてそれぞれ移動する流れが生じることによりカバーされる。
すなわち、回転部材800の筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置される第一領域803に形成される孔802から集中的にクリアランス部に供給された攪拌対象が、筒状部801の上端及び下端方向に向けてそれぞれ移動する流れによって、第二領域804と対向するクリアランス分に供給されることによってカバーされる。
また、本実施例においては、回転部材800の筒状部801の第一領域803の内外方向に貫通する複数の孔802は、個々の孔の内方向の開口面積が、外方向の開口面積より大きくなっているので、回転部材800の筒状部801内側からクリアランス部への攪拌対象の供給を促進し、クリアランス部における回転部材800の筒状部801の第一領域803と対向する部分に存在する攪拌対象の圧力をより高めることができるようになる。
これにより、攪拌対象が旋回しながら筒状部801の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが促進される。
この結果、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより促進され、上述した、攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより高めることができる。
なお、上記本発明の効果より高めるために、第一領域803と第二領域804の複数の孔802の開口率を、
好ましくは、
0≦P2/P1<0.25、P1>0
より好ましくは、
0≦P2/P1<0.1、P1>0
さらに好ましくは、
0≦P2/P1<0.05、P1>0
の関係を満たすように設定することが望ましい。
また、本実施例においては、回転部材800の筒状部801の内空間は、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されていているが、水平部806を無孔として上部空間807と下部空間808とを隔絶すると、水平部806を経由した上部空間807と下部空間808との間の攪拌対象の流通が遮断される。
これにより、回転部材800の筒状部801の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環がより確実に行われるようになり、上述した攪拌対象にする処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果をより確実に発現させることができるようになる。
また、本実施例においては、第一領域803は、筒状部801の高さ方向の中央を含む部分に配置されている。
このように、第一領域803が配置されていると、筒状部801の内空間が、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されて、回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、より確実に行われるようになり、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果を、より確実に発現させることができるようになる。
さらに、回転部材800は、筒状部801の内側に回転部材800の回転軸と直交する水平部806を有している場合、第一領域803を筒状部801の水平部806が接続された部分に配置することもできる。
このように、筒状部801の内空間が、水平部806によって上部空間807と下部空間808に区画されて、回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環が、より確実に行われるようになり、上述した攪拌対象に対する処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して、十分な攪拌処理を行うことができる効果を、より確実に発現させることができるようになる。
また、筒状部801に形成された外形が多角形状となる部分又は容器2の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方を、セラミックスで形成することもできる。
このように、筒状部801に形成された外形が多角形状となる部分又は容器2の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方が、セラミックスで形成されていると、筒状部801に形成された外形が多角形状となる部分又は容器2の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の耐摩耗性が向上する。
また、当該部分をセラミックスで形成すると、金属で形成する場合にくらべて放熱性の低下により攪拌対象の温度上昇の問題が生じるが、回転部材800の内側とクリアランス部との間で行われる攪拌対象の循環よって攪拌対象の温度上昇が抑制される効果により、セラミックスで形成されたことによる放熱性の低下の問題が相殺されるといった効果も得られる。
セラミックスの形成は、回転部材800又は容器2の全体をセラミックスで形成する必要は無く、回転部材800又は容器2の表面部分にセラミックス層を形成してもよい。
セラミックス層を形成する方法としては、セラミックスの溶射、セラミックス材の積層といった方法を採用することができる。
使用できるセラミックスとしては、酸化ジルコニウム(ZrO2)の他、酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化チタン(TiC)、窒化ケイ素(Si3N4)等を使用することができる。
なお、本実施例においては、回転部材800の直径が77mmで、容器2の内壁面の直径が80mmのものを使用しており、狭小部814の幅が1mm、広大部815の幅が2mmに設定されているが、回転部材800及び容器2の寸法、狭小部814及び広大部815の幅は必要に応じて増減させることができる。
狭小部814の幅は、好ましくは0.1~3mm、より好ましくは0.5~2mmに設定するのが好ましい。
一方、広大部815の幅は、好ましくは0.5~5mm、より好ましくは1~4mmに設定するのが好ましい。
(実施例3)
実施例3の攪拌装置は、回転部材800及び容器2を除いて、実施例1の攪拌装置1と同じ構成を有している。
図8は実施例3の回転部材800の側面図である。
筒状部801には、実施例1の図3に示すように、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
筒状部801の側面には、図8に示すように、多角形の頂点809によって構成される辺810が、回転部材800の中心軸方向に対して傾斜するように形成されている。
このように多角形の頂点809によって構成される辺810が形成されていると、クリアランス部において、攪拌対象が旋回しながら筒状部801の上端又は下端方向に向けて移動する流れが促進され、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果が高められる。
本実施例では、多角形の頂点809によって構成される辺810の回転部材800の中心軸方向に対する傾斜角を15°に設定しているが、5°~85°の範囲で変更することができ、好ましくは5°~45°の範囲に設定すると本発明の効果をより高めることができるので好ましい。
また、容器2の内壁面には、実施例1の図4に示すように、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
当該外形が多角形状となる部分は、容器2の内壁面の内、回転部材800の外形が多角形となる部分と対向する部分に形成されている(図示せず)。
さらに、容器2の内壁面には、多角形の頂点812によって構成される辺813が、容器2の中心軸方向に対して傾斜するように形成されている(図示せず)。
本実施例では、多角形の頂点812によって構成される辺813の容器2の中心軸方向に対する傾斜方向を、回転部材800の回転方向に対して、回転部材800の傾斜方向と反対方向に、回転部材800の傾斜角と同じ角度で傾斜させているが、回転部材800の傾斜方向と同じ方向に傾斜させることもできる。
ただし、回転部材800の傾斜方向と反対方向に傾斜させると、攪拌対象が攪拌される際に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができる効果とともに、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果が高められるので好ましい。
また、本実施例では、容器2の多角形の頂点812によって構成される辺813の傾斜角を15°に設定しているが、5°~85°の範囲で変更することができ、好ましくは5°~45°の範囲に設定すると本発明の効果をより高めることができるので好ましい。
なお、本実施例では、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に対して、断面における外形が本実施例の構成となる部分が形成されている例を示したが、少なくとも筒状部801の側面又は容器2の内壁面のいずれか一方に、外形が本実施例の構成となる部分が形成されていれば良く、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に外形が本実施例の構成となる部分が形成されていると特に効果が高められるので好ましい。
なお、本実施例における回転部材800及び容器2のその他の構成は、実施例1と同じである。
(実施例4)
実施例4の攪拌装置は、回転部材800及び容器2を除いて、実施例1の攪拌装置と同じ構成を有している。
図9は実施例4の回転部材800の側面図である。
筒状部801には、実施例1の図3に示すように、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
筒状部801の側面には、図9に示すように、多角形の頂点809によって構成される辺810が、回転部材800の中心軸方向に対して傾斜するように形成されている。
多角形の頂点809によって構成される辺810の傾斜方向は、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面において異なっており、上部空間807の側面及び下部空間808の側面の境界を挟んで鏡面対象となるような方向にそれぞれ傾斜している。
このように多角形の頂点809によって構成される辺810が形成されていると、クリアランス部において、攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端又は下端方向に向けて移動する流れが促進され、クリアランス部での攪拌対象の滞留時間が減少し、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果が高められる。
本実施例では、多角形の頂点809によって構成される辺810の回転部材800の中心軸方向に対する傾斜角の絶対値を、上部空間807の側面及び下部空間808の側面のそれぞれにおいて15°に設定しているが、5°~85°の範囲で変更することができ、好ましくは5°~45°の範囲に設定すると本発明の効果をより高めることができるので好ましい。
また、本実施例では、多角形の頂点809によって構成される辺810の傾斜角の絶対値は、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面において同じとなるように設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
また、容器2の内壁面には、実施例1の図4に示すように、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
当該外形が多角形状となる部分は、容器2の内壁面の内、回転部材800の外形が多角形となる部分と対向する部分に形成されている。
さらに、容器2の内壁面には、多角形の頂点812によって構成される辺813が、容器2の中心軸方向に対して傾斜するように形成されている(図示せず)。
多角形の頂点812によって構成される辺813の傾斜方向は、容器2の内壁面の内、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面と対向する部分において異なっており、上部空間807の側面及び下部空間808の側面の境界と対向する部分を挟んで鏡面対象となるような方向にそれぞれ傾斜している。
本実施例では、多角形の頂点812によって構成される辺813の容器2の中心軸方向に対する傾斜方向を、容器2の内壁面の筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面と対向する部分のそれぞれにおいて、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面のそれぞれにおける辺810の傾斜方向と反対方向に傾斜させているが、回転部材800の傾斜方向と同じ方向に傾斜させることもできる。
ただし、回転部材800の中心軸方向に対する傾斜方向と反対方向に傾斜させると、本発明の効果がより高められるので好ましい。
また、本実施例では、多角形の頂点812によって構成される辺813の容器2の中心軸方向に対する傾斜角の絶対値を15°に設定しているが、5°~85°の範囲で変更することができ、好ましくは5°~45°の範囲に設定すると 本発明の効果をより高めることができるので好ましい。
また、本実施例では、多角形の頂点812によって構成される辺813の傾斜角の絶対値は、筒状部801の上部空間807の側面及び下部空間808の側面に対向する部分において同じとなるように設定されているが、必要に応じて異ならせることも許容される。
なお、本実施例では、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に断面における外形が本実施例の構成となる部分が形成されている例を示したが、少なくとも筒状部801の側面又は容器2の内壁面のいずれか一方に、外形が本実施例の構成となる部分が形成されていれば良く、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に外形が本実施例の構成となる部分が形成されていると特に効果が高められるので好ましい。
なお、本実施例における回転部材800及び容器2のその他の構成は、実施例1と同じである。
(実施例5)
実施例5の攪拌装置は、回転部材800及び容器2を除いて、実施例1の攪拌装置と同じ構成を有している。
図10は実施例5の回転部材800の側面図である。
筒状部801には、実施例1の図3に示すように、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
筒状部801の側面には、図10に示すように、多角形の頂点809によって構成される辺810が、回転部材800の中心軸方向に対して平行に形成されている。
多角形の頂点809によって構成される辺810の間隔は、筒状部801の中央部(図10中のA)と筒状部801の上下端部(筒状部801上端から中央部の上端まで及び筒状部801の下端から中央部の下端からまで(図10中のB))のそれぞれにおいて異なっている。
具体的には、筒状部801の中央部においては、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が20角形となっている一方で、筒状部801の上下端部においては10角形となっており、多角形の頂点809によって構成される辺810の間隔が、相対的に筒状部801の中央部において狭く、筒状部801の上下端部において広くなっている。
このように多角形の頂点809によって構成される辺810が形成されていると、筒状部801の中央部において攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができる効果とともに、筒状部の上端又は下端領域における発熱が抑制されることにより、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果が高められる。
本実施例では、筒状部801の中央部が正20角形、筒状部801の上下端部が正10角形となる例を示したが、多角形の角数は必要に応じて変更することができる。
ただし、多角形の角数が過剰に大きくなると、回転部材800の外形が円形に近づき、本発明の効果が低下するので、多角形の角数は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下であることが好ましい。
また、本実施例では、筒状部801の中央部の多角形の角数が、上下端部の多角形の角数より多くなる構成を示したが、これとは逆に、筒状部801の中央部の多角形の角数が、上下端部の多角形の角数より少なくなる構成とすることもできる。
また、容器2の内壁面には、実施例1の図4に示すように、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
当該外形が多角形状となる部分は、容器2の内壁面の内、回転部材800の外形が多角形となる部分と対向する部分に形成されている(図示せず)。
さらに、容器2の内壁面には、多角形の頂点812によって構成される辺813が、容器2の中心軸方向に対して平行に形成されている(図示せず)。
多角形の頂点812によって構成される辺813の間隔は、容器2の内壁面の筒状部801の中央部及び上下端部と対向する部分おいてそれぞれ異なっている。
具体的には、容器2の内壁面の内、筒状部801の中央部と対向する部分においては、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が20角形となっている一方で、筒状部801の上下端部と対向する部分においては10角形となっており、多角形の頂点812によって構成される辺813の間隔が、相対的に筒状部801の中央部と対向する部分において狭く、筒状部801の上下端部と対向する部分において広くなっている。
このように多角形の頂点812によって構成される辺813が形成されていると、容器2の内壁面の内、筒状部801の中央部と対向する部分において攪拌対象が受けるせん断力をより高めることができる効果とともに、筒状部の上端又は下端領域に対向する部分における発熱が抑制されることにより、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果が高められる。
なお、本実施例では、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に断面における外形が本実施例の構成となる部分が形成されている例を示したが、少なくとも筒状部801の側面又は容器2の内壁面のいずれか一方に、外形が本実施例の構成となる部分が形成されていれば良く、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に外形が本実施例の構成となる部分が形成されていると特に効果が高められるので好ましい。
なお、本実施例における回転部材800及び容器2のその他の構成は、実施例1と同じである。
(実施例6)
実施例6の攪拌装置は、回転部材800及び容器2を除いて、実施例1の攪拌装置と同じ構成を有している。
図11は実施例6の回転部材800の側面図である。
回転部材800の筒状部801には、実施例1の図3に示すように、回転部材800の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
筒状部801の側面には、図11に示すように、多角形の頂点809によって構成される辺810が、回転部材800の中心軸方向に対して平行に形成されている。
多角形の頂点809を構成する隣接する辺810同士の間隔は、筒状部801の周方向に対して異なるように形成されている。
具体的には、多角形の頂点809によって構成される隣接する辺810同士の間隔が、相対的に広い部分と狭い部分が、筒状部801の周方向に対して交互に配列するように形成されている。
このように、多角形の頂点809を構成する辺810が形成されていると、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に攪拌対象に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力を高める効果が顕著となる。
本実施例では、隣接する辺810同士の間隔の広い部分と狭い部分の間隔が、それぞれ一定の間隔で交互に繰り返される構成を示したが、これに限られるものではなく、相対的に広い部分、中程度の部分、狭い部分、中程度の部分が周期的に繰り返される構成とすることもできる。
また、容器2の内壁面には、実施例1の図4に示すように、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されている。
当該外形が多角形状となる部分は、容器2の内壁面の内、回転部材800の外形が多角形となる部分と対向する部分に形成されている(図示せず)。
さらに、容器2の内壁面には、多角形の頂点812によって構成される辺813が、容器2の中心軸方向に対して平行に形成されている(図示せず)。
多角形の頂点812を構成する隣接する辺813同士の間隔は、容器2の内壁面の周方向に対して異なるように形成されている。
具体的には、多角形の頂点812を構成する隣接する辺813同士の間隔が、相対的に広い部分と狭い部分が、容器2の内壁面の周方向に対して交互に異なるように形成されている。
このように、多角形の頂点812を構成する辺813が形成されていると、回転部材による遠心力によって回転部材と内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象が攪拌される際に攪拌対象に乱流が生じて、攪拌対象が受けるせん断力を高める効果が顕著となる。
本実施例では、隣接する辺813同士の間隔の広い部分と狭い部分の間隔が、それぞれ一定の間隔で交互に繰り返される構成を示したが、これに限られるものではなく、相対的に広い部分、中程度の部分、狭い部分、中程度の部分が周期的に繰り返される構成とすることもできる。
なお、本実施例では、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に、断面における外形が本実施例の構成となる部分が形成されている例を示したが、少なくとも筒状部801の側面又は容器2の内壁面のいずれか一方に、外形が本実施例の構成となる部分が形成されていれば良く、筒状部801の側面及び容器2の内壁面の双方に外形が本実施例の構成となる部分が形成されていると特に効果が高められるので好ましい。
なお、本実施例における回転部材800及び容器2のその他の構成は、実施例1と同じである。
(比較例)
比較例の攪拌装置は、回転部材8及び容器2を除いて、実施例1の攪拌装置と同じ構成を有している。
図12は比較例の回転部材8を示している。図12(a)は回転部材8の断面図であり、図12(b)のA-Aにおける断面を示している。図12(b)は回転部材8の上面図である。図12(c)は回転部材8の側面図である。
回転部材8の筒状部24は、回転部材8の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されておらず、外形が円形となっている。
また、回転部材8の筒状部24は、回転部材8の筒状部24の側面が、第一領域と第2領域に区画されておらず、筒状部24の高さ方向の中央を含む部分を除き、筒状部24の側面のほぼ全体に亘って内外方向に貫通する複数の孔30が形成されている。
また、回転部材8は、水平部26に貫通孔32形成されており、上部空間81と下部空間82が連通している。
回転部材8によると、回転部材8の筒状部24の内側からクリアランス部に供給される攪拌対象が、筒状部24の側面のほぼ全体に亘って内外方向に貫通する複数の孔30から比較的均等に供給される。
また、容器2の内壁面には、容器2の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されておらず、外形が円形となっている(図示せず)。
このため、本比較例では、実施例のように攪拌対象が旋回しながら筒状部の高さ方向の中央から筒状部の上端及び下端方向に向けて移動する流れが促進されず、図13に示すように、クリアランス部において乱流が生じる。
このため、本比較例では、攪拌対象にする処理効率が向上する効果、攪拌対象の温度上昇が抑制される効果及び攪拌対象に対して大きなせん断力を付加して十分な攪拌処理を行うことができる効果を十分に発現させることができない。
本発明に係る攪拌装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る攪拌装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 攪拌装置
2 容器
4 外層
6 水冷配管
8、800 回転部材
10 シャフト
12 堰板
13 排出管
14 上部容器
16 蓋
17、18 供給管
19、20 弁
22 容器内面
24、801 筒状部
26、806 水平部
28 ボス
30 小孔
32 貫通孔
81、807 上部空間
82、808 下部空間
803 第一領域
804 第二領域
805 貫通経路
811 傾斜部

Claims (14)

  1. 容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、
    前記回転部材は、前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有し、
    前記筒状部には、前記回転部材の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていることを特徴とする攪拌装置。
  2. 前記容器の内壁には、前記容器の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  3. 容器と、この容器の内壁面のわずかに内側で高速回転する回転部材とを備え、前記回転部材による遠心力によって前記回転部材と前記内壁面との間に膜状に存在させた攪拌対象を攪拌する攪拌装置であって、
    前記回転部材は、前記容器の内壁面に対してわずかな隙間を介して位置する筒状部を有し、
    前記容器の内壁には、前記容器の中心軸に対して垂直となる断面における外形が多角形状となる部分が形成されていることを特徴とする攪拌装置。
  4. 前記筒状部の外周面には、前記多角形の頂点によって構成される辺が、前記回転部材の中心軸方向と平行に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の攪拌装置。
  5. 前記容器の内壁には、前記多角形の頂点によって構成される辺が、前記容器の中心軸方向と平行に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の攪拌装置。
  6. 前記回転部材の筒状部には、内外方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  7. 前記回転部材の筒状部には、内外方向に貫通する複数の孔が形成されており、
    前記筒状部の外周面において、前記孔と前記多角形の頂点によって構成される辺とが、前記筒状部の周方向に対して交互に配列していることを特徴とする請求項4に記載の攪拌装置。
  8. 前記回転部材は、前記筒状部の内側に当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有しており、
    前記筒状部の内空間は、前記水平部によって上部空間と下部空間に区画されており、
    前記筒状部の上部空間に対向する側面及び下部空間に対向する側面は、それぞれ、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、
    前記第一領域は、前記筒状部の上部空間の側面及び下部空間の側面の前記水平部側にそれぞれ配置され、
    前記第二領域は、前記筒状部の上部空間の側面の前記第一領域の上端から前記筒状部の上端及び前記筒状部の下部空間の側面の前記第一領域の下端から前記筒状部の下端までそれぞれ配置され、
    前記第一領域に形成される内外方向に貫通する複数の孔は、前記筒状部の周方向に対して、3列以下の列上に配列している
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載の攪拌装置。
  9. 前記第一領域の開口率をP1とし、前記第二領域の開口率をP2とするとき、
    0≦P2/P1<0.5
    P1>0
    の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載の攪拌装置。
  10. 前記回転部材の前記筒状部の側面は、前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が形成された第一領域と、
    前記筒状部の周方向に帯状に区画され、内外方向に貫通する複数の孔が前記第一領域の開口率より小さくなるように形成され、又は無孔とされた第二領域で構成され、
    前記第二領域は、前記筒状部の上端から前記第一領域の上端まで及び前記筒状部の下端から前記第一領域の下端からまでそれぞれ配置され、
    前記第一領域の上端から下端までの幅をWpとし、前記筒状部の全高をHとするとき、
    0<Wp<0.5H
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は3に記載の攪拌装置。
  11. 前記第一領域の開口率をP1とし、前記第二領域の開口率をP2とするとき、
    0≦P2/P1<0.5
    P1>0
    の関係を満たすことを特徴とする請求項10に記載の攪拌装置。
  12. 前記第一領域は、前記筒状部の高さ方向の中央を含む部分に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の攪拌装置。
  13. 前記回転部材は、前記筒状部の内側に当該回転部材の回転軸と直交する水平部を有しており、
    前記第一領域は、前記筒状部の前記水平部が接続された部分に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の攪拌装置。
  14. 前記筒状部に形成された外形が多角形状となる部分又は前記容器の内壁に形成された外形が多角形状となる部分の少なくとも一方が、セラミックスで形成されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の攪拌装置。
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