JP7436000B2 - 給湯器 - Google Patents

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本発明は、燃料ガスと燃焼用空気との混合気を燃焼させるバーナを用いた給湯器に関する。
例えば全一次燃焼式の給湯器は、燃料ガスと、燃焼に必要な全ての空気とをファンによって混合し、この混合気をバーナに供給して燃焼させる。器具のコントローラは、温度センサで検知される出湯温度が、リモコン等で設定される設定温度と異なると、ファンの回転数を調整して、バーナへ供給する混合気の量を変更(FB制御)する(例えば特許文献1参照)。
よって、燃焼排気を屋外に排出する排気ダクトに風が当たる等して相当の風量が排気ダクトに吹き込まれると、ガス量及び空気量が共に減少して出湯温度が低下するため、コントローラは、FB制御によりガス量及び空気量を増加させることになる。
特開平7-35340号公報
しかし、夏場等で入水温度が例えば35℃と高い状態で、例えば40℃の低い設定温度が選択されて少ない流量(例えば3L/min)で通水されると、ファンが最低回転数(例えば1000rpm)で運転されても、出湯温度は45℃となってしまう。この場合に排気ダクトから相当の風量(例えば10m/s)が吹き込まれると、出湯温度は設定温度である40℃程度に低下するため、コントローラはFB制御を行わないことになる。よって、バーナに燃焼不良や失火が生じて使い勝手を損ねるおそれがある。
そこで、本発明は、排気ダクトに相当の風量が吹き込まれても燃焼不良等を生じさせず、使い勝手が損なわれない給湯器を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入側に給水管が、出側に出湯管がそれぞれ接続される熱交換器と、
熱交換器に燃焼排気を通過させるバーナと、
バーナに燃焼用空気を供給するファンと、
熱交換器を通過した燃焼排気を屋外に排出する排気ダクトと、
給水管に設けられる入水温センサと、
出湯管に設けられる出湯温センサと、
熱交換器への通水量を検出する水量センサと、
バーナの燃焼を制御すると共に、設定温度と、出湯温センサにより検出される出湯温度との相違に基づいてファンの回転数を制御する出湯温制御を実行するコントローラと、を備えた給湯器であって、
コントローラは、バーナの燃焼中は、入水温センサから得られる入水温度と、出湯温度と、水量センサから得られる通水量とに基づいて、バーナのアウトプットの実測値を算出して、ファンの回転数に応じて得られるアウトプットの計算値と対比し、実測値が計算値から所定量以上低い場合には、ファンの最低回転数を上げ、出湯温度が設定温度から所定温度以上高くなったら、ファンの最低回転数を下げる処理を、出湯温制御が終了するまで繰り返して行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、アウトプットの実測値が計算値よりも所定量以上低下したら、ファンの最低回転数を上げるので、排気ダクトに相当の風量が吹き込まれてもバーナに燃焼不良や失火を生じさせず、使い勝手を損なうことがなくなる。
また、コントローラは、出湯温度が設定温度から所定温度以上高くなったら、ファンの最低回転数を下げるので、風量の低下に対応して通常のフィードバック制御へ直ちに復帰することができる。
給湯器の概略図である。 出湯温制御のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す概略図である。この給湯器1は、燃焼室2の上側にバーナ3が、燃焼面を下向きにして配置され、バーナ3の下側に、燃焼排気の主に顕熱を回収する一次熱交換器4と、主に潜熱を回収する二次熱交換器5とを配置した逆燃焼式となっている。
バーナ3へのガス供給管6の上流側には、予混合器7が設けられている。予混合器7は、下流側にファン8を、上流側に2つのベンチュリー9A,9Bを備える。ベンチュリー9Bは、フラップバルブ10によって開閉される。ベンチュリー9A,9Bの上流側には空気の吸込口11A,11Bがそれぞれ設けられている。
ベンチュリー9A,9Bにおける吸込口11A,11Bの下流側には、ガス供給管6から分岐する分岐管12A,12Bがそれぞれ接続されている。分岐管12Bには、流路を開閉する電磁弁13が設けられている。ガス供給管6における分岐管12A,12Bの上流側には、均圧弁14が設けられている。
二次熱交換器5の入側端部には、給水管15が接続され、二次熱交換器5の出側端部は、一次熱交換器4の入側端部と接続されている。一次熱交換器4の出側端部には、出湯管16が接続されている。燃焼室2の外部で給水管15と出湯管16との間には、バイパス管17が接続されている。
給水管15には、水量センサ18と、入水温センサ19と、水量調整弁20とが設けられている。出湯管16には、一次熱交換器4からの出口付近の温度を検出する出口温センサ21と、バイパス管17との接続部より下流の温度を検出する出湯温センサ22とが設けられている。バイパス管17には、バイパス流量を調整するバイパス弁23が設けられている。
燃焼室2には、中和器25を備えたドレン排出管24が接続されている。また、燃焼室2には、排気ダクト26が接続されて、下流端を屋外へ開放させている。さらに、燃焼室2には、バーナ3の点火用のイグナイタ27と炎検出用のフレームロッド28とが設けられている。
以上の如く構成された給湯器1は、リモコン31が接続されたコントローラ30により出湯温制御がなされる。以下、コントローラ30による出湯温制御を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S(ステップ)1で、出湯管16に接続された外部の給湯栓が開栓されて、水量センサ18により所定量以上の通水が確認されると、コントローラ30は、均圧弁14の上流側の図示しない元弁を開弁させると共に、S2で、入水温センサ19が検出した入水温度と、リモコン31を用いて設定した設定温度との温度差と、水量センサ18で検出される入水量とに基づいて、必要な燃焼出力(アウトプット)を算出し、このアウトプットに応じてフィードフォワード(FF)制御を行う。すなわち、要求されるアウトプットに応じた回転数でファン8を回転させる。
このFF制御において、要求されるアウトプットが所定の閾値以上である場合は、コントローラ30は、フラップバルブ10を開弁位置に移動させてベンチュリー9Bを開放し、電磁弁13を開弁させる。
すると、予混合器7では、ファン8の回転数に比例した空気が吸込口11A,11Bから吸い込まれる。よって、ベンチュリー9A,9Bで負圧が生じ、同時にガス供給管6に燃料ガスが供給される。燃料ガスは、均圧弁14を通って分岐管12A,12Bに分岐して流れ、ベンチュリー9A,9Bで生じる負圧との差圧に応じた量でベンチュリー9A,9Bに吸い込まれ、ここで燃焼に必要な全ての空気と混合されて混合気が生成される。
一方、要求されるアウトプットが所定の閾値を下回る場合、コントローラ30は、フラップバルブ10を閉弁位置に移動させてベンチュリー9Bを閉塞する。これと同時に、電磁弁13を閉弁させて分岐管12Bを閉塞する。よって、予混合器7では、ベンチュリー9Aのみで燃料ガスと空気との混合気が生成される。
こうして予混合器7で生成された混合気は、ファン8を介してバーナ3に送られ、イグナイタ27によって点火されて燃焼する(S3)。
バーナ3の燃焼排気は、一次熱交換器4を通過することで、伝熱管内を流れる水と熱交換し、顕熱が回収される。その後、二次熱交換器5を通過することで、内部流路を流れる水と熱交換し、潜熱が回収される。その後、燃焼排気は排気ダクト26を通って外部に排出される。
バーナ3の燃焼中、コントローラ30は、S4でフィードバック(FB)制御を行う。すなわち、設定温度と出湯温度との温度差に基づいて、この温度差が小さくなるようにファン8の回転数の調整を行う。
例えば、夏場等で入水温度が35℃と高い状態で、40℃の低い設定温度が選択されて少ない流量(3L/min)で通水されると、コントローラ30は、FF制御において、ファン8を最低の回転数(1000rpm)で運転させる。この場合、出湯温度は45℃と設定温度よりも高くなるため、FB制御が必要となる。
しかし、このような運転状態で、排気ダクト26の出口に相当の風量(例えば10m/s)で風が吹き込まれると、出湯温度は設定温度である40℃程度に低下するにとどまってしまう。この場合、設定温度と出湯温度とに差が生じないため、コントローラ30はFB制御を行わないことになる。
但し、コントローラ30は、S5で、水量センサ18と、入水温センサ19と、出湯温センサ22とから得られる各検出信号から、燃料ガスのアウトプットの実測値を算出し、この実測値が、ファン8の回転数に応じて計算されるアウトプットの計算値から所定量以上低下(例えば計算値の50%以上低下)しているか否かを判別する。ここで実測値が所定量以上低下していることが確認されると、コントローラ30は、相当の風量が吹き込んでいると判断して、S6で、低速でのファン8の運転を禁止する。すなわち、ファン8の最低回転数を上げる(例えば1500rpm)。
このため、ファン8からバーナ3へ供給される混合気の量が増加して出湯温度は上昇するが、排気ダクト26への風量の吹き込みにより、出湯温度は43℃程度まで抑えられる。よって、バーナ3に燃焼不良が生じたり失火したりすることがなくなる。なお、S5の判別で実測値の所定量以上の低下が確認されなければ、S4でFB制御を続行する。
一方、排気ダクト26への風の吹き込みが止むと、インプットが回復して想定しているインプットとなるため、出湯温度が上昇していく。よって、コントローラ30は、S7で、出湯温度が設定温度よりも3℃以上高くなったか否かを判別し、ここで設定温度+3℃以上の上昇を確認すると、排気ダクト26への風量が低下したと判断して、S8でファン8の低速での運転禁止を解除して、最低回転数を1000rpmに下げる。S7で出湯温度の設定温度+3℃以上の上昇が確認されなければ、S6へ戻って低速でのファン8の運転禁止を継続する。
なお、給湯栓が閉栓されて、S9で、器具内の所定量以上の通水が確認されなくなると(S9でNO)、出湯温制御は終了する。ここで所定量以上の通水が確認されると、S4へ戻ってFB制御を続行する。
このように、上記形態の給湯器1によれば、コントローラ30は、バーナ3の燃焼中は、入水温センサ19から得られる入水温度と、出湯温センサ22から得られる出湯温度と、水量センサ18から得られる通水量とに基づいて、バーナ3のアウトプットの実測値を算出して、ファン8の回転数に応じて得られるアウトプットの計算値と対比し、実測値が計算値から所定量以上低い場合には、ファン8の最低回転数を上げるようにしている。
この構成により、排気ダクト26に相当の風量が吹き込まれてもバーナ3に燃焼不良や失火を生じさせず、使い勝手を損なうことがなくなる。
特にここでは、コントローラ30は、出湯温度が設定温度から所定温度以上高くなったら、ファン8の最低回転数を下げるので、風量の低下に対応して通常のFB制御へ直ちに復帰することができる。
なお、上記形態では、S5でアウトプットの実測値が計測値から50%以上低下したら、相当の風量が排気ダクトに吹き込んでいると判断しているが、この数値は50%に限らず、適宜増減して差し支えない。また、割合でなく所定のアウトプット量としてもよい。
同様に、S7で判別する設定温度からの上昇温度も、3℃に限らず適宜増減可能である。ファンの最低回転数の設定も1000rpmと1500rpmとに限らず適宜変更できる。
その他、給湯器の構成も、予混合器は2つのベンチュリーでなく1つのベンチュリーのみ備えたものであってもよいし、ベンチュリーがファンの下流側にあるものでも本発明は適用できる。勿論逆燃焼式に限らず、バーナの上側に一次熱交換器と二次熱交換器とが設置された給湯器や、二次熱交換器を備えない給湯器であっても本発明は適用可能である。また、全一次燃焼式に限らず、ブンゼンバーナを用いた給湯器であってもよい。
1・・給湯器、2・・燃焼室、3・・バーナ、4・・一次熱交換器、5・・二次熱交換器、6・・ガス供給管、7・・予混合器、8・・ファン、9A,9B・・ベンチュリー、11A,11B・・吸込口、12A,12B・・分岐管、15・・給水管、16・・出湯管、17・・バイパス管、18・・水量センサ、19・・入水温センサ、21・・出口温センサ、22・・出湯温センサ、26・・排気ダクト、30・・コントローラ、31・・リモコン。

Claims (1)

  1. 入側に給水管が、出側に出湯管がそれぞれ接続される熱交換器と、
    前記熱交換器に燃焼排気を通過させるバーナと、
    前記バーナに燃焼用空気を供給するファンと、
    前記熱交換器を通過した燃焼排気を屋外に排出する排気ダクトと、
    前記給水管に設けられる入水温センサと、
    前記出湯管に設けられる出湯温センサと、
    前記熱交換器への通水量を検出する水量センサと、
    前記バーナの燃焼を制御すると共に、設定温度と、前記出湯温センサにより検出される出湯温度との相違に基づいて前記ファンの回転数を制御する出湯温制御を実行するコントローラと、を備えた給湯器であって、
    前記コントローラは、前記バーナの燃焼中は、前記入水温センサから得られる入水温度と、前記出湯温度と、前記水量センサから得られる通水量とに基づいて、前記バーナのアウトプットの実測値を算出して、前記ファンの回転数に応じて得られる前記アウトプットの計算値と対比し、前記実測値が前記計算値から所定量以上低い場合には、前記ファンの最低回転数を上げ、前記出湯温度が前記設定温度から所定温度以上高くなったら、前記ファンの最低回転数を下げる処理を、前記出湯温制御が終了するまで繰り返して行うことを特徴とする給湯器。
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