JP7437460B2 - N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-n’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドの塩の結晶性固体形態、製造プロセス、及び使用方法 - Google Patents

N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-n’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドの塩の結晶性固体形態、製造プロセス、及び使用方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2017年5月26日出願の米国出願第62/511,714号の優先権を主張する。上記出願の全体の内容が参照により本明細書に援用される。
本発明は、がんの治療に有用な、化合物N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-l,l-ジカルボキサミドの塩の新規結晶性固体形態、及びそれらの水和物を始めとする溶媒和物に関する。上記結晶性固体形態を含む医薬組成物及び上記結晶性固体形態の製造プロセス、ならびにがん、特に腎細胞癌(RCC)及び甲状腺髄様癌(MTC)の治療のためのそれらの使用方法も開示される。
参照によりその全体が本明細書に援用される、本発明の譲受人に譲渡されたPCT特許公開第WO2005/030140号は、腫瘍増殖及び血管新生、病的骨リモデリング、ならびにがんの転移進行に関与する複数の受容体チロシンキナーゼ(RTK)の新規阻害剤を開示する。特に、化合物N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドは、WO2005/030140においてRTK阻害剤として具体的に記載されている。N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドは、当該技術分野ではカボザンチニブとしても知られている。N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(カボザンチニブ)の化学構造は化合物1
で表される。
化合物1は、約5.2nMの酵素Ret IC50値(二水和物)、及び約1.3nMの酵素c-Met IC50値(二水和物)を有することが判明した。このc-Met活性を測定するために用いられたアッセイは、WO2005/030140の段落[0458]に記載されている。
初期の開発実験中に、化合物1(遊離塩基)は、溶解性が低く透過性が高いBCSクラスII化合物であることが判明した。化合物1は水への溶解度が低いことが認められたことから、当初固体経口投薬の開発に適さないと考えられ、そのためこの医薬品開発は、好適な吸湿性、熱安定性、化学的安定性、物理的安定性、及び溶解性を備えた塩の発見に焦
点を当てた。
WO2010/083414(その全体の内容が参照により援用される)に記載の化合物1のリンゴ酸塩は、その後、化合物1の遊離塩基と比較して、許容可能な結晶化度、溶解度、及び安定性を併せもつことが明らかになった。N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドのS-リンゴ酸塩(カボザンチニブまたはCOMETRIQ(登録商標)としても知られる)は、2012年11月29日に、進行性転移性甲状腺髄様癌(MTC)の治療に関して米国食品医薬品局による認可を受けた。2013年12月に、欧州ヒト用医薬品委員会(CHMP)は、欧州医薬品庁、すなわちEMAに提出された、進行性、切除不能、局所進行性MTC、または転移性MTCである提案された適応症を対象とする、COMETRIQ(登録商標)の販売承認申請(MAA)に対して肯定的な意見を発表した。より最近では、2015年に、S-リンゴ酸塩としてのカボザンチニブが、進行腎細胞癌の治療用のCABOMETYX(登録商標)として認可を受けた。
本出願人は、治療上の有効性に加えて、加工安定性、製造安定性、貯蔵安定性、及び/または薬物としての有用性に関連する好ましい特性を有する化合物1の好適な形態を提供するよう努力を継続している。したがって、これらの所望の特性の一部または全てを有する化合物1の新規な結晶性固体形態の発見は、薬物開発にとって今なお不可欠である。そこで、本明細書では、がんなどの増殖性疾患の治療のための医薬組成物に用いることができる化合物1の新規結晶性固体形態が開示される。
国際公開第2005/030140号 国際公開第2010/083414号
本発明は、化合物1の塩の新規結晶性固体形態、ならびにかかる結晶性固体形態を含有する医薬組成物、上記結晶性固体形態の使用方法、及びそれらの製造プロセスを対象とし、上記の及びその他のニーズが本発明によって満たされる。上記結晶性固体形態には水和物を始めとする溶媒和した固体形態が含まれる。化合物1の結晶性固体形態は、他の用途がある中でもとりわけ、がんの治療に有用性があると予想される医薬組成物の調製に有用である。したがって、本発明の一態様は、薬学的に許容される担体と治療有効量の化合物1の固体形態とを含む医薬組成物に関する。
既に明らかになっているように、化合物1は、腫瘍の増殖及び血管新生、病的な骨のリモデリング、及びがんの転移進行に関係する複数の受容体チロシンキナーゼ(RTK)を阻害する。したがって、化合物1の結晶性固体形態はがんの治療に有用である。したがって、本発明の別の態様は、治療有効量の本明細書に開示の化合物1の固体形態を対象に投与することを含む、がんの治療方法に関する。本発明はまた、化合物1の結晶性固体形態の調製プロセスを対象とする。
上記固体形態を表1にまとめる。
表1 N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドの塩の新規結晶性固体形態
上記スクリーニングの間に合計27種の形態が認められた。上記パターンの1種(形態8)は遊離塩基と関係していた。残りの26種の固体を、それらの結晶化度、溶媒和の状態、化学量論、製造の容易さ、潮解性、脱溶媒に対する安定性、分子量、及び経口投与に関する許容性/忍容性によって評価した。水溶性の測定及び光学顕微鏡による観察も実施した。
特定の態様において、本発明は、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)の結晶性固体塩であって、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)ピルビン酸塩と、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)グルタル酸塩と、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)イセチオン酸塩一水和物と
からなる群より選択される、塩を対象とする。
形態14、19、及び20(ピルビン酸塩、グルタル酸塩、及びイセチオン酸塩)を250~1000mgスケールで調製し、最初のスクリーニングで観測されたものと同一の形態であることを確認した。上記3種の塩について、XRPD、DSC、TG/DTA、DVS、及びH NMR分光分析による詳細なキャラクタリゼーションも実施した。これらの晶癖に関する検討も実施した。化合物1ピルビン酸塩及びグルタル酸塩はアスペクト比の低い不定形の粒子であった一方、化合物1イセチオン酸塩は針状モルホロジーの晶癖を示した。
本明細書に記載の塩形態は多くの有利な特性を有する。かかる有利な特性の例としては、より高い活性/重量比を与えるより低い分子量、より高い溶解性、粒子のモルホロジー/アスペクト比に起因する改善されたろ過性及び流動特性、ならびに低い吸湿性が挙げられる。更に、本明細書に記載の塩の多くは、天然のヒト代謝産物であり、したがってイン・ビボにおいて良好な忍容性を示す。
形態1、2、及び3のXRPDスペクトルを示す図である。 形態4、5、及び6のXRPDスペクトルを示す図である。 形態7、8、及び9のXRPDスペクトルを示す図である。 形態10、11、及び12のXRPDスペクトルを示す図である。 形態13、14、及び15のXRPDスペクトルを示す図である。 形態16、17、及び18のXRPDスペクトルを示す図である。 形態19、20、及び21のXRPDスペクトルを示す図である。 形態22、23、及び24のXRPDスペクトルを示す図である。 形態25、26、及び27のXRPDスペクトルを示す図である。 形態1のTG/DTA曲線を示す図である。 形態2のTG/DTA曲線を示す図である。 形態3のTG/DTA曲線を示す図である。 形態5のTG/DTA曲線を示す図である。 形態6のTG/DTA曲線を示す図である。 形態7のTG/DTA曲線を示す図である。 形態9のTG/DTA曲線を示す図である。 形態10のTG/DTA曲線を示す図である。 形態11のTG/DTA曲線を示す図である。 形態12のTG/DTA曲線を示す図である。 形態13のTG/DTA曲線を示す図である。 形態15のTG/DTA曲線を示す図である。 形態16のTG/DTA曲線を示す図である。 形態17のTG/DTA曲線を示す図である。 形態18のTG/DTA曲線を示す図である。 形態21のTG/DTA曲線を示す図である。 形態22のTG/DTA曲線を示す図である。 形態24のTG/DTA曲線を示す図である。 形態25のTG/DTA曲線を示す図である。 形態26のTG/DTA曲線を示す図である。 形態1のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態2のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態3のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態5のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態6のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態7のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態8のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態9のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態10のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態11のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態12のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態13のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態15のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態16のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態17のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態18のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態19のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態21のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態22のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態23のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態24のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態25のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 形態26のDMSO-d中でのNMRスペクトルを示す図である。 Aは形態14の化合物1ピルビン酸塩のXRPDスペクトルを示す図である。Bは形態14の化合物1ピルビン酸塩のDSC曲線を示す図である。Cは形態14の化合物1ピルビン酸塩のTG/DTAサーモグラムを示す図である。Dは形態14の化合物1ピルビン酸塩のDVS等温曲線を示す図である。Eは形態14の化合物1ピルビン酸塩の、DVS前(上)及びDVS後(下)のXRPDスペクトルを示す図である。Fは形態14の化合物1ピルビン酸塩のFT-IRスペクトルを示す図である。Gは形態14の化合物1ピルビン酸塩のH-NMR(DMSO-d)を示す図である。 同上 同上 同上 同上 Aは形態20の化合物1グルタル酸塩のXRPDスペクトルを示す図である。Bは形態20の化合物1グルタル酸塩のDSC曲線を示す図である。Cは形態20の化合物1グルタル酸塩のTG/DTAサーモグラムを示す図である。Dは形態20の化合物1グルタル酸塩のDVS等温曲線を示す図である。Eは形態20の化合物1グルタル酸塩の、DVS前(上)及びDVS後(下)のXRPDスペクトルを示す図である。Fは形態20の化合物1グルタル酸塩の赤外(IR)スペクトルを示す図である。Gは形態20の化合物1グルタル酸塩のH-NMR(DMSO-d)を示す図である。 同上 同上 同上 同上 Aは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物のXRPDスペクトルを示す図である。Bは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物のDSC曲線を示す図である。Cは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物のTG/DTAサーモグラムを示す図である。Dは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物のDVS等温曲線を示す図である。Eは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物の、DVS前(上)及びDVS後(下)のXRPDスペクトルを示す図である。Fは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物の赤外(IR)スペクトルを示す図である。Gは形態27の化合物1イセチオン酸塩一水和物のH-NMR(DMSO-d)を示す図である。 同上 同上 同上 同上
用語の定義
本明細書に記載の製造プロセスを用いて本発明の組成物を調製することができる。上記製造プロセスにおいて用いられる成分の量及び特徴は本明細書に記載されているとおりとなろう。
本発明の化合物、組成物、方法、及びプロセスを記述する場合、以下の用語は、別段の明示がない限り以下の意味を有する。
用語「溶媒和物」とは、溶質の1または複数の分子、すなわち結晶性化合物1と、溶媒の1または複数の分子によって形成される複合体または凝集体を意味する。かかる溶媒和物は、一般的に、実質的に固定されたモル比の溶質と溶媒とを有する。この用語は、水を含む包接化合物を始めとする包接化合物も包含する。代表的な溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが挙げられる。上記溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
「治療有効量」とは、治療を必要とする対象に投与される場合に、治療を実現するのに十分な量を意味する。「治療有効量」を構成する本発明の化合物の量は、当該化合物、当該疾病状態及びその重篤度、治療を受ける対象の年齢などに応じて変化することとなる。治療有効量は、当業者により、当該当業者自身の知識及び本開示を考慮して、慣用的に決定することができる。したがって、化合物1の「治療有効量」とは、異常な細胞増殖及び血管新生を伴う様々ながんのいずれかに罹患している対象を治療するのに十分な量をいう。本開示に係る治療有効量は、本明細書で議論される疾病状態及び障害の治療または予防に治療上有用な量である。化合物1(本明細書に開示の固体状態を含む)は、WO2005/030140に記載されるようなキナーゼのシグナル伝達を阻害、制御、及び/または調節する治療上の活性を有する。
本明細書で使用する、「治療すること」または「治療」とは、異常な細胞増殖及び浸潤を特徴とするヒトの疾病状態の治療を意味し、(i)ヒトに上記疾病状態が発生することの予防であって、特に、かかるヒトが上記疾病状態に陥りやすいが、未だその状態に陥っていると診断されていない段階での上記予防、(ii)上記疾病状態の阻害、すなわち上記疾病状態の発症の阻止、及び(iii)上記疾病状態の緩和、すなわち上記疾病状態の退縮を生じさせることのうちの少なくとも1を含む。
用語「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたはその他の点で望ましくないものではない物質をいう。例えば、用語「薬学的に許容される担体」とは、望ましくない生物学的影響を生じるまたは当該組成物の他の成分と有害な形態で相互作用することなく、組成物中に導入し対象に投与することができる物質をいう。かかる薬学的に許容される物質は、通常、毒性試験及び製造試験の必要な基準を満たしており、米国食品医薬品局によって適切な不活性成分として特定された物質を含む。
用語「剤形」とは、対象への投与に適した物理的に別個の単位、すなわち、単独でまたは1もしくは複数の更なる単位との組み合わせのいずれかで、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の本発明の化合物を含有する各単位をいう。例えば、かかる単位剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤などであってよい。
本明細書で使用する場合、「非晶質」とは、結晶性ではない固体形態の分子及び/またはイオンをいう。非晶質固体は、鋭い頂点を有する明確なX線回折パターンを示さない。
本明細書で使用する場合、用語「実質的に純粋な」とは、言及される化合物1の固体形態が、かかる固体形態の重量を基準として少なくとも約90重量パーセントを含有することを意味する。用語「少なくとも約90重量パーセント」は、本特許請求の範囲に対する均等論の適用可能性を制限することを意図するものではないが、言及される固体形態の重量を基準として、例えば、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、及び約100重量パーセントを含むが、これらに限定はされない。上記化合物1の固体形態の残余は、化合物1の他の固体形態(複数可)及び/または反応由来の不純物及び/または、例えば当該結晶形態が調製される際に生じる加工由来の不純物を含む場合がある。反応由来の不純物及び/または加工由来の不純物の存在は、例えば、クロマトグラフィー、核磁気共鳴分光分析、質量分光分析、及び/または赤外分光分析などの当技術分野で公知の分析技法によって測定することができる。
本明細書で使用する場合、「結晶性固体」とは、構造単位が固定した幾何学的パターンすなわち格子中に配置され、その結果、結晶性固体が堅固な長距離秩序を有する化合物または組成物をいう。上記結晶構造を構成する上記構造単位は、原子、分子、またはイオンであってよい。結晶性固体は明確な融点を示す。
本明細書で使用する場合、「欧州薬局方分類」は、化合物を吸湿性に基づいて分類するシステムである。上記分類は表2に従って判定される。
化合物の吸湿性は、動的水蒸気吸着(DVS)などの、但しこれらに限定されない、当業者に公知の手法によって判定することができる。
更に、別段の明記がない限り、本明細書に記載される構造は、1または複数の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物を含むことも意図される。例えば、1もしくは複数の水素原子が重水素もしくは三重水素によって置換されているか、または1もしくは複数の炭素原子が13Cもしくは14C濃縮炭素によって置換されている化合物1は本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツール、生物学的アッセイにおけるプローブ、または治療プロファイルが改善された化合物として有用である。
実施形態
一態様において、本発明は、形態1として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6
,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)クエン酸塩一水和物であって、上記結晶性固体が化合物1とシトレートとを1:1のモル比で含む、上記クエン酸塩一水和物を含む。一実施形態において、形態1は、2θスケールで、4.02、9.61、13.35、13.50、15.52、16.45、18.49、20.94、21.29、21.50、21.59、23.85、26.83、及び27.12度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態1は、9.61、13.35、13.50、21.50、23.85、26.83、及び27.12度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態1は、2θスケールで、9.61、13.35、13.50、21.50、23.85、26.83、及び27.12度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態1は、図1のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態1は、表3のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態2として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)マロン酸塩(3.6モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とマロネートとを1:1のモル比で含む、上記マロン酸塩を含む。一実施形態において、形態2は、2θスケールで、6.36、7.97、11.99、12.09、12.75、13.64、17.52、19.58、20.57、21.82、23.43、24.73、24.79、25.01、26.09、26.93、27.36、27.42、及び27.61度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態2は、6.36、7.97、12.75、19.58、20.57、23.43、25.01、26.93、27.36、及び27.42度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態2は、2θスケールで、6.36、7.97、12.75、19.58、20
.57、23.43、25.01、26.93、27.36、及び27.42度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態2は、図1のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態2は、表4のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態3として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)シュウ酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とオキサレートとを1:1のモル比で含む、上記シュウ酸塩を含む。一実施形態において、形態3は、2θスケールで、7.40、9.44、9.78、10.36、12.67、12.97、13.60、14.42、15.87、18.65、19.06、21.21、22.05、22.76、23.07、24.89、及び25.69度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態3は、9.78、10.36、12.97、13.60、23.07、及び25.69度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態3は、2θスケールで、9.78、10.36、12.97、13.60、23.07、及び25.69度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態3は、図1のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態3は、表5のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態4として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)エタンジスルホン酸塩(潮解性)であって、上記結晶性固体が化合物1とエタンジスルホネートとを1:1のモル比で含む、上記エタンジスルホン酸塩を含む。一実施形態において、形態4は、2θスケールで、6.83、8.37、11.67、13.10、13.65、22.09、22.48、22.70、24.66、及び27.19度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態4は、8.37、11.67、13.10、22.48、22.70、24.66、及び27.19度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態4は、2θスケールで、8.37、11.67、13.10、22.48、22.70、24.66、及び27.19度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態4は、図2のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態4は、表6のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態5として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)硫酸塩(3.7モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とサルフェートとを1:1のモル比で含む、上記硫酸塩を含む。一実施形態において、形態5は、2θスケールで、9.56、10.08、13.29、13.86、14.17、22.27、22.60、22.93、25.16、及び27.70度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態5は、8.37、11.67、13.10、22.48、22.70、24.66、及び27.19度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態5は、2θスケールで、9.56、10.08、13.29、13.86、22.60、及び25.16度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態5は、図2のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態5は、表7のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態6として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6
,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)ベシル酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とベシレートとを1:1のモル比で含む、上記ベシル酸塩を含む。一実施形態において、形態6は、2θスケールで、9.77、10.52、13.26、14.34、15.90、15.98、17.93、18.69、19.54、22.83、26.78、及び26.85度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態6は、9.77、10.52、13.26、14.34、15.90、18.69、19.54、22.83、26.78、及び26.85度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態6は、2θスケールで、9.77、10.52、13.26、14.34、15.90、18.69、19.54、22.83、26.78、及び26.85度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態6は、図2のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態6は、表8のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態7として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)エシル酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とエシレートとを1:1のモル比で含む、上記エシル酸塩を含む。一実施形態において、形態7は、2θスケールで、5.18、11.63、14.09、14.79、16.89、19.92、21.05、及び26.46度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態7は、14.79及び19.92度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態7は、2θスケールで、14.79及び19.92度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態7は、図3のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態7は、表9のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態8(遊離塩基)として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)を含む。一実施形態において、形態8は、2θスケールで、6.76、12.35、12.85、18.88、21.01、22.83、23.59、25.10、26.30、27.96、及び28.02度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態8は、12.35、12.85、18.88、21.01、22.83、23.59、25.10、及び26.30度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態8は、2θスケールで、12.35、12.85、18.88、21.01、22.83、23.59、25.10、及び26.30度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態8は、図3のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態7は、表10のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態9として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)メシル酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とメシレートとを1:1のモル比で含む、上記メシル
酸塩を含む。一実施形態において、形態9は、2θスケールで、5.75、11.33、15.57、16.19、16.34、16.76、17.36、17.90、20.87、22.69、及び23.08度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態9は、5.75、15.57、16.19、17.90、20.87、22.69、及び23.08度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態9は、2θスケールで、5.75、15.57、16.19、17.90、20.87、22.69、及び23.08度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態9は、図3のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態9は、表11のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態10として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)トシル酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とトシレートとを1:1のモル比で含む、上記トシル酸塩を含む。一実施形態において、形態10は、2θスケールで、4.77、9.58、14.17、14.26、15.55、15.61、18.20、18.29、19.30、20.12、26.13、26.20、27.11、及び28.99度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態10は、15.55、18.29、19.30、20.12、26.13、及び26.20度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態10は、2θスケールで、15.55、18.29、19.30、20.12、26.13、及び26.20度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態10は、図4のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態10は、表12のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態11として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)硫酸塩(2.4モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とサルフェートとを1:1のモル比で含む、上記硫酸塩を含む。一実施形態において、形態11は、2θスケールで、6.75、9.64、11.06、12.70、13.70、13.92、14.76、21.13、23.58、24.46、24.52、26.66、27.62、及び29.81度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態11は、12.70、13.92、23.58、24.46、24.52、及び26.66度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態11は、2θスケールで、12.70、13.92、23.58、24.46、24.52、及び26.66度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態11は、図4のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態11は、表13のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態12として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)エタンジスルホン酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とエタンジスルホネートとを2:1のモル比で含む、上記エタンジスルホン酸塩を含む。一実施形態において、形態12は、2θスケールで、13.20、13.75、14.56、16.45、16.74、18.07、18.23、20.18、22.28、23.46、24.98、25.69、27.62、及び31.26度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態12は、13.20、13.75、14.56、20.18、22.28、24.98、及び25.69度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態12は、2θスケールで、13.20、13.75、14.56、20.18、22.28、24.98、及び25.69度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態12は、2θスケールで、13.20、14.56、20.18、22.28、24.98、及び25.69度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態12は、図4のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態12は、表14のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態13として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)シュウ酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とオキサレートとを1:1のモル比で含む、上記シュウ酸塩を含む。一実施形態において、形態13は、2θスケールで、12.67、12.86、13.63、20.83、21.28、22.65、23.59、25.89、26.55、及び26.60度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態13は、12.67、13.63、20.83、22.65、23.59、及び26.55度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態13は、2θスケールで、12.67、13.63、20.83、22.65、23.59、及び26.55度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態13は、2θスケールで、12.67、13.63、22.65、23.59、及び26.55度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態13は、図5のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態13は、表15のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態14として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)ピルビン酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とピルベートとを1:1のモル比で含む、上記ピルビン酸塩を含む。一実施形態において、形態14は、2θスケールで、7.84、8.81、11.58、15.67、16.30、16.55、17.67、17.92、18.00、18.20、18.62、19.66、20.54、20.75、23.84、26.35、及び26.42度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態14は、8.81、17.67、23.84、及び26.42度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態14は、2θスケールで、8.81、17.67、23.84、及び26.42度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態14は、2θスケールで、8.81、11.58、17.67、18.00、23.84、及び26.35度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態14は、図5のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態14は、表16のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態15として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)ベシル酸塩(1.4モル当量のテトラヒドロフラン)であって、上記結晶性固体が化合物1とベシレートとを1:1のモル比で含む、上記ベシル酸塩を含む。一実施形態において、形態15は、2θスケールで、5.75、10.42、13.04、15.59、16.47、17.95、18.17、18.85、19.41、20.90、22.50、23.24、及び24.36度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態15は、5.75、10.42、15.59、16.47、及び24.36度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態15は、2θスケールで、5.75、10.42、15.59、16.47、及び24.36度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態15は、2θスケールで、5.75、10.42、15.59、16.47、17.95、18.17、及び24.36度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態15は、図5のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態15は、表17のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態16として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)メシル酸塩二水和物であって、上記結晶性固体が化合物1とメシレートとを1:1のモル比で含む、上記メシル酸塩二水和物を含む。一実施形態において、形態16は、2θスケールで、6.71、9.70、10.76、13.35、13.47、15.67、16.20、18.65、19.09、19.33、21.77、21.87、23.00、23.98、25.25、26.86、及び27.19度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態16は、9.70、13.47、21.77、21.87、23.98、及び26.86度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態16は、2θスケールで、9.70、13.47、21.77、21.87、23.98、及び26.86度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態16は、2θスケールで、9.70、13.35、13.47、19.33、21.77、21.87、23.98、及び26.86度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態16は、図6のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態16は、表18のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態17として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)コハク酸塩(0.4モル当量のアセトニトリル及び0.86モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とサクシネートとを1:0.7のモル比(化合物1対コハク酸塩)で含む、上記コハク酸塩を含む。一実施形態において、形態17は、2θスケールで、5.96、6.74、11.88、12.15、13.69、13.74、16.47、20.43、20.70、22.85、24.69、24.76、及び26.59度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態17は、5.96、6.74、11.88、13.74、20.70、及び24.76度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態17は、2θスケールで、5.96、6.74、11.88、13.74、20.70、及び24.76度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態17は、2θスケールで、6.74、11.88、20.70、24.69、24.76、及び26.59度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態17は、図6のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態17は、表19のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態18として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)エシル酸塩(0.4モル当量のアセトニトリル)であって、上記結晶性固体が化合物1とエシレートとを1:1のモル比で含む、上記エシル酸塩を含む。一実施形態において、形態18は、2θスケールで、9.45、9.86、15.31、16.85、20.83、21.72、22.82、及び24.60度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態18は、9.45、9.86、20.83、及び21.72度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態18は、2θスケールで、9.45、9.86、20.83、及び21.72度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態18は、2θスケールで、9.45、9.86、20.83、21.72、及び24.60度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態18は、図6のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態18は、表20のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態19として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)イセチオン酸塩一水和物であって、上記結晶性固体が化合物1とイセチオネートとを1:1のモル比で含む、上記イセチオン酸塩一水和物を含む。一実施形態において、形態19は、2θスケールで、8.54、11.10、12.22、12.67、14.12、17.19、18.73、22.19、及び24.33度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態19は、8.54、12.67、22.19、及び24.33度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態19は、2θスケールで、8.54、12.67、22.19、及び24.33度のXRPDパ
ターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態19は、2θスケールで、8.54、11.10、12.67、14.12、22.19、及び24.33度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態19は、図7のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態19は、表21のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態20として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)グルタル酸塩(0.59モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とグルタレートとを1:1のモル比で含む、上記グルタル酸塩を含む。一実施形態において、形態20は、2θスケールで、8.06、11.77、19.97、20.21、22.27、23.11、23.17、25.81、25.87、26.00、及び26.06度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態20は、8.06、11.77、20.21、22.27、及び26.06度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態20は、2θスケールで、8.06、11.77、20.21、22.27、及び26.06度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態20は、2θスケールで、8.06、11.77、20.21、22.27、23.11、25.81、25.87、及び26.00度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態20は、図7のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態20は、表22のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態21として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)硫酸塩一水和物であって、上記結晶性固体が化合物1とサルフェートとを1:1のモル比で含む、上記硫酸塩一水和物を含む。一実施形態において、形態21は、2θスケールで、6.61、13.26、13.60、14.67、16.40、17.66、19.96、20.37、20.76、21.09、21.25、及び23.30度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態21は、6.61、13.60、20.37、20.76、21.09、及び23.30度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態21は、2θスケールで、6.61、13.60、20.37、20.76、21.09、及び23.30度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態21は、2θスケールで、13.60、20.37、20.76、21.09、及び23.30度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態21は、図7のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態21は、表23のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態22として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)トシル酸塩(0.8モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とトシレートとを1:1のモル比で含む、上記トシル酸塩を含む。一実施形態において、形態22は、2θスケールで、13.75、14.20、14.77、18.05、19.28、19.88、20.51、22.63、25.41、25.48、及び27.29度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態22は、13.75、14.77、18.05、19.88、22.63、及び25.41度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態22は、2θスケールで、13.75、14.77、18.05、19.88、22.63、及び25.41度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態22は、図8のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態22は、表24のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態23として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)コハク酸塩(0.8モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とサクシネートとを1:0.6のモル比で含む、上記コハク酸塩を含む。一実施形態において、形態23は、2θスケールで、6.35、11.82、12.20、12.47、13.76、17.86、18.04、20.96、21.96、22.96、23.79、24.10、24.96、及び25.59度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態23は、11.82、12.47、22.96、及び24.96度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピ
ークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態23は、2θスケールで、11.82、12.47、22.96、及び24.96度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態23は、2θスケールで、11.82、12.47、17.86、22.96、23.79、及び24.96度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態23は、図8のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態23は、表25のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態24として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)マロン酸塩(無水物)であって、上記結晶性固体が化合物1とマロネートとを1:1のモル比で含む、上記マロン酸塩を含む。一実施形態において、形態24は、2θスケールで、6.77、12.36、12.86、21.02、22.85、23.61、25.12、26.31、28.01、及び30.36度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態24は、12.36、12.86、21.02、22.85、23.61、及び25.12度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態24は、2θスケールで、12.36、12.86、21.02、22.85、23.61、及び25.12度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態24は、図8のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態24は、表26のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態25として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)メシル酸塩(0.3モル当量のアセトニトリル)であって、上記結晶性固体が化合物1とメシレートとを1:1のモル比で含む、上記メシル酸塩を含む。一実施形態において、形態25は、2θスケールで、9.42、9.75、10.72、11.98、15.52、17.71、19.51、19.66、21.65、21.96、22.54、23.35、24.55、及び25.92度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態25は、9.42、9.75、19.66、21.65、22.54、23.35、及び24.55度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態25は、2θスケールで、9.42、9.75、19.66、21.65、22.54、23.35、及び24.55度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態25は、図9のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態25は、表27のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態26として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)グルコン酸塩(2.6モル当量の水)であって、上記結晶性固体が化合物1とグルコネートとを1:1のモル比で含む、上記グルコン酸塩を含む。一実施形態において、形態26は、2θスケールで、10.50、10.59、13.58、13.98、14.05、18.71、21.01、22.59、23.24、24.35、25.38、25.46、26.73、26.88、27.40、及び27.96度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態26は、13.58、13.98、22.59、及び25.46度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態26は、2θスケールで、13.58、13.98、22.59、及び25.46度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態26は、2θスケールで、13.58、13.98、14.05、22.59、25.35、及び25.46度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態26は、図9のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態26は、表28のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
一態様において、本発明は、形態27として特徴付けられる結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)イセチオン酸塩一水和物であって、上記結晶性固体が化合物1とイセチオネートとを1:1のモル比で含む、上記イセチオン酸塩一水和物を含む。一実施形態において、形態27は、2θスケールで、6.56、12.39、12.59、13.14、16.57、17.55、21.68、23.66、24.33、26.09、26.53、26.69、及び27.40度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、形態27は、12.39、12.59、17.55、21.68、23.66、及び26.09度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる。更なる実施形態において、形態27は、2θスケールで、12.39、12.59、17.55、21.68、23.66、及び26.09度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態27は、2θスケールで、12.39、12.59、17.55、21.68、23.66、24.33、及び26.09度のXRPDパターンのピークによって特徴付けられる。なおも更なる実施形態において、形態27は、図9のXRPDパターンによって特徴付けられる。別の更なる実施形態において、形態27は、表29のピーク値を有するXRPDパターンによって特徴付けられる。
別の態様において、本発明は、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の塩の実質的に純粋な結晶性固体形態と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を含む。
更に別の態様において、本発明は、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の塩の結晶性固体形態の混合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を含む。
別の態様において、本発明は、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の塩の結晶性
固体形態を対象に投与することを含む、がんの治療方法を含む。
更に別の態様において、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの治療方法を含む。
本態様の一実施形態において、上記がんは、甲状腺癌、胃癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、大腸癌、小腸癌、脳癌、肺癌、骨癌、前立腺癌、膵臓癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、固形腫瘍、ホジキン病、または非ホジキンリンパ腫から選択される。
更なる実施形態において、上記甲状腺癌は甲状腺髄様癌である。
別の更なる実施形態において、上記腎臓癌は腎細胞癌である。
更なる実施形態において、上記肝臓癌は肝細胞癌である。
更なる実施形態において、上記脳癌は星状細胞腫瘍である。
更なる実施形態において、上記星状細胞腫瘍は、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、及び膠肉腫から選択される。
なおも更なる実施形態において、上記膠芽腫は乏突起膠細胞成分を有する。
一実施形態において、上記肺癌は非小細胞肺癌である。
別の実施形態において、上記前立腺癌は去勢抵抗性前立腺癌である。
別の態様において、本発明は、cMETもしくはRETの過剰発現に起因する制御不能な、異常な、及び/または望ましくない細胞活動に関連する疾患あるいは障害の治療方法であって、治療有効量の少なくとも1種の、本明細書に記載の化合物1の固体形態を、かかる治療を必要とする対象に投与することを含む上記治療方法を含む。
更に別の態様において、本発明は、cMETもしくはRETの過剰発現に起因する制御不能な、異常な、及び/または望ましくない細胞活動に関連する疾患あるいは障害の治療方法であって、治療有効量の本明細書に記載の医薬組成物を、かかる治療を必要とする対象に投与することを含む上記治療方法を含む。
医薬組成物及び治療方法
本開示の別の態様は、本明細書に、上記の態様及び/または実施形態のいずれか、またはそれらの組み合わせで記載される、少なくとも1種の化合物1の結晶性固体形態と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。化合物1の医薬組成物は、例えば、本発明の譲受人に譲渡されたPCT特許公開第WO2005/030140号、第WO2012/009722号、及び第WO2012/109510号に開示されており、上記公開特許のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
上記医薬組成物中の上記結晶性の化合物1の固体形態または複数種のそれらの組み合わせの量は治療有効量であってよい。上記化合物1の結晶性固体形態は、上記医薬組成物中に個々に存在しても、または組み合わせとして存在してもよい。本明細書に開示の結晶性固体形態としては形態1~27が挙げられる。したがって、本開示の別の態様は、本明細書に、上記の態様及び/または実施形態のいずれか、もしくはそれらの組み合わせで記載される、少なくとも1種の、治療有効量の化合物1の固体形態と、薬学的に許容される賦
形剤とを含む固体または分散体の医薬組成物に関する。
本明細書に開示されるものなどの医薬組成物は、活性な結晶性の化合物1の固体形態を含有する任意の医薬形態であってよい。上記医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、懸濁液剤、注射用剤、局所用剤、または経皮用剤でであってよい。上記医薬組成物は一般に、約1重量%~約99重量%の上記活性化合物(複数可)、または上記活性化合物(複数可)の固体形態と、99重量%~1重量%の適宜の医薬賦形剤とを含有する。一例において、上記組成物は、約5重量%~約75重量%の間の活性化合物と、後述の適宜の医薬賦形剤またはその他のアジュバントである残余部となる。
いずれかの特定の対象の治療に要する実際の量は、治療を受けている疾病状態及びその重篤度、用いられる特定の医薬組成物、上記対象の年齢、体重、全般的な健康状態、性別、及び食事、投与形態、投与の時間、投与経路、及び本開示に係る活性化合物(複数可)または上記活性化合物(複数可)の固体形態の排出速度、治療期間、用いられる特定の化合物と併用される、または偶然に同時に用いられるいずれかの薬物、ならびに医学分野で周知のその他のかかる要因を含む種々の要因に依存することとなる。これらの要因は、Goodman and Gilman’s “The Pharmacological
Basis of Therapeutics,” Tenth Edition, A. Gilman, J.Hardman and L. Limbird, eds., McGraw-Hill Press, 155-173, 2001において議論されており、上記文献は参照により本明細書に援用される。本開示に係る活性化合物(複数可)、または活性化合物(複数可)の固体形態、及びそれらを含む医薬組成物は、抗がん剤またはがんの治療を受けている対象に一般的に投与される他の薬剤と併用されてもよい。それらはまた、単一の医薬組成物中に、1種または複数種のかかる薬剤と共に共製剤化されてもよい。
医薬組成物の種類に応じて、上記薬学的に許容される担体は、当技術分野において公知の担体のいずれか1種またはそれらの組み合わせから選択することができる。上記薬学的に許容される担体の選択は、用いられる望ましい投与方法に一部依存する。本開示の医薬組成物、すなわち、本開示の活性化合物(複数可)の1種、または活性化合物(複数可)の固体形態に対して、担体は、それが固体であるかどうかにかかわらず、上記活性化合物(複数可)の上記特定の形態を実質的に維持するように選択される必要がある。換言すれば、上記担体は上記活性化合物(複数可)の形態を実質的に変えてはならない。それだけでなく、上記担体は、いずれかの望ましくない生物学的作用を生じさせる、または他の形態で、当該医薬組成物のいずれかの他の成分(複数可)と有害な形で相互作用することによるなどして、上記活性化合物(複数可)の上記形態と他の形態で不適合であってもならない。
充填剤
上記のように、化合物1を含有する医薬組成物は充填剤を含む。充填剤は、打錠成型用に実用的な大きさを生じさせるために原末を調整するように添加される不活性成分である。充填剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、コーンスターチ、タルク、スクロース、デキストロース、グルコース、ラクトース、キシリトール、フルクトース、ソルビトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムなど、またはそれらの混合物が挙げられる。微結晶セルロースも充填剤として使用することができ、公知であり、錠剤化技術において使用される任意且つ適宜の形態の微結晶セルロースであってよい。ラクトースと微結晶性セルロースとの混合物が充填剤として用いられることが好ましい。一実施形態において、上記ラクトースはLactose 60Mとして販売されている無水ラクトースであり、多くの供給業者からの市販品が容易に入手できる。一実施形態において、上記微結晶性セルロースはAvicel PH-102であり、これも市販されて
いる。
好ましくは、充填剤(複数可)は、直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として、約50~約70重量パーセント、より好ましくは約57~約67重量パーセントの量で存在する。ラクトースは約18~22重量パーセントの量で存在することが好ましい。上記微結晶セルロースは約38~40重量パーセントの量で存在することが好ましい。
結合剤
化合物1を含む医薬組成物は結合剤も含む。粉末に結合剤を添加して該粉末に粘着性を付与し、これにより、打錠成型した錠剤がその完全性を維持することが可能となる。上記結合剤は、アラビアゴム、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、硬化植物油(I型)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリル酸エステル、ポビドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、ゼインなど、またはそれらの混合物などの、錠剤化技術において利用可能な任意の薬学的に許容される結合剤であってよい。
好ましい結合剤は、好ましくは直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として約2~約4重量パーセントの量のヒドロキシプロピルセルロースである。一実施形態において、上記ヒドロキシプロピルセルロースは市販のKlucel EXFである。
崩壊剤
化合物1を含有する医薬組成物は崩壊剤も含む。崩壊剤は、投与後の分解もしくは崩壊を容易にするために添加される物質または物質の混合物である。崩壊剤は、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリアクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプンなど、またはそれらの混合物を含む、錠剤化技術において利用可能な任意の薬学的に許容される崩壊剤であってよい。
好ましい崩壊剤は、直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として、約4~約8重量パーセントの量のクロスカルメロースナトリウムである。一実施形態において、上記クロスカルメロースナトリウムは市販のAc-Di-Solである。
流動化剤
化合物1を含有する医薬組成物は流動化剤も含む。上記流動化剤は、当該配合物の打錠成型性、流動性、及び均一性に寄与し、分離を最小限に抑え、且つ上述の結合剤の放出機構を著しく妨害しない、任意の薬学的に許容される流動化剤であってよい。上記流動化剤は当該配合物の流動性を向上させるように選択されることが好ましい。流動化剤としては、二酸化ケイ素、特にコロイド状二酸化ケイ素が好ましい。
上記流動化剤は、直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として、約0.2~約0.6重量パーセントの量で使用される。より詳細には、二酸化ケイ素、特にコロイド状二酸化ケイ素は、直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として、約0.2~約0.6重量パーセントの量で使用される
滑沢剤
化合物1を含有する医薬組成物は滑沢剤も含む。滑沢剤は、金型及び押棒の表面への錠
剤材料の付着を防止するために用いられる。上記滑沢剤は、当該配合物の均一性に寄与することにより当該粉末の分離を実質的に防止し、良好な流動性を示す、薬学的に許容される任意の滑沢剤であってよい。上記滑沢剤は、錠剤の打錠成型及び金型の凹部からの錠剤の排出を容易にするように機能することが好ましい。かかる滑沢剤は親水性であっても疎水性であってもよく、例としては、ステアリン酸マグネシウム、Lubritab(登録商標)、ステアリン酸、タルク、及び許容される特性もしくは同等の特性を示す、当技術分野で公知のまたはこれから開発される他の滑沢剤、あるいはそれらの混合物が挙げられる。滑沢剤の例としては、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、硬化植物油、軽鉱油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛など、またはそれらの混合物が挙げられる。
上記滑沢剤は、ホッパー中及びダイ内への粉末の流動を促進するように選択する必要がある。ステアリン酸マグネシウムは、当該製剤の他の好ましい賦形剤との組み合わせで優れた特性を示す。ステアリン酸マグネシウムは、打錠成型中の金型壁と錠剤配合物との間の摩擦の低減、ならびに化合物1の錠剤の排出を容易にするのに寄与する。また、押棒及び金型への付着を抑制もする。
上記滑沢剤は、直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として、約0.5~約1.0重量パーセントの量で用いられるステアリン酸マグネシウム(非ウシ)である。
フィルムコーティング剤
化合物1を含有する医薬組成物は任意選択のフィルムコーティング剤も含む。上記フィルムコートの濃度は、直接打錠成型可能な配合物の固形分を基準として約1~約10重量パーセントであってよい。フィルムコーティング剤懸濁液は以下の成分、すなわち、ヒプロメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルナウバワックス、酢酸フタル酸セルロース、セチルアルコール、粉砂糖、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、液体グルコース、マルトデキストリン、メチルセルロース、マイクロクリスタリンワックス、Opadry及びOpadry II、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、シェラック、スクロース、タルク、二酸化チタン、及びゼインの組み合わせを含んでいてもよい。
その他のアジュバント
医薬製剤の技術分野で公知の他の薬学的に許容されるアジュバントも、本開示の医薬組成物に使用することができる。これらのアジュバントとしては、防腐剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味料、香味料、芳香剤、乳化剤、及び分散剤が挙げられるが、これらに限定はされない。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確保することができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含むことも望ましい場合がある。必要に応じて、本開示の医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、及び抗酸化剤、例えばクエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、及びブチル化ヒドロキシトルエンなどの少量の補助物質も含んでいてよい。
本開示の医薬組成物は、医薬製剤の技術分野で公知の方法によって調製することができ、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990)を参照されたい。固体剤形においては、形態1~27のいずれか、またはそれらの組み合わせが、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシ
ウムなどの少なくとも1種の賦形剤、または(a)例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、(b)例えばセルロース誘導体、デンプン、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアラビアゴムなどの結合剤、(c)例えばグリセリンなどの保湿剤、(d)例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)例えばパラフィンなどの溶解遅延剤、(f)例えば第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えばセチルアルコール、及びモノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、(h)例えばカオリン及びベントナイトなどの吸着剤、ならびに(i)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、上記剤形は緩衝剤も含んでいてよい。
場合によっては、上記医薬剤形は固体分散体であってもよい。用語「固体分散体」とは、少なくとも2種の成分を含む固体状態の系であって、1種の成分が他の1種または複数種の成分全体に分散している上記系をいう。例えば、上記固体分散体は非晶質固体分散体であってよい。本明細書では、用語「非晶質固体分散体」とは、非晶質の原薬(化合物1)及び安定化ポリマーを含む安定な固体分散体をいう。「非晶質原薬」とは、上記非晶質固体分散体が実質的に非晶質の固体形態の原薬を含有する、すなわち、上記分散体中の原薬の少なくとも80%が非晶質の形態であることを意味する。より好ましくは、上記分散体中の原薬の少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が非晶質の形態である。用語「安定化ポリマー」とは、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990)に記載されるもののような、固体分散体中の非晶質の原薬を安定化するために用いられる、当業者に公知の任意のポリマーを意味する。
かかる固体分散体の製造プロセスも当業者には利用可能であり、上記プロセスとしては、例えば、噴霧乾燥、溶融押出、凍結乾燥、回転蒸発、ドラム乾燥、または他の溶媒除去プロセスが挙げられる。上記噴霧乾燥プロセスにおいては、原薬と上記安定化ポリマーとを適宜の溶媒中に分散または溶解させて原料溶液を形成し、噴霧器を通して該原料溶液を乾燥室に圧送し、乾燥室中で溶媒を除去して非晶性固体分散体粉末を形成することにより、上記非晶質分散体が形成される。乾燥室では、強制空気、窒素、窒素富化空気、またはアルゴンなどの高温ガスを用いて粒子を乾燥する。上記原料溶液は、二流体超音波処理ノズル及び二流体非超音波処理ノズルなどの当技術分野で周知の従来の手段によって噴霧することができる。
上述の固体剤形は、腸溶性コーティング及び当技術分野で周知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルを伴って調製することができる。それらの剤形は、鎮静剤を含有していてもよく、また、腸管の特定の部分で本活性化合物または複数種の活性化合物を遅延形態で放出する組成物であってもよい。用いることができる包埋される組成物の例は高分子物質及びワックスである。本活性化合物はまた、それが適切な場合には、1種または複数種の上述の賦形剤によりマイクロカプセル化された形態であってもよい。
懸濁液剤は、本活性化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、ヒドロキシアルミニウムオキシド、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、またはこれらの物質の混合物などの懸濁剤を含有していてもよい。
直腸投与用の組成物は、例えば、本活性化合物(複数可)、または本活性化合物(複数
可)の固体形態を、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、もしくは坐剤用ワックスなどの、常温では固体であるが体温においては液体であり、したがって、然るべき体腔内にあっては融解し、その中の活性成分を放出する、適宜の非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製することができる坐剤である。
本開示の医薬組成物にとっては固体剤形が好ましい。カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤を含む経口投与用の固体剤形が特に好ましい。かかる固体剤形においては、本活性化合物(複数可)は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される賦形剤(薬学的に許容される担体としても知られる)と混合される。純粋な形態でのまたは適宜の医薬組成物中での、本活性化合物(複数可)または本活性化合物(複数可)の固体形態の投与は、一般に受け入れられた投与様式または同様の有用性を与える薬剤のいずれかによって実施することができる。したがって、投与は、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟質及び硬質ゼラチンカプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁液剤、及びエアロゾルなどの、固体、半固体、凍結乾燥粉末の形態、または液体剤形、好ましくは正確な投与量の単純な投与に適した単位剤形で、例えば、経口投与、経鼻投与、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与)、局所投与、経皮投与、膣内投与、膀胱内投与、大槽内投与、または経直腸投与で行うことができる。1つの好ましい投与経路は、治療を受ける疾病状態の重篤度に応じて調整することができる利便性のある投与計画を用いる経口投与である。例えば、上記投与計画は経口投与用のカプセル剤または錠剤としてのものであってよい。
当業者であれば、一定量の化合物1を与えるためには、より多くの量の本明細書に記載の塩形態の1つとしての化合物1が存在することを認識するであろう。例えば、化合物1の分子量は501.51であり、化合物1ピルビン酸塩の分子量は589.56である。したがって、100mgの化合物1を与えるためには、117.56mgの化合物1ピルビン酸塩が必要である。117.56mgの化合物1ピルビン酸塩を含有する錠剤の「遊離塩基当量」(fbe)は100mgの化合物1である。化合物1の含有量がより少ないまたはより多い錠剤組成物のためは、比例してより少ないまたはより多い量の化合物1L-リンゴ酸塩が必要である。
別の態様において、本開示は、本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの含有量が100ppm未満である薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの構造は、
である。ヒトに対して投与するための医薬組成物中の、6,7-ジメトキシキノリン-4-オールなどの分解生成物、汚染物質、または副生成物の濃度を最小限に抑えることが望ましい。一実施形態において、本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの含有量が90ppm未満、80ppm未満、70ppm未満、60ppm未満、50ppm未満、40ppm未満、30ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、5ppm未満、または2.5ppm未満である薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの構造は、
である。
別の態様において、本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの含有量が1~100ppm、1~80ppm、1~60ppm、1~40ppm、1~20ppm、1~10ppm、1~5ppm、または1~2.5ppmである薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの構造は、
である。
別の態様において、本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの含有量が0.1~100ppm、0.1~80ppm、0.1~60ppm、0.1~40ppm、0.1~20ppm、0.1~10ppm、0.1~5ppm、0.1~2.5ppm、または0.1~1ppmである薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。6,7-ジメトキシキノリン-4-オールの構造は、
である。
カプセル製剤
一実施形態において、上記投与計画は経口投与用のカプセル製剤としてのものである。
一実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~60重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
30~80重量パーセントの1種または複数種の充填剤と、
1~15重量パーセントの1種または複数種の崩壊剤と、
0.1~1.0重量パーセントの流動化剤と、
0.1~4.0重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~60重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
30~80重量パーセントの1種または複数種の充填剤と、
2~12重量パーセントの1種または複数種の崩壊剤と、
0.1~0.6重量パーセントの流動化剤と、
0.1~3.0重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~15重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
70~80重量パーセントの1種または複数種の充填剤と、
8~12重量パーセントの1種または複数種の崩壊剤と、
0.1~0.4重量パーセントの流動化剤と、
0.1~2.0重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~15重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
70~80重量パーセントの1種または複数種の充填剤と、
9~11重量パーセントの1種または複数種の崩壊剤と、
0.2~0.4重量パーセントの流動化剤と、
0.5~1.5重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
40~60重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
30~50重量パーセントの1種または複数種の充填剤と、
2~12重量パーセントの1種または複数種の崩壊剤と、
0.1~0.6重量パーセントの流動化剤と、
0.1~3.0重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
45~55重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
35~40重量パーセントの1種または複数種の充填剤と、
8~12重量パーセントの1種または複数種の崩壊剤と、
0.2~0.5重量パーセントの流動化剤と、
0.5~2.5重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~60重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
30~80重量パーセントの微結晶セルロースと、
2~7重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
2~7重量パーセントのデンプングリコール酸ナトリウムと、
0.1~1.0重量パーセントのヒュームドシリカと、
0.1~4.0重量パーセントのステアリン酸と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~60重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
30~80重量パーセントの微結晶セルロースと、
3~6重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
3~6重量パーセントのデンプングリコール酸ナトリウムと、
0.1~0.6重量パーセントのヒュームドシリカと、
0.1~3.0重量パーセントステアリン酸と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~15重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
70~80重量パーセントの微結晶セルロースと、
4~6重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
4~6重量パーセントのデンプングリコール酸ナトリウムと、
0.1~0.4重量パーセントのヒュームドシリカと、
0.1~2.0重量パーセントステアリン酸と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
5~15重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
70~80重量パーセントの微結晶セルロースと、
4.5~5.5重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
4.5~5.5重量パーセントのデンプングリコール酸ナトリウムと、
0.2~0.4重量パーセントのヒュームドシリカと、
0.5~1.5重量パーセントステアリン酸と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
40~60重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
30~50重量パーセントの微結晶セルロースと、
2~7重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
2~7重量パーセントのデンプングリコール酸ナトリウムと、
0.1~0.6重量パーセントのヒュームドシリカと、
0.1~3.0重量パーセントステアリン酸と
を含む。
別の実施形態において、上記カプセル製剤は、
45~55重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
35~40重量パーセントの微結晶セルロースと、
3~6重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
3~6重量パーセントのデンプングリコール酸ナトリウムと、
0.2~0.5重量パーセントのヒュームドシリカと、
0.5~2.5重量パーセントステアリン酸と
を含む。
一実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は、5~約200mgの本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は105~200mgの化合物
1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は20~100mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は20~60mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は、20、25、40、50、60、75、80、または100mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は20mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は40mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は60mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示のカプセル剤組成物は80mgの化合物1を含有する。
別の態様において、本開示は表30の医薬用カプセル剤組成物を提供する。
別の態様において、本開示は、表31の医薬用カプセル剤組成物を提供する。
上記カプセル製剤は、当業者が利用可能な方法に従い、当該製剤の成分を配合し且つ混合し、2分割硬質ゼラチンカプセルに充填することにより調製することができる。カプセルシェル成分にはゼラチン及び任意選択で着色剤が含まれる。
錠剤製剤
一実施形態において、上記投与計画は経口投与用の錠剤製剤としてのものである。
一実施形態において、上記錠剤製剤は、
25~40重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
45~75重量パーセントの1種または複数種の希釈剤と、
1~5重量パーセントの結合剤と、
2~10重量パーセントの崩壊剤と、
0.05~1.0重量パーセントの流動化剤と、
0.5~1重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
28~38重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
48~68重量パーセントの1種または複数種の希釈剤と、
1.5~4.5重量パーセントの結合剤と、
3~9重量パーセントの崩壊剤と、
0.1~0.8重量パーセントの流動化剤と、
0.5~1重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
28~38重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
48~68重量パーセントの1種または複数種の希釈剤と、
1.5~4.5重量パーセントの結合剤と、
3~9重量パーセントの崩壊剤と、
0.1~0.8重量パーセントの流動化剤と、
0.5~1重量パーセントの滑沢剤と
を含む。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
30~32重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
50~70重量パーセントの1種または複数種の希釈剤と、
2~4重量パーセントの結合剤と、
4~8重量パーセントの崩壊剤と、
0.2~0.6重量パーセントの流動化剤と、
0.5~1重量パーセントの滑沢剤と
を含み、
上記組成物は、コーティングされている。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
25~40重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
35~45重量パーセントの微結晶セルロースと、
15~25重量パーセントの無水ラクトースと、
1~5重量パーセントのヒドロキシプロピルセルロースと、
2~10重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
0.05~1.0重量パーセントのコロイド状二酸化ケイ素と、
0.5~1重量パーセントのステアリン酸マグネシウムと
を含む。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
28~38重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
36~42重量パーセントの微結晶セルロースと、
18~22重量パーセントの無水ラクトースと、
1.5~4.5重量パーセントのヒドロキシプロピルセルロースと、
3~9重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
0.1~0.8重量パーセントのコロイド状二酸化ケイ素と、
0.5~1重量パーセントのステアリン酸マグネシウムと
を含む。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
28~38重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
37~39重量パーセントの微結晶セルロースと、
18~20重量パーセントの無水ラクトースと、
1.5~4.5重量パーセントのヒドロキシプロピルセルロースと、
3~9重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
0.1~0.8重量パーセントのコロイド状二酸化ケイ素と、
0.5~1重量パーセントのステアリン酸マグネシウムと
を含む。
別の実施形態において、上記錠剤組成物は、
30~32重量パーセントの本明細書に開示される形態の少なくとも1種の化合物1と、
38~39重量パーセントの微結晶セルロースと、
19~20重量パーセントの無水ラクトースと、
2~4重量パーセントのヒドロキシプロピルセルロースと、
4~8重量パーセントのクロスカルメロースナトリウムと、
0.2~0.6重量パーセントのコロイド状二酸化ケイ素と、
0.5~1重量パーセントのステアリン酸マグネシウムと
を含む。
これら及び他の実施形態の上記錠剤組成物はコーティングすることができる。多くのコーティング剤が当業者に公知である。コーティング剤の例は、ヒプロメロース、二酸化チタン、トリアセチン、及び酸化鉄黄色顔料を含有するOPADRY Yellowである。
一実施形態において、本開示の錠剤組成物は、5~約200mgの本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200mgの化合物1を含有する。別の実
施形態において、本開示の錠剤組成物は、105~200mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、20~100mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、20~60mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は、20、25、40、50、60、75、80、または100mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は20mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は40mgの化合物1を含有する。別の実施形態において、本開示の錠剤組成物は60mgの化合物1を含有する。
別の実施形態において、上記1日1回用の錠剤は以下を含む。
別の実施形態において、上記1日1回用の錠剤は以下を含む。
別の実施形態において、上記1日1回用の錠剤またはカプセル剤は以下を含む。
別の実施形態において、上記1日1回用の錠剤またはカプセル剤は以下を含む。
本開示はまた、本明細書に開示される塩の1種としての化合物1を含む錠剤医薬製剤の製造プロセスを対象とする。
一実施形態において、上記錠剤製剤の製造プロセスは、化合物1を1種または複数種の医薬賦形剤と混合することを含む。次いで、この混合物を、結合剤を含有する水溶液にすくい入れて結合剤溶液を形成する。この結合剤溶液を当技術分野で公知の造粒技法を用いて造粒する。例えば、上記造粒方法は、湿式高せん断造粒機を用いた湿式高せん断造粒を含んでいてもよい。次いで、得られた湿潤顆粒を篩にかけ、流動床乾燥などを用いて乾燥する。次いで、乾燥した顆粒を粉砕する。次に、得られた乾燥した粉砕顆粒を流動化剤及び崩壊剤と混合して、顆粒外配合物を形成する。次いで、滑沢剤を上記顆粒外配合物に配合して、最終的な配合物を形成する。続いて、上記最終的な配合物を打錠成型して打錠成型錠剤を形成し、これをフィルムコーティングしてもよい。
より詳細には、上記錠剤製剤の製造プロセスは、賦形剤と混合する前に、必要に応じて
化合物1を脱塊することを含む。脱塊により、製剤プロセス中に化合物1が他の賦形剤と均一に混合されることが確保される。次いで、脱塊した化合物1を、Avicel PH102などの微結晶セルロース、ラクトース(無水、60M)、及びクロスカルメロースナトリウムと混合する。次いで、この混合物を水中でEXFグレードのヒドロキシプロピルセルロースと配合して結合剤溶液を形成し、次いでこれを湿式高せん断造粒する。得られた湿潤顆粒を湿式で篩にかけ、次いで、当業者が利用可能な方法に従って流動床乾燥する。得られた乾燥顆粒を粉砕し、コロイド状二酸化ケイ素及びクロスカルメロースナトリウムと配合する。この混合物にステアリン酸マグネシウムを添加する。この最終的な配合物を打錠成型することができる。続いて、得られた未被覆のコア錠剤をフィルムコーティングする。フィルムコーティング剤は、ヒプロメロース、二酸化チタン、トリアセチン、及び酸化鉄黄色顔料を含むOpadry Yellowを含む。
より詳細には、上記製剤プロセスは、
a)未粉砕の化合物1を脱塊することと、
b)上記脱塊した化合物1をAvicel PH102、無水ラクトース60M、及びクロスカルメロースナトリウムと予備混合して、結合剤溶液を形成することと、
c)上記結合剤溶液を湿式高せん断造粒して、湿潤顆粒を生成させることと、
d)上記湿潤顆粒を湿式で篩にかけ、湿潤篩分け顆粒を生成させることと、
e)上記湿潤篩分け顆粒を流動床乾燥して、乾燥顆粒を生成させることと、
f)上記乾燥顆粒を乾式粉砕して、乾燥粉砕顆粒を生成させることと、
g)上記乾燥粉砕顆粒をコロイド状二酸化ケイ素及びクロスカルメロースと配合して、顆粒外配合物を生成させることと、
h)上記顆粒外配合物とステアリン酸マグネシウムとを滑沢剤配合して、最終的な配合物を生成させることと、
i)上記最終的な配合物を打錠成型して、未被覆のコア錠剤を形成することと、
j)上記未被覆のコア錠剤をフィルムコーティングすることと
を含む。
治療方法
本開示の別の態様は、がんの治療方法であって、いずれかの態様及び/または実施形態、またはそれらの組み合わせで本明細書に記載される化合物1の固体形態の少なくとも1種を、上記方法を必要とする対象に投与することを含む上記治療方法に関する。化合物1を投与することを含む治療方法は、例えば、本発明の譲受人に譲渡されたPCT特許公開第WO2005/030140号、第WO2011/017639号、第WO2012/044572号、第WO2012/044577号、第WO2012/151326号、第WO2013/043840号、第WO2013/070890号、第WO2013/070903号、及び第WO2013/066296号、ならびに米国特許出願公開第US2012/0070368号及び第US2012/0252840号に開示されており、これらの特許文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に援用される。投与される化合物1の固体形態またはその組み合わせの量は治療有効量であってよい。
本開示の別の態様は、RTKの過剰発現、特にcMETもしくはRETの過剰発現に伴う、制御不能な、異常な、及び/または望ましくない細胞活動に関連する疾患あるいは障害の治療方法であって、治療有効量の少なくとも1種の、上述のものなどの、いずれかの態様及び/または実施形態、またはそれらの組み合わせで本明細書に記載される化合物1の固体形態を、かかる治療を必要とする対象に投与することを含む上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、上述の疾患または障害を治療するための薬剤の製造の上記の実施形態のいずれかに係る、固体の化合物1の使用に関する。溶解すると、本開示に係る固体
形態または非晶質形態はその固体状態の構造を失い、したがって、例えば化合物1の溶液と呼ばれる。本明細書に開示される少なくとも1種の固体形態は、本開示に係る少なくとも1種の固体形態が溶解及び/または懸濁した少なくとも1種の液体製剤を調製するために用いることができる。
別の態様において、本発明は、1種もしくは複数種の形態1~27を含む医薬剤形、または1種もしくは複数種の形態1~27と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を投与することを含む、がんの治療方法を対象とする。
この態様の一実施形態において、本発明は、がんの治療方法であって、1種もしくは複数種の形態1~27としての化合物1、本明細書に記載の医薬剤形として含む医薬剤形を、かかる治療を必要とする患者に投与することを含む上記治療方法に関する。いくつかの実施形態において、上記剤形は、錠剤またはカプセル剤として1日1回空腹時に経口投与される。いくつかの実施形態において、1種もしくは複数種の形態1~27、または1種もしくは複数種の形態1~27を含む医薬組成物が錠剤として投与される。他の実施形態において、1種もしくは複数種の形態1~27、または1種もしくは複数種の形態1~27を含む医薬組成物がカプセル剤として投与される。
上記で提供される錠剤またはカプセル製剤のいずれもが、所望の化合物1の用量に従って調整することができる。したがって、上記製剤の各成分の量を比例させて調整し、前の段落で提供された、種々の量の化合物1を含有する錠剤製剤を提供することができる。別の実施形態において、上記製剤は、20、40、60、もしくは80mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27を含有することができる。
この方法においては、本明細書に記載の1種または複数種の形態1~27の化合物1の所望の投与量は、必要に応じて錠剤またはカプセル剤の組み合わせを用いて得ることができる。例えば、20mgの目標用量を得るには、1錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤またはカプセル剤の投与を要することとなる。100mgの遊離塩基当量の目標用量を得るには、1錠の80mgの遊離塩基当量の錠剤またはカプセル剤と1錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤またはカプセル剤の投与を要することとなる。80mgの遊離塩基当量の目標用量を得るには、1錠の80mgの遊離塩基当量の錠剤またはカプセル剤の投与を要することとなる。60mgの遊離塩基当量の目標用量を得るには、3錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤またはカプセル剤の投与を要することとなる。
この方法の別の実施形態において、60mgの遊離塩基当量の化合物1が、治療を必要とするがんの患者に1日1回投与される。60mgの遊離塩基当量の化合物1の用量を得るためには、患者に3錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤が投与される。上記3錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤は、同時にまたは逐次的に服用することができる。更なる実施形態において、化合物1は、投与の約2時間前及び投与後1時間の間、絶食(すなわち食事なし)で経口投与される。化合物1は、好ましくはコップ1杯の水(約8オンス/240mL)と共に投与される。
この方法の別の実施形態において、40mgの遊離塩基当量の化合物1が、治療を必要とするがんの患者に1日1回投与される。40mgの遊離塩基当量の化合物1の用量を得るためには、患者に2錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤が投与される。上記2錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤は、同時にまたは逐次的に服用することができる。更なる実施形態において、本明細書に開示される結晶性固体形態の1種(すなわち1種または複数種
の形態1~27)としての化合物1は、投与の約2時間前及び投与後1時間の間、絶食(すなわち食事なし)で経口投与される。化合物1は、好ましくはコップ1杯の水(約8オンス/240mL)と共に投与される。
この方法の別の実施形態において、20mgの遊離塩基当量の化合物1が、治療を必要とするがんの患者に1日1回投与される。20mgの遊離塩基当量の化合物1の用量を得るためには、患者に1錠の20mgの遊離塩基当量の錠剤が投与される。更なる実施形態において、化合物1は、投与の約2時間前及び投与後1時間の間、絶食(すなわち食事なし)で経口投与される。化合物1は、好ましくはコップ1杯の水(約8オンス/240mL)と共に投与される。
別の実施形態において、上記方法は、錠剤またはカプセル剤として1日1回、1種または複数種の形態1~27を経口投与することを含む。
別の実施形態において、上記方法は、以下の表に与えられるカプセル剤として1日1回、1種または複数種の形態1~27を経口投与することを含む。
別の実施形態において、上記方法は、以下の表に与えられる錠剤として1日1回、1種または複数種の形態1~27を経口投与することを含む。
別の実施形態において、上記方法は、以下の表に与えられる錠剤として1日1回、1種
または複数種の形態1~27を経口投与することを含む。
別の実施形態において、上記方法は、以下の表に与えられる錠剤として1日1回、1種
または複数種の形態1~27を経口投与することを含む。
別の実施形態において、上記方法は、以下の表に与えられる錠剤として1日1回、1種
または複数種の形態1~27を経口投与することを含む。
「がん」とは、細胞増殖性疾病状態をいい、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺
腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫(Chondromatous hamartoma)、中皮腫(inesothelioma);消化管:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管状腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[新芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(網状細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨筋線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫)[松果体]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、前癌子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌腫]、顆粒膜鞘細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、房状肉腫(胚性横紋筋肉腫)、卵管(癌);血液学:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、ならびに副腎:神経芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定はされない。したがって、本明細書における用語「がん細胞」としては、上記で特定した疾病のいずれか1種に侵された細胞が挙げられる。
一実施形態において、治療を受けるがんは、胃癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、子宮頸癌、大腸癌、小腸癌、脳癌(星状細胞腫瘍を含み、星状細胞腫瘍は膠芽腫、巨細胞膠芽腫、膠肉腫、及び乏突起膠細胞成分を含む膠芽腫を含む)、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、骨癌、前立腺癌、膵臓癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、固形腫瘍、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、または甲状腺癌(甲状腺髄様癌を含む)から選択される。より詳細には、上記がんは、膵臓癌、肝細胞癌(HCC)、腎細胞癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、胃または胃食道接合部癌、黒色腫、小細胞肺癌(SCLC)、卵巣癌、原発腹膜または卵管癌、エストロゲン受容体陽性乳癌、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体/HER2陰性(トリプルネガティブ)乳癌、(受容体の状態を問わない)炎症性乳癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、または甲状腺髄様癌である。
本開示の別の態様は、星状細胞腫瘍(膠芽腫、巨細胞膠芽腫、神経膠肉腫、及びオリゴデンドログリア成分を含む神経膠芽腫を含む)の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、甲状腺癌(甲状腺髄様癌を含む)の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、肝細胞癌の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、腎細胞癌の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、去勢抵抗性前立腺癌の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。投与される量は治療有効量であってよい。
本開示の別の態様は、乳癌の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、卵巣癌の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、膀胱癌の治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。
本開示の別の態様は、制御不能な、異常な、及び/または望ましくない細胞活動に関連する疾患または障害の治療方法に関する。上記方法は、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、上記治療を必要とする対象に投与することを含む。
一実施形態において、上記がんは甲状腺癌である。
より詳細には、上記甲状腺癌は甲状腺髄様癌である。
一実施形態において、上記がんは肝臓癌である。
より詳細には、上記肝臓癌は、肝細胞癌、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、または血腫である。
一実施形態において、上記がんは消化管癌である。
より詳細には、上記消化管癌は、扁平上皮癌、腺癌、もしくは平滑筋肉腫である食道の癌;癌腫もしくはリンパ腫である胃の癌;管状腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍である膵臓の癌;腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血腫、脂肪腫である小腸の癌;または腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、もしくは平滑筋腫である大腸の癌である。
一実施形態において、上記がんは膵臓の癌である。
より詳細には、上記膵臓の癌は、管状腺癌、インスリノーマ、グカゴノーマ、ガストリ
ノーマ、カルチノイド腫瘍、またはVIP産生腫瘍である。
別の実施形態において、上記がんは膀胱癌である。更なる実施形態において、上記膀胱癌は、扁平上皮癌、移行上皮癌、または腺癌である。
一実施形態において、上記がんは骨癌である。
より詳細には、上記骨癌は、骨肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性網状細胞肉腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨性外骨腫、軟骨芽腫、軟骨筋線維腫、または類骨骨腫である。
一実施形態において、上記がんは血液癌である。
より詳細には、上記血液癌は、骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、または骨髄異形成症候群である。
一実施形態において、上記がんは皮膚癌である。
より詳細には、上記皮膚癌は、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、またはカポジ肉腫である。
一実施形態において、上記がんは腎癌である。
より詳細には、上記腎癌は腎腫瘍である。
一実施形態において、上記がんは乳癌である。
より詳細には、上記乳癌は乳房腫瘍である。
一実施形態において、上記がんは結腸癌である。
より詳細には、上記結腸癌は結腸癌腫瘍である。
一実施形態において、上記がんは卵管癌である。
より詳細には、上記卵管癌は卵管癌種である。
一実施形態において、上記がんは卵巣癌である。
より詳細には、上記卵巣癌は、卵巣癌腫[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌腫]、顆粒膜鞘細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、または黒色腫である。
別の実施形態において、上記がんは前立腺癌である。
より詳細には、上記前立腺癌は腺癌または肉腫である。
別の実施形態において、上記前立腺癌は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)である。
別の実施形態において、上記がんは肺癌である。
より詳細には、上記肺癌は、気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫(Chondromatous hanlartoma)、またはinesothelioma中皮腫である。
本開示の別の態様は、がんの治療方法であって、治療有効量の、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1を、任意選択で別の薬剤との併用で、上記治療を必要とする対象に投与することを含む、上記治療方法に関する。上記治療方法は、本明細書に記載されるように薬学的に製剤化された、本明細書に記載の形態の少なくとも1種の化合物1の錠剤製剤を投与することによって実施してもよい。
薬学的に許容される塩としての上記化合物の上記剤形の抗腫瘍効果は、当業者が利用可能な血清学的方法及び/またはX線画像診断法を用いて測定される。血清学的方法の場合、がんバイオマーカーの相対濃度を、1種または複数種の形態1~27の投与の前後に測定する。肯定的な奏効とは、治療後の当該バイオマーカーの血清学的濃度が、治療前の上記濃度と比較して低いことを意味する。
血清学的完全奏効:少なくとも4週間の間隔を空けた2回の連続した測定で測定されたマーカーレベルが0.2ng/mL未満。
血清学的部分奏効(PR):少なくとも2週間の間隔を空けた2回の連続した測定で、試験前のレベルを基準としたマーカー値の低下が50%以上。
安定疾患:奏効(CRもしくはPR)または血清学的増悪の判定基準を満たしていない患者。
血清学的増悪(PD):治療開始後に記録された最低のマーカーレベルを基準として、マーカーレベルが最低値の50%を超える増加を示す場合、血清学的増悪が認められる。少なくとも2週間の間隔を空けて得られた各測定値について、2回の連続した増加が記録される必要がある。場合によっては、中間的な変動値が見られる場合がある。the Recommendations of Cancer Clinical Trials
Working Groupによれば、上記中間値が以前の最低値を下回らない限り、これによって評価期間を新たに開始し直すことはない。これらの血清学的奏効レベルは、対象とするバイオマーカーに基づいて、必要に応じて変更することができる。
一実施形態において、上記剤形で治療を受けている患者において、血清学的完全奏効が認められる。別の実施形態において、上記剤形で治療を受けている患者において、血清学的部分奏効が認められる。更なる実施形態において、上記剤形で治療を受けている患者において、安定疾患が認められる。
X線画像診断法に関しては、X線画像診断に基づく疾患の増悪は、軟組織疾患についてはRECIST 1.1、または骨スキャンでの2以上の新たな骨病変の出現によって定義される。治療開始後の最初の予定された再評価において明確な症候性の悪化がない場合には、増悪を確認するためのその後の時点でのスキャンが必要である。テクネチウム骨スキャン及びCTスキャンを含む、当業者が利用可能な標準的な画像診断手法を用いて、X線画像診断の結果を評価することができる。NaF及びFDG-PETなどの他のX線画像診断を用いても、X線画像診断の結果を評価することができる。
前述のように、投与される1種または複数種の形態1~27の遊離塩基当量としての量は、有害な事象を回避するために調整することができる。例えば、一実施形態において、60mgを超える投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27を含む医薬剤形が投与される。
別の実施形態において、80mg~160mgの間の投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、70mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、80mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、90mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、100mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、110mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、120mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、130mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、140mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、150mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、160mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、140mgまたは100mgの遊離塩基当量の投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、60mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、40mgを超える投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27を含む医薬剤形が投与される。
別の実施形態において、60mg~160mgの間の投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、50mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、60mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、70mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、80mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、90mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、100mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、110mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、120mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、130mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、140mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、150mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、160mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、140mg、100mg、または60mgの遊離塩基当量の投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、40mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、60mgを超える投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27を含む医薬剤形が投与される。
別の実施形態において、40mg~160mgの間の投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、30mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者
には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、40mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、50mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、60mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、70mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、80mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、90mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、100mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、110mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、120mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、130mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、140mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、150mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、160mgの投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
別の実施形態において、140mg、100mg、60mg、または40mgの遊離塩基当量の投与量で1種または複数種の有害事象が生じた患者には、20mgの遊離塩基当量の1種または複数種の形態1~27が投与される。
いくつかの実施形態において、上記有害事象は、下痢、口内炎、手掌足底紅斑症候群(PPES)、体重減少、食欲減退、悪心、疲労、口腔痛、毛髪色の変化、味覚異常、高血圧、腹痛、便秘、AST増加、ALT増加、リンパ球減少、アルカリホスファターゼの上昇、低カルシウム血症、好中球減少、血小板減少、低リン血症、高ビリルビン血症、穿孔、瘻孔、出血、血栓塞栓性事象、創傷合併症、顎骨壊死、タンパク尿、可逆性後白質脳症
症候群(RPLS)、及び胚胎児毒性の1種または複数種である。
いくつかの実施形態において、上記有害事象はグレード1である。いくつかの実施形態において、上記有害事象はグレード2である。いくつかの実施形態において、上記有害事象はグレード3である。いくつかの実施形態において、上記有害事象はグレード4である。いくつかの実施形態において、上記有害事象はグレード5である。
一実施形態において、グレード4の有害事象が生じた患者の治療は一時的に中断される。別の実施形態において、グレード4の有害事象の解決または改善の際には、化合物1の投与は同一または削減した投与量で再開される。いくつかの実施形態において、グレード4の有害事象の解決または改善とは、ベースラインに復帰することを意味する。他の実施形態において、グレード4の有害事象の解決または改善とは、グレード1の有害事象の解決を意味する。
一実施形態において、グレード3の有害事象が生じた患者の治療は一時的に中断される。別の実施形態において、グレード3の有害事象の解決または改善の際には、化合物1の投与は同一または削減した投与量で再開される。いくつかの実施形態において、グレード3の有害事象の解決または改善とは、ベースラインに復帰することを意味する。他の実施形態において、グレード4の有害事象の解決または改善とは、グレード1の有害事象の解決を意味する。
一実施形態において、グレード2の有害事象が生じた患者の治療は一時的に中断される。別の実施形態において、グレード2の有害事象の解決または改善の際には、化合物1の投与は同一または削減した投与量で再開される。いくつかの実施形態において、グレード2の有害事象の解決または改善とは、ベースラインに復帰することを意味する。他の実施形態において、グレード2の有害事象の解決または改善とは、グレード1の有害事象の解決を意味する。
一実施形態において、グレード1の有害事象が生じた患者の治療は一時的に中断される。別の実施形態において、グレード1の有害事象の解決または改善の際には、化合物1の投与は同一または削減した投与量で再開される。いくつかの実施形態において、グレード1の有害事象の解決または改善とは、ベースラインに復帰することを意味する。
いくつかの実施形態において、上記用量は、1種または複数種の有害事象の結果としての1回目の低減に続いて1回または複数回更に低減される。一実施形態において、上記用量は1回目に低減される。別の実施形態において、上記用量は1回目及び2回目に低減される。別の実施形態において、上記用量は1回目、2回目、及び3回目に低減される。
結晶性固体形態1~27を調製するための一般的な調製方法
結晶性固体形態は、例えば、適宜の溶媒混合物からの結晶化または再結晶化;昇華;溶融体からの成長;別の相からの固体状態の変態;超臨界流体からの結晶化;及びジェット噴霧を含む、但しこれらに限定されない種々の方法によって製造することができる。溶媒混合物の結晶性固体形態の結晶化または再結晶化のための技法としては、例えば、当該溶媒の蒸発;当該溶媒混合物の温度の降下;上記化合物及び/またはその塩の過飽和溶媒混合物の結晶の種付け;上記化合物及び/またはその塩の過飽和溶媒混合物の結晶の種付け;上記溶媒混合物の凍結乾燥;ならびに上記溶剤混合物への貧溶媒(カウンターソルベント)の添加が挙げられるが、これらに限定はされない。高処理速度結晶化技法を用いて、多形体を含む結晶性固体形態を調製することができる。
多形体を含む薬物の結晶、薬物結晶の調製方法、及び薬物結晶のキャラクタリゼーショ
ンは、Solid-State Chemistry of Drugs, S.R. Byrn, R.R. Pfeiffer, and J.G. Stowell, 2nd Edition, SSCI, West Lafayette, Indiana (1999)において議論されている。
溶媒を用いる結晶化技法において、上記溶媒(複数可)は一般に、例えば当該化合物の溶解度、利用される結晶化技術、及び当該溶媒の蒸気圧を含む、但しこれらに限定されない1または複数の因子に基づいて選択される。溶媒の組み合わせを用いてもよい。例えば、上記化合物を第1の溶媒に可溶化して溶液を得て、次いでこの溶液に貧溶媒を添加し、該溶液中での化合物1の溶解度を低下させ、結晶の形成を沈殿させてもよい。貧溶媒とは、当該溶媒中での化合物の溶解度が低い溶媒である。
結晶の調製に用いることができる1つの方法において、化合物1を適宜の溶媒に懸濁及び/または撹拌してスラリーを得て、該スラリーを加熱して溶解を促進してもよい。本明細書では、用語「スラリー」とは、上記化合物の飽和溶液であって、余分な量の化合物を含有し、所与の温度で化合物と溶媒との不均一な混合物を与えるような溶液を意味する。
結晶化を促進するために、いずれの結晶化混合物にも種結晶を加えてよい。特定の多形の成長を制御するため、及び/または固体生成物の粒子径分布を制御するために種付けを用いてもよい。したがって、必要な種の量の計算は、例えば“Programmed Cooling Batch Crystallizers,” J.W. Mullin
and J. Nyvlt, Chemical Engineering Science, 1971, 26, 3690377に記載されるように、利用可能な種の径及び平均的な生成粒子の所望の径に依存する。一般に、バッチ内の結晶の成長を効果的に制御するには、小さな径の種が必要である。小さな径の結晶粒は、大きな結晶を篩にかける、粉砕する、もしくは微粉化することによって、または溶液を微結晶化することによって生じさせることができる。結晶の粉砕または微粉化においては、結晶化度を所望の固体形態から変化させる(すなわち、非晶質または他の多形形態に変化させる)ことを回避するように注意を払う必要がある。
冷却された結晶化混合物を真空下でろ過し、単離された固体生成物を例えば低温の再結晶溶媒などの適宜の溶媒で洗浄してもよい。洗浄後に、生成物を窒素パージ下で乾燥し、所望の固体形態を得ることができる。上記生成物を、例えば示差走査熱量測定(DSC)、粉末X線回折(XRPD)、及び熱重量分析(TGA)を含む、但しこれらに限定されない適宜の分光分析技法または分析技法によって分析し、上記化合物の固体形態が形成されていることを確認してもよい。得られる固体形態は、当該結晶化操作において開始時に用いる化合物の重量を基準として、約70重量パーセントの単離収率、好ましくは約90重量パーセントの単離収率を超える量で生成することができる。任意選択で、上記生成物を共粉砕するまたはメッシュスクリーンを通過させることにより脱塊してもよい。
本開示の特徴及び利点は、当業者であれば以下の詳細な説明を読むことで容易に理解することができる。明確化することを目的として別個の実施形態の文脈で上述及び後述される本発明の特定の特徴を組み合わせて、単一の実施形態を形成してもよいことを理解されたい。逆に、簡潔にすることを目的として単一の実施形態の文脈で記載される本開示の種々の特徴を、それらの部分的組み合わせを形成するように組み合わせてもよい。本開示を以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例は、本開示の範囲または趣旨をこれらの実施例中に記載される特定の手順に限定するものとして解釈されるべきものではない。
実験技法
粉末X線回折(XRPD)
CuX線管球及びPixcel検出器システムを備えたPanalytical Xpert Pro回折計を用いてXRPD分析を実施した。等温試料を透過モードで分析し、低密度ポリエチレンフィルムで挟持した。AlmacデフォルトXRPDプログラムを用いた(範囲3~40°の2θ、ステップサイズ0.013°、カウント時間99秒、約22分の測定時間)。XRPDパターンは、HighScore Plus 2.2cソフトウェアを用い、ソート及び操作した。
示差走査熱量測定(DSC)
PerkinElmer Jade示差走査熱量計上でDSC分析を実施した。精秤した試料をクリンプアルミニウムパン中に載置した。各試料を窒素下、10℃/分の速度で最大300℃まで加熱した。インジウム金属を較正標準試料として用いた。転移の開始点における温度を直近の0.01度まで報告した。この報告中のDSC曲線には、融解のDHを算出する自動化ピーク積分が含まれている場合があることに留意されたい。同様の温度において複数の熱事象が観測される場合、これらのDH値は顕著な誤差を生じやすい傾向がある。
熱重量分析/示差熱分析(TG/DTA)
Mettler Toledo TG/DTA/DSC l STARe上で熱重量分析を実施した。較正標準試料はインジウム及びスズであった。試料をアルミニウム製試料パン中に載置し、TG炉に挿入し、精秤した。30℃で1分間熱流信号を安定化させ、その後窒素気流中、10℃/分の速度で300℃まで加熱した。
動的水蒸気吸着(DVS)
Hiden Analytical Instruments IGAsorp水蒸気吸着天秤を用いて動的水蒸気吸着(DVS)を実施した。約30mgの試料を金網製の水蒸気吸着天秤パン中に載置し、IGAsorp水蒸気吸着天秤に装填し、25℃±0.1℃で保持した。上記試料を10%刻みで0%RHから90%RHまでの段階的プロファイルに供し、その後10%刻みで80%RHから0%RHまで脱着させた。平衡に到達したかの判断基準は、刻み毎に最短60分且つ最長5時間以内でステップの99.0%に到達することと設定した。上記吸着サイクル中の重量変化を監視し、試料の吸湿性を測定できるようにした。データ採取間隔は秒単位とした。
H核磁気共鳴分光分析(NMR)
NMR分析を、d-DMSOまたはCDCl中、Bruker 400MHzまたは500MHzの装置上で実施した。装置パラメータは、関連するスペクトル図上に掲載する。
偏光顕微鏡
Olympus BX51の装置上で顕微鏡分析を実施した。偏光光源を用い、対物レンズ倍率10倍で化合物1の顕微鏡写真を得た。
HPLC
水溶液の平衡溶解度を測定するために用いたHPLC法の概要を表32に示す。化合物1の保持時間は、通常19.1±0.2分であり、実験試料の分析中に新たなピークは検出されなかった。
FT-IR分光分析
Golden Gate ATRを備えたThermonicolet Avatar
370 FT-IR分光計上でFT-IR分光分析を実施した。GRAMS AI v8.0ソフトウェアを用いてスペクトルを処理した。
材料及び試薬
上記塩/共結晶スクリーニングで用いられる上記酸及び共結晶形成剤としては、鉱酸、スルホン酸、及びカルボン酸が挙げられる。イセチオン酸はナトリウム塩として供給され、その後、イオン交換クロマトグラフィーによって遊離酸の形態に遊離させた。
実験例
化合物1及びその様々な多形形態の合成は、米国特許出願第15/118,738号に開示され、その全ての内容が参照により本明細書に援用される。
例1:対応するナトリウム塩からのイセチオン酸の調製
イセチオン酸をそのナトリウム塩からイオン交換クロマトグラフィーにより調製した。イセチオン酸ナトリウム塩(105.5mg)の水(5mL)溶液を洗浄した樹脂(2.5g)に添加し、この混合物を周囲温度で4日間撹拌した。この混合物をろ過し、樹脂を水(約4mL)で洗浄した。ろ液を10mLのメスフラスコに加え、標線まで水で満たし
、約0.07Mのイセチオン酸溶液を得た。
例2:スクリーニング方法
スクリーニング実験を、約40mgのスケールで、1:1の化学量論及び0.5:1の化学量論(API:酸)において実施した。沈殿、スラリー、超音波処理、蒸発を含む広範な塩形成方法を実施した。
例3:原液の調製
化合物1(1.28g)を50mLのメスフラスコに加え、THF/水(80:20)を標線まで添加して0.052M溶液を形成した。これを確実に溶解するために、水浴中で超音波処理した。これとは別に、化合物1(1.5g)を150mLのメスフラスコに加え、アセトンを標線まで添加して0.02M溶液を形成した。
酸溶液を表33に記載のように調製した。スルホン酸溶液は、当該スルホン酸がMeOHと反応することへの懸念から、直接添加した(表34)。
例4:THF/水(80:20)中での沈殿実験
各HPLCバイアルに酸溶液(1.05当量)を加え、蒸発乾固させた。スルホン酸及び液体コフォーマーの場合、これらをバイアルに直接添加した。化合物1のTHF/水溶液(1.6mL、1当量)を各バイアルに添加し、これらの溶液を周囲温度で16時間撹拌した。沈殿したいずれの固体も遠心分離により分離し、溶媒をデカントし、固体をろ紙で乾燥した後にXRPD分析を行った。溶液として残った試料はキャップをせずに蒸発させ、固体をXRPDで分析した。
乱れたXRPDパターンを生じた固体は、THF(50℃)、EtOH(60℃)、またはTHF/EtOHの混合液(50℃)中でスラリー化した(表35を参照のこと)。これらのスラリーを最初に高温(1時間)で実施し、次いでゆっくりと周囲温度まで冷却し、周囲温度で16時間スラリー化した。
例5:アセトン/THF(97:3)中での沈殿実験
酸/コフォーマー(1.05当量)、THF(100μL)、及び化合物1(1当量)のアセトン溶液(0.02M、4mL)を各HPLCバイアルに加え、これらの混合物を約1時間撹拌し、且つ50℃で加熱した。これらを放冷し、周囲温度で16~18時間撹拌した。沈殿物を形成した場合には、固体を遠心分離により分離し、溶媒をデカントし、固体をろ紙で乾燥した後にXRPD分析を行った。溶液を形成した反応混合物はキャップをせずに約1.5mLまで蒸発させた。固体をXRPDで分析した。固体を上述のようにして単離した(表36を参照のこと)。溶液として残ったいずれの試料もキャップをせず蒸発させ、いずれの固体もXRPDによって分析した。
例6:アセトン/THF(97:3)中での沈殿実験
酸/コフォーマー(1.05当量)、THF(100μL)、及び化合物1(1当量)のアセトン溶液(0.02M、4mL)を各HPLCバイアルに加え、これらの混合物を約1時間撹拌し、且つ50℃で加熱した。これらを放冷し、周囲温度で16~18時間撹拌した。沈殿物を形成した場合には、固体を遠心分離により分離し、溶媒をデカントし、固体をろ紙で乾燥した後にXRPD分析を行った。溶液を形成した反応混合物はキャップをせずに約1.5mLまで蒸発させた。固体をXRPDで分析した。固体を上述のようにして単離した(表36を参照のこと)。溶液として残ったいずれの試料もキャップをせず蒸発させ、いずれの固体もXRPDによって分析した。
例7:0.5当量の酸を用いたスラリー実験
酸(0.5当量)をバイアルに仕込み、100μLのTHFを加えた。化合物1のアセトン中の懸濁液(4mL、10mg/mL)を添加し、この懸濁液を撹拌した。このバイ
アルを開放したままにし、溶媒を約半分の容量まで蒸発させて、生成物の収率を高めた。これらの懸濁液を周囲温度で5日間撹拌し、次いでこれらを遠心分離し、溶媒をデカントした。固体を短冊状のろ紙で乾燥した後に、XRPDによって分析した。
例8:液体の酸を用いて実施した実験
化合物1(約40mg)をHPLCバイアルに仕込み、酸(1モル当量)、アセトニトリル(100~200μL)を添加し、これらのスラリーを周囲温度で16時間撹拌した。これらのスラリーをサンプリングし、固体をXRPDによって分析した。
例9:ペーストの超音波処理
酸溶液(1当量)をバイアルに加え、蒸発乾固させた。スルホン酸、液体コフォーマー、及び4-ヒドロキシ安息香酸はバイアルに直接加えた。化合物1(約40mg、1当量)及び200μLの溶媒(アセトニトリルまたはアセトニトリル/HO(87:13))を添加し、Cole-Parmer 130W超音波処理装置を用い、30%の強度で超音波処理した(3×30秒)。これらの実験から回収された全ての固体をXRPDによって分析した。
例10:湿度ストレス実験
化合物1の塩を個々のバイアル中で精秤した。これらのバイアルを、40℃の塩化ナトリウム飽和溶液の入ったバイアル中(相対湿度75%)に密封せずに載置した。上記塩を5~7日間保存した後、潮解について目視検査を実施した。これらのバイアルを再度重量測定して、重量増加/減少率を評価し、固体をXRPDによって分析した。
例11:脱溶媒和実験
上記TG/DTA上で、当該の物質を脱溶媒和温度よりもわずかに高い温度に加熱し、脱溶媒が完結するまで該物質をその温度で15分間保持することによって上記実験を実施した。これらの試料をXRPDによって分析した。
例12:HPLCによる溶解度の測定
約5mgの各塩を蒸留水(1mL)と共にバイアルに加えた。これらを周囲温度(約25℃)で24時間撹拌した。この溶液を、0.2μmのPTFEフィルターを通して分離し、HPLCにより濃度を分析した。pH試験紙によりこの溶液のpHを確認した。
例13:化合物1ピルビン酸塩(形態14)の調製
種付けあり
化合物1(1000mg)及びアセトン(80mL)をフラスコに加え、35℃で撹拌して薄い白色の懸濁液を形成した(化合物1のほとんど全てが溶解した)。ピルビン酸(184mg、1.05当量)のTHF(10mL)溶液を添加した。これを更なる5mLのTHFで洗浄した。透明な溶液が形成され、これを周囲温度で撹拌した。これに形態14の物質を種付けし、18時間撹拌した。得られた懸濁液を約40mLまで蒸発させ、更に18時間撹拌して収率を最大化させた。ろ過により固体を収取し、焼結物上で約30分間乾燥して、生成物を白色固体として得た(671mg、収率57%)。
種付けなし
化合物1(100mg)、アセトン/THF(97:3、2mL)、及びピルビン酸(23.4μL)を周囲温度で約96時間撹拌した。これらの固体を遠心ろ過により収取し、XRPDによって分析した。
XRPD分析により、この塩が結晶性であることが示された(図53A)。偏光顕微鏡観察により、一部のアグリゲーションまたはアグロメレーションを伴う結晶性が確認され
た。
化合物1ピルビン酸塩のDSCサーモグラムを10℃/分で記録した。ピーク温度が183℃の熱事象は、当該の塩の融解に起因する可能性が最も高い(図53B)。この物質は融解の直後に分解するように思われた。熱分析(TG/DTA)(図53C)において、おそらく残留する水分/溶媒に起因する、30~140℃の間における約1.7%のわずかな重量減少が見られ、これは化合物1ピルビン酸塩が無水物の形態であることを示唆している。157℃の開始温度で、約11.4%の重量減少を伴う広範な吸熱が観測された。これは約0.85モルのピルビン酸に相当する。この物質が融解するとピルビン酸が失われ、該物質が分解すると思われる。
化合物1ピルビン酸塩の吸湿性及び吸着特性を、動的水蒸気吸着(DVS)を用いて測定した。試料を0%RHで乾燥した後、吸着及び脱着サイクルを実施した。等温線(図53D)により、0%RH~80%RHの間で観測された総重量増加が0.10%w/wであることが明らかになり、このことは、この試料が欧州薬局方分類に準拠して非吸湿性であり、吸湿性が化合物1(S)-リンゴ酸塩の両方の形態(約0.4%w/w)よりも低いことを示している。吸着曲線と脱着曲線の間に有意なヒステリシスは観測されなかった。DVS後の試料のXRPD分析(図53E)により、この物質が未変化のままであることが明らかになった。
この物質について得られたFT-IRスペクトルを図53Fに示すが、このスペクトルは、予想される全ての官能基が存在する物質の構造に合致することが明らかになった。化合物1ピルビン酸塩のH NMRスペクトルは構造と合致し、APIのピークと酸のピークの比が1:1であることが確認された(図53G)。
上記1:1の化合物1ピルビン酸塩は、183℃の融解ピーク温度及び約0.133mg/mLの水に対する溶解度(pH約3)を有する、高度に結晶性の、非吸湿性の無水物質であった。この化合物1ピルビン酸塩は、化合物1のリンゴ酸塩と比較して、分子量が低く(その結果、化合物1のリンゴ酸塩と比較して薬物負荷が高くなる可能性がある)、溶解度が高く、アスペクト比が低く、これまでに観測された唯一の物理的形態を有する。この改善された粒子モルホロジー/アスペクト比は、化合物1のリンゴ酸塩と比較して、ろ過性及び流動特性の向上につながる可能性がある。ピルビン酸塩は、天然のヒト代謝産物であることから、イン・ビボでの忍容性が良好である。
例14:化合物1グルタル酸塩(形態20)の調製
種付けあり
化合物1(1000mg)、アセトニトリル(10mL)、及びグルタル酸(275mg、1.05当量)をガラスバイアルに加え、50℃に加熱した。この混合物に化合物1グルタル酸塩を種付けし、50℃で30分間撹拌した。この混合物は非常に粘稠であったため、更に3mLのアセトニトリルを添加し、3時間撹拌し、周囲温度まで冷却し、更に16~20時間撹拌した。この混合物から試料を抜き出し、遠心ろ過により固体を単離して、反応の完結を確認した。この固体をXRPD分析によって分析した。
この物質の残りの部分をろ過により単離し、アセトニトリル(1mL)で洗浄した。この固体をフィルターロート中で風乾した。(収量=1.145g、91%)
種付けなし
化合物1(100mg)、アセトニトリル(1.5mL)、及びグルタル酸(27.62mg)をバイアルに仕込み、50℃に1時間加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、96時間撹拌した。この実験混合物は終始懸濁状態を維持した。この固体を遠心ろ過
により収取し、XRPDによって分析した。
XRPD分析(図54A)によって、この塩は高度に結晶性であることが示された。光学顕微鏡観察により、この塩が結晶性であることが確認され、複屈折性の不定形の粒子であることが明らかになった。
化合物1グルタル酸塩について得られたDSCサーモグラムを図54Bに示す。このサーモグラムは約176℃の開始温度で1つの吸熱を示し、これは融解に起因していた。TG/DTAによる熱分析(図54C)において、30~160℃の間に少量の重量減少(0.5%)が見られ、これは残留水分/溶媒に起因する可能性があり、化合物1グルタル酸塩が無水の形態であることを示唆している。開始温度175℃で、関連する0.5%の重量減少を伴う吸熱が観測された。
化合物1グルタル酸塩の吸湿性及び吸着特性を、動的水蒸気吸着(DVS)を用いて測定した。試料を0%RHで乾燥した後、吸着及び脱着サイクルを実施した。等温線(図54D)により、0%RH~80%RHの間で観測された総重量増加が0.08%w/wであることが明らかになり、このことは、この試料が欧州薬局方分類に準拠して非吸湿性であり、吸湿性が化合物1(S)-リンゴ酸塩の両方の形態(約0.4%w/w)よりも低いことを示している。この重量増加が低いことは、わずかにノイズのあるデータに反映されていた。吸着曲線と脱着曲線の間に有意なヒステリシスは観測されなかった。DVS後の試料のXRPD分析(図54E)により、この物質が未変化のままであることが明らかになった。
上記物質について得られたFT-IRスペクトル(図54F)は、予想される全ての官能基が存在する物質の構造に合致することが明らかになった。H NMR分光分析(図54G)により、この物質が構造(API:酸 1:1)に合致することが明らかになった。
上記1:1の化合物1グルタル酸塩は、178℃の融解ピーク温度を有する、高度に結晶性の、非吸湿性の無水物質であった。上記グルタル酸塩の水に対する溶解度(pH約3)は約0.016mg/mLであった。この化合物1グルタル酸塩は、化合物1のリンゴ酸塩と比較して、吸湿性が低く、アスペクト比が低く、これまでに観測された唯一の物理的形態を有する。この改善された粒子モルホロジー/アスペクト比は、化合物1のリンゴ酸塩と比較して、ろ過性及び流動特性の向上につながる可能性がある。グルタル酸塩は、天然のヒト代謝産物であることから、イン・ビボでの忍容性が良好である。
例15:化合物1イセチオン酸塩一水和物(形態27)の調製
0.07Mのイセチオン酸水溶液(8.5mL、1.2モル当量)をガラスバイアルに加え、この水をN気流下で蒸発させた。化合物1(250mg)及び2.5mLのアセトン/THF(97:3)を添加した。この懸濁液を50℃で約30分間加熱した。この実験混合物をゆっくりと周囲温度まで冷却し、約96時間撹拌した。この混合物から試料を抜き出し、遠心ろ過により固体を分離し、XRPD分析によって分析した。XRPD分析により純粋な形態27の物質であることが確認された。この物質の残りの部分をろ過により単離し、アセトン/THF(97:3)(約1mL)で洗浄し、この固体をフィルターロート中で30分間風乾した(収量約215mg、68%)。
XRPD分析(図55A)により、この塩が結晶性であることが示された。光学顕微鏡観察により、この塩が結晶性であることが確認され、容易に凝集する複屈折性の針状の粒子であることが明らかになった。
化合物1イセチオン酸塩について得られたDSCサーモグラムを図55Bに示す。このサーモグラムは、約80℃のピーク温度を有する第1の熱事象と、約203℃のピーク温度を有する第2の熱事象からなる2つの吸熱事象を示す。TG/DTA曲線(図55C)
も2つの吸熱を示し、第1の吸熱は約49℃の開始温度で起こり、1モル当量の水に相当する、関連する3%の重量減少がある。約199℃の開始温度における第2の吸熱事象はこの物質の融解に起因する。
化合物1イセチオン酸塩一水和物の吸湿性及び吸着特性を、動的水蒸気吸着(DVS)を用いて測定した。試料を0%RHで乾燥した後、吸着及び脱着サイクルを実施した。等温線(図55D)は、10~50%RHの間で、約3.0±0.1% w/w(1モル当量)の水分含量のプラトーを示した。50%RHを超えると、吸湿性の増加が観測された。20%RH~80%RHの間で観測された総重量増加は約2.4% w/wであり、このことは、この水和物の形態が吸湿性であることを意味する。吸着曲線と脱着曲線の間に有意なヒステリシスは観測されなかった。DVS後の試料のXRPD分析(図55E)により、この物質が未変化のままであることが明らかになった。
この物質について得られたFT-IRスペクトルを図55Fに示すが、このスペクトルは、予想される全ての官能基が存在する物質の構造に合致することが明らかになった。化合物1イセチオン酸塩のH NMRスペクトルは構造と合致し、APIのピークと酸のピークの比が1:1であることが確認された(図55G)。
上記1:1の化合物1イセチオン酸塩一水和物は、203℃の無水の形態の融解ピーク温度を有する結晶性物質であった。上記塩一水和物の水に対する溶解度は約0.195mg/mL(pH約2)であった。この化合物1イセチオン酸塩一水和物の溶解度は、化合物1のリンゴ酸塩と比較して大幅に高い。
例16:(晶癖実験)アセトン/水(97:3、v/v)中での温度サイクル
化合物1の塩(約30mg)をHPLCバイアル中で秤量し、1mLのアセトン/水(97:3、v/v)を加えた。この懸濁液を400rpmで撹拌し、以下、すなわち、1)0.5℃/分で23℃から53℃まで加熱、及び2)0.2℃/分で53℃から23℃まで冷却の15サイクルに供した。これらの試料を遠心分離し、溶媒をデカントし、固体を短冊状のろ紙で乾燥した後に、XRPD分析及び光学顕微鏡観察を行った。
例17:(晶癖実験)蒸気拡散
化合物1の塩に、アセトン/THF(50:50)を100μLのアリコートで、ほぼ溶解するまで加えた。この懸濁液を0.2μmのフィルターを通してHPLCバイアル中にろ過し、これをヘプタンが入ったガラスバイアル内に載置した。化合物1グルタル酸塩の場合は、グルタル酸塩の種を上記溶液に添加した。この溶液を、十分な固体が観察されるまで(3~6日)周囲温度で静置した。これらの試料を遠心分離し、溶媒をデカントし、固体を短冊状のろ紙で乾燥した後に、XRPD分析及び光学顕微鏡観察を行った。化合物1の塩(約20mg)をHPLCバイアルに加え、この固体を200μLのTHF/HO(80:20)に溶解した。このバイアルを、蓋をせずにアセトンが入ったガラスバイアル内に載置した。溶媒をデカントすることにより固体を収取し、固体を短冊状のろ紙で乾燥した。これらの固体に対して、XRPD分析及び光学顕微鏡観察を実施した。
例18:(晶癖実験)アセトン/THFからの緩徐な蒸発
化合物1の塩(約20mg)を1mLのアセトン/THF(50:50)に溶解した。このバイアルを穿孔したアルミニウム箔で覆い、周囲温度で静置して蒸発させた。固体をXRPD及び光学顕微鏡によって分析した。
例19:(晶癖実験)クロロホルム中のスラリー
化合物1ピルビン酸塩またはグルタル酸塩(約20mg)をCDCl(200~500μL)中、50℃で24時間スラリー化した。イセチオン酸塩に関しては、固体は存在せず、この溶液を周囲温度まで冷却し、6日間撹拌した。固体を遠心分離及び溶媒のデカンテーションにより収取し、これらの固体を短冊状のろ紙で乾燥した。これらの固体に対してXRPD分析及び光学顕微鏡観察を実施した。
例20:(晶癖実験)EtOH中のスラリー
化合物1ピルビン酸塩またはイセチオン酸塩(約20mg)をEtOH(500μL)中、50℃で24時間スラリー化し、遠心分離及び溶媒のデカンテーションにより固体を収取した。これらの固体を短冊状のろ紙で乾燥した。これらの固体に対してXRPD分析及び光学顕微鏡観察を実施した。化合物1グルタル酸塩(約20mg)及びEtOH(1mL)をバイアルに加えた。溶解することが観察された。このバイアルを穿孔したアルミニウム箔で覆い、溶媒を蒸発させた。この固体に対してXRPD分析及び光学顕微鏡観察を実施した。
例21:塩/共結晶スクリーニング
パートA:溶媒によるスクリーニング技法
ガラスバイアル中、約40mgスケールで溶媒による実験を実施した。用いた方法は本明細書中で詳細に説明している。蒸発、沈殿、超音波処理、及びスラリー(周囲温度及び高温)が塩形成にとって優れた方法であり、これらをこのスクリーニングにおいて用いた。
パートB:沈殿/スラリー実験
APIと酸をTHF/HO(80:20)またはTHF/アセトン(97:3)中で混合し、沈殿した固体をいずれも分離することにより、沈殿実験を実施した。溶液のまま残った実験混合物はいずれも蒸発させ、生成された固体はいずれもXRPDで分析した。新規なXRPDパターンを示した固体は、H NMR分光分析及びTG/DTA分析によって更に分析し、化学量論及び溶媒含有量を確認した。表35は、THF/HO(80:20)中で実施した沈殿/スラリー実験の結果を示す。THF/HO(80:20)由来の実験混合物の5種は、独特の結晶XRPDパターン(形態1~5)をもつ沈殿物を与えた。実験混合物の残りの部分を蒸発させ、単離されたいずれの固体もXRPDによって分析した。より結晶性の物質を生成させるための試行において、これらの固体を本明細書に記載するように、THF、THF/EtOH、またはEtOH中に再スラリー化して、形態15及び16を得た。
表36は、THF/アセトン(97:3)中で実施した沈殿/スラリー実験の結果を示す。遠心分離、溶媒のデカンテーション、及びろ紙による乾燥により固体を回収した後、XRPDによって分析を行った。16時間後に固体を含んでいなかった実験混合物を蒸発
させ、固体をXRPDによって分析した。これらの実験混合物から形態1、6~14、及び27を単離した。
パートC:0.5モル当量のコフォーマーを用いた塩形成
2:1当量のAPI:酸/コフォーマーを用い、本明細書に詳述するようにして塩形成を実施した。これらの実験混合物から形態11及び12を単離した。形態11及び12のH NMR分光分析によりAPI対酸の2:1の比が確認された。
パートD:液体の酸及び化合物1による塩形成
溶媒の非存在下での液体の酸中での化合物1の反応ではいずれの塩も生成しなかった。したがって、アセトニトリルを添加し、この混合物を更に16時間スラリー化した。これらの反応混合物から形態5、25、及び26(硫酸塩、メシル酸塩、及びグルコン酸塩)を単離した。
パートE:超音波処理
表39は超音波処理による塩形成の結果を示す。形態6、9、10、12、14、17、18、19、20、21、22、及び26はすべてこれらの実験混合物から単離した。
例22:湿度ストレス実験
化合物1の塩に40℃/75%の相対湿度で約7日間ストレスをかけ、XRPDで分析して、相対湿度の増加における物理的安定性を測定した。重量変化も記録した(表40を参照のこと)。形態1、2、6、9~14、16、19、21、22、24、及び27は小さな重量変化を示し、XRPD分析による形態の変化は示さず、このことは、これらの塩が高い相対湿度に対して比較的安定であることを示している。形態5、7、15、17
、18、25、及び26は、より大きな重量変化及び/または湿度ストレス後の物理的形態の変化を示した。化合物1シュウ酸塩(形態3)の重量減少は43.17%であったが、XRPD分析による形態の変化はなく、このことは、この塩が大量の表面溶媒及び/または水を含有していたことを示唆している。
例23:選択した化合物1の塩の晶癖の検討
温度サイクル実験、蒸気拡散実験、緩徐な蒸発実験、及びスラリー実験を含む種々の実験を用いて、選択した塩のそれぞれについて晶癖の検討を実施した。
パートA:化合物1ピルビン酸塩(形態14)の晶癖実験
THF/アセトン中での化合物1及びピルビン酸の沈殿から生成した化合物1ピルビン
酸塩(形態14)は、小さな不定形の粒子から構成されていた。温度サイクル、蒸気拡散、スラリー、及び緩徐な蒸発によって粒子径を増加させる試みを行った。これらの固体を回収時にXRPD分析によって分析した。エタノール中でのスラリー化では化合物1(形態III)が得られ、アセトン/THF中でのヘプタンを用いた蒸気拡散では、弱い/非晶質のXRPDディフラクトグラムの固体が得られた。アセトン/水中での温度サイクルでは粒子径が増加した。THF/水(80:20)を溶媒として且つアセトンを貧溶媒として用いた蒸気拡散では、非常に大きな結晶が得られた。クロロホルム中でのスラリー化及びアセトン/THFからの緩徐な蒸発では、晶癖に有意な変化は生じなかった。
パートB:化合物1グルタル酸塩(形態20)の晶癖実験
アセトニトリル中での化合物1とグルタル酸のスラリーから形成された化合物1グルタル酸塩(形態20)は、小さな不定形の粒子から構成されていた。温度サイクル、蒸気拡散、スラリー、及び緩徐な蒸発によって粒子径を増加させる試みを行った。エタノール中でのスラリー化から単離した固体を除いて、これらの固体は形態20を維持しており、上記エタノール中でのスラリー化は形態III物質を与えた。アセトン/水(97:3% v/v)中での温度サイクルでは粒子径が大幅に増加し、大きなブロック状粒子(30~50μm)が観測された。アセトン/THF(50:50)を溶媒として、且つヘプタンを貧溶媒として用いた蒸気拡散では、より大きな楕円形の粒子が得られ、これはろ過性を向上させる可能性がある。クロロホルム中でのスラリー化、アセトン/THFからの緩徐な蒸発、及びTHF/HO(80:20)を溶媒として且つアセトンを貧溶媒として用いた蒸気拡散では、晶癖に有意な変化は見られなかった。
パートC:化合物1イセチオン酸塩一水和物(形態27)の晶癖実験
アセトン/THF中の化合物1とイセチオン酸とのスラリーから単離した化合物1イセチオン酸塩(形態27)は針状粒子から構成されていた。温度サイクル、蒸気拡散、スラリー、及び緩徐な蒸発によって粒子径を増加させる試みを行った。これらの固体を回収時にXRPD分析によって分析した。形態27の物質は、アセトン/水中での温度サイクル及びTHF/水中でのアセトンを用いた蒸気拡散の2種の実験からのみ回収された。温度サイクルでは針状粒子の径がわずかに増加し、また一部の大きなブロック状粒子も生じた。アセトンを貧溶媒として用いた、THF/水(80:20)溶媒からの蒸気拡散では、ろ過において困難が生じる可能性のあるより長尺な針状粒子が得られた。EtOH中でのスラリー化からは新規なパターンが観測され、H NMRからは、該パターンが当該塩のエタノール溶媒和物であることが示唆される。溶媒としてアセトン/THF(50:50)を且つ貧溶媒としてヘプタンを用いた蒸気拡散では、新規なXRPDパターンをもつ固体が生成した。H NMR分光分析により、この物質が遊離塩基に関係していることが明らかになった。アセトン/THF(50:50)からの緩徐な蒸発では形態IIIの固体が得られた。
その他の実施形態
上述の開示は、明確化及び理解を目的に、例証及び例としてある程度詳細に記載されている。本発明は、種々の特定の且つ好ましい実施形態及び技法を参照して記載されている。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲内にとどまりながら、多くの変形及び修正を行うことができることを理解されたい。添付の特許請求の範囲内で変更及び修正を実施することができることは、当業者には明らかであろう。したがって、上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して判断されるべきものではなく、添付の特許請求の範囲、ならびにかかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全ての範囲を参照して判断されるべきものである。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)の結晶性固体塩であって、前記塩が、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)ピルビン酸塩と、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)グルタル酸塩と、
N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)イセチオン酸塩一水和物と
からなる群より選択される、前記結晶性固体塩。
(項2)
形態14として特徴付けられる、上記項1に記載の結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)ピルビン酸塩であって、前記結晶性固体が、化合物1とピルベートとを1:1のモル比で含む、前記ピルビン酸塩。
(項3)
形態14として特徴付けられる、上記項2に記載の結晶性固体化合物1ピルビン酸塩であって、前記形態14が、2θスケールで、7.84、8.81、11.58、15.67、16.30、16.55、17.67、17.92、18.00、18.20、18.62、19.66、20.54、20.75、23.84、26.35、及び26.42度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる、前記ピルビン酸塩。
(項4)
形態14として特徴付けられる、上記項2または上記項3に記載の結晶性固体化合物1ピルビン酸塩であって、前記形態14が、2θスケールで、8.81、11.58、17.67、18.00、23.84、及び26.35度の粉末X線回折スペクトルのピークによって特徴付けられる、前記ピルビン酸塩。
(項5)
形態14として特徴付けられる、上記項2~4のいずれか1項に記載の結晶性固体化合物1ピルビン酸塩であって、前記形態14が図5のXRPDパターンによって特徴付けられる、前記ピルビン酸塩。
(項6)
形態14として特徴付けられる、上記項2に記載の結晶性固体化合物1ピルビン酸塩であって、前記形態14が、10℃/分で記録された示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムにおける約183℃のピーク温度を有する熱事象によって特徴付けられる、前記ピルビン酸塩。
(項7)
形態14として特徴付けられる、上記項2に記載の結晶性固体化合物1ピルビン酸塩であって、前記形態14が、熱重量/示差熱分析(TG/DTA)によって測定される、約157℃の開始温度の広範な吸熱であり、関連する約11.4%の重量減少を伴う前記吸熱によって特徴付けられる、前記ピルビン酸塩。
(項8)
形態14として特徴付けられる、上記項2に記載の結晶性固体化合物1ピルビン酸塩であって、前記形態14が、動的水蒸気吸着(DVS)によって測定される、約0.10%
w/wの、0%の相対湿度と80%の相対湿度との間の総重量増加によって特徴付けら
れる、前記ピルビン酸塩。
(項9)
形態20として特徴付けられる、上記項1に記載の結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)グルタル酸塩であって、化合物1とグルタレートとを1:1のモル比で含む、前記グルタル酸塩。
(項10)
形態20として特徴付けられる、上記項9に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、2θスケールで、8.06、11.77、19.97、20.21、22.27、23.11、23.17、25.81、25.87、26.00、及び26.06度からなる群より選択されるXRPDパターンの1または複数のピークによって特徴付けられる、前記グルタル酸塩。
(項11)
形態20として特徴付けられる、上記項9または上記項10に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、2θスケールで、8.06、11.77、20.21、22.27、23.11、25.81、25.87、及び26.00度の粉末X線回折スペクトルのピークによって特徴付けられる、前記グルタル酸塩。
(項12)
形態20として特徴付けられる、上記項9~11のいずれか1項に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、図7のXRPDパターンによって特徴付けられる、前記グルタル酸塩。
(項13)
形態20として特徴付けられる、上記項9に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、10℃/分で記録された示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムにおける約176℃のピーク温度を有する熱事象によって特徴付けられる、前記グルタル酸塩。
(項14)
形態20として特徴付けられる、上記項9に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、熱重量/示差熱分析(TG/DTA)によって測定される、約175℃の開始温度の吸熱であり、関連する約0.5%の重量減少を伴う前記吸熱によって特徴付けられる、前記グルタル酸塩。
(項15)
形態20として特徴付けられる、上記項9に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、動的水蒸気吸着(DVS)によって測定される、約0.08%
w/wの、0%の相対湿度と80%の相対湿度との間の総重量増加によって特徴付けられる、前記グルタル酸塩。
(項16)
形態27として特徴付けられる、上記項1に記載の結晶性固体N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)イセチオン酸塩一水和物であって、前記結晶性固体が、化合物1とイセチオネートとを1:1のモル比で含む、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項17)
形態27として特徴付けられる、上記項16に記載の結晶性固体化合物1イセチオン酸塩一水和物であって、前記形態27が、2θスケールで、6.56、12.39、12.59、13.14、16.57、17.55、21.68、23.66、24.33、26.09、26.53、26.69、及び27.40度からなる群より選択される粉末X線回折スペクトルの1または複数のピークによって特徴付けられる、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項18)
形態27として特徴付けられる、上記項16または上記項17に記載の結晶性固体化合物1イセチオン酸塩一水和物であって、前記形態27が、2θスケールで、12.39、12.59、17.55、21.68、23.66、24.33、及び26.09度の粉末X線回折スペクトルのピークによって特徴付けられる、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項19)
形態27として特徴付けられる、上記項16~18のいずれか1項に記載の結晶性固体化合物1イセチオン酸塩一水和物であって、前記形態27が、図9のXRPDパターンによって特徴付けられる、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項20)
形態27として特徴付けられる、上記項16に記載の結晶性固体化合物1イセチオン酸塩一水和物であって、前記形態27が、10℃/分で記録された示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムにおける、約80℃のピーク温度を有する第1の熱事象及び約203℃のピーク温度を有する第2の熱事象によって特徴付けられる、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項21)
形態27として特徴付けられる、上記項16に記載の結晶性固体化合物1イセチオン酸塩一水和物であって、前記形態27が、熱重量/示差熱分析(TG/DTA)によって測定される、約49℃の開始温度の第1の吸熱であり、関連する約3%の重量減少を伴う前記吸熱と、約196℃の開始温度の第2の吸熱であり、関連する重量減少を伴わない前記吸熱とによって特徴付けられる、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項22)
形態27として特徴付けられる、上記項16に記載の結晶性固体化合物1イセチオン酸塩一水和物であって、前記形態27が、動的水蒸気吸着(DVS)によって測定される、約2.4% w/wの、20%の相対湿度と80%の相対湿度との間の総重量増加によって特徴付けられる、前記イセチオン酸塩一水和物。
(項23)
治療有効量の、上記項1~22のいずれか1項によって記載される化合物1の塩の実質的に純粋な結晶性固体形態と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(項24)
治療有効量の、上記項1~22のいずれか1項によって記載される化合物1の塩の結晶性固体形態の混合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(項25)
治療有効量の、上記項1~22のいずれか1項によって記載される化合物1の塩の結晶性固体形態を対象に投与することを含む、がんの治療方法。
(項26)
上記項23または24によって記載される医薬組成物を対象に投与することを含む、がんの治療方法。
(項27)
前記がんが、甲状腺癌、胃癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、大腸癌、小腸癌、脳癌、肺癌、骨癌、前立腺癌、膵臓癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、固形腫瘍、ホジキン病、または非ホジキンリンパ腫から選択される、上記項25または26に記載の方法。
(項28)
前記甲状腺癌が甲状腺髄様癌である、上記項27記載の方法。
(項29)
前記腎臓癌が腎細胞癌である、上記項27記載の方法。
(項30)
前記肝臓癌が肝細胞癌である、上記項27記載の方法。
(項31)
前記脳癌が星状細胞腫瘍である、上記項27記載の方法。
(項32)
前記星状細胞腫瘍が、膠芽腫、巨細胞膠芽腫、及び膠肉腫から選択される、上記項31に記載の方法。
(項33)
前記膠芽腫が乏突起膠細胞成分を有する、上記項32記載の方法。
(項34)
前記肺癌が非小細胞肺癌である、上記項27記載の方法。
(項35)
前記前立腺癌が去勢抵抗性前立腺癌である、上記項27記載の方法。
(項36)
cMETもしくはRETの過剰発現に起因する制御不能な、異常な、及び/または望ましくない細胞活動に関連する疾患あるいは障害の治療方法であって、治療有効量の少なくとも1種の、上記項1~22のいずれか1項により記載される化合物1の固体形態を、かかる治療を必要とする対象に投与することを含む前記治療方法。
(項37)
cMETもしくはRETの過剰発現に起因する制御不能な、異常な、及び/または望ましくない細胞活動に関連する疾患あるいは障害の治療方法であって、治療有効量の上記項1~22のいずれか1項により記載される医薬組成物を、かかる治療を必要とする対象に投与することを含む前記治療方法。

Claims (10)

  1. N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)の結晶性固体塩であって、前記塩が、
    N-{4-[(6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ]フェニル}-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド(化合物1)グルタル酸塩である、前記結晶性固体塩。
  2. 形態20として特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、ここで、前記結晶性固体塩が、化合物1とグルタレートとを1:1のモル比で含み、そしてここで、前記形態20が、2θスケールで、8.06、11.77、19.97、20.21、22.27、23.11、23.17、25.81、25.87、26.00、及び26.06度からなる群より選択される粉末X線回折スペクトルの1または複数のピークによって特徴付けられる、前記結晶性固体化合物1グルタル酸塩。
  3. 形態20として特徴付けられる、請求項2に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、前記形態20が、2θスケールで、8.06、11.77、20.21、22.27、23.11、25.81、25.87、及び26.00度の粉末X線回折スペクトルのピークによって特徴付けられる、前記結晶性固体化合物1グルタル酸塩。
  4. 形態20として特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、ここで、前記結晶性固体塩が、化合物1とグルタレートとを1:1のモル比で含み、そしてここで、前記形態20が、10℃/分で記録された示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムにおける76℃のピーク温度を有する熱事象によって特徴付けられる、前記結晶性固体化合物1グルタル酸塩。
  5. 形態20として特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、ここで、前記結晶性固体塩が、化合物1とグルタレートとを1:1のモル比で含み、そしてここで、前記形態20が、熱重量/示差熱分析(TG/DTA)によって測定される、75℃の開始温度の吸熱であり、関連する.5%の重量減少を伴う前記吸熱によって特徴付けられる、前記結晶性固体化合物1グルタル酸塩。
  6. 形態20として特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性固体化合物1グルタル酸塩であって、ここで、前記結晶性固体塩が、化合物1とグルタレートとを1:1のモル比で含み、そしてここで、前記形態20が、動的水蒸気吸着(DVS)によって測定される、.08% w/wの、0%の相対湿度と80%の相対湿度との間の総重量増加によって特徴付けられる、結晶性固体化合物1前記グルタル酸塩。
  7. 治療有効量の、請求項1~6のいずれか1項によって記載される化合物1の塩の実質的に純粋な結晶性固体形態と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物であって、ここで、前記化合物1の塩の実質的に純粋な結晶性固体形態は、前記化合物1の塩の実質的に純粋な結晶性固体形態の重量を基準として少なくとも90重量パーセントの前記化合物1の塩の結晶性固体形態を含む、医薬組成物
  8. 請求項1~6のいずれか1項によって記載される化合物1の塩の結晶性固体形態を含む、がんの治療のための組成物。
  9. がんの治療のための、請求項7に記載される医薬組成物。
  10. 前記がんが、甲状腺癌、胃癌、食道癌、腎臓癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、大腸癌、小腸癌、脳癌、肺癌、骨癌、前立腺癌、膵臓癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、固形腫瘍、ホジキン病、または非ホジキンリンパ腫から選択される、請求項8または9に記載の組成物または医薬組成物。
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