JP7439686B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
例えば特許文献1に開示されているように、内燃機関の主燃焼室と、スパークプラグの先端に形成された副燃焼室との双方に放電ギャップを形成できるように構成されたスパークプラグが知られている。これにより、主燃焼室の混合気を直接着火させると共に、副燃焼室での着火によって燃焼した混合気を、噴孔を介して主燃焼室に噴出させることにより、主燃焼室の燃焼を促進させようとしている。
欧州特許出願0417938A2
しかしながら、上記のようなスパークプラグに電圧を印加した場合、印加された電圧は、双方の放電ギャップにおいて、それぞれ分圧される。そのため、副燃焼室に形成された放電ギャップにかかる電圧よりも、放電ギャップを介さない中心電極とハウジングとの間にかかる電圧の方が高くなる。それゆえ、放電ギャップではなく、副燃焼室内における中心電極とハウジングとの間に放電が発生するおそれがある。そのため、副燃焼室と主燃焼室との双方に放電を発生させ難くなり、着火性の向上を図ることが困難となるおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、
該プラグカバー及び上記中心電極に対して電気的に絶縁された浮遊電極(7)と、
該浮遊電極を挿通させて保持しつつ上記プラグカバーに固定された絶縁保持体(6)と、を有し、
上記ハウジングと、上記プラグカバーとは、導電性を有し、
一部が上記ハウジングと上記プラグカバーと上記絶縁碍子と上記絶縁保持体とによって囲まれた副燃焼室(51)が形成され、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(52)が形成されており、
上記副燃焼室には、上記中心電極と上記浮遊電極との間に形成された第1放電ギャップ(G1)が設けられ、
上記副燃焼室の外部には、上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間に形成された第2放電ギャップ(G2)が設けられ、
上記第2放電ギャップを短絡させたときにおける上記第1放電ギャップに放電を発生させるために要求される要求電圧VAが、上記中心電極と上記ハウジングとの間に上記絶縁碍子の表面(311)に沿った沿面放電を発生させるために要求される要求電圧VLよりも小さくなるように、上記中心電極と上記ハウジングとの間の上記絶縁碍子の沿面距離(L)が定められており、
上記第1放電ギャップを短絡させたときにおける上記第2放電ギャップに放電を発生させるために要求される要求電圧VBが、上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間に上記副燃焼室に面した上記絶縁保持体の副室側表面(621)に沿った沿面放電を発生させるために要求される要求電圧VLよりも小さくなるように、上記副燃焼室内における上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間の上記絶縁保持体の沿面距離(L)が定められている、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
上記内燃機関用のスパークプラグは、要求電圧VAが要求電圧VLよりも小さくなるように絶縁碍子の沿面距離が定められていると共に、要求電圧VBが要求電圧VLよりも小さくなるように絶縁保持体の沿面距離が定められている。それゆえ、副燃焼室及び主燃焼室のそれぞれに確実に放電を発生させることができる。その結果、着火性を向上させることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの先端部の断面図であって、図2のI-I線矢視断面相当の図。 図1のII矢視平面図。 実施形態1における、ギャップの距離を示す断面図。 実施形態1における、ギャップをキャパシタとして示した説明図。 実験例1における、絶縁碍子等の外径の寸法を示す断面図。 実験例2における、放電ギャップの静電容量と昇圧係数との関係を示すグラフ。 実験例3における、気中ギャップ及び沿面ギャップのそれぞれにおける、ギャップの距離と放電開始電圧との関係を示すグラフ。 実施形態2における、スパークプラグの先端部の断面図であって、図9のVIII-VIII線矢視断面相当の図。 図8のIX矢視平面図。 実施形態2における、ギャップの距離を示す断面図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグに係る実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1、図2に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、プラグカバー5と、浮遊電極7と、絶縁保持体6と、を有する。中心電極4は、図1に示すごとく、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3から先端側に突出している。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。プラグカバー5は、ハウジング2の先端部に設けられている。浮遊電極7は、プラグカバー5及び中心電極4に対して電気的に絶縁されている。絶縁保持体6は、浮遊電極7を挿通させて保持しつつプラグカバー5に固定されている。ハウジング2と、プラグカバー5とは、導電性を有する。
また、スパークプラグ1には、一部がハウジング2とプラグカバー5と絶縁碍子3と絶縁保持体6とによって囲まれた副燃焼室51が形成されている。プラグカバー5には、副燃焼室51と外部とを連通させる噴孔52が形成されている。副燃焼室51には、中心電極4と浮遊電極7との間に形成された第1放電ギャップG1が設けられている。また、副燃焼室51の外部には、浮遊電極7とプラグカバー5との間に形成された第2放電ギャップG2が設けられている。
第2放電ギャップG2を短絡させたときにおける第1放電ギャップG1に放電を発生させるために要求される電圧を要求電圧VAとする。中心電極4とハウジング2との間に絶縁碍子3の表面311に沿った沿面放電を発生させるために要求される電圧を要求電圧VLとする。図3に示すごとく、要求電圧VAが要求電圧VLよりも小さくなるように、中心電極4とハウジング2との間の絶縁碍子3の沿面距離Lが定められている。
第1放電ギャップG1を短絡させたときにおける第2放電ギャップG2に放電を発生させるために要求される電圧を要求電圧VBとする。浮遊電極7とプラグカバー5との間に副燃焼室51に面した絶縁保持体6の副室側表面621に沿った沿面放電を発生させるために要求される電圧を要求電圧VLとする。要求電圧VBが要求電圧VLよりも小さくなるように、副燃焼室51内における浮遊電極7とプラグカバー5との間の絶縁保持体6の沿面距離Lが定められている。
本形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車等の車両用の内燃機関における着火手段として用いることができる。なお、本明細書において、プラグ中心軸Cは、スパークプラグ1の中心軸Cを意味するものとする。また、プラグ中心軸Cに平行な方向を、適宜、Z方向という。また、Z方向における点火コイル(図示略)と接続される側を基端側といい、内燃機関の主燃焼室(図示略)に配される側を先端側という。
中心電極4は、全体として略円柱状をなしている。本形態において、中心電極4の先端部は、図1に示すごとく、先端側へ向かうに従い、縮径している。
中心電極4を内周側に保持する絶縁碍子3は、外周側をハウジング2によって保持されている。絶縁碍子3は、先端側へ向かうほど縮径するテーパ状先端部31を有する。テーパ状先端部31の外周面とハウジング2の内周面との間には、副燃焼室51の一部であるポケット部511が形成されている。ポケット部511は環状に形成されている。つまり、絶縁碍子3は、その外周面の一部においてハウジング2の内周面の一部に係止されている。具体的には、絶縁碍子3の外周面の一部は、図1に示すごとく、環状のガスケット11を介して、ハウジング2の内周面の一部に係止されている。絶縁碍子3は、例えば、アルミナ等のセラミックからなる。また、ガスケット11は、例えば、金属材料を環状に形成してなる。なお、ガスケットは、絶縁保持体6と、後述するプラグカバー5のカバー本体部53との間に介在させることができる。また、ガスケットは、絶縁保持体6と、後述するプラグカバー5の固定部54との間に介在させることができる。
絶縁碍子3を保持するハウジング2の先端部には、プラグカバー5が設けられている。ハウジング2及びプラグカバー5は、例えば、鉄、ニッケル、鉄又はニッケルの合金、ステンレス等の導電性を有する材料からなる。ハウジング2とプラグカバー5とは、導通している。
プラグカバー5は、絶縁保持体6等と共にスパークプラグ1の先端部を囲うことにより、副燃焼室51を形成している。プラグカバー5は、絶縁保持体6を保持している。
本形態において、プラグカバー5は、図1、図2に示すごとく、カバー本体部53と、固定部54と、気中電極部材55とを有する。
カバー本体部53は、全体として略円筒形状をなしている。本形態において、カバー本体部53は、ハウジング2の先端部に接合されている。また、カバー本体部53は、例えば、ハウジング2と一体に形成されているものとすることができる。
カバー本体部53には、複数の噴孔52が形成されている。本形態において、カバー本体部53には、図2に示すごとく、4つの噴孔52が形成されている。
プラグカバー5の固定部54は、図1に示すごとく、カバー本体部53と共に、絶縁保持体6を保持している。固定部54は、図1、図2に示すごとく、略円環状をなしている。
本形態において、固定部54の先端面には、気中電極部材55が接合されている。気中電極部材55は、全体として、略L字状をなしている。図1に示すごとく、気中電極部材55と浮遊電極7との間には、第2放電ギャップG2が形成されている。
また、カバー本体部53の先端部には、絶縁保持体6の外周部63及び固定部54に対応した凹部が形成されている。凹部は、カバー本体部53の内側から、プラグ径方向の外側に向かって後退することにより形成されている。カバー本体部53は、凹部の内側に、絶縁保持体6の外周部63及び固定部54の外周側の部分を配置した状態にて、固定部54と共に、外周部63をZ方向に挟持固定している。カバー本体部53と外周部63とは、互いにZ方向に当接している。固定部54と外周部63とは、互いにZ方向に当接している。また、カバー本体部53と固定部54とは、互いに接合されている。なお、本明細書において、プラグ径方向とは、プラグ中心軸Cに直交する平面上において、プラグ中心軸Cを中心とする円の半径方向を意味する。
絶縁保持体6は、浮遊電極7をプラグカバー5及び中心電極4に対して電気的に絶縁させた状態のまま、浮遊電極7をスパークプラグ1の先端部に配置させている。絶縁保持体6は、例えば、アルミナ等のセラミックからなる。
絶縁保持体6は、噴孔52の先端部よりも基端側へ突出した縮径部62を有する。縮径部62は、基端側へ向かうに従い縮径している。縮径部62は、副燃焼室51に面した副室側表面621を有する。副室側表面621の少なくとも一部は、プラグ中心軸Cに対して傾斜している。
絶縁保持体6は、図1、図2に示すごとく、外周部63よりも先端側に突出した、略円柱状の円柱部61を有する。円柱部61の直径は、外周部63の直径よりも小さい。円柱部61の一部は、図1に示すごとく、プラグカバー5の固定部54よりも先端側に突出している。
円柱部61は、外周面612と、先端側を向く先端面613とを有する。外周面612の一部は、固定部54とプラグ径方向に当接している。先端面613は、プラグ中心軸Cと直交する平坦面となっている。
円柱部61の外周面612の一部は、副燃焼室51の外部に面する外表面611となっている。つまり、外周面612における固定部54よりも先端側が、外表面611となっている。また、円柱部61の先端面613は、後述する第2電極部材72よりもプラグ径方向の外側の部分が外表面611となっている。スパークプラグ1を内燃機関に設置した際、外表面611は、主燃焼室に面する。
また、絶縁保持体6には、浮遊電極7を挿通させる挿通孔64が形成されている。つまり、絶縁保持体6は、筒状をなしている。本形態において、挿通孔64は、プラグ中心軸Cに沿って形成されている。
浮遊電極7は、第1電極部材71と第2電極部材72とを備えている。第1電極部材71は、絶縁保持体6の挿通孔64に挿通されている。
また、第1電極部材71は、外周面の一部が径方向の外側に突出した外周突出部711を有する。外周突出部711は、少なくとも一部が副燃焼室51に面している。
絶縁保持体6の挿通孔64の基端部は、外周突出部711に対応するように拡径している。そして、挿通孔64の拡径した基端部の内側に、外周突出部711が配置されている。外周突出部711の先端面と、絶縁保持体6とは、Z方向に当接している。また、第1電極部材71の基端部は、外周突出部711から基端側に突出している。
また、第1電極部材71は、第2電極部材72の挿通孔721に挿通されている。第2電極部材72は、図1、図2に示すごとく、環状をなしている。本形態において、第2電極部材72の直径は、絶縁保持体6の円柱部61の直径よりも小さい。第2電極部材72の基端面は、図1に示すごとく、円柱部61の先端面613と当接している。
第1電極部材71と第2電極部材72とは、絶縁保持体6を挟持した状態にて、互いに接合されている。より詳細には、第1電極部材71と第2電極部材72とは、第1電極部材71における外周突出部711の先端面と、第2電極部材72の基端面とにより、絶縁保持体6をZ方向に挟持した状態にて、互いに接合されている。
第1電極部材71の先端部は、第2電極部材72から先端側に突出している。第1電極部材71の先端部と、プラグカバー5の気中電極部材55とは、Z方向において、互いに対向している。
中心電極4の先端部に形成された中心対向面41と、浮遊電極7の基端部に形成された浮遊第1対向面712とは互いに対向している。第1放電ギャップG1は、中心対向面41と浮遊第1対向面712との間に形成された気中ギャップである。また、浮遊電極7の先端部に形成された浮遊第2対向面713と、プラグカバー5に形成されたカバー対向面551とは互いに対向している。本形態において、第2放電ギャップG2は、浮遊第2対向面713とカバー対向面551との間に形成された気中ギャップである。
中心対向面41の面積及び浮遊第1対向面712の面積のうち、小さい方の面積をSとする。浮遊第2対向面713の面積及びカバー対向面551の面積のうち、小さい方の面積をSとする。図3に示すごとく、第1放電ギャップG1の距離をG、第2放電ギャップG2の距離をGとする。また、p=2、B=93、A/C=169、a=12とする。このとき、本形態のスパークプラグ1は、下記式(1)を満たす。
>〔{BpG/ln(ApG/C)}×{1+(S/G)/(S/G)}×(1/ap0.38)〕 ・・・(1)
ここで、上記のB=93、A/C=169、a=12は、後述する実験例3の試験により求めたパラメータである。また、pは、単位をMPaとした主燃焼室の雰囲気圧力である。すなわち、p=2として上記式(1)が成り立つということは、主燃焼室の雰囲気圧力が2MPaであるとき、上記式(1)が成り立つことで、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2にて確実に放電させることができることとなる。なお、B=93、A/C=169、a=12のパラメータは、pの圧力の単位をMPa、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2の距離の単位をmmとしたときのパラメータである。
本形態において、中心対向面41の面積と浮遊第1対向面712の面積とは、略同じとなっている。また、浮遊第2対向面713の面積は、カバー対向面551の面積よりも小さい。つまり、浮遊第2対向面713の面積が、面積Sである。
本形態において、浮遊第1対向面712と中心対向面41とは、プラグ中心軸Cに直交する平坦な面となっている。浮遊第1対向面712は、基端側を向いている。中心対向面41は、先端側を向いている。そして、浮遊第1対向面712と中心対向面41とは、Z方向において、互いに対向している。
カバー対向面551は、図1、図3に示すごとく、気中電極部材55に形成されている。カバー対向面551は、基端側を向いている。浮遊第2対向面713は、先端側を向いている。浮遊第2対向面713とカバー対向面551とは、プラグ中心軸Cに直交する平坦な面となっている。そして、浮遊第2対向面713とカバー対向面551とは、Z方向において、互いに対向している。
また、本形態のスパークプラグ1は、p=5としたときも、上記式(1)を満たすことが好ましい。
つまり、本形態のスパークプラグ1は、少なくとも、pの値が2であるときに、上記式(1)を満たし、好ましくは、pの値が5であるときも、上記式(1)を満たす。換言すると、主燃焼室の雰囲気圧力が2MPaの状態においてのみならず、5Mpaの状態においても、式(1)が成り立つように、本形態のスパークプラグ1を設計することが好ましい。
式(1)を満たすには、主燃焼室の雰囲気圧力が高くなるほど、沿面距離Lを大きくする必要がある。それゆえ、p=2とした場合に式(1)が成り立つように沿面距離Lを設定するのみならず、p=5とした場合にも式(1)が成り立つように沿面距離Lを設定することで、主燃焼室の雰囲気圧力が多少高くても、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2にて確実に放電させることができる。
また、本形態においては、1+(S/G)をS/Gで除した値が1.5以下である。また、本形態においては、1+(S/G)をS/Gで除した値が1.1以下である。
本形態において、第2放電ギャップG2は気中ギャップである。図3に示すごとく、副燃焼室51の外部における浮遊電極7とプラグカバー5との間の絶縁保持体6の沿面距離を、沿面距離Lとする。このとき、沿面距離Lと沿面距離Lとは、L>Lの関係を満たす。
言い換えると、図3に示すように、副燃焼室51の外部における浮遊電極7とプラグカバー5との間の沿面ギャップG5の距離が、沿面距離Lとなっている。副燃焼室51内における浮遊電極7とプラグカバー5との間の沿面ギャップG4の距離が、沿面距離Lとなっている。沿面ギャップG5は、外表面611となっている円柱部61の先端面613と外周面612とにわたって形成されている。そして、沿面ギャップG4の沿面距離Lは、沿面ギャップG5の沿面距離Lよりも長くなっている。
また、沿面距離Lは、沿面距離Lの2倍以上とすることができる。より好ましくは、沿面距離Lは、沿面距離Lの5倍以上とすることができる。
また、中心電極4とハウジング2との間の絶縁碍子3の表面311に沿った沿面ギャップG3の距離は、沿面距離Lとなっている。本形態において、沿面距離Lと沿面距離Lとは、略同じ距離となっている。
絶縁保持体6の沿面距離Lと、第2放電ギャップG2の距離Gとは、p=2、B=93、A/C=169、a=12としたとき、下記式(2)を満たす。
>〔{BpG/ln(ApG/C)}×(1/ap0.38)〕
・・・(2)
また、本形態のスパークプラグ1は、p=5としたときも、上記式(2)を満たす。
次に、気中ギャップ及び沿面ギャップにかかる電圧について説明する。
各ギャップは、それぞれ固有の静電容量を持つため、キャパシタとして考えることができる。図4に示すごとく、第1放電ギャップG1をキャパシタCG、第2放電ギャップG2をキャパシタCGとする。また、沿面ギャップG3をキャパシタCL、沿面ギャップG4をキャパシタCLとする。なお、図3に示すごとく、沿面ギャップG5もキャパシタとして考えることができるが、図4においては、省略する。また、本明細書において、気中ギャップとは、気中に放電を発生させるギャップを意味する。また、沿面ギャップとは、絶縁碍子3又は絶縁保持体6等の表面に沿って放電を発生させるギャップを意味する。
図4に示す電源部Pよりスパークプラグ1に印加された電圧を、印加電圧Vappとする。まず、キャパシタCGとキャパシタCLとの関係について述べる。図4に示すごとく、キャパシタCLには、電源部Pより印加された印加電圧Vappが、分圧されずに印加される。一方、キャパシタCGには、電源部Pより印加された印加電圧Vappが、キャパシタCG、又はキャパシタCLとの間で分圧されて印加される。つまり、キャパシタCGにかかる電圧VCGは、キャパシタCLにかかる電圧VCLよりも小さい。
ここで、印加電圧VappがキャパシタCGとキャパシタCGとの間で分圧される場合、印加電圧Vappは、キャパシタCGにかかる電圧VCGと、キャパシタCGにかかる電圧VCGと、を加えた電圧と考えることができる。つまり、下記式(3)が成り立つ。また、キャパシタCGに蓄えられる電荷は、キャパシタCGの静電容量CCGと電圧VCGとの積である。また、キャパシタCGに蓄えられる電荷は、キャパシタCGの静電容量CCGと電圧VCGとの積である。キャパシタCGとキャパシタCGとは直列接続されているため、キャパシタCGに蓄えられる電荷とキャパシタCGに蓄えられる電荷とは、同じと考えることができる。そのため、下記式(4)が成り立つ。また、下記式(3)及び下記式(4)より、下記式(5)を導き出すことができる。
app=VCG+VCG・・・(3)
CCG×VCG=CCG×VCG・・・(4)
app={1+(CCG/CCG)}×VCG・・・(5)
また、静電容量は、放電ギャップを形成する2つの対向する面のうち、小さい方の面積に比例し、放電ギャップの距離に反比例すると考えることができる。そのため、上記式(5)より、下記式(6)を導くことができる。
app={1+(S/G)/(S/G)}×VCG・・・(6)
上記式(6)に示すごとく、印加電圧Vappの値は、電圧VCGの値を「1+(S/G)/(S/G)」倍することにより、求めることができる。また、印加電圧Vappは、分圧されずにキャパシタCLにかかるため、電圧VCGの値を「1+(S/G)/(S/G)」倍した値が、電圧VCLの値となる。言い換えると、電圧VCLの値を電圧VCGの値によって除した値が、「1+(S/G)/(S/G)」となる。以降、電圧VCLの値を電圧VCGの値によって除した値を、「昇圧係数」という。つまり、本形態において、昇圧係数は、「1+(S/G)/(S/G)」である。
また、後述する実験例3にて求めた気中ギャップの放電開始電圧の式(11)より、第2放電ギャップG2を短絡させたときにおける第1放電ギャップG1の放電開始電圧は、「BpG/ln(ApG/C)」となる。つまり、要求電圧VAは、「BpG/ln(ApG/C)」となる。また、実験例3にて求めた沿面ギャップの放電開始電圧の式(12)より、沿面ギャップG3の放電開始電圧は、「aL 0.250.38」となる。つまり、要求電圧VLは、「aL 0.250.38」となる。ここで、本形態において、要求電圧VLは、下記式(7)に示すように、要求電圧VAに昇圧係数をかけた電圧よりも大きい。そして、下記式(7)を変形させることにより、上記式(1)となる。
aL 0.250.38>{BpG/ln(ApG/C)}×{1+(S/G)/(S/G)}・・・(7)
次に、第2放電ギャップG2と沿面ギャップG5との関係について述べる。実験例3にて求めた式(11)より、第1放電ギャップG1を短絡させたときにおける第2放電ギャップG2の放電開始電圧は、「BpG/ln(ApG/C)」となる。つまり、要求電圧VBは、「BpG/ln(ApG/C)」となる。また、実験例3にて求めた式(12)より、沿面ギャップG5の放電開始電圧は、「aL 0.250.38」となる。つまり、要求電圧VLは、「aL 0.250.38」となる。ここで、本形態において、要求電圧VLは、下記式(8)に示すように、要求電圧VBよりも大きい。そして、下記式(8)を変形させることにより、上記式(2)となる。
aL 0.250.38>BpG/ln(ApG/C)・・・(8)
次に、本形態の作用効果につき説明する。
内燃機関用のスパークプラグ1は、要求電圧VAが要求電圧VLよりも小さくなるように絶縁碍子3の沿面距離Lが定められていると共に、要求電圧VBが要求電圧VLよりも小さくなるように絶縁保持体6の沿面距離Lが定められている。それゆえ、副燃焼室51及び主燃焼室のそれぞれに確実に放電を発生させることができる。その結果、着火性を向上させることができる。
つまり、上述のごとく、キャパシタCG(図4参照)にかかる電圧は、キャパシタCL(図4参照)にかかる電圧よりも小さい。そして、仮に、要求電圧VAが要求電圧VLよりも大きい場合、第1放電ギャップG1よりも、中心電極4とハウジング2との間の沿面ギャップG3に放電が生じやすい。また、仮に、要求電圧VBが要求電圧VLよりも大きい場合、第2放電ギャップG2よりも、第1電極部材71とプラグカバー5との間の沿面ギャップG4に放電が生じやすい。そのため、これらの場合、副燃焼室51の外部である主燃焼室には放電が発生しにくい。一方、本形態の場合、上述のごとく、要求電圧VAが要求電圧VLよりも小さいと共に、要求電圧VBが要求電圧VLよりも小さい。それゆえ、副燃焼室51及び主燃焼室のそれぞれに確実に放電を発生させることができる。その結果、着火性を向上させることができる。
本形態のスパークプラグ1は、上記式(1)を満たす。それゆえ、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2のそれぞれに、確実に放電を発生させることができる。その結果、着火性を向上させることができる。
つまり、上記式(1)を満たす場合、要求電圧VLは、要求電圧VAに昇圧係数をかけた電圧よりも大きい(上記式(7)参照)。それゆえ、印加電圧VappがキャパシタCGとキャパシタCG(図4参照)との間で分圧されたとしても、沿面ギャップG3よりも、第1放電ギャップG1と第2放電ギャップG2とのそれぞれに放電が発生しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
本形態のスパークプラグ1は、p=5としたときも、上記式(1)を満たす。それゆえ、内燃機関の雰囲気圧力が高い場合でも、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2のそれぞれに、確実に放電を発生させることができる。その結果、着火性を向上させることができる。
本形態のスパークプラグ1は、1+(S/G)をS/Gで除した値が1.5以下である。それゆえ、沿面距離Lが所定の距離以下であっても、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2のそれぞれに、確実に放電を発生させることができる。その結果、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2のそれぞれに確実に放電を発生させることができるスパークプラグ1を、効率的に生産することができる。
つまり、本形態のスパークプラグ1は、昇圧係数が1.5以下である。要求電圧VLは、昇圧係数が大きくなるに従い、要求電圧VAに対し、大きくする必要がある。そのため、昇圧係数が大きくなるに従って、沿面距離Lが長くなりやすい。そして、沿面距離Lが所定の距離よりも長い場合、その沿面距離Lを備えた絶縁碍子3をスパークプラグに組み付けることが困難となるおそれがある。一方、本形態においては、昇圧係数が1.5以下である。それゆえ、沿面距離Lを充分に確保しつつ、沿面距離Lが長くなりすぎることを抑えることができる。その結果、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2のそれぞれに確実に放電を発生させることができるスパークプラグ1を、効率的に生産することができる。
また、本形態のスパークプラグ1は、1+(S/G)をS/Gで除した値が1.1以下である。それゆえ、沿面距離Lを充分に確保しつつ、沿面距離Lが長くなりすぎることを一層抑えることができる。
本形態において、第2放電ギャップG2は気中ギャップである。また、沿面距離Lと沿面距離Lとは、L>Lの関係を満たす。それゆえ、仮に、絶縁保持体6の表面に沿った沿面放電が発生しやすくなったとしても、副燃焼室51の外部である主燃焼室に放電を発生させやすい。つまり、内燃機関の運転条件、又は絶縁保持体6の表面における異物の堆積等が原因となり、絶縁保持体6の表面に沿って沿面放電が発生しやすくなったとしても、主燃焼室に放電を発生させやすい。その結果、副燃焼室51及び主燃焼室のそれぞれに確実に放電を発生させることができる。
絶縁保持体6の沿面距離Lと、第2放電ギャップG2の距離Gとは、上記式(2)を満たす。つまり、要求電圧VLは、要求電圧VBよりも大きい(上記式(8)参照)。それゆえ、気中ギャップである第2放電ギャップG2に確実に放電を発生させることができる。その結果、主燃焼室における着火性を向上させることができる。
本形態のスパークプラグ1は、p=5としたときも、式(2)を満たす。それゆえ、内燃機関の雰囲気圧力が高い場合でも、気中ギャップである第2放電ギャップG2に確実に放電を発生させることができる。その結果、主燃焼室における着火性を向上させることができる。
本形態において、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2は、それぞれ気中ギャップである。それゆえ、双方の放電ギャップG1、G2に形成される放電と混合気との接触面積を充分に確保することができる。その結果、副燃焼室51及び主燃焼室のそれぞれにおいて、確実に着火させることができる。
以上のごとく、本形態によれば、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ1を提供することができる。
(実験例1)
本例は、図5、及び後述する表1に示すように、基本構造を実施形態1と同様とするスパークプラグ1において、絶縁保持体6等の外径と昇圧係数との関係を評価した例である。つまり、絶縁保持体6等の外径を変化させることによる、キャパシタCL(図4参照)及びキャパシタCL(図4参照)の静電容量の変化に伴い、昇圧係数がどの程度変わるかを評価した。以下、絶縁保持体6及び浮遊電極7のそれぞれの外径と、昇圧係数との関係について説明する。図5に示すごとく、絶縁保持体6の外径をD1、浮遊電極7の外径をD2とする。
また、キャパシタCLの単位面積当たりの静電容量は、円筒コンデンサの静電容量として計算を行った。具体的には、キャパシタCLの単位面積当たりの静電容量は、下記式(9)を変形させた下記式(10)にて求めた。下記式(9)中のCcoaxialは円筒コンデンサの静電容量を意味し、dは円筒の長さを意味する。また、下記式(9)及び下記式(10)中のbは円筒の外径を意味する。また、下記式(10)中のaは、円筒の内径を意味する。下記式(10)中のεは電極間の物質の比誘電率を意味し、εは真空の誘電率を意味する。
キャパシタCLの単位面積当たりの静電容量=Ccoaxial/2πbd・・・(9)
キャパシタCLの単位面積当たりの静電容量=εε/bln(b/a)
・・・(10)
表1は、外径D1及び外径D2の大きさと、昇圧係数との関係を示したものである。表1において、横軸が絶縁保持体6の外径D1の大きさを示し、縦軸が浮遊電極7の外径D2の大きさを示す。表1では、外径D1の大きさを6.0mm、外径D2の大きさを1.0mmとしたときの昇圧係数を基準として、各外径を変化させたときの昇圧係数を示した。つまり、基準とした昇圧係数を1.000として、各外径の大きさを変化させたときにおける昇圧係数を、その基準とした昇圧係数に対する比として示した。
Figure 0007439686000001
表1に示すごとく、各外径の大きさを変化させても、基準とした昇圧係数に対する比が0.999~1.002の範囲に収まる結果となった。この結果より、外径D1及び外径D2の昇圧係数に与える影響は小さいと考えられる。つまり、外径D1及び外径D2を変化させることにより、キャパシタCLの静電容量を変化させたとしても、第1放電ギャップG1及び第2放電ギャップG2における分圧に与える影響は小さいと考えられる。言い換えると、昇圧係数を考慮する際は、キャパシタCG(図4参照)及びキャパシタCG(図4参照)の静電容量に着目すればよいと考えられる。なお、絶縁碍子3と中心電極4とについても上記と同様に各外径の大きさを変化させ、昇圧係数との関係を評価した。この場合も、上記と同様に、絶縁碍子3等の外径を変化させることにより、キャパシタCLの静電容量を変化させたとしても、昇圧係数に与える影響は小さい結果となった。
(実験例2)
本例は、図6のグラフに示すように、基本構造を実施形態1と同様とするスパークプラグにおいて、キャパシタCG及びキャパシタCGの静電容量と、昇圧係数との関係を評価した例である。図6のグラフにおいて、横軸がキャパシタCGの静電容量CCGをキャパシタCGの静電容量CCGによって除した値、縦軸が昇圧係数を示す。図6のグラフの実線は、CCG/CCGと昇圧係数との関係を示す。また、図6においては、CCGとCCGとに加え、キャパシタCLの静電容量CCLとキャパシタCLの静電容量CCLとの影響を含めたときの昇圧係数の解析値を、丸印にて示す。
図6に示すように、実線にて示すCCG/CCGの値のみを考慮した昇圧係数の値と、丸印にて示すCCLとCCLとの影響も含めた昇圧係数の値とは、ほぼ同じ値となった。つまり、実験例1の結果からも示唆されたように、昇圧係数を考慮する際は、キャパシタCG及びキャパシタCGの静電容量に着目すればよいと考えられる。
(実験例3)
本例は、図7のグラフに示すように、ギャップの距離と、ギャップの放電開始電圧との関係を、圧力容器による試験にて評価した例である。本例においては、気中に放電が発生するように構成された気中ギャップと、絶縁碍子3又は絶縁保持体6と同様の材料からなる部材の表面に沿って沿面放電が発生するように構成された沿面ギャップとについて、それぞれ評価した。図7のグラフにおいては、雰囲気圧力を1MPaとしたときの計測値をプロットした。プロットした計測値は、気中ギャップでは四角印、沿面ギャップでは丸印にて示した。また、図7中の気中ギャップのギャップ距離と放電開始電圧との関係を示す実線の式(下記式(11))は、パッシェンの法則から導き出される式と、本例の圧力容器による試験の結果とにより求めた。また、図7中の沿面ギャップのギャップ距離と放電開始電圧との関係を示す実線の式(下記式(12))は、下記の参考文献1に定められているインパルス印加時の沿面放電の電圧式(実験式)と、本例の圧力容器による試験の結果とにより求めた。本例の圧力容器による試験は、雰囲気圧力を0.1~5MPa、温度を25~30℃、空気を乾燥空気とした条件にて行った。
〔参考文献1〕「放電ハンドブック」、第3章 沿面放電、オーム社
気中ギャップの式は、下記式(11)にて示す。また、沿面ギャップの式は、下記式(12)にて示す。下記式中のpは雰囲気圧力を示し、dはギャップ距離を示す。また、下記式中のBと、A/Cと、aとは、それぞれ本例の圧力容器の試験より求めたパラメータであり、B=93、A/C=169、a=12である。また、B=93、A/C=169、a=12のパラメータは、pの圧力の単位をMPa、ギャップの距離の単位をmmとしたときのパラメータである。図7のグラフより、気中ギャップよりも沿面ギャップの方が、ギャップ距離が所定の値以上において、ギャップ距離が大きくなっても、放電開始電圧が上昇しにくいことが示唆された。
気中ギャップの放電開始電圧=Bpd/ln(Apd/C)・・・(11)
沿面ギャップの放電開始電圧=ad0.250.38・・・(12)
(実施形態2)
本形態は、図8~図10に示すごとく、第2放電ギャップG2が沿面ギャップとなった形態である。
図8、図10に示すごとく、本形態において、浮遊電極7の第2電極部材72の直径と、絶縁保持体6の円柱部61の直径とは、略同じ大きさとなっている。つまり、円柱部61の外周面612と、第2電極部材72の外周面とは、略面一となっている。
本形態において、第2放電ギャップG2は、絶縁保持体6の外表面611に沿って形成された沿面ギャップである。図10に示すごとく、沿面距離Lと第2放電ギャップG2の沿面距離Lとは、L>Lの関係を満たす。
第2放電ギャップG2は、プラグカバー5の固定部54と第2電極部材72との間に形成されている。また、円柱部61の外周面612の一部が外表面611となっている。第2放電ギャップG2は、この外表面611に沿って形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
第2放電ギャップG2は、沿面ギャップである。また、沿面距離Lと沿面距離Lとは、L>Lの関係を満たす。それゆえ、第2放電ギャップG2において、確実に放電を発生させることができる。その結果、主燃焼室において、確実に着火させることができる。
また、第2放電ギャップG2は、沿面ギャップとなっている。それゆえ、第2放電ギャップG2にて発生する放電の要求電圧を低くすることができる。その結果、第2放電ギャップG2において、確実に放電を発生させることができる。
その他は、実施形態1と同様である。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1…スパークプラグ、2…ハウジング、3…絶縁碍子、311…絶縁碍子の表面、4…中心電極、5…プラグカバー、51…副燃焼室、52…噴孔、6…絶縁保持体、621…副室側表面、7…浮遊電極、G1…第1放電ギャップ、G2…第2放電ギャップ、VA…第2放電ギャップを短絡させたときにおける第1放電ギャップに放電を発生させるために要求される要求電圧、LA…中心電極とハウジングとの間の絶縁碍子の沿面距離、VLA…中心電極とハウジングとの間に絶縁碍子の表面に沿った沿面放電を発生させるために要求される要求電圧、VB…第1放電ギャップを短絡させたときにおける第2放電ギャップに放電を発生させるために要求される要求電圧、LB…副燃焼室内における浮遊電極とプラグカバーとの間の絶縁保持体の沿面距離、VLB…副室側表面に沿った沿面放電を発生させるために要求される要求電圧

Claims (9)

  1. 筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
    上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
    該ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、
    該プラグカバー及び上記中心電極に対して電気的に絶縁された浮遊電極(7)と、
    該浮遊電極を挿通させて保持しつつ上記プラグカバーに固定された絶縁保持体(6)と、を有し、
    上記ハウジングと、上記プラグカバーとは、導電性を有し、
    一部が上記ハウジングと上記プラグカバーと上記絶縁碍子と上記絶縁保持体とによって囲まれた副燃焼室(51)が形成され、
    上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(52)が形成されており、
    上記副燃焼室には、上記中心電極と上記浮遊電極との間に形成された第1放電ギャップ(G1)が設けられ、
    上記副燃焼室の外部には、上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間に形成された第2放電ギャップ(G2)が設けられ、
    上記第2放電ギャップを短絡させたときにおける上記第1放電ギャップに放電を発生させるために要求される要求電圧VAが、上記中心電極と上記ハウジングとの間に上記絶縁碍子の表面(311)に沿った沿面放電を発生させるために要求される要求電圧VLよりも小さくなるように、上記中心電極と上記ハウジングとの間の上記絶縁碍子の沿面距離(L)が定められており、
    上記第1放電ギャップを短絡させたときにおける上記第2放電ギャップに放電を発生させるために要求される要求電圧VBが、上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間に上記副燃焼室に面した上記絶縁保持体の副室側表面(621)に沿った沿面放電を発生させるために要求される要求電圧VLよりも小さくなるように、上記副燃焼室内における上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間の上記絶縁保持体の沿面距離(L)が定められている、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
  2. 上記中心電極の先端部に形成された中心対向面(41)と、上記浮遊電極の基端部に形成された浮遊第1対向面(712)とは互いに対向しており、
    上記第1放電ギャップは、上記中心対向面と上記浮遊第1対向面との間に形成された気中ギャップであり、
    上記浮遊電極の先端部に形成された浮遊第2対向面(713)と、上記プラグカバーに形成されたカバー対向面(551)とは互いに対向しており、
    上記第2放電ギャップは、上記浮遊第2対向面と上記カバー対向面との間に形成された気中ギャップであり、
    上記中心対向面の面積及び上記浮遊第1対向面の面積のうち、小さい方の面積をS、上記浮遊第2対向面の面積及び上記カバー対向面の面積のうち、小さい方の面積をSとし、
    上記第1放電ギャップの距離をG、上記第2放電ギャップの距離をG、p=2、B=93、A/C=169、a=12としたとき、下記式(1)を満たす、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
    >〔{BpG/ln(ApG/C)}×{1+(S/G)/(S/G)}×(1/ap0.38)〕 ・・・(1)
  3. p=5としたときも、上記式(1)を満たす、請求項2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 1+(S/G)をS/Gで除した値が1.5以下である、請求項2又は3に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 1+(S/G)をS/Gで除した値が1.1以下である、請求項4に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 上記第2放電ギャップは気中ギャップであり、
    上記副燃焼室内における上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間の上記絶縁保持体の沿面距離(L)と、上記副燃焼室の外部における上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間の上記絶縁保持体の沿面距離(L)とは、L>Lの関係を満たす、請求項1~5のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 上記第2放電ギャップは気中ギャップであり、
    上記副燃焼室の外部における上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間の上記絶縁保持体の沿面距離(L)と、上記第2放電ギャップの距離(G)とは、p=2、B=93、A/C=169、a=12としたとき、下記式(2)を満たす、請求項1~6のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
    >〔{BpG/ln(ApG/C)}×(1/ap0.38)〕
    ・・・(2)
  8. p=5としたときも、上記式(2)を満たす、請求項7に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 上記第2放電ギャップは、上記絶縁保持体の外表面(611)に沿って形成された沿面ギャップであり、
    上記副燃焼室内における上記浮遊電極と上記プラグカバーとの間の上記絶縁保持体の沿面距離(L)と、上記第2放電ギャップの沿面距離(L)とは、L>Lの関係を満たす、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
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