JP4079221B2 - グラフト膜の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラフトすることで表面が改質された機能性膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン等の疎水性樹脂からなる多孔性中空糸膜は、水中での物理強度が高く、高い濾過圧下においても、破断、破裂、損傷、寸法変形などが起きないといった特徴がある。しかしながら、疎水性の多孔性中空糸膜に血漿分画製剤やバイオ医薬品の成分であるタンパク質を透過させると、即座にタンパク質の吸着が起こり、濾過速度や回収率を著しく低下させるといった欠点がある。タンパク質の吸着は、膜の疎水性に起因するものであり、タンパク質の吸着を防止するためには、多孔性中空糸膜の細孔表面を改質し、膜に親水性を付与すればよい。
【0003】
疎水性の多孔性中空糸膜の細孔表面を改質し、膜に親水性を付与する方法としては、細孔表面に親水性モノマーをグラフト重合する方法(以下、グラフト法という。)がある。グラフト法により細孔表面に導入されたグラフト層は、膜に共有結合によって結びつき一体化しているため、洗浄によってグラフト層が溶出し、膜の親水性が失われるといったことがない。グラフト重合によって形成される親水性のグラフト層はタンパク質の膜への吸着を効果的に抑制することができる。
グラフト膜を製造する上で最も問題となるのは、膜へのグラフト量の制御である。グラフト量が少なすぎる場合、膜表面の官能基密度が不足し、表面改質の目的を達成することが出来ない。また、グラフト量が多すぎる場合、孔の閉塞や透過性能の著しい低下を招き、特に孔径の小さな膜ではその影響が顕著に表れる。
【0004】
近年、血漿分画製剤やバイオ医薬品の精製工程において、ウイルス等の病原体を除去し、安全性を高める技術が求められている。このようなウイルス群を膜濾過法によって物理的に除去するためには孔径10〜100nm程度の微多孔膜が必要である。しかしながら、ウイルス等を除去できるような小孔径膜をグラフト法によって改質する場合、細孔表面に導入したグラフト層が孔を閉塞させ、透過性を著しく低下させるといった欠点があった。ウイルスを除去できる10〜100nm程度の小孔径の多孔性中空糸膜を、十分な濾過性能を維持したままグラフト法により改質する技術は未だ確立されていないのが現状である。
【0005】
特許文献1には、ポリエチレン製の中空糸膜にガンマ線を照射し、断熱容器内でモノマー溶液と接触させる方法が開示されている。しかしながら、このような製造方法では、中空糸の外表面近傍に、濃度差を駆動力とした拡散によってモノマーが次々と供給されるため、外表面近傍でのみグラフト重合が進む。そのため、外表面近傍の孔は閉塞し、透過性能は著しく低下する。
特許文献2には、フィルム状の多孔膜に電子線を照射し、モノマー溶液に浸漬し、連続的に巻き取ってから窒素中で反応させる方法が示されている。この方法を中空糸膜に適用しても、中空糸膜の中空部にモノマー溶液が入り込めず、均一なグラフト膜が得られない。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−157504号広報
【特許文献2】
特開平07−265674号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グラフト法による、表面が改質された多孔性中空糸膜の製造方法を提供すること、更には水濡れ性、タンパク質非吸着性、耐汚染性等に優れた多孔性中空糸膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜に反応性モノマーをグラフトさせるグラフト膜の製造方法において、反応性モノマーを含有する溶液中で多孔性中空糸膜の反応開始点に反応性モノマーをグラフトさせる際に、束にまとめた多孔性中空糸膜の糸束の側面をフィルムで巻き、少なくとも該糸束の片端面を開放した状態でグラフトさせることを特徴とするグラフト膜の製造方法、
[2] 熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜の最大孔径が10nm以上、100nm以下であることを特徴とする[1]に記載のグラフト膜の製造方法、
[3] 多孔性中空糸膜の反応開始点が多孔性中空糸膜に電離性放射線を照射して生成したラジカルであることを特徴とする[1]又は[2]に記載のグラフト膜の製造方法、
[4] 反応性モノマーがビニル基を1個以上有するモノマーであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のグラフト膜の製造方法、
[5] ビニル基を1個以上有するモノマーがヒドロキシル基、又はその前駆体を有することを特徴とする[4]に記載のグラフト膜の製造方法、
[6] 熱可塑性樹脂がポリオレフィンまたはポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のグラフト膜の製造方法、
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、いかなる孔径の多孔性中空糸膜にも適用可能であり、特に限定されるものではない。しかしながら、本発明の製造方法は、実用的な透過性能を維持しつつ、細孔の表面を改質するといった特徴があり、小孔径の膜ほどその効果が大きい。本発明の製造方法で用いられる熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜のバブルポイント法で求めた最大孔径は、10〜100nmを有する中空糸膜を用いることが好ましく、より好ましくは10〜70nm、最も好ましくは10〜50nmである。最大孔径が10nm未満では、グロブリン等の生理活性物質の透過性や濾過速度の点に問題があり、100nmを越えると除去対象であるウイルス等の微粒子を実用的なレベルで除去することができない。ここで言う最大孔径は、ASTM F316−86に準拠したバブルポイント法で測定した値である。
【0010】
本発明の製造方法によってグラフトされる多孔性中空糸膜を形成する熱可塑性樹脂は、通常の圧縮、押出、射出、インフレーション、及びブロー成型に使用される熱可塑性樹脂であり、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ4−メチル1−ペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、エチレン/テトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂等のフッ素系樹脂、ポレフェニレンエーテル樹脂、及びポリアセタール樹脂等が使用できる。
【0011】
上記の熱可塑性樹脂の中で、ポリオレフィン樹脂やフッ素系樹脂は、電離性放射線による劣化の影響が少ないため好ましく、なかでもポリフッ化ビニリデン樹脂は特に好ましい。
グラフト法とは、多孔性中空糸膜にあらかじめアミノ基、ヒドロキシル基、カルボン酸等の官能基を導入して反応開始点とし、互いに反応して高分子化しうるモノマーを縮合や付加反応等によりグラフトする方法や、又は電離性放射線の照射や化学反応等の手段によって該中空糸膜に生成させたラジカルを反応開始点として、該中空糸膜に反応性モノマーを重合させる手法である。
【0012】
本発明においては、反応性モノマーを含有する溶液中で多孔性中空糸膜の反応開始点に該反応性モノマーをグラフトさせる際に、束にまとめた多孔性中空糸膜の糸束の側面をフィルムで巻き、該糸束の少なくとも片端面を開放した状態でグラフトさせることが必要である。ここで、反応開始点とは上記したように、多孔性中空糸膜にあらかじめ導入した官能基、もしくは電離性放射線の照射や化学反応等の手段によって多孔性中空糸膜に生成させたラジカルをいう。
【0013】
多孔性中空糸膜の糸束の側面をフィルムで巻き、該糸束の少なくとも片端面を開放した状態にする工程は、反応性モノマーを含有する溶液中で多孔性中空糸膜の反応開始点に反応性モノマーをグラフトさせる工程より前であれば、いかなるタイミングで行ってもよい。多孔性中空糸膜に電離性放射線を照射し、ラジカルを生成させる場合においては、電離性放射線を照射する前に糸束の側面をフィルムで巻き、該糸束の少なくとも片端面を開放した状態にする工程を行うと、作業性の点から好ましい。
【0014】
本発明では、いかなる外径の多孔性中空糸膜を用いることも可能であるが1〜100000μmが好ましく、より好ましくは10〜10000μm、最も好ましくは50〜1000μmである。外径が1μm未満の多孔性中空糸膜は実質的に製造し難く、100000μmを超えると実質的に束を形成することがし難い。
糸束を構成する多孔性中空糸の本数はいかなる本数で実施してもよいが、作業性を考慮すると10〜500000本が好ましく、より好ましくは50から100000本、最も好ましくは100から50000本である。10本未満では実質的に糸束をフィルムで完全に巻くことが困難であり、500000本を越えると糸束中心部の中空糸が抜け落ちる可能性がある。
糸束を巻く方法はいかなる方法で実施しても良い。一般的な包装機だけでなく、シュリンク包装機等の加熱や超音波処理を伴う方法も用いることも可能である。
【0015】
本発明の製造方法では、該糸束の側面をフィルムで巻くことで、該糸束外表面への反応性モノマーの供給を制限し、細孔の閉塞を効果的に抑制することができるようになった。糸束を巻くのに使用するフィルムの材質は、いかなる材質も用いることが可能であるが、電離性放射線による崩壊や、反応溶液による膨潤等による強度劣化が少ないものが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂製、アルミ、チタン等の金属製、ブタジエンゴム、ウレタンゴム等のゴム製または紙類等が使用できる。特にアルミ製のフィルムは電離性放射線による強度劣化が少ないことなどから好ましい。該フィルムの厚みは、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは2〜500μm、最も好ましくは5〜100μmである。1μm未満では強度に不安があり、1000μmを越えるとハンドリングが著しく低下する。
【0016】
本発明において、糸束の側面をフィルムで巻き、該糸束の少なくとも片端面を開放した状態とは図1に示すような方法で巻いた状態であり、該糸束の側面はフィルムで覆われているが、該糸束の少なくとも片端面、好ましくは両端面は反応性モノマー溶液が自由に出入できる状態をいう。該糸束の側面をフィルムで巻くことで、該糸束外表面への反応性モノマーの供給を制限し、細孔の閉塞を効果的に抑制することができる。反応性モノマー溶液は開放された該糸束の端部から進入し、多孔性中空糸膜と接触することによりグラフト反応が進行する。そのため、該糸束の少なくとも片端面、好ましくは両端面を開放した状態にすることは必須である。該糸束の片端面、もしくは両端面は反応性モノマー溶液が自由に出入りできる状態であればいかなる形状でも適用できる。また、糸束中心部の中空糸が自重で抜け落ちるようであれば該糸束の片端面、もしくは両端面を、反応性モノマー溶液が自由に出入りできるが、中空糸が抜け落ちない程度の孔径を有するメッシュ、不織布、膜等で覆うことも可能である。
【0017】
該糸束の側面を覆うフィルムの該糸束長さ方向の長さは、多孔性中空糸膜の濾過に寄与する有効長以上であればいかなる長さでも良いが、該糸束の長さに対して0.1〜10倍が好ましく、より好ましくは0.2〜5倍、最も好ましくは0.5〜2倍である。該糸束の長さに対して0.1倍未満では該糸束側面のほとんどが露出した状態となり、グラフト反応が過剰に進み細孔の閉塞を引き起こす傾向があり好ましくない。10倍を越えると反応性モノマー溶液が該糸束中に入り難くなる傾向があり好ましくない。
【0018】
フィルムの該糸束円周方向に対する長さはいかなる長さでも良いが、糸束中心部の中空糸が自重で抜け落ちない程度に拘束した状態の糸束の外周に対して1〜10倍が好ましく、より好ましくは1〜5倍、最も好ましくは1〜3倍である。該糸束の外周に対して1倍未満では、該糸束側面の一部が露出し、グラフトムラが生じる。10倍以上で特に問題は無いが、フィルムの素材によっては電離性放射線の透過率を低下させる場合がある。
【0019】
フィルムで巻く糸束の充填率は50〜120%が好ましく、より好ましくは60〜100%、最も好ましくは70〜95%である。充填率が50%未満ではグラフト反応が過剰に進み細孔の閉塞を引き起こし、120%を超えると多孔性中空糸膜の空隙部分が潰れ、濾過性能を低下させる。ここで言う充填率とは、以下の式で定義される値である。
充填率(%)=100×{(中空糸の外直径/2)×π×中空糸の本数}/{(糸束を巻いたフィルムからなる筒状構造体の内直径/2)×π}
糸束中心部の中空糸が自重で抜け落ちるようであれば該糸束の片端面、もしくは両端面を、反応性モノマー溶液が自由に出入りできるが、中空糸が抜け落ちない程度の孔径を有するメッシュ、不織布、膜等で覆うことも可能である。また、該糸束を予め糸や帯等で拘束し、糸束中心部の中空糸が抜け落ちることを防ぐことも可能である。
【0020】
糸束の側面を巻いたフィルムは、端部を接着しなくても良いが、作業性を考慮すると接着するほうが好ましい。接着は、図1に示したように市販の粘着テープ、接着剤等によりフィルム端部を固定することにより達成される。また、ホットメルトをあらかじフィルムに塗布し、超音波や加熱によって融着させてもよい。さらには、フィルムに熱収縮フィルムを用い、加熱により収縮させ、糸束にフィルムを密着させることにより接着することも可能である。
【0021】
本発明において、高分子微多孔膜に反応開始点を生成させるためにはいかなる手段も採用しうる。例えば、化学グラフト法、光グラフト法、放射線グラフト法、あるいは放電グラフト法等を採用することが出来るが、膜全体に均一な反応開始点を生成させるためには、電離性放射線の照射による放射線グラフト法が好ましい。電離性放射線の種類としては、γ線、電子線、β線、中性子線等が利用できるが、工業規模での実施には電子線またはγ線が好ましく、γ線が最も好ましい。電離性放射線はコバルト60、ストロンチウム90、およびセシウム137などの放射性同位体から、またはX線撮影装置、電子線加速器および紫外線照射装置等により得られる。
【0022】
電離性放射線の照射線量は、1kGy以上1000kGy以下が好ましく、より好ましくは2kGy以上500kGy以下、もっとも好ましくは5kGy以上200kGy以下である。1kGy未満ではラジカルが均一に生成せず、1000kGyを越えると膜強度の低下を引き起こすことがある。
放射線グラフト法は一般に膜にラジカルを生成した後、ついでそれを反応性モノマーと接触させる前照射法と、膜を反応性化合物と接触させた状態で膜にラジカルを生成させる同時照射法に大別される。本発明においては、いかなる方法も適用しうるが、オリゴマーの生成が少ない前照射法が好ましい。
【0023】
前照射法においては、ラジカルを生成させた膜は、反応性モノマーと接触させる前に、反応容器中で脱気することが好ましい。脱気した反応容器に反応性モノマーを吸引導入することにより、該モノマーを細孔内部にまで均一に導入することができる。脱気する際の反応容器内の真空度は0〜1340Paが好ましく、さらに好ましくは0〜134Pa、最も好ましくは0〜13.4Paである。真空度が1340Paを越えると、反応性モノマーを膜の細孔を均一に導入することが困難である。
本発明において、反応開始点を有する多孔性中空糸膜に反応性モノマーを接触させる方法は、気相でも液相でも行うことができるが、本発明では、グラフト反応がより均一にすすむ液相で接触させる方法が必須である。グラフト反応をさらに均一に進めるために、反応性モノマーをあらかじめ溶媒中に溶解させてから、多孔性中空糸膜と接触させることが好ましい。
【0024】
本発明の製造方法に使用できる反応性モノマーは、多孔性中空糸膜の反応開始点と重合可能な化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、官能基を反応開始点としたグラフト法の場合は、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、テレフタル酸、尿素、ビスフェノールA等が挙げられる。ラジカルを反応開始点としたグラフト法の場合は、ビニル基を1個以上有するモノマーが好ましく、例えばヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシル基を有する、もしくはその前駆体となる官能基を有するビニルモノマー、ビニルピロリドン等のアミド結合を有するビニルモノマー、アクリルアミド等のアミノ基を有するビニルモノマー、ポリエチレングリコールモノアクリレート等のポリエチレングリコール鎖を有するビニルモノマー、メタクリル酸トリエチルアンモニウムエチル等のアニオン交換基を有するビニルモノマー、メタクリル酸スルホプロピル等のカチオン交換基を有すビニルモノマー等が挙げられる。これらの反応性モノマーは、2種類以上を膜と同時に接触させ、共重合させることも可能である。
【0025】
本発明の製造方法において、水濡れ性、タンパク質非吸着性、耐汚染性に優れた多孔性中空糸膜を提供するには、反応性モノマーの中でも、1個以上のヒドロキシル基、あるいはその前駆体となる官能基を有し、且つビニル基を1個以上有する反応性モノマーを用いることが好ましい。1個以上のヒドロキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えばヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸と多価アルコールのエステル類、アリルアルコール等の不飽和結合を有するアルコール類等が挙げられる。また、1個以上のヒドロキシル基の前駆体を有するビニルモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のエノールエステル類等を用いることができ、膜にグラフトした後、加水分解すればよい。上記の反応性モノマーの中で、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸と多価アルコールのエステル類を用いることが、水濡れ性、タンパク非吸着性、耐汚染性の点から特に好ましい。ヒドロキシプロピルアクリレートを本発明の製造方法でグラフトすれば、優れた水濡れ性、タンパク質非吸着性、耐汚染性に優れた多孔性中空糸膜を得ることができる。
【0026】
本発明の製造方法において、膜同士の固着を抑制させたり、膜からの溶出を低減させる等の効果があることから、必要に応じて架橋剤を反応性モノマー溶液に混入させて使用することが可能である。
本発明で用いられる架橋剤の具体例としては、例えば、官能基を反応開始点としたグラフト法の場合は、アルデヒド、ジアルデヒド、尿素誘導体、グリコール、ジカルボン酸、モノおよびジアミン、ジイソシアナート、ビスエポキシ化合物、ビスエチレンイミン化合物等である。ラジカルを反応開始点としたグラフト法の場合は、ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、フタル酸アリル、ジアリルカルビノール、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。これらの架橋剤は2種類以上の混合物も用いることが出来る。
【0027】
反応性モノマー、および必要に応じて用いる架橋剤を溶解する溶媒としては、均一溶解できるものであれば特に限定されない。このような溶媒として、例えば、エタノールやイソプロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンや2−ブタノン等のケトン類、水、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
反応性モノマー、および必要に応じて用いる架橋剤を溶解させる際の濃度は、3〜30容量%が好ましく、より好ましくは3〜20容量%、最も好ましくは3〜15容量%である。3容量%以上の濃度であれば十分なグラフト量が得られ好ましい。30容量%を越えるとグラフト層によって孔が埋まる場合があり、透過性能が低下する傾向があり好ましくない。
【0028】
1回のグラフト反応で反応容器に充填する糸束の本数は、いかなる本数で実施しても良い。
グラフト重合時に用いる反応性モノマー、および必要に応じて用いる架橋剤を溶媒に溶解させた反応液の量は、高分子微多孔膜1gに対して1×10−6〜1×10−2が好ましい。反応液の量が1×10−6〜1×10−2であれば均一性が充分な膜が得られる。
グラフト重合時の反応温度は、反応溶液が液体の状態であればいかなる温度でも良いが、一般的に0℃〜100℃で行われる。
【0029】
本発明では、多孔性中空糸膜の実用的な透過性能を維持したまま、十分なグラフト量の反応性モノマーをグラフトする。そのために、多孔性中空糸膜にグラフトされるグラフト率は、好ましくは3〜200%、さらに好ましくは4〜100%、最も好ましくは6〜50%である。グラフト率が3%未満であると膜のグラフト量が不足し、目的とする改質が達成できない場合がある。200%を越えると、比較的小さな孔がグラフト層によって埋まってしまい、充分な濾過速度が得られない。ここで言うグラフト率とは、以下の式で定義される値である。
グラフト率(%)=100×{(グラフト後の膜質量−グラフト前の膜質量)/グラフト前の膜質量}
本発明の製造方法によって製造された多孔性中空糸膜は、ウイルスや細菌等の除去、濃縮、または培地等に利用できる医用分離膜、薬液や処理水等から微粒子を除去する産業プロセス用フィルター、油水分離や液ガス分離用の分離膜、上下水の浄化を目的とする分離膜、リチウムイオン電池等のセパレーター、及びポリマー電池用の固体電解質支持体等の広範囲な用途に利用できるものである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例および比較例において用いた測定方法は次の通りである。
(1)中空糸の外径、内径、膜厚
多孔性中空糸膜の外径、内径は、該膜の垂直割断面を実体顕微鏡(モリテックス(株)製 SCOPEMAN503)を使用して210倍の倍率で撮影することで求めた。膜厚は中空糸の外直径と内直径との差の1/2として計算した。
(2)空孔率
多孔性中空糸膜の体積と質量を測定し、得られた結果から次式を用いて気孔率を計算した。
空孔率(%)=(1−質量÷(樹脂の密度×体積))×100
【0031】
(3)透水量
定圧デッドエンド濾過による温度25℃の純水の透過量を測定し、膜面積、濾過圧力(0.1MPa)、及び濾過時間より、次式の通りに計算して透水量とした。
透水量(m/m/秒/Pa)=透過量÷(膜面積×差圧×濾過時間)
(4)最大孔径
ASTM F316−86に準拠したバブルポイント法より求まるバブルポイント(Pa)を最大孔径(nm)として換算した。膜を浸漬する試験液として表面張力が12mN/mの炭化フッ素液体(住友スリーエム社製 パーフルオロカーボンクーラントFX―3250 商品名)を用いた。
【0032】
[製造例]
ポリフッ化ビニリデン樹脂(SOLVAY社製、SOFEF1012、結晶融点173℃)49wt%、フタル酸ジシクロヘキシル(大阪有機化学工業(株)製 工業品)53wt%からなる組成物をヘンシェルミキサーを用いて70℃で攪拌混合した後、冷却して粉体状としたものをホッパーより投入し、二軸押出機(東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL 50C 150)を用いて210℃で溶融混合し均一溶解した。続いて、中空内部に温度が130℃のフタル酸ジブチル(三建化工(株)製)を11ml/分の速度で流しつつ、内直径0.8mm、外直径1.05mmの環状オリフィスからなる紡口より吐出速度17m/分で中空糸状に押し出し、40℃に温調された水浴中で冷却固化させて、50m/分の速度でカセに巻き取った。その後、99%メタノール変性エタノール(今津薬品工業(株)製 工業品)でフタル酸ジシクロヘキシル及びフタル酸ジブチルを抽出除去し、付着したエタノールを水で置換した後、水中に浸漬した状態で高圧蒸気滅菌装置(平山製作所(株)製 HV−85)を用いて125℃の熱処理を1時間施した。熱処理時、収縮を防ぐために膜を定長状態に固定した。その後、オーブン中で60℃の温度で乾燥することにより中空糸状の微多孔膜を得た。得られた中空糸膜から無作為に15本抜き出し、内径、膜厚、最大孔径の測定にそれぞれ5本づつ使用した。5本の測定結果の平均を内径、膜厚、最大孔径として算出した。その結果、得られた中空糸膜の最大孔径は32nm、膜厚は70μm、最大孔径は32nmであった。また、得られた中空糸膜から無作為に25本を抜き出し、その平均値を透水量として算出した。その結果、得えられた中空糸膜の透水量は1.8E−10m/m/秒/Paであった。
【0033】
[実施例1]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、グラフト法による親水化処理を行った。反応液は、ヒドロキシプロピルアクリレートを7容量%となるように、3−ブタノールの25容量%水溶液に溶解させ、40℃に保持した状態で、窒素バブリングを20分間行ったものを用いた。まず、製造例で得られた多孔性中空糸膜1600本を30cmに切断し、糸束にした。該糸束を、幅15cm×長さ30cmに切断した厚み12μmのアルミ箔(住軽アルミ箔(株)製 マイホイル)で巻き、6cm毎に5箇所セロハン粘着テープ(ニチバン(株)製 セロテープ(登録商標))で固定した。糸束の充填率は約85%であった。次に、窒素雰囲気下において、該糸束をドライアイスで−60℃に冷却しながら、Co60を線源としてγ線を、100kGy照射した。γ線照射後の糸束を12本、直径25cm×深さ40cmの反応槽に縦に充填し、13.4Pa以下の減圧下に15分間静置した後、上記反応液18Lと該糸束を40℃で、30分間接触させた。その後、膜をエタノールで洗浄し、60℃真空乾燥を4時間行い、親水性の多孔性中空糸膜を得た。
【0034】
グラフト率は12本の糸束の質量をそれぞれグラフト前後で測定し、12本の糸束を構成する中空糸膜の平均値として前記グラフト率の式から算出した。また、透水量は12本の糸束からそれぞれ中空糸膜を無作為に25本ずつ抜き出し、12束×25本の平均値として算出した。その結果得られた、グラフト率および透水量を表1に示す。十分な実用的な透水性能を保持しつつ、十分なグラフト率を達成した。
【0035】
[実施例2]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、反応液と60分間接触させた以外、実施例1と同様のグラフト処理を行った。得られたグラフト率および透水量を、表1に示す。十分な実用的な透水性能を保持しつつ、十分なグラフト率を達成した。
【0036】
[実施例3]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、反応液と120分間接触させた以外、実施例1と同様のグラフト処理を行った。得られたグラフト率および透水量を、表1に示す。十分な実用的な透水性能を保持しつつ、十分なグラフト率を達成した。
【0037】
[実施例4]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、反応液と240分間接触させた以外、実施例1と同様のグラフト処理を行った。得られた12本の糸束の平均グラフト率および平均透水量を、表1に示す。十分な実用的な透水性能を保持しつつ、十分なグラフト率を達成した。
【0038】
[比較例1]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、糸束をアルミ箔で巻かずにそのままグラフト処理した以外、実施例1と同様のグラフト処理を行った。得られた12本の糸束の平均グラフト率および平均透水量は表2に示すように、グラフトによって細孔が埋まり、十分な透過性能が得られなかったばかりでなく、中空糸間の固着が顕著であった。
【0039】
[比較例2]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、糸束をアルミ箔で巻かずにそのままグラフト処理した以外、実施例2と同様のグラフト処理を行った。得られた12本の糸束の平均グラフト率および平均透水量は表2に示すように、グラフトによって細孔が埋まり、十分な透過性能が得られなかったばかりでなく、中空糸間の固着が顕著であった。また、反応時間が進むにつれ、グラフト率は増加し、透水量は急激に低下したことから、グラフト反応の制御が困難で、一定のグラフト率を得ることが困難であることを示す。
【0040】
[比較例3]
製造例で得られた多孔性中空糸膜に対し、糸束をアルミ箔で巻かずにそのままグラフト処理した以外、実施例3と同様のグラフト処理を行った。得られた12本の糸束の平均グラフト率および平均透水量は表2に示すように、グラフトによって細孔が埋まり、十分な透過性能が得られなかったばかりでなく、中空糸間の固着が顕著であった。また、反応時間が進むにつれ、グラフト率は増加し、透水量は急激に低下したことから、グラフト反応の制御が困難で、一定のグラフト率を得ることが困難であることを示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004079221
【0042】
【表2】
Figure 0004079221
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、グラフトで表面が改質された多孔性中空糸膜を容易に製造することが可能となった。特にグラフトによって細孔が埋まることがないことから、水濡れ性、タンパク質非吸着性、耐汚染性等に優れた多孔性中空糸膜を容易に製造することが可能となった。グラフト反応の制御が容易であり、一定のグラフト率のものを容易に得ることができるという特徴も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラフト膜の製造方法における、中空糸束をフィルムで巻く模式図。
【符号の説明】
1 多孔性中空糸膜
2 フィルム
3 接着テープ

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜に反応性モノマーをグラフトさせるグラフト膜の製造方法において、反応性モノマーを含有する溶液中で多孔性中空糸膜の反応開始点に反応性モノマーをグラフトさせる際に、束にまとめた多孔性中空糸膜の糸束の側面をフィルムで巻き、少なくとも該糸束の片端面を開放した状態でグラフトさせることを特徴とするグラフト膜の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜の最大孔径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載のグラフト膜の製造方法。
  3. 多孔性中空糸膜の反応開始点が多孔性中空糸膜に電離性放射線を照射して生成したラジカルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフト膜の製造方法。
  4. 反応性モノマーがビニル基を1個以上有するモノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラフト膜の製造方法。
  5. ビニル基を1個以上有するモノマーがヒドロキシル基、又はその前駆体を有することを特徴とする請求項4記載のグラフト膜の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂がポリオレフィンまたはポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のグラフト膜の製造方法。
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