JP7439351B2 - フットカバー - Google Patents
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Description
そこで、爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、着用時にパンプスから露出することのないよう履き口が大きくカットされた薄手のフットカバーが提案されている。このフットカバーを着用してパンプスを履けば、外観上、素足にパンプスを履いているように見え、足裏とパンプスとの間にはフットカバーが介しているため、汗によって靴の中が蒸れてしまうことを防止することができる。
このようなフットカバーはパンプスから露出しないよう履き口が大きくカットされているため、歩行中の摩擦等によって履き位置がずれたり、脱げたりすすることがある。一方、履き口を小さくしてしまうとパンプスから露出してしまう。このような問題点に鑑みて開発されたフットカバーが、以下の先行技術文献に開示されている。
実用新案登録第3165733号公報(特許文献2)は、特許文献1に開示されたフットカバーの開口部の周縁に沿ってゴム紐を設けたのでは、ゴム紐が足に食い込むため、足にゴム紐の型が付いてしまったり、痛みを感じたり、履き心地が良くないという問題があったことに鑑み、開口部の周縁に沿って平ゴムを設けて一面が足に接するようにした帯状伸縮部を形成したフットカバーを開示する。
すなわち、本発明のある態様に係るフットカバーは、爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出する。このフットカバーは、足底部、側辺部、踵部および前記爪先を覆う筒状の爪先部で形成されている。このフットカバーは、前記足底部に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部を設け、前記開口部を形成する側辺部の上縁に伸縮性細幅生地を設け、着用時の側方視で、前記伸縮性細幅生地の長手方向と前記爪先部の上側の後縁とで形成される角度が略直角であることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記伸縮性細幅生地は、爪先部、足底部、側辺部および踵部を形成する生地のいずれかと同じ生地で形成することができる。
また、本発明の別の態様に係るフットカバーは、爪先を被覆する。このフットカバーは、前記爪先を覆う筒状の爪先部と、前記爪先部の左右側にそれぞれ接合されて着用時に踵に係止されるループ状の伸縮性部材とで形成されている。このフットカバーは、着用時の側方視で、前記伸縮性部材の長手方向と前記爪先部の上側の後縁とで形成される角度が略直角であることを特徴とする。
図1および図2に本発明の第1の実施の形態に係るフットカバー100を、図3および図4に本発明の第1の実施の形態に係る別のフットカバー200を、図5および図6に本発明の第1の実施の形態に係るさらに別のフットカバー300を、それぞれ示す。図1、図3および図5は、フットカバーの全体斜視図であって、図2、図4および図6はフットカバーを裏返した斜視図であって、図1-図6のいずれの図も着用者の足Fにフットカバーを着用している状態を想定している。すなわち、本発明の実施の形態に係るフットカバーは、パンティストッキング等の伸縮性生地で形成されているために、このように想定して図示しない場合には縮んだ状態となり、形状を理解することが困難なため、上述のように想定している。
さらに、図8に示すように、足底部104、204、304において、足Fが接する側と反対側(パンプスを履いたときにパンプスの内底に接する側)には、シリコン樹脂等の薄いシートで形成され、足底部滑り止め114、214、314が設けられている。これにより、パンプスの内底との密着性を高めてパンプス内におけるフットカバー100、200、300の位置がずれることを防止できる。なお、この足底部滑り止め114、214、314は、花柄模様を形成している。
フットカバー100においては、このフットカバー100を形成する、爪先部102、足底部104、側辺部106および踵部108が同じ生地で形成されており、伸縮性細幅生地116がこの生地と同じ共生地である。すなわち、このフットカバー100は、全て同じ伸縮性生地で形成されている。
(1)開口部を形成する側辺部の上縁に設けられる伸縮性細幅生地116が共生地で、かつ、爪先部102の上側の後縁に伸縮性細幅生地が設けられていないフットカバー100(図1、図2)、
(2)開口部を形成する側辺部206の上縁に設けられる伸縮性細幅生地216が共生地でなく、かつ、爪先部202の上側の後縁に伸縮性細幅生地が設けられていないフットカバー200(図3、図4)、
(3)開口部を形成する側辺部306の上縁に設けられる伸縮性細幅生地316が共生地で、かつ、爪先部302の上側の後縁に伸縮性細幅生地312が設けられているフットカバー300(図5、図6)、
(4)開口部を形成する側辺部の上縁に設けられる伸縮性細幅生地が共生地でなく、かつ、爪先部の上側の後縁に伸縮性細幅生地が設けられているフットカバー(図示しない)である。
図9に示すように、フットカバー100、200、300については、フットカバー100、200、300の着用時の側方視で、側辺部106、206、306の上縁に設けられた伸縮性細幅生地116、216、316の長手方向と爪先が挿入される開口断面(L-Lでその断面を記載)とで形成される角度αが略直角であることを特徴とする。また、このことは、伸縮性細幅生地116、216、316の長手方向と爪先部102、202、302の上側の後縁(L-Lで記載された断面と同じ)とで形成される角度αが略直角であるともいえる。また、特に、フットカバー300については、フットカバー300
の着用時の側方視で、側辺部306の上縁に設けられた伸縮性細幅生地316の長手方向と爪先部302の後縁に設けられた伸縮性細幅生地312とで形成される角度αが略直角である。
一方、特許文献2のように開口部の周縁の全周に沿って平ゴムを設けた場合には、平ゴムが足の甲から足首にかけて回り込んでフットカバーがずれることを防止する。しかしながら、この場合には、平ゴムが足首を絞り込むように作用するために、平ゴムにより作用する力は、爪先部を後方へ引っ張る力と、上方へ引き上げる力とに分けられて作用する。このため、平ゴムと伸縮性細幅生地316とが同じ程度の伸縮性を備える場合、爪先部を後方へ引っ張る力は平ゴムの方が小さくなり、爪先部を後方へ引っ張る力が小さくなる。
また、フットカバー300については、爪先部302の上側の後縁に伸縮性細幅生地312が設けられているものの、開口部の全周に沿って1つの平ゴムを設けたフットカバー(特許文献2に開示されたフットカバー)に比較して、フットカバー300を履くときに開口部が十分に開いて履きやすい。
図10(A)、図10(B)に、ヒール高さが異なる靴(パンプスP(1)、P(2))を履いたときの側方視の断面図をそれぞれ示す。図10(B)のパンプスP(2)の方が、図10(A)のパンプスP(1)のよりも、ヒール高さが高い。
このため、本実施の形態に係るフットカバー100、200、300においては、異なるヒール高さの靴であっても、爪先部102、202、302が強力に後方へ引っ張られる。このため、どのようなパンプスを履いても、歩行時およびパンプスの脱ぎ履き時にフットカバーが脱げてしまったり履き位置がずれてしまったりすることがない。
なお、いずれのフットカバーにおいても、伸縮性細幅生地は、フットカバー生地に、熱プレス装置により接合されている。
以下に、本発明の第2の実施の形態に係るフットカバー400について説明する。なお、本実施の形態に係るフットカバー400は、上述した第1の実施の形態に係るフットカバー100、200、300の足底部104、204、304、側辺部106、206、306および踵部108、208、308を備えない点が異なる。それ以外は、第1の実施の形態と同じであるので、上述した説明と重複する部分についてはここでは繰り返さない。
これらの図に示すように、このフットカバー400は、爪先を被覆するフットカバーであって、爪先を覆う筒状の爪先部402と、爪先部402の左右側にそれぞれ接合されて着用時に踵に係止されるループ状の伸縮性部材416とで形成される。伸縮性部材416
の踵に当接する部分には、シリコン樹脂等の薄いシートで形成された踵部滑り止め418が設けられている。これにより、足Fの踵との密着性を高めてフットカバー400が足Fからずれることを防止できる。また、爪先部402には、足Fが接する側と反対側(パンプスを履いたときにパンプスの内底に接する側)には、シリコン樹脂等の薄いシートで形成され、足底部滑り止めを設けることも好ましい。これにより、パンプスの内底との密着性を高めてパンプス内におけるフットカバー400の位置がずれることを防止できる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
102、202、302 爪先部
312 (爪先部の後縁に設けられた)伸縮性細幅生地
104、204、304 足底部
114、214、314 足底部滑り止め
106、206、306 側辺部
116、216、316 (側辺部の上縁に設けられた)伸縮性細幅生地
108、208、308 踵部
118、218、318 踵部滑り止め
400 第2の実施の形態に係るフットカバー
402 爪先部
416 伸縮性部材
F 足
P(1)、P(2) パンプス
Claims (3)
- 爪先と踵を含む足底とを被覆するとともに足甲および足首を露出するフットカバーであって、伸縮性生地で構成された、足底部、側辺部、踵部および前記爪先を覆う爪先部で形成され、
前記フットカバーは、前記爪先部と、前記足底部と、前記側辺部および前記踵部とが縫製されて形成され、
前記足底部に対して上下反対側に足を出し入れするための開口部を設け、
前記開口部を形成する側辺部の上縁に、第1の伸縮性生地が存在し、
前記開口部を形成する爪先部の後縁に、前記第1の伸縮性生地とは別体の第2の伸縮性生地が存在し、
前記第1の伸縮性生地と前記第2の伸縮性生地とは、前記開口部を形成する前記側辺部と前記爪先部との接続部分である交差箇所において互いに交差するように存在し、
前記交差箇所において前記第1の伸縮性生地と前記第2の伸縮性生地とが一体化され、
着用時の側方視で、前記交差箇所において、前記第1の伸縮性生地と前記第2の伸縮性生地とが略直角に交差し、
前記第1の伸縮性生地は、前記開口部を形成する一方の側辺部と前記爪先部との接続部分である一方の交差箇所から踵部を経由して他方の側辺部と前記爪先部との接続部分である他方の交差箇所まで連続して、前記側辺部の上縁および前記踵部の上縁に存在し、
前記第1の伸縮性生地は、前記側辺部および前記踵部を形成する伸縮性生地とは別の生地ではなく前記側辺部および前記踵部を形成する伸縮性生地で形成され、
前記第2の伸縮性生地は、前記爪先部を形成する伸縮性生地とは別の生地ではなく前記爪先部を形成する伸縮性生地で形成され、
前記第1の伸縮性生地と前記第2の伸縮性生地とが略直角に交差しているために前記第1の伸縮性生地が備える伸縮力の全てが前記第2の伸縮性生地を垂直方向へ引っ張り、前記第1の伸縮性生地が備える伸縮力により発生する力には前記第2の伸縮性生地を踵方向以外に引っ張る分力は生じず、前記第1の伸縮性生地が備える伸縮力により発生する力の全てにより、前記第1の伸縮性生地が前記第2の伸縮性生地を介して前記爪先部を後方へ引っ張り、前記第1の伸縮性生地および前記第2の伸縮性生地により、靴を履いた歩行時に前記フットカバーが足から脱げてしまうことを防止することを特徴とするフットカバー。 - 着用時の側方視で、前記爪先部における開口断面の位置は足指の根元の位置である、請求項1に記載のフットカバー。
- 前記フットカバーは、前記爪先部を形成する1枚の伸縮性生地と、前記足底部を形成する1枚の伸縮性生地と、前記側辺部および前記踵部を形成する1枚の伸縮性生地とが縫製されて形成された、請求項1または請求項2に記載のフットカバー。
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