JPH07246322A - 改質ポリオレフィン多孔膜及びそれを用いた濾過フィルター - Google Patents

改質ポリオレフィン多孔膜及びそれを用いた濾過フィルター

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JPH07246322A
JPH07246322A JP4097194A JP4097194A JPH07246322A JP H07246322 A JPH07246322 A JP H07246322A JP 4097194 A JP4097194 A JP 4097194A JP 4097194 A JP4097194 A JP 4097194A JP H07246322 A JPH07246322 A JP H07246322A
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JP
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porous membrane
polyolefin porous
membrane
modified polyolefin
gas
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JP4097194A
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Inventor
Akira Watanabe
渡邉  朗
Hidehiko Obara
秀彦 小原
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)厚さ1〜350μm、(b)空孔率2
5〜90%、(c)バブルポイント1〜10kg/cm
2、 (d)透水量が1000リットル/hr・m 2・a
tm以上、 (e)0.212μmスチレンラテックス
粒子の阻止率が99%以上、(f)表面の水滴接触角が
100゜以下、および(g)ESCAにて測定した表面
元素組成における炭素原子数[C]、酸素原子数
[O]、フッ素原子数[F]が、以下の関係式を満たす
改質ポリオレフィン多孔膜、 【数1】 100≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5 及び、これを使用した濾過フィルター。 【効果】 特殊な装置を必要とせずに簡便なプロセスに
より、高分子成形体の表面を親水化することができる。
そして、表面改質が十分に行われた優れた特性を有する
多孔膜を保持したまま、濾過フィルターやバッテリーセ
パレーター等を安定かつ容易に製造することが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔膜を用いた各種の
濾過材やバッテリーセパレーターの性能向上に最適に利
用されるポリオレフィン多孔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン多孔膜は耐薬品性が良好
なことから、濾過膜、脱気膜、包材、衣料用、バッテリ
ーセパレーター等に広く利用されている。一方、親水性
に乏しいことなどから、そのままでは表面張力の高い液
体、特に電解液等の水溶液を透過させることは困難であ
る。そこで、従来この様な疎水性の多孔膜を用いて表面
張力の大きい液体を透過させようとするときは、その膜
を予めアルコール等の親水性有機溶剤で処理し、膜中の
微細孔を湿潤処理した後、この有機溶剤を透過対象であ
る液体で置換することが行われている。
【0003】しかし、かかる方法は手間を要すると共に
環境安全性の点からも必ずしも望ましい方法とはいえな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】疎水性の多孔膜に親水
性を付与する方法としては、多孔膜に界面活性剤を塗布
する方法(例えば特開昭60−255107)がある
が、この場合、経時と共に界面活性剤が次第に流出し濾
液の汚染を招くという問題がある。しかも、ひとたび乾
燥させると、もはや親水性を示さなくなり根本的な解決
にはならない。
【0005】また、膜をスパッタエッチング処理する方
法があり、これは多孔質ポリオレフィン膜表面がエッチ
ングされて、水に対する濡れ性が改善されるものとみら
れるが、親水性基が多孔質ポレオレフィン膜表面に導入
されることは少なく、親水性の点で十分ではない。ま
た、プラズマ処理する方法があるが、この方法では高真
空条件が必要であり、大型材料の連続運転が困難であ
る。更に、装置コストが高く簡便な汎用的処理としては
不適当である。
【0006】一方、疎水性高分子表面に親水性モノマー
をグラフトさせる種々の方法が提案されている(例えば
特公昭56−44098)が、反応が複雑であって、主
鎖の切断、架橋、グラフト効率等の相互の絡み合いの調
整が困難であり、多孔性空間内部にまで均一にグラフト
重合が進行し難い等の問題がある。また、フッ素ガスを
用いた改質方法(例えば特公昭59−5601)は、他
の反応性ガスとの併用などで幅広い応用価値を持ってい
る。しかしながら、この方法による処理ではフッ素ガス
のポリオレフィンに対する浸透性が大きいため、ポリオ
レフィン膜の強度あるいは伸度を低下させる。そのた
め、濾過フィルターを製造する場合には、親水化処理後
の多孔膜のプリーツ加工やスパイラル加工等を行なう際
に、また、電池を製造する場合には、電極と親水化バッ
テリーセパレーターを重ねて円柱状に巻く加工等を行う
際に、膜の亀裂やピンホールが発生し、濾過フィルター
や電池の組み立てなどの2次加工がきわめて困難となる
欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる状
況に鑑み、該フッ素処理の技術の欠点をカバーし、その
特色を充分に活用するフッ素ガスを用いた改質法を検討
した結果、本発明に達した。即ち、本発明は、新規なポ
リオレフィン多孔膜、このポリオレフィン多孔膜を用い
た濾過フィルター及びその製造方法を提供することを目
的とするものであり、その要旨は、(a)厚さ1〜35
0μm、(b)空孔率25〜90%、(c)バブルポイ
ント1〜10kg/cm2、 (d)透水量が1000リ
ットル/hr・m2・atm以上、 (e)0.212μ
mスチレンラテックス粒子の阻止率が99%以上、
(f)表面の水滴接触角が100゜以下、および(g)
ESCAにて測定した表面元素組成における炭素原子数
[C]、酸素原子数[O]、フッ素原子数[F]が、
【0008】
【数3】 100≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5 の関係式を満たすことを特徴とするポリオレフィン多孔
膜、該ポリオレフィン多孔膜を使用した濾過フィルタ
ー、並びに該ポリオレフィン多孔膜を濾過フィルターに
組立てた後に、フッ素ガスおよび酸素ガスを含む混合ガ
スを接触させることを特徴とする濾過フィルターの製造
方法、に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用されるポリオレフィン多孔膜は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、またはポリプロピレンとポリエチレンの
ブレンド、ポリプロピレンの芯にポリエチレンをコーテ
ィングしたもの、ポリエチレンとポリプロピレンのラミ
ネート膜などが用いられる。なかでも、ポリエチレン多
孔膜がよりよく用いられ、特に強度が重要である場合に
は粘度平均分子量40万〜400万、好ましくは100
万〜400万の超高分子量ポリエチレンが好適に使用さ
れる。
【0010】これらの超高分子量ポリエチレン多孔膜を
製造する方法としては、公知の技術(特開昭62−22
3245や特開平3−80923)が使用できる。例え
ば粘度平均分子量40万以上、好ましくは100万以上
の超高分子量ポリエチレンと、炭化水素系やアルコール
系の可塑剤とを混合したゲル状物を1軸もしくは2軸ス
クリュー押出機で溶融、混練し、次いでTダイやインフ
レーションダイから押し出して、フィルム、シート、又
は中空状の成形物とする。該可塑剤としては、流動パラ
フィン、固形パラフィン、ステアリルアルコール、セリ
ルアルコール等が好ましい。特にステアリルアルコール
は取扱上や、ポリエチレンとの分散性の点においてより
好ましく用いられる。
【0011】その後、かかる成形物から適当な溶媒によ
って可塑剤の抽出を行った後、必要に応じて1軸もしく
は2軸に延伸して多孔膜を得る。延伸する場合の延伸倍
率は面積倍率で1.5〜100倍、好ましくは10倍〜
50倍である。かかるポリオレフィン多孔膜は、平均孔
径が0.001〜100μm、特には0.01〜1μ
m、膜厚が1〜350μm、特には3〜80μm、空孔
率が25〜90%、特には35〜80%、バブルポイン
ト(BP:JIS K3832)が1〜10kg/cm
2、 透水量が1000リットル/hr・m2・atm以
上、 0.212μmスチレンラテックス粒子の阻止率
が99%以上のものである。
【0012】本発明の改質ポリオレフィン多孔膜は、該
ポリオレフィン多孔膜にフッ素ガス及び酸素ガスを含む
混合ガス、好ましくは、フッ素ガスの分圧1に対して酸
素ガスの分圧が0.01〜1000である混合ガスを接
触させて表面を改質することにより、得ることができ
る。このとき、該混合ガスは、フッ素及び酸素ガスを窒
素あるいはヘリウム等の不活性ガスで希釈したものであ
ってもよい。
【0013】また、混合ガス全体に対する酸素ガスの濃
度は、10容量%以上、好ましくは20容量%以上、更
に好ましくは50容量%以上であり、フッ素ガスの濃度
は、10容量%以下、好ましくは5容量%以下であるこ
とが、望ましい。かかる処理における混合ガスの多孔膜
との接触処理時の全圧は、大気圧であっても、陰圧ある
いは陽圧であってもよい。
【0014】また、ポリオレフィン多孔膜をかかる混合
ガスで処理するときの温度は、−70〜90℃、好まし
くは0〜50℃の範囲がよい。また、混合ガスの接触時
間は、広い範囲から適宜選ばれ、通常1秒から3時間、
好ましくは1秒から30分の範囲である。このようなフ
ッ素処理、すなわちポリオレフィン多孔膜とフッ素を含
有する混合ガスとを接触させる方法については、密閉さ
れた反応容器中にポリオレフィン多孔膜を保持し、容器
内の気体を混合ガスで置換して、膜と処理気体とを接触
させる方法が用いられる。この場合、多孔質膜と気体と
の接触効率を高めるため、膜同志が接触しないように固
定したり、容器内でロール状フィルムの巻だし、巻取を
行うことができる。
【0015】かかる改質をすることにより、電解液濡れ
性改良のための親水化や、酸素濃度の最適化による疎水
化、また、各種モノマーをグラフトすることによる多孔
構造の改変などの幅広い利用が可能となる。このように
して得られた本発明の改質ポリオレフィン多孔膜は、
(a)厚さ1〜350μm、好ましくは3〜80μm、
(b)空孔率25〜90%、好ましくは35〜80%、
(c)バブルポイント(BP値)1〜10kg/c
2、 好ましくは3〜9kg/cm2、(d)透水量が
1000リットル/hr・m2・atm以上、 (e)
0.212μmスチレンラテックス粒子の阻止率が99
%以上、且つ(f)表面の水滴接触角が100゜以下、
好ましくは70%以下、という物性を示す。
【0016】また、本発明のポリオレフィン多孔膜は、
ESCA表面元素組成分析によって得られるフッ素原子
数[F]、炭素原子数[C]、酸素原子数[O]、フッ
素原子数[F]が下記の式を満足する。
【0017】
【数4】 100≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5 好ましくは、
【0018】
【数5】 50≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5 更に好ましくは、
【0019】
【数6】 30≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5 この値が0.5未満であると、表面の水滴接触角が10
0゜以下となるものは得られない。本発明のポリオレフ
ィン多孔膜は、混合ガスを接触させることにより、膜表
面だけではなく、微多孔膜の孔内部の表面まで十分に表
面改質を行なうことができる。
【0020】本発明の改質ポリオレフィン多孔膜を濾過
フィルターとして使用する場合は、上述した混合ガスに
よる改質を未だ行っていないポリオレフィン多孔膜(以
下、未改質ポリオレフィン多孔膜という。)を、プリー
ツ状やスパイラル状、ディスク状等の所定の濾過フィル
ターの形状に加工した後、混合ガスに接触させて改質す
る。
【0021】例えば、プリーツ状に加工する方法として
は、特開平3−80924号公報等に記載の方法によっ
て組み立てることができる。すなわちメッシュ等のポリ
オレフィン製多孔膜の孔径よりはるかに大きい孔径を持
つサポーターを、該ポリオレフィン製多孔膜の片面また
は両面に配置し、これ等を同時にプリーツ化する。さら
にはプリーツ化した膜の端部及び上下側端部をシール
し、基材と一体化する。
【0022】また、中空糸状の多孔膜では、混合ガスに
よる改質前に、その両端に対しポッティング等の処理を
行い基材と一体化することが必要である。このように、
本発明の改質ポリオレフィン多孔膜を濾過フィルターに
用いる場合は、予めモジュール化し、濾過フィルターに
組み立てた後に改質処理することが好ましい。
【0023】また、本発明の改質ポリオレフィン多孔膜
をバッテリーセパレーターとして使用する場合は、電極
間に該セパレーターを配置した後、これを混合ガスに接
触させることにより、多孔膜の改質が行われる。濾過フ
ィルターと混合ガスとの接触方法については特に限定さ
れるものではなく、例えば、混合ガスを濾過フィルター
の一次側から二次側、もしくは二次側から一次側、また
は一次側、二次側の両方向から逐次流す膜通過による方
法、あるいは密閉された容器内に濾過フィルターを保持
し、容器内の気体を混合ガスに置換して接触する方法等
が挙げられるが、多孔膜の孔内部の表面を十分に改質し
うる点において、膜通過による方法が好ましい。また、
プリーツ状多孔膜の場合は、プリーツひだ間の表面改質
を十分行なう必要があるため、濾過フィルターの一次
側、二次側の両方向から逐次流す方法が好適に用いられ
る。
【0024】また、バッテリーセパレーターとして用い
る場合には、電極内にセパレーター膜を配置した後、密
閉容器中などで混合ガスに接触させて改質を行なう方法
が使用される。本発明においては、濾過フィルターある
いはバッテリーセパレーターに組み立てた後に表面改質
を行なうため、従来の表面改質処理後に濾過フィルター
等を製造する場合とは異なり、表面改質により多孔膜の
強度あるいは伸度が低下したとしても、組み立て加工に
よる膜の亀裂、ピンホール発生等が生じない。
【0025】すなわち、表面改質が十分に行われた優れ
た特性を有する多孔膜を保持したまま、濾過フィルター
やバッテリーセパレーター等を安定かつ容易に製造する
ことが可能である。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例により詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。なお、以下の諸例において、
各測定は次の方法によって行った。 (1)接触角 接触角測定機(協和界面(株)製CA−A)を用いて室
温で液滴法にて計測した。 (2)透水速度 23℃の雰囲気下、カプセルタイプの濾過モジュール
に、圧力1.7KG/cm2 にて純水200mlを透過
させ、透過時間から下記の式を用いて算出した。
【0027】
【数7】 透水速度=透過水量/(膜面積×透過時間×圧力) 単位はリットル/ hr・m2・atmに換算した。 (3)ESCA測定 PERKIN・ELMER・PHI社製のESCA−5
500MCを用いて多孔膜の表面元素組成分析を行っ
た。測定条件としては、X線源A1,14KV,300
W,モノクロメーター使用、分析面積0.8mmφ、取
出角65゜とした。 (4)空孔率(%) 以下の式を用いて算出した。
【0028】
【数8】空孔率=空孔容積/多孔膜容積×100 (5)バブルポイント JIS K3832に基づきイソプロピルアルコールを
用いて測定した。 (6)スチレンラテックスの阻止率 重量平均粒径0.212μmのスチレンラテックス粒子
(ダウ社製)を水に分散させ、アミコン社製8010型
セルを使用して差圧1kg/cm2 にて透過試験を実施
し、その前後のスチレンラテックス濃度をUV計で測定
してその阻止率を以下の式で求めた。
【0029】
【数9】阻止率(%)=(透過前の濃度−透過後の濃
度)/(透過前の濃度)×100 <参考例>粘度平均分子量200万のポリエチレンパウ
ダー20重量部と粒状ステアリルアルコール80重量部
のドライブレンドを押出機に供給して240℃で混練し
ながら連続的に幅550mm、ダイクリアランス0.4
mmのT第より押し出して厚さ150μmのシートを得
た。このシートを60℃のイソプロピルアルコール浴で
ステアリルアルコールを抽出し、厚さ120μmのポリ
エチレン製多孔膜を得た。この膜を膜の長手方向に10
0℃で、3.5倍、続いて膜の長手方向に垂直の方向に
125℃で9.1倍に延伸し、膜厚10μmの多孔膜を
得た。
【0030】<実施例1>参考例で得られたポリエチレ
ン多孔膜をプリーツ状に加工し、膜の端部及び上下側端
部をシールして基材と一体化し、モジュールを製造し
た。次に、該モジュールを、フッ素に対し耐性を有する
反応器内に、フッ素と酸素を含有した混合ガスがモジュ
ールの一次側から二次側に通過できるように取り付け、
反応器内を真空に排気後、窒素で希釈した体積分率0.
13%のフッ素ガスと体積分率0.13%の酸素ガスの
混合ガスをモジュールの一次側に導入して超高分子量ポ
リエチレン多孔膜を通してモジュールの二次側へ2.5
リットル流した。その後、混合ガスを真空排気し、窒素
ガスを導入して1気圧に戻した。
【0031】試料を取り出し、透水速度を測定した。モ
ジュールを分解し、取り出した改質された超高分子量ポ
リエチレン多孔膜の純水の接触角と表面元素組成、膜
厚、空孔率、BP値、0.212μmスチレンラテック
スの阻止率を測定した。測定結果を表1に示す。水に対
する接触角は52゜であり、表面が親水化されたため1
800リットル/hr・m2・atmの透水速度を示し
た。また、ESCA測定により、(10×[O]−
[F])/[C]の値を計算すると0.94であった。
【0032】<実施例2>実施例1と同様の操作によ
り、表1に示す条件で粘度平均分子量200万の超高分
子量ポリエチレン多孔膜の表面処理を行った。測定結果
を表1に示す。水に対する接触角は47゜であり、表面
が親水化されたため2300リットル/hr・m2・a
tm の透水速度を示した。また、ESCA測定によ
り、(10×[O]−[F])/[C]の値を計算する
と0.99であった。
【0033】<比較例1>実施例1〜2と同様の操作
を、窒素のみを含むガスにより、表1の条件にしたがっ
て処理を行った。この場合の測定結果を表1に示す。水
に対する接触角は124゜であり、水は透過しなかっ
た。また、ESCA測定により得られた(10×[O]
−[F])/[C]の値は0であった。
【0034】<比較例2>実施例1〜2と同様の操作
を、窒素のみで希釈したフッ素ガスにより、表1の条件
にしたがって処理を行った。この場合の測定結果を表1
に示す。水に対する接触角は113゜であり、処理前と
殆ど変わらず、水は透過しなかった。また、ESCA測
定により、(10×[O]−[F])/[C]の値を計
算すると−0.17であった。すなわち、酸素を添加し
ないフッ素処理では超高分子量ポリエチレン多孔膜の表
面は親水化されないことがわかった。
【0035】<比較例3>フッ素に対し耐性を有する反
応器内に上記参考例で得られたポリエチレン多孔膜を入
れ、真空排気後、フッ素ガスと差案素ガスを窒素でそれ
ぞれ0.19%づつ希釈した混合ガスを導入して760
torrとした。室温で10分間静置後、混合ガスを真
空排気し、窒素ガスを導入して760torrとした。
その後、試料を取り出し、プリーツ状に加工してモジュ
ールを組み立てた。このモジュールを純水で濡らし、1
kg/cm2の圧力をかけて気密テストをしたところ、
微多孔膜にピンホールがあり、エアーが漏れた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、特殊な装置を必要とせ
ずに簡便なプロセスにより、高分子成形体の表面を親水
化することができる。そして、表面改質が十分に行われ
た優れた特性を有する多孔膜を保持したまま、濾過フィ
ルターやバッテリーセパレーター等を安定かつ容易に製
造することが可能である。よって、本発明の産業的価値
は多大である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)厚さ1〜350μm、(b)空孔
    率25〜90%、(c)バブルポイント1〜10kg/
    cm2、 (d)透水量が1000リットル/hr・m2
    ・atm以上、 (e)0.212μmスチレンラテッ
    クス粒子の阻止率が99%以上、(f)表面の水滴接触
    角が100゜以下、および(g)ESCAにて測定した
    表面元素組成における炭素原子数[C]、酸素原子数
    [O]、フッ素原子数[F]が、以下の関係式を満たす
    ことを特徴とする、改質ポリオレフィン多孔膜。 【数1】 100≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5
  2. 【請求項2】 改質ポリオレフィン多孔膜が、ポリオレ
    フィン多孔膜をフッ素ガスおよび酸素ガスを含む混合ガ
    スと接触させることにより得られるものであることを特
    徴とする、請求項1記載の改質ポリオレフィン多孔膜。
  3. 【請求項3】 改質ポリオレフィン多孔膜が、粘度平均
    分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の改質ポリオレフィン多孔
    膜。
  4. 【請求項4】 (a)厚さ1〜350μm、(b)空孔
    率25〜90%、(c)バブルポイント1〜10kg/
    cm2、 (d)透水量が1000リットル/hr・m2
    ・atm以上、 (e)0.212μmスチレンラテッ
    クス粒子の阻止率が99%以上、(f)表面の水滴接触
    角が100゜以下、および(g)ESCAにて測定した
    表面元素組成における炭素原子数[C]、酸素原子数
    [O]、フッ素原子数[F]が、以下の関係式を満たす
    改質ポリオレフィン多孔膜を使用することを特徴とす
    る、濾過フィルター。 【数2】 100≧(10×[O]−[F])/[C]≧0.5
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン多孔膜を濾過フィルター
    に組立てた後に、該濾過フィルターをフッ素ガスおよび
    酸素ガスを含む混合ガスと接触させることを特徴とす
    る、請求項3記載の濾過フィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 フッ素ガスの分圧1に対して酸素ガスの
    分圧が0.01〜1000である混合ガスを用いる請求
    項5記載の濾過フィルターの製造方法。
JP4097194A 1994-03-11 1994-03-11 改質ポリオレフィン多孔膜及びそれを用いた濾過フィルター Pending JPH07246322A (ja)

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