JP7434860B2 - 多孔質膜 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質膜に関する。
従来から、多孔質膜は、その優れた透過性やろ過機能のため、電池用セパレータ、電解コンデンサー用隔離膜、液体フィルタ用濾過膜、ハウスラップ、透湿防水衣料などの用途に使用されている。その中でも親水化されたポリエチレン多孔質膜はその親水性や吸水性のため、水の吸収や保持、拡散、透過等の用途に役立てられている。ポリエチレン多孔質膜に親水性官能基を導入する親水化処理方法として、例えば、ポリエチレン多孔質膜にアクリル酸をグラフト重合する方法(特許文献1)や、ポリエチレン多孔質膜にフッ素と酸素の混合ガスを接触させる方法(特許文献2)が提案されている。
特開平9-31226号公報 特開平7-173765号公報
しかしながら、特許文献1に記載の親水性官能基を導入する親水化処理方法は、反応が複雑であり、ポリエチレンの主鎖の切断およびポリエチレンの主鎖の架橋、ならびにポリエチレンのグラフト鎖への官能基の導入等の様々な要因の相互の絡み合いの調整が困難であり、多孔質膜が備える細孔の内部にまで均一にグラフト重合が進行し難く、多孔質膜の十分な親水性および十分な吸水性能が得られにくい。なお、特許文献1に記載のグラフト重合処理後の多孔質膜のX線電子分光法(ESCA)で測定される表面フッ素濃度比(F/C)はゼロであり、この点でも多孔質膜の親水性は不十分である。
また、特許文献2に記載の親水性官能基を導入する親水化処理方法は、導入された酸素原子およびフッ素原子の含有量によっては、多孔質膜を構成するポリエチレンの主鎖の切断により、多孔質膜の引張破断強度の低下が大きく、十分な親水性および十分な吸水性能が得られにくい。
そこで、本発明はかかる課題に鑑み、親水性が高く、吸水性能に優れ、さらに引張破断強度の高い多孔質膜を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するため、次のような構成を採用する多孔質膜である。すなわち、
(1)ポリオレフィンを主成分として含有し、X線電子分光法(ESCA)で測定される表面酸素濃度比(O/C)が0.05~0.2であり、かつ、X線電子分光法(ESCA)で測定される表面フッ素濃度比(F/C)が0.001~0.010である、多孔質膜であり、
(2)前記ポリオレフィンが、超高分子量ポリエチレンを含有し、前記超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)が、1×10以上である、(1)の多孔質膜であることが好ましく、
(3)少なくとも一方の面の水接触角が80°以下であり、JIS K7209(2000年)に準じて測定した吸水率が50%以上である、(1)または(2)の多孔質膜であることが好ましく、
(4)引張破断強度が100MPa以上である、(1)~(3)のいずれかの多孔質膜であることが好ましく、
(5)細孔を備え、前記細孔の細孔径が、20~100nmである、(1)~(4)のいずれかの多孔質膜であることが好ましい。
本発明によれば、親水性が高く、吸水性能に優れ、さらに引張破断強度の高い多孔質膜を提供することができる。
本発明の多孔質膜は、ポリオレフィンを主成分として含有し、X線電子分光法(ESCA)で測定される表面酸素濃度比(O/C)が0.05~0.2であり、かつ、X線電子分光法(ESCA)で測定される表面フッ素濃度比(F/C) が0.001~0.010であるである。
以下、順に説明する。
<本発明の多孔質膜>
本発明の多孔質膜の特性等について説明する。
本発明の多孔質膜のX線電子分光法(ESCA)で測定される表面酸素濃度比(O/C)が0.05~0.2であり、かつ、同法で測定される表面フッ素濃度比(F/C)が0.001~0.010である。X線電子分光法(ESCA)におけるO/Cの値が0.05を下回ると、多孔質膜に存在する親水性官能基が少ないため十分な親水性が得られず、0.2を上回ると親水性官能基が過剰に存在してしまい、多孔質膜の引張破断強度の低下の原因となる。また、ESCA測定におけるF/Cの値が0.001を下回ると、多孔質膜の親水性が多不十分なものとなる。一方で、ESCA測定におけるF/Cの値が0.010を上回ると、フッ素原子が過剰に多孔質膜の表面に作用してしまい、多孔質膜の親水性が低下する。上述したO/Cは0.08~0.18であることが好ましく、0.1~0.15であることがより好ましい。またF/Cは0.003~0.008であることが好ましく、0.005~0.007であることがより好ましい。
O/C及びF/Cは、本発明の多孔質膜の製造過程において、多孔質材料に接触させる混合ガスにおける(I)フッ素ガスの分圧、および(II)酸素ガスの分圧を本明細書に記載の範囲内で適宜調整し、さらに、上記の多孔質材料と上記の混合ガスとの接触時間を本明細書に記載の範囲内で適宜調整することで、上記の所望の範囲とすることができる。
また、本発明の多孔質膜の少なくとも一方の表面は、親水性の指標である水接触角が80°以下であり、かつ、JIS K7209(2000年)に準じて測定した吸水率が50%以上であることが好ましい。
水接触角は多孔質膜の表面の親水性の状態を示し、吸水率は多孔質膜が備える細孔の内部の親水性の状態を示す指標であるため、水接触角と吸水率が前記の範囲となることにより、多孔質膜の表面および多孔質膜が備える細孔の内部が充分に親水化された状態となり、吸水性能に優れた多孔質膜となる。
本発明の多孔質膜に用いられるポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4メチル-1-ペンテン、および1-ヘキセンなどの結晶性単独重合体、これらのオレフィンの共重合体または、上記の結晶性単独重合体および上記の共重合体のブレンド物等が挙げられる。多孔質膜の引張破断強度が優れたものとなるとの観点からは、特にエチレンを主体とする重合体であるポリエチレンを本発明の多孔質膜に用いられるポリオレフィンとすることが好ましい。また、本発明の多孔質膜に含有されるポリオレフィンは、超高分子量ポリエチレンを含有することにより、多孔質膜の機械特性(引張強伸度、および耐水圧)はより優れたものとなる。ここで、超高分子量ポリエチレンとは重量平均分子量(Mw)が1×10以上であるポリエチレンをいう。さらに、超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)は、1×10~5×10であることが好ましく、1×10~3×10であることがより好ましい。
さらに、超高分子量ポリエチレンの含有量は、多孔質膜に含まれるポリオレフィンの全体を100質量%とした場合に、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。含有量を、上述した範囲内とすることで、分子鎖の絡み合いの効果が十分得られ、高い引張破断強度の多孔質膜を得ることが出来る。一方、上限には特に制限はなく、必要となる機械特性に合わせて適宜選定すれば良い。
一般的に樹脂の溶融粘度は分子量に依存し、溶融粘度が大きく異なる樹脂同士は均一に混ざり難い傾向にあるとの観点から、本発明の多孔質膜に含まれるポリオレフィンのうちの超高分子量ポリエチレン以外のポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、5×10~9×10であることが、本発明の多孔質膜の各種特性バラツキが生じることを抑制する観点から好ましい。
また、本発明の多孔質膜が備える細孔の細孔径は20nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましい。一方、細孔径の上限は200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。多孔質膜の細孔径を上述した範囲とすることで、例えば、本発明の多孔質膜を水処理用のフィルタ用濾過膜に用いた場合には、多孔質膜を用いたフィルタ用濾過膜に目詰まりが発生しにくく、フィルタ用濾過膜としての寿命が長くなる傾向にある。また、水溶液系電解液を用いた電池のセパレータに本発明の多孔質膜を用いた場合においては、本発明の多孔質膜を用いたセパレータのイオン透過性が良好となり、上記の電池の性能が向上する。
また、本発明の多孔質膜の厚みは0.005mm以上であることが好ましく、0.01mm以上であることがより好ましい。一方、上限は0.02mm以下であることが好ましく、0.015mm以下であることがより好ましい。多孔質膜の厚みを上述した範囲とすることで、例えば、本発明の多孔質膜を用いた電池用セパレータ、本発明の多孔質膜を用いた電解コンデンサー用隔離膜、および本発明の多孔質膜を用いた液体フィルタ用濾過膜において、多孔質膜が破断しにくくなる。また、多孔質膜の製造工程における親水化処理時に、多孔質膜の細孔の内部まで十分に親水化されやすくなる。
また、本発明の多孔質膜の引張破断強度が100MPa以上であることが好ましい。引張破断強度を上述した範囲とすることで、例えば、本発明の多孔質膜を用いた電池用セパレータ、本発明の多孔質膜を用いた電解コンデンサー用隔離膜、および本発明の多孔質膜を用いた液体フィルタ用濾過膜において、多孔質膜が破断しにくくなる。
本発明の多孔質膜は、未処理の多孔質膜である多孔質材料にフッ素ガス及び酸素ガスを用いて親水化処理することにより得ることが出来る。以下、本発明の多孔質膜の製造方法等について説明する。
<多孔質材料>
本発明に用いる多孔質材料は、ポリオレフィンを主成分として含有し、多孔質膜の一方の面から他方の面まで貫通する細孔を有するものであれば特に限定されることはない。
本発明の多孔質膜は、多孔質膜の表面から裏面に貫通する細孔を多数有し、これらの細孔の孔径分布の狭いものとなっている。この特徴により、本発明の多孔質膜は、例えば、本発明の多孔質膜を水処理用のフィルタ用濾過膜に用いた場合には、濾過性能に優れたものとなり、また、電池用セパレータに用いた場合には、電池に組み込んだ際の抵抗値が低く、電池の性能が優れたものとなる。本発明の多孔質膜が機械特性(引張破断強伸度、および耐水圧など)にも優れたものとなるとの観点から、多孔質材料は湿式法で製膜されたものであることが好ましい。
ここで、湿式法とはポリオレフィン樹脂組成物をポリオレフィン樹脂組成物と相溶性のある溶媒に加熱溶解した溶液からゲル状シートを成形し、延伸した後に、溶媒を洗浄し除去することにより多孔質材料を製膜する方法である。
本発明で使用するポリオレフィンを主成分とする多孔質材料が備える細孔の細孔径は、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましい。一方、上限は200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。多孔質材料の細孔径を上述した範囲内とすることで、後述する親水化処理工程においてフッ素ガス及び酸素ガスの混合ガスが、多孔質材料が備える細孔の内部まで浸透しやすくなり、親水性が高く、吸水性能に優れた多孔質膜を得ることが可能となる。
<多孔質材料の親水化処理>
本発明の多孔質膜の製造方法では、多孔質材料にフッ素ガス及び酸素ガスを含有する混合ガス(本明細書においては、単に、混合ガスと称することがある)を接触させて、多孔質材料の表面及び多孔質材料が備える細孔の内部の親水化処理を行い、多孔質膜を得る。
多孔質材料に混合ガスを接触させる方法は特に限定されないが、バッチ式処理法や、連続式処理法が挙げられる。バッチ式処理法として、密閉された反応容器中に多孔質材料を入れ、容器内の気体を混合ガスに置換することで多孔質材料の親水化処理を行う。また、連続処理法としては、混合ガスを含む気体中を複数の多孔質材料を連続して通過させることで、複数の多孔質材料の親水化処理を行う。
上記混合ガスと多孔質材料との接触処理の方法について、以下説明する。
混合ガス中のフッ素ガスの分圧は、0.1~0.2atmであることが好ましく、0.13~0.16atmであることがより好ましい。フッ素ガスの分圧を上述した範囲内とすることで、フッ素ガスと多孔質材料が十分に反応し、多孔質膜に処理斑等が発生することをより抑制することができるとともに、多孔質膜の親水性をより高いものとすることができ、さらには、多孔質材料とフッ素ガスとの反応が過剰に進行することが抑制されることにより多孔質膜の引張破断強度もより優れたものとなる。
また、混合ガス中の酸素ガスの分圧は0.3~0.8atmであることが好ましく、0.5~0.6atmであることがより好ましい。酸素ガスの分圧を上述した範囲内とすることで、多孔質材料表面に十分な量の酸素を導入することができ、十分に親水性の高い多孔質膜を得ることができる。
フッ素ガスおよび酸素ガスの他に窒素ガス、二酸化炭素ガスあるいはアルゴンガス等の不活性ガスを混合ガスが含有していてもよい。
また、多孔質材料と混合ガスとの接触時間、すなわち、多孔質材料の混合ガスでの処理時間は、多孔質膜の用途に合わせて適宜選択することができる。具体的には、上記の処理時間は1秒から10日であることが好ましく、1秒から3時間であることがより好ましい。上記の処理時間を1秒以上とすることで、多孔質材料と混合ガスとの反応が十分なものとなる。一方で、上記の処理時間が10日以下であることで、多孔質材料と混合ガスとの反応が過剰に進行するのを抑制することができ、得られる多孔質膜の引張破断強度がより優れたものとなる。
また、上記の親水化処理が終了した後、すなわち、多孔質材料を混合ガスで処理する工程の後、混合ガスで処理後の多孔質膜を温度が60~80℃の純水中に30~60分間、浸漬させる浸漬処理に処した後、さらに、温度が80~120℃の環境下にて30~60分間、乾燥させる乾燥処理に処すことが好ましい。上記の浸漬処理および乾燥処理を実施することで、多孔質材料の親水化処理際に副生成物として発生したフッ化水素、ポリオレフィンのオリゴマー、および未反応のフッ素ガス等を多孔質膜から除去することが出来る。上記のフッ化水素、ポリオレフィンのオリゴマー、および未反応のフッ素ガス等が多孔質膜から除去されることで、多孔質膜の引張破断強度がより優れたものとなる。
以下に本発明について、実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、実施例中に示す特性値の測定方法は次のとおりである。
A.表面酸素濃度比および表面フッ素濃度比
(1)測定方法
X線電子分光法(ESCA)測定装置「AXIS Nova(Kratos Analytical社製)」を用い、多孔質膜表面の各元素のピーク面積と感度係数より、原子組成百分率を計算した。得られた原子組成百分率の値から、炭素原子(C原子)に対するフッ素原子(F原子)の比率(F/C)、および炭素原子(C原子)に対する酸素原子(O原子)の比率(O/C)を求めた
(2)測定条件
・励起X線: monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6eV)
・X線径: 0.15mm
・光電子脱出角度: 90 °(試料表面に対する検出器の傾き)。
B.細孔径
(1)測定方法
パームポロメーター「CFP-1500(PMI社製)を用い試験体の細孔径をWet加圧/Dry加圧法で測定した
(2)測定条件
・試験液 :Galwick(15.9DYNES/CM)
・測定圧力:500~2700kPa
・解析法 :細孔(DIST)の最大値を読み取り、試験体の細孔径とする。
C.水接触角
(1)測定方法
接触角計「DropMasterDMs-400(協和界面科学株式会社製)」を用い試験体表面の水接触角を液滴法で測定した
(2)測定条件
・試験液 :蒸留水、1μL
・測定時期:試験液滴下後1000mS
・解析法 :θ/2法
・n数 :3 。
D.吸水率
(1)測定方法
i)50℃に調整したオーブンで試験体を24時間乾燥させる
ii)デシケーターに投入し、室温まで冷却し、試験体の重量を測定する
iii)上記i)、ii)の作業を試験体の重量が±0.1mg以内で一定になるまで行い初期重量(m1)とする
iV)試験体を蒸留水に24時間浸漬した後、取り出し、表面の水分を拭き取る(キムタオル)。1分以内に吸水後の重量を測定し、吸水後重量(m2)とする
V)((m2-m1)/m1)×100により、吸水率を算出する
(2)引用規格:JIS K7209-2000に準拠 。
E.多孔質膜の組成
(1)測定方法
フーリエ変換赤外分光光度計「IR Prestige-21(株式会社島津製作所製)を用い赤外吸収スペクトルを測定し、ポリエチレン由来のピーク(2960cm-1、2870cm-1付近)の有無を確認した
(2)測定条件
・ユニット: ATR法ユニット(MIRacleA)
・測定波数: 400~4000cm-1
F.重量平均分子量
(1)測定方法
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製)を用
い重量平均分子量を測定した
(2)測定条件
・溶媒 : o―ジクロロベンゼン
・温度 : 135℃
・流量 : 1.0ml/min 。
G.引張破断強度
(1)測定方法
TENSILON(登録商標)UCT-100(オリエンテック社製)を用いて、引張破断強度を測定した
(2)引用規格
JIS K7127(1999年)
(3)測定条件
・形状:測定方向長さ150mm、幅10mmの短冊状
・初期チャック間距離50mm
・引張速度:200mm/分。
[実施例1]
厚み:12μm、融点:137℃、細孔径:40μm、水接触角:110°、吸水率:2%、引張強度:212MPa、引張伸度:117%の多孔質材料であって、重量平均分子量(MW)が2.0×10の超高分子量ポリエチレンを25質量%含有し、重量平均分子量(MW)が3.0×10の高密度ポリエチレンを75質量%含有する多孔質材料を基材として用いた。親水化処理工程としては、上記の基材を反応容器内に入れ、反応容器内を真空とすべく反応容器内から排気した後、この反応容器内に酸素ガス(O)/フッ素ガス(F)/窒素ガス(N)=0.5/0.15/0.35atmの分圧である混合ガスを導入した後、この反応容器を室温(23℃)で5分間放置した後、反応容器内を窒素ガスに置換し、反応容器内から基材を取り出した。その後、上記の基材を80℃のお湯に1時間浸漬した後、120℃のオーブンで乾燥し、多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
[実施例2]
酸素(O)/フッ素(F)/窒素(N)=0.3/0.1/0.6atmの分圧を持つ混合ガスを導入した以外は実施例1と同一の方法で多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
[実施例3]
酸素(O)/フッ素(F)/窒素(N)=0.3/0.2/0.5atmの分圧を持つ混合ガスを導入した以外は実施例1と同一の方法で多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
[実施例4]
酸素(O)/フッ素(F)/窒素(N)=0.8/0.1/0.1atmの分圧を持つ混合ガスを導入した以外は実施例1と同一の方法で多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
[実施例5]
酸素(O)/フッ素(F)/窒素(N)=0.8/0.2/0atmの分圧を持つ混合ガスを導入した以外は実施例1と同一の方法で多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
[比較例1]
酸素(O)/フッ素(F)/窒素(N)=0.5/0.3/0.2atmの分圧を持つ混合ガスを導入した以外は実施例1と同一の方法で多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
[比較例2]
酸素(O)/フッ素(F)/窒素(N)=0.1/0.15/0.75atmの分圧を持つ混合ガスを導入した以外は実施例1と同一の方法で多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の細孔径は40μmであり、得られた多孔質膜の厚さは12μmであった。
実施例1~5、および比較例1~2の各試験体について、上述した測定方法を用い水接触角、吸水率、引張破断強度を測定した結果を表1に示す。
表面酸素濃度比(O/C)が0.05~0.2、かつ表面フッ素濃度比(F/C)が0.001~0.010の範囲内である実施例1~5の多孔質膜は、水接触角が65°以下、吸水率が56%以上であり、表面フッ素濃度比(F/C)が0.19の比較例1の多孔質膜、及び表面酸素濃度比(O/C)が0.01の比較例2の多孔質膜と比べると高い親水性を有することを確認した。
Figure 0007434860000001
本発明の多孔質膜は、表面親水性及び吸水率、引張破断強度を高いレベルで備え、親水性に優れているため、水溶液系の電解液を用いた電池のセパレータ、水処理用のフィルタ用濾過膜など親水性を必要とする用途に好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. ポリオレフィンを主成分として含有し、
    X線電子分光法(ESCA)で測定される表面酸素濃度比(O/C)が0.06以上0.19以下であり、かつ、
    X線電子分光法(ESCA)で測定される表面フッ素濃度比(F/C) が0.001以上0.009以下である多孔質膜の製造方法であり、
    重量平均分子量(MW)が2.0×10 の超高分子量ポリエチレンを25質量%含有し、重量平均分子量(MW)が3.0×10 の高密度ポリエチレンを75質量%含有する多孔質膜を、フッ素ガス及び酸素ガスを含有する混合ガスに接触させて、多孔質膜の表面及び多孔質膜が備える細孔の内部の親水化処理を行う工程Iと、
    前記工程Iにて、前記混合ガスによる浸水か処理後の多孔質膜を温度が60℃以上80℃以下の純水中に30分以上60分以下、浸漬させる工程IIと、
    前記工程II後に前記多孔質膜を、温度が80℃以上120℃以下の環境下にて30分以上60分以下静置し、乾燥させる工程IIIをこの順に有することを特徴とする、多孔質膜の製造方法。
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