JP7431404B2 - 気液分離装置 - Google Patents
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Description
筐体と、
前記筐体内に気液二相流が導入される第1の開口と、
第1の方向に延在する第1の溝を有する第1の溝付き部であって、前記第1の開口と向かい合って配置され、前記第1の開口から前記筐体内に導入された気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第1の溝付き部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の溝を有する第2の溝付き部であって、前記第1の溝付き部を通過した気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第2の溝付き部と、
前記第1の開口とは異なる第2の開口であって、分離された気相を筐体外に排出可能に形成された第2の開口と、
前記第1の溝付き部及び前記第2の溝付き部の下方に位置し、かつ、分離された液相を一時的に蓄える液相貯留部と、
前記液相貯留部に蓄えられた液相を筐体外に排出可能に形成された排出口と、を備え、
前記第2の溝付き部の前記第2の溝は、前記第2の溝付き部の表面と裏面とに形成され、液相は、表面の第2の溝と裏面の第2の溝との双方に流下可能であることである。
また、本発明Aによる気液分離器(例えば、後述する気液分離装置2010、気液分離器2010A、気液分離器2010Bなど)の特徴は、
筐体(例えば、後述する筐体2100など)と、
前記筐体の内部に気液二相流が導入される第1の開口(例えば、後述する吐き出し開口2240など)と、
前記第1の開口と向かい合って配置され、前記第1の開口から前記筐体の内部に導入された気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する溝を有する溝付き部(例えば、後述する正面V字溝形成部2400など)と、
前記第1の開口とは異なる第2の開口であって、分離された気相を前記筐体の外部へ排出可能に形成された第2の開口(例えば、後述する吸い込み開口2340など)と、
分離された液相を一時的に蓄える液相貯留部(例えば、排水案内溝部2810、底面部2120など)と、
前記液相貯留部に蓄えられた液相を前記筐体の外部へ排出可能に形成された排出口(例えば、後述する排水口2800など)と、を備えることである。
尚、本発明Aによる気液分離器は、以下の特徴を備えていてもよい。
前記液相貯留部の一部を覆う隔壁部を備え、前記隔壁部には複数の貫通孔が形成されている(例えば、後述する気液分離装置2010における<<<変形例15>>>など)。
尚、本発明Aによる気液分離器は、以下の特徴を備えていてもよい。
前記筐体の内壁であって前記分離された気相を前記第2の開口へ向けて誘導可能に形成された内壁において、前記内壁から前記筐体の内部に向かって突出する突出部(例えば、後述する気液分離器2010Aにおける防水隔壁部2700A、気液分離器2010Bにおける防水隔壁部2700B)が形成されている。
尚、本発明Aによる気液分離器は、以下の特徴を備えていてもよい。
前記第1の開口には、前記第1の開口の下端から下方へ向けて伸長する液相誘導部(例えば、気液分離器2010Bにおける第2液相誘導部2770B)が形成されている。
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、
筐体(例えば、後述する筐体1100や筐体2100など)と、
前記筐体内に気液二相流が導入される第1の開口(例えば、後述する吐き出し開口1240や吐き出し開口2240など)と、
第1の方向(例えば、後述する上下方向TBなど)に延在する第1の溝(例えば、後述する溝部1402や溝部2402など)を有する第1の溝付き部であって、前記第1の開口と向かい合って配置され、前記第1の開口から前記筐体内に導入された気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第1の溝付き部(例えば、後述する右側V字溝形成部1400や正面V字溝形成部2400など)と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、後述する鋭角Θ4など)に延在する第2の溝(例えば、後述する溝部1472や溝部2472など)を有する第2の溝付き部であって、前記第1の溝付き部を通過した気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第2の溝付き部(例えば、後述する右側傾斜V字溝形成部1470や傾斜V字溝形成部2470など)と、
前記第1の開口とは異なる第2の開口であって、分離された気相を筐体外に排出可能に形成された第2の開口(例えば、後述する吸い込み開口1340や吸い込み開口2340など)と、
前記第1の溝付き部及び前記第2の溝付き部の下方に位置し、かつ、分離された液相を一時的に蓄える液相貯留部(例えば、後述する排水案内溝部1810や排水案内溝部2810など)と、
前記液相貯留部に蓄えられた液相を筐体外に排出可能に形成された排出口(例えば、後述する排水口1800や排水口2800など)と、を備える気液分離器が提供される。
第1の方向に延在する第1の溝を有する第1の溝付き部であって、前記第1の開口と向かい合って配置され、前記第1の開口から前記筐体内に導入された気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第1の溝付き部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の溝を有する第2の溝付き部であって、前記第1の溝付き部を通過した気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第2の溝付き部と、を備える。
第2の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第1の溝付き部の前記第1の溝は、垂直方向に沿って延在し、又は垂直方向に対して鋭角をなす傾斜した方向(例えば、後述する鋭角Θ3など)に延在し、分離された液相を、自重や、気液二相流や気相の気流によって案内するように構成される。
第3の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第1の溝及び前記第2の溝の溝角度が鋭角であるように構成される(例えば、後述する図9に示すθなど)。なお、第1の溝の溝角度と第2の溝の溝角度とは、同じであっても、異なっていてもよい。
第4の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第2の溝の前記第2の方向は、前記液相貯留部に向かって延在する方向であるように構成される。
第5の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第2の溝付き部の前記第2の溝は、前記第2の溝付き部の表面と裏面とに形成され、液相は、表面の第2の溝と裏面の第2の溝との双方に流下可能であるように構成される。
第6の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第2の溝付き部は、前記液相貯留部に向かって下方に傾斜するように構成される。
第7の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第1の開口と連通し前記筐体内に延在して前記第1の開口を介して前記筐体外から前記筐体内に気液二相流を導入する第1の仕切り体(例えば、後述する入口管1200や入口管2200など)と、
前記第2の開口と連通し前記筐体内に延在して前記第2の開口を介して前記筐体内から前記筐体外に気相を導出する第2の仕切り体(例えば、後述する出口管1300や出口管2300など)と、を有するように構成される。
第8の実施の態様は、第7の実施の態様において、
前記第2の溝付き部は、
前記第1の仕切り体の下方に配置される第1下方溝付き部(例えば、後述する右側傾斜V字溝形成部1470など)と、
前記第1下方溝付き部から離隔し、前記第2の仕切り体の下方に配置される第2下方溝付き部(例えば、後述する左側傾斜V字溝形成部1670など)と、を有し、
前記第1下方溝付き部及び前記第2下方溝付き部は、前記液相貯留部に向かって下方に傾斜するように構成される。
第9の実施の態様は、第8の実施の態様において、
前記第1下方溝付き部は、前記液相貯留部の上方で前記第2下方溝付き部を覆うように構成される。
第10の実施の態様は、第7の実施の態様において、
前記第1の仕切り体及び前記第2の仕切り体は、円筒形状を有し、
前記第1の仕切り体及び前記第2の仕切り体は、互いに平行に水平方向に沿って配置され、
前記第1の仕切り体の最上部と前記第2の仕切り体の最上部と前記第1の溝付き部の最上部とが同じ位置であるように構成される。
第11の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第2の溝付き部の下方に収容空間(例えば、後述する右側下部空間1460や左側下部空間1660や下部空間2460など)を有するように構成される。
第12の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第1の溝付き部と前記第2の溝付き部は、一体に形成され、
前記第1の溝付き部と前記第2の溝付き部との間に開口を有するように構成される。
第13の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記第1の溝付き部及び前記第2の溝付き部と前記筐体とが一体に形成されているように構成される。
第14の実施の態様は、第10の実施の態様において、
前記第1の開口は、前記第1の仕切り体の円筒側面(例えば、後述する第1の実施の形態による気液分離装置1010の円筒側面1210など)又は前記第1の仕切り体の円筒底部(例えば、後述する第2の実施の形態による気液分離装置2010の吐き出し開口2240など)に形成されるように構成される。
第15の実施の態様は、第10の実施の態様において、
前記第2の開口は、前記第2の仕切り体の円筒側面(例えば、後述する円筒側面1310など)又は前記第2の仕切り体の円筒底部(例えば、後述する吸い込み開口2340など)に形成されるように構成される。
水平方向(横方向)HDは、地球の重力に対して直角に交わる方向である。
鉛直方向(縦方向)VDは、地球の重力と平行な方向である。
前後方向FRは、後述する筐体1100の前面部1130及び背面部1140に対して垂直な方向(図1の矢印FRに沿った方向)である。なお、前後方向FRは、天面部1110と底面部1120とに平行であり、かつ、右側面部1150と左側面部1160とに平行な方向でもある。また、前後方向FRは、後述する筐体2100の前面部2130及び背面部2140に対して垂直な方向(図11の矢印FRに沿った方向)である。なお、前後方向FRは、天面部2110と底面部2120とに平行であり、かつ、右側面部2150と左側面部2160とに平行な方向でもある。
左右方向LRは、右側面部1150及び左側面部1160に対して垂直な方向(図1の矢印LRに沿った方向)である。なお、左右方向LRは、天面部1110と底面部1120とに平行であり、かつ、前面部1130背面部1140とに平行な方向でもある。また、左右方向LRは、右側面部2150及び左側面部2160に対して垂直な方向(図11の矢印LRに沿った方向)である。なお、左右方向LRは、天面部2110と底面部2120とに平行であり、かつ、前面部2130背面部2140とに平行な方向でもある。
上下方向TBは、天面部1110及び底面部1120に対して垂直な方向(図1の矢印TBに沿った方向)である。なお、上下方向TBは、前面部1130と背面部1140とに平行であり、かつ、右側面部1150と左側面部1160とに平行な方向でもある。また、上下方向TBは、天面部2110及び底面部2120に対して垂直な方向(図11の矢印TBに沿った方向)である。なお、上下方向TBは、前面部2130と背面部2140とに平行であり、かつ、右側面部2150と左側面部2160とに平行な方向でもある。
長手方向LDは、後述する入口管1200、出口管1300、入口管2200、出口管2300が延在する方向と平行な方向である。なお、後述するように、入口管1200、出口管1300、入口管2200、出口管2300は、円筒状の形状を有し、長手方向LDは、入口管1200、出口管1300、入口管2200、出口管2300の軸方向(中心軸に沿った方向や、延在軸に沿った方向)と平行な方向である。また、短手方向SDは、長手方向LDに対して垂直な方向である。この短手方向SDは、入口管1200、出口管1300、入口管2200、出口管2300の半径方向(直径方向)であり、いずれかの半径(直径)に沿った方向であればよい。
上側とは、天面部1110に向かう方向や、天面部1110に近い位置をいう。
下側とは、底面部1120に向かう方向や、底面部1120に近い位置をいう。
右側とは、右側面部1150に向かう方向や、右側面部1150に近い位置をいう。
左側とは、左側面部1160に向かう方向や、左側面部1160に近い位置をいう。
前側とは、前面部1130に向かう方向や、前面部1130に近い位置をいう。
後側とは、背面部1140に向かう方向や、背面部1140に近い位置をいう。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態による気液分離装置は、各種の車両や船舶などの乗物に搭載され、乗物の移動の際に生ずる衝撃や振動などで揺動したり、坂道の走行などで傾いたりする場合があり、方向は、乗物の状態によって異なってくる。しかし、乗物が水平な位置に停止しているような理想状態のときには、上下方向TBは、鉛直方向VDと一致し、前後方向FR及び左右方向LRは、水平方向HDと一致する。
内側とは、筐体1100や筐体2100の内側の領域である。すなわち、内側とは、天面部1110と底面部1120と前面部1130と背面部1140と右側面部1150と左側面部1160とによって囲まれた領域や、天面部2110と底面部2120と前面部2130と背面部2140と右側面部2150と左側面部2160とによって囲まれた領域である。一方、外側とは、筐体1100や筐体2100を含まない筐体1100や筐体2100の内側以外の領域であって、筐体1100や筐体2100そのものを含まない領域である。
以下に、第1の実施の形態について図面に基づいて説明する。
第1の実施の形態による気液分離装置1010は、主に、入口管1200、右側V字溝形成部1400、右側傾斜V字溝形成部1470、左側傾斜V字溝形成部1670、左側V字溝形成部1600、出口管1300を有する。後述するように、右側V字溝形成部1400は、断面がV字状の溝部1402を有し、右側傾斜V字溝形成部1470は、断面がV字状の溝部1472を有し、左側傾斜V字溝形成部1670は、断面がV字状の溝部1672を有し、左側V字溝形成部1600は、断面がV字状の溝部1602を有する。
気液分離装置1010は、筐体1100を有する。筐体1100は、略四角柱状の形状を有する。筐体1100は、天面部1110、底面部1120、前面部1130、背面部1140、右側面部1150、左側面部1160を有する。これらの天面部1110、底面部1120、前面部1130、背面部1140、右側面部1150、左側面部1160は、略板状の長方形状の形状を有する。前述したように、筐体1100は、略四角柱状の形状を有し、略四角筒状の側面部と、側面部を挟んで互いに向かい合う2つの底面部とを有する。筐体1100の側面部は、天面部1110と底面部1120と右側面部1150と左側面部1160とによって構成される。また、筐体1100の底面部は、前面部1130と背面部1140とによって構成される。
気液分離装置1010は、入口管1200を有する。入口管1200は、一定の半径を有し長尺な円筒状の形状を有する。入口管1200の円筒側面1210は、略円筒状の形状を有する。入口管1200は、前面部1130及び背面部1140に対して垂直に配置される。なお、入口管1200は、天面部1110と底面部1120とに平行に、かつ、右側面部1150と左側面部1160とに平行に配置することができる。入口管1200は、吸入管用前面開口1132を貫通して配置され、吸入管用前面開口1132によって保持される。
入口管1200は、吸入開口1220と係止開口1230とを有する。吸入開口1220及び係止開口1230は、入口管1200の長手方向の二つの端部に形成された開口であり、略円状の形状の貫通孔である。吸入開口1220は、気液二相流を吸入して筐体1100の内部に導入するための開口である。係止開口1230は、円状の形状の貫通孔である。係止開口1230は、吸入管用背面開口1142と係合するとともに、吸入封止体1146によって封止される。吸入封止体1146は、略円状の形状を有し、係止開口1230と密着して取り付けられ入口管1200の係止開口1230を封止する。係止開口1230が吸入封止体1146によって封止されることで、吸入開口1220から吸入された気液二相流が係止開口1230から排出されることはない。
入口管1200は、複数、例えば、7個の吐き出し開口1240を有する。7個の吐き出し開口1240は、同一の半径の略円状の形状を有する。7個の吐き出し開口1240は、入口管1200の円筒側面1210に等間隔に形成される。7個の吐き出し開口1240は、入口管1200の長手方向に沿って、後述する右側V字溝形成部1400と向かい合う。吸入開口1220から吸入された気液二相流は、7個の吐き出し開口1240の各々から右側V字溝形成部1400に向かって排出され、気液二相流は、後述する右側V字溝形成部1400の溝部1402と接触する。
気液分離装置1010は、出口管1300を有する。出口管1300は、一定の半径を有し長尺な円筒状の形状を有する。出口管1300の円筒側面1310は、略円筒状の形状を有する。出口管1300は、前面部1130及び背面部1140に対して垂直に配置される。なお、出口管1300は、天面部1110と底面部1120とに平行に、かつ、右側面部1150と左側面部1160とに平行に配置することができる。出口管1300は、排出管用背面開口1144を貫通して配置され、排出管用前面開口1134によって保持される。
出口管1300は、排出開口1320と係止開口1330とを有する。排出開口1320及び係止開口1330は、出口管1300の長手方向の二つの端部に形成された開口であり、略円状の形状の貫通孔である。排出開口1320は、気相を排出して、筐体1100の外部に導出するための開口である。なお、気液分離装置1010において、十分に気相と液相とに分離できなかった場合には、未分離の気液二相流が排出開口1320から排出される場合も想定される。また、気液二相流が気相と液相とに分離された場合であっても、液相が排出開口1320から排出されるような場合も想定される。係止開口1330は、円状の形状の貫通孔である。係止開口1330は、排出管用前面開口1134と係合するとともに、排出封止体1136によって封止される。排出封止体1136は、略円状の形状を有し、係止開口1330と密着して取り付けられ出口管1300の係止開口1330を封止する。係止開口1330が排出封止体1136によって封止されることで、係止開口1330から気相や気液二相流が出口管1300に吸い込まれることはない。
出口管1300は、複数、例えば、7個の吸い込み開口1340を有する。7個の吸い込み開口1340は、同一の半径の略円状の形状を有する。7個の吸い込み開口1340は、出口管1300の円筒側面1310に等間隔に形成される。7個の吸い込み開口1340は、出口管1300の長手方向に沿って、後述する左側V字溝形成部1600と向かい合う。気相は、7個の吸い込み開口1340から出口管1300に吸い込まれて、出口管1300の排出開口1320から筐体1100の外部に導出される。
入口管1200及び出口管1300を、前述したように配置することにより、入口管1200及び出口管1300は、ともに天面部1110の内側の面におおよそ接した位置(上下方向TBの同じ高さ)に、かつ、互いに平行に配置される。すなわち、入口管1200及び出口管1300は、筐体1100の内側の面の最も上側の位置に配置される。
排水口1800は、気液二相流から分離した液相を筐体1100の外部に排出するための開口である。排水口1800は、略円状の形状を有する。排水口1800は、底面部1120の直上の前面部1130に形成されている。排水口1800には、排水ホース(図示せず)を接続するための接続部材1850を連結することができる。
排水案内溝部1810は、分離された液相を一時的に貯留して排水口1800に案内するための溝体である。排水案内溝部1810は、排水口1800と連通して、後述する右側傾斜底部1450や左側傾斜底部1650などを伝ってきた液相を貯留して排水口1800に向かって案内する。排水案内溝部1810は、排水傾斜部1820と、排水右側壁部1830と、排水左側壁部1840と、底面部1120の一部とからなる。排水案内溝部1810は、長尺な形状を有し、底面部1120の左右方向LRの略半分の部分を前後方向FRに沿って結んで形成される(図7の一点鎖線HBO参照)。
排水傾斜部1820は、長尺な形状で平坦な傾斜面を有する。排水傾斜部1820は、背面部1140が最も高く、前面部1130に向かって徐々に低くなるように傾斜して形成されている。排水傾斜部1820によって、前面部1130に形成された排水口1800に向かって液相を案内することができる。排水傾斜部1820は、互いに向かい合う排水右側壁部1830及び排水左側壁部1840に挟まれた長尺な領域である。
排水右側壁部1830及び排水左側壁部1840は、排水傾斜部1820を挟んで互いに平行に向かい合って配置される。排水右側壁部1830の上端部1832は、排水左側壁部1840の上端部1842よりも高い。
排水右側壁部1830は、平坦な面を有し、底面部1120に対して垂直に配置される。排水右側壁部1830は、上端部1832及び下端部1834を有する。排水右側壁部1830の上端部1832は、右側傾斜底部1450の下端部1454と一致する。排水右側壁部1830の下端部1834は、底面部1120と一致する。このようにすることで、右側傾斜底部1450を流れる液相を的確に排水傾斜部1820や底面部1120に案内することができる。
排水左側壁部1840は、平坦な面を有し、底面部1120に対して垂直に配置される。排水左側壁部1840は、上端部1842及び下端部1844を有する。排水左側壁部1840の上端部1842は、左側傾斜底部1650の下端部1654と一致する。排水左側壁部1840の下端部1844は、底面部1120と一致する。このようにすることで、左側傾斜底部1650を流れる液相を的確に排水傾斜部1820や底面部1120に案内することができる。
右側V字溝形成部1400は、入口管1200の吐き出し開口1240から吐き出された気液二相流と接触して、液相と気相とに分離させるとともに、分離した液相を右側傾斜底部1450に案内する。
右側V字溝形成部1400は、溝付き体であり、断面形状が略V字状の長尺な複数の溝部1402を有する。複数の溝部1402は、互いに平行に位置づけられる。具体的には、右側V字溝形成部1400は、断面形状が略V字状の長尺な凹部1404(谷部)と、断面形状が略逆V字状の長尺な凸部1406(山部)とが互いに平行に繰り返して形成されている。
右側V字溝形成部1400は、上端部1412及び下端部1414を有する。右側V字溝形成部1400の上端部1412は、天面部1110の内側の面におおよそ接して位置する。また、右側V字溝形成部1400の下端部1414は、右側傾斜底部1450の上端部1456の内側の面におおよそ接して位置する。
右側V字溝形成部1400は、前端部1416と後端部1418とを有する。右側V字溝形成部1400の前端部1416は、前面部1130の内側の面に接し、後端部1418は、背面部1140の内側の面に接する。右側V字溝形成部1400の複数の溝部1402を前面部1130から背面部1140に至るまでに延在させることで、気液二相流が右側V字溝形成部1400と接触できる領域を大きくして、液相と気相とに分離できる機会を高めることができる。
前述したように、溝部1402は、断面が略V字状の形状を有する。この溝部1402の溝角度は、90度未満(鋭角)であるのが好ましい。溝角度とは、図9(a)に示すように、凹部1404(谷部)の谷底を挟んで向かい合う2つの溝面のなす角度θをいう。溝部1402の溝角度を90度未満(鋭角)にしたことにより、気液二相流が溝部1402と複数回で接触(反射)する可能性を高め、気液二相流を液相と気相とに分離しやすくできる。例えば、溝部の溝角度が90度である場合には(図9(b)参照)、白色の矢印で示すように、気液二相流が溝部によって2回反射されると、気液二相流は、溝部から離隔する方向に移動するため、液相と気相とに分離できない可能性が高くなる。しかしながら、溝部1402の溝角度を90度未満(鋭角)にすることで、気液二相流が溝部1402と多めに接触する可能性を高めて(例えば、3回以上)(図9(a)参照)、液相と気相とに分離しやすくできる。なお、気液二相流が溝部1402と接触する回数は、溝角度θや、凹部1404の深さ(又は山の高さ)や、溝部1402と接触する位置などによって適宜に調整することができる。
右側傾斜底部1450は、後述する2本のリブ1452の部分を除き平坦な形状を有する。右側傾斜底部1450は、右側面部1150から左側面部1160に向かって徐々に下がるように傾斜して配置される。具体的には、右側傾斜底部1450は、水平方向に対してΘ1(鋭角)をなして傾斜する。右側傾斜底部1450は、右側V字溝形成部1400から流れてきた液相を排水案内溝部1810に向かって案内する。
右側下部空間1460は、底面部1120と、前面部1130と、背面部1140と、右側傾斜底部1450と、右側面部1150と、排水右側壁部1830とによって囲まれた空間である。右側下部空間1460に熱源などの装置や部品を設けることで、液相が凍結することを防止できる。このようにすることで、右側下部空間1460を有効に活用することができる。
右側傾斜V字溝形成部1470は、右側V字溝形成部1400で分離しなかった気液二相流と接触し、液相と気相とに分離させるとともに、分離した液相を排水案内溝部1810に案内する。
右側傾斜V字溝形成部1470は、断面形状が略V字状の長尺な複数の溝部1472を有する。複数の溝部1472は、互いに平行に位置づけられる。具体的には、右側傾斜V字溝形成部1470は、断面形状が略V字状の長尺な凹部1474(谷部)と、断面形状が略逆V字状の長尺な凸部1476(山部)とが互いに平行に繰り返して形成されている。
右側傾斜V字溝形成部1470は、右側傾斜底部1450の上方に、右側傾斜底部1450と略平行に、右側傾斜底部1450から離隔して、右側傾斜底部1450を覆って配置される。このように構成することで、右側傾斜V字溝形成部1470と右側傾斜底部1450との間に、右側傾斜間隙部1500を形成することができる。前述したように、右側傾斜V字溝形成部1470は、右側傾斜底部1450の2本のリブ1452によって一定の位置に支持される。右側傾斜V字溝形成部1470は、水平方向に対してΘ1(鋭角)をなして傾斜する。なお、右側傾斜V字溝形成部1470は、2本のリブ1452と一体的に形成されたり、ネジなどの固着具や係止具などによって2本のリブ1452に固定されたり、2本のリブ1452に溶接されたりして固定することができる。右側傾斜V字溝形成部1470は、一定の位置に一定の姿勢で支持されればよい。
右側傾斜V字溝形成部1470は、上端部1482及び下端部1484を有する。右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482は、右側V字溝形成部1400から離隔して位置する。すなわち、右側V字溝形成部1400の下端部1414と、右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482との間に右側間隙部1550を形成した。また、前述したように、右側傾斜底部1450は、右側面部1150と密着して形成されている。このため、右側V字溝形成部1400で分離した液相は、右側傾斜V字溝形成部1470には案内されずに、右側傾斜V字溝形成部1470の下方に配置された右側傾斜底部1450に案内されて、直ちに排水案内溝部1810に流下する。また、右側傾斜V字溝形成部1470には、右側V字溝形成部1400からの液相が案内されないので、右側V字溝形成部1400で分離しなかった気液二相流を、右側傾斜V字溝形成部1470に積極的に案内して溝部1472に接触させることで、右側傾斜V字溝形成部1470で液相に分離させることができる。
右側傾斜V字溝形成部1470は、前端部1486と後端部1488とを有する。右側傾斜V字溝形成部1470の前端部1486は、前面部1130の内側の面に接し、後端部1488は、背面部1140の内側の面に接する。右側傾斜V字溝形成部1470の複数の溝部1472を前面部1130から背面部1140に至るまで延在させることで、気液二相流が右側傾斜V字溝形成部1470と接触できる領域を大きくして、液相と気相とに分離できる機会を高めることができる。
溝部1472の断面形状は、溝部1402の断面形状と同様であり(図9参照)、溝部1472の溝角度は、90度未満(鋭角)である。このようにすることで、気液二相流が溝部1472と多めに接触する可能性を高めて(例えば、3回以上)、気液二相流を液相と気相とに分離しやすくできる。なお、気液二相流が溝部1472と接触する回数は、溝角度θや、凹部1474の深さ(又は山の高さ)や、溝部1472と接触する位置などによって適宜に調整することができる。
前述したように、右側V字溝形成部1400の下端部1414と、右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482との間に右側間隙部1550が形成され、右側傾斜V字溝形成部1470と右側傾斜底部1450との間に、右側傾斜間隙部1500が形成されている。このため、右側V字溝形成部1400で分離しなかった気液二相流は、右側間隙部1550を介して右側傾斜間隙部1500に入り込む場合もある。前述したように、右側傾斜V字溝形成部1470は、表裏が同一に形成されており、右側傾斜間隙部1500側でも、右側傾斜V字溝形成部1470に気液二相流が接触することで、右側傾斜間隙部1500で液相と気相とに分離させることができる。このため、右側傾斜V字溝形成部1470の表面と裏面との双方で、気液二相流を液相と気相とに分離させることで、効率よく液相と気相とに分離させることができる。
左側傾斜底部1650は、おおよそ平坦な形状を有する。左側傾斜底部1650は、左側面部1160から右側面部1150に向かって徐々に下がるように傾斜して配置される。具体的には、左側傾斜底部1650は、水平方向に対してΘ2(鋭角)をなして傾斜する。なお、Θ2>Θ1である。左側傾斜底部1650は、後述する左側V字溝形成部1600から流れてきた液相を排水案内溝部1810に向かって案内する。
左側傾斜V字溝形成部1670は、右側傾斜V字溝形成部1470で分離しなかった気液二相流と接触し、液相と気相とに分離させるとともに、分離した液相を排水案内溝部1810に案内する。
左側傾斜V字溝形成部1670は、断面形状が略V字状の長尺な複数の溝部1672を有する。複数の溝部1672は、互いに平行に位置づけられる。具体的には、左側傾斜V字溝形成部1670は、断面形状が略V字状の長尺な凹部1674(谷部)と、断面形状が略逆V字状の長尺な凸部1676(山部)とが互いに平行に繰り返して形成されている。
左側傾斜V字溝形成部1670は、左側傾斜底部1650の上方に、左側傾斜底部1650と略平行に、左側傾斜底部1650から離隔して、左側傾斜底部1650を覆って配置される。このように構成することで、左側傾斜V字溝形成部1670と左側傾斜底部1650との間に、左側傾斜間隙部1700を形成することができる。左側傾斜V字溝形成部1670は、左側傾斜底部1650によって一定の位置に支持される。なお、左側傾斜V字溝形成部1670は、左側傾斜底部1650と一体的に形成されたり、ネジなどの固着具や係止具などによって左側傾斜底部1650に固定されたり、左側傾斜底部1650に溶接されたりして固定することができる。左側傾斜V字溝形成部1670は、一定の位置に一定の姿勢で支持されればよい。左側傾斜V字溝形成部1670は、水平方向に対してΘ2(鋭角)をなして傾斜する。前述したように、Θ2>Θ1であり、右側傾斜V字溝形成部1470を通過した気液二相流を左側傾斜V字溝形成部1670に向かって案内することができる。なお、Θ2=Θ1としてもよい。角度Θ1及びΘ2は、筐体1100に導入される気液二相流の流量などに応じて、適宜に変更することができる。
左側傾斜V字溝形成部1670は、上端部1682及び下端部1684を有する。左側傾斜V字溝形成部1670の上端部1682は、左側V字溝形成部1600から離隔して位置する。すなわち、左側V字溝形成部1600の下端部1614と、左側傾斜V字溝形成部1670の上端部1682との間に左側間隙部1750を形成した。また、前述したように、左側傾斜底部1650は、左側面部1160と密着して形成されている。このため、左側V字溝形成部1600で分離した液相は、左側傾斜V字溝形成部1670には案内されずに、左側傾斜V字溝形成部1670の下方に配置された左側傾斜底部1650に案内されて、直ちに排水案内溝部1810に流下する。また、左側傾斜V字溝形成部1670には、左側V字溝形成部1600からの液相が案内されないので、右側V字溝形成部1400で分離しなかった気液二相流を、左側傾斜V字溝形成部1670に積極的に案内して溝部1672に接触させることで、左側傾斜V字溝形成部1670で液相に分離させることができる。このように配置することで、左側V字溝形成部1600で分離した液相は、左側傾斜底部1650によって直ちに排水案内溝部1810に案内する。
左側傾斜V字溝形成部1670は、前端部1686及び後端部1688を有する。左側傾斜V字溝形成部1670の前端部1686は、前面部1130の内側の面に接し、後端部1688は、背面部1140の内側の面に接する。左側傾斜V字溝形成部1670の複数の溝部1672を前面部1130から背面部1140に至るまで延在させることで、気液二相流が左側傾斜V字溝形成部1670と接触できる領域を大きくして、液相と気相とに分離できる機会を高めることができる。
溝部1672の断面形状は、溝部1402の断面形状と同様であり(図9参照)、溝部1672の溝角度は、90度未満(鋭角)である。このようにすることで、気液二相流が溝部1672と多めに接触する可能性を高めて(例えば、3回以上)、気液二相流を液相と気相とに分離しやすくできる。なお、気液二相流が溝部1672と接触する回数は、溝角度θや、凹部1674の深さ(又は山の高さ)や、溝部1672と接触する位置などによって適宜に調整することができる。
前述したように、右側傾斜V字溝形成部1470と右側傾斜底部1450との間に、右側傾斜間隙部1500が形成され、左側傾斜V字溝形成部1670と左側傾斜底部1650との間に、左側傾斜間隙部1700が形成される。右側傾斜間隙部1500で分離しなかった気液二相流は、左側傾斜間隙部1700に入り込む場合もある。前述したように、左側傾斜V字溝形成部1670は、表裏が同一に形成されており、左側傾斜間隙部1700側でも、左側傾斜V字溝形成部1670に気液二相流が接触することで、左側傾斜間隙部1700で液相と気相とに分離させることができる。このため、左側傾斜V字溝形成部1670の表面と裏面との双方で、気液二相流を液相と気相とに分離させることで、効率よく液相と気相とに分離させることができる。
左側V字溝形成部1600は、左側傾斜底部1650によって分離しなかった気液二相流が案内されて、左側V字溝形成部1600の溝部1602と接触して、さらに液相と気相とに分離させ、分離した液相を案内する。
左側V字溝形成部1600は、断面形状が略V字状の長尺な複数の溝部1602を有する。複数の溝部1602は、互いに平行に位置づけられる。具体的には、左側V字溝形成部1600は、断面形状が略V字状の長尺な凹部1604(谷部)と、断面形状が略逆V字状の長尺な凸部1606(山部)とが互いに平行に繰り返して形成されている。
左側V字溝形成部1600は、上端部1612及び下端部1614を有する。左側V字溝形成部1600の上端部1612は、天面部1110の内側の面におおよそ接して位置する。また、左側V字溝形成部1600の下端部1614は、右側傾斜底部1450の上端部1656に位置する。
左側V字溝形成部1600は、前端部1616と後端部1618とを有する。左側V字溝形成部1600の前端部1616は、前面部1130の内側の面に接し、後端部1618は、背面部1140の内側の面に接する。左側V字溝形成部1600の複数の溝部1602を前面部1130から背面部1140に至るまでに延在させることで、気液二相流が左側V字溝形成部1600と接触できる領域を大きくして、液相と気相とに分離できる機会を高めることができる。
溝部1602の断面形状は、溝部1402の断面形状と同様であり(図9参照)、溝部1602の溝角度は、90度未満(鋭角)である。このようにすることで、気液二相流を溝部1602と多めに接触する可能性を高めて(例えば、3回以上)、液相と気相とに分離しやすくできる。なお、気液二相流が溝部1602と接触する回数は、溝角度θや、凹部1604の深さ(又は山の高さ)や、溝部1602と接触する位置などによって適宜に調整することができる。
左側下部空間1660は、底面部1120と、前面部1130と、背面部1140と、左側傾斜底部1650と、左側面部1160と、排水左側壁部1840とによって囲まれた空間である。左側下部空間1660に熱源などの装置や部品を設けることで、液相が凍結することを防止できる。このようにすることで、左側下部空間1660を有効に活用することができる。
<<右側V字溝形成部1400による気液分離>>
入口管1200から吸入された気液二相流は、入口管1200の7個の吐き出し開口1240から右側V字溝形成部1400に向かって排出される(図10の白色の矢印TP1)。7個の吐き出し開口1240から吐き出された気液二相流は、右側V字溝形成部1400の溝部1402と接触し、表面張力によって、気相と液相とに分離する。液相は、右側V字溝形成部1400を流れ(図10の黒色の矢印LP1)、右側傾斜底部1450によって案内されて(図10の黒色の矢印LP2)、右側傾斜底部1450の下端部1454から排水案内溝部1810に導かれる(図10の黒色の矢印LP3)。前述したように、右側V字溝形成部1400の下端部1414と、右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482との間には、右側間隙部1550が形成されており、右側V字溝形成部1400を流れた液相は、右側傾斜V字溝形成部1470に案内されることなく、直ちに、右側傾斜底部1450に案内される。
右側V字溝形成部1400で分離されなかった気液二相流は、右側傾斜V字溝形成部1470に案内される(図10の白色の矢印TP2)。気液二相流は、右側傾斜V字溝形成部1470の溝部1472と接触し、表面張力によって、気相と液相とに分離する。液相は、右側傾斜V字溝形成部1470を流れ(図10の黒色の矢印LP4)、下端部1484から流下し(図10の黒色の矢印LP5)、左側傾斜V字溝形成部1670を介して、下端部1684から流下して、排水案内溝部1810に向かって案内される(図10の黒色の矢印LP6)。
右側傾斜V字溝形成部1470で分離されなかった気液二相流は(図10の白色の矢印TP3)、左側傾斜V字溝形成部1670に案内される(図10の白色の矢印TP4)。気液二相流は、左側傾斜V字溝形成部1670の溝部1672と接触し、表面張力によって、気相と液相とに分離する。液相は、左側傾斜V字溝形成部1670を流れ(図10の黒色の矢印LP7)、下端部1684から流下して、排水案内溝部1810に向かって案内される(図10の黒色の矢印LP6)。
左側傾斜V字溝形成部1670で分離されなかった気液二相流は、左側V字溝形成部1600に案内される(図10の白色の矢印TP5)。気液二相流は、左側V字溝形成部1600の溝部1602と接触し、表面張力によって、気相と液相とに分離する。液相は、左側V字溝形成部1600を流れ(図10の黒色の矢印LP8)、左側傾斜底部1650を流れ(図10の黒色の矢印LP9)、下端部1684から流下して、排水案内溝部1810に向かって案内される(図10の黒色の矢印LP6)。左側V字溝形成部1600の下端部1614と、左側傾斜V字溝形成部1670の上端部1682との間には、左側間隙部1750が形成されており、左側V字溝形成部1600を流れた液相は、左側傾斜V字溝形成部1670に案内されることなく、直ちに、左側傾斜底部1650に案内される。
前述したように、右側V字溝形成部1400で分離された液相は、右側V字溝形成部1400を流れ(図10の黒色の矢印LP1)、右側傾斜底部1450によって案内されて(図10の黒色の矢印LP2)、排水案内溝部1810に向かって案内される。右側傾斜V字溝形成部1470で分離された液相は(図10の黒色の矢印LP4)、右側傾斜V字溝形成部1470を流れ、左側傾斜V字溝形成部1670を介して(図10の黒色の矢印LP5)、排水案内溝部1810に向かって案内される(図10の黒色の矢印LP6)。さらに、左側傾斜V字溝形成部1670で分離された液相は、左側傾斜V字溝形成部1670を流れ(図10の黒色の矢印LP7)、排水案内溝部1810に向かって案内される。左側V字溝形成部1600で分離された液相は(図10の黒色の矢印LP8)、左側傾斜底部1650を流れ(図10の黒色の矢印LP9)、排水案内溝部1810に向かって案内される(図10の黒色の矢印LP6)。このように分離された液相は、全て排水案内溝部1810に案内されて、排水口1800から排出される。
右側V字溝形成部1400で分離された気相(図10の破線の矢印VP1)、右側傾斜V字溝形成部1470で分離された気相は(図10の破線の矢印VP2)、左側傾斜V字溝形成部1670で分離された気相は(図10の破線の矢印VP3)、左側V字溝形成部1600で分離された気相(図10の破線の矢印VP4)は、出口管1300の吸い込み開口1340まで案内され、吸い込み開口1340から吸い込まれて、出口管1300の排出開口1320から筐体1100から外部に排出される。
以下に、第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。
第2の実施の形態による気液分離装置2010は、主に、入口管2200、正面V字溝形成部2400、傾斜V字溝形成部2470、出口管2300を有する。後述するように、正面V字溝形成部2400は、断面がV字状の溝部2402を有し、傾斜V字溝形成部2470は、断面がV字状の溝部2472を有する。
気液分離装置2010は、筐体2100を有する。筐体2100は、略四角柱状の形状を有する。筐体2100は、天面部2110、底面部2120、前面部2130、背面部2140、右側面部2150、左側面部2160を有する。これらの天面部2110、底面部2120、前面部2130、背面部2140、右側面部2150、左側面部2160は、略板状の長方形状の形状を有する。前述したように、筐体2100は、略四角柱状の形状を有し、略四角筒状の側面部と、側面部を挟んで互いに向かい合う2つの底面部とを有する。筐体2100の側面部は、天面部2110と底面部2120と右側面部2150と左側面部2160とによって構成される。また、筐体2100の底面部は、前面部2130と背面部2140とによって構成される。
気液分離装置2010は、入口管2200を有する。入口管2200は、一定の半径を有し長尺な円筒状の形状を有する。入口管2200の円筒側面2210は、略円筒状の形状を有する。入口管2200は、前面部2130及び背面部2140に対して垂直に配置される。なお、入口管2200は、天面部2110と底面部2120とに平行に、かつ、右側面部2150と左側面部2160とに平行に配置することができる。入口管2200は、吸入管用前面開口2132を貫通して配置され、吸入管用前面開口2132によって保持される。
入口管2200は、吸入開口2220と吐き出し開口2240とを有する。吸入開口2220及び吐き出し開口2240は、入口管2200の長手方向の二つの端部に形成された開口であり、略円状の形状の貫通孔である。吸入開口2220は、気液二相流を吸入して筐体2100の内部に導入するための開口である。吐き出し開口2240は、円状の形状の貫通孔である。吐き出し開口2240は、後述する正面V字溝形成部2400と向かい合う。吸入開口2220から吸入された気液二相流は、吐き出し開口2240から正面V字溝形成部2400に向かって排出され、気液二相流は、後述する正面V字溝形成部2400の溝部2402と接触する。
気液分離装置2010は、出口管2300を有する。出口管2300は、一定の半径を有し長尺な円筒状の形状を有する。出口管2300の円筒側面2310は、略円筒状の形状を有する。出口管2300は、前面部2130及び背面部2140に対して垂直に配置される。なお、出口管2300は、天面部2110と底面部2120とに平行に、かつ、右側面部2150と左側面部2160とに平行に配置することができる。出口管2300は、排出管用背面開口2144を貫通して配置され、排出管用背面開口2144によって保持される。
出口管2300は、排出開口2320と吸い込み開口2340とを有する。排出開口2320及び吸い込み開口2340は、出口管2300の長手方向の二つの端部に形成された開口であり、略円状の形状の貫通孔である。排出開口2320は、気相を排出して、筐体2100の外部に導出するための開口である。なお、気液分離装置2010において、十分に気相と液相とに分離できなかった場合には、未分離の気液二相流が排出開口2320から排出される場合も想定される。吸い込み開口2340は、円状の形状の貫通孔である。気相は、吸い込み開口2340から出口管2300に吸い込まれて、出口管2300の排出開口2320から筐体2100の外部に導出される。
入口管2200及び出口管2300を、前述したように配置することにより、入口管2200及び出口管2300は、ともに天面部2110の内側の面に接した位置(上下方向TBの同じ高さ)に、かつ、互いに平行に配置される。すなわち、入口管2200及び出口管2300は、筐体2100の内側の面の最も上側の位置に配置される。
排水口2800は、気液二相流から分離した液相を筐体2100の外部に排出するための開口である。排水口2800は、略円状の形状を有する。排水口2800は、底面部2120の直上の前面部2130に形成されている。排水口2800には、排水ホース(図示せず)を接続するための接続部材2850を連結することができる。
排水案内溝部2810は、分離された液相を一時的に貯留して排水口2800に案内するための溝体である。排水案内溝部2810は、排水口2800と連通して、後述する傾斜底部2450を伝ってきた液相を貯留して排水口2800に向かって案内する。排水案内溝部2810は、右排水傾斜部2820R及び左排水傾斜部2820Lと、排水前面部2836と、底面部2120の一部とからなる。排水案内溝部2810は、左右方向LRに沿った長尺な形状を有し、前面部2130の内側の面におおよそ接して底面部2120に形成される。
右排水傾斜部2820R及び左排水傾斜部2820Lは、長尺な形状で平坦な傾斜面を有する。右排水傾斜部2820Rは、右側面部2150が最も高く、排水口2800に向かって徐々に低くなるように傾斜して形成されている。左排水傾斜部2820Lは、左側面部2160が最も高く、排水口2800に向かって徐々に低くなるように傾斜して形成されている。右排水傾斜部2820R及び左排水傾斜部2820Lによって、前面部2130に形成された排水口2800に向かって液相を案内することができる。
背面傾斜部2430は、おおよそ平坦な形状を有する。背面傾斜部2430は、背面部2140に対して鋭角Θ3(図15参照)をなし、天面部2110から背面部2140に向かって徐々に近づくように傾斜して形成される。背面傾斜部2430には、後述する正面V字溝形成部2400が配置される。
正面V字溝形成部2400は、入口管2200の吐き出し開口2240から吐き出された気液二相流と接触して、液相と気相とに分離させるとともに、分離した液相を傾斜底部2450に案内する。
正面V字溝形成部2400は、溝付き体であり、断面形状が略V字状の長尺な複数の溝部2402を有する。複数の溝部2402は、互いに平行に位置づけられる。具体的には、正面V字溝形成部2400は、断面形状が略V字状の長尺な凹部2404(谷部)と、断面形状が略逆V字状の長尺な凸部2406(山部)とが互いに平行に繰り返して形成されている。
正面V字溝形成部2400は、上端部2412及び下端部2414を有する。正面V字溝形成部2400の上端部2412は、天面部2110の内側の面におおよそ接して位置する。また、正面V字溝形成部2400の下端部2414は、傾斜底部2450の上端部2456の内側の面におおよそ接して位置する。
正面V字溝形成部2400は、右端部2416と左端部2418とを有する。正面V字溝形成部2400の右端部2416は、右側面部2150の内側の面に接し、左端部2418は、出口管2300の円筒側面2310の右側の近傍に位置する。このように、正面V字溝形成部2400の複数の溝部2402を右側面部2150から出口管2300の近傍までに延在させることで、気液二相流が正面V字溝形成部2400と接触できる領域を大きくして、液相と気相とに分離できる機会を高めることができる。
前述したように、溝部2402は、断面が略V字状の形状を有する。この溝部2402の溝角度は、90度未満(鋭角)であるのが好ましい。溝角度とは、図9(a)に示すように、凹部2404(谷部)の谷底を挟んで向かい合う2つの溝面のなす角度θをいう。溝部2402の溝角度を90度未満(鋭角)にしたことにより、気液二相流が溝部2402と複数回で接触(反射)する可能性を高め、気液二相流を液相と気相とに分離しやすくできる。例えば、溝部の溝角度が90度である場合には(図9(b)参照)、白色の矢印で示すように、気液二相流が溝部によって2回反射されると、気液二相流は、溝部から離隔する方向に移動するため、液相と気相とに分離できない可能性が高くなる。しかしながら、溝部2402の溝角度を90度未満(鋭角)にすることで、気液二相流が溝部2402と多めに接触する可能性を高めて(例えば、3回以上)(図9(a)参照)、液相と気相とに分離しやすくできる。なお、気液二相流が溝部2402と接触する回数は、溝角度θや、凹部2404の深さ(又は山の高さ)や、溝部2402と接触する位置などによって適宜に調整することができる。
傾斜底部2450は、おおよそ平坦な形状を有する。傾斜底部2450は、水平方向に対して鋭角Θ4(図15及び図16参照)をなし、傾斜底部2450は、背面部2140から前面部2130に向かって徐々に下がるように傾斜して配置される。傾斜底部2450は、正面V字溝形成部2400から流れてきた液相を排水案内溝部2810に向かって案内する。
下部空間2460は、底面部2120と、排水前面部2836と、背面部2140と、傾斜底部2450と、右側面部2150と、左側面部2160とによって囲まれた空間である。下部空間2460に熱源などの装置や部品を設けることで、液相が凍結することを防止できる。このようにすることで、下部空間2460を有効に活用することができる。
傾斜V字溝形成部2470は、正面V字溝形成部2400で分離しなかった気液二相流と接触し、液相と気相とに分離させるとともに、分離した液相を排水案内溝部2810に案内する。
傾斜V字溝形成部2470は、断面形状が略V字状の長尺な複数の溝部2472を有する。複数の溝部2472は、互いに平行に位置づけられる。具体的には、傾斜V字溝形成部2470は、断面形状が略V字状の長尺な凹部2474(谷部)と、断面形状が略逆V字状の長尺な凸部2476(山部)とが互いに平行に繰り返して形成されている。
傾斜V字溝形成部2470は、傾斜底部2450の上方に、傾斜底部2450と略平行に、傾斜底部2450から離隔して、傾斜底部2450を覆って配置される。このように構成することで、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間に、傾斜間隙部2500を形成することができる。前述したように、傾斜V字溝形成部2470は、傾斜底部2450の3本のリブ2452によって一定の位置に支持される。なお、傾斜V字溝形成部2470は、3本のリブ2452と一体的に形成されたり、ネジなどの固着具や係止具などによって3本のリブ2452に固定されたり、3本のリブ2452に溶接されたりして固定することができる。傾斜V字溝形成部2470は、一定の位置に一定の姿勢で支持されればよい。
傾斜V字溝形成部2470は、上端部2482及び下端部2484を有する。傾斜V字溝形成部2470の上端部2482は、正面V字溝形成部2400から離隔して位置する。すなわち、正面V字溝形成部2400の下端部2414と、傾斜V字溝形成部2470の上端部2482との間に間隙部2550を形成した。また、前述したように、傾斜底部2450は、右側面部2150と密着して形成されている。このため、正面V字溝形成部2400で分離した液相は、傾斜V字溝形成部2470には案内されずに、傾斜V字溝形成部2470の下方に配置された傾斜底部2450に案内されて、直ちに排水案内溝部2810に流下する。また、傾斜V字溝形成部2470には、正面V字溝形成部2400からの液相が案内されないので、正面V字溝形成部2400で分離しなかった気液二相流を、傾斜V字溝形成部2470に積極的に案内して溝部2472に接触させることで、傾斜V字溝形成部2470で液相に分離させることができる。
傾斜V字溝形成部2470は、右端部2486と左端部2488とを有する。傾斜V字溝形成部2470の右端部2486は、右側面部2150の内側の面に接し、左端部2488は、左側面部2160の内側の面に接する。傾斜V字溝形成部2470の複数の溝部2472を右側面部2150から左側面部2160に至るまで延在させることで、気液二相流が傾斜V字溝形成部2470と接触できる領域を大きくして、液相と気相とに分離できる機会を高めることができる。
溝部2472の断面形状は、溝部2402の断面形状と同様であり(図9参照)、溝部2472の溝角度は、90度未満(鋭角)である。このようにすることで、気液二相流が溝部2472と多めに接触する可能性を高めて(例えば、3回以上)、気液二相流を液相と気相とに分離しやすくできる。なお、気液二相流が溝部2472と接触する回数は、溝角度θや、凹部2474の深さ(又は山の高さ)や、溝部2472と接触する位置などによって適宜に調整することができる。
前述したように、正面V字溝形成部2400の下端部2414と、傾斜V字溝形成部2470の上端部2482との間に間隙部2550が形成され、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間に、傾斜間隙部2500が形成されている。このため、正面V字溝形成部2400で分離しなかった気液二相流は、間隙部2550を介して傾斜間隙部2500に入り込む場合もある。前述したように、傾斜V字溝形成部2470は、表裏が同一に形成されており、傾斜間隙部2500側でも、傾斜V字溝形成部2470に気液二相流が接触することで、傾斜間隙部2500で液相と気相とに分離させることができる。このため、傾斜V字溝形成部2470の表面と裏面との双方で、気液二相流を液相と気相とに分離させることで、効率よく液相と気相とに分離させることができる。
<<正面V字溝形成部2400による気液分離>>
入口管2200から吸入された気液二相流(図14、図15、図16の白色の矢印TP20)は、入口管2200の吐き出し開口2240から正面V字溝形成部2400に向かって排出される(図14、図15の白色の矢印TP21)。吐き出し開口2240から吐き出された気液二相流は、正面V字溝形成部2400の溝部2402と接触し、表面張力によって、気相と液相とに分離する。液相は、正面V字溝形成部2400を流れ(図15、図16の黒色の矢印LP21)、傾斜底部2450によって案内されて(図14、図15、図16の黒色の矢印LP22)、傾斜底部2450の下端部2454から排水案内溝部2810に導かれる(図15、図16の黒色の矢印LP23)。前述したように、正面V字溝形成部2400の下端部2414と、傾斜V字溝形成部2470の上端部2482との間には、間隙部2550が形成されており、正面V字溝形成部2400を流れた液相は、傾斜V字溝形成部2470に案内されることなく、直ちに、傾斜底部2450に案内される。
正面V字溝形成部2400で分離されなかった気液二相流は、傾斜V字溝形成部2470に案内される(図14、図15、図16の白色の矢印TP22)。気液二相流は、傾斜V字溝形成部2470の溝部2472と接触し、表面張力によって、気相と液相とに分離する。液相は、傾斜V字溝形成部2470を流れ(図14、図15、図16の黒色の矢印LP24)、傾斜V字溝形成部2470の下端部2484から流下し(図15、図16の黒色の矢印LP25)、排水案内溝部2810に向かって案内される(図15、図16の黒色の矢印LP23)。
前述したように、正面V字溝形成部2400で分離された液相は、正面V字溝形成部2400を流れ(図15、図16の黒色の矢印LP21)、傾斜底部2450によって案内されて(図14、図15、図16の黒色の矢印LP22)、排水案内溝部2810に向かって案内される。傾斜V字溝形成部2470で分離された液相は(図14、図15、図16の黒色の矢印LP24)、傾斜V字溝形成部2470を流れ、排水案内溝部2810に向かって案内される(図15、図16の黒色の矢印LP25)。
正面V字溝形成部2400で分離された気相(図14、図15の破線の矢印VP21)、傾斜V字溝形成部2470で分離された気相(図14、図15、図16の破線の矢印VP22)は、出口管2300の吸い込み開口2340まで案内され(図14、図16の破線の矢印VP23)、吸い込み開口2340から吸い込まれて、出口管2300の排出開口2320から筐体2100から外部に排出される(図14、図15、図16の破線の矢印VP24)。
前述した第1の実施の形態では、右側V字溝形成部1400と右側傾斜V字溝形成部1470とが別体に構成されている例を示したが、右側V字溝形成部1400と右側傾斜V字溝形成部1470とを一体に構成してもよい。このようにすることで、構成を簡素にすることができる。なお、この場合には、右側V字溝形成部1400と右側傾斜V字溝形成部1470との間(境界部分)に開口を形成することで右側間隙部1550を確保することができる。
前述した第1の実施の形態では、右側V字溝形成部1400及び右側傾斜V字溝形成部1470が、筐体1100と別体に構成されている例を示したが、右側V字溝形成部1400及び右側傾斜V字溝形成部1470を筐体1100と一体に構成してもよい。このようにすることで、構成を簡素にすることができる。
<<筐体1100の形状及び筐体2100の形状>>
前述した第1の実施の形態による気液分離装置1010の筐体1100の形状(外形又は内形)と、第2の実施の形態による気液分離装置2010の筐体2100の形状(外形又は内形)とは、いずれも略四角柱状である場合を示したが、他の形状でもよい。例えば、円柱状や楕円柱状などの形状のほか、三角柱状などの多角柱状の形状などにすることができる。
前述した第1の実施の形態では、気液分離装置1010の入口管1200に、7個の同一の半径の略円状の吐き出し開口1240を等間隔に形成した例を示した。吐き出し開口1240の数は、7個には限定されず、7個よりも多くしても少なくしてもよい。吐き出し開口1240から吐き出す気液二相流の流量の分布などに応じて適宜に定めればよい。
前述した第1の実施の形態では、気液分離装置1010の出口管1300に、7個の同一の半径の略円状の吸い込み開口1340を等間隔に形成した例を示した。吸い込み開口1340の数は、7個には限定されず、7個よりも多くしても少なくしてもよい。出口管1300に吸い込む気液二相流の流量などに応じて適宜に定めればよい。例えば、効率よく気液二相流を出口管1300に吸い込むことができるように、吸い込み開口1340の数を定めればよい。
前述した図9では、右側V字溝形成部1400の溝、右側傾斜V字溝形成部1470の溝、左側V字溝形成部1600の溝、左側傾斜V字溝形成部1670の溝、正面V字溝形成部2400の溝、傾斜V字溝形成部2470の溝が、同じ溝形状を有する場合を示したが、これらの溝形状は異なる形状であってもよい。例えば、最初に気液二相流と接触する右側V字溝形成部1400や正面V字溝形成部2400の溝の深さを、残りの右側傾斜V字溝形成部1470、左側V字溝形成部1600、左側傾斜V字溝形成部1670、傾斜V字溝形成部2470の溝の深さよりも深くすることができる。また、深さでなく、溝角度θや溝の間隔などを変更してもよい。気液二相流の流量や流速などに応じて適宜に定めることができる。
前述した例では、明確に示すために、気液分離装置1010の右側V字溝形成部1400と右側面部1150とを別体で示した。すなわち、右側V字溝形成部1400と右側面部1150との間に空間が生ずるように示した。しかしながら、右側面部1150の内側の面を右側V字溝形成部1400にして一体化してもよい。このようにすることで右側V字溝形成部1400と右側面部1150との間に空間が生ずることを防止して、気液二相流が、空間に入り込むことで、天面部1110に向かって気液二相流が吹き上げられることを防止することができる。なお、右側V字溝形成部1400と右側面部1150との間に生ずる空間に接着剤などの封止材を充填してもよい。気液二相流が、空間に入り込むことを防止することができる。
前述した例では、気液分離装置2010の入口管2200の吐き出し開口2240は、入口管2200の長手方向に対して垂直方向に形成された場合を示したが、吐き出し開口2240は、入口管2200の長手方向に対して斜め方向に形成されてもよい。このようにすることで、気液二相流が流れる方向や流速などを調整することができる。また、気液分離装置2010の出口管2300の吸い込み開口2340は、出口管2300の長手方向に対して垂直方向に形成された場合を示したが、吸い込み開口2340は、出口管2300の長手方向に対して斜め方向に形成されてもよい。このようにすることで、出口管2300に吸い込む気相が流れる方向や流速などを調整することができる。
前述した例では、3本のリブ2452によって、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間隔(傾斜間隙部2500の間隔)が、一定となるように、傾斜V字溝形成部2470を配置する場合を示した。これに対して、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間隔が、排水案内溝体2810に近づくに従って広がるようにしてもよい。このようにすることで、傾斜間隙部2500に入り込んだ気液二相流を流速を小さくして、全体の流速分布を調整して、気液二相流を所望する方向に移動させることができる。また、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間隔(傾斜間隙部2500の間隔)を大きくしてもよい。正面V字溝形成部2400で分離された液相の量が多くなった場合にも、傾斜間隙部2500から溢れることなく液相を排水案内溝体2810に案内することができる。
前述した例では、傾斜V字溝形成部2470の下端部2484と傾斜底部2450の下端部2454とがおおよそ同じ位置になるようにしたが、傾斜V字溝形成部2470の長さを短くしてもよい。このようにすることで、傾斜間隙部2500に入り込んだ気液二相流を流速を小さくして、全体の流速分布を調整して、気液二相流を所望する方向に移動させることができる。
前述した例では、右側排水傾斜部2820Rや左排水傾斜部2820Lを設けた場合を示したが、いずれかの一方の排水傾斜部を設けなくてもよい。排水傾斜部を設けないようにすることで、排水案内溝体2810に溜まった液相の液面を下げることができ、排水案内溝体2810に溜まった液相が吹き上げられることを防止することができる。
前述した例では、吸い込み開口2340が、前面部2130から比較的近い位置に配置される場合を示した。例えば、吸い込み開口2340は、前面部2130から18mm~30mm程度の近い位置に配置される。吸い込み開口2340の位置は、このような位置には限られず、吸い込み開口2340を前面部2130から遠ざけた位置に配置することができる。例えば、吸い込み開口2340を前面部2130から最も遠ざけた位置として、吸い込み開口2340を吐き出し開口2240と面一で並ぶ位置にすることができる。吸い込み開口2340を前面部2130から遠ざけることで、吸い込み開口2340の近くの流速を遅くすることができ、気液二相流を十分に気相と液相とに分離させて、気相を出口管2300から排出することができる。
前述した例では、傾斜V字溝形成部2470の下端部2484が、前面部2130から比較的近い位置に配置される場合を示したが、傾斜V字溝形成部2470の下端部2484を、前面部2130から遠ざけた位置に配置してもよい。このようにすることで、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間(傾斜間隙部2500)を流れる気相の流速を小さくして、液相が、気相によって出口管2300の吸い込み開口2340に案内されることを防止することができる。なお、傾斜V字溝形成部2470の傾き(θ)を大きくすることで、傾斜V字溝形成部2470と傾斜底部2450との間(傾斜間隙部2500)を流れる気相の流速を小さくすることができる。
前述した例では、右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482が、右側V字溝形成部1400から比較的近い位置に配置されている場合を示したが、右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482を右側V字溝形成部1400から遠ざけた位置に配置してもよい。右側傾斜V字溝形成部1470の上端部1482と右側V字溝形成部1400との間隔を広げることによって、右側V字溝形成部1400によって分離された液相を右側傾斜間隙部1500から溢れることなく、的確に案内することができる。
前述した排水案内溝体1810や排水案内溝体2810の一部を覆う部材を設けてもよい。例えば、複数の貫通孔が形成されているパンチングメタルなどで排水案内溝体1810や排水案内溝体2810を覆うことができる。このようにすることで、排水案内溝体1810や排水案内溝体2810に溜まった液相が、出口管1300や出口管2300に吸い込まれることを防止することができる。
前述した第1の実施の形態による気液分離装置1010及び第2の実施の形態による気液分離装置2010は、空気調和機等の冷凍装置や、蒸気サイクル装置や、燃料電池車や、気液二相流を扱う機械装置にも展開することができる。例えば、空気調和機等の冷凍装置に組み込んだ場合には、気液分離装置1010や気液分離装置2010を、気相(気相冷媒)と液相(液相冷媒)との気液二相流を気相(気相冷媒)と液相(液相冷媒)に分離する気液分離器として機能させることができる。
上述したように、本発明は、第1~第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
以下に、第3の実施の形態Aについて図面に基づいて説明する。第3の実施の形態Aは、第2の実施の形態を基調とする別形態である。そのため、第2の実施の形態と同様の構成については、符号を同じくし上述した説明を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aは、主に、入口管2200、正面V字溝形成部2400、出口管2300を有する。正面V字溝形成部2400は、断面がV字状の溝部2402を有する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの筐体2100についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<筐体2100>>>の見出しで纏められた記載を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの入口管2200についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<入口管2200>>>及び<吸入開口2220及び吐き出し開口2240>の見出しで纏められた記載を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの出口管2300についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<出口管2300>>>及び<排出開口2320及び吸い込み開口2340>の見出しで纏められた記載を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの入口管2200及び出口管2300の位置についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<入口管2200及び出口管2300の位置>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、後述する防水隔壁部2700Aの一部が、入口管2200の最上部2250と天面部2110の内側の面との間に介在する場合には、その防水隔壁部2700Aの一部の厚み分だけ、入口管2200の最上部2250と天面部2110の内側の面との間に隙間が生じ得る。同様に、後述する防水隔壁部2700Aの一部が、出口管2300の最上部2350と天面部2110の内側の面との間に介在する場合には、その防水隔壁部2700Aの一部の厚み分だけ、出口管2300の最上部2350と天面部2110の内側の面との間に隙間が生じ得る。このような隙間が生じる構成の場合、気液二相流や気相や液相が、その隙間を通過・滞留することが想定される。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの排水口2800についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<排水口2800>>>の見出しで纏められた記載を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの排水案内溝部2810についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<排水案内溝部2810>>及び<右排水傾斜部2820R及び左排水傾斜部2820L>の見出しで纏められた記載を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの背面傾斜部2430についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<背面傾斜部2430>>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、本形態では、背面傾斜部2430は、天面部2110に対して垂直に形成されており、正面V字溝形成部2400で分離した液相を傾斜底部2450へ速やかに案内したい場合等には好適となる。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの正面V字溝形成部2400についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<正面V字溝形成部2400>>、<溝部2402>、<上端部2412及び下端部2414>、<右端部2416及び左端部2418>及び<溝部2402の断面形状>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、本形態では、背面傾斜部2430は、天面部2110に対して垂直に形成されており、第2の実施の形態における傾斜V字溝形成部2470に相当する構成を有しない点で相違している。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの傾斜底部2450についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<傾斜底部2450>>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、本形態では、背面傾斜部2430は、天面部2110に対して垂直に形成されている関係上、傾斜底部2450の上端部2456は、背面傾斜部2430と傾斜底部2450とがおおよそ接する位置となる。また、第2の実施の形態における傾斜V字溝形成部2470に相当する構成を有しない関係上、第2の実施の形態におけるリブ2452に相当する構成を、傾斜底部2450の表面に有しない点で相違している。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの下部空間2460についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<下部空間2460>>の見出しで纏められた記載を援用する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aの気液分離の過程についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<正面V字溝形成部2400による気液分離>>、<<液相の排出>>及び<<気相の排出>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、第2の実施の形態における傾斜V字溝形成部2470に相当する構成を有しない関係上、傾斜V字溝形成部2470に対応する気液分離の過程は存在しない。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aは、防水隔壁部2700Aを有する。以下に、防水隔壁部2700Aの詳細について図18に基づいて説明する。
天面防水隔壁部2710Aは、本態様では、1枚の平板状の突出部が天面部2110の右端から天面部2110の左端まで天面部2110に沿って配置されており、入口管2200における吐き出し開口2240の開口部と重複する部分が除去され、出口管2300の円筒側面2310と重複する部分が除去されることで実現されている。
右側面防水隔壁部2720Aは、本態様では、1枚の平板状の突出部が右側面部2150の内面に沿って配置されており、右側面防水隔壁部2720Aの上端と天面防水隔壁部2710Aの下端とが繋がっている。また、右側面防水隔壁部2720Aは、右側面部2150の内面と密着しているが、右側面防水隔壁部2720Aの下端は、傾斜底部2450とは接していない(その理由については後述するが、右側面防水隔壁部2720Aの下端と傾斜底部2450とが接するよう構成してもよく、その場合には、右側面防水隔壁部2720Aの筐体2100に対する固定強度を高めることができる)。
左側面防水隔壁部2730Aは、本態様では、1枚の平板状の突出部が左側面部2160の内面に沿って配置されており、左側面防水隔壁部2730Aの上端と天面防水隔壁部2710Aの下端とが繋がっている。また、左側面防水隔壁部2730Aは、左側面部2160の内面と密着しているが、左側面防水隔壁部2730Aの下端は、傾斜底部2450とは接していない(その理由については後述するが、左側面防水隔壁部2730Aの下端と傾斜底部2450とが接するよう構成してもよく、その場合には、左側面防水隔壁部2730Aの筐体2100に対する固定強度を高めることができる)。
本態様では、防水隔壁部2700Aの一部として、防水隔壁補助部2750Aを有する。防水隔壁補助部2750Aは、天面防水隔壁部2710A、右側面防水隔壁部2720A及び左側面防水隔壁部2730Aの外周と繋がっており、その外周から前面部2130側へ向けて延設された部材である。また、防水隔壁補助部2750Aは、天面部2110の内面、右側面部2150の内面及び左側面部2160の内面と接合されている。そのため、防水隔壁補助部2750Aは、それぞれの隔壁部が筐体2100の内部に向かって突出する状態を維持・補強するための補助部材として機能する。
第3の実施の形態Aによる気液分離器2010Aは、防風隔壁部2600Aを有する。防風隔壁部2600Aは、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の説明における<<<変形例15>>>の見出しで纏められた記載にもある変形例の更なる具体的態様を示すものである。以下に、防風隔壁部2600Aの詳細について説明する。
以下に、第3の実施の形態Bについて図面に基づいて説明する。第3の実施の形態Bは、第2の実施の形態を基調とする別形態である。そのため、第2の実施の形態と同様の構成については、符号を同じくし上述した説明を援用する。また、第3の実施の形態Aで説明した防水隔壁部2700A及び防風隔壁部2600Aと同様の構成を有しているため、それら構成についての説明も適宜援用する。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、主に、入口管2200、正面V字溝形成部2400、出口管2300を有する。正面V字溝形成部2400は、断面がV字状の溝部2402を有する。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bの筐体2100についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<筐体2100>>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、気液分離器2010Bにおける筐体2100の側面が左右に向かって湾曲しているため略四角柱状の形状ではない点で相違する。以下での説明の便宜上、右側に向かって湾曲する形状を有する側面を右側面部2150とし、左側に向かって湾曲する形状を有する側面を左側面部2160とする。また、天面部2110、底面部2120、前面部2130、背面部2140は、おおむね平板状の形状を有する部位とする。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bの入口管2200についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<入口管2200>>>、<吸入開口2220及び吐き出し開口2240>及び<<入口管2200及び出口管2300の位置>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、気液分離器2010Bでは、入口管2200の最上部と天面部2110の内側の面との間に隙間が生じる配置を採用している。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bの出口管2300についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<出口管2300>>>、<排出開口2320及び吸い込み開口2340>及び<<入口管2200及び出口管2300の位置>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、気液分離器2010Bでは、出口管2300の最上部と天面部2110の内側の面との間に隙間が生じる配置を採用している。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bの排水口2800についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<<排水口2800>>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、本形態では、前面部2130にも背面部2140にも排水口2800が設けられている。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bの正面V字溝形成部2400についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<正面V字溝形成部2400>>、<溝部2402>及び<溝部2402の断面形状>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、本形態では、背面傾斜部2430に相当する構成を有しておらず、正面V字溝形成部2400が背面部2140の内面に直接取り付けられている。また、傾斜底部2450及び傾斜V字溝形成部2470に相当する構成を有しておらず、正面V字溝形成部2400が、背面部2140のおおむね右半分の領域に亘って広範囲に取り付けられている点で相違している。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bの気液分離の過程についての説明は、第2の実施の形態の説明における<<正面V字溝形成部2400による気液分離>>、<<液相の排出>>及び<<気相の排出>>の見出しで纏められた記載を援用する。但し、第2の実施の形態における傾斜V字溝形成部2470に相当する構成を有しない関係上、傾斜V字溝形成部2470に対応する気液分離の過程は存在しない。また、前述したとおり、第2の実施の形態における排水案内溝部2810、傾斜底部2450及び下部空間2460に相当する構成を有していない。そのため、正面V字溝形成部2400の溝部2402と接触し分離した液相は、底面部2120へ流下して蓄積され、背面部2140側の排水口2800から排出されるか、又は、液相通過口2611Bを通過して前面部2130側へ移動し、前面部2130側の排水口2800から排出される点で相違している。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、防水隔壁部2700Bを有する。防水隔壁部2700Bは、第3の実施の形態Aにおける防水隔壁部2700Aと同様の機能を果たす。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、防水隔壁補助部2750Bを有する。防水隔壁補助部2750Bは、第3の実施の形態Aにおける防水隔壁補助部2750Aと同様である。但し、本態様では、入口管2200の最上部と天面部2110の内側の面との間に防水隔壁補助部2750Bが介在しているものの、入口管2200の最上部と防水隔壁補助部2750Bとが接合されておらず、入口管2200の最上部と天面部2110の内側の面との間に隙間が生じる配置を採用している。同様に、出口管2300の最上部と天面部2110の内側の面との間に防水隔壁補助部2750Bが介在しているものの、出口管2300の最上部と防水隔壁補助部2750Bとが接合されておらず、出口管2300の最上部と天面部2110の内側の面との間に隙間が生じる配置を採用している。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、防風隔壁部2600Bを有する。防風隔壁部2600Bは、第3の実施の形態Aにおける防風隔壁部2600Aと同様である。但し、本態様では、第2の実施の形態における排水案内溝部2810、傾斜底部2450及び下部空間2460に相当する構成を有しておらず、前述したとおり、正面V字溝形成部2400の溝部2402と接触し分離した液相は、底面部2120へ流下して蓄積され、背面部2140側の排水口2800から排出されるか、又は、液相通過口2611Bを通過して前面部2130側へ移動し、前面部2130側の排水口2800から排出される(例えば、気液分離器2010Bが車載されるような設置態様の場合、気液分離器2010Bの水平方向を基準とした傾きが上下方向へ動的に変化することが想定される。その場合でも、背面部2140側の排水口2800と前面部2130側の排水口2800とが設けられているため、気液分離器2010Bの傾きに応じてどちらの排出口からでも排出できるよう設計されている)。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、第1液相誘導部2760Bを有する。第1液相誘導部2760Bは、入口管2200における吐き出し開口2240の開口端における概ね下半分の開口端周囲に配置されている。第1液相誘導部2760Bは、吐き出し開口2240の開口端、天面防水隔壁部2710B及び右側面防水隔壁部2720Bとそれぞれ繋がっている。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、第2液相誘導部2770Bを有する。第2液相誘導部2770Bは、入口管2200における吐き出し開口2240の開口端における下端近傍に配置されている。第2液相誘導部2770Bは、第1液相誘導部2760B及び液相通過口2611Bの開口端とそれぞれ繋がっている。
第3の実施の形態Bによる気液分離器2010Bは、第3液相誘導部2780Bを有する。第3液相誘導部2780Bは、入口管2200側に位置する天面防水隔壁部2710Bやそれと繋がる第1液相誘導部2760B、出口管2300側に位置する天面防水隔壁部2710Bやそれと繋がる第1液相誘導部2760Bと繋がり、更に、中央に位置する液相通過口2611Bの開口端と繋がっている(T字状の部材で図示されている)。
1200 入口管
1300 出口管
1400 右側V字溝形成部
1450 右側傾斜底部
1460 右側下部空間
1470 右側傾斜V字溝形成部
1500 右側傾斜間隙部
1550 右側間隙部
1600 左側V字溝形成部
1650 左側傾斜底部
1660 左側下部空間
1670 左側傾斜V字溝形成部
1700 左側傾斜間隙部
1750 左側間隙部
1800 排水口
2100 筐体
2200 入口管
2300 出口管
2430 背面傾斜部
2400 正面V字溝形成部
2450 傾斜底部
2460 下部空間
2470 傾斜V字溝形成部
2500 傾斜間隙部
2550 間隙部
2800 排水口
2700A 防水隔壁部
2600A 防風隔壁部
2700B 防水隔壁部
2600B 防風隔壁部
2760B 第1液相誘導部
2770B 第2液相誘導部
2780B 第3液相誘導部
Claims (15)
- 筐体と、
前記筐体内に気液二相流が導入される第1の開口と、
第1の方向に延在する第1の溝を有する第1の溝付き部であって、前記第1の開口と向かい合って配置され、前記第1の開口から前記筐体内に導入された気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第1の溝付き部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の溝を有する第2の溝付き部であって、前記第1の溝付き部を通過した気液二相流と接触して表面張力により気液二相流を液相と気相とに分離する第2の溝付き部と、
前記第1の開口とは異なる第2の開口であって、分離された気相を筐体外に排出可能に形成された第2の開口と、
前記第1の溝付き部及び前記第2の溝付き部の下方に位置し、かつ、分離された液相を一時的に蓄える液相貯留部と、
前記液相貯留部に蓄えられた液相を筐体外に排出可能に形成された排出口と、を備え、
前記第2の溝付き部の前記第2の溝は、前記第2の溝付き部の表面と裏面とに形成され、液相は、表面の第2の溝と裏面の第2の溝との双方に流下可能である気液分離器。 - 前記第1の溝付き部の前記第1の溝は、垂直方向に沿って延在し、又は垂直方向に対して鋭角をなす傾斜した方向に延在し、分離された液相を、自重又は気流によって案内する請求項1に記載の気液分離器。
- 前記第1の溝及び前記第2の溝の溝角度が鋭角である請求項1に記載の気液分離器。
- 前記第2の溝の前記第2の方向は、前記液相貯留部に向かって延在する方向である請求項1に記載の気液分離器。
- 前記第2の溝付き部は、前記液相貯留部に向かって下方に傾斜する請求項1に記載の気液分離器。
- 前記第1の開口と連通し前記筐体内に延在して前記第1の開口を介して前記筐体外から前記筐体内に気液二相流を導入する第1の仕切り体と、
前記第2の開口と連通し前記筐体内に延在して前記第2の開口を介して前記筐体内から前記筐体外に気相を導出する第2の仕切り体と、を有する請求項1に記載の気液分離器。 - 前記第2の溝付き部は、
前記第1の仕切り体の下方に配置される第1下方溝付き部と、
前記第1下方溝付き部から離隔し、前記第2の仕切り体の下方に配置される第2下方溝付き部と、を有し、
前記第1下方溝付き部及び前記第2下方溝付き部は、前記液相貯留部に向かって下方に傾斜する請求項6に記載の気液分離器。 - 前記第1下方溝付き部は、前記液相貯留部の上方で前記第2下方溝付き部を覆う請求項7に記載の気液分離器。
- 前記第1の仕切り体及び前記第2の仕切り体は、円筒形状を有し、
前記第1の仕切り体及び前記第2の仕切り体は、互いに平行に水平方向に沿って配置され、
前記第1の仕切り体の最上部と前記第2の仕切り体の最上部と前記第1の溝付き部の最上部とが同じ位置である請求項6に記載の気液分離器。 - 前記第2の溝付き部の下方に空間を有する請求項1に記載の気液分離器。
- 前記第1の溝付き部と前記第2の溝付き部は、一体に形成され、
前記第1の溝付き部と前記第2の溝付き部との間に開口を有する請求項1に記載の気液分離器。 - 前記第1の溝付き部及び前記第2の溝付き部と前記筐体とが一体に形成されている請求項1に記載の気液分離器。
- 前記第1の開口は、前記第1の仕切り体の円筒側面又は前記第1の仕切り体の円筒底部に形成された請求項9に記載の気液分離器。
- 前記第2の開口は、前記第2の仕切り体の円筒側面又は前記第2の仕切り体の円筒底部に形成された請求項9に記載の気液分離器。
- 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の気液分離器を組み込んだ流体装置。
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