JP2004035582A - 表面改質高分子微多孔膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面全体にわたり改質された高分子微多孔膜を容易に製造する方法を提供すること。
【解決手段】ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜全体に含浸させた後、付着している余分なモノマー溶液を除いてから、該高分子微多孔膜に0℃以下で電離性放射線を照射して高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に上記モノマーをグラフト重合する。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜全体に含浸させた後、付着している余分なモノマー溶液を除いてから、該高分子微多孔膜に0℃以下で電離性放射線を照射して高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に上記モノマーをグラフト重合する。
【選択図】 選択図なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面が改質された高分子微多孔膜の製造方法に関する。特に、親水性基、イオン交換基、キレート形成基等の官能基を高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に均一に導入された高分子微多孔膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微多孔膜は、様々な用途に用いられている。例えば、輸血用血漿、血液製剤やバイオ医薬等からウイルスや細菌等の病原体を除去する医用分離膜、半導体製品を製造するの使用されるフォトレジスト等の薬液から微小欠陥を引き起こす原因となる微粒子を除去する半導体薬液用ろ過フィルター、LSIや液晶製造時のウェットステーションでの循環ろ過フィルター、油水分離フィルター、液ガス分離フィルター等の産業プロセスフィルター、上下水の浄化を目的とする水処理用分離膜、空気等のガスの浄化を目的とするガス清浄用膜、リチウムイオン電池等の非水電解液系電池用セパレーター、ニッケル水素電池等のアルカリ電解液系電池用セパレーター、及びポリマー電池用の固体電解質支持体、燃料電池用基材膜等に使用されている。
【0003】
近年、輸血用血漿、血漿製剤やバイオ医薬品等の製剤を人体に投与する際に、血漿や製剤中に含まれるかもしれない細菌、ウイルス、及び病原性蛋白等の病原体に対する危機感がクローズアップされ、これらの病原体を除去または不活性化する方法が求められている。
微多孔膜を用いるろ過法は、粒子の大きさに応じて分離操作を行うため病原体の化学的性質や熱的性質に拘らず、全てのウイルスに有効であることから、このような病原体を物理的に除去する有用な手段として脚光を浴びつつある。このような用途に使用される微多孔膜は、一般に、医用分離膜と呼ばれる。
【0004】
該医用分離膜にはウイルス等の病原体の除去性能だけでなく、蛋白質であるアルブミンやグロブリン等の生理活性物質の透過性が高いことが求められており、医用分離膜が疎水性であると、蛋白質であるアルブミンやグロブリン等の生理活性物質が該分離膜と疎水性吸着を生じ、膜の微細孔に目詰まりして処理量が低下したり、製剤の成分が変質するといったトラブルが起きてしまう。このため、このような蛋白質吸着を防ぐために、医用分離膜は蛋白質非吸着性であることが必要であり、親水性であることが好ましい。
【0005】
微多孔膜を親水化する方法として、膜素材として親水性の素材を用いた場合は、膜が水によって膨潤し力学物性が著しく低下する危険があるため、疎水性素材によって膜を構成し、処理液と接触する膜表面や微細孔の内表面を改質して親水性を付与することが通常行われている。
高分子微多孔膜の膜外表面および微細孔内表面を改質する方法として、化学反応により表面改質する化学修飾方法、疎水性素材に親水性の素材をコーティングし親水性を付与する等に見られるようなコーティングによる表面改質方法、あるいは電離性放射線グラフト重合法により表面改質する方法等があり、中でも、電離性放射線グラフト重合法により表面改質する方法は、ポリエチレンのような化学的に安定である素材に対しても容易に親水性基、イオン交換基、キレート形成基を付与することができること、コーティングによる方法とは異なり表面改質用素材が剥がれ落ちる可能性もほとんどないことから好ましく用いられている。
【0006】
微多孔膜に電離性放射線を照射してグラフト重合する方法としては、微多孔膜に電離性放射線を照射しラジカルを生成させ、その後、気相のモノマーをその微多孔膜に接触させモノマーをグラフト重合する方法が特開昭64−30606号公報等に開示されている。それによると、親水性基、イオン交換基、キレート形成基などの官能基を膜表面に有する機能性微多孔膜を得ることができる。しかし、モノマーの蒸気圧だけを利用しているためグラフト重合反応が微多孔膜全体にわたって必ずしも均一に行われないという欠点がある。また、気化し難いモノマーに対して利用するのが困難である。
【0007】
特開平11−106552号公報には、ポリオレフィン組成物からなる微多孔膜に電子線を照射した後にアクリル系モノマー水溶液中にて該アクリル系モノマーと反応させる前照射法が開示されているが、液相における前照射グラフト重合法による方法は微多孔膜の孔構造が微細になるにつれ、すなわち孔径が小さくなるにつれ、膜の外部と膜の内部とでモノマーの含んだ溶液の液交換が起こりにくくなるため微細孔内表面に均一にグラフト重合反応するのは困難となるという問題があった。
【0008】
一方、上記公報の詳細な発明の説明の欄や特開昭62−298405号公報には、微多孔膜とモノマーを共存させて電子線を照射してグラフト重合を行う同時照射法ではグラフト重合に関与しないモノマーのみが単独重合し、ホモポリマーが生成してしまうと記載されている。ホモポリマーが生成すると微多孔膜基材の空孔を閉塞してしまい、そのため、微細孔内表面に均一にグラフト重合反応するのは困難となるという問題があった。
【0009】
また、同時照射法でもホモポリマーの生成を防ぐ研究例があり、例えば、原子力工業(1978)No.24,p44〜52に記載されている。それによると、モール塩などの水溶性の第1鉄塩、塩化第2鉄塩などの第2鉄塩、塩化第1銅などの第1銅塩、硫酸銅などの第2銅塩の使用がホモポリマー生成を防ぐには有効であると報告されている。
しかしながら、これらの上記金属塩はホモポリマーの生成を抑制する効果があるがグラフト重合自体も抑制してしまい、グラフト重合反応の制御ができないという欠点があり、均一に表面改質するのは困難であるという問題があった。また、上記金属塩は、モノマーに対して多量に使用しなければならないため不純物として、多量に上記金属塩が残留してしまう問題もある。
【0010】
このように、高分子微多孔膜の膜表面および微細孔内を均一に表面改質をするこれまでの方法は問題を有しており、特に、微多孔膜の孔構造が微細になればなるほど微多孔膜外表面および微細孔内表面まで均一に表面改質するのは困難なものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面全体にわたり改質された高分子微多孔膜を容易に製造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
1.ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜全体に含浸させた後、付着している余分なモノマー溶液を除いてから、該高分子微多孔膜に0℃以下で電離性放射線を照射して高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に上記モノマーをグラフト重合することを特徴とする表面改質高分子微多孔膜の製造方法。
【0013】
2.電離性放射線の照射終了後に0℃以上にすることを特徴とする上記1記載の表面改質高分子微多孔膜の製造方法。
を提供するものである。
本発明の高分子微多孔膜を構成する材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられ、これらのいずれも使用できるし、これらの混合樹脂であっても使用でき、中でもポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂は、加工し易く基材膜としての機械的特性に優れるため特に好ましい。
【0014】
本発明に使用される高分子微多孔膜の形状は、平膜状および中空糸膜状いずれでも良い。平膜状とはシート状、フィルム状、または平板などの形状を指し、エンボス加工など模様を付けたり、不織布や織布等を積層することも可能である。中空糸状とは、パイプ状、チューブ状、筒状、または管状などの形状を指す。
本発明に使用される高分子微多孔膜の平均孔径は0.003μm〜5μmが好ましい。より好ましくは0.005μm〜1μm、最も好ましくは0.01μm〜0.1μmである。平均孔径が0.003μm〜5μmの範囲であれば、モノマー溶液を微多孔膜内に均一に含浸させることができ、分離膜としての機能発揮の点でも問題がないことから好ましい。ここでいう平均孔径とは、後述するようにハーフドライ法に準拠して得られる平均孔径をいう。
【0015】
本発明に使用される高分子微多孔膜の気孔率は5%〜95%が好ましい。より好ましくは10%〜94%、最も好ましくは20%〜93%である。
本発明に使用される高分子微多孔膜の膜厚は特に限定されないが、10μm〜5mmの範囲が好ましい。より好ましくは、10μm〜4mm、最も好ましくは15μm〜4mmである。
本発明においては、電離性放射線グラフト重合法により高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面を改質する。ここで外表面とは高分子微多孔膜の表面を言い、膜中の細孔内の表面と区別するために用いた言葉である。
【0016】
本発明においては電離性放射線を高分子微多孔膜に照射することによって高分子微多孔膜中にラジカルを発生させ、そのラジカルを開始点として、該微多孔膜にモノマーをグラフト重合させ、表面を改質する。
電離性放射線としては、γ線、電子線、β線、中性子線等が利用できるが、放射線の透過性から電子線またはγ線が好ましい。電離性放射線はコバルト60、ストロンチウム90、およびセシウム137等の放射性同位体から、またはX線撮影装置、電子線加速器および紫外線照射装置等により得られる。
【0017】
好ましい電離性放射線の照射量は、20〜500kGyである。より好ましくは、30〜300kGy、最も好ましくは50〜250kGyである。
20kGy未満では、グラフト重合は十分進行しない恐れがあるため好ましくない。一方、500kGyを越えると基材である微多孔膜が劣化する恐れがあるため好ましくない。
本発明の製造方法においては、基材となる高分子微多孔膜に電離性放射線を照射する前に該高分子微多孔膜全体にモノマー溶液を含浸させておくことが必要である。モノマー溶液を含浸させる方法としては、モノマー溶液中に微多孔膜を浸漬し、モノマー溶液が含浸するに充分な時間の経過後に引き上げ、微多孔膜の外表面に付着しているモノマー溶液を軽く紙等で拭き取る方法、微多孔膜の外表面にモノマー溶液を充分に塗布して含浸させ、微多孔膜の外表面に付着しているモノマー溶液を軽く紙等で拭き取る方法等がある。浸漬して含浸させる方法が簡便で好ましい。
【0018】
本発明において高分子微多孔膜全体にとは、該高分子微多孔膜の一部ではなく、全体に含浸させることを言い、膜の全体にわたり細孔にまで含浸させることを言う。該微多孔膜はモノマー溶液が充分に含浸すると透明になるので、透明になったことでモノマー溶液が充分に含浸したことを判断することもできる。
本発明では、基材となる高分子微多孔膜内にあらかじめモノマー溶液を含浸させ、余分なモノマー溶液を取り除いた状態で電離性放射線を照射しグラフト重合させることで膜の外表面および細孔内表面全体にわたり、均一に表面改質することができる。
【0019】
本発明は、ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜に含浸させた後、余分なモノマー溶液を除き、電離性放射線を照射することが必須である。
ここで、微多孔膜外表面の付着している余分なモノマーの溶液を除くとは、膜中に含浸したモノマー溶液まで拭き取らないように膜の外表面を紙等で軽く拭き取り、膜の外表面上に液滴が存在しないようにすることをいう。
【0020】
本発明においては、モノマー溶液を微多孔膜に含浸させ、該モノマー溶液が微多孔膜中に存在する状態で電離性放射線を照射する。該モノマー溶液中のモノマー濃度は0.1wt%以上、80wt%以下、さらに好ましくは0.2wt%以上、70wt%以下、最も好ましくは0.5wt%以上、50wt%以下である。モノマー濃度がモノマー溶液に対して0.1wt%未満では、微多孔膜の外表面および細孔内表面に十分な量のグラフトができない恐れがあり好ましくない。一方、モノマー濃度が80wt%越えるとホモポリマーができ易く重合制御ができにくくなり好ましくない。
【0021】
さらに、高分子微多孔膜に含浸したモノマー溶液は膜の外表面上の余分なモノマー溶液を取り除いた後、例えば、溶媒のみを揮発させる等の手段を用いて、モノマー溶液中のモノマー濃度をモノマー濃度が80wt%を越えない範囲で変えてもかまわない。
本発明においてモノマーを溶解する溶媒としては、均一に溶解でき電離性放射線照射時の温度より低い融点(凝固点)をもつものであれば特に限定されない。また、電離性放射線照射時の温度以上の融点(凝固点)を持つ溶媒を用いた場合、溶媒とモノマーと相分離が起こしやすくなり高分子微多孔膜に均一にモノマーを導入するのは困難になる。
【0022】
このような溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンや2−ブタノンとのケトン類、CHClF2、CCl2F2、CCl2F2CClF2等のフッ化炭化水素類、あるいはそれらの混合物、あるいはそれらと水の混合物が挙げられる。
例えば、基材として、ポリオレフィン微多孔膜を用いた場合、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類を用いるのが、モノマー溶液を容易に含浸させることができるため好ましい。
【0023】
本発明で使用されるモノマーとしては、基本的にラジカル重合が可能であれば特に限定されない。
このようなモノマーとしては、水酸基を導入する目的であればヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等のモノマーを、アミノ基を導入する目的であれば、N,N−ジメチルアクリレート、ビニルピリジン等のモノマーを、カルボン酸基を導入する目的であればアクリル酸、メタクリル酸等のモノマーを使用することができる。
【0024】
また、グリシジルメタクリレート、ビニルベンジルハライド、アクリル酸またはメタクリル酸のハライド、プロペナール等を用いた活性官能基の導入も可能であり、スチレン等をグラフト重合し、その後スルホン化によるスルホン酸基の導入も可能となる。
下記一般式で表されるフルオロビニル化合物等をグラフト重合し、その後、ケン化することによりイオン交換性官能基の導入することも可能である。
【0025】
【化1】
[式中、lは0〜4、nは0〜20、Oは0〜3の整数を表し、mは0または1である。Xは−Fまたは−CF3であり、Yは−Fまたは−CF3であり、Zは−SO2F、−COOCH3等である。]
さらに、2個以上の反応基を有するモノマー、例えば、芳香族系の代表例としてジビニルベンゼン誘導体、脂肪族系ではエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のようなメタクリル酸誘導体、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のようなアクリル酸誘導体、あるいはN,N−メチレンビスアクリルアミド等に挙げられる2個の反応基を有するモノマー、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等に挙げられる3個の反応基を有するモノマー等も使用することができる。これらのモノマーは単独で用いることもできるし、混合系で使用することもできる。
【0026】
本発明のグラフト反応における電離性放射線照射時の温度は0℃以下であることが必要である。さらに好ましくは−20℃〜−150℃、最も好ましくは−30℃〜−100℃である。電離性放射線照射時の温度が0℃を越えると、高分子微多孔膜に生成したラジカルが急速に失活するためモノマーの単独重合が起こりやすくなり、グラフト重合反応が不均一になるばかりでなく、場合によってはグラフト重合反応が進行し難くなりグラフト率が上がらない等の問題が生じる。
【0027】
ここでいうグラフト率(%)とは、以下の式で定義される値である。
グラフト率/%=(グラフト重合後の膜重量−グラフト重合前の膜重量)/(グラフト重合前の膜重量)×100
さらに、本発明は、0℃以下にて電離性放射線を照射した後、0℃以上の温度にすることが好ましい。さらに好ましくは5℃〜80℃、最も好ましくは10℃〜60℃である。0℃未満では反応速度が遅くグラフト重合反応を完結させることが難しくなる傾向にあり好ましくない。
【0028】
本発明の表面改質微多孔膜の製造方法は、ウイルス除去等の用途に用いられる小孔径の微多孔膜に対し極めて有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において示される試験方法は次の通りである。
(1)膜厚
ダイヤルゲージ(尾崎製作所製 ピーコックNo.25)にて測定する。
(2)気孔率
微多孔膜の体積V(cm3)と質量W1(g)を測定し、次式を用いて気孔率ε(%)を計算する。式中、ρは樹脂の密度(g/cm3)である。
ε=100×(1−W1/(ρ×V))
(3)平均孔径
ハーフドライ法に準拠し、湿潤液体として表面張力γが9〜16mN/mのフロンを使用して、乾燥曲線及び湿潤曲線について印加圧力及び空気透過量の測定を行い、得られた乾燥曲線の1/2の曲線と湿潤曲線が交わる圧力PHD(Pa)から、次式の通りに平均孔径r(μm)を求めた。
r=2860× γ/PHD
【0030】
(4)透水量
直径20mmのポリプロピレン製透液セル(アドバンテック東洋(株)製:PP−25)に、あらかじめエタノールに浸しておいた微多孔膜をセットし、該膜を純水で洗浄してエタノールを除去したあと、温度25℃、差圧9.81×104Paで純水を透過させ、30秒間経過した際の透過量から、単位時間、単位圧力、単位面積あたりの透過量を計算し、これを透水量(m3/(秒・m2・Pa))とした。
(5)グラフト率
高分子樹脂微多孔膜のグラフト前の質量W2とグラフト後の質量W3の質量変化より、次式の通り計算してグラフト率dg(%)とした。
dg=(W3−W2)/W2×100
(6)ウシ免疫グロブリン吸着量
ウシ免疫グロブリンの吸着量は、100ppm含有の該グロブリン溶液中にグラフト膜を浸漬して浸漬前後での溶液中に存在する該グロブリン量を求めることにより測定した。
【0031】
100ppm含有の該グロブリン溶液は、インビトロジェン(株)製の5wt%含有の該グロブリン溶液を大塚製薬(株)製の生理食塩液(日本薬局方)にて希釈して100ppm含有のグロブリン溶液とした。該グロブリン溶液にグラフト膜を浸漬させる方法として、グラフト膜を膜面積20cm2(重量W4(g))になるように切り取り、エタノール中に浸漬した後、純水で膜を洗浄してエタノールを除去することにより膜表面を水で濡らした。その膜表面を水で濡らしたグラフト膜を15mlの100ppm該グロブリン溶液(該グロブリン重量1.5×10−3g)に20時間浸漬させた。
【0032】
該グロブリン吸着量は、該グロブリン溶液の浸漬前後で分光光度計((株)島津製作所製UV−1200)により、浸漬前の280nmにおける吸光度ASおよび浸漬後の280nmにおける吸光度A1を測定し、次式からグラフト膜1gに対する吸着量δ(g/g)として求めた。
δ=(AS−A1)/AS×(1.5×10−3)/W4
【0033】
【製造例1】
平均分子量25万、密度0.956の高密度ポリエチレン(旭化成(株)製:SH−800)40wt%および流動パラフィン(松村石油化学(株)製:スモイルP−350P)60wt%に酸化防止剤として高密度ポリエチレンに対して0.3wt%のテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:Irganox1010)を加え、35mm二軸押出機を用いて窒素雰囲気下200℃で混練した。その後、混練物をリップ間200μmのハンガーコートダイから冷却ロール上に押出キャストしてゲル状シートを得た。2−ブタノンを用いて、得られたゲル状シートから流動パラフィンを抽出除去し、ポリエチレンシートを得た。次いで、ポリエチレンシートを、二軸延伸機を用いて70℃の温度で縦方向/横方向それぞれ500%/秒、10%/秒の速度にて縦方向/横方向それぞれ3倍/3倍に逐次二軸延伸を行い、微多孔膜Aを得た。微多孔膜Aの膜厚、気孔率、平均孔径、透水量は、それぞれ50μm、78%、0.046μm、2.6×10−9m3/(秒・m2・Pa)であった。
【0034】
【製造例2】
8容量%のヒドロキシプロピルアクリレート(東京化成(株)製 試薬特級)、1容量%のポリエチレングリコールジアクリレート(Aldrich製、数平均分子量258)を91容量%の2−プロパノールに攪拌しながら均一に溶かし、さらに、流量8.3m3/秒の窒素ガスを15分間バブリングして、モノマー溶液Bを作成した。
【0035】
【製造例3】
ヒドロキシプロピルアクリレート(東京化成(株)製 試薬特級)とポリエチレングリコールジアクリレート(Aldrich製、数平均分子量258)を容量比8:1で均一に混ぜ合わせ、さらに、流量8.3m3/秒の窒素ガスを15分間バブリングして、モノマー液Cを作成した。
【0036】
【実施例1】
製造例1で得られた微多孔膜Aを製造例2で得られたモノマー溶液Bに5分間浸漬した後、膜の外表面に付着した余分なモノマー溶液Bを(株)クレシア製キムワイプワイパー200Sを用いて軽く拭き取り、微多孔膜Aにモノマー溶液Bを含浸させた。そのモノマー溶液Bを含浸させた微多孔膜Aを窒素雰囲気下の反応容器に入れ、コバルト60を線源として、ドライアイス温度(−75℃)下で、照射量100kGyでγ線を照射した。
【0037】
γ線を照射した後、反応容器内の温度をドライアイス温度(−75℃)下から25℃まで一気に上昇させ、その後25℃で15時間静置した後、反応容器から微多孔膜を取り出し、エタノールにて繰り返し十分洗浄した後、60℃で10時間減圧乾燥させることによりグラフト率22%の微多孔膜Dを得た。
微多孔膜Dの透水量は1.4×10−9m3/(秒・m2・Pa)であった。この微多孔膜Dのウシ免疫グロブリン吸着量を測定したところ、微多孔膜D、1gに対するウシ免疫グロブリン吸着量は0gで、吸着は認められなかった。
【0038】
【比較例1】
製造例1で得られた微多孔膜Aを製造例3で得られたモノマー液Cに5分間浸漬した後、膜外表面に付着した余分なモノマー液Cを(株)クレシア製キムワイプワイパー200Sを用いて軽く拭き取り、微多孔膜Aにモノマー液Cを含浸させたこと以外は実施例1と同様の条件でグラフト率は494%の微多孔膜Eを得た。この微多孔膜Eの膜表面には析出したポリマーが多く、グラフト斑が見られた。微多孔膜Eの透水量は0m3/(秒・m2・Pa)であった。
【0039】
【比較例2】
γ線を照射するときの温度が25℃であること以外は実施例1と同様の条件で微多孔膜Fを得た。この微多孔膜Fは、グラフト率は4%にすぎず、膜の外表面には析出したポリマーも見られた。また、微多孔膜Fのウシ免疫グロブリン吸着量を測定したところ、微多孔膜F、1gに対するウシ免疫グロブリン吸着量は2.0×10−2gであった。
【0040】
【参考例1】
製造例1で得られた微多孔膜Aについて、ウシ免疫グロブリン吸着量を測定した。その結果、微多孔膜A、1gに対するウシ免疫グロブリン吸着量は3.9×10−2gであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面全体にわたり改質された高分子微多孔膜を容易に製造する方法を提供することが可能となった。得られた表面改質した高分子微多孔膜は外表面および細孔内表面全体にわたり改質されていることから、これまでになく微多孔膜の機能性を向上させることが可能であり、産業上、大いに有用である。
本発明の製造方法により得られた表面改質された高分子微多孔膜は、親水性の微多孔膜、各種イオンの吸着膜やキレート膜、燃料電池用途等に使用されるイオン交換膜、あるいは、バイオテクノロジーに使用されるアフィニティ膜等に適用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面が改質された高分子微多孔膜の製造方法に関する。特に、親水性基、イオン交換基、キレート形成基等の官能基を高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に均一に導入された高分子微多孔膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微多孔膜は、様々な用途に用いられている。例えば、輸血用血漿、血液製剤やバイオ医薬等からウイルスや細菌等の病原体を除去する医用分離膜、半導体製品を製造するの使用されるフォトレジスト等の薬液から微小欠陥を引き起こす原因となる微粒子を除去する半導体薬液用ろ過フィルター、LSIや液晶製造時のウェットステーションでの循環ろ過フィルター、油水分離フィルター、液ガス分離フィルター等の産業プロセスフィルター、上下水の浄化を目的とする水処理用分離膜、空気等のガスの浄化を目的とするガス清浄用膜、リチウムイオン電池等の非水電解液系電池用セパレーター、ニッケル水素電池等のアルカリ電解液系電池用セパレーター、及びポリマー電池用の固体電解質支持体、燃料電池用基材膜等に使用されている。
【0003】
近年、輸血用血漿、血漿製剤やバイオ医薬品等の製剤を人体に投与する際に、血漿や製剤中に含まれるかもしれない細菌、ウイルス、及び病原性蛋白等の病原体に対する危機感がクローズアップされ、これらの病原体を除去または不活性化する方法が求められている。
微多孔膜を用いるろ過法は、粒子の大きさに応じて分離操作を行うため病原体の化学的性質や熱的性質に拘らず、全てのウイルスに有効であることから、このような病原体を物理的に除去する有用な手段として脚光を浴びつつある。このような用途に使用される微多孔膜は、一般に、医用分離膜と呼ばれる。
【0004】
該医用分離膜にはウイルス等の病原体の除去性能だけでなく、蛋白質であるアルブミンやグロブリン等の生理活性物質の透過性が高いことが求められており、医用分離膜が疎水性であると、蛋白質であるアルブミンやグロブリン等の生理活性物質が該分離膜と疎水性吸着を生じ、膜の微細孔に目詰まりして処理量が低下したり、製剤の成分が変質するといったトラブルが起きてしまう。このため、このような蛋白質吸着を防ぐために、医用分離膜は蛋白質非吸着性であることが必要であり、親水性であることが好ましい。
【0005】
微多孔膜を親水化する方法として、膜素材として親水性の素材を用いた場合は、膜が水によって膨潤し力学物性が著しく低下する危険があるため、疎水性素材によって膜を構成し、処理液と接触する膜表面や微細孔の内表面を改質して親水性を付与することが通常行われている。
高分子微多孔膜の膜外表面および微細孔内表面を改質する方法として、化学反応により表面改質する化学修飾方法、疎水性素材に親水性の素材をコーティングし親水性を付与する等に見られるようなコーティングによる表面改質方法、あるいは電離性放射線グラフト重合法により表面改質する方法等があり、中でも、電離性放射線グラフト重合法により表面改質する方法は、ポリエチレンのような化学的に安定である素材に対しても容易に親水性基、イオン交換基、キレート形成基を付与することができること、コーティングによる方法とは異なり表面改質用素材が剥がれ落ちる可能性もほとんどないことから好ましく用いられている。
【0006】
微多孔膜に電離性放射線を照射してグラフト重合する方法としては、微多孔膜に電離性放射線を照射しラジカルを生成させ、その後、気相のモノマーをその微多孔膜に接触させモノマーをグラフト重合する方法が特開昭64−30606号公報等に開示されている。それによると、親水性基、イオン交換基、キレート形成基などの官能基を膜表面に有する機能性微多孔膜を得ることができる。しかし、モノマーの蒸気圧だけを利用しているためグラフト重合反応が微多孔膜全体にわたって必ずしも均一に行われないという欠点がある。また、気化し難いモノマーに対して利用するのが困難である。
【0007】
特開平11−106552号公報には、ポリオレフィン組成物からなる微多孔膜に電子線を照射した後にアクリル系モノマー水溶液中にて該アクリル系モノマーと反応させる前照射法が開示されているが、液相における前照射グラフト重合法による方法は微多孔膜の孔構造が微細になるにつれ、すなわち孔径が小さくなるにつれ、膜の外部と膜の内部とでモノマーの含んだ溶液の液交換が起こりにくくなるため微細孔内表面に均一にグラフト重合反応するのは困難となるという問題があった。
【0008】
一方、上記公報の詳細な発明の説明の欄や特開昭62−298405号公報には、微多孔膜とモノマーを共存させて電子線を照射してグラフト重合を行う同時照射法ではグラフト重合に関与しないモノマーのみが単独重合し、ホモポリマーが生成してしまうと記載されている。ホモポリマーが生成すると微多孔膜基材の空孔を閉塞してしまい、そのため、微細孔内表面に均一にグラフト重合反応するのは困難となるという問題があった。
【0009】
また、同時照射法でもホモポリマーの生成を防ぐ研究例があり、例えば、原子力工業(1978)No.24,p44〜52に記載されている。それによると、モール塩などの水溶性の第1鉄塩、塩化第2鉄塩などの第2鉄塩、塩化第1銅などの第1銅塩、硫酸銅などの第2銅塩の使用がホモポリマー生成を防ぐには有効であると報告されている。
しかしながら、これらの上記金属塩はホモポリマーの生成を抑制する効果があるがグラフト重合自体も抑制してしまい、グラフト重合反応の制御ができないという欠点があり、均一に表面改質するのは困難であるという問題があった。また、上記金属塩は、モノマーに対して多量に使用しなければならないため不純物として、多量に上記金属塩が残留してしまう問題もある。
【0010】
このように、高分子微多孔膜の膜表面および微細孔内を均一に表面改質をするこれまでの方法は問題を有しており、特に、微多孔膜の孔構造が微細になればなるほど微多孔膜外表面および微細孔内表面まで均一に表面改質するのは困難なものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面全体にわたり改質された高分子微多孔膜を容易に製造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
1.ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜全体に含浸させた後、付着している余分なモノマー溶液を除いてから、該高分子微多孔膜に0℃以下で電離性放射線を照射して高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に上記モノマーをグラフト重合することを特徴とする表面改質高分子微多孔膜の製造方法。
【0013】
2.電離性放射線の照射終了後に0℃以上にすることを特徴とする上記1記載の表面改質高分子微多孔膜の製造方法。
を提供するものである。
本発明の高分子微多孔膜を構成する材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられ、これらのいずれも使用できるし、これらの混合樹脂であっても使用でき、中でもポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂は、加工し易く基材膜としての機械的特性に優れるため特に好ましい。
【0014】
本発明に使用される高分子微多孔膜の形状は、平膜状および中空糸膜状いずれでも良い。平膜状とはシート状、フィルム状、または平板などの形状を指し、エンボス加工など模様を付けたり、不織布や織布等を積層することも可能である。中空糸状とは、パイプ状、チューブ状、筒状、または管状などの形状を指す。
本発明に使用される高分子微多孔膜の平均孔径は0.003μm〜5μmが好ましい。より好ましくは0.005μm〜1μm、最も好ましくは0.01μm〜0.1μmである。平均孔径が0.003μm〜5μmの範囲であれば、モノマー溶液を微多孔膜内に均一に含浸させることができ、分離膜としての機能発揮の点でも問題がないことから好ましい。ここでいう平均孔径とは、後述するようにハーフドライ法に準拠して得られる平均孔径をいう。
【0015】
本発明に使用される高分子微多孔膜の気孔率は5%〜95%が好ましい。より好ましくは10%〜94%、最も好ましくは20%〜93%である。
本発明に使用される高分子微多孔膜の膜厚は特に限定されないが、10μm〜5mmの範囲が好ましい。より好ましくは、10μm〜4mm、最も好ましくは15μm〜4mmである。
本発明においては、電離性放射線グラフト重合法により高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面を改質する。ここで外表面とは高分子微多孔膜の表面を言い、膜中の細孔内の表面と区別するために用いた言葉である。
【0016】
本発明においては電離性放射線を高分子微多孔膜に照射することによって高分子微多孔膜中にラジカルを発生させ、そのラジカルを開始点として、該微多孔膜にモノマーをグラフト重合させ、表面を改質する。
電離性放射線としては、γ線、電子線、β線、中性子線等が利用できるが、放射線の透過性から電子線またはγ線が好ましい。電離性放射線はコバルト60、ストロンチウム90、およびセシウム137等の放射性同位体から、またはX線撮影装置、電子線加速器および紫外線照射装置等により得られる。
【0017】
好ましい電離性放射線の照射量は、20〜500kGyである。より好ましくは、30〜300kGy、最も好ましくは50〜250kGyである。
20kGy未満では、グラフト重合は十分進行しない恐れがあるため好ましくない。一方、500kGyを越えると基材である微多孔膜が劣化する恐れがあるため好ましくない。
本発明の製造方法においては、基材となる高分子微多孔膜に電離性放射線を照射する前に該高分子微多孔膜全体にモノマー溶液を含浸させておくことが必要である。モノマー溶液を含浸させる方法としては、モノマー溶液中に微多孔膜を浸漬し、モノマー溶液が含浸するに充分な時間の経過後に引き上げ、微多孔膜の外表面に付着しているモノマー溶液を軽く紙等で拭き取る方法、微多孔膜の外表面にモノマー溶液を充分に塗布して含浸させ、微多孔膜の外表面に付着しているモノマー溶液を軽く紙等で拭き取る方法等がある。浸漬して含浸させる方法が簡便で好ましい。
【0018】
本発明において高分子微多孔膜全体にとは、該高分子微多孔膜の一部ではなく、全体に含浸させることを言い、膜の全体にわたり細孔にまで含浸させることを言う。該微多孔膜はモノマー溶液が充分に含浸すると透明になるので、透明になったことでモノマー溶液が充分に含浸したことを判断することもできる。
本発明では、基材となる高分子微多孔膜内にあらかじめモノマー溶液を含浸させ、余分なモノマー溶液を取り除いた状態で電離性放射線を照射しグラフト重合させることで膜の外表面および細孔内表面全体にわたり、均一に表面改質することができる。
【0019】
本発明は、ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜に含浸させた後、余分なモノマー溶液を除き、電離性放射線を照射することが必須である。
ここで、微多孔膜外表面の付着している余分なモノマーの溶液を除くとは、膜中に含浸したモノマー溶液まで拭き取らないように膜の外表面を紙等で軽く拭き取り、膜の外表面上に液滴が存在しないようにすることをいう。
【0020】
本発明においては、モノマー溶液を微多孔膜に含浸させ、該モノマー溶液が微多孔膜中に存在する状態で電離性放射線を照射する。該モノマー溶液中のモノマー濃度は0.1wt%以上、80wt%以下、さらに好ましくは0.2wt%以上、70wt%以下、最も好ましくは0.5wt%以上、50wt%以下である。モノマー濃度がモノマー溶液に対して0.1wt%未満では、微多孔膜の外表面および細孔内表面に十分な量のグラフトができない恐れがあり好ましくない。一方、モノマー濃度が80wt%越えるとホモポリマーができ易く重合制御ができにくくなり好ましくない。
【0021】
さらに、高分子微多孔膜に含浸したモノマー溶液は膜の外表面上の余分なモノマー溶液を取り除いた後、例えば、溶媒のみを揮発させる等の手段を用いて、モノマー溶液中のモノマー濃度をモノマー濃度が80wt%を越えない範囲で変えてもかまわない。
本発明においてモノマーを溶解する溶媒としては、均一に溶解でき電離性放射線照射時の温度より低い融点(凝固点)をもつものであれば特に限定されない。また、電離性放射線照射時の温度以上の融点(凝固点)を持つ溶媒を用いた場合、溶媒とモノマーと相分離が起こしやすくなり高分子微多孔膜に均一にモノマーを導入するのは困難になる。
【0022】
このような溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンや2−ブタノンとのケトン類、CHClF2、CCl2F2、CCl2F2CClF2等のフッ化炭化水素類、あるいはそれらの混合物、あるいはそれらと水の混合物が挙げられる。
例えば、基材として、ポリオレフィン微多孔膜を用いた場合、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類を用いるのが、モノマー溶液を容易に含浸させることができるため好ましい。
【0023】
本発明で使用されるモノマーとしては、基本的にラジカル重合が可能であれば特に限定されない。
このようなモノマーとしては、水酸基を導入する目的であればヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等のモノマーを、アミノ基を導入する目的であれば、N,N−ジメチルアクリレート、ビニルピリジン等のモノマーを、カルボン酸基を導入する目的であればアクリル酸、メタクリル酸等のモノマーを使用することができる。
【0024】
また、グリシジルメタクリレート、ビニルベンジルハライド、アクリル酸またはメタクリル酸のハライド、プロペナール等を用いた活性官能基の導入も可能であり、スチレン等をグラフト重合し、その後スルホン化によるスルホン酸基の導入も可能となる。
下記一般式で表されるフルオロビニル化合物等をグラフト重合し、その後、ケン化することによりイオン交換性官能基の導入することも可能である。
【0025】
【化1】
[式中、lは0〜4、nは0〜20、Oは0〜3の整数を表し、mは0または1である。Xは−Fまたは−CF3であり、Yは−Fまたは−CF3であり、Zは−SO2F、−COOCH3等である。]
さらに、2個以上の反応基を有するモノマー、例えば、芳香族系の代表例としてジビニルベンゼン誘導体、脂肪族系ではエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のようなメタクリル酸誘導体、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のようなアクリル酸誘導体、あるいはN,N−メチレンビスアクリルアミド等に挙げられる2個の反応基を有するモノマー、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等に挙げられる3個の反応基を有するモノマー等も使用することができる。これらのモノマーは単独で用いることもできるし、混合系で使用することもできる。
【0026】
本発明のグラフト反応における電離性放射線照射時の温度は0℃以下であることが必要である。さらに好ましくは−20℃〜−150℃、最も好ましくは−30℃〜−100℃である。電離性放射線照射時の温度が0℃を越えると、高分子微多孔膜に生成したラジカルが急速に失活するためモノマーの単独重合が起こりやすくなり、グラフト重合反応が不均一になるばかりでなく、場合によってはグラフト重合反応が進行し難くなりグラフト率が上がらない等の問題が生じる。
【0027】
ここでいうグラフト率(%)とは、以下の式で定義される値である。
グラフト率/%=(グラフト重合後の膜重量−グラフト重合前の膜重量)/(グラフト重合前の膜重量)×100
さらに、本発明は、0℃以下にて電離性放射線を照射した後、0℃以上の温度にすることが好ましい。さらに好ましくは5℃〜80℃、最も好ましくは10℃〜60℃である。0℃未満では反応速度が遅くグラフト重合反応を完結させることが難しくなる傾向にあり好ましくない。
【0028】
本発明の表面改質微多孔膜の製造方法は、ウイルス除去等の用途に用いられる小孔径の微多孔膜に対し極めて有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において示される試験方法は次の通りである。
(1)膜厚
ダイヤルゲージ(尾崎製作所製 ピーコックNo.25)にて測定する。
(2)気孔率
微多孔膜の体積V(cm3)と質量W1(g)を測定し、次式を用いて気孔率ε(%)を計算する。式中、ρは樹脂の密度(g/cm3)である。
ε=100×(1−W1/(ρ×V))
(3)平均孔径
ハーフドライ法に準拠し、湿潤液体として表面張力γが9〜16mN/mのフロンを使用して、乾燥曲線及び湿潤曲線について印加圧力及び空気透過量の測定を行い、得られた乾燥曲線の1/2の曲線と湿潤曲線が交わる圧力PHD(Pa)から、次式の通りに平均孔径r(μm)を求めた。
r=2860× γ/PHD
【0030】
(4)透水量
直径20mmのポリプロピレン製透液セル(アドバンテック東洋(株)製:PP−25)に、あらかじめエタノールに浸しておいた微多孔膜をセットし、該膜を純水で洗浄してエタノールを除去したあと、温度25℃、差圧9.81×104Paで純水を透過させ、30秒間経過した際の透過量から、単位時間、単位圧力、単位面積あたりの透過量を計算し、これを透水量(m3/(秒・m2・Pa))とした。
(5)グラフト率
高分子樹脂微多孔膜のグラフト前の質量W2とグラフト後の質量W3の質量変化より、次式の通り計算してグラフト率dg(%)とした。
dg=(W3−W2)/W2×100
(6)ウシ免疫グロブリン吸着量
ウシ免疫グロブリンの吸着量は、100ppm含有の該グロブリン溶液中にグラフト膜を浸漬して浸漬前後での溶液中に存在する該グロブリン量を求めることにより測定した。
【0031】
100ppm含有の該グロブリン溶液は、インビトロジェン(株)製の5wt%含有の該グロブリン溶液を大塚製薬(株)製の生理食塩液(日本薬局方)にて希釈して100ppm含有のグロブリン溶液とした。該グロブリン溶液にグラフト膜を浸漬させる方法として、グラフト膜を膜面積20cm2(重量W4(g))になるように切り取り、エタノール中に浸漬した後、純水で膜を洗浄してエタノールを除去することにより膜表面を水で濡らした。その膜表面を水で濡らしたグラフト膜を15mlの100ppm該グロブリン溶液(該グロブリン重量1.5×10−3g)に20時間浸漬させた。
【0032】
該グロブリン吸着量は、該グロブリン溶液の浸漬前後で分光光度計((株)島津製作所製UV−1200)により、浸漬前の280nmにおける吸光度ASおよび浸漬後の280nmにおける吸光度A1を測定し、次式からグラフト膜1gに対する吸着量δ(g/g)として求めた。
δ=(AS−A1)/AS×(1.5×10−3)/W4
【0033】
【製造例1】
平均分子量25万、密度0.956の高密度ポリエチレン(旭化成(株)製:SH−800)40wt%および流動パラフィン(松村石油化学(株)製:スモイルP−350P)60wt%に酸化防止剤として高密度ポリエチレンに対して0.3wt%のテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:Irganox1010)を加え、35mm二軸押出機を用いて窒素雰囲気下200℃で混練した。その後、混練物をリップ間200μmのハンガーコートダイから冷却ロール上に押出キャストしてゲル状シートを得た。2−ブタノンを用いて、得られたゲル状シートから流動パラフィンを抽出除去し、ポリエチレンシートを得た。次いで、ポリエチレンシートを、二軸延伸機を用いて70℃の温度で縦方向/横方向それぞれ500%/秒、10%/秒の速度にて縦方向/横方向それぞれ3倍/3倍に逐次二軸延伸を行い、微多孔膜Aを得た。微多孔膜Aの膜厚、気孔率、平均孔径、透水量は、それぞれ50μm、78%、0.046μm、2.6×10−9m3/(秒・m2・Pa)であった。
【0034】
【製造例2】
8容量%のヒドロキシプロピルアクリレート(東京化成(株)製 試薬特級)、1容量%のポリエチレングリコールジアクリレート(Aldrich製、数平均分子量258)を91容量%の2−プロパノールに攪拌しながら均一に溶かし、さらに、流量8.3m3/秒の窒素ガスを15分間バブリングして、モノマー溶液Bを作成した。
【0035】
【製造例3】
ヒドロキシプロピルアクリレート(東京化成(株)製 試薬特級)とポリエチレングリコールジアクリレート(Aldrich製、数平均分子量258)を容量比8:1で均一に混ぜ合わせ、さらに、流量8.3m3/秒の窒素ガスを15分間バブリングして、モノマー液Cを作成した。
【0036】
【実施例1】
製造例1で得られた微多孔膜Aを製造例2で得られたモノマー溶液Bに5分間浸漬した後、膜の外表面に付着した余分なモノマー溶液Bを(株)クレシア製キムワイプワイパー200Sを用いて軽く拭き取り、微多孔膜Aにモノマー溶液Bを含浸させた。そのモノマー溶液Bを含浸させた微多孔膜Aを窒素雰囲気下の反応容器に入れ、コバルト60を線源として、ドライアイス温度(−75℃)下で、照射量100kGyでγ線を照射した。
【0037】
γ線を照射した後、反応容器内の温度をドライアイス温度(−75℃)下から25℃まで一気に上昇させ、その後25℃で15時間静置した後、反応容器から微多孔膜を取り出し、エタノールにて繰り返し十分洗浄した後、60℃で10時間減圧乾燥させることによりグラフト率22%の微多孔膜Dを得た。
微多孔膜Dの透水量は1.4×10−9m3/(秒・m2・Pa)であった。この微多孔膜Dのウシ免疫グロブリン吸着量を測定したところ、微多孔膜D、1gに対するウシ免疫グロブリン吸着量は0gで、吸着は認められなかった。
【0038】
【比較例1】
製造例1で得られた微多孔膜Aを製造例3で得られたモノマー液Cに5分間浸漬した後、膜外表面に付着した余分なモノマー液Cを(株)クレシア製キムワイプワイパー200Sを用いて軽く拭き取り、微多孔膜Aにモノマー液Cを含浸させたこと以外は実施例1と同様の条件でグラフト率は494%の微多孔膜Eを得た。この微多孔膜Eの膜表面には析出したポリマーが多く、グラフト斑が見られた。微多孔膜Eの透水量は0m3/(秒・m2・Pa)であった。
【0039】
【比較例2】
γ線を照射するときの温度が25℃であること以外は実施例1と同様の条件で微多孔膜Fを得た。この微多孔膜Fは、グラフト率は4%にすぎず、膜の外表面には析出したポリマーも見られた。また、微多孔膜Fのウシ免疫グロブリン吸着量を測定したところ、微多孔膜F、1gに対するウシ免疫グロブリン吸着量は2.0×10−2gであった。
【0040】
【参考例1】
製造例1で得られた微多孔膜Aについて、ウシ免疫グロブリン吸着量を測定した。その結果、微多孔膜A、1gに対するウシ免疫グロブリン吸着量は3.9×10−2gであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面全体にわたり改質された高分子微多孔膜を容易に製造する方法を提供することが可能となった。得られた表面改質した高分子微多孔膜は外表面および細孔内表面全体にわたり改質されていることから、これまでになく微多孔膜の機能性を向上させることが可能であり、産業上、大いに有用である。
本発明の製造方法により得られた表面改質された高分子微多孔膜は、親水性の微多孔膜、各種イオンの吸着膜やキレート膜、燃料電池用途等に使用されるイオン交換膜、あるいは、バイオテクノロジーに使用されるアフィニティ膜等に適用できる。
Claims (2)
- ラジカル重合が可能である反応基を1個以上有するモノマーの溶液を高分子微多孔膜全体に含浸させた後、付着している余分なモノマー溶液を除いてから、該高分子微多孔膜に0℃以下で電離性放射線を照射して高分子微多孔膜の外表面および細孔内表面に上記モノマーをグラフト重合することを特徴とする表面改質高分子微多孔膜の製造方法。
- 電離性放射線の照射終了後に0℃以上にすることを特徴とする請求項1記載の表面改質高分子微多孔膜の製造方法。
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