JP7434089B2 - アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法 - Google Patents

アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7434089B2
JP7434089B2 JP2020117231A JP2020117231A JP7434089B2 JP 7434089 B2 JP7434089 B2 JP 7434089B2 JP 2020117231 A JP2020117231 A JP 2020117231A JP 2020117231 A JP2020117231 A JP 2020117231A JP 7434089 B2 JP7434089 B2 JP 7434089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
wire rods
stator
core
axial gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020117231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021069268A (ja
Inventor
信吾 笠井
烈 宮崎
順也 武智
俊郎 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Publication of JP2021069268A publication Critical patent/JP2021069268A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7434089B2 publication Critical patent/JP7434089B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

本発明は、アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法に関する。
空隙を介して回転軸の軸方向にロータとステータとが対向配置されたアキシャルギャップ型回転電機が知られている。ステータは、周方向に沿って配置された複数のステータコアと、各ステータコアの周囲に巻回された複数のコイルとを含む。ステータコアは、渦電流損を低減するために、電磁鋼板の積層体(特許文献1)、アモルファス金属箔の巻鉄心(特許文献2)、軟磁性線材の集合体(特許文献3)、磁性粒子のプレス成形品(特許文献4,5)などを用いて製作される。
特開2012-50271号公報 特許第5567311号公報 特開2018-7304号公報 特開2012-518378号公報 特開2013-537797号公報
アキシャルギャップ型回転電機の出力は、ロータとステータ間の磁束量によって決まる。この磁束量は磁気抵抗が小さいほど大きくなる。そのためステータコアの磁気抵抗を小さくするための工夫が望まれる。
また、従来のステータコアでは、ロータからの磁束がステータコアだけでなく、ステータコアに巻線されたコイルにも侵入することが可能である。そのためコイルにおいて渦電流が発生し、損失が増大してしまう。
また、ステータコアを複数のコア部品で組み立てた場合、コア部品の接合面に空隙が生じることが避けられず、これにより磁気抵抗が増加してしまう。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、優れた鉄損特性を有し、従来に比して高出力が得られるアキシャルギャップ型回転電機を提供することにある。また、本発明の他の目的は、こうしたアキシャルギャップ型回転電機を効率的に製造できる方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様のアキシャルギャップ型回転電機は、
回転軸を中心として回転可能なロータと、
前記ロータに対して空隙を介して前記回転軸の軸方向に対向配置されたステータとを備え、
前記ロータは、前記回転軸の周方向に沿って異なる磁極が交互に並ぶように配置された複数の永久磁石を含み、
前記ステータは、前記回転軸の周方向に沿って配置された複数のステータコアと、各ステータコアの周囲に巻回された複数のコイルとを含み、
前記ステータコアは、軟磁性材料からなる複数の線材が前記回転軸の軸方向に沿って束ねられた束状コアと、複数の線材のうち少なくとも一部が該軸方向に対して傾斜し、線材側面が前記ロータに面している変形コアとを含む。
この態様において、アキシャルギャップ型回転電機は、前記ステータの両側に前記ロータがそれぞれ配置されたダブルロータ・シングルステータ型でもよい。
この態様において、アキシャルギャップ型回転電機は、前記ステータの片側に前記ロータが配置されたシングルロータ・シングルステータ型でもよい。
この態様において、アキシャルギャップ型回転電機は、前記ロータの両側に前記ステータがそれぞれ配置されたシングルロータ・ダブルステータ型でもよい。
この態様において、前記変形コアは、前記コイルの軸方向端面を部分的に覆う形状を有してもよい。
この態様において、前記変形コアは、線材が前記コイルから遠くなるほど、該線材の端面位置は前記ステータコアの中心に接近する段差構造を有してもよい。
この態様において、前記複数の線材は、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有し、第1外径を有する第1線材グループと、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有し、第1外径より小さい第2外径を有する第2線材グループとを含んでもよい。
この態様において、前記束状コアの外部には、複数の線材を束ねるための枠部材が設けられてもよい。
この態様において、前記ステータコアは、前記軟磁性材料からなる複数の線材に加えて、前記軟磁性材料よりも強度の高い材料からなる高強度線材を含んでもよい。
この態様において、前記複数の線材は、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有する第1線材グループと、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を複数組み合わせた異形断面形状を有する第2線材グループとを含んでもよい。
前記複数の線材のうち第1線材の側面には、凹部及び/又は凸部が形成され、
前記複数の線材のうち、該第1線材に隣接する第2線材の側面には、該第1線材の凹部及び/又は凸部と嵌り合う凸部及び/又は凹部が形成されてもよい。
前記ロータの両側に前記ステータがそれぞれ配置され、
各ステータの背面側に、磁気回路の一部を構成するバックヨークがそれぞれ設置されたシングルロータ・ダブルステータ型であって、
該バックヨークは、前記ステータコアを構成する前記複数の線材と一体的に構成されてもよい。
上記のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法は、
軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
複数の線材のうち少なくとも一部を一端で折り曲げて、第1変形コアを形成するステップと、
前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
前記複数の線材のうち少なくとも一部を他端で折り曲げて、第2変形コアを形成するステップとを含む。
上記のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法は、
軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
金型を用いて、複数の線材のうち少なくとも一部を両端において線材の長手方向に加圧して折り曲げ、第1変形コアおよび第2変形コアを形成するステップとを含む。
上記のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法は、
軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
金型を用いて、複数の線材のうち少なくとも一部を両端において線材の長手方向に加圧して潰し、第1変形コアおよび第2変形コアを形成するステップとを含む。
上記のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法は、
軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
複数の線材のうち少なくとも一部を両端において1本ずつ折り曲げて、第1変形コアおよび第2変形コアを形成するステップとを含む。
軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成する上記ステップは、
枠部材を用いて複数の線材を束ねるステップと、
束ねた複数の線材を接着するステップと、
接着した複数の線材から前記枠部材を取り外すステップとを含んでもよい。
なお、コイルは、第1変形コアおよび第2変形コアを形成した後に線材集合体の周囲に巻線することによって製作することも可能である。
本発明によれば、優れた鉄損特性を有し、従来に比して高出力が得られるアキシャルギャップ型回転電機を提供できる。
また本発明によれば、こうしたアキシャルギャップ型回転電機を効率的に製造できる。
本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の構成の一例を示す縦断面図。 ダブルロータ・シングルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機の概略構成を示す斜視図。 シングルロータ・シングルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機の概略構成を示す斜視図。 シングルロータ・ダブルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機の概略構成を示す斜視図。 ロータに設置される永久磁石の配置の一例を示す平面図。 ステータに設置されるステータコアおよびコイルの配置の一例を示す平面図。 ステータコアおよびコイルの形状の一例を示す斜視図。 コイルなし状態でのステータコアの形状の一例を示す斜視図。 ステータコアおよびコイルの形状の一例を示す平面図。 コイルなし状態でのステータコアの形状の一例を示す側面図。 ステータコアおよびコイルの形状の他の例を示す斜視図。 コイルなし状態でのステータコアの形状のさらに他の例を示す斜視図。 コイルなし状態でのステータコアの形状のさらに他の例を示す斜視図。 図14(A)は、異なる直径を有する円形断面の線材を束ねたコアを示す平面図。図14(B)は、異なる直径を有する六角形断面および円形断面の線材を束ねたコアを示す平面図。 図15(A)~(D)は、変形コアの機能を示す説明図。 本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法の一例を示すフローチャート。 製造方法の一例を示す説明図。 本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法の他の例を示すフローチャート。 製造方法の他の例を示す説明図。 本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法のさらに他の例を示すフローチャート。 本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法のさらに他の例を示すフローチャート。 製造方法のさらに他の例を示す説明図。 線材集合体を形成するステップの具体例を示す説明図。 ステータコアおよびコイルの形状のさらに他の例を示す斜視図。 ステータコアに引張荷重が作用する状態を示す説明図。 複数の線材に引張荷重が作用する状態を示すモデル図。 ステータコアが異形断面形状を有する線材を含む状態を示す斜視図。 線材の側面に凹部及び/又は凸部が形成された状態の一例を示す断面図。 線材の側面に凹部及び/又は凸部が形成された状態の他の例を示す断面図。 複数の線材が図28に示す凹凸配列パターンで配置された状態を示す斜視図。 シングルロータ・ダブルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機においてバックヨークを複数の線材で構成した例を示す斜視図。 図32(A)は、ステータユニットをロータユニット側から見た部分斜視図。図32(B)は、ステータユニットの部分側面図。図32(C)は、ステータユニットのバックヨークを示す部分斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の構成の一例を示す縦断面図であり、部分的に側面図を含む。なお、「回転電機」とは、回転部を有する電気機械であり、電動機、発電機、電動機兼発電機を含む総称である。
アキシャルギャップ型回転電機1は、回転軸10を中心として回転可能なロータ20と、ロータ20に対して空隙を介して回転軸10の軸方向Zに対向配置されたステータ40とを備える。
図1では、ステータ40を含むステータユニットSAの両側に、ロータ20を含むロータユニットRA,RBがそれぞれ配置されたダブルロータ・シングルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機を例示しており、図2は、その概略構成を示す斜視図である。
図3は、ステータ40を含むステータユニットSAの片側に、ロータ20を含むロータユニットRAが配置されたシングルロータ・シングルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機の概略構成を示す斜視図である。ステータユニットSAの背面側には、磁気回路の一部を構成する円板状のバックヨーク61が設置される。こうしたバックヨーク61には、細線を巻回した巻きコア、電磁鋼板の巻きコア、磁性鉄粉を用いたコアなどが使用できる。
図4は、積層された2つのロータ20を含むロータユニットRAの両側に、ステータ40を含むステータユニットSA,SBがそれぞれ配置されたシングルロータ・ダブルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機の概略構成を示す斜視図である。ステータユニットSA,SBの背面側には、磁気回路の一部を構成する円板状のバックヨーク61がそれぞれ設置される。
本発明は、1つ以上のロータユニットおよび1つ以上のステータユニットが交互に配置された構成を有するアキシャルギャップ型回転電機に適用可能である。
図1に戻って、ロータ20は、円板状のロータ基板21を含み、ロータ基板21の内側表面には複数の永久磁石22が設置される。ロータ基板21は、バルクの軟磁性材料で形成される。ロータ基板21は、回転軸10に対して、例えば、焼きばめ、溶接、接着などで固定され、回転軸10と一体的に回転する。永久磁石22は、板状の強磁性材料で形成され、厚さ方向に着磁されており、例えば、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石等の希土類磁石、フェライト磁石等が使用できる。
図5は、ロータ20に設置される永久磁石22の配置の一例を示す平面図である。図5では、複数(例えば、10個)の永久磁石22が回転軸10の周方向θに沿って異なる磁極N,Sが交互に並ぶように配列される。永久磁石22は、ロータ基板21に対して、例えば、接着、圧入、圧着、取付け部材またはこれらの併用などで固定される。なお、永久磁石22の平面形状は、図5では円環扇形、即ち、扇形の中心側部分が円弧状に欠落したような形状を例示したが、他の任意の形状でもよく、例えば、円形、台形、三角形、多角形などでも構わない。また、永久磁石22の数も、2~8個または12個以上の偶数でも構わない。
図1に戻って、ステータ40は、円板状のステータ基板41を含み、ステータ基板41には、周方向θに沿って配置された複数のステータコア50が設置される。各ステータコア50の周囲には、枠部材60が設けられる。枠部材60は、非磁性材料、例えば、フッ素樹脂などの合成樹脂、例えば、熱収縮チューブ、あるいはステンレス鋼(SUS)などで形成できる。枠部材60を電気絶縁性材料で形成した場合、渦電流が流れるのを防止できるため、低損失化できる。こうした枠部材60は、必要に応じて省略することも可能である。各ステータコア50の周囲には、コイル43がそれぞれ巻回される。
ステータ基板41は、非磁性材料、例えば、合成樹脂、炭素繊維、ガラス繊維、炭素繊維又はガラス繊維と合成樹脂の母材とを組み合わせた複合材料、オーステナイト系ステンレス鋼、銅、アルミニウム等で形成される。なお、「非磁性」とは、実質的に磁化されない性質をいい、永久磁石に吸着しない程度に微弱に磁化される場合を含む。
ステータ基板41は、回転電機のハウジング(不図示)に固定される。ステータ基板41の中央には、ベアリング11を介して回転軸10が装着される。こうして上側のロータ20および下側のロータ20は、回転軸10と共に、ステータ40に対して相対的に回転可能になる。
図6は、ステータ40に設置されるステータコア50およびコイル43の配置の一例を示す平面図である。図6では、複数(例えば、12個)のステータコア50およびコイル43が回転軸10の周方向θに沿って等間隔で配列される。ステータコア50は、ステータ基板41に対して、例えば、溶接、ロウ付け、接着、圧入、圧着、取付け部材またはこれらの併用などで固定される。なお、ステータコア50およびコイル43の平面形状は、図6では永久磁石22と同様に円環扇形を例示したが、他の任意の形状でもよく、例えば、円形、台形、三角形、多角形などでも構わない。また、ステータコア50およびコイル43の数も、三相交流で駆動する場合、3~9個または15個以上の3の倍数でも構わない。
図1に戻って、回転軸10の中心からロータ20に設置される永久磁石22までの径方向Rに沿った距離は、回転軸10の中心からステータコア50までの径方向Rに沿った距離と同じである。これによりステータコア50と永久磁石22とが正対可能になる。また、ステータコア50の上側端面と上側のロータ20に設置される永久磁石22の表面までの間隔は、ステータコア50の下側端面と下側のロータ20に設置される永久磁石22の表面までの間隔と同じである。
次に、ステータコア50について詳細に説明する。
図7は、ステータコア50およびコイル43の形状の一例を示す斜視図である。図8は、コイルなし状態でのステータコア50の形状の一例を示す斜視図である。図9は、ステータコア50およびコイル43の形状の一例を示す平面図である。図10は、コイルなし状態でのステータコア50の形状の一例を示す側面図である。
ステータコア50は、軟磁性材料からなる複数の線材51を束ねた線材集合体によって構成され、複数の線材51が軸方向Zに沿って束ねられた束状コア53と、複数の線材51のうち少なくとも一部が軸方向Zに対して傾斜し、線材側面がロータ20に面している変形コア55とを含む。
図7~図10に示すように、変形コア55は、一例として、線材集合体の外側から1層~2層に位置する線材51が軸方向Zに対して約90度の方向に折り曲げられ、コイル43の軸方向端面を部分的に覆うような形状を有する。こうした形状は、鍔(つば)形状、フランジ形状、またはカラー(襟)形状とも称してもよい。
束状コア53は、線材集合体の外側から1層~2層に位置する線材51のうちの非変形部分、および線材集合体の内部に位置する直線状の線材51で構成される。直線状の線材51の長さは、折り曲げられた線材51の外寸法と略一致するように設計される。また、線材51の断面形状は、ここでは円形を例示したが、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形、半円形、扇形、楕円形、星形などの異形断面でも構わない。
図11は、ステータコア50およびコイル43の形状の他の例を示す斜視図である。ここでは、線材集合体の外側から1層~5層に位置する線材51が軸方向Zに対して約90度の方向に折り曲げられている。
こうした変形コア55を設けることによって、ロータ20とステータコア50との間の対向面積が大幅に増加するようになり、磁気抵抗が減少する。その結果、ロータ20とステータコア50との間の磁束量が増大し、回転電機の出力を高めることができる。
線材51は、磁気特性に優れた軟磁性材料、例えば、純鉄系、低炭素鋼、Si添加鋼などで形成されることが好ましい。磁気特性に優れる材料として電磁ステンレス鋼も使用可能であるが、合金成分量が多く、硬く成型しにくい特性がある。具体的には、線材は、主成分の鉄(Fe)に、0.001質量%以上、0.01質量%以下の炭素(C)、0より多く、2.0質量%以下のシリコン(Si)、0.1質量%以上、0.5質量%以下のマンガン(Mn)、0より多く、0.03質量%以下のリン(P)、0より多く、0.02質量%以下の硫黄(S)、0より多く、0.1質量%以下の銅(Cu)、0より多く、0.1質量%以下のニッケル(Ni)、0より多く、0.04質量%以下のアルミニウム(Al)、及び、0より多く、0.007質量%以下の窒素(N)の各成分を含有することが好ましい。かかる線材51のミクロ組織は、フェライト結晶粒の大きさがフェライト結晶粒度番号で2以上、6以下であることが好ましい。
次に、動作について説明する。各コイル43に交流電流が流れると、ロータ20に向けて交流磁界が発生する。例えば、アキシャルギャップ型回転電機1が三相モータである場合、各コイル43には位相が互いに120°異なる三相交流が供給される。
各コイル43によって磁界が発生すると、各コイル43と各永久磁石22との間で吸引力または反発力が生じ、ステータ40に対してロータ20が回転する。このとき永久磁石22からステータコア50に向けて磁束が生じる。この磁束はステータコア50に入る。磁束の時間変化によって電磁誘導が生じ、各線材51の内部に渦電流が誘起される。このときステータコア50が複数の線材51で分割されているため、渦電流の経路が分割されることになり、渦電流の経路が分割されていない場合、例えば、単一コアの場合と比べて抵抗値が増大する。このため、誘起される渦電流が減少し、ジュール損が減少する。
また、アキシャルギャップ型回転電機をモータとして使用する場合、駆動周波数が高くなると鉄損における渦電流損の割合が大きくなるため、周波数が高い場合は線材51の線径を小さくすることが有効である。また、線径が大きすぎると交流磁界を印加した際に表皮効果によって磁束が内部まで浸透せず、トルク不足になったり、渦電流損が増加して効率が低下したりするおそれがある。このため、線材の線径(断面が六角形の場合は対角長。断面が円形の場合は直径。)の上限は2.0mmがよく、好ましくは1.8mm、さらに好ましくは1.6mmとする。他方、線径が小さすぎると、線材における絶縁皮膜の占める割合が相対的に大きくなり、磁束密度の減少及びトルクの減少の原因となる。このような理由から線材51の線径の下限は0.3mmとするのがよく、好ましくは0.5mm、さらに好ましくは0.7mm以上とする。このように、線材51の線径はモータの駆動条件(駆動周波数、必要トルク、効率)に応じて適切な範囲を選択する必要がある。
また、磁気抵抗は透磁率に反比例するため、ステータコア50と永久磁石22との間の空隙の磁気抵抗は大きくなる。そのため永久磁石22に対向する面に鍔形状のような変形コア55を設けることによって、ステータコア50と永久磁石22との対向面積が大きくなる。そのため磁気抵抗が減少し、磁気特性を向上できる。また、変形コア55に軸方向Zに高さが変化する段差構造を設けることによって、対向面積を増加させることが可能である。
また、線材51と線材51の間には接触抵抗があるため、必ずしも絶縁皮膜を設ける必要はない。しかし、各線材51の表面を絶縁皮膜でコーティングし、線材間の電気抵抗を増加させることによって、各線材51に発生する渦電流を低減でき、渦電流損をさらに低減できる。絶縁皮膜を設けた場合、渦電流損の低減効果が大きくなるが、製造工程が増えてしまう。そのため、線材51の伸線加工時に使用した潤滑皮膜をそのまま残し、絶縁皮膜として利用することによって、製造工程を増やすことなく、電気絶縁効果を高めることができる。この潤滑皮膜として、電気絶縁性が高い被膜、例えば、リン酸系ボンデ被膜などが望ましい。
また、線材51は、メッキまたは合成樹脂コーティングなどで防さび処理を施すことも好ましく、これによりさびの発生を抑制できる。
図12は、コイルなし状態でのステータコア50の形状のさらに他の例を示す斜視図である。線材集合体の外側から1層~2層に位置する線材51が軸方向Zに対して約90度の方向に折り曲げられて、変形コア55が形成される。ここでは、四角形の断面形状を有する線材51を使用しているため、線材51間の隙間が小さくなり、最密充填に近い構造が得られる。その結果、ステータコア50の充填率が高くなり、磁気抵抗が減少する。
図13は、コイルなし状態でのステータコア50の形状のさらに他の例を示す斜視図である。線材集合体の外側から1層~2層に位置する線材51がプレス加工などによって潰されて、軸方向Zに対して約90度の方向に延出して、変形コア55が形成される。ここでは、四角形の断面形状を有する線材51を使用し、さらにプレス加工の際に線材51間の隙間がより小さくなり、最密充填に近い構造が得られる。その結果、ステータコア50の充填率が高くなり、磁気抵抗が減少する。
図14(A)は、異なる直径を有する円形断面の線材51を束ねたコアを示す平面図であり、図14(B)は、異なる直径を有する六角形断面および円形断面の線材51を束ねたコアを示す平面図である。複数の線材51を束ねるための枠部材60が使用される。
図14(A)において、線材51として、直径Daを有する円形断面の線材51aと、直径Daより小さい直径Dbを有する円形断面の線材51bとを使用している。主要な線材51aは、2つの枠部材60の間の空間に正三角格子として配置される。そして線材51a同士の隙間および線材51aと枠部材60との隙間に、細い線材51bが配置される。さらに、残留する隙間を充填するために、線材51bより細い他の線材を使用してもよい。
図14(B)において、線材51として、外接円直径Daを有する六角形断面の線材51aと、直径Daより小さい直径Dbを有する円形断面の線材51bとを使用している。主要な線材51aは、2つの枠部材60の間の空間に正三角格子として配置され、いわゆるハニカム構造を形成する。そして線材51a同士の隙間および線材51aと枠部材60との隙間に、細い線材51bが配置される。さらに、残留する隙間を充填するために、線材51bより細い他の線材を使用してもよい。
一般に、複数の線材51は、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有し、直径Daを有する線材51aからなる第1線材グループと、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有し、直径Daより小さい直径Dbを有する線材51bからなる第2線材グループとを含む。
このように異なる直径を有する線材を使用することによって、最密充填に近い構造が得られる。その結果、ステータコア50の充填率が高くなり、磁気抵抗が減少する。
図15(A)~(D)は、変形コア55の機能を示す説明図である。磁束Φは、ロータ20の永久磁石22とステータコア50との間で相互作用する。例えば、電動機として使用する場合、コイル43に流れる電流の大きさおよび向きを制御することによって、ロータ20に作用するトルクが制御される。
図15(A)において、ステータコア50は、束状コア53だけで構成され、上述したような変形コア55は形成されていない。この場合、ロータ20からの磁束Φは、ステータコア50だけでなくコイル43にも流入するようになる。その結果、コイル43において渦電流損が発生してしまう。
次に図15(B)において、ステータコア50は、束状コア53と、外側1層に位置する線材51で形成された変形コア55とを備える。変形コア55は、コイル43の軸方向端面を部分的に覆うような形状を有する。この場合、ロータ20からの磁束Φの大部分は、変形コア55を通過するようになり、コイル43には殆ど流入しなくなる。その結果、コイル43での渦電流損が減少し、モータトルクの改善が図られる。
次に図15(C)において、ステータコア50は、束状コア53と、外側の複数層(例えば、3層)に位置する線材51で形成された変形コア55とを備える。変形コア55は、コイル43の軸方向端面を部分的に覆うような形状を有し、さらに外側3層に位置する線材51の端面位置が径方向Rで一致している。この場合、ロータ20からの磁束Φの大部分は、変形コア55を通過するようになるが、外側第1層に位置する線材51に集中するようになり、磁気飽和が生じる可能性がある。
次に図15(D)において、ステータコア50は、束状コア53と、外側の複数層(例えば、3層)に位置する線材51で形成された変形コア55とを備える。変形コア55は、コイル43の軸方向端面を部分的に覆うような形状を有し、さらに線材51がコイル43から遠くなるほど、線材51の端面位置はステータコア50の中心に接近する段差構造TRを有する。この場合、ロータ20からの磁束Φは、外側第1層だけでなく、外側第2層、第3層に位置する線材51も通過するようになる。その結果、外側第1層に位置する線材51での磁気飽和を防止できる。
(実施形態2)
次に、アキシャルギャップ型回転電機を製造する方法について詳細に説明する。従来のようにステータコアとして、電磁鋼板などの板状材料または鉄粉成形体を用いて鍔形状コアを製造した場合、コイル巻線を鍔形状コアに挿入しようとすると、コイル内径より大きい外径を有する鍔が障害となり、コイルをそのまま挿入することができない。そこで、予めステータコアを中間で2つに分割し、2つの分割コアの間にコイルを挟み込み、その後に分割コアを接合することになる。そのため分割コア間に空隙が生じることが避けられず、磁気抵抗の増加をもたらすことになる。
これに対して本発明のようにステータコア50を複数の線材51で束ねた線材集合体で構成した場合、ステータコア50にコイル43を挿入した後、線材51に加工を施すことによって鍔形状コアを形成できる。例えば、ステータコア50の形状よりも若干大きい形状のボビンに銅線を所定回数巻回してコイル43を製作し、得られたコイル43をステータコア50に装着し、その後に鍔形状コアを形成することができる。これによりステータコアの分割工程が不要になり、分割による磁気抵抗の増加(空隙の出現)を防止することができ、回転電機の出力を向上させることができる。
図16は、本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法の一例を示すフローチャートであり、図17は、その説明図である。まずステップS11において、図17(A)に示すように、軟磁性材料からなる複数の線材51を束ねて、線材集合体57を形成する。線材集合体57は、最終的に束状コア53となる線材51よりも変形コア55を構成する線材51の方がより長くなるように設計される。
次にステップS12において、図17(B)に示すように、複数の線材51の一部を一端で折り曲げて、第1変形コア55を形成する。次にステップS13において、図17(C)に示すように、線材集合体57の周囲にコイル43を設置する。
次にステップS14において、図17(D)に示すように、上述した複数の線材51の一部を他端で折り曲げて、第2変形コア55を形成する。こうして複数の線材51が軸方向Zに沿って束ねられた束状コア53と、複数の線材51の一部が軸方向Zに対して傾斜した変形コア55とを含むステータコア50が得られる。
次にステップS15において、得られたステータコア50を用いて、図1に示すようなステータ40を製作する。次にステップS16において、得られたステータ40および、図1に示すような別途製作したロータ20を用いて、アキシャルギャップ型回転電機1を組み立てる。
図18は、本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法の他の例を示すフローチャートであり、図19は、その説明図である。まずステップS21において、図19(A)に示すように、軟磁性材料からなる複数の線材51を束ねて、線材集合体57を形成する。線材集合体57は、最終的に束状コア53となる線材51よりも変形コア55を構成する線材51の方がより長くなるように設計される。
次にステップS22において、図19(B)に示すように、線材集合体57の周囲にコイル43を設置する。
次にステップS23において、図19(C)に示すように、円錐台形状の2つの金型DAを用いて、より長い方の線材51を両端において線材51の長手方向に加圧して折り曲げ、軸方向Zに対して約30度~60度傾斜させる。続いて図19(D)に示すように、円板形状の2つの金型DBを用いて、折り曲げた複数の線材51を両端において線材51の長手方向に加圧してさらに折り曲げて、軸方向Zに対して約90度傾斜させる。こうして第1変形コア55および第2変形コア55を形成する。ステップS24,S25は、上述したステップS15,S16と同様である。
この方法によれば、複数の線材51を同時に加工できるため、製造効率が優れている。
図20は、本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法のさらに他の例を示すフローチャートである。その説明図は、図19のものと同様である。まずステップS31において、図19(A)に示すように、軟磁性材料からなる複数の線材51を束ねて、線材集合体57を形成する。線材集合体57は、最終的に束状コア53となる線材51よりも変形コア55を構成する線材51の方がより長くなるように設計される。
次にステップS32において、図19(B)に示すように、線材集合体57の周囲にコイル43を設置する。
次にステップS33において、図19(C)に示すように、円錐台形状の2つの金型DAを用いて、より長い方の線材51を両端において線材51の長手方向に加圧して折り曲げ、軸方向Zに対して約30度~60度傾斜させる。続いて図19(D)に示すように、円板形状の2つの金型DBを用いて、折り曲げた複数の線材51を両端において線材51の長手方向に加圧して潰して、軸方向Zに対して約90度傾斜させる。こうして第1変形コア55および第2変形コア55を形成する。線材51の先端部分が潰れた状態は、一例として図13に示している。ステップS34,S35は、上述したステップS15,S16と同様である。
この方法によれば、複数の線材51を同時に加工できるため、製造効率が優れている。
図21は、本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法のさらに他の例を示すフローチャートであり、図22は、その説明図である。まずステップS41において、図22(A)に示すように、軟磁性材料からなる複数の線材51を束ねて、線材集合体57を形成する。線材集合体57は、最終的に束状コア53となる線材51よりも変形コア55を構成する線材51の方がより長くなるように設計される。
次にステップS42において、図22(B)に示すように、線材集合体57の周囲にコイル43を設置する。
次にステップS43において、図22(C)に示すように、手作業またはロボットハンドを用いて、より長い方の線材51を両端において外側から1本ずつ折り曲げて、軸方向Zに対して約90度傾斜させる。最終的に図22(D)に示すように、より長い方の線材51を全て折り曲げて、第1変形コア55および第2変形コア55を形成する。ステップS44,S45は、上述したステップS15,S16と同様である。
この方法によれば、複数の線材51を個別に加工できるため、加工精度が優れている。
図23は、線材集合体57を形成するステップS11,S21,S31,S41の具体例を示す説明図である。まず図23(A)に示すように、枠部材60を用いて複数の線材51を束ねる。枠部材60は、剥離性の良い材料、例えば、例えば、フッ素樹脂などの合成樹脂で形成される。次に図23(B)に示すように、束ねた複数の線材51の隙間に接着剤を注入して線材同士を接着して固化する。線材51と枠部材60は接着しない。次に図23(C)に示すように、接着した複数の線材51から枠部材60を取り外す。こうして枠部材60なしの線材集合体57が得られる。図23(D)は、線材集合体57の概略断面図を示す。
この方法によれば、線材集合体57の周囲にコイル43を設置する際、枠部材60を省略できるため、空間利用効率が高くなり、ステータコアの小型化、磁気抵抗の低減化が図られる。
なお、コイル43は、第1変形コア55および第2変形コア55を形成した後に線材集合体57の周囲に巻線することによって製作することも可能である。また、線材集合体57は、接着せずに、枠部材60で束ねた状態で使用することも可能である。
(実施形態3)
図24は、ステータコア50およびコイル43の形状のさらに他の例を示す斜視図である。図7~図10に示したものと同様に、ステータコア50は、軟磁性材料からなる複数の線材51を束ねた線材集合体によって構成され、複数の線材51が軸方向Zに沿って束ねられた束状コア53と、複数の線材51のうち少なくとも一部が軸方向Zに対して傾斜した変形コア55とを含む。
図24の構成では、ステータコア50は、軟磁性材料からなる複数の線材51に加えて、該軟磁性材料よりも強度の高い材料からなる高強度線材51Hを含む。こうした高強度線材51Hとして、炭素鋼、特殊鋼(ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼など)、炭素繊維などが使用できる。
こうして線材51の一部を高強度線材51Hに置換することによって、ステータコア50の機械的強度を増強できる。
図25は、ステータコア50に引張荷重が作用する状態を示す説明図である。ステータコア50には、ロータとの吸引力によって軸方向Zと平行な方向に引張荷重が作用する。線材51同士は樹脂モールドで一体化されているため、線材51に作用する引張強度は、図26に示すように、複数のばね(ばね定数k~k)を並列接続した場合と同様に考えられる。ここで、Fは荷重(N)、Xは伸び(m)である。
Figure 0007434089000001
複数のばねのうちi番目のばねに作用する荷重Fは、下記の式で求められる。
Figure 0007434089000002
上記の式を用いて算出された各線材51に作用する荷重と、線材51の材料に応じたヤング率と、設計時に予め設定する安全率とから、ステータコア50における高強度線材51Hの使用割合を決定できる。
(実施形態4)
図27は、ステータコア50が異形断面形状を有する線材51Dを含む状態を示す斜視図である。ここでは、線材51は、六角形断面を有し、線材51Dは、7つの六角形断面を最密で一体化した異形断面形状を有する場合を例示している。
一般に、複数の線材は、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有する第1線材グループと、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を複数組み合わせた異形断面形状を有する第2線材グループとを含んでもよい。
これにより線材同士の隙間が異形断面形状によってさらに充填できるようになり、コアの占積率を高めることができる。また、線材の直径、断面形状を適切に変更することにより、ステータコアの機械的強度、磁気特性なども変更することが可能になる。
(実施形態5)
図28は、線材51の側面に凹部及び/又は凸部が形成された状態の一例を示す断面図である。ここでは、線材51が六角形断面を有し、周方向に順に並んだ第1側面~第6側面のうち第1側面、第3側面、第5側面の各中央付近に微小な三角形断面の凸部PAが形成され、第2側面、第4側面、第6側面の各中央付近に微小な三角形断面の凹部PBが形成された場合を例示する(凹凸交互モデル)。一方の線材51の側面に形成された凹部PBと凸部PAは、隣接する他方の線材51の側面に形成された凸部PAと凹部PBと嵌め合い可能であり、これにより線材同士の密着度を高めることができる。
図29は、線材51の側面に凹部及び/又は凸部が形成された状態の他の例を示す断面図である。ここでは、線材51が六角形断面を有し、周方向に順に並んだ第1側面~第6側面のうち第1側面、第2側面、第3側面の各中央付近に微小な三角形断面の凸部PAが形成され、第4側面、第5側面、第6側面の各中央付近に微小な三角形断面の凹部PBが形成された場合を例示する(180度交互モデル)。一方の線材51の側面に形成された凹部PBと凸部PAは、隣接する他方の線材51の側面に形成された凸部PAと凹部PBと嵌め合い可能であり、これにより線材同士の密着度を高めることができる。
図30は、複数の線材51が図28に示す凹凸配列パターンで配置された状態を示す斜視図である。図30と同様に、複数の線材51を図29に示す凹凸配列パターンで配置することも可能である。
このように各線材の側面に互いに嵌め合い可能な凸部PAと凹部PBを形成することによって、ステータコア50の組立ての際に線材同士の密着度が高くなり、作業性が改善できる。例えば、線材51を押出し成形で製造する場合、単一の金型だけで図28および図29に示すような凹凸配列パターンが得られる。
(実施形態6)
図31は、シングルロータ・ダブルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機においてバックヨークを複数の線材で構成した例を示す斜視図である。図32(A)は、ステータユニットSA,SBをロータユニットRA側から見た部分斜視図である。図32(B)は、ステータユニットSA,SBの部分側面図である。図32(C)は、ステータユニットSA,SBのバックヨーク61を示す部分斜視図である。
図4では、ステータユニットSA,SBの背面側に円板状のバックヨーク61がそれぞれ設置される場合を例示したが、本実施形態では、バックヨーク61は、ステータコアを構成する複数の線材51と一体的に構成される。
図4の構成では、ステータユニットSA,SBとバックヨーク61との間に空隙(エアギャップ)が少なからず存在している。これに対して本実施形態の構成によれば、ステータユニットSA,SB内のステータコア50とバックヨーク61とが一体化されるため、空隙が解消される。その結果、ステータコア50とバックヨーク61を含む磁気回路の磁気抵抗を低減できる。
なお、本実施形態に係る構成は、図3に示すシングルロータ・シングルステータ型のアキシャルギャップ型回転電機におけるバックヨーク61も同様に適用できる。
本発明に係るアキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法は、高出力が得られる点で産業上極めて有用である。
1 アキシャルギャップ型回転電機
10 回転軸
11 ベアリング
20 ロータ
21 ロータ基板
22 永久磁石
40 ステータ
41 ステータ基板
43 コイル
50 ステータコア
51,51a,51b 線材
51D 異形断面線材
51H 高強度線材
53 束状コア
55 変形コア
57 線材集合体
60 枠部材
61 バックヨーク
PA 凸部
PB 凹部
SA,SB ステータユニット
RA,RB ロータユニット
Φ 磁束

Claims (17)

  1. 回転軸を中心として回転可能なロータと、
    前記ロータに対して空隙を介して前記回転軸の軸方向に対向配置されたステータとを備え、
    前記ロータは、前記回転軸の周方向に沿って異なる磁極が交互に並ぶように配置された複数の永久磁石を含み、
    前記ステータは、前記回転軸の周方向に沿って配置された複数のステータコアと、各ステータコアの周囲に巻回された複数のコイルとを含み、
    前記ステータコアは、軟磁性材料からなる複数の線材が前記回転軸の軸方向に沿って束ねられた束状コアと、複数の線材のうち少なくとも一部が該軸方向に対して傾斜し、線材側面が前記ロータに面している変形コアとを含む、アキシャルギャップ型回転電機。
  2. 前記ステータの両側に前記ロータがそれぞれ配置されたダブルロータ・シングルステータ型である請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  3. 前記ステータの片側に前記ロータが配置されたシングルロータ・シングルステータ型である請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  4. 前記ロータの両側に前記ステータがそれぞれ配置されたシングルロータ・ダブルステータ型である請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  5. 前記変形コアは、前記コイルの軸方向端面を部分的に覆う形状を有する請求項1~4のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  6. 前記変形コアは、線材が前記コイルから遠くなるほど、該線材の端面位置は前記ステータコアの中心に接近する段差構造を有する請求項5に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  7. 前記複数の線材は、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有し、第1外径を有する第1線材グループと、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有し、第1外径より小さい第2外径を有する第2線材グループとを含む請求項1~6のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  8. 前記束状コアの外部には、複数の線材を束ねるための枠部材が設けられる請求項1~6のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  9. 前記ステータコアは、前記軟磁性材料からなる複数の線材に加えて、前記軟磁性材料よりも強度の高い材料からなる高強度線材を含む請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  10. 前記複数の線材は、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を有する第1線材グループと、円形、半円形、六角形、四角形または三角形の断面形状を複数組み合わせた異形断面形状を有する第2線材グループとを含む請求項1~6のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  11. 前記複数の線材のうち第1線材の側面には、凹部及び/又は凸部が形成され、
    前記複数の線材のうち、該第1線材に隣接する第2線材の側面には、該第1線材の凹部及び/又は凸部と嵌り合う凸部及び/又は凹部が形成される請求項1~6のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  12. 前記ロータの両側に前記ステータがそれぞれ配置され、
    各ステータの背面側に、磁気回路の一部を構成するバックヨークがそれぞれ設置されたシングルロータ型であって、
    該バックヨークは、前記ステータコアを構成する前記複数の線材と一体的に構成される請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  13. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法であって、
    軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
    複数の線材のうち少なくとも一部を一端で折り曲げて、第1変形コアを形成するステップと、
    前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
    前記複数の線材のうち少なくとも一部を他端で折り曲げて、第2変形コアを形成するステップとを含む製造方法。
  14. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法であって、
    軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
    前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
    金型を用いて、複数の線材のうち少なくとも一部を両端において線材の長手方向に加圧して折り曲げ、第1変形コアおよび第2変形コアを形成するステップとを含む製造方法。
  15. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法であって、
    軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
    前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
    金型を用いて、複数の線材のうち少なくとも一部を両端において線材の長手方向に加圧して潰し、第1変形コアおよび第2変形コアを形成するステップとを含む製造方法。
  16. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機を製造する方法であって、
    軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップと、
    前記線材集合体の周囲にコイルを設置するステップと、
    複数の線材のうち少なくとも一部を両端において1本ずつ折り曲げて、第1変形コアおよび第2変形コアを形成するステップとを含む製造方法。
  17. 軟磁性材料からなる複数の線材を束ねて、線材集合体を形成するステップは、
    枠部材を用いて複数の線材を束ねるステップと、
    束ねた複数の線材を接着するステップと、
    接着した複数の線材から前記枠部材を取り外すステップとを含む請求項13~16のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機の製造方法。
JP2020117231A 2019-10-18 2020-07-07 アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法 Active JP7434089B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019191018 2019-10-18
JP2019191018 2019-10-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021069268A JP2021069268A (ja) 2021-04-30
JP7434089B2 true JP7434089B2 (ja) 2024-02-20

Family

ID=75637661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020117231A Active JP7434089B2 (ja) 2019-10-18 2020-07-07 アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7434089B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7482076B2 (ja) 2021-04-15 2024-05-13 キヤノン株式会社 画像観察装置
US20230327501A1 (en) * 2022-03-15 2023-10-12 Iowa State University Research Foundation, Inc. Soft magnetic wire/strip array for motor stator and rotor

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001339880A (ja) 2000-05-29 2001-12-07 Sanyo Electric Co Ltd モータのステータ
JP2010029017A (ja) 2008-07-23 2010-02-04 Daikin Ind Ltd アキシャルギャップ型回転電機
JP2011223751A (ja) 2010-04-09 2011-11-04 Ihi Corp 回転機及びステータコア
JP2018007304A (ja) 2016-06-27 2018-01-11 株式会社神戸製鋼所 アキシャルギャップ型回転電機及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001339880A (ja) 2000-05-29 2001-12-07 Sanyo Electric Co Ltd モータのステータ
JP2010029017A (ja) 2008-07-23 2010-02-04 Daikin Ind Ltd アキシャルギャップ型回転電機
JP2011223751A (ja) 2010-04-09 2011-11-04 Ihi Corp 回転機及びステータコア
JP2018007304A (ja) 2016-06-27 2018-01-11 株式会社神戸製鋼所 アキシャルギャップ型回転電機及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021069268A (ja) 2021-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102141793B1 (ko) 영구 자석식 동기기 및 영구 자석식 동기기의 고정자의 제조 방법
JP5398512B2 (ja) アキシャルギャップ型永久磁石モータ、それに用いるロータ、及びそのロータの製造方法
JP7016001B2 (ja) コイル成形体、その製造方法、モータ、及び、ステータの組立方法
JP7262926B2 (ja) ラジアルギャップ型回転電機
JP5034376B2 (ja) 磁心、電機子、回転電機及び圧縮機
AU2009255008B2 (en) Armature core
JP7434089B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機およびその製造方法
JPWO2002027898A1 (ja) リニアアクチュエータ
JP6628694B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機及びその製造方法
JP2007267463A (ja) 回転電機及び回転電機の製造方法
JP2011147312A (ja) ステータおよびモータ
US9716414B2 (en) Stator of rotating electric machine
WO2016114054A1 (ja) アキシャルギャップ型回転電機
JP4295744B2 (ja) 丸線、コイル、ステータコイル、ロータコイル、及び変成器
CN108886289B (zh) 旋转电机用磁楔、旋转电机及电梯用曳引机
KR100533012B1 (ko) 왕복동식 모터의 고정자 구조
KR101247683B1 (ko) 비정질 스테이터, 이를 이용한 전기 모터 및 그의 제조방법
JP5274496B2 (ja) 磁性金属体および磁性金属体を用いた回転電機の製造方法
KR100937843B1 (ko) 실린더형 비정질 합금 백 요크의 제조방법 및 이를 이용한 슬롯레스 모터의 제조방법
JP2012023879A (ja) 電機子用磁芯及び回転電機
JP2004201488A (ja) 同期電動機及びその製造方法
JP5664079B2 (ja) アクチュエータ
JP2012023910A (ja) 電機子用磁芯及びその製造方法と回転電機
US11742709B2 (en) Axial gap motor having a void portion provided for the increased torque of said motor
JP2012110114A (ja) コイル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240207

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7434089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151